以下に、本発明に係るノイズフィルタ及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るノイズフィルタ及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図20に基づいて説明する。
図1から図3の符号1は、本実施形態のノイズフィルタを示す。このノイズフィルタ1は、2本の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)の中間部分同士をフィルタ回路で繋いだノイズ低減装置であり、2本の電線の内の一方を接地させ、その内の他方に乗った電気的なノイズ成分をフィルタ回路で低減させる。その2本の電線は、例えば、車両のワイヤハーネスWHの幹線WTが備える複数本の電線の内の2本であって、一方の電線がアース線として接地され、他方の電線が電源線として利用される。その電源線には、例えば、デフォッガやハイマウントストップランプ等の負荷が電気的に接続されている。ノイズフィルタ1は、その2本の電線に接続することによって、ワイヤハーネスWHの構成要素の1つとなる。以下に例示するワイヤハーネスWHにおいては、第1電線WE1を電源線として利用し、第2電線WE2をアース線として利用する。第1電線WE1は、一方の端部が電源(例えば、車両の二次電池)に対して電気的に接続され、他方の端部が負荷に対して電気的に接続されている。また、第2電線WE2は、一方の端部が接地されている。第1電線WE1と第2電線WE2は、各々、導電性の芯線WEaと、この芯線WEaの外周面を覆う絶縁性の被覆WEbと、を備える。
[ノイズフィルタ1A]
以下においては、このノイズフィルタ1の一例としてのノイズフィルタ1Aを説明する(図1から図3)。
ノイズフィルタ1Aは、ノイズ成分を低減させるフィルタ回路10を備えるノイズ低減装置であり(図1から図3)、例えば、第1電線WE1に乗った電気的なノイズ成分をフィルタ回路10で低減させる。
フィルタ回路10は、第1電線WE1の中間部分に位置している芯線WEaの一部分と第2電線WE2の中間部分に位置している芯線WEaの一部分との間に介在させ、それぞれの芯線WEaに対して電気的に接続させる。以下においては、その第1電線WE1の中間部分に位置している芯線WEaの一部分を「中間接続部WEa1」と称し、かつ、第2電線WE2の中間部分に位置している芯線WEaの一部分を「中間接続部WEa2」と称する。また、以下においては、その第1電線WE1の芯線WEaの中間接続部WEa1のことを「第1電線WE1の中間接続部WEa1」と簡略化し、かつ、その第2電線WE2の芯線WEaの中間接続部WEa2のことを「第2電線WE2の中間接続部WEa2」と簡略化する。
このフィルタ回路10は、その第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間に介在させ、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる(図1)。
フィルタ回路10は、ノイズ成分を低減させる少なくとも1つのノイズ低減素子11と、このノイズ低減素子11の第1接続部(以下、「第1素子接続部」という。)が電気的に接続された導電性の第1接続部材(以下、「第1回路接続部材」という。)12と、そのノイズ低減素子11の第2接続部(以下、「第2素子接続部」という。)が電気的に接続された導電性の第2接続部材(以下、「第2回路接続部材」という。)13と、を備える(図1から図3)。尚、第1素子接続部と第2素子接続部については、図示を省略している。
ノイズ低減素子11は、このノイズフィルタ1Aの回路構成でノイズの低減を図り得るものであれば、如何様なものを用いてもよい。例えば、ノイズ低減素子11としては、コンデンサやコイル等が考えられる。このフィルタ回路10では、ノイズ低減素子11として2つのコンデンサを備えており、この2つのコンデンサでノイズの低減を図ることができるように構成する(図1から図3)。
第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、ノイズ低減素子11を介して互いを電気的に接続させる導電部材である。この例示の第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、各々、金属等の導電性材料で板状のバスバとして成形されている。
第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、各々、平板状の主体12a,13aを有する(図1から図3)。このフィルタ回路10においては、それぞれの主体12a,13aが同一の平面上に配置されるように、第1回路接続部材12と第2回路接続部材13とを並べて配置している。そして、このフィルタ回路10においては、第1回路接続部材12の主体12aにノイズ低減素子11の第1素子接続部を物理的且つ電気的に接続し、かつ、第2回路接続部材13の主体13aにノイズ低減素子11の第2素子接続部を物理的且つ電気的に接続する。その接続形態としては、ノイズ低減素子11の第1素子接続部や第2素子接続部の形態に応じて、例えば溶着や半田付け等が適用される。
第1回路接続部材12は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して間接的に電気接続させる第1回路側接続体12bを有する(図1から図3)。その第1回路側接続体12bは、後述するように、第1電気接続構造30の構成要素となる。また、第2回路接続部材13は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して間接的に電気接続させる第2回路側接続体13bを有する(図1から図3)。その第2回路側接続体13bは、後述するように、第2電気接続構造40の構成要素となる。
この例示のフィルタ回路10においては、2つのノイズ低減素子11が絶縁性のモールド体14で覆われている(図1から図3)。そのモールド体14は、2つのノイズ低減素子11と第1回路接続部材12の主体12aと第2回路接続部材13の主体13aとの間に注入したモールド剤の固化物であり、2つのノイズ低減素子11と主体12aとの接続部分及び2つのノイズ低減素子11と主体13aとの接続部分についても覆っている。
更に、このノイズフィルタ1Aは、フィルタ回路10と第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とを内方の収容室20a(図1)に収容すると共に、第1電線WE1におけるそれぞれの端部側を内方の収容室20aから外方へと引き出し、かつ、第2電線WE2におけるそれぞれの端部側を内方の収容室20aから外方へと引き出す筐体20を備える(図1から図3)。その筐体20は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体20は、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを互いに嵌め合わせることによって、収容室20aを形成する。
第1筐体部材21は、内壁面21a1にフィルタ回路10が設置される主壁体21aと、この主壁体21aの周縁部から立設させた周壁体21b−21eと、を有する(図2)。この例示の第1筐体部材21は、矩形の平板状の主壁体21aと、この主壁体21aの4つの辺部から各々垂設させた平板状の第1から第4の周壁体21b−21eと、を有している。第1筐体部材21は、第1から第4の周壁体21b−21eの縁部から成る開口21fを有している。
この第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1側には、第1回路接続部材12と第2回路接続部材13とを設置する(図1及び図2)。
例えば、第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、各々、主体12a,13aの壁面を主壁体21aの内壁面21a1に載せ置き、その内壁面21a1に係合機構(図示略)で固定する。その係合機構とは、例えば、主壁体21aの内壁面21a1の複数箇所に設けた爪部等の係止部で主体を保持するロック機構のことである。また、ここでは、第1回路接続部材12と第2回路接続部材13とに対して第1筐体部材21を一体成形させることによって、第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1側に第1回路接続部材12と第2回路接続部材13とを設置してもよい。この場合、第1回路接続部材12と第2回路接続部材13のそれぞれの主体12a,13aにおいては、第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1側で壁面を露出させておく。
第2筐体部材22は、第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1に間隔を空けて対向配置される主壁体22aを有するものであり、第1筐体部材21の開口を塞ぐ。この例示の第2筐体部材22は、更に、その主壁体22aの周縁部から立設させた周壁体22b−22eを有する(図3)。ここでは、矩形の平板状の主壁体22aと、この主壁体22aの4つの辺部から各々垂設させた平板状の第1から第4の周壁体22b−22eと、を有している。第2筐体部材22は、第1から第4の周壁体22b−22eの縁部から成る開口22fを有している。
この例示の筐体20においては、第1筐体部材21と第2筐体部材22のそれぞれの第1周壁体21b,22b同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第2周壁体21c,22c同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第3周壁体21d,22d同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第4周壁体21e,22e同士を対向配置させる。
この例示の筐体20は、第1電線WE1と第2電線WE2とを並列配置状態で収容室20aに収容し、その収容室20aの中で第1電線WE1と第2電線WE2とを併走させる。この筐体20においては、第1筐体部材21における対向配置状態の第1周壁体21b及び第2周壁体21c並びに第2筐体部材22における対向配置状態の第1周壁体22b及び第2周壁体22cから第1電線WE1と第2電線WE2とを外方に引き出している。
第1筐体部材21と第2筐体部材22のそれぞれの第1周壁体21b,22bは、各々、第1電線WE1の一方の端部側を外方に引き出させる第1引出口21b1,22b1と、第2電線WE2の一方の端部側を外方に引き出させる第2引出口21b2,22b2と、を有する(図2及び図3)。それぞれの第1周壁体21b,22bにおいては、第1引出口21b1,22b1同士を対向配置させ、かつ、第2引出口21b2,22b2同士を対向配置させる。
第1筐体部材21と第2筐体部材22のそれぞれの第2周壁体21c,22cは、各々、第1電線WE1の他方の端部側を外方に引き出させる第3引出口21c1,22c1と、第2電線WE2の他方の端部側を外方に引き出させる第4引出口21c2,22c2と、を有する(図2及び図3)。それぞれの第2周壁体21c,22cにおいては、第3引出口21c1,22c1同士を対向配置させ、かつ、第4引出口21c2,22c2同士を対向配置させる。
尚、この例示の筐体20は、ノイズフィルタ1Aの設置対象物に対して保持させる保持体23を有している(図3)。その保持体23は、設置対象物の相手方保持体(図示略)に係合させることによって、設置対象物に筐体20を保持させる。ここでは、その保持体23を第1筐体部材21の主壁体21aの外壁面に設けている。
更に、このノイズフィルタ1Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1をフィルタ回路10の第1回路接続部材12に対して電気的に接続させる第1電気接続構造30と、第2電線WE2の中間接続部WEa2をフィルタ回路10の第2回路接続部材13に対して電気的に接続させる第2電気接続構造40と、を備える(図1から図3)。筐体20の収容室20aには、その第1電気接続構造30と第2電気接続構造40についても収容される。
第1電気接続構造30は、第1電線WE1の軸線方向が第1回路接続部材12の主体12aの平面に沿うように、その相互間の接続を行う。また、第2電気接続構造40は、第2電線WE2の軸線方向が第2回路接続部材13の主体13aの平面に沿うように、その相互間の接続を行う。そして、第1電気接続構造30と第2電気接続構造40は、第1電線WE1と第2電線WE2のそれぞれの軸線方向が同じ方向を向くように、第1電線WE1と第1回路接続部材12との間の接続及び第2電線WE2と第2回路接続部材13との間の接続を行う。
第1電気接続構造30は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続される第1電線側接続体31と、その第1電線側接続体31と第1回路接続部材12とに対して物理的且つ電気的に接続される第1回路側接続体32と、を備える(図1及び図2)。
この例示の第1電線側接続体31は、そのものが金属等の導電性材料で1つの部材(第1電線側接続部材)として成形されている。例えば、この第1電線側接続体31は、矩形の金属板を第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して巻き付けながら加締めていくことによって、その中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続された筒状部材となる。この例示の第1電線側接続体31は、円筒状に成形している(図1及び図2)。
第1回路側接続体32は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して間接的に電気接続させるものとして形成する。この例示の第1回路側接続体32は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して間接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa1に対して間接的に電気接続させる。具体的に、この第1回路側接続体32は、第1電線側接続体31に対して直接的に弾発力を作用させ、その第1電線側接続体31に作用させた弾発力によって第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して間接的に電気接続させる。この第1回路側接続体32は、第1回路接続部材12に設ける。この第1回路側接続体32は、そのものが1つの部材として成形されたものであってもよく、或る部材が自らの一部として有するものであってもよい。
前者の第1回路側接続体32は、第1回路接続部材12とは別の部材として成形する。この第1回路側接続体32は、第1回路接続部材12に対して溶接等で物理的且つ電気的に接続させることによって、この第1回路接続部材12に設ける。
また、後者の第1回路側接続体32は、例えば、第1回路接続部材12の主体12aと共に一体となって成形されたものであり、第1回路接続部材12が有するものとして設ける。この例示の第1電気接続構造30は、この後者の第1回路側接続体32を備えている(図1から図3)。ここでは、第1回路接続部材12の第1回路側接続体12bを第1電気接続構造30の第1回路側接続体32として利用する。
この第1回路側接続体32(12b)は、第1回路接続部材12の主体12aから自由端側を浮き上がらせた片持ちの片体状で且つ弾性を持つ片部(以下、「弾性片部」という。)32aと、この弾性片部32aの自由端に設け、第1電線側接続体31に対して直接的に電気接続させる接点部32bと、を有する(図4から図6)。この第1回路側接続体32は、弾性片部32aで弾発力を発生させると共に、その弾発力を接点部32bから第1電線側接続体31に対して直接的に作用させることによって、この第1電線側接続体31に対して物理的且つ電気的に接続される。よって、この第1回路側接続体32は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して第1電線側接続体31を介して間接的に電気接続させることができる。
第2電気接続構造40は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続される第2電線側接続体41と、その第2電線側接続体41と第2回路接続部材13とに対して物理的且つ電気的に接続される第2回路側接続体42と、を備える(図1から図3)。
この例示の第2電線側接続体41は、第1電線側接続体31と同じ円筒状の筒状部材であり、矩形の金属板を第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して巻き付けながら加締めていくことによって、その中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続させる(図1から図3)。
