JP2007268905A - 円錐形ペン先及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】円錐形ペン先において、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図る。
【解決手段】複数の櫛歯状片2を先端部側に当該先端部から又は当該先端部から少し後退した位置から基端部方向に延びる切り込み20を設け、先端部を半球状に、且つ全体を先端部方向に向けて漸次円錐形に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、万年筆その他の筆記具に使用する円錐形ペン先及びその製造方法に関する。
この種のペン先が特許文献1に記載されている。この文献1のペン先は、ペン先基本体と、収束部材とを備えている。この場合、ペン先基本体は、円筒形の基部と、その一端側に連続して断面円弧状に突出され、軸心の円周上に等間隔に相互の間にスリット状の溝を設けて形成され、先端に半球分割部が形成された5本乃至8本の櫛歯状片とにより構成される。収束部材はペン先基本体の外周上に嵌合可能な金属パイプからなり、これをペン先基本体上に嵌め込むことにより、各櫛歯状片がその先端方向に向けて漸次縮径する円錐形に収束されて、その先端に半球状の筆端部が形成されるとともに、各櫛歯状片間にインキ導出路が形成される。このようにして構成されたペン先は、紙面に対し多方向へ筆記でき、ペン軸を中心に回動しても、どの位置、どの角度からでも書けるのに加え、筆記圧の強弱に応じ、太線、細線など線の幅を変えて種々な態様の文字を筆記することができる。
特開平9−156279号公報
この種の円錐形ペン先では、複数の櫛歯状片の先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束されたペン先形状により、上記のとおりの筆記性能を実現することができ、複数の櫛歯状片の先端が可及的に半球状に、且つ全体が可及的に円錐形に形成されることで、筆記性能の一層の向上を図ることができる。しかしながら、従来のように、各櫛歯状片の先端に半球分割部を形成し、全体を(断面円弧状の)略剣形に形成するだけでは、所期の加工は難しいという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種の円錐形ペン先において、複数の櫛歯状片の先端を可及的に半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形に収束できる加工性に優れた構造を有し、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ること、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の円錐形ペン先は、筒形形状に形成される基部と、基部の一端側に設けられ、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片とを備え、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する略円錐形のペン先形状に形成される円錐形ペン先において、複数の櫛歯状片は先端側に基端方向に延びる切り込みを有して、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に形成されることを要旨とする。
また、本発明は次のように具体化される。第1に、複数の櫛歯状片は3本乃至8本の櫛歯状片により構成される。第2に、切り込みは各櫛歯状片の先端を切り込み始点又は切り込み終点として設けられる。第3に、第2に代えて、切り込みは各櫛歯状片の先端から基端側へ所定距離だけ後退された位置を切り込み始点又は切り込み終点として設けられる。第4に、切り込みは各櫛歯状片に1つ又は複数設けられる。第5に、基部は複数の櫛歯状片と別体に形成され、一端面に複数の櫛歯状片の基端部を軸方向に向けて嵌挿可能な溝形の固定部を有し、複数の櫛歯状片はそれぞれ分離して形成され、基部の各固定部に差し込み、円周上に配列され、これら櫛歯状片の外周上に筒形形状の収束部材が嵌め込まれて、外側から内側に向けて加圧収束される。第6に、複数の櫛歯状片はそれぞれ、前部片と後部片とからなり、前部片をセラミックス材により形成され、後部片を合成樹脂材又は金属材により弾性的に変形可能に形成される。第7に、第6において、基部と複数の櫛歯状片の後部片は合成樹脂材又は金属材により一体に形成される。第8に、基部と複数の櫛歯状片は合成樹脂材又は金属材により一体に形成され、複数の櫛歯状片がそれぞれ、基部の一端側に連続して断面円弧状に突出され、軸心の円周上に等間隔に相互の間にスリット状の溝を設けて形成され、各櫛歯状片の外周上に筒形形状の収束部材が嵌め込まれて、各櫛歯状片を軸心方向に向けて押圧し、収束される。第9に、基部と複数の櫛歯状片は金属材又は合成樹脂材により一体に成形され、基部が筒形に形成されるとともに、基部の一端側に複数の櫛歯状片が先端を略半球状に、全体が先端に向けて漸次略円錐形に収束された成形形状に形成される。
また、本発明の円錐形ペン先の製造方法は、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片を備え、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する円錐形ペン先の製造方法において、素形材を櫛歯形状の外形に打抜く工程と、櫛歯形状の先端に半球分割部を形成する工程と、櫛歯状片を断面円弧状に丸め、先端側を軸心に近接する方向に傾斜状に曲げる工程とを有し、上記いずれかの工程に櫛歯形状の先端側に切り込みを入れる工程を含むことを要旨とする。なお、この製造方法は、特に、以下に例示する各実施の形態のうち、櫛歯状片を金属材料により成形する場合に有効である。
本発明の円錐形ペン先及びその製造方法は、上記構成及び方法により、複数の櫛歯状片の先端を可及的に半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形に収束できる加工性に優れた構造を有し、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図28を用いて説明する。図1乃至図20に本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は円錐形ペン先(以下、単にペン先という。)であり、複数の櫛歯状片2,2,…と、基部3と、収束部材4とを備え、複数の櫛歯状片2が基部3及び収束部材4により組み立てられて、先端に筆端部5、各櫛歯状片2間にインキ導出路6を有する円錐形のペン先形状に形成される。
