JP6481466B2 - 塗布具 - Google Patents

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本発明は、軸筒本体の前方部にペン先が配置され、そのペン先には少なくとも1つの溝が形成さられた塗布具であって、前記軸筒本体には前記ペン先を覆うようにキャップが着脱自在に配置された塗布具に関するものである。
従来、軸筒にインキを内蔵してペン先を軸筒の先端に配した塗布具には、マーキングペンやサインペン及び筆ペンなどの筆記具、アイライナーなどの化粧品等、多種に亘り製品化され流通し、その形態も多様化している。前記ペン先は、繊維加工体または合成樹脂多孔質体、ペン先の内部に放射状のインキの流通路を有する樹脂ペン先などが使用されており、上記のようなものが製品化されている。
しかし、これまでのペン先、例えば、繊維加工体にあっては、ペン先に撓りが少ないため、筆記圧や使用頻度でペン先の先端付近が潰れてしまうと言った問題がある。又、合成樹脂多孔質体の場合には、その材質がウレタンやエラストマーなどであるため、そのペン先の内部に中継芯を挿入するのが一般的である。しかし、ペン先の先端付近は柔らかいが、中継芯の挿入度合いによっては、文字の大きさや筆記圧によって中継芯が潰れてペン先が折れたり、又、材質がウレタンやエラストマーであるが故にペン先が紙面に対して引っかかり易く滑らかな書き味が得られないという問題もある。さらに、ペン先の内部に放射状のインキ流通路を有する樹脂ペン先もあるが、ペン先自体の弾性が強く、ペン先の撓りが少ないため、筆記圧がペン先の先端付近に集中して、使用頻度などによりペン先の先端付近が潰れると言う問題を有していた。
そこで、これらの問題を解決する為に、合成繊維束を合成樹脂製エラストマーで結着した可撓性を有する多孔質液体供給体からなり、先端部が筆記端となる錐形状部の基部に断面形状がコの字型やU字型・V字型にせしめた環状溝を適宜数設け、前記先端部を第一屈曲点となすと共に基部を第二屈曲点となすペン先が発案された(特開平3−221494)。
また、製品外装としては、一般的に、特許文献1のような、繊維加工体または樹脂多孔質体のペン先を軸筒先端に配置する塗布具では、ペン先乾燥防止、ペン先インキ補填、ペン先保護の目的で、キャップ式が採用されている背景がある。
特開平3−221494号公報。
しかしながら、特許文献1のようにペン先に環状溝加工を施していることによって、ペン先露出部の表面積が増え、ペン先に含まれるインキの水分蒸発量も増加する。
つまり、キャップした際に、ペン先からの水分蒸発量が増加すると、キャップ内壁面に、ペン先から蒸発した水分が付着し、水滴となり、キャップを外した際に、溜まったキャップ内壁面の水滴がペン先に付着すると、筆跡がにじんだり、薄くなったりと筆記に影響がでる場合があった。
また、高温環境下に放置された場合、キャップ内の飽和水蒸気量が大となるため、ペン先表面からさらに、水分が蒸発し、キャップ内壁面の水滴が大きくなる。その結果、内壁面に溜まった水滴が、キャップ底部に移動したり、ペン先に滴下したりするため、これも筆記に影響がでる問題となる。
さらに、温度変化等により、キャップ内壁面に発生した水滴量が多くなり、ペン先を上向きにした状態で放置した場合、キャップ内壁面に発生した水滴が、キャップの後方開口部まで流れ出し、キャップと軸筒本体との隙間から染み出す。この染み出した水滴が衣服等を汚す問題がある。
本発明は、軸筒本体の前方部にペン先が配置され、そのペン先には少なくとも1つの溝が形成さられた塗布具であって、前記軸筒本体には前記ペン先を覆うようにキャップが着脱自在に配置された塗布具において、前記キャップの内壁面に微細な凹凸部を形成し、前記キャップ内壁面の微細な凹凸部の後方に、その微細な凹凸部よりも高さの高い環状リブを設けたことを要旨とする。