第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して間接的に電気接続させるものとして形成する。この例示の第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して間接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa2に対して間接的に電気接続させる。具体的に、この第2回路側接続体42は、第2電線側接続体41に対して直接的に弾発力を作用させ、その第2電線側接続体41に作用させた弾発力によって第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して間接的に電気接続させる。この第2回路側接続体42は、第2回路接続部材13に設ける。この第2回路側接続体42は、第1回路側接続体32と同じように、そのものが1つの部材として成形されたものであってもよく、或る部材が自らの一部として有するものであってもよい。この例示の第2回路側接続体42は、第2回路接続部材13の主体13aと共に一体となって成形されたものであり、第2回路接続部材13が有するものとして設ける。ここでは、第2回路接続部材13の第2回路側接続体13bを第2電気接続構造40の第2回路側接続体42として利用する。
この第2回路側接続体42(13b)は、第1回路側接続体32(12b)と同等の形状に形成する。よって、この第2回路側接続体42は、第2回路接続部材13の主体13aから自由端側を浮き上がらせた片持ちの片体状で且つ弾性を持つ片部(以下、「弾性片部」という。)42aと、この弾性片部42aの自由端に設け、第2電線側接続体41に対して直接的に電気接続させる接点部42bと、を有する(図4から図6)。この第2回路側接続体42は、弾性片部42aで弾発力を発生させると共に、その弾発力を接点部42bから第2電線側接続体41に対して直接的に作用させることによって、この第2電線側接続体41に対して物理的且つ電気的に接続される。よって、この第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して第2電線側接続体41を介して間接的に電気接続させることができる。
ここで、第1回路側接続体32の弾発力は、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際に、第1回路接続部材12と第1電線側接続体31とを第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1側と第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1側とで挟持させることによって発生させる(図5)。よって、第1電気接続構造30においては、第1電線側接続体31と第1回路側接続体32(第1回路接続部材12の第1回路側接続体12b)とを第1筐体部材21と第2筐体部材22の嵌合方向で対向配置させる。
また、第2回路側接続体42の弾発力は、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際に、第2回路接続部材13と第2電線側接続体41とを第1筐体部材21の主壁体21aの内壁面21a1側と第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1側とで挟持させることによって発生させる(図5)。よって、第2電気接続構造40においては、第2電線側接続体41と第2回路側接続体42(第2回路接続部材13の第2回路側接続体13b)とを第1筐体部材21と第2筐体部材22の嵌合方向で対向配置させる。
このノイズフィルタ1Aにおいては、第1回路側接続体32と第2回路側接続体42とに弾発力を発生させるべく、第1筐体部材21と第2筐体部材22の嵌合方向にて、第1電線側接続体31を第1回路側接続体32の接点部32bと第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1側とで挟持させ、かつ、第2電線側接続体41を第2回路側接続体42の接点部42bと第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1側とで挟持させる(図5)。つまり、ここでは、第1筐体部材21と第2筐体部材22の嵌合方向が、第1電線側接続体31や第2電線側接続体41に対しての挟持方向(以下、「電線挟持方向」という。)になる。
第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1には、第1回路側接続体32の接点部32bとの間で第1電線WE1の中間接続部WEa1を間接的に挟持する第1挟持体24と、第2回路側接続体42の接点部42bとの間で第2電線WE2の中間接続部WEa2を間接的に挟持する第2挟持体25と、を少なくとも1つずつ設けている(図3、図5及び図6)。
第1挟持体24は、第1回路側接続体32の接点部32bとの間で第1電線側接続体31を挟持することによって、その接点部32bとの間で第1電線WE1の中間接続部WEa1を間接的に挟持する。この第1挟持体24は、第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1から自由端側を浮き上がらせた片持ちの片体状の片部24aと、この片部24aの自由端に設け、第1電線側接続体31に接触させて加圧する加圧部24bと、を有する(図3、図5及び図6)。その片部24aは、弾性を有するものであってもよく、弾性を有しないものであってもよい。また、加圧部24bは、電線挟持方向で接点部32bに対向配置させる。ここでは、加圧部24bと接点部32bとを各々矩形の片体状に形成し、それぞれの平面の間で第1電線側接続体31を挟持させる。
第2挟持体25は、第2回路側接続体42の接点部42bとの間で第2電線側接続体41を挟持することによって、その接点部42bとの間で第2電線WE2の中間接続部WEa2を間接的に挟持する。この第2挟持体25は、第2筐体部材22の主壁体22aの内壁面22a1から自由端側を浮き上がらせた片持ちの片体状の片部25aと、この片部25aの自由端に設け、第2電線側接続体41に接触させて加圧する加圧部25bと、を有する(図3、図5及び図6)。その片部25aは、弾性を有するものであってもよく、弾性を有しないものであってもよい。また、加圧部25bは、電線挟持方向で接点部42bに対向配置させる。ここでは、加圧部25bと接点部42bとを各々矩形の片体状に形成し、それぞれの平面の間で第2電線側接続体41を挟持させる。
このノイズフィルタ1Aにおいて、第1筐体部材21の内方の空間には、第1電線側接続体31が接点部32bに載せ置かれた状態で第1電線WE1を配置すると共に、第2電線側接続体41が接点部42bに載せ置かれた状態で第2電線WE2を配置する(図6)。このノイズフィルタ1Aにおいては、その第1筐体部材21に対して第2筐体部材22を嵌め合わせていく(図6)。
第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際には、第1電線側接続体31に対して加圧部24bから接点部32bに向けた押圧力が作用し、この第1電線側接続体31が接点部32bを押し動かすので、その押動力に抗する弾性片部32aの弾発力が接点部32bから第1電線側接続体31に作用する。また、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際には、第2電線側接続体41に対して加圧部25bから接点部42bに向けた押圧力が作用し、この第2電線側接続体41が接点部42bを押し動かすので、その押動力に抗する弾性片部42aの弾発力が接点部42bから第2電線側接続体41に作用する。よって、このノイズフィルタ1Aにおいては、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際に、第1電線側接続体31が加圧部24bと接点部32bとで挟持されて、その第1電線側接続体31と接点部32bとが物理的且つ電気的に接続され、かつ、第2電線側接続体41が加圧部25bと接点部42bとで挟持されて、その第2電線側接続体41と接点部42bとが物理的且つ電気的に接続される。従って、このノイズフィルタ1Aにおいては、第1電線WE1の中間接続部WEa1とフィルタ回路10の第1回路接続部材12とが第1電線側接続体31を介して間接的に電気接続され、かつ、第2電線WE2の中間接続部WEa2とフィルタ回路10の第2回路接続部材13とが第2電線側接続体41を介して間接的に電気接続される。
ところで、従来のノイズフィルタは、前述したように、ノイズ低減対象電線とフィルタ回路との間に中間電線を介在させている。その中間電線は、ノイズフィルタへの組付け作業性や車両への配索経路等を考慮して、長さに関する許容公差が大きく取られている。このため、従来のノイズフィルタは、その長さに応じた中間電線のノイズ成分をも考慮に入れて、フィルタ回路特性(共振点やノイズ低減性能等)の調整を行う必要がある。しかしながら、このノイズフィルタ1Aにおいては、ワイヤハーネスWHの幹線WTに束ねられている第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間にフィルタ回路10を介在させ、そのフィルタ回路10をそれぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続している。よって、このノイズフィルタ1Aは、従来のような幹線からの分岐電線(中間電線)の影響を考慮に入れたフィルタ回路特性の調整が不要になる。つまり、このノイズフィルタ1Aは、中間電線の影響を受けることのないものとなっている。
図7には、周波数を横軸とし、ノイズ低減レベルを縦軸としたフィルタ回路特性の概念図を示している。本図では、破線でノイズ低減の要求性能を表し、実線で本実施形態のノイズフィルタ1Aのフィルタ回路特性を表し、二点鎖線で従来のノイズフィルタのフィルタ回路特性を表している。
尚、ノイズフィルタ1Aは、例えば、幹線WTと一緒に粘着テープ等で巻き付けて、この幹線WTに抱きかかえさせればよい。
更に、このノイズフィルタ1Aは、一方の端部を接地させる第2電線WE2の中間接続部WEa2に対してフィルタ回路10を電気的に接続させるので、例えば、幹線WTの周囲に接地可能な導電体が存在しておらずとも、また、自らの設置対象物が合成樹脂等の絶縁性材料で成形されていたとしても、容易にアースを取ることができる。つまり、従来のノイズフィルタは、導電性の設置対象物に取り付けた際に当該設置対象物にアース端子を接続することによって、その設置対象物を介してアースを取っている。よって、従来のノイズフィルタにおいては、アース端子と設置対象物との固定作業を容易にするために、アース端子を筐体から食み出させている。しかしながら、このノイズフィルタ1Aは、そのようなアース端子を備えずとも、アースを取ることができる。従って、このノイズフィルタ1Aは、体格の小型化や軽量化を図ることができる。
また更に、このノイズフィルタ1Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1と第1回路側接続体32との間の電気的な接続構造及び第2電線WE2の中間接続部WEa2と第2回路側接続体42との間の電気的な接続構造が、第1回路側接続体32と第2回路側接続体42のそれぞれの弾発力を利用するものとなっている。よって、このノイズフィルタ1Aは、その接続構造が従来のような雌雄の端子部の嵌合構造となっているものと比較して、それぞれの接続構造の小型化が可能になる。従って、このノイズフィルタ1Aは、体格の小型化を図ることができる。また、そのような従来の接続構造は形状如何で原価の高騰を招く虞があるが、このノイズフィルタ1Aは、弾発力を利用する接続構造であるが故に、その構造の簡素化を図ることができ、原価の高騰を抑えることができる。
また更に、このノイズフィルタ1Aは、そのような弾発力による接続構造を採用することによって、それぞれの構成部品の寸法ばらつきを吸収し、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に安定した接触荷重を作用させることができる。また、このノイズフィルタ1Aは、第1挟持体24の片部24aと第2挟持体25の片部25aとに弾性を持たせることによって、第1回路側接続体32と第2回路側接続体42の弾性と相俟って、それぞれの構成部品の寸法ばらつきがより大きくなったとしても、その寸法ばらつきを吸収し、それぞれの中間接続部WEa2に安定した接触荷重を作用させることができる。このような特性によって、このノイズフィルタ1Aは、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の通電品質の向上を図ることができる。
また更に、このノイズフィルタ1Aは、弾発力による接続構造を採用することによって、第1回路側接続体32と第2回路側接続体42の弾性域の範囲内で、様々な外径の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)に対して電気的な接続を図ることができる。また、このノイズフィルタ1Aは、第1挟持体24の片部24aと第2挟持体25の片部25aとに弾性を持たせた場合、これらも含めた弾性域の範囲内で、様々な外径の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)に対して電気的な接続を図ることができる。つまり、このノイズフィルタ1Aは、様々な外径の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)への対応が可能になり、汎用性を高めることができる。
[ノイズフィルタ1B]
ここで、本実施形態のノイズフィルタ1は、先の第1挟持体24と第2挟持体25とを有する第2筐体部材22に替えて、次のような第1挟持体124と第2挟持体125とを第2筐体部材122に設けたノイズフィルタ1Bとして構成してもよい(図8及び図9)。このノイズフィルタ1Bは、先のノイズフィルタ1Aと同様の効果が得られると共に、その第1挟持体124と第2挟持体125とによって、後述する効果を得ることができる。
第2筐体部材122は、先に示した第2筐体部材22において、第1挟持体24を第1挟持体124に置き換え、かつ、第2挟持体25を第2挟持体125に置き換えたものである。この第2筐体部材122は、先に示した第1筐体部材21に嵌合させることによって、内方に収容室120aが形成された筐体120を構成する(図9)。この第2筐体部材122の主壁体122aの内壁面122a1には、第1挟持体124と第2挟持体125とを2つずつ設ける(図8及び図9)。
第1挟持体124は、先に示した第1挟持体24と同様の片部124a及び加圧部124bの他に、その加圧部124bから膨出させた係止突起部124cを有する(図8から図10)。また、第2挟持体125は、先に示した第2挟持体25と同様の片部125a及び加圧部125bの他に、その加圧部125bから膨出させた係止突起部125cを有する(図8から図10)。
このノイズフィルタ1Bにおいては、2つの第1挟持体124のそれぞれの加圧部124bと接点部32bとで第1電線側接続体31を挟持させ、かつ、2つの第2挟持体125のそれぞれの加圧部125bと接点部42bとで第2電線側接続体41を挟持させる(図8及び図9)。その際、接点部32bは、一方の第1挟持体124の加圧部124bに対してのみ電線挟持方向で対向配置させてもよく、双方の第1挟持体124のそれぞれの加圧部124bに対して電線挟持方向で対向配置させてもよい。これと同様に、接点部42bは、一方の第2挟持体125の加圧部125bに対してのみ電線挟持方向で対向配置させてもよく、双方の第2挟持体125のそれぞれの加圧部125bに対して電線挟持方向で対向配置させてもよい。
また、一方の第1挟持体124の係止突起部124cは、第1電線側接続体31における筒軸方向の一端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図9)。そして、他方の第1挟持体124の係止突起部124cは、第1電線側接続体31における筒軸方向の他端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図9)。つまり、このノイズフィルタ1Bにおいては、その2つの係止突起部124cを用いて、筒軸方向の両端から第1電線側接続体31を挟持させる。更に、一方の第2挟持体125の係止突起部125cは、第2電線側接続体41における筒軸方向の一端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図9)。そして、他方の第2挟持体125の係止突起部125cは、第2電線側接続体41における筒軸方向の他端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図9)。つまり、このノイズフィルタ1Bにおいては、その2つの係止突起部125cを用いて、筒軸方向の両端から第2電線側接続体41を挟持させる。これにより、このノイズフィルタ1Bにおいては、その2つの係止突起部124cと2つの係止突起部125cとによって、筐体120の収容室120aの中での第1電線側接続体31及び第1電線WE1並びに第2電線側接続体41及び第2電線WE2の位置決めを行うことができる。従って、このノイズフィルタ1Bは、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の通電品質を更に向上させることができる。