複数の櫛歯状片2,2,…は金属材料又は樹脂材料又はセラミックス材料又はこれらの組み合わせにより形成され、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束可能に、各櫛歯状片2が、図2(a)に示すように全体が略剣形に、且つ図2(b)及び(c)〜(e)に示すように幅方向を断面円弧状に湾曲されて形成され、さらに図3に示すように、その先端部には所定の大きさの半球分割部21が形成される。各櫛歯状片2の先端部22F側には、図2(a)に示すように、当該先端部22Fから(ペン先1の軸方向に沿って)基端部22R方向に延びる切り込み20が設けられる。この切り込み20は1つでもよく、また2つ以上(複数)でもよい。この場合、切り込み20は1つで、各櫛歯状片2の先端部22F側の幅方向中央に、当該先端部22Fを切り込み始点として直線状に筆端部5の範囲内(又は範囲外)の所定の長さに形成される。なお、この切り込み20が基端部22R側から先端部22Fに向けて切られる場合は、当該先端部22Fが切り込み終点となる。各櫛歯状片2の基端部22Rは、図2(a)に示すように、基部3に固定可能な被固定部になっていて、フランジ部23と先端部22F側よりも幅広の拡幅部24が設けられる。フランジ部23は基部3に挿入する際に押込み治具にて押込む力点部分として、フランジ部前側23−1を使い、治具により当接しながら押込む力を受ける役目を果たし、フランジ部後側23−2は基部3の固定部前端につき当てその位置にて固定する役目を果たす。この時、フランジ部後側23−2と櫛歯状片2の先端までの長さを各櫛歯状片2共精度良く一定の長さに揃えて保てば、図10に示すように、必要枚数の櫛歯状片2を円周上に基部3に挿入した場合、櫛歯状片2の先端は円錐形のペン先形状に揃った形とすることができる。このようにして各独立分離した櫛歯状片2を使用するにも拘らず組み立てた際に精度よく筆端部5先端が可及的に半球状に揃い、先端部22F側全体が漸次、可及的に円錐形に収束される形状を得ることができる。
複数の櫛歯状片2,2,…は3本乃至8本の櫛歯状片で構成されることが好ましい。図4乃至図7にその具体例を示している。図4は3本の櫛歯状片2で構成された筆端部5を示し、各櫛歯状片2の先端部22F側に、当該先端部22Fから基端部22R方向に延びる切り込み20が1つ設けられている。この場合、切り込み20は各櫛歯状片2の先端部22F側の幅方向中央に、切り込み始点の先端部22Fから(ペン先1の軸方向に沿って)筆端部5の外周縁部まで(この長さは必要に応じて伸長又は短縮される。)直線状に形成される。図5は3本の櫛歯状片2で構成された筆端部5を示し、各櫛歯状片2の先端部22F側に、当該先端部22Fから基端部22R方向に延びる切り込み20が2つ設けられている。この場合、切り込み20は各櫛歯状片2の先端部22F側を幅方向に3等分する位置2箇所に、切り込み始点の先端部22Fから(ペン先1の軸方向に沿って)筆端部5の外周縁部まで直線状に形成される。図6は5本の櫛歯状片2で構成された筆端部5を示し、各櫛歯状片2の先端部22F側に、当該先端部22Fから基端部22R方向に延びる切り込み20が1つ設けられている。この場合、切り込み20は各櫛歯状片2の先端部22F側の幅方向中央に、切り込み始点の先端部22Fから(ペン先1の軸方向に沿って)筆端部5の外周縁部まで直線状に形成される。図7は5本の櫛歯状片2で構成された筆端部5を示し、各櫛歯状片2の先端部22F側に、当該先端部22Fから基端部22R方向に延びる切り込み20が1つ設けられている。この場合、切り込み20は各櫛歯状片2の先端部22F側の幅方向中央に、切り込み始点の先端部22Fから(ペン先1の軸方向に沿って)筆端部5の外周縁部の手前まで直線状に形成される。この切り込み20の場合、端部(切り込み20の外周縁部側の端部)にインキを導出するための穴20Hを穿設してある。
基部3は複数の櫛歯状片2と別体に、金属材料又は樹脂材料又はこれらの組み合わせにより形成され、図8に示すように、全体が円筒形に形成されて、その一端面に各櫛歯状片2基端部の被固定部22Rが(基部3の)軸方向に向けて嵌挿可能な溝形の固定部3−1が設けられる。このようにして複数の櫛歯状片2,2,…が基端部22Rを基部3の各固定部3−1に差し込まれて、(基部3の一端面の)円周上に配列可能に構成される。
この基部3は図9に示すように変更することができる。この基部3では、円筒形に形成された部材を二層に分けている。内層の円筒体3−2は樹脂材料を使用し型にて射出成型される。この成型部材の外周には複数の突起3−3を等間隔に成型部材である円筒体3−2と略同じ長さに設け、この突起3−3の外径に、外層に相当する金属パイプ3−4を圧入固定し、基部3の構成品とする。このパイプ3−4と突起3−3との間にできた間隙を櫛歯状片2の基端部22Rを挿入固定する固定部3−1として構成する。このようにすることにより複数の櫛歯状片2を円筒体3−2の周囲、且つ外層パイプ3−4の内側に円筒状に配列でき、しかも外層パイプ3−4は金属で形成できるので、この櫛歯状片2の基端部22Rは間隙の固定部3−1に、且つ突起3−3に案内されて左右にブレを生ずることなく強固に固定可能となり、外層パイプ3−4の肉厚が充分薄くでき、櫛歯状片2の配列円より段差を最少にし、しかも外側への変形等は起さず全体をコンパクトに形成できる。なお、この円筒体3−2は突起3−3がついたままの樹脂による押し出し成形、又は金属材料による押し出し成型でも形成でき、必要長さに切断した形状としてさらに生産性よく作成できる。
収束部材4は金属材料又は樹脂材料又はこれらの組み合わせにより形成され、図1及び図10、図11に示すように、略円柱形の収束部41と、円錐台形の絞り部42とを具備する。収束部41は、基部3により円周上に配列された複数の櫛歯状片2,2,…の外周上に嵌合可能に円筒状に形成され、基部3の外径と略同じ外径を有し、複数の櫛歯状片2,2,…の基端部22R側中間部を外側から内側に向けて加圧して略円柱形に収束可能な内径を有する。絞り部42は収束部41の外径及び内径が徐々に縮径され、複数の櫛歯状片2,2,…の先端部22F側中間部を外側から内側に向けて加圧してこれら櫛歯状片2,2,…を略円錐形に、且つ各半球分割部21を略半球状に収束可能な内径を有する。またこの収束部材4はペン先1をペン軸体の胴部に装着するマウスピースとして形成することもできる。
ここでペン先1の製造方法について簡単に説明する。このペン先1を製造するには、ペン先1の構成部品、すなわち複数の櫛歯状片2、基部3、収束部材4を作成する成形工程と、複数の櫛歯状片2の基端部22Rを基部3の固定部3−1に差し込み、円周上に固定する工程(図10参照)と複数の櫛歯状片2の外周に収束部材4を嵌め込み、これら櫛歯状片2を収束する工程(図11参照)とを有する組立工程とを採ることになる。
成形工程では、ペン先1が3種類の構成部品で形成され、これら部品の中で櫛歯状片2の形状が単純化されたことから、部品の成型で使用される金型は著しく簡素化される。櫛歯状片2を金属材料により成形する場合、図14に示すように、金属材料(この場合、ステンレス鋼の平板S)を、第1次(プレス)打抜き加工(1)、半球分割部成形加工(2)、第2次(プレス)打抜き及び切り込み加工(3)、第3次(プレス)打抜き加工(4)、丸め及び曲げ加工(5)により変形加工する。まず、第1次打抜き加工(1)において、プレス加工によりステンレスの平板Sを全体が先端に向けて徐々に幅狭の、先細の櫛歯形状2−1に打抜く。次いで、半球分割部成形加工(2)において、櫛歯形状2−1の先端に(イリジウム合金を溶接する)イリジウム合金処理を加えて、当該先端を内方に向けて曲折し、半球分割部21を形成する。続いて、第2次打抜き及び切り込み加工(3)において、プレス加工によりステンレスの平板Sの櫛歯形状2−1をさらに略矢尻形状2−2(櫛歯形状2−1の基部を同じ幅で延ばした形状)に打抜く。そして、その先端に切り込み20を切る。