本発明は、軸筒本体の前方部にペン先が配置され、そのペン先には少なくとも1つの溝が形成さられた塗布具であって、前記軸筒本体には前記ペン先を覆うようにキャップが着脱自在に配置された塗布具において、前記キャップの内壁面に微細な凹凸部を形成し、前記キャップ内壁面の微細な凹凸部の後方に、その微細な凹凸部よりも高さの高い環状リブを設けたので、キャップ内壁面の表面積が増し、キャップ内壁面に付着した水滴が蒸発しやすくなる。つまり、キャップを外した際に、ペン先がキャップ内壁面に付着しても、ペン先に水滴が付着しにくいため、筆跡に影響がでにくい。
さらに、高温環境下に放置された場合、キャップ内の飽和水蒸気量が大となり、キャップ内壁面の水滴が大きくなったとしても、キャップ内壁面に微細な凹凸を施すことによって、前記凹凸が水滴を保持ことにより、アンカー効果となり、キャップ底面に水滴が移動したり、ペン先に滴下したりして起こる筆跡不具合が抑制できる。
また、キャップの内壁面に設けた微小な凹凸部の後方に前記微細な凹凸部よりも高さの高い環状リブを設けることにより、キャップ内壁面に発生した水滴を、前記環状リブで食い止めるため、キャップの後方開口部まで水滴が流れず、キャップと軸筒本体との隙間から水滴が染み出すことを防止することができる。
添付図面に基づき説明する。本実施形態の説明において、ペン先2の側面部に溝(凹部)15を周状に設けているペン先2側、ないし、キャップ3側を前方、前軸7側を後方として説明する。本実施形態の塗布具は、軸筒本体1の前方にペン先2の側面部に溝(凹部)15を周状に設けているペン先2、キャップ3、軸筒本体1の後方に前軸7、ペン先9、キャップ小8を配置しており、軸筒本体1内部には、インキ吸蔵体大4、インキ吸蔵体小5、スペーサー6を設けている構造となっている。
ポリプロピレン樹脂製の軸筒本体1は、インキの収容部10ともなっており、前端のペン先ホルダー部11には、ペン先2が圧入してあり、そのペン先2の先端が、軸筒本体1の先端部12の前端から突出するように配置している。また、前記軸筒本体1はペン先ホルダー部11と一体成形となっているが、別体でも良い。さらに、本実施形態の塗布具のインキ収容形式は、繊維集束体からなるインキ吸蔵体であるが、直液式、リフィル式でも良い。また、本実施形態においてインキは水溶性インキが吸蔵されているが、これに限定されることはない。
また、前記ペン先2の保護、乾燥防止、ペン先インキの復元等のため、前記ペン先2を覆うように、キャップ3が着脱自在に嵌合・配置されている。
さらに、軸筒本体1のペン先ホルダー部11内側には、リブ状のペン先抜け止め凸部13を設けており、前記ペン先抜け止め凸部13に合う位置にペン先2の後方に抜け止め凹部16を設けている。ペン先2を圧入し、前記ペン先2の抜け止め凹部16が、軸筒本体1のペン先抜け止め凸部13に嵌ることで、圧入が完了し、ペン先2が固定される。ペン先2の圧入完了後は、前記軸筒本体1のペン先抜け止め凸部13がペン先抜け、ペン先2の引っ込み防止となっている。
前記軸筒本体1の後端には、前軸7が圧入されており、その前軸7にはペン先9が圧入され、また、そのペン先9を覆うようにキャップ小8が着脱自在に嵌合・配置されている、いわゆるツインペンであるが、尾栓等を採用し、単色ペンとすることも可能である。
前記ペン先2について説明する。筆記部17を形成したペン先2が繊維加工体または樹脂多孔質体からなり、且つ、ペン先2側面部に少なくとも1つ以上の溝(凹部)15を周状に設け、軸筒本体1の先端部12の前端に突出するように配置している。
ここで、前記ペン先2は、そのペン先2側面部の溝(凹部)15の数を3つで形成したものを示したが、1つ以上であれば、複数有していても構わない。要するに、ペン先2の先端付近にかかる筆記圧を分散でき、ペン先2が折れない程度にペン先2の溝(凹部)15の数を構成することが重要である。即ち、ペン先2の筆記圧の強弱に係らず製品用途にあったペン先2を溝(凹部)15の数や形状などで調整できるものである。