[ノイズフィルタ1C]
また、本実施形態のノイズフィルタ1は、先の第1挟持体24と第2挟持体25とを有する第2筐体部材22に替えて、次のような第1挟持体224と第2挟持体225とを第2筐体部材222に設けたノイズフィルタ1Cとして構成してもよい(図11及び図12)。このノイズフィルタ1Cは、先のノイズフィルタ1Aと同様の効果が得られると共に、その第1挟持体224と第2挟持体225とによって、後述する効果を得ることができる。
第2筐体部材222は、先に示した第2筐体部材22において、第1挟持体24を第1挟持体224に置き換え、かつ、第2挟持体25を第2挟持体225に置き換えたものである。この第2筐体部材222は、先に示した第1筐体部材21に嵌合させることによって、内方に収容室220aが形成された筐体220を構成する(図12)。この第2筐体部材222の主壁体222aの内壁面222a1には、第1挟持体224と第2挟持体225とを2つずつ設ける(図11及び図12)。
第1挟持体224は、主壁体222aの内壁面222a1から膨出させ、第1電線側接続体31に接触させて加圧する加圧部224bと、その内壁面222a1から膨出させた係止突起部224cと、を有する(図11及び図12)。また、第2挟持体225は、主壁体222aの内壁面222a1から膨出させ、第2電線側接続体41に接触させて加圧する加圧部225bと、その内壁面222a1から膨出させた係止突起部225cと、を有する(図11及び図12)。
このノイズフィルタ1Cにおいては、2つの第1挟持体224のそれぞれの加圧部224bと接点部32bとで第1電線側接続体31を挟持させ、かつ、2つの第2挟持体225のそれぞれの加圧部225bと接点部42bとで第2電線側接続体41を挟持させる。その際、接点部32bは、一方の第1挟持体224の加圧部224bに対してのみ電線挟持方向で対向配置させてもよく、双方の第1挟持体224のそれぞれの加圧部224bに対して電線挟持方向で対向配置させてもよい。これと同様に、接点部42bは、一方の第2挟持体225の加圧部225bに対してのみ電線挟持方向で対向配置させてもよく、双方の第2挟持体225のそれぞれの加圧部225bに対して電線挟持方向で対向配置させてもよい。
また、一方の第1挟持体224の係止突起部224cは、第1電線側接続体31における筒軸方向の一端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図12)。そして、他方の第1挟持体224の係止突起部224cは、第1電線側接続体31における筒軸方向の他端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図12)。つまり、このノイズフィルタ1Cにおいては、その2つの係止突起部224cを用いて、筒軸方向の両端から第1電線側接続体31を挟持させる。更に、一方の第2挟持体225の係止突起部225cは、第2電線側接続体41における筒軸方向の一端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図12)。そして、他方の第2挟持体225の係止突起部225cは、第2電線側接続体41における筒軸方向の他端を当該筒軸方向で係止するものとして形成する(図12)。つまり、このノイズフィルタ1Cにおいては、その2つの係止突起部225cを用いて、筒軸方向の両端から第2電線側接続体41を挟持させる。これにより、このノイズフィルタ1Cにおいては、その2つの係止突起部224cと2つの係止突起部225cとによって、筐体220の収容室220aの中での第1電線側接続体31及び第1電線WE1並びに第2電線側接続体41及び第2電線WE2の位置決めを行うことができる。従って、このノイズフィルタ1Cは、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の通電品質を更に向上させることができる。
[ノイズフィルタ1D]
本実施形態のノイズフィルタ1は、先の第1回路側接続体32(12b)を有する第1電気接続構造30と第2回路側接続体42(13b)を有する第2電気接続構造40とに替えて、次のような第1回路側接続体332を有する第1電気接続構造330と第2回路側接続体342を有する第2電気接続構造340とを設けたノイズフィルタ1Dとして構成してもよい(図13及び図14)。このノイズフィルタ1Dは、先のノイズフィルタ1Aと同様の効果が得られると共に、その第1回路側接続体332と第2回路側接続体342とによって、後述する効果を得ることができる。
第1回路側接続体332は、先の例示と同じように、主体312aと第1回路側接続体312bとを有する第1回路接続部材312に設けており、その第1回路側接続体312bを利用する(図13及び図14)。この第1回路側接続体332は、先の第1回路側接続体32(12b)と同様の弾性片部332aを有すると共に、この弾性片部332aの自由端に設け、第1電線側接続体31に対して直接的に電気接続させる接点部332bを有する(図13から図15)。この例示の接点部332bは、第1電線側接続体31の外周面に接触させる先の接点部32bと同様の矩形の片部332b1と、この片部332b1から突出させ、第1電線側接続体31における筒軸方向の両端を当該筒軸方向で挟み込む2つの係止突起部332b2と、を有する(図13から図15)。この例示の係止突起部332b2には、第1電線WE1の中間接続部WEa1が挿入される弧状の切欠き332b21を設けている(図15)。この第1回路側接続体332は、先の第1電線側接続体31と対になって第1電気接続構造330を構成する。
第2回路側接続体342は、先の例示と同じように、主体313aと第2回路側接続体313bとを有する第2回路接続部材313に設けており、その第2回路側接続体313bを利用する(図13及び図14)。この第2回路側接続体342は、先の第2回路側接続体42(13b)と同様の弾性片部342aを有すると共に、この弾性片部342aの自由端に設け、第2電線側接続体41に対して直接的に電気接続させる接点部342bを有する(図13から図15)。この例示の接点部342bは、第2電線側接続体41の外周面に接触させる先の接点部42bと同様の矩形の片部342b1と、この片部342b1から突出させ、第2電線側接続体41における筒軸方向の両端を当該筒軸方向で挟み込む2つの係止突起部342b2と、を有する(図13から図15)。この例示の係止突起部342b2には、第2電線WE2の中間接続部WEa2が挿入される弧状の切欠き342b21を設けている(図15)。この第2回路側接続体342は、先の第2電線側接続体41と対になって第2電気接続構造340を構成する。
このノイズフィルタ1Dは、2つの係止突起部332b2と2つの係止突起部342b2とによって、筐体20の収容室20aの中での第1電線側接続体31及び第1電線WE1並びに第2電線側接続体41及び第2電線WE2の位置決めを行うことができる。従って、このノイズフィルタ1Dは、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の通電品質を更に向上させることができる。
[ノイズフィルタ1Aの変形形態]
ところで、先に示したノイズフィルタ1Aにおいては、図示しないが、それぞれの接点部32b,42bを端子部として形成すると共に、第1電線側接続体31と第2電線側接続体41とに各々端子部(図示略)を設けてもよい。それぞれの端子部は、雌雄何れかの端子形状を成すものであり、例えば、前述した特許文献2に示す端子形状を用いればよい。この場合のノイズフィルタ1Aにおいては、端子部としての接点部32bと第1電線側接続体31の端子部とを嵌合させ、かつ、端子部としての接点部42bと第2電線側接続体41の端子部とを嵌合させることによって、その相互間の電気的な接続を確保すると共に、筐体20の収容室20aの中での第1電線側接続体31及び第1電線WE1並びに第2電線側接続体41及び第2電線WE2の位置決めを行うことができる。従って、このノイズフィルタ1Aは、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の通電品質を更に向上させることができる。
[ノイズフィルタ1E]
本実施形態のノイズフィルタ1は、先の第1電気接続構造30と第2電気接続構造40とに替えて、次のような第1電気接続構造430と第2電気接続構造440とを設けたノイズフィルタ1Eとして構成してもよい(図16)。このノイズフィルタ1Eは、先のノイズフィルタ1Aと同様の効果が得られると共に、その第1電気接続構造430と第2電気接続構造440とによって、後述する効果を得ることができる。
第1電気接続構造430は、先の第1電線側接続体31を持たずに、先の第1回路側接続体32を備えたものである。この第1電気接続構造430は、第2筐体部材22の第1挟持体24と相俟って、その加圧部24bと第1回路側接続体32の接点部32bとで第1電線WE1の中間接続部WEa1を挟持させる。
つまり、この例示の第1回路側接続体32は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させるものとして形成する。この第1回路側接続体32は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して直接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させる。また、この例示の第1挟持体24は、第1回路側接続体32の接点部32bとの間で第1電線WE1の中間接続部WEa1を直接的に挟持するものとして形成する。
また、第2電気接続構造440は、先の第2電線側接続体41を持たずに、先の第2回路側接続体42を備えたものである。この第2電気接続構造440は、第2筐体部材22の第2挟持体25と相俟って、その加圧部25bと第2回路側接続体42の接点部42bとで第2電線WE2の中間接続部WEa2を挟持させる。
つまり、この例示の第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させるものとして形成する。この第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して直接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させる。また、この例示の第2挟持体25は、第2回路側接続体42の接点部42bとの間で第2電線WE2の中間接続部WEa2を直接的に挟持するものとして形成する。
ここで、このノイズフィルタ1Eは、丸導体等の単線を芯線WEaとする第1電線WE1と第2電線WE2を適用する場合に用いることが望ましい。何故ならば、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2においては、芯線WEaが複数本の素線を束ねた集合体である場合、加圧部24b,25bと接点部32b,42bとで挟持するときに各素線がばらけてしまう可能性があるので、加圧部24b、25bからの押動力と接点部32b,42bからの弾発力を受け止めることができなくなる可能性がある。つまり、芯線WEaが複数本の素線の集合体の場合には、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に適切な接触荷重を作用させることができず、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2とフィルタ回路10との間での通電が上手く為されない可能性があるからである。但し、第1電線WE1と第2電線WE2は、芯線WEaが複数本の素線の集合体であったとしても、中間接続部WEa1,WEa2における複数本の素線を熱圧着等で溶着して一纏めに固着させることによって(図16)、先の第1電線側接続体31や第2電線側接続体41を備えずとも、このノイズフィルタ1Eに適用することができる。
このように、このノイズフィルタ1Eは、第1電気接続構造430と第2電気接続構造440とにおいて部品点数が削減されるので、軽量化や組付け作業性の向上、原価の低減を図ることができる。
[ノイズフィルタ1F]
本実施形態のノイズフィルタ1は、先の第1挟持体24及び第2挟持体25を有する第2筐体部材22、第1電気接続構造30並びに第2電気接続構造40に替えて、次のような第1挟持体524及び第2挟持体525を有する第2筐体部材522、第1電気接続構造530並びに第2電気接続構造540を設けたノイズフィルタ1Fとして構成してもよい(図17及び図18)。このノイズフィルタ1Fは、先のノイズフィルタ1Aと同様の効果が得られると共に、その第1挟持体524及び第2挟持体525並びに第1電気接続構造430及び第2電気接続構造440によって、後述する効果を得ることができる。
第2筐体部材522は、先に示した第2筐体部材22において、第1挟持体24を第1挟持体524に置き換え、かつ、第2挟持体25を第2挟持体525に置き換えたものである。この第2筐体部材522は、先に示した第1筐体部材21に嵌合させることによって、内方に収容室520aが形成された筐体520を構成する(図18)。この第2筐体部材522の主壁体522aの内壁面522a1には、第1挟持体524と第2挟持体525とを少なくとも1つずつ設ける(図17及び図18)。ここでは、第1挟持体524と第2挟持体525とを1つずつ設けている。
第1挟持体524は、先に示した第1挟持体24と同様の片部524aを有すると共に、この片部524aの自由端に設け、第1電線WE1の中間接続部WEa1に接触させて加圧する加圧部524bを有する(図17及び図18)。その加圧部524bは、U字状に形成する。この加圧部524bは、第1電線WE1の中間接続部WEa1側に口を開けており、その開口から中間接続部WEa1を内方に挿入させる。また、第2挟持体525は、先に示した第2挟持体25と同様の片部525aを有すると共に、この片部525aの自由端に設け、第2電線WE2の中間接続部WEa2に接触させて加圧する加圧部525bを有する(図17及び図18)。その加圧部525bは、U字状に形成する(図19)。この加圧部525bは、第2電線WE2の中間接続部WEa2側に口を開けており、その開口から中間接続部WEa2を内方に挿入させる。
第1電気接続構造530は、先の第1電線側接続体31を持たずに、第1回路側接続体532を備えたものである(図17及び図18)。その第1回路側接続体532は、先の例示と同じように、主体512aと第1回路側接続体512bとを有する第1回路接続部材512に設けており、その第1回路側接続体512bを利用する(図17及び図18)。この第1回路側接続体532は、先の第1回路側接続体32(12b)と同様の弾性片部532aを有すると共に、この弾性片部532aの自由端に設け、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させる接点部532bを有する(図17及び図18)。この例示の接点部532bは、U字状に形成する(図19)。この接点部532bは、第1電線WE1の中間接続部WEa1側に口を開けており、その開口から中間接続部WEa1を内方に挿入させる。
また、第2電気接続構造540は、先の第2電線側接続体41を持たずに、第2回路側接続体542を備えたものである(図17及び図18)。その第2回路側接続体542は、先の例示と同じように、主体513aと第2回路側接続体513bとを有する第2回路接続部材513に設けており、その第2回路側接続体513bを利用する(図17及び図18)。この第2回路側接続体542は、先の第2回路側接続体42(13b)と同様の弾性片部542aを有すると共に、この弾性片部542aの自由端に設け、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させる接点部542bを有する(図17及び図18)。この例示の接点部542bは、U字状に形成する(図19)。この接点部542bは、第2電線WE2の中間接続部WEa2側に口を開けており、その開口から中間接続部WEa2を内方に挿入させる。