続いて、第3次打抜き加工(4)において、プレス加工によりステンレスの平板Sの略矢尻形状2−2をさらに略剣形状2−3に打抜く。最後に、丸め及び曲げ加工(5)において、略剣形状2−3の幅方向の断面を円弧状に丸め、先端側の略三角形の部分を軸心に近接する方向に傾斜状に曲げる。そして、半球分割部21の外面角部、すなわち半球分割部21の外面とその側面との間に形成された角をブラスト掛け、バレル研磨、バフ磨き等により研磨し、半球分割部21が紙面に接した時に角が引っ掛らないような丸み(R面)を付ける。このペン先の場合、各櫛歯状片2の先端側が先端に向けて徐々に幅狭の先細に、且つ先端に向けて徐々に軸心に近接する方向に傾斜し、全体の断面が円弧状に形成され、先端の半球分割部21は櫛歯状片2の数によって半球状の1/3〜1/8の分割形状に形成される等の必要形状の寸法精度を確実化する必要があるが、各櫛歯状片2はそれぞれ分離され個別に作成されるために、寸法精度の確認が容易となり、不良品の発生を未然に防ぐことができる。また、特に、第2次打抜き加工では、切り込み加工が併せて行われ、半球分割部21に先端部22Fから直線的に切り込み20が入れられる。この場合、複数の櫛歯状片2は組付け前にはそれぞれ個別の状態であるから、上記切り込み20の加工は容易である。なお、ここで切り込み加工は第2次打抜き加工に併せて行うようにしたが、この切り込み加工は、第1次(プレス)打抜き加工(1)、半球分割部成形加工(2)、第2次(プレス)打抜き加工(3)、第3次(プレス)打抜き加工(4)、丸め及び曲げ加工(5)のうち、いずれの工程で行うかは任意であり、最良の手法を選定すればよい。この切り込み20により、各半球分割部21がさらに2等分割又は複数に分割されて、(複数の櫛歯状片2が少ない本数でも)複数の櫛歯状片2の先端部22Fを可及的に半球状に、先端部22F側全体を可及的に円錐形に収束することができる。さらに各半球分割部21の外面角部、すなわち半球分割部21の外面とその側面との間に形成された角はブラスト掛け、バレル研磨、バフ磨き等により研磨され、各半球分割部21が紙面に接した時に角が引っ掛らないような丸み(R面)が付けられるが、この場合、複数の櫛歯状片2は組付け前にはそれぞれ個別な状態であるから上記の面取り操作も容易である。
組立工程では、各部品の形状が単純化されているから各部品をパーツフィーダー等の自動供給装置に載せて組み立てることができ、ここでは特に複数の櫛歯状片2,2,…を基部3の固定部31に差し込む単純な動作と、複数の櫛歯状片2,2,…の外周上に収束部材4を嵌め込む単純な動作で済むので、組立ラインの自動化が容易である。なお、複数の櫛歯状片2を基部3の固定部3−1に差し込む場合、櫛歯状片2のフランジ部前側23−1の段を押して、固定部3−1にフランジ部後側23−2の段が保持部(図9の場合、突起3−3)に突き当るまで押し込む動作を行う。3本乃至8本の櫛歯状片2,2,…を基部3の固定部31に差し込む動作では、これらの櫛歯状片2,2,…が軸心の円周上に沿って等間隔に配列され、相互の間にはスリット状の溝が形成される。これらの櫛歯状片2,2,…は基部3の一端面に接続されて、その基端部22R側半部が基部3の一端面からほぼ直線的に延出され、その先端部22F側半部が先端に向けて徐々に軸心に近接する方向に傾斜されて、鳥のくちばし状をなす。したがって各櫛歯状片2は断面形状が円錐形に分割され湾曲した形状をもちつつ基部3に接続されるから、この形態により、各櫛歯状片2は基部3の固定部31に固定された一端を固定端とする三角状の片持板、言い換えれば一端固定の片持梁と同じ構成になっている。これら櫛歯状片2,2,…と基部3との組み立てに続いて、これら櫛歯状片2,2,…の外周上に収束部材4を嵌め込む動作が行われる。この場合、収束部材4は収束部41の端面周縁部が基部3の一端面周縁部に衝接するまで嵌め込まれる。この収束部材4の収束部41により、3本乃至8本の櫛歯状片2,2,…の基端部22R側が外周方向から軸心に向けて押圧されて内方へ窄められ、その基端部22R側中間部がほぼ円柱形状に収束されるとともに、この収束部材4の絞り部42により、これら櫛歯状片2,2,…の先端部22F側中間部が外周方向から軸心に向けて押圧されて内方へ窄められ、これら櫛歯状片2,2,…の中間部から先端部にかけて円錐形状に収束され、さらに各櫛歯状片2先端の半球分割部21が半球形状に収束される。この収束部材3の平均した圧力により、3本乃至8本の櫛歯状片2,2,…の基端部側が歪みのない円柱形状に収束され、併せてこれら櫛歯状片2,2,…同士の弾性的な接触と各櫛歯状片2先端側の切り込み20とにより、図11乃至図13に示すように、その先端部22F側が漸次縮径する歪みのない(可及的に)円錐形状に収束されるとともに、その先端の半球分割部21が収束されてそこに凹凸のない滑らかな(可及的に)半球形状の筆端部5が構成される。その頂部51は、櫛歯状片2の先端が複数個円形にまとめられ、断面花びら状に形成されて、その外周部が筆記時において紙面に押接されて文字を書くための筆記部分になる。また、櫛歯状片2の両サイドの合わせ部、すなわち隣合う櫛歯状片2の間に毛細管的隙間をなすインキ導出路6が構成される。
次に、このペン先1を利用した筆記具による筆記動作について図15から図20を用いて説明する。図15にこのペン先1を利用した筆記具7を示す。この筆記具7では、ペン先1の各櫛歯状片2が円錐形を構成する分割片であり、それぞれ先端が独立した形になっている。すなわち、複数の櫛歯状片2の一片は先端に半球状の形状を複数に分割されたうちの1つの成形形状をもち、また櫛歯として円筒形の基部3(図1参照)に接続するまでの途中の断面形状が、円錐形の分割され湾曲した形状をもちつつ基部3に固定され、この基部3に固定された一端を固定端とする三角状の片持板、言い換えれば一端固定の片持梁と同じ構成になっている。したがって、筆記具7によって筆記する場合、ペン先1に筆圧がかかることにより櫛歯状片2の先端に押し上げ力(たわみ力)が働けば、櫛歯状片2が収束部材4で固定された部位を支点に撓み変形し、また、この押し上げ力がなくなれば元の形状に復帰する。
このような櫛歯状片2が円錐形状に集合し、先端部が集まって半球状の筆端部5を構成するペン先1の頂部51を立体的にみると、この頂部51は、図16、あるいは図17(a)や図19(a)になっている。ここで、図16は、円錐形の部分が6枚の櫛歯状片2で構成されたペン先1の頂部51が紙面に接した状態を表す部分斜視図である。なお、図16中、71はインキ誘導芯である。
図16に示すように、この筆記具7による筆記を行なうために、ペン先1を紙に対し通常45°〜60°程度の実用範囲で当てると、紙面との当接面側に対応するペン先1の頂部51の接合隙間、すなわちインキ導出路6の先端部分内側まで達しているインキは紙面と頂部51の接触面に生じる毛細管現象によって吸い出され、紙面にインキが伝えられて線を書くことができる。
このときの筆記の圧力による半球形状の筆端部5の弾性変形作用が図17乃至図20に示されている。図17、図18は円錐形の部分が6枚の櫛歯状片2で構成されたペン先1の筆端部5の、筆記動作にともなう形状変化を表す端面図であり、図19、図20は円錐形の部分が5枚の櫛歯状片2で構成されたペン先1の筆端部5の、筆記動作にともなう形状変化を表す端面図である。