但し、溝(凹部)15の数が増加すると、表面積も増加し、インキの蒸発が顕著になるため、ペン先2の溝(凹部)15の数は、5つまでが好ましい。また、ペン先2の溝(凹部)15の数が5つを超えるとペン先2が撓り過ぎて腰砕けを起こし、安定した塗布感が得られない。又、ペン先2の芯擦り時に溝(凹部)15が多いと1度に形成できず、再度溝(凹部)15の加工工程を設けるなどの問題によりコストアップになってしまう。
前記ペン先2に使用するペン先2の種類としては、繊維加工体又は合成樹脂多孔質体が好ましい。なぜなら、前記のペン先2は、ペン先2の芯擦り時に溝(凹部)15の形成が簡単にできるからである。
前記ペン先2の繊維加工体のペン先2の製造方法は、繊維に接着剤を浸透させ、ノズル上で成形した原棒を所定の長さに切断して、ペン先2の形状、例えば、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工して、前記繊維加工体のペン先2を形成している。その材質としては、アクリル、ポリエステル、ナイロンなどを用いることができる。特に限定はしないが他の材質又は材質の異なるものを混毛して上記のような手順でペン先2を形成しても良い。
前記ペン先2の軸筒2からのペン先出長さLは、使用する用途や塗布する板面にもよるがペン先2の外径Dに対して1.0〜3.0倍になることが好ましい。なぜなら、ペン先出長さLが短い場合、ペン先側面部に周状の溝(凹部)15が形成されていたとしても、筆記圧によるペン先2の撓みが小さく、ペン先2の先端付近の筆記圧を分散することが出来ず、ペン先2の先端付近が潰れてしまうと共にペン先2の溝(凹部)15付近の撓みが小さい為、滑らかな毛筆のような塗布感を得ることができない。これに対し、ペン先2の出長さLが長い場合、塗布時の筆記圧が、ペン先2の溝(凹部)15付近に集中しすぎて、ペン先2の腰が安定せず、文字の乱れが生じて、書き味が悪くなってしまうからである。
尚、ここで言うペン先2のペン先出長さLとは、軸筒本体1の先端部12の前端から前方に突出している部分の長さのことであり、実施例では、L=12.0mmであり、外径Dの2.7倍である。
又、ペン先2に設ける溝(凹部)15の形状は、溝の幅Wが0.5mm〜2.0mm、溝の深さHが0.5mm〜2.0mmが好ましい。
又、ペン先2に設ける溝(凹部)15の溝の幅Wの形状は、均等に設けるか或いは、軸筒2の長手方向に徐々に狭くしたり、逆に軸筒2の長手方向に徐々に広くしても良い。
又、ペン先2に設ける溝部(凹部)15の溝の深さHの形状は、均等に設けるか或いは、軸筒2の長手方向に徐々に浅くしたり、逆に軸筒2の長手方向に徐々に深くしても良い。
尚、ペン先の溝(凹部)15の形状を構成する溝の位置や溝の幅W・溝の深さHは、塗布時の弾性や腰の位置を調整するものであり、複数ある溝(凹部)15の1箇所の溝の幅Wや溝の深さHを広くしたり、深くして塗布感を調整するものである。
前記ペン先2の先端形状は、円錐状、砲弾状を含め、ペン先2の形状が先端になるほどもとの方より細くなっていれば良い。
又、前記ペン先2の気孔率としては、60%〜75%の範囲で形成することが好ましい。なぜなら、ペン先2の気孔率が60%に満たないとペン先2が硬すぎて、塗布時に係る筆記圧がペン先2の先端付近に集中して、ペン先2自体が撓り難くなり、ペン先2の撓りが制限されることでペン先2の先端付近が潰れたり、塗布感がハードになり書き味が悪くなってしまう。又、気孔率が低いことでインキ吐出が悪くなったりもする。又、ペン先2の気孔率が75%を超えるとペン先2が柔らかすぎて、塗布時の筆記圧がペン先2の溝(凹部)15に集中して、ペン先2が撓り易くなり、塗布時に腰砕けして安定した塗布感が得られないことやペン先2の空間が多すぎて、インキが下がり易くなったり、製品状態でペン先2を下向きにした際に、インキが洩れ易くなる危険性も生じる。
尚、前記ペン先2の気孔率は、繊維の種類、配合量、並びにバインダーの種類、配合量などによって調整できる。