つまり、この例示の第1回路側接続体532は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させるものとして形成されている。この第1回路側接続体532は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して直接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させる。また、この例示の第1挟持体524は、第1回路側接続体532の接点部532bとの間で第1電線WE1の中間接続部WEa1を直接的に挟持するものとして形成されている。また、この例示の第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させるものとして形成されている。この第2回路側接続体42は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して直接的に作用させた弾発力によって、その中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させる。また、この例示の第2挟持体25は、第2回路側接続体42の接点部42bとの間で第2電線WE2の中間接続部WEa2を直接的に挟持するものとして形成されている。
加圧部524bと接点部532bは、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際に、それぞれのU字の内方に第1電線WE1の中間接続部WEa1を各々の開口から挿入させ(図20)、かつ、その中間接続部WEa1の軸線方向で互いに対向配置させる(図18)。加圧部524bと接点部532bは、その軸線方向にて近接配置する。これにより、この加圧部524bと接点部532bは、それぞれのU字の底部によって、その中間接続部WEa1を電線挟持方向で挟み込み、この中間接続部WEa1に対して安定した接触荷重を作用させることができる。また、この加圧部524bと接点部532bは、それぞれのU字の内方で第1電線WE1の中間接続部WEa1を囲うことができる(図20)。よって、このノイズフィルタ1Fにおいては、芯線WEaが単線の第1電線WE1であっても適用することができ、また、素線のばらけを抑制できるので、芯線WEaが複数本の素線の集合体となっている第1電線WE1であっても適用することができる。また、その第1電線WE1は、先に示した中間接続部WEa1における複数本の素線を熱圧着等で溶着して固めたものであってもよい。
また、加圧部525bと接点部542bは、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを嵌め合わせた際に、それぞれのU字の内方に第2電線WE2の中間接続部WEa2を各々の開口から挿入させ(図20)、かつ、その中間接続部WEa2の軸線方向で互いに対向配置させる(図18)。加圧部525bと接点部542bは、その軸線方向にて近接配置する。これにより、この加圧部525bと接点部542bは、それぞれのU字の底部によって、その中間接続部WEa2を電線挟持方向で挟み込み、この中間接続部WEa2に対して安定した接触荷重を作用させることができる。また、この加圧部525bと接点部542bは、それぞれのU字の内方で第2電線WE2の中間接続部WEa2を囲うことができる(図20)。よって、このノイズフィルタ1Fにおいては、芯線WEaが単線の第2電線WE2であっても適用することができ、また、素線のばらけを抑制できるので、芯線WEaが複数本の素線の集合体となっている第2電線WE2であっても適用することができる。また、その第2電線WE2は、先に示した中間接続部WEa2における複数本の素線を熱圧着等で溶着して固めたものであってもよい。
このように、このノイズフィルタ1Fは、第1電気接続構造530と第2電気接続構造540とにおいて部品点数が削減されるので、軽量化や組付け作業性の向上、原価の低減を図ることができる。
[ノイズフィルタ1Aの変形形態]
ところで、先に示したノイズフィルタ1Aにおいては、図示しないが、互いに間隔を空けて対向配置された圧接刃を有するものとして、それぞれの接点部32b,42bを形成してもよい。接点部32bの圧接刃は、間に差し込んだ第1電線WE1の被覆WEbに切込みを入れて、第1電線WE1の芯線WEaに食い込ませる。よって、この接点部32bは、それぞれの圧接刃によって、第1電線WE1を電気接続状態で圧接固定することができる。また、接点部42bの圧接刃は、間に差し込んだ第2電線WE2の被覆WEbに切込みを入れて、第2電線WE2の芯線WEaに食い込ませる。よって、この接点部42bは、それぞれの圧接刃によって、第2電線WE2を電気接続状態で圧接固定することができる。
この場合、第1及び第2の回路側接続体32,42の片部32a,42aは、弾性を有するものであってもよく、弾性を有しないものであってもよい。また、この場合、第2筐体部材22は、第1挟持体24や第2挟持体25を有していてもよく、第1挟持体24や第2挟持体25を有していなくてもよい。但し、このノイズフィルタ1Aにおいては、第1挟持体24や第2挟持体25を有していることによって、圧接固定状態が保たれ易くなる。
以上示したように、本実施形態のノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)は、ワイヤハーネスWHの幹線WTに束ねられている第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間にフィルタ回路10を介在させ、そのフィルタ回路10をそれぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる。よって、本実施形態のノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)は、従来のような中間電線のノイズ成分をも考慮に入れたフィルタ回路特性の調整が不要な簡便なものとなっている。更に、本実施形態のノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)は、アース端子が不要なので、体格の小型化や軽量化を図ることができる。また更に、本実施形態のノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)は、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の電気的な接続に弾性を利用しているので、体格の小型化や原価高騰の抑制を図ることができ、かつ、様々な外径の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)への対応が可能な汎用性の高いものとなる。また更に、本実施形態のノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)は、そのような弾性を利用した接続構造によって、それぞれの構成部品の寸法ばらつきを吸収し、第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とに安定した接触荷重を作用させて、通電品質の向上を図ることができる。また、本実施形態のワイヤハーネスWHは、そのようなノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)を具備するものであり、このノイズフィルタ1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)が得られる効果を奏することができる。
[変形例1]
図21及び図22の符号2は、本変形例のノイズフィルタを示す。このノイズフィルタ2は、電気的に接続されたフィルタ回路を複数設け、それぞれのフィルタ回路の内の1つに対して、第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とを電気的に接続させるノイズ低減装置である。それぞれのフィルタ回路は、全てが同じフィルタ回路特性のものであってもよく、複数種類のフィルタ回路特性のものを組み合わせたものであってもよい。
[ノイズフィルタ2A]
以下においては、このノイズフィルタ2の一例としてのノイズフィルタ2Aを説明する(図21及び図22)。
ノイズフィルタ2Aは、ノイズ成分を低減させるフィルタ回路610を複数備え(図21及び図22)、それぞれのフィルタ回路610を電気的に接続すると共に、その内の1つのフィルタ回路610に対して、第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とを電気的に接続させる。その複数のフィルタ回路610については、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる1つの主フィルタ回路610Aと、これ以外の残りの副フィルタ回路610Bと、に大別する(図21及び図22)。主フィルタ回路610Aには、少なくとも1つの副フィルタ回路610Bを連結させる。
フィルタ回路610は、ノイズ成分を低減させる少なくとも1つのノイズ低減素子11と、このノイズ低減素子11の第1素子接続部が電気的に接続された導電性の第1回路接続部材612と、ノイズ低減素子11の第2素子接続部が電気的に接続された導電性の第2回路接続部材613と、を備える(図21及び図22)。
この例示のフィルタ回路610は、ノイズ低減素子11として2つのコンデンサを備えており、この2つのコンデンサでノイズの低減を図ることができるように構成する。図示しないが、その2つのノイズ低減素子11は、絶縁性のモールド体で覆われている。尚、そのモールド体は、2つ以上のフィルタ回路610のそれぞれのノイズ低減素子11を一纏めに覆うように成形されたものであってもよい。
第1回路接続部材612と第2回路接続部材613は、先の第1回路接続部材12や第2回路接続部材13と同様の導電部材であり、各々、金属等の導電性材料で板状のバスバとして成形されている。この例示では、第1回路接続部材612と第2回路接続部材613とが、各々、平板状に成形されている。このフィルタ回路610においては、第1回路接続部材612と第2回路接続部材613とを同一の平面上に並べて配置している。そして、このフィルタ回路610においては、第1回路接続部材612にノイズ低減素子11の第1素子接続部を物理的且つ電気的に接続し、かつ、第2回路接続部材613にノイズ低減素子11の第2素子接続部を物理的且つ電気的に接続する。
ノイズフィルタ2Aは、そのフィルタ回路610を収容する筐体620を備える(図21及び図22)。その筐体620は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体620は、フィルタ回路610が設置される主壁体(図示略)と、この主壁体の周縁部から立設させた周壁体621b−621eと、を有する箱状に成形されており、その内方の空間をフィルタ回路610の収容室620aとして利用する(図21)。この例示の筐体620は、矩形の平板状の主壁体と、この主壁体の4つの辺部から各々垂設させた平板状の第1から第4の周壁体621b−621eと、を有している。
更に、このノイズフィルタ2Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1を主フィルタ回路610Aの第1回路接続部材612に対して電気的に接続させる第1電気接続構造630と、第2電線WE2の中間接続部WEa2を主フィルタ回路610Aの第2回路接続部材613に対して電気的に接続させる第2電気接続構造640と、を備える(図21及び図22)。
本変形例の第1電気接続構造630は、1つの接続部材(以下、「第1電気接続部材」という。)630Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第1電気接続部材630Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続される第1電線側接続部631と、主フィルタ回路610Aの第1回路接続部材612に対して物理的且つ電気的に接続される第1回路側接続部632と、を有する(図21から図23)。
第1電線側接続部631は、例えば、互いに間隔を空けて対向配置された圧接刃を有するものとして形成する。この第1電線側接続部631の圧接刃は、間に差し込んだ第1電線WE1の被覆WEbに切込みを入れて、第1電線WE1の芯線WEaに食い込ませることによって、この第1電線WE1を電気接続状態で圧接固定する。
第1回路側接続部632は、主フィルタ回路610Aの第1回路接続部材612に対して着脱自在となる形状のものとして形成する。この第1回路側接続部632は、例えば、第1回路接続部材612を挟持することによって、この第1回路接続部材612に対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示の第1回路側接続部632は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部632aと第2片部632bとを有する(図23)。第1片部632aは、第1回路接続部材612の一方の平面に対向配置させる。第2片部632bは、第1回路接続部材612の他方の平面に対向配置させる。この第1回路側接続部632においては、第1片部632aと第2片部632bの内の少なくとも一方に、第1回路接続部材612に向けて突出させた接点部632cを設ける(図23)。この例示では、第1片部632aに接点部632cを設け、この接点部632cと第2片部632bの平面とで第1回路接続部材612を挟持して、第1回路側接続部632を第1回路接続部材612に対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示では、第1片部632aの一部を弧状に折り曲げた弧状部を接点部632cとして利用している。但し、接点部632cは、その第1片部632aから例えば半球面状に膨出させた膨出部を利用してもよい。
この第1電気接続部材630Aにおいては、第1片部632aと第2片部632bとの間に、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に対する直交方向に沿って第1回路接続部材612を挿入していく。このようにして、この第1電気接続部材630Aは、第1回路側接続部632に第1回路接続部材612を挟持させる。また、この第1電気接続部材630Aは、その第1回路側接続部632を第1回路接続部材612から抜き取ることもできる。
この第1電気接続部材630Aは、例えば、先ず、第1電線側接続部631に第1電線WE1の中間接続部WEa1を接続し、その後、第1回路側接続部632で第1回路接続部材612を挟み込む。
この例示の第1電気接続部材630Aは、第1回路接続部材612を挟持している状態で第1回路接続部材612の平面に沿って延在させたものであり、その延在方向に沿って第1電線側接続部631と第1回路側接続部632とを配置している。この例示の第1電線側接続部631は、その延在方向に対する直交方向で且つ第1回路接続部材612の平面に沿う方向に向けて第1電線WE1の軸線を沿わせるように形成している。但し、この第1電気接続部材630Aは、第1電線側接続部631と第1回路側接続部632との間に弧状部や屈曲部などを設けて折り曲げ、第1電線側接続部631を第1回路接続部材612に対してオフセットさせてもよい。これにより、このノイズフィルタ2A及びワイヤハーネスWHは、車体に組み付けた状態での周辺部品との干渉対策を図ることができる。
ここで、この例示の第1回路側接続部632は、筐体620の収容室620aの中で第1回路接続部材612を挟持する。よって、筐体620の主壁体や第3周壁体621dには、第1電線側接続部631を筐体620の外方に配置させると共に、第1回路側接続部632を収容室620aの中に収めるための切欠き621d1を設けている(図21)。
本変形例の第2電気接続構造640は、1つの接続部材(以下、「第2電気接続部材」という。)640Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第2電気接続部材640Aは、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続される第2電線側接続部641と、主フィルタ回路610Aの第2回路接続部材613に対して物理的且つ電気的に接続される第2回路側接続部642と、を有する(図21から図23)。
第2電線側接続部641は、例えば、第1電線側接続部631と同じように、互いに間隔を空けて対向配置された圧接刃を有するものとして形成する。