図17において、(a)はペン先1の先端において櫛歯状片2の1つが真下にくるようにペンが紙面に向けられている状態の下で、ペン先1の頂部51がまだ紙面に接していないか、或いは軽く接していて圧力が加わっていないときの、当該頂部51の状態を示す。この場合は、櫛歯状片2のいずれにも撓み力が加わらないため、各櫛歯状片2は互いに弾性的に接触している。次に、筆記者が文字等を書くために力を加えると、この筆記を行なうときの圧力により、頂部51は櫛歯状片2の収束部材4に固定された部位を支点に櫛歯状片2の先端として撓み、上側に移動するが、櫛歯状片2の材料の剛性により抵抗力が生じ、通常の筆記をするときの圧力では先端部は所定の寸法の移動、すなわち変位に止どまる。この変位は例えば0.1〜0.5ミリメートル(mm)である。このとき、半球状の頂部51を正面からみると、図17(b)に示すように、この頂部51を構成している複数の櫛歯状片2,2,…のうちペンの下側に位置する1つの櫛歯状片2の先端が押し上げられ、対向位置にある櫛歯状片2を押し上げるとともに両側位置にある櫛歯状片2を左右に押し広げることによって半球形状が変形し、全体として筆端部5がずれる。
これにより、総体的にみて、半球部分の外径および紙面に接する面積が大きくなり、図17(b)中、斜線で表わされたペン先が紙面に接触する領域Aは拡大するが、この拡大の度合はペン先1を紙面に押しつける圧力、すなわち筆圧が大きいほど高くなる。一方、書記されるときの線の太さは、頂部51の外径に依存し、その半球形状が拡大する程度に応じて拡大するから、筆圧の大小により線の幅が太い、または細いものとして筆記される。しかも、筆記圧の強弱に応じて、櫛歯状片2全体が撓み、筆圧が大きくてもその力を櫛歯状片2全体が吸収するクッション作用を生ずる。
図18は、図17(a)および(b)の場合と異なり、ペン先1の先端において2つの櫛歯状片2の境界に当たる部位のインキ導出路6の1つが真下にくるようにペンが紙面に向けられている状態の下で、ペン先1の頂部51に圧力が加わったときの、当該頂部51の変形状態を示す。この場合は、半球状の筆端部5を正面からみると、筆記を行なうときの圧力により、頂部51を構成している複数の櫛歯状片2,2,…のうちペンの下側に位置している2つの櫛歯状片2,2の先端が押し上げられ、他の櫛歯状片2を押し広げることによって半球形状の頂部51が弾性変形する。その他の作用或いは挙動については図17(a)および(b)の場合と同じである。なお、図17(a)および(b)、あるいは図18以外の筆記状態、すなわちペン軸を中心としてどのような回転角度位置をとっても、ペン先1の頂部51が紙面に対して斜めに接した場合には、筆端部5が弾性変形によって微拡大し、前記の場合と同様な作用或いは挙動を行う。
図19においても、図17を参照して説明したのと同様の筆記動作時の変形が生じる。すなわち、図19において、(a)はペン先1の先端において櫛歯状片2の1つが真下にくるようにペンが紙面に向けられている状態の下で、ペン先1の頂部51がまだ紙面に接していないか、或いは接していても圧力が加わっていないときの、当該頂部51の状態を示す。この場合は、櫛歯状片2,2,…のいずれにも撓み力が加わらないため、各櫛歯状片2は互いに弾性的に接触している。次に、筆記者が文字等を書くために力を加えると、この筆記を行なうときの圧力により、頂部51は基部3に固定された櫛歯状片2の先端として撓み、上側に移動する。この場合において、通常の筆記をするときの圧力では先端部は、図17に関連して前述したのと同様、例えば0.1〜0.5ミリメートル(mm)の変位を生じる。このとき、半球状の筆端部5を正面からみると、この場合はペン先1の円錐形の部分が5枚の櫛歯状片2で構成されているから、図19(b)に示すように、この頂部51を構成している複数の櫛歯状片2,2,…のうちペンの下側に位置する1つの櫛歯状片2は先端が押し上げられ、両側位置にある他の櫛歯状片2を左右に押し広げることによって半球形状が変形する。
そして、図20は、図19(a)および(b)の場合と異なり、ペン先1の先端において2つの櫛歯状片2,2の境界に当たる部位のインキ導出路6の1つが真下にくるようにペンが紙面に向けられている状態の下で、ペン先1の頂部51に圧力が加わったときの、筆端部5の変形状態を示す。この場合、半球状の頂部51を正面からみると、書記を行なうときの圧力により、頂部51を構成している複数の櫛歯状片2,2,…のうちペンの下側に位置している2つの櫛歯状片2の先端が押し上げられ、この2つの櫛歯状片2が協働して対向位置にある1つの櫛歯状片2を押し上げるとともに、両側位置にある櫛歯状片2,2を左右に押し広げることによって半球形状が変形する。その他の作用或いは挙動についてはすでに述べたのと同じである。なお、図20においては、図18中斜線で表わされたペン先が紙面に接触する領域Aは示してないが、図20の場合も図18の場合と同様筆記に際しての接触領域Aが現れる。
なお、各櫛歯状片2の先端側に切り込み20が設けられたことで、この切り込み20によっても筆端部5に弾性変形作用があり、またこの切り込み20に、インキ導出路6と同様のインキ導出作用がある。
このように上記実施の形態によれば、複数の櫛歯状片2の先端部22F側に当該先端部22Fから基端部22R方向に延びる切り込み20を1つ又は複数設けて、各櫛歯状片2の先端部22F側をさらに分割して、先端部22Fを半球状に、且つ全体を先端部22F方向に向けて漸次円錐形に形成するので、複数の櫛歯状片2が少ない本数でも、複数の櫛歯状片2の先端部22Fを可及的に半球状に、且つ先端部22F側全体を可及的に円錐形に形成することができる。また、この切り込み20により、複数の櫛歯状片2の先端部22Fを半球状に(丸く)するための研磨作業をなくす又は大幅に削減できるなど、所期の加工を容易にすることができ、生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
また、このペン先1の所期の加工により、複数の櫛歯状片2の先端部22Fを可及的に半球状に、且つ先端部22F側全体を可及的に円錐形に形成することができるので、このペン先1の有する次の筆記能力を一層高めることができる。すなわち、3本乃至8本の櫛歯状片2,2,…の一端を基部3に固定してこれら櫛歯状片2,2,…上に収束部材4を嵌め込むことにより、この収束部材4の平均した圧力によって3本乃至8本の櫛歯状片2,2,…を歪むことのない円錐形に形成し、その先端に片ずれのない半球形の筆端部5を形成するとともに、各櫛歯状片2間に一定のインキ導出路6を形成し、半球形状の筆端部5を軸心に対し斜めに紙面に押し当てたときに、各櫛歯状片2先端の半球分割部21が互いにずれ合って弾性変形し、先端半球部の外径を拡大する動作を行い、紙面に押し当てる動作を除いたときに先端部が弾性により元の半球形状に復するようにしているので、紙面に対してどの方向へも書記することができ、ペン軸を中心に回動してもどの位置からでもどの角度からでも書けるのに加え、筆圧を強弱加減することにより線の幅を太くあるいは細く変えることができ、毛筆のような線の幅が変化する種々の態様の文字を筆記することができる。その際、筆圧の強弱に応じて櫛歯状片22が撓んで筆圧を吸収し、このクッション性によりペンタッチの柔らかい感触を筆記者の手指に与え、長時間筆記をしても疲れにくいという利点がある。このクッション性はまた、筆圧の大きい場合のペン先端の変形、磨耗を軽減し、筆記部分の耐久性を向上させることができる。また、長時間にわたりペンを放置していても、あるいはペン先端表面より水分が蒸発しインキが乾いてペン先1の先端細隙をふさいでも、再度筆記動作を行なえば、筆端部26が動いてその半球形状を変形し細隙を動かすため、乾涸したインキの膜或いは固まりが破れてインキを容易に導出することができる。