本実施形態のペン先2は、ペン先外径D=4.5mm、溝幅W=0.7mm、溝深さHは先方から0.7mm、0.7mm、0.55mmの溝が周状に3つ設けてあり、ペン先出長さL=12.0で配置しているため、軸筒本体1の先端部12の前端から突出したペン先2の表面積が130.71mmとなる。これは、溝加工がないペン先と比較すると、1.16倍の表面積となる。つまり、表面積が増加することで、ペン先2に含まれるインキの水分蒸発量も増加することになる。
前記キャップ3は、中キャップ3aと外キャップ3bとで構成されており、それら中キャップ3aと外キャップ3bとは放射状に配置した橋部18によって連結されている、この連結している橋部18と隣り合う橋部18の間が窓部19となる。
また、前記外キャップ3bの内部後方には、軸嵌合用リブ26を設け、その外キャップ3b前方開口部21内面には、長手方向に、3本の小キャップ嵌合用リブ22、後方に8本の小キャップ誤挿入防止用リブ23が配置してある。
さらに、前記中キャップ3aの内部後方(前記窓部19より前方)に、軸筒本体1の先端部12と密閉するために、環状リブ24を設けている。その環状リブ24と中キャップ3aの天面25との間の内壁面には、全周に微小な凹凸部29を施している。
キャップ3内部後方には、軸筒本体1のキャップ嵌合用リブ14と嵌合するために、軸嵌合用リブ26が設置してある。
ペン先2の側面部に溝(凹部)15を周状に設け、軸筒本体1の先端部12の前端に突出するように配置した軸筒本体1をキャップ3に挿入し、ペン先2の先端部の突出している部分が中キャップ3aの環状リブ24より前方に入る。さらに、軸筒本体1の先端部12側面が中キャップ3aの環状リブ24に当接すると同時に、キャップ3の軸嵌合用リブ26が軸筒本体1のキャップ嵌合用リブ14を乗り越えキャップ嵌合が完了する。本実施形態では、この環状リブ24はエアタイトも兼ねている。
前記窓部19は、誤って飲み込んでしまった際、空気流通の確保が出来る様に設けているが、その窓部19の形状は、キャップ窓部天面20の角度が軸に対して片側30°の後方に向かって拡開しているテーパーになっている。これは、ペン先2をキャップ3に挿入する際、窓部天面20にペン先2の筆記部17先端が当たっても、ペン先2の筆記部17先端がキャップ窓部天面20のテーパーに沿ってキャップ3の内側方向に導かれ、スムーズに挿入することができるので、ペン先2の筆記部17が傷みにくい。この窓部天面20のテーパーの角度は、90°未満であれば効果を呈する。
尚、本発明のようなペン先2の側面部に溝(凹部)15を周状に設けたペン先を採用した場合は、窓部天面20にペン先が当たるとペン先が撓りやすく、曲がった状態で更に、荷重をかけてしまうとペン先が痛む虞があるため、窓部天面20のテーパー角度は、45°以下である方が望ましい。
前記キャップ3の前方開口部21には小キャップ8が嵌合できるようになっている。前記前方開口部21の内側手前の3本の小キャップ嵌合用リブ22に、キャップ小8を装着することが可能である。さらに、キャップ小8のペン先挿入開口部方向から、キャップ3の前方開口部21に挿入すると、中キャップ3aと外キャップ3bの隙間にキャップ小8のペン先挿入開口部が嵌り、更に押し込むと抜けなくなる虞があるため、中キャップ3aと外キャップ3bの隙間の外キャップ3b内側に小キャップ誤挿入防止用リブ23を設けている。本実施形態では前記小キャップ嵌合用リブ22が3本、前記小キャップ誤挿入防止用リブ23が8本設けているが、複数あれば効果があるため、本数は限定されるものではない。
中キャップ3aについて説明する。中キャップ3aの内壁面28には、微細な凹凸部29が形成されている。本実施形態では、中キャップ3aの内壁面28の微細な凹凸部29が中キャップ3a天面25から、環状リブ24まで全周に渡って施してあるが、少なくとも、キャップ嵌合完了した状態で、ペン先2先端から溝(凹部)15後端までの範囲に微細な凹凸部29が施してあれば、本発明の効果を呈する。