第2回路側接続部642は、主フィルタ回路610Aの第2回路接続部材613に対して着脱自在となる形状のものとして形成する。この第2回路側接続部642は、例えば、第2回路接続部材613を挟持することによって、この第2回路接続部材613に対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示の第2回路側接続部642は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部642aと第2片部642bとを有する(図23)。第1片部642aは、第2回路接続部材613の一方の平面に対向配置させる。第2片部642bは、第2回路接続部材613の他方の平面に対向配置させる。この第2回路側接続部642においては、第1片部642aと第2片部642bの内の少なくとも一方に、第2回路接続部材613に向けて突出させた接点部642cを設ける(図23)。この例示では、第1片部642aに接点部642cを設け、この接点部642cと第2片部642bの平面とで第2回路接続部材613を挟持して、第2回路側接続部642を第2回路接続部材613に対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示では、第1片部642aの一部を弧状に折り曲げた弧状部を接点部642cとして利用している。但し、接点部642cは、その第1片部642aから例えば半球面状に膨出させた膨出部を利用してもよい。
この第2電気接続部材640Aにおいては、第1片部642aと第2片部642bとの間に、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に対する直交方向に沿って第2回路接続部材613を挿入していく。このようにして、この第2電気接続部材640Aは、第2回路側接続部642に第2回路接続部材613を挟持させる。また、この第2電気接続部材640Aにおいては、その第2回路側接続部642を第2回路接続部材613から抜き取ることもできる。
この第2電気接続部材640Aは、例えば、先ず、第2電線側接続部641に第2電線WE2の中間接続部WEa2を接続し、その後、第2回路側接続部642で第2回路接続部材613を挟み込む。
この例示の第2電気接続部材640Aは、第2回路接続部材613を挟持している状態で第2回路接続部材613の平面に沿って延在させたものであり、その延在方向に沿って第2電線側接続部641と第2回路側接続部642とを配置している。この第2電気接続部材640Aの延在方向は、第1電気接続部材630Aの延在方向とは逆向きになっている。この例示の第2電線側接続部641は、その延在方向に対する直交方向で且つ第2回路接続部材613の平面に沿う方向に向けて第2電線WE2の軸線を沿わせるように形成している。但し、この第2電気接続部材640Aは、第2電線側接続部641と第2回路側接続部642との間に弧状部や屈曲部などを設けて折り曲げ、第2電線側接続部641を第2回路接続部材613に対してオフセットさせてもよい。これにより、このノイズフィルタ2A及びワイヤハーネスWHは、車体に組み付けた状態での周辺部品との干渉対策を図ることができる。
ここで、この例示の第2回路側接続部642は、筐体620の収容室620aの中で第2回路接続部材613を挟持する。よって、筐体620の主壁体や第4周壁体621eには、第2電線側接続部641を筐体620の外方に配置させると共に、第2回路側接続部642を収容室620aの中に収めるための切欠き621e1を設けている(図21)。
この例示の第1電気接続部材630Aと第2電気接続部材640Aは、各々、金属板をプレス成形して形作られたものであり、同じ部品を用いている。
このノイズフィルタ2Aにおいては、全てのフィルタ回路610の第1回路接続部材612と第2回路接続部材613とが同一の平面上に配置されるように、それぞれのフィルタ回路610を連結させる。この例示のノイズフィルタ2Aにおいては、第1電線WE1と第2電線WE2のそれぞれの軸線方向に沿って、全てのフィルタ回路610を直列に並べて配置する。
このノイズフィルタ2Aは、隣り合うフィルタ回路610の第1回路接続部材612同士を物理的且つ電気的に接続させる(つまり、直接的に電気接続させる)ことが可能で、かつ、隣り合うフィルタ回路610のそれぞれの第1回路接続部材612の間を切り離すことが可能な第1連結体651を備える(図21から図23)。更に、このノイズフィルタ2Aは、隣り合うフィルタ回路610の第2回路接続部材613同士を物理的且つ電気的に接続させる(つまり、直接的に電気接続させる)ことが可能で、かつ、隣り合うフィルタ回路610のそれぞれの第2回路接続部材613の間を切り離すことが可能な第2連結体652を備える(図21から図23)。第1連結体651と第2連結体652は、金属等の導電性材料で成形する。
第1連結体651は、隣り合うフィルタ回路610のそれぞれの第1回路接続部材612に対して各々着脱自在となるように成形された1つの部材(第1連結部材)であってもよい。これと同じように、第2連結体652は、連結対象の2つの第2回路接続部材613に対して各々着脱自在となるように成形された1つの部材(第2連結部材)であってもよい。この例示の第1連結体651は、隣り合うフィルタ回路610のそれぞれの第1回路接続部材612の内の一方に設け、その内の他方に対して電気接続可能で且つ着脱自在となるように形成する。また、この例示の第2連結体652は、隣り合うフィルタ回路610のそれぞれの第2回路接続部材613の内の一方に設け、その内の他方に対して電気接続可能で且つ着脱自在となるように形成する。この例示のノイズフィルタ2Aにおいては、隣り合うフィルタ回路610の内の一方の第1回路接続部材612に第1連結体651を設け、その一方のフィルタ回路610の第2回路接続部材613に第2連結体652を設ける。
第1連結体651は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部651aと第2片部651bとを有する(図24)。この第1連結体651は、第1片部651aと第2片部651bの双方が第1回路接続部材612と一体になってプレス成形されたものであってもよい。また、この第1連結体651は、第1片部651aと第2片部651bの内の一方が第1回路接続部材612と一体になってプレス成形され、その内の他方が別部材として成形されて、第1回路接続部材612に溶接等で固定されたものであってもよい。この例示では、後者の第1連結体651が第1回路接続部材612に設けられており、第1片部651aの一方の端部を第1回路接続部材612と一体になってプレス成形し、別部材として成形された第2片部651bの一方の端部を第1回路接続部材612に溶接等で固定している。これにより、第1連結体651は、一方の端部が第1回路接続部材612に対して一体的に設けられる。
この第1連結体651においては、他方の端部(第1片部651aと第2片部651bのそれぞれの他方の端部)が、隣のフィルタ回路610の第1回路接続部材612に対して電気接続可能で且つ着脱自在な連結部となる。この第1連結体651の他方の端部は、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って、自身が設けられている第1回路接続部材612から突出させる。この第1連結体651は、その第1片部651aと第2片部651bのそれぞれの他方の端部の間に隣のフィルタ回路610の第1回路接続部材612を挟み込み、第1片部651aと第2片部651bとを隣の第1回路接続部材612に対して物理的且つ電気的に接続させることによって、隣り合う第1回路接続部材612同士を電気的に接続させる。また、この第1連結体651が設けられている第1回路接続部材612には、この第1連結体651とは逆側に配置される隣のフィルタ回路610の第1連結体651が接続される。
本変形例の筐体620は、主壁体や第1周壁体621bに、収容室620aに収容されたフィルタ回路610が有する第1連結体651の一方の端部を収容室620aの中に収め、かつ、この第1連結体651の他方の端部を収容室620aの外に配置するための切欠き621b1を有している(図21)。そして、この筐体620は、主壁体や第2周壁体621cに、その第1連結体651とは逆側に配置される隣のフィルタ回路610の第1連結体651の他方の端部を収容室620aの中に収めるための切欠き621c1を有している(図21)。この例示の第1回路接続部材612は、その切欠き621c1から収容室620aの外に突出させる片体状の片部612cを有する(図21及び図22)。その片部612cは、隣のフィルタ回路610の第1連結体651の他方の端部を連結させる際のガイド部として機能する。
この第1連結体651においては、第1片部651aと第2片部651bの内の少なくとも一方に、対向配置された他方の片部に向けて突出させた接点部651cを設ける(図24)。この例示の第1連結体651においては、第1片部651aに接点部651cを設け、この接点部651cと第2片部651bの平面とで隣のフィルタ回路610の第1回路接続部材612を挟持して、隣り合う第1回路接続部材612同士を電気的に接続させる。この例示では、第1片部651aの一部を弧状に折り曲げた弧状部を接点部651cとして利用している。但し、接点部651cは、その第1片部651aから例えば半球面状に膨出させた膨出部を利用してもよい。
この第1連結体651においては、第1片部651aと第2片部651bのそれぞれの他方の端部の間に、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って隣の第1回路接続部材612を挿入していく。このようにして、この第1連結体651は、第1片部651aと第2片部651bのそれぞれの他方の端部に隣の第1回路接続部材612を挟持させる。また、この第1連結体651は、その他方の端部を隣の第1回路接続部材612から抜き取ることもできる。
第2連結体652は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部652aと第2片部652bとを有する(図24)。この第2連結体652は、第1片部652aと第2片部652bの双方が第2回路接続部材613と一体になってプレス成形されたものであってもよい。また、この第2連結体652は、第1片部652aと第2片部652bの内の一方が第2回路接続部材613と一体になってプレス成形され、その内の他方が別部材として成形されて、第2回路接続部材613に溶接等で固定されたものであってもよい。この例示では、後者の第2連結体652が第2回路接続部材613に設けられており、第1片部652aの一方の端部を第2回路接続部材613と一体になってプレス成形し、別部材として成形された第2片部652bの一方の端部を第2回路接続部材613に溶接等で固定している。これにより、第2連結体652は、一方の端部が第2回路接続部材613に対して一体的に設けられる。
この第2連結体652においては、他方の端部(第1片部652aと第2片部652bのそれぞれの他方の端部)が、隣のフィルタ回路610の第2回路接続部材613に対して電気接続可能で且つ着脱自在な連結部となる。この第2連結体652の他方の端部は、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って、自身が設けられている第2回路接続部材613から突出させる。この第2連結体652は、その第1片部652aと第2片部652bのそれぞれの他方の端部の間に隣のフィルタ回路610の第2回路接続部材613を挟み込み、第1片部652aと第2片部652bとを隣の第2回路接続部材613に対して物理的且つ電気的に接続させることによって、隣り合う第2回路接続部材613同士を電気的に接続させる。また、この第2連結体652が設けられている第2回路接続部材613には、この第2連結体652とは逆側に配置される隣のフィルタ回路610の第2連結体652が接続される。
本変形例の筐体620は、主壁体や第1周壁体621bに、収容室620aに収容されたフィルタ回路610が有する第2連結体652の一方の端部を収容室620aの中に収め、かつ、この第2連結体652の他方の端部を収容室620aの外に配置するための切欠き621b2を有している(図21)。そして、この筐体620は、主壁体や第2周壁体621cに、その第2連結体652とは逆側に配置される隣のフィルタ回路610の第2連結体652の他方の端部を収容室620aの中に収めるための切欠き621c2を有している(図21)。この例示の第2回路接続部材613は、その切欠き621c2から収容室620aの外に突出させる片体状の片部613cを有する(図21及び図22)。その片部613cは、隣のフィルタ回路610の第2連結体652の他方の端部を連結させる際のガイド部として機能する。
この第2連結体652においては、第1片部652aと第2片部652bの内の少なくとも一方に、対向配置された他方の片部に向けて突出させた接点部652cを設ける(図24)。この例示の第2連結体652においては、第1片部652aに接点部652cを設け、この接点部652cと第2片部652bの平面とで隣のフィルタ回路610の第2回路接続部材613を挟持して、隣り合う第2回路接続部材613同士を電気的に接続させる。この例示では、第1片部652aの一部を弧状に折り曲げた弧状部を接点部652cとして利用している。但し、接点部652cは、その第1片部652aから例えば半球面状に膨出させた膨出部を利用してもよい。
この第2連結体652においては、第1片部652aと第2片部652bのそれぞれの他方の端部の間に、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って隣の第2回路接続部材613を挿入していく。このようにして、この第2連結体652は、第1片部652aと第2片部652bのそれぞれの他方の端部に隣の第2回路接続部材613を挟持させる。また、この第2連結体652は、その他方の端部を隣の第2回路接続部材613から抜き取ることもできる。
ここで、第1連結体651は、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って、自身が設けられている第1回路接続部材612から他方の端部を突出させ、かつ、この第1回路接続部材612の平面に沿って延在させている。また、第2連結体652は、隣り合うフィルタ回路610の配列方向に沿って、自身が設けられている第2回路接続部材613から他方の端部を突出させ、かつ、この第2回路接続部材613の平面に沿って延在させている。但し、この第1連結体651と第2連結体652は、両端部の間に弧状部や屈曲部などを設けて折り曲げ、他方の端部を一方の端部に対してオフセットさせてもよい。これにより、このノイズフィルタ2A及びワイヤハーネスWHは、車体に組み付けた状態での周辺部品との干渉対策を図ることができる。
このノイズフィルタ2Aは、例えば、それぞれのフィルタ回路610を連結させた後、その全てを幹線WTと一緒に粘着テープ等で巻き付けて、この幹線WTに抱きかかえさせればよい。
以上示した本変形例のノイズフィルタ2Aは、前述した実施形態のノイズフィルタ1が得られる効果を奏するのみならず、連結させるフィルタ回路610の個数を簡便な方法で変更することができるので、ノイズ低減の要求性能に応じたフィルタ回路特性の容易な調整が可能になる。よって、このノイズフィルタ2Aは、様々なフィルタ回路特性に容易に対応することができる。
図25には、周波数を横軸とし、ノイズ低減レベルを縦軸としたフィルタ回路特性の概念図を示している。本図では、破線でノイズ低減の要求性能を表し、実線で本変形例のノイズフィルタ2Aのフィルタ回路特性を表し、二点鎖線でフィルタ回路610が1つだけのノイズフィルタのフィルタ回路特性を表している。
また、本変形例のノイズフィルタ2Aは、接地されている第1電線WE1と第2電線WE2の内の何れか一方(この例示では第2電線WE2)に主フィルタ回路610Aを接続することによって、アースを取ることができる。つまり、このノイズフィルタ2Aは、フィルタ回路610の個数に拘わらず、従来のノイズフィルタのようにフィルタ回路毎にアース端子を設ける必要がない。よって、このノイズフィルタ2Aは、組付け作業性を向上させることができる。
更に、本変形例のノイズフィルタ2Aは、第1電気接続部材630A(第1電気接続構造630)と第2電気接続部材640A(第2電気接続構造640)とによって、フィルタ回路610側と第1電線WE1側及び第2電線WE2側との間を着脱自在に構成しているので、第1電線WE1及び第2電線WE2に対する着脱作業が容易になっている。よって、このノイズフィルタ2Aは、第1電線WE1及び第2電線WE2に対する組付け作業性に優れており、かつ、交換作業性にも優れている。また更に、本変形例のノイズフィルタ2Aは、第1連結体651と第2連結体652とによって、隣り合うフィルタ回路610の間を着脱自在に構成しているので、交換対象のフィルタ回路610を特定することで、そのフィルタ回路610のみを交換することができる。
また更に、本変形例のノイズフィルタ2Aにおいては、第1回路接続部材612と第2回路接続部材613とを各々平板状に成形している。そして、このノイズフィルタ2Aにおいては、第1電気接続部材630Aの第1回路側接続部632と第1連結体651とを、第1回路接続部材612の平面の間を挟み込んで電気接続させるものとして形成し、かつ、第2電気接続部材640Aの第2回路側接続部642と第2連結体652とを、第2回路接続部材613の平面の間を挟み込んで電気接続させるものとして形成している。従って、このノイズフィルタ2Aは、そのそれぞれの接続構造の小型化が可能になり、延いては体格の小型化を図ることができる。また、このノイズフィルタ2Aは、そのそれぞれの接続構造の簡略化も可能になる。