図21乃至図24に本発明の第2の実施の形態を示している。この実施の形態では、図21及び図22に示すように、複数の櫛歯状片202はそれぞれ、略同じ長さの前部片202Fと後部片202Rとからなり、前部片202Fをセラミックス材により形成され、後部片202Rを合成樹脂材又は金属材により弾性的に変形可能に形成され、また基部203と各櫛歯状片202の後部片202Rは一体に形成される。
図23に示すように、基部203は3本乃至8本の櫛歯状片202の後部片202Rとともに、弾力性を有する合成樹脂材を用いて射出成型により一体成形される。基部203は、その外形上、大径部203Lと小径部203Sとからなり、両者の境界に段差部203Gを有する。各櫛歯状片202の後部片202Rは基部203の大径部203L側の一端面の外周に沿って等間隔に断面円弧状に連続し、軸心方向と略平行に直線的に突出され、各後部片202R間にはスリット状の溝202Sが設けられる。このようにして各後部片202Rは、図24に示すように、その断面形状が略円柱形に分割形成され、一定の湾曲形状を保ちつつ基部203に連続される。この形態により、各後部片202Rは基部203との境界部分を固定端とする片持板、言い換えれば一端固定の片持梁と同じ構造をなす。したがってこの基部203と3本乃至8本の後部片202Rの一体成形品は常態において各後部片202R間が開いた状態になっていて、これらの後部片202Rが外周方向から軸心に向けて押圧されることにより内方へ窄められ、全体がほぼ円柱形状を維持しながら収束される。また、図23に示すように、各後部片202Rの先端側に前部片202Fを結合するための係合溝202Cが設けられる。この係合溝202Cは後部片202Rの先端面から軸方向に全長の3分の1程度の長さに略あり溝形(又は断面逆T字形)に形成され、図24に示すように、外周面側の幅狭の溝202C−1とその奥側の幅広の溝202C−2とを有する。
図23に示すように、各櫛歯状片202の前部片202Fは先端の半球分割部221とともにセラミックス材により形成される。この場合、セラミックス材(ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素等の粉末)が金型で圧縮成形あるいは射出成形等、成型加工により加圧成形されて全体の形が作られ、これが1300°C〜1500°Cの高温にて焼成固化される。各前部片202Fは各後部片202Rに連続可能に、断面円弧状に形成されるとともに、図23に示すように、全体が先端に向けて徐々に幅狭の先細に、かつ先端に向けて徐々に軸心に近接する方向に傾斜されて形成される。また、先端の半球分割部221は櫛歯状片202の数によって半球状の1/3〜1/8の分割形状をなす。各半球分割部221の外面角部、すなわち半球分割部221の外面とその側面との間に形成された角はブラスト掛け、バレル研磨、バフ磨き等により研磨され、各半球分割部221が紙面に接した時に角が引っ掛らないような丸み(R面)が付けられる。この半球分割部221の外面角部のR取りは前部片202Fを後部片202Rに結合する前に予めバレル研磨等により行ってもよく、前部片202Fを後部片202Rに結合した後に行ってもよい。
各前部片202Fの先端部222F側には、当該先端部222Fから基端部222R方向に延びる切り込み220が設けられる。この場合、切り込み220は各前部片202Fの先端部222F側の幅方向中央に、先端部222Fを切り込み始点として当該先端部222Fから(ペン先201の軸方向に沿って)直線状に筆端部205の範囲内(又は範囲外)に所定の長さに形成される(なお、この切り込み20を基端部222R側から先端部222Fへ見た場合、当該先端部22Fが切り込み終点となる。)。このようにして各独立分離した前部片202Fを使用するにも拘わらず組み立てた際に精度よく筆端部205先端が可及的に半球状に揃い、先端側全体が可及的に円錐形に収束される形状を得ることができる。
各前部片202Fの後端側に各後部片202Rの係合溝202Cに係合可能な係止突起202Bが設けられる。この係止突起202Bは後部片202Rの係合溝202Cに対応するあり形(又は断面逆T字形)に形成され、後部片202Rの外周面側の溝202C−1とその奥側の溝202C−2に嵌合可能な幅狭の係止突状部202B−1と幅広の係止突状部202B−2とを有する。各前部片202Fの係止突起202Bを各後部片202Rの係合溝202Cに前方から合わせ、押し込みながら挿入して係止突起202Bを係止溝202Cへ嵌合(係合)させることにより、各前部片202Fが各後部片202Rの先端延長上に連続的に結合される。なお、この結合作業は主として組合わせ機械で行われるが、手作業も可能である。
このようにして3本乃至8本の櫛歯状片202は、図22に示すように、合成樹脂製の各後部片202Rとセラミックス製の各前部片202Fが複合一体化され、各櫛歯状片202間に一定の隙間を介して軸心の周囲に配列されて、常態として各櫛歯状片202間が開いた形となる。セラミックス製の前部片202F全体は硬く、曲がることはないが、この前部片202Fが弾力性を有する合成樹脂製の後部片202Rと複合一体化されたことで、櫛歯状片202の軸心方向の押圧または引き上げ操作により前部片202Fに後部片202Rの曲げや撓みに追従した動きを可能とする。
なお、複数の櫛歯状片202は一定の間隙をもって円周上に配置され、各櫛歯状片202を円錐形に近い形に収束せず先端側を比較的開いた状態にしていることで、各櫛歯状片202の後部片202Rに前部片202Fを複合一体化する際に、余裕をもった間隔で両者を結合することができ、その操作を容易にしている。また、これら基部203と複数の後部片202Rの製造に際し、型の製作が容易になり、特に、各櫛歯状片202先端の各後部片202Rの間隔が溝202Sによって保たれていることで、射出成型上、および型の製作上、特にキャビティのヒレ状突起の厚み、幅などの寸法を十分に取り、射出圧力、型の強さなどに耐える寸法を確保している。さらに、前部片202Fの先端部222Fが筆端部205となるため、前部片202Fの先端部222Fから角を取る必要から、各櫛歯状片202先端の半球分割部221間が開いているのを利用して、各半球分割部221の外面角部にブラスト掛け、バレル研磨、バフ磨き等の研磨を容易に行え、それぞれ頂部を滑らかに形成できる。これにより、半球状に収束される各半球分割部221の角をなくし、ペン先としてその頂部が紙面に接したときに引っ掛かりを防止し、円滑性を高めている。
一方、収束部材204は、図21に示すように、ペン先201をペン軸体70の胴部71に装着するマウスピースとして形成される。この収束部材204、すなわちマウスピース204は、合成樹脂により一体成形され、その内周に、基部203に対応する固定部と、各櫛歯状片202の後部片202Rを加圧して各後部片202Rを略円柱形に、各前部片202Fを略円錐形に、各半球分割部221を略半球状に収束可能な内径(すなわち、常態の櫛歯状片202の後部片202R外周の外径よりも小さい寸法)を設定した絞り部とを備える。なお、この収束部材204を、金属パイプにより形成してもよい。この場合、収束部材は各櫛歯状片の中間部分に嵌合可能な円筒形に形成され、その内周に各櫛歯状片を軸心方向に押圧し、先端方向に漸次縮径する円錐形に収束可能な段差構造を有する。