その微細な凹凸部29は、射出成型の構成要件であるコアピンの外面にブラスト加工を施すことによって形成されている。つまり、コアピンの外面に形成された微細な凹凸部が、キャップ本体を射出成型する際、そのキャップ本体の内壁面に転写・成形されるのである。また、微細な凹凸の手段としては、ブラスト加工、ホーニング加工、放電加工、およびエッチング等の化学的加工が上げられる。また、成形した後に、ローレット加工を施すことも可能である。
そして、前記中キャップ3aの内壁面28の微細な凹凸部29は、算術平均粗さRa=0・75μmとなっているが、0.3μm以上50.0μm以下の範囲であるならば、本発明の効果を呈する。ちなみに、0.3μm未満であると、表面状態が鏡面になるため、表面積が小となり、水滴が蒸発しにくい。また、50.0μmを超えると、表面積は増加するものの、水滴の保持力が低下し、水滴が移動しやすく、ペン先への滴下による筆記の不具合が発生してしまう。さらには、成形で部品を押し出す際、Raが50.0μmを越えてしまうと、アンダーカット部となり、離形抵抗になってしまうため、成形不良となってしまう可能性がある。
また、前記中キャップ3aの内壁面28の微細な凹凸部29は、十点平均粗さRz=8.8μmとなっているが、1.6μm以上100.0μm以下の範囲であるならば、本発明の効果を呈する。
ちなみに、1.6μm未満であると、表面状態が鏡面になるため、表面積が小となり、水滴が蒸発しにくい。また、100.0μmを超えると、凹凸の高さが、高くなり、水滴が溜まりやすく、蒸発しにくい。さらには、成形で部品を押し出す際、Rzが50.0μmを越えてしまうと、アンダーカット部となり、離形抵抗になってしまうため、成形不良となってしまう可能性があるため、50μm未満であるとなお良い。
前記ブラスト加工は上記の範囲内であれば、限定されるものではないが、添付図面では、ビーズブラストを施してあり、凹部29aは円弧状に形成される。また、サンドブラストを施すことにより、凹部29aが鋭角で形成されている。特に、ビーズブラストは、キャップ内壁面の表面に円弧状の凹部29aを形成することによって、水滴の保持力が増加するため、好ましい。
本実施形態の中キャップ3aの内壁面28に設けた微小な凹凸部29の表面積は、一辺100μmの正方形の面積に対して、2.4倍となっているため、キャップの内壁面の表面積が増加し、キャップ内壁面に付着した水滴が蒸発しやすくなっている。
また、前記中キャップ3aの内壁面28に設けた微小な凹凸部29の後方終端付近に前記微細な凹凸部29よりも高さの高い環状リブ24を設けている。本実施形態において、環状リブ24の高さは、75μmであり、中キャップ3aの内壁面28に設けた微小な凹凸部29の算術平均粗さRa=0・75μm、十点平均粗さRz=8.8μmとなっているため、環状リブ24は、前記微小な凹凸部29よりも高くなっている。
温度変化等により、中キャップ3aの内壁面28に発生した水滴量が多くなり、ペン先2を上向きにした状態で放置した場合、中キャップ3aの内壁面に発生した水滴が、キャップ3の後方開口部27まで流れ出し、キャップ3と軸筒本体1との隙間から染み出す。この染み出した水滴が衣服等を汚す問題がある。しかし、中キャップ3aの内壁面28に設けた微小な凹凸部29の後方終端付近に前記微細な凹凸部29よりも高さの高い環状リブ24を設けることにより、中キャップ3aの内壁面28に発生した水滴を、前記環状リブ24で食い止めるため、キャップ3の後方開口部27まで水滴が流れず、キャップ3と軸筒本体1との隙間から水滴が染み出すことを防止することができる。
本実施形態では、環状リブ24はエアタイトも兼ねているが、エアタイトを兼ねていなくてもよい。
さらに、軸筒本体1との密着性を考慮すると、中キャップ3aの環状リブ24の表面、軸筒本体1の先端部12の表面は鏡面であることが望ましい。本実施形態において、前記環状リブ24の表面の算術平均粗さRaは0.12μm、軸筒本体1の先端部12の算術平均粗さRaは0.15μmであるが、一般的に、鏡面加工と呼ばれる0.2μm以下であれば、密閉性に問題ない。