また、本変形例のワイヤハーネスWHは、そのようなノイズフィルタ2Aを具備するものであり、このノイズフィルタ2Aが得られる効果を奏することができる。
ここで、本変形例では、フィルタ回路610毎に筐体620を備えるものとして例示した。但し、本変形例のノイズフィルタ2Aは、そのような筐体620に替えて、2つ以上のフィルタ回路610が一纏めにして収容される筐体を備えるものとして構成してもよい。
[ノイズフィルタ2B]
ここで、本変形例のノイズフィルタ2は、先の第1及び第2の電気接続構造630,640並びに先の第1及び第2の連結体651,652に替えて、次のような第1及び第2の電気接続構造730,740並びに第1及び第2の連結体751,752を設けたノイズフィルタ2Bとして構成してもよい(図26及び図27)。
このノイズフィルタ2Bには、先のノイズフィルタ2Aと同じように、ノイズ成分を低減させるフィルタ回路710を複数備える(図26及び図27)。その複数のフィルタ回路710については、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる1つの主フィルタ回路710Aと、これ以外の残りの副フィルタ回路710Bと、に大別する。
フィルタ回路710は、先に示したフィルタ回路610と同様の少なくとも1つのノイズ低減素子11と第1回路接続部材712と第2回路接続部材713とを備える(図27)。
この例示のフィルタ回路710は、ノイズ低減素子11として1つのコンデンサを備えており、この1つのコンデンサでノイズの低減を図ることができるように構成する。第1回路接続部材712と第2回路接続部材713は、先の第1回路接続部材612や第2回路接続部材613と同様に形成された導電部材であり、各々、金属等の導電性材料で板状のバスバとして成形されている。但し、この例示の第1回路接続部材712は、先の第1回路接続部材612に対して一体的に設けた第1連結体651と片部612cとに相当するものを有していない。また、この例示の第2回路接続部材713は、先の第2回路接続部材613に対して一体的に設けた第2連結体652と片部613cとに相当するものを有していない。
このノイズフィルタ2Bは、フィルタ回路710を収容する筐体721を備える(図26)。その筐体721は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体721は、フィルタ回路710毎に設けたものであってもよく、2つ以上のフィルタ回路710を一纏めに収容するものであってもよい。また、筐体721は、フィルタ回路710の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成るものであってもよく、フィルタ回路710に対して一体成形されたものであってもよい。
この筐体721は、後述する第1電気接続部材730Aの第1回路側接続部732又は第1連結体751の第1連結部751aを挿入し、その第1回路側接続部732又は第1連結部751aを第1回路接続部材712に接続することが可能で、かつ、後述する第2電気接続部材740Aの第2回路側接続部742又は第2連結体752の第2連結部752aを挿入し、その第2回路側接続部742又は第2連結部752aを第2回路接続部材713に接続することが可能な貫通孔721aを2箇所に有する(図26)。それぞれの貫通孔721aは、第1回路接続部材712と第2回路接続部材713のそれぞれの平面に沿って対向配置させる。
更に、このノイズフィルタ2Bは、第1電線WE1の中間接続部WEa1を主フィルタ回路710Aの第1回路接続部材712に対して電気的に接続させる第1電気接続構造730と、第2電線WE2の中間接続部WEa2を主フィルタ回路710Aの第2回路接続部材713に対して電気的に接続させる第2電気接続構造740と、を備える(図27)。
第1電気接続構造730は、1つの接続部材(以下、「第1電気接続部材」という。)730Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第1電気接続部材730Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続される第1電線側接続部731と、主フィルタ回路710Aの第1回路接続部材712に対して物理的且つ電気的に接続される第1回路側接続部732と、を有する(図27)。
例えば、その第1電線側接続部731及び第1回路側接続部732は、各々、先の第1電気接続部材630Aの第1電線側接続部631及び第1回路側接続部632と同様の形状のものとして形成する。よって、第1回路側接続部732は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部732a及び第2片部732bと、その第1片部732aと第2片部732bの内の少なくとも一方に設けた接点部732cと、を有する(図27)。この例示では、第1片部732aに接点部732cを設け、この接点部732cと第2片部732bの平面とで第1回路接続部材712を挟持して、第1回路側接続部732を第1回路接続部材712に対して物理的且つ電気的に接続させる。この第1電気接続部材730Aにおいては、第1片部732aと第2片部732bとの間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って第1回路接続部材712を挿入していく。このようにして、この第1電気接続部材730Aは、第1回路側接続部732に第1回路接続部材712を挟持させる。また、この第1電気接続部材730Aは、その第1回路側接続部732を第1回路接続部材712から抜き取ることもできる。
第2電気接続構造740は、1つの接続部材(以下、「第2電気接続部材」という。)740Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第2電気接続部材740Aは、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続される第2電線側接続部741と、主フィルタ回路710Aの第2回路接続部材713に対して物理的且つ電気的に接続される第2回路側接続部742と、を有する(図27)。
例えば、その第2電線側接続部741及び第2回路側接続部742は、各々、先の第2電気接続部材640Aの第2電線側接続部641及び第2回路側接続部642と同様の形状のものとして形成する。よって、第2回路側接続部742は、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部742a及び第2片部742bと、その第1片部742aと第2片部742bの内の少なくとも一方に設けた接点部742cと、を有する(図27)。この例示では、第1片部742aに接点部742cを設け、この接点部742cと第2片部742bの平面とで第2回路接続部材713を挟持して、第2回路側接続部742を第2回路接続部材713に対して物理的且つ電気的に接続させる。この第2電気接続部材740Aにおいては、第1片部742aと第2片部742bとの間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って第2回路接続部材713を挿入していく。このようにして、この第2電気接続部材740Aは、第2回路側接続部742に第2回路接続部材713を挟持させる。また、この第2電気接続部材740Aにおいては、その第2回路側接続部742を第2回路接続部材713から抜き取ることもできる。
更に、このノイズフィルタ2Bは、隣り合うフィルタ回路710の第1回路接続部材712同士を間接的に電気接続させることが可能で、かつ、隣り合うフィルタ回路710のそれぞれの第1回路接続部材712の間を切り離すことが可能な第1連結体751を備える(図27)。更に、このノイズフィルタ2Bは、隣り合うフィルタ回路710の第2回路接続部材713同士を間接的に電気接続させることが可能で、かつ、隣り合うフィルタ回路710のそれぞれの第2回路接続部材713の間を切り離すことが可能な第2連結体752を備える(図27)。第1連結体751と第2連結体752は、金属等の導電性材料で成形する。また、第1連結体751と第2連結体752は、各々、複数のフィルタ回路710毎に設ける。
第1連結体751は、1つの連結部材(以下、「第1連結部材」という。)として、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第1連結体751は、隣り合うフィルタ回路710のそれぞれの第1回路接続部材712の内の一方に対して物理的且つ電気的に接続される着脱自在な第1連結部751aと、その内の他方に接続された隣の第1連結体751に対して物理的且つ電気的に接続される着脱自在な第2連結部751bと、を有する(図27)。更に、この第1連結体751は、隣の第1連結体751の第2連結部751bが物理的且つ電気的に接続される被連結部751cを有する(図27)。
この例示の第1連結部751aは、第1電気接続部材730Aの第1回路側接続部732と同様の形状のものとして形成している。よって、この第1連結部751aは、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部751a1及び第2片部751a2と、その第1片部751a1と第2片部751a2の内の少なくとも一方に設けた接点部751a3と、を有する(図27)。この例示では、第1片部751a1に接点部751a3を設け、この接点部751a3と第2片部751a2の平面とで第1回路接続部材712を挟持して、第1連結部751aを第1回路接続部材712に対して物理的且つ電気的に接続させる。この第1連結体751においては、第1片部751a1と第2片部751a2との間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って第1回路接続部材712を挿入していく。このようにして、この第1連結体751は、第1連結部751aに第1回路接続部材712を挟持させる。また、この第1連結体751は、その第1連結部751aを第1回路接続部材712から抜き取ることもできる。
この例示の第2連結部751bは、その第1連結部751aと同様の形状のものとして形成している。よって、この第2連結部751bは、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部751b1及び第2片部751b2と、その第1片部751b1と第2片部751b2の内の少なくとも一方に設けた接点部751b3と、を有する(図27)。この例示では、第1片部751b1に接点部751b3を設け、この接点部751b3と第2片部751b2の平面とで隣の第1連結体751の被連結部751cを挟持して、第2連結部751bを隣の第1連結体751の被連結部751cに対して物理的且つ電気的に接続させる。この第1連結体751においては、第1片部751b1と第2片部751b2との間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に沿って隣の第1連結体751の被連結部751cを挿入していく。このようにして、この第1連結体751は、第2連結部751bに隣の第1連結体751の被連結部751cを挟持させる。また、この第1連結体751は、その第2連結部751bを隣の第1連結体751の被連結部751cから抜き取ることもできる。
被連結部751cは、隣の第1連結体751の第2連結部751bに挟持される平板状の部位である。この第1連結体751においては、第1連結部751aと第2連結部751bとの間に被連結部751cを配置している。この例示の被連結部751cは、第1回路接続部材712と同一の平面上に配置されるものとして、又は、第1回路接続部材712の平面に対して直交方向にオフセットさせた平面を有するものとして形成する。また、この例示の被連結部751cは、2つの片部を有するL字の平板状に形成して、一方の片部に第1連結部751aを配置し、他方の片部に第2連結部751bを配置している。この例示の被連結部751cは、一方の片部を隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って延在させ、他方の片部を隣り合うフィルタ回路710の配列方向に沿って延在させている。
ここで、この第1連結体751は、主フィルタ回路710Aと副フィルタ回路710Bとに各々対応させて設ける。但し、この例示のノイズフィルタ2Bにおいては、第1連結部751aと同様の機能を持つ第1回路側接続部732が第1電気接続部材730Aに形成されている。そこで、このノイズフィルタ2Bにおいては、その第1電気接続部材730Aに第2連結部751bと被連結部751cの内の少なくとも一方の機能も持たせることによって、主フィルタ回路710Aの第1電気接続部材730Aと第1連結体751とを1つの部品として構成し、かつ、第1連結体751を副フィルタ回路710Bのみに対応させる専用部品として設ける。この例示の第1電気接続部材730Aは、第2連結部751bと被連結部751cの双方の機能も持つものとして形成している(図27)。
第2連結体752は、1つの連結部材(以下、「第2連結部材」という。)として、金属等の導電性材料で成形されたものである。この第2連結体752は、隣り合うフィルタ回路710のそれぞれの第2回路接続部材713の内の一方に対して物理的且つ電気的に接続される着脱自在な第1連結部752aと、その内の他方に接続された隣の第2連結体752に対して物理的且つ電気的に接続される着脱自在な第2連結部752bと、を有する(図27)。更に、この第2連結体752は、隣の第2連結体752の第2連結部752bが物理的且つ電気的に接続される被連結部752cを有する(図27)。
この例示の第1連結部752aは、第2電気接続部材740Aの第2回路側接続部742と同様の形状のものとして形成している。よって、この第1連結部752aは、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部752a1及び第2片部752a2と、その第1片部752a1と第2片部752a2の内の少なくとも一方に設けた接点部752a3と、を有する(図27)。この例示では、第1片部752a1に接点部752a3を設け、この接点部752a3と第2片部752a2の平面とで第2回路接続部材713を挟持して、第1連結部752aを第2回路接続部材713に対して物理的且つ電気的に接続させる。この第2連結体752においては、第1片部752a1と第2片部752a2との間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って第2回路接続部材713を挿入していく。このようにして、この第2連結体752は、第1連結部752aに第2回路接続部材713を挟持させる。また、この第2連結体752は、その第1連結部752aを第2回路接続部材713から抜き取ることもできる。
この例示の第2連結部752bは、その第1連結部752aと同様の形状のものとして形成している。よって、この第2連結部752bは、平面同士を互いに間隔を空けて対向配置させた片体状の第1片部752b1及び第2片部752b2と、その第1片部752b1と第2片部752b2の内の少なくとも一方に設けた接点部752b3と、を有する(図27)。この例示では、第1片部752b1に接点部752b3を設け、この接点部752b3と第2片部752b2の平面とで隣の第2連結体752の被連結部752cを挟持して、第2連結部752bを隣の第2連結体752の被連結部752cに対して物理的且つ電気的に接続させる。この第2連結体752においては、第1片部752b1と第2片部752b2との間に、隣り合うフィルタ回路710の配列方向に沿って隣の第2連結体752の被連結部752cを挿入していく。このようにして、この第2連結体752は、第2連結部752bに隣の第2連結体752の被連結部752cを挟持させる。また、この第2連結体752は、その第2連結部752bを隣の第2連結体752の被連結部752cから抜き取ることもできる。
被連結部752cは、隣の第2連結体752の第2連結部752bに挟持される平板状の部位である。この第2連結体752においては、第1連結部752aと第2連結部752bとの間に被連結部752cを配置している。この例示の被連結部752cは、第2回路接続部材713と同一の平面上に配置されるものとして、又は、第2回路接続部材713の平面に対して直交方向にオフセットさせた平面を有するものとして形成する。また、この例示の被連結部752cは、2つの片部を有するL字の平板状に形成して、一方の片部に第1連結部752aを配置し、他方の片部に第2連結部752bを配置している。この例示の被連結部752cは、一方の片部を隣り合うフィルタ回路710の配列方向に対する直交方向に沿って延在させ、他方の片部を隣り合うフィルタ回路710の配列方向に沿って延在させている。