ペン先201は、このような複数の櫛歯状片202、基部203、収束部材204を構成部品として備え、図21に示すように、収束部材204を複数の櫛歯状片202の先端から通して各櫛歯状片202の周囲に嵌め込み、収束部材204が基部段差部203Gに衝接するまでスライドされて組み付けられる。このようにして収束部材204が3本乃至8本の櫛歯状片202の後部片202R上に固定され、この収束部材204の前部内周により複数の櫛歯状片202の各後部片202Rが外側から軸心に向けて押圧され、平均した圧力により収束される。すなわち各櫛歯状片202は先端にいくに従って内方に加圧収束され、各櫛歯状片202の略中央から後端に相当する各後部片202Rが歪みのない円柱形状に収束されるとともに、各櫛歯状片202の略中央から先端に相当する各前部片202Fが漸次縮径する歪みのない(可及的に)円錐形に収束される。このようにして、相互に隣接する櫛歯状片202同士が弾性的に接触し、櫛歯状片202の両サイドの合わせ部、すなわち隣合う櫛歯状片202の間が先端にいくに従って狭められて毛細管的隙間をなし、インキ導出路206が構成される。さらにその先端の隣り合う半球分割部221が隙間なく当接して集合され、そこに凹凸のない滑らかな(可及的に)半球形状の筆端部205が構成される。この筆端部205は、櫛歯状片202の先端が複数個円形にまとめられ、断面花びら状に形成されて、その外周部が筆記時において紙面に押接されて文字を書くための筆記部分になる。
このようにしてもペン先201を、第1の実施の形態と同様に、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。なお、このペン先201の場合、先端部にセラミックス材を使用しているので、ペン先201先端部の耐摩耗性が高く、ペン先201の耐久性を著しく高めることができる。
図25に本発明の第3の実施の形態を示している。この実施の形態では、特に、基部303と複数の櫛歯状片302の後部片302Rが金属板を用いてプレス成形により一体に形成される。この場合、基部303が円筒形に形成されるとともに、その一端側軸心の円周上に沿って等間隔に3本乃至8本の後部片302Rが相互の間にスリット状の溝302Sを設けて形成され、各後部片302Rが基部303側の一部を弾力部303Cとして先端側を内方に屈曲された片持ち梁構造をなす。各後部片302Rの先端側に、セラミックス製の前部片302Fを結合するための係合溝302Cが設けられる。この係合溝302Cは後部片302Rの先端面から軸方向に全長の3分の1程度の長さに予め具備された両側片をあり溝形に(又は断面空間が逆T字形になるように)巻き込んで作られる。このようにして基部303の外周上に金属製の円筒状の外筒303−2を圧嵌されて全体の形状が固定される。
このような基部303と櫛歯状片302の成形品に、第2の実施の形態と同様の、セラミックス製の前部片302F(320は切り込み、321は半球分割部、302Bは係止突起)が結合される。この場合、各前部片302Fの係止突起302Bを各後部片302Rの係合溝302Cに前方から合わせ、押し込みながら挿入して係止突起302Bを係合溝302Cへ嵌合(係合)することにより、各前部片302Fが各後部片302Rの先端延長上に連続的に係合される。このようにして各前部片302Fと各後部片302Rが複合一体化され、第1の実施の形態と同様に、各後部片302R上にマウスピース又は金属パイプ等の収束部材が装着され、この収束部材の段差構造により各後部片302Rが外側から軸心に向けて押圧され、各後部片302Rが円柱形に、各前部片302Fが可及的に円錐形状に、各半球分割部321が可及的に半球状に収束される。
このようにしてもペン先301を、第1の実施の形態と同様に、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
図26及び図27に本発明の第4の実施の形態を示している。この実施の形態では、基部403と複数の櫛歯状片402が合成樹脂材料を用いて、射出成型により一体成形され、各櫛歯状片402が収束部材404で収束される。
図27に示すように、基部403は円筒形に形成され、基部403の一端側で軸心の円周上に複数の櫛歯状片402が相互の間にスリット状の溝402Sを設けて等間隔に、断面円弧状に突出形成される。この場合、基部403は、その外形上、大径部403Lと小径部403Sとからなり、両者の境界に段差部403Gを有している。この基部403の小径部403S側の一端に連続して3本乃至8本の櫛歯状片402が断面円弧状に突出され、それぞれが基部403から先端に向けて徐々に幅狭の先細に形成され、その基部側半部が基部小径部403Sの外周に沿ってほぼ直線的に延出され、その先端側半部が先端に向けて徐々に軸心に近接する方向に傾斜されて、鳥のくちばし状をなす。したがって各櫛歯状片402は、円筒形の基部403に達するまでの途中の断面形状が、円錐形に分割され湾曲した形状をもちつつ基部403に連続されているから、この形態により、基部403との境界部分を固定端とする三角状の片持板、言い換えれば一端固定の片持梁と同じ構成になっている。これら櫛歯状片402は全体で、その基部側半部を外周方向から軸心に向けて押圧することにより内方へ窄められ、その基部側半部が略円柱形状に、その先端側半部が略円錐形状にそれぞれ収束される。また、各櫛歯状片402の先端に全体で半球形状に収束される半球分割部421を有し、各々外面角部に丸みが付けられる。これら櫛歯状片402の先端側に、先端を切り込み始点として当該先端から基端方向に延びる切り込み420が1つ又は複数設けられる。この場合、切り込み420は各櫛歯状片402の先端側の幅方向中央に、切り込み始点の先端から(ペン先401の軸方向に沿って)直線状に筆端部405の範囲内(又は範囲外)に所定の長さに形成される。このようにして複数の櫛歯状片402は収束部材404により収束された際に精度よく筆端部405先端が可及的に半球状に揃い、先端側全体が可及的に円錐形に収束される形状を得ることができる。
図27に示すように、収束部材404は、各櫛歯状片402の中間部分に嵌合可能な円筒形に形成され、複数の櫛歯状片402を軸心方向に押圧し、先端方向に漸次縮径する円錐形に収束する内周構造を有する。この場合、収束部材404は金属パイプからなり、基部大径部403Lに嵌合可能なほぼ同径の大径部404−1と、基部小径部403Sから複数の櫛歯状片402の基部側半部にかけて嵌合し、各櫛歯状片402を加圧し、収束可能な内径を設定した小径部404−2とを備え、その境界に段差部404−3を有している。なお、この収束部材404は、ペン先401をペン軸体の胴部に装着するマウスピースに直接形成されてもよい。