軸筒本体1、キャップ3、前軸7、キャップ小8に使用する合成樹脂としては、一般的に成形に使用される樹脂が際限なく使用でき、一例として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂等が挙げられるが、中でも、インキ溶剤の非透過性や、内面視認のための透明性、耐溶剤性の観点より、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂が好ましい。
(表面粗さ測定)
尚、前記微細な凹凸部29、ないし、中キャップ3aの環状リブ24、軸筒本体1の先端部12の表面粗さの測定方法であるが、JIS B0601(1994)に従い、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzを測定した。キャップを市販のカッターで半割りした試験片を、キーエンス社製VK−8500共焦点レーザー顕微鏡で対物レンズ50倍、高さのピッチ0.01μmの条件で、内壁面の凹凸画像を得た。得られた凹凸画像より、傾き補正後、一辺100μmの正方形で切り取り、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzを求めた。上記の条件で、ランダムに5箇所測定し、その平均値を、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzの値とした。
(内壁面の凹凸の表面積測定)
また、前記条件で得られた一辺100μmの正方形の前記微細凹凸部29の表面粗さの凹凸画像から、表面積をキーエンス社制VK−8500で測定した。上記の条件で、キャップ内壁面をランダムに5箇所測定し、その平均値を表面積の値とした。
本発明の外観図。 図1の縦断面図。 軸筒本体の要部縦断面図。 図1の要部外観図。 ペン先2の外観図 図5の要部拡大図 キャップ3の縦断面図 キャップ3の縦断面図2 キャップ内壁面凹凸部の要部縦断面拡大図 キャップ内壁面凹凸部の変形例の要部縦断面拡大図
1 軸筒本体
2 ペン先
3 キャップ
3a 中キャップ
3b 外キャップ
4 中綿大
5 中綿小
6 スペーサー
7 前軸
8 キャップ小
9 ペン先
10 インキ収納部
11 ペン先ホルダー部
12 先端部
13 ペン先抜け止め用凸部
14 キャップ嵌合用リブ
15 溝(凹部)
16 抜け止め用凹部
17 筆記部
18 橋部
19 窓部
20 窓部天面
21 前方開口部
22 小キャップ嵌合用リブ
23 小キャップ誤挿入防止用リブ
24 環状リブ
25 中キャップ天面
26 軸嵌合用リブ
27 後方開口部
28 キャップ内壁面
29 微細な凹凸部
29a 凹部
L ペン先出長さ
D ペン先外径
W 溝幅
H 溝深さ

Claims (5)

  1. 軸筒本体の前方部にペン先が配置され、そのペン先には少なくとも1つの溝が形成さられた塗布具であって、前記軸筒本体には前記ペン先を覆うようにキャップが着脱自在に配置された塗布具において、前記キャップの内壁面に微細な凹凸部を形成し、前記キャップ内壁面の微細な凹凸部の後方に、その微細な凹凸部よりも高さの高い環状リブを設けた塗布具。
  2. 前記環状リブの表面の算術平均表面粗さRaが0.2μm以下である請求項1に記載の塗布具。
  3. 前記キャップ内壁面の凹凸部の算術平均粗さRaが0.3μm以上50.0μm以下である請求項1、或いは、請求項2に記載の塗布具。
  4. 前記キャップ内壁面の凹凸部の十点平均粗さRzが、1.6μm以上100.0μm以下である請求項1〜請求項3の何れかに記載の塗布具。
  5. 前記環状リブを、前記微細な凹凸部以後、かつ、前記キャップを前記軸筒本体に嵌合状態で配置した際に前記溝よりも後方に設け、さらに、前記微細な凹凸部を、前記キャップを前記軸筒本体に嵌合状態で配置した際に少なくとも前記ペン先の先端から前記溝の後端までの範囲に形成した請求項1〜請求項4の何れかに記載の塗布具。
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