ここで、この第2連結体752は、主フィルタ回路710Aと副フィルタ回路710Bとに各々対応させて設ける。但し、この例示のノイズフィルタ2Bにおいては、第1連結部752aと同様の機能を持つ第2回路側接続部742が第2電気接続部材740Aに形成されている。そこで、このノイズフィルタ2Bにおいては、その第2電気接続部材740Aに第2連結部752bと被連結部752cの内の少なくとも一方の機能も持たせることによって、主フィルタ回路710Aの第2電気接続部材740Aと第2連結体752とを1つの部品として構成し、かつ、第2連結体752を副フィルタ回路710Bのみに対応させる専用部品として設ける。この例示の第2電気接続部材740Aは、第2連結部752bと被連結部752cの双方の機能も持つものとして形成している(図27)。
このノイズフィルタ2Bは、第1電気接続部材730Aを収容する第1筐体722Aと、第2電気接続部材740Aを収容する第2筐体722Bと、第1連結体751を収容する第3筐体722Cと、第2連結体752を収容する第4筐体722Dと、を備える(図26)。その第1から第4の筐体722A,722B,722C,722Dは、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1筐体722Aは、第1電気接続部材730Aの他に、第1電線WE1の中間接続部WEa1についても収容する。この第1筐体722Aは、少なくとも第1電気接続部材730Aの第1電線側接続部731と第1電線WE1の中間接続部WEa1との間の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成る。この例示の第1筐体722Aは、隣の第3筐体722Cに収容されている第1連結体751の第2連結部751bを挿入し、その第2連結部751bを第1電気接続部材730Aにおける被連結部751cに接続することが可能な貫通孔722A1を有する(図26)。
第2筐体722Bは、第2電気接続部材740Aの他に、第2電線WE2の中間接続部WEa2についても収容する。この第2筐体722Bは、少なくとも第2電気接続部材740Aの第2電線側接続部741と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成る。この例示の第2筐体722Bは、隣の第4筐体722Dに収容されている第2連結体752の第2連結部752bを挿入し、その第2連結部752bを第2電気接続部材740Aにおける被連結部752cに接続することが可能な貫通孔722B1を有する(図26)。
第3筐体722Cは、第1連結体751の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成るものであってもよく、第1連結体751に対して一体成形されたものであってもよい。この例示の第3筐体722Cは、隣の第3筐体722Cに収容されている第2連結体751の第2連結部751bを挿入し、その第2連結部751bを自らが収容している第1連結体751の被連結部751cに接続することが可能な貫通孔722C1を有する(図26)。
第4筐体722Dは、第2連結体752の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成るものであってもよく、第2連結体752に対して一体成形されたものであってもよい。この例示の第4筐体722Dは、隣の第4筐体722Dに収容されている第2連結体752の第2連結部752bを挿入し、その第2連結部752bを自らが収容している第2連結体752の被連結部752cに接続することが可能な貫通孔722D1を有する(図26)。
このノイズフィルタ2Bは、全ての部品を連結させた後、その全てを幹線WTと一緒に粘着テープ等で巻き付けて、この幹線WTに抱きかかえさせればよい。
以上示したノイズフィルタ2B及びワイヤハーネスWHは、このように構成しても、先のノイズフィルタ2A及びワイヤハーネスWHと同様の効果を得ることができる。
[ノイズフィルタ2C]
ここで、本変形例のノイズフィルタ2は、先の第1及び第2の電気接続構造630,640並びに先の第1及び第2の連結体651,652に替えて、次のような第1及び第2の電気接続構造830,840を設けたノイズフィルタ2Cとして構成してもよい(図28及び図29)。
このノイズフィルタ2Cには、先のノイズフィルタ2Aと同じように、ノイズ成分を低減させるフィルタ回路810を複数備える(図29)。フィルタ回路810は、ノイズ成分を低減させる少なくとも1つのノイズ低減素子11と、このノイズ低減素子11の第1素子接続部が電気的に接続された導電性の第1回路接続部材812と、ノイズ低減素子11の第2素子接続部が電気的に接続された導電性の第2回路接続部材813と、を備える(図29)。この例示のフィルタ回路810は、ノイズ低減素子11として1つのコンデンサを備えており、この1つのコンデンサでノイズの低減を図ることができるように構成する。
第1回路接続部材812と第2回路接続部材813は、ノイズ低減素子11を介して互いを電気的に接続させる導電部材である。この例示の第1回路接続部材812と第2回路接続部材813は、各々、金属等の導電性材料で平板状の音叉端子として成形されている(図29)。第1回路接続部材812においては、端子部の根元にノイズ低減素子11の第1素子接続部が物理的且つ電気的に接続される。また、第2回路接続部材813においては、端子部の根元にノイズ低減素子11の第2素子接続部が物理的且つ電気的に接続される。
このノイズフィルタ2Cは、フィルタ回路810を収容する筐体821を備える(図28)。その筐体821は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体821は、フィルタ回路810毎に設けたものであってもよく、2つ以上のフィルタ回路810を一纏めに収容するものであってもよい。また、筐体821は、フィルタ回路810の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成るものであってもよく、フィルタ回路810に対して一体成形されたものであってもよい。
この筐体821は、第1回路接続部材812と第2回路接続部材813のそれぞれの平面が、隣り合うフィルタ回路810の配列方向に対する直交平面となるように、第1回路接続部材812と第2回路接続部材813とを収容する。また、この筐体821は、第1回路接続部材812の端子部における相手方挿入口と第2回路接続部材813の端子部における相手方挿入口とが互いに逆を向くように、第1回路接続部材812と第2回路接続部材813とを収容する。この筐体821は、後述する第1電気接続部材830Aの第1接続部位833を挿入し、その第1接続部位833を第1回路接続部材812に接続することが可能で、かつ、後述する第2電気接続部材840Aの第2接続部位843を挿入し、その第2接続部位843を第2回路接続部材813に接続することが可能な切欠き部821aを2箇所に有する(図28)。具体的に、それぞれの切欠き部821aは、第1電気接続部材830Aの後述する第1回路側接続部832の一辺を挿入することが可能で、かつ、第2電気接続部材840Aの後述する第2回路側接続部842の一辺を挿入することが可能なものとして形成する。それぞれの切欠き部821aにおいては、対応する第1接続部位833又は第2接続部位843が挿入され、第1接続部位833が第1回路接続部材812に接続されると共に、第2接続部位843が第2回路接続部材813に接続される。
更に、このノイズフィルタ2Cは、複数のフィルタ回路810の内の1つ(主フィルタ回路)の第1回路接続部材812に対して第1電線WE1の中間接続部WEa1を電気的に接続させる第1電気接続構造830と、その主フィルタ回路の第2回路接続部材813に対して第2電線WE2の中間接続部WEa2を電気的に接続させる第2電気接続構造840と、を備える(図29)。この例示の第1電気接続構造830は、第1電線WE1の中間接続部WEa1を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第1回路接続部材812に対して電気的に接続させる。また、この例示の第2電気接続構造840は、第2電線WE2の中間接続部WEa2を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第2回路接続部材813に対して電気的に接続させる。
第1電気接続構造830は、1つの接続部材(以下、「第1電気接続部材」という。)830Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである(図29)。この第1電気接続部材830Aは、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続される第1電線側接続部831と、複数のフィルタ回路810のそれぞれの第1回路接続部材812に対して物理的且つ電気的に接続される第1回路側接続部832と、を有する(図29)。この例示の第1電気接続部材830Aは、板状のバスバとして成形されている。
例えば、第1電線側接続部831は、先の第1電気接続部材630Aの第1電線側接続部631と同様の形状のものとして形成する。
一方、第1回路側接続部832は、矩形の平板状に形成し、一辺を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第1回路接続部材812に挿入させ、それぞれの第1回路接続部材812の接点部同士で挟持させるように形成する。この第1回路側接続部832においては、それぞれの第1回路接続部材812の接点部同士で挟持されるそれぞれの部位が第1電気接続部材830Aの第1接続部位833になる。よって、この第1回路側接続部832は、それぞれの第1接続部位833を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第1回路接続部材812に挿入することによって、そのそれぞれの第1回路接続部材812に対して物理的且つ電気的に接続される。また、この第1電気接続部材830Aは、その第1回路側接続部832をそれぞれの第1回路接続部材812から抜き取ることもできる。
ここで、この第1回路側接続部832においては、隣り合うフィルタ回路810のそれぞれの第1回路接続部材812に対して接続される2つの第1接続部位833の間で、そのそれぞれの第1回路接続部材812を間接的に電気接続させる。また、この第1回路側接続部832は、そのそれぞれの第1回路接続部材812から抜き取ることによって、そのそれぞれの第1回路接続部材812の間を切り離すことができる。よって、この第1回路側接続部832は、隣り合う2つの第1接続部位833の間を先の第1連結体651として利用することができる。
第2電気接続構造840は、1つの接続部材(以下、「第2電気接続部材」という。)840Aとして、金属等の導電性材料で成形されたものである(図29)。この第2電気接続部材840Aは、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続される第2電線側接続部841と、複数のフィルタ回路810のそれぞれの第2回路接続部材813に対して物理的且つ電気的に接続される第2回路側接続部842と、を有する(図29)。この例示の第2電気接続部材840Aは、板状のバスバとして成形されている。
例えば、第2電線側接続部841は、先の第2電気接続部材640Aの第2電線側接続部641と同様の形状のものとして形成する。
一方、第2回路側接続部842は、矩形の平板状に形成し、一辺を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第2回路接続部材813に挿入させ、それぞれの第2回路接続部材813の接点部同士で挟持させるように形成する。この第2回路側接続部842においては、それぞれの第2回路接続部材813の接点部同士で挟持されるそれぞれの部位が第2電気接続部材840Aの第2接続部位843になる。よって、この第2回路側接続部842は、それぞれの第2接続部位843を複数のフィルタ回路810のそれぞれの第2回路接続部材813に挿入することによって、そのそれぞれの第2回路接続部材813に対して物理的且つ電気的に接続される。また、この第2電気接続部材840Aは、その第2回路側接続部842をそれぞれの第2回路接続部材813から抜き取ることもできる。
ここで、この第2回路側接続部842においては、隣り合うフィルタ回路810のそれぞれの第2回路接続部材813に対して接続される2つの第2接続部位843の間で、そのそれぞれの第2回路接続部材813を間接的に電気接続させる。また、この第2回路側接続部842は、そのそれぞれの第2回路接続部材813から抜き取ることによって、そのそれぞれの第2回路接続部材813の間を切り離すことができる。よって、この第2回路側接続部842は、隣り合う2つの第2接続部位843の間を先の第2連結体652として利用することができる。
このノイズフィルタ2Cは、第1電気接続部材830Aを収容する第1筐体822Aと、第2電気接続部材840Aを収容する第2筐体822Bと、を備える(図28)。その第1及び第2の筐体822A,822Bは、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1筐体822Aは、第1電気接続部材830Aの他に、第1電線WE1の中間接続部WEa1についても収容する。この第1筐体822Aは、少なくとも第1電気接続部材830Aの第1電線側接続部831と第1電線WE1の中間接続部WEa1との間の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成る。この第1筐体822Aは、第1電気接続部材830Aにおける第1回路側接続部832のそれぞれの第1接続部位833を露出させる。
第2筐体822Bは、第2電気接続部材840Aの他に、第2電線WE2の中間接続部WEa2についても収容する。この第2筐体822Bは、少なくとも第2電気接続部材840Aの第2電線側接続部841と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間の着脱が可能な複数の筐体部材を互いに嵌め合わせて成る。この第2筐体822Bは、第2電気接続部材840Aにおける第2回路側接続部842のそれぞれの第2接続部位843を露出させる。
このノイズフィルタ2Cは、全ての部品を連結させた後、その全てを幹線WTと一緒に粘着テープ等で巻き付けて、この幹線WTに抱きかかえさせればよい。
以上示したノイズフィルタ2C及びワイヤハーネスWHは、このように構成しても、先のノイズフィルタ2A及びワイヤハーネスWHと同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
図30から図32の符号3は、本変形例のノイズフィルタを示す。このノイズフィルタ3は、前述した実施形態のノイズフィルタ1において、フィルタ回路における第1回路接続部材及び第2回路接続部材、第1電気接続構造、第2電気接続構造並びに筐体を次のように構成したものである。よって、実施形態のノイズフィルタ1(1A等)に対して変更の無いもの又は微々たる変更のみのものについては、そのノイズフィルタ1(1A等)が具備するものと同様の符号を付して、その説明を省略する。
本変形例のフィルタ回路910は、ノイズ低減素子11と第1回路接続部材912と第2回路接続部材913とを備える(図32及び図33)。
この例示のフィルタ回路910は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の間に介装し、2つのノイズ低減素子11を第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に並べて配置する(図30から図32)。
第1回路接続部材912は、ノイズ低減素子11の第1素子接続部に対して直接的に電気接続される素子接続部912aと、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して間接的に電気接続される電気接続部912bと、を有する(図32及び図33)。第2回路接続部材913は、ノイズ低減素子11の第2素子接続部に対して直接的に電気接続される素子接続部913aと、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して間接的に電気接続される電気接続部913bと、を有する(図32及び図33)。この例示のフィルタ回路910においては、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向にて、電気接続部912bと電気接続部913bとで2つのノイズ低減素子11を挟み込む。
