JP6801227B2 - 電子時計 - Google Patents

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Description

この発明は、電子時計に関する。
従来、世界各地の日時(地方時)を算出して表示する世界時計機能を有する電子時計がある。このような電子時計では、世界各地の都市などを選択設定することで、当該都市が属するタイムゾーンや夏時間実施ルールを参照して協定世界時(UTC日時)に対する時差を算出し、地方時を求めて表示させることが出来る。
電子時計では、このような都市設定を行う場合、文字盤(固定表示盤)やベゼルなどに記載された各都市の略称を予め定められた指針により指示させることで、当該都市が選択され、地方時が算出される(例えば、特許文献1)。
特開2006−266987号公報
しかしながら、従来、世界各地の地方時を表示させるには、目的地がどのタイムゾーンに属するかを予め知得する必要があり、特に、ベゼルなどに表示可能な都市以外の地域については、ユーザが対応関係を調べる手間がかかるという課題がある。また、更に、世界地理に詳しいユーザや繰返し決まった地域に移動するユーザ以外にとっては、各都市の略称がどの都市を指しているのかが分かりづらく、説明書などを参照する手間が必要になり、容易に正確な地方時を表示させ難いという課題がある。
この発明の目的は、ユーザの手間を抑えつつ、より容易に世界各地の日時を計数、表示させることが可能な電子時計を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
複数の指針と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
現在の日時を計数する計時部と、
回動する回転円板上に形成される地図画像と、
前記複数の指針の何れかであり前記地図画像における何れかのタイムゾーンを示す地図指示部と、
前記複数の指針の動作制御、及び世界各地の現地時刻である地方時の取得対象位置における当該地方時と所定の基準時との時差に係る地方時設定を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作受付部により受け付けられた操作に応じて前記複数の指針の少なくとも一部に地方時を表示させ、表示させた地方時と前記計時部の計数する日時との差に基づいて前記地方時設定を行い、
前記回転円板の所定の回転角度方向を前記地図指示部により示させた状態で、取得した前記地方時設定に係るタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記所定の回転角度方向と一致させるように前記回転円板を回動させる、
ことを特徴とする電子時計である。
本発明に従うと、ユーザの手間を抑えつつ、より容易に世界各地の日時を計数、表示させることが出来るという効果がある。
本発明の実施形態の電子時計を示す平面図である。 小窓内の世界地図表示を示す図である。 電子時計の機能構成を示すブロック図である。 地方時設定処理(自動)の制御手順を示すフローチャートである。 地方時設定処理(手動)の制御手順を示すフローチャートである。 地方時設定処理(手動)の実行中における表示例を示す図である。 地方時設定処理(手動)の実行中における表示例を示す図である。 第2実施形態の電子時計の正面図である。 第2実施形態の電子時計の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態の電子時計で実行される地方時設定処理(手動)の制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の電子時計における地方時設定時の表示例を示す図である。 第2実施形態の電子時計における地方時設定時の表示例を示す図である。 第3実施形態の電子時計の正面図である。 第3実施形態の電子時計で実行される地方時設定処理(手動)の制御手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の電子時計の変形例1、2を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1の正面図である。
電子時計1は、ケーシング2と、固定表示盤3と、秒針61と、分針62と、時針63と、小分針64と、小時針65と、日車66と、モード指針67と、地図指針68(地図指示部)と、りゅうずC1と、押しボタンスイッチB1〜B4などを備える。また、電子時計1の上面は、図示略の透明な風防ガラスで覆われている。
以降では、秒針61、分針62、時針63、小分針64、小時針65、日車66、モード指針67及び地図指針68のうち一部又は全部をまとめて指針61〜68のようにも記す。