ペン先1は、このような基部403及び複数の櫛歯状片402と収束部材404とを構成部品として備え、収束部材404を複数の櫛歯状片402の先端から通して各櫛歯状片402の周囲に嵌め込み、収束部材404の大径部404−1と小径部404−2との間の段差部404−3が基部段差部403Gに衝接するまでスライドされて組み付けられる。このようにして収束部材404の大径部404−1が基部大径部403L上に圧接して固定され、この収束部材404の小径部404−2により複数の櫛歯状片402が外側から軸心に向けて押圧され、平均した圧力により、各櫛歯状片402は基端側半部が歪みのない円柱形状に収束され、併せてこれら櫛歯状片402同士の弾性的な接触と各櫛歯状片402先端の切り込み420とにより、その先端側半部402Bが漸次縮径する歪みのない、可及的に円錐形状に収束されるとともに、その先端の半球分割部421が収束されてそこに凹凸のない滑らかな可及的に半球形状の筆端部405が構成される。その頂部451は、櫛歯状片402の先端が複数個円形にまとめられ、断面花びら状に形成されて、その外周部が筆記時において紙面に押接されて文字を書くための筆記部分になる。また、櫛歯状片402の両サイドの合わせ部、すなわち隣合う櫛歯状片402の間に毛細管的隙間をなすインキ導出路406が構成される。
このようにしてもペン先401を、第1の実施の形態と同様に、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
なお、この実施の形態においては、基部403及び複数の櫛歯状片402を、樹脂材料の射出成型により形成しているが、同様の構造の基部及び複数の櫛歯状片を金属材料を用い、プレス加工によって打抜き、成型、丸めなどの工程を経て形成することもできる。その他、金属粉体の焼結やセラミック粉体の成形、焼成によって形成することもできる。いずれの場合でも、櫛歯状片402の先端に切り込み420を設け、各櫛歯状片402を収束部材404により平均した押圧力で収束するので、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形に収束することができる。
図28に本発明の第5の実施の形態を示している。この実施の形態では、ペン先501全体がステンレス等の耐蝕性を有する金属材料を用いて、プレス加工によって打抜き、曲げ、丸めなどの加工により一体成形され、基部503が円筒形に形成されるとともに、基部403の一端側に連続する、先端に半球分割部521を有する複数の櫛歯状片502が、各櫛歯状片502の先端側に切り込み520が1つ又は複数設けられて、先端を半球状に、全体が先端に向けて漸次円錐形に収束された成形形状に形成される。なお、この構造のペン先501は合成樹脂材を用いて、射出成形により一体成形することもできる。
このようにしてもペン先501を、第1の実施の形態と同様に、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、併せて生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
図29乃至図32に本発明の第6の実施の形態を示している。この実施の形態では、切り込み620が各櫛歯状片602の先端から基端側へ所定距離だけ後退された位置を切り込み始点又は切り込み終点として設けられる。この場合、切り込み602は、図29乃至図32に示すように、先端から基端方向へ僅少な距離(数ミクロン)だけ切らないで、つまり先端を僅かに残して、この先端から少し後退された切り込み始点から基端方向へ直線状に筆端部5の範囲内(又は範囲外)の所定の長さに形成される。なお、この切り込み20は基端部22R側から先端部22Fに向けて切られる場合は、当該先端部22Fが切り込み終点となる。
図29は3本の櫛歯状片2で構成された筆端部605を示し、各櫛歯状片602の先端部622F側に、当該先端部622Fから少し後退された切り込み始点から基端部622R方向に延びる切り込み620が1つ設けられている。この場合、切り込み620は各櫛歯状片602の先端部622F側の幅方向中央に、先端部622Fに対して僅かに後退された所定の位置の切り込み始点から(ペン先601の軸方向に沿って)筆端部605の外周縁部まで(この長さは必要に応じて伸長又は短縮される。)直線状に形成される。図30は3本の櫛歯状片602で構成された筆端部605を示し、各櫛歯状片602の先端部622F側に、当該先端部622Fから少し後退された切り込み始点から基端部622R方向に延びる切り込み620が2つ設けられている。この場合、切り込み620は各櫛歯状片602の先端部622F側を幅方向に3等分する位置2箇所に、先端部622Fに対して僅かに後退された位置の切り込み始点から(ペン先601の軸方向に沿って)筆端部605の外周縁部まで(この長さは必要に応じて伸長又は短縮される。)直線状に形成される。図31は5本の櫛歯状片602で構成された筆端部605を示し、各櫛歯状片602の先端部622F側に、当該先端部622Fから少し後退された切り込み始点から基端部622R方向に延びる切り込み620が1つ設けられている。この場合、切り込み620は各櫛歯状片602の先端部622F側の幅方向中央に、先端部622Fに対して僅かに後退された所定の位置の切り込み始点から(ペン先601の軸方向に沿って)筆端部605の外周縁部まで(この長さは必要に応じて伸長又は短縮される。)直線状に形成される。図32は5本の櫛歯状片602で構成された筆端部605を示し、各櫛歯状片602の先端部622F側に、当該先端部622Fから少し後退された切り込み始点から基端部622R方向に延びる切り込み620が1つ設けられている。この場合、切り込み620は各櫛歯状片602の先端部622F側の幅方向中央に、先端部622Fに対して僅かに後退された所定の位置の切り込み始点から(ペン先601の軸方向に沿って)筆端部605の外周縁部の手前まで(この長さは必要に応じて伸長又は短縮される。)直線状に形成される。この切り込み620の場合、端部(切り込み620の外周縁部側の端部)にインキを導出するための穴620Hを穿設してある。
この切り込み620は、第1乃至第5の各実施の形態において、切り込み20に代えて設けることができ、この切り込み620を採用することにより、第1の実施の形態と同様に又はそれ以上に、先端を可及的に半球状に、且つ全体を先端方向に向けて漸次、可及的に円錐形の所期の形状に形成して、筆記性能の一層の向上を図ることができ、また、この切り込み620により、複数の櫛歯状片602の先端部22Fを半球状に(丸く)するための研磨作業をなくす又は大幅に削減できるなど、所期の加工を容易にすることができ、生産性を大幅に向上させて、コストの大幅な低減を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態における円錐形ペン先の斜視図 (a)同ペン先の各櫛歯状片の平面図(b)同ペン先の各櫛歯状片の一部断面側面図(c)同ペン先の各櫛歯状片の断面図(図2(a)におけるI−I線断面図)(d)同ペン先の各櫛歯状片を示す断面図(図2(a)におけるII−II線断面図)(e)同ペン先の各櫛歯状片の断面図(図2(a)におけるIII−III線断面図) 同ペン先の各櫛歯状片の要部を示す一部省略拡大側面断面図 同ペン先の3本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 同ペン先の3本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 同ペン先の5本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 同ペン先の5本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 