一方、本変形例の第1電気接続構造930は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に沿って挿入嵌合させることで互いを電気的に接続させる第1電線側接続体931と第1回路側接続体932とを備える(図30から図32)。また、本変形例の第2電気接続構造940は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に沿って挿入嵌合させることで互いを電気的に接続させる第2電線側接続体941と第2回路側接続体942とを備える(図30から図32)。
第1電線側接続体931は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続させる電線接続部931aと、第1回路側接続体932に対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部931bと、を有する(図31から図33)。電線接続部931aは、例えば、U字体の2つ片部を第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して巻き付けながら加締めていくことによって、その中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続させる。
ここで、第1回路側接続体932は、第1回路接続部材912に設ける。ここでは、第1回路接続部材912の電気接続部912bを第1回路側接続体932として形成する(図30から図32)。第1電線側接続体931の電気接続部931bと第1回路側接続体932(第1回路接続部材912の電気接続部912b)は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に沿って着脱可能な雌雄の端子接続構造体であり、その内の一方を雌端子部として形成し、その内の他方を雄端子部として形成する。この例示では、電気接続部931bを矩形の雄タブ形状の雄端子部として形成し、電気接続部912bを方体状のボックス型の雌端子部として形成する。電気接続部912bは、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向を筒軸方向にして配置された角筒状の収容部と、その収容部の内方に配置され、この収容部の内方に挿入されてきた電気接続部931bを弾発力に伴う保持力で嵌合させる弾性片部と、を有する。
第2電線側接続体941は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続させる電線接続部941aと、第2回路側接続体942に対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部941bと、を有する(図31から図33)。電線接続部941aは、例えば、U字体の2つ片部を第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して巻き付けながら加締めていくことによって、その中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続させる。
ここで、第2回路側接続体942は、第2回路接続部材913に設ける。ここでは、第2回路接続部材913の電気接続部913bを第2回路側接続体942として形成する(図30から図32)。第2電線側接続体941の電気接続部941bと第2回路側接続体942(第2回路接続部材913の電気接続部913b)は、第1電気接続構造930の電気接続部912b,931bと同じように、雌雄の端子接続構造体として形成する。この例示では、電気接続部941bを矩形の雄タブ形状の雄端子部として形成し、電気接続部913bを方体状のボックス型の雌端子部として形成する。
筐体920は、実施形態のノイズフィルタ1(1A等)と同じように、第1筐体部材921と第2筐体部材922とを互いに嵌め合わせることによって、フィルタ回路910と第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とが収容される収容室920aを形成する(図30)。その収容室920aには、第1電気接続構造930と第2電気接続構造940も収容される。
本変形例の第1筐体部材921は、実施形態の第1筐体部材21において、第1電線WE1の一方の端部側を外方に引き出させる第1引出口21b1を第1引出口921b1に変更し、かつ、第2電線WE2の他方の端部側を外方に引き出させる第4引出口21c2を第4引出口921c2に変更したものに相当する(図31)。本変形例の第1引出口921b1は、第1電線WE1の一方の端部側を外方に引き出させるだけの開口面積を有すると共に、この第1電線WE1側の電気接続部931bをフィルタ回路910側の電気接続部912bに挿入嵌合させる際の作業スペースのための開口面積を有する。これと同じように、本変形例の第4引出口921c2は、第2電線WE2の他方の端部側を外方に引き出させるだけの開口面積を有すると共に、この第2電線WE2側の電気接続部941bをフィルタ回路910側の電気接続部913bに挿入嵌合させる際の作業スペースのための開口面積を有する。
ここで、本変形例の第2筐体部材922には、挿入嵌合された電気接続部931bの電気接続部912bからの抜去を抑えるための第1係止突起部924と、挿入嵌合された電気接続部941bの電気接続部913bからの抜去を抑えるための第2係止突起部925と、を設けている(図32)。第1係止突起部924と第2係止突起部925は、各々、主壁体22aの内壁面22a1から突出させた突出体である。第1係止突起部924は、第1筐体部材921と第2筐体部材922とが嵌め合わされた際に、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向で、電気接続部931bにおける電気接続部912b側とは逆側に対向配置させる。その際の第1係止突起部924と電気接続部931bとの間隔は、電気接続部931bが電気接続部912bに対して抜去方向に動いたとしても、この電気接続部912b,931b同士の電気接続状態を保ち得る大きさとする。第2係止突起部925は、第1筐体部材921と第2筐体部材922とが嵌め合わされた際に、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向で、電気接続部941bにおける電気接続部913b側とは逆側に対向配置させる。その際の第2係止突起部925と電気接続部941bとの間隔は、電気接続部941bが電気接続部913bに対して抜去方向に動いたとしても、この電気接続部913b,941b同士の電気接続状態を保ち得る大きさとする。
以上示したように、本変形例のノイズフィルタ3は、実施形態のノイズフィルタ1と同じように、ワイヤハーネスWHの幹線WTに束ねられている第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間にフィルタ回路10を介在させ、そのフィルタ回路10をそれぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる。よって、本変形例のノイズフィルタ3は、実施形態のノイズフィルタ1と同じように、従来のような中間電線のノイズ成分をも考慮に入れたフィルタ回路特性の調整が不要な簡便なものとなっている。更に、本変形例のノイズフィルタ3は、実施形態のノイズフィルタ1と同じように、アース端子が不要なので、体格の小型化や軽量化を図ることができる。
また更に、本変形例のノイズフィルタ3は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の間にフィルタ回路910を介装し、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に並べて配置した2つのノイズ低減素子11をその軸線方向で挟み込むように第1電気接続構造930と第2電気接続構造940とを配置している。そして、その第1電気接続構造930と第2電気接続構造940は、電気接続部912b,931b同士の嵌合方向と電気接続部913b,941b同士の嵌合方向とを第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に設定している。よって、本変形例のノイズフィルタ3は、併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向と第1電線WE1及び第2電線WE2の配列方向とに対する直交方向(ここでは、第1筐体部材921と第2筐体部材922の嵌合方向)の体格の小型化を更に図ることができる。
また更に、本変形例のノイズフィルタ3は、第1電線WE1及び第2電線WE2とフィルタ回路10との間の電気的な接続に弾性を利用する実施形態のノイズフィルタ1とは異なり、その電気的な接続に、上記の如き嵌合方向に設定した端子接続構造を採っている。よって、本変形例のノイズフィルタ3は、体格の大型化を抑えつつ、組付け作業性を向上させることができる。
また更に、本変形例のノイズフィルタ3は、第1係止突起部924と第2係止突起部925とによって、仮に第1電線WE1や第2電線WE2に外力が加えられたとしても、電気接続部912b,931b同士の電気接続状態と電気接続部913b,941b同士の電気接続状態とを保持することができる。よって、本変形例のノイズフィルタ3は、通電品質の向上を図ることができる。
また、本変形例のワイヤハーネスWHは、そのようなノイズフィルタ3を具備するものであり、このノイズフィルタ3が得られる効果を奏することができる。
[ノイズフィルタの取付構造]
以上に、上述した実施形態及び変形例1,2のノイズフィルタ1,2,3の相手方への取付構造について説明する。
ノイズフィルタ1,2,3は、その何れにおいても、フィルタ回路と第1電気接続構造と第2電気接続構造と第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とを内方の収容室に収容し、その収容室の中で併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2のそれぞれの端部側を収容室の外に引き出す筐体を備える。以下においては、説明の便宜上、それぞれのノイズフィルタ1,2,3の筐体を筐体Caと称する(図35から図38)。
その筐体Caは、第1電線WE1及び第2電線WE2を含む幹線WTに対して第1テープTa1を一緒に巻き付けることで自らを幹線WTに抱え込ませるための第1突出保持体Ca1と、その幹線WTに対して第2テープTa2を一緒に巻き付けることで自らを幹線WTに抱え込ませるための第2突出保持体Ca2と、を有する(図35及び図36)。
第1突出保持体Ca1は、収容室の外で第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向の内の一方の第1突出方向に向けて突出させた突出体である。この第1突出保持体Ca1は、その第1突出方向に向けて収容室の外に引き出された第1電線WE1及び第2電線WE2のそれぞれの一方の端部側で、かつ、幹線WTから分岐させた第1電線WE1及び第2電線WE2のそれぞれの第1分岐部WEdに対向配置される対向配置部Ca11を有する(図35及び図36)。更に、この第1突出保持体Ca1は、それぞれの第1分岐部WEdとは逆側で第1テープTa1を貼付させるテープ貼付部Ca12を有する(図35及び図36)。つまり、筐体Caは、それぞれの第1分岐部WEdを第1突出保持体Ca1と幹線WTとの間に介在させ、かつ、第1突出保持体Ca1と幹線WTとを束ねた状態で、その第1突出保持体Ca1と幹線WTとを第1テープTa1で一緒に巻き付けていく。
この例示の第1突出保持体Ca1は、矩形の平板状に形成し、その内の一方の平面を対向配置部Ca11として利用し、その内の他方の平面をテープ貼付部Ca12として利用する。また、この例示の第1突出保持体Ca1は、強度を確保するため、筐体Caの外壁面と対向配置部Ca11とから各々垂設させたリブRbを有している(図35及び図36)。この例示のリブRbは、それぞれの第1分岐部WEdの間に介在させている。
また、第2突出保持体Ca2は、収容室の外で第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向の内の他方の第2突出方向に向けて突出させた突出体である。この第2突出保持体Ca2は、その第2突出方向に向けて収容室の外に引き出された第1電線WE1及び第2電線WE2のそれぞれの他方の端部側で、かつ、幹線WTから分岐させた第1電線WE1及び第2電線WE2のそれぞれの第2分岐部WEeに対向配置される対向配置部Ca21を有する(図35及び図36)。更に、この第2突出保持体Ca2は、それぞれの第2分岐部WEeとは逆側で第2テープTa2を貼付させるテープ貼付部Ca22を有する(図35及び図36)。つまり、筐体Caは、それぞれの第2分岐部WEeを第2突出保持体Ca2と幹線WTとの間に介在させ、かつ、第2突出保持体Ca2と幹線WTとを束ねた状態で、その第2突出保持体Ca2と幹線WTとを第2テープTa2で一緒に巻き付けていく。
この例示の第2突出保持体Ca2は、矩形の平板状に形成し、その内の一方の平面を対向配置部Ca21として利用し、その内の他方の平面をテープ貼付部Ca22として利用する。また、この例示の第2突出保持体Ca2は、強度を確保するため、筐体Caの外壁面と対向配置部Ca21とから各々垂設させたリブRbを有している(図35及び図36)。この例示のリブRbは、それぞれの第2分岐部WEeの間に介在させている。
この筐体Caは、そのような第1突出保持体Ca1と第2突出保持体Ca2とを有しているので、それぞれの第1分岐部WEdとそれぞれの第2分岐部WEeとに負荷を与えることなく、第1テープTa1と第2テープTa2とで幹線WTに抱え込ませることができる。つまり、この筐体Caは、それぞれの第1分岐部WEdとそれぞれの第2分岐部WEeとを介したフィルタ回路側への負荷の伝達を抑制しつつ、第1テープTa1と第2テープTa2とで幹線WTに抱え込ませることができる。従って、この筐体Caを備えるノイズフィルタ1,2,3は、通電品質の向上を図ることができる。そして、ワイヤハーネスWHは、この筐体Caをノイズフィルタ1,2,3に適用することで、このノイズフィルタ1,2,3と同じように、通電品質の向上を図ることができる。
ここで、この筐体Caは、設置対象物に対して保持させる保持体として、所謂錨型クリップCLiを外壁面に突出状態で設けてもよい(図35及び図36)。例えば、この筐体Caは、その錨型クリップCLiを設置対象物としての車体Bdの貫通孔Bd1に挿入し、その貫通孔Bd1の周縁部に錨型クリップCLiを係止させることによって、幹線WTに抱え込ませた状態で、その車体Bdに保持させることができる。
また、この筐体Caは、設置対象物に対して保持させる保持体として、設置対象物としての車体Bdの矩形の片部Bd2を挟持する挟持体Cahを設けてもよい(図37)。その挟持体Cahは、例えば、筐体Caの外壁面Cah1と、その外壁面Cah1に対して間隔を空けて対向配置された片持ちの可撓片部Cah2と、を有する。この挟持体Cahにおいては、片部Bd2の一方の平面を外壁面Cah1に対向配置させ、この片部Bd2の他方の平面を可撓片部Cah2に対向配置させる。この挟持体Cahは、その外壁面Cah1と可撓片部Cah2との間に片部Bd2が挿入されることによって、外壁面Cah1から離れる方向に可撓片部Cah2を撓ませ、その撓みに抗する反力を可撓片部Cah2の自由端側の爪部等から片部Bd2の他方の平面に作用させる。これにより、この挟持体Cahは、その外壁面Cah1と可撓片部Cah2との間に片部Bd2を挟持させる。よって、この筐体Caは、幹線WTに抱え込ませた状態で、その車体Bdに保持させることができる。
また、この筐体Caは、テープ巻き付けのための第1突出保持体Ca1及び第2突出保持体Ca2に替えて、幹線WTに巻き付けて自らを抱え込ませるバンドクランプ構造BCを有していてもよい(図38)。そのバンドクランプ構造BCは、幹線WTに巻き付けるバンド部BC1を備える。そのバンド部BC1には、長手方向に沿って矩形の貫通孔BC11が間隔を空けて複数形成されており、かつ、その長手方向で貫通孔BC11に連接させた係止部BC12が貫通孔BC11毎に形成されている。このバンドクランプ構造BCにおいては、幹線WTに巻き付けたバンド部BC1を相手方の挿入部BC2に先端から挿入し、その挿入部BC2に設けた突起部(図示略)をバンド部BC1の貫通孔BC11に差し込むことによって、その突起部をバンド部BC1の係止部BC12に係止させる。これにより、このバンドクランプ構造BCは、筐体Caを幹線WTに抱え込ませた状態で車体Bdに保持させる。
このバンドクランプ構造BCは、筐体Caにおいて、幹線WTに巻き付けた際にそれぞれの第1分岐部WEdとそれぞれの第2分岐部WEeとに負荷を与えることのない位置に設ける。従って、この筐体Caを備えるノイズフィルタ1,2,3は、先のテープ巻き付け構造と同じように、通電品質の向上を図ることができる。そして、ワイヤハーネスWHは、この筐体Caをノイズフィルタ1,2,3に適用することで、このノイズフィルタ1,2,3と同じように、通電品質の向上を図ることができる。