同ペン先の基部の端面図 同ペン先に用いる別の実施の形態による基部の斜視図 同ペン先の複数の櫛歯状片が基部に固定され、収束部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図 同ペン先の複数の櫛歯状片が基部に固定され、収束部材が取り付けられた後の状態を示す斜視図 同ペン先の先端筆端部の斜視図 同ペン先の先端筆端部の断面図 同ペン先の特に櫛歯状片の製造方法を示す平面図 同ペン先を利用した筆記具の一部省略斜視図 同ペン先の筆端部を紙面に押し当てた状態を示す部分斜視図 同ペン先の筆端部の動作を示す先端面図 同ペン先の筆端部の動作を示す先端面図 同ペン先の異なる本数の櫛歯状片から構成された筆端部の動作を示す先端面図 同ペン先の異なる本数の櫛歯状片から構成された筆端部の動作を示す先端面図 本発明の第2の実施の形態における円錐形ペン先の斜視図 同ペン先の基部及び複数の櫛歯状片の斜視図 同ペン先の基部及び複数の櫛歯状片の分解斜視図 同ペン先の基部に備えた後部片の縦断面図 本発明の第3の実施の形態における円錐形ペン先の特に基部及び複数の櫛歯状片の斜視図 本発明の第4の実施の形態における円錐形ペン先の斜視図 同ペン先の基部及び複数の櫛歯状片と収束部材の一部破断分解斜視図 本発明の第5の実施の形態における円錐形ペン先の斜視図 本発明の第6の実施の形態における円錐形ペン先の特に3本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 本発明の第6の実施の形態における円錐形ペン先の特に3本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 本発明の第6の実施の形態における円錐形ペン先の特に5本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図 本発明の第6の実施の形態における円錐形ペン先の特に5本の櫛歯状片で構成された筆端部の拡大平面図
符号の説明
1、201、301、401、501、601 ペン先
2、202、302、402、502、602 櫛歯状片
202F、302F 前部片
202R、302R 後部片
202S、302S、402S 溝
202C、302C 係合溝
202C−1 溝
202C−2 溝
202B、302B 係止突起
202B−1 係止突状部
202B−2 係止突状部
21、221、321、421、521 半球分割部
22F、222F、622F 先端部
20、220、320、420、520、620 切り込み
20H、620H 穴
22R、622R 基端部(被固定部)
23 フランジ部
23−1 フランジ部前側
23−2 フランジ部後側
24 拡幅部
3、203、303、403、503 基部
3−1 固定部
3−2 円筒体
3−3 突起
3−4 パイプ
203L、403L 大径部
203S、403S 小径部
203G、403G 段差部
303C 弾力部
303−2 外筒
4、204、404 収束部材
41 収束部
42 絞り部
404−1 大径部
404−2 小径部
404−3 段差部
5、205、405、605 筆端部
51、451 頂部
6、206,406 インキ導出路
7 筆記具
70 ペン軸体
71 胴部

Claims (11)

  1. 筒形形状に形成される基部と、基部の一端側に設けられ、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片とを備え、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する略円錐形のペン先形状に形成される円錐形ペン先において、
    複数の櫛歯状片は先端側に基端方向に延びる切り込みを有して、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に形成されることを特徴とする円錐形ペン先。
  2. 複数の櫛歯状片は3本乃至8本の櫛歯状片により構成される請求項1に記載の円錐形ペン先。
  3. 切り込みは各櫛歯状片の先端を切り込み始点又は切り込み終点として設けられる請求項1又は2に記載の円錐形ペン先。
  4. 切り込みは各櫛歯状片の先端から基端側へ所定距離だけ後退された位置を切り込み始点又は切り込み終点として設けられる請求項1又は2に記載の円錐形ペン先。
  5. 切り込みは各櫛歯状片に1つ又は複数設けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の円錐形ペン先。
  6. 基部は複数の櫛歯状片と別体に形成され、一端面に複数の櫛歯状片の基端部を軸方向に向けて嵌挿可能な溝形の固定部を有し、複数の櫛歯状片はそれぞれ分離して形成され、基部の各固定部に差し込み、円周上に配列され、これら櫛歯状片の外周上に筒形形状の収束部材が嵌め込まれて、外側から内側に向けて加圧収束される請求項1乃至5のいずれかに記載の円錐形ペン先。
  7. 複数の櫛歯状片はそれぞれ、前部片と後部片とからなり、前部片をセラミックス材により形成され、後部片を合成樹脂材又は金属材により弾性的に変形可能に形成される請求項1乃至6のいずれかに記載の円錐形ペン先。
  8. 基部と複数の櫛歯状片の後部片は合成樹脂材又は金属材により一体に形成される請求項7に記載の錐形ペン先。
  9. 基部と複数の櫛歯状片は合成樹脂材又は金属材により一体に形成され、複数の櫛歯状片がそれぞれ、基部の一端側に連続して断面円弧状に突出され、軸心の円周上に等間隔に相互の間にスリット状の溝を設けて形成され、各櫛歯状片の外周上に筒形形状の収束部材が嵌め込まれて、各櫛歯状片を軸心方向に向けて押圧し、収束される請求項1乃至5のいずれかに記載の円錐形ペン先。
  10. 基部と複数の櫛歯状片は金属材又は合成樹脂材により一体に成形され、基部が筒形に形成されるとともに、基部の一端側に複数の櫛歯状片が先端を略半球状に、全体が先端に向けて漸次略円錐形に収束された成形形状に形成される請求項1乃至5のいずれかに記載の円錐形ペン先。
  11. 先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片を備え、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する円錐形ペン先の製造方法において、
    素形材を櫛歯形状の外形に打抜く工程と、
    櫛歯形状の先端に半球分割部を形成する工程と、
    櫛歯状片を断面円弧状に丸め、先端側を軸心に近接する方向に傾斜状に曲げる工程とを有し、
    上記いずれかの工程に櫛歯形状の先端側に切り込みを入れる工程を含むことを特徴とする円錐形ペン先の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008179098A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Yamanaka Kazue 筆記具
JP2010115786A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Yamanaka Kazue 円錐形ペン先及びこれを用いた筆記具

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