ケーシング2は、電子時計1の各構成を内部に格納する。固定表示盤3は、時刻を示すための標識(時字)や目盛が設けられた表示面がケーシング2の内部で風防ガラス越しに視認可能に収められている。指針61〜65、67、68は、固定表示盤3と風防ガラスの間に設けられている。日車66は、固定表示盤3の表示面とは反対の面側に設けられている。
りゅうずC1及び押しボタンスイッチB1〜B4は、ケーシング2の側面を貫通して設けられ、外部からの操作がケーシング2の内部に伝達される。
固定表示盤3の4時半方向には、開口部7が設けられて、日車66の固定表示盤3の側の面(上面)に設けられた標識(後述の日付標識)の何れかが視認可能となっている。また、固定表示盤3の6時方向、9時半方向及び3時方向には、それぞれ小窓4、5、6が設けられている。
秒針61、分針62及び時針63は、固定表示盤3の略中心を回転軸として固定表示盤3に平行な面内でそれぞれ回転動作する。これら秒針61、分針62及び時針63は、通常の表示状態では、現在位置における現地時刻である地方時での現在時刻(ホーム時刻)を表示するのに用いられる。
小分針64及び小時針65は、世界各地の何れかの地域(世界時計位置)における現地時刻(世界時計)の表示に用いられる。
日車66は、円周上に「1」〜「31」の日付標識が等間隔で設けられ、回転動作されて開口部7から何れかが露出されることで現在位置における日付を示す円環状の回転盤である。
モード指針67は、小窓5の内部で回転動作し、通常の表示状態では現在位置における現在の曜日を指し示す。また、モード指針67は、夏時間の設定選択に用いられる。モード指針67が標識「AT」を指し示すことで、予め取得されている夏時間の実施ルールに応じて夏時間のオンオフが切り替えられる状態であることが示される。また、モード指針67が標識「STD」又は標識「DST」を指し示すことで、設定されている現在位置や世界時計位置の夏時間実施ルールによらず、それぞれ、夏時間の不実施状態、又は夏時間の実施状態に固定される。夏時間の手動実施状態におけるシフト時間は、別途手動で設定されても良いし、一律に固定時間、例えば、1時間とされても良い。或いは、後述のように、夏時間実施時のUTC日時からの時差情報に基づいて判定、推測されても良い。
地図指針68は、小窓6内で回転して世界時計位置又は現在位置に応じたタイムゾーンを指し示す。例えば、地図指針68には、通常時に世界時計位置に応じたタイムゾーンを指示させ、現在位置の手動設定時に当該現在位置に応じたタイムゾーンを指示させるように制御することが出来る。
図2は、小窓6内をより詳しく説明する図である。
小窓6内には、世界の各タイムゾーンに含まれる地域(都市)を示す都市標識(ここでは円形記号)を含んだ世界地図(地図画像)が示されている。ここでは、北極を中心にして北半球側の地図のみが示されているが、南半球側を併せて表示させる構成とすることが出来る。例えば、小窓6内において北半球側の海岸線や都市標識とは異なる色で南半球側の海岸線や都市標識を重ねて表示させても良いし、赤道より外側に更に南半球側の地図を設けても良いし、見る角度などに応じて何れかが見えるように偏光状態などが工夫されていても良い。或いは、小窓6内の小文字盤が移動されて、何れかが選択的に表示されても良いし、小窓6と対になる小窓をもう一つ設けて、南半球側の地図を北半球側の地図と別個に表示可能としても良い。
ここでは、各タイムゾーンにそれぞれ対応して少なくとも一つずつ都市が定められている。これらの都市は、必ずしも経度方向に等間隔で並んでいる訳ではないが、海岸線の形状をデフォルメするなどにより都市標識の間隔を調整して、各都市とタイムゾーンとの対応関係をより見やすくさせても良い。また、UTC(協定世界時)に対して+12時間〜+14時間の地域と−10時間〜−12時間の地域が混在しているので、都市標識の色や形状などにより区別して表示させても良いし、単一の都市標識にまとめても良い。何れの場合であっても、例えば、タイムゾーン設定時の地図指針68の回転方向などにより何れかが選択的に設定可能とされる。
図3は、本実施形態の電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
電子時計1は、指針61〜68に加えて、輪列機構71〜75と、ステッピングモータ81〜85と、駆動回路51と、CPU41(Central Processing Unit)(地方時設定部、駆動制御部)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、発振回路44と、分周回路45と、計時回路46(計時部)と、操作受付部47と、Bluetoothモジュール48と、UART49(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)と、アンテナATと、電力供給部52などを備える。CPU41は、地方時設定部及び駆動制御部を含む。これらの地方時設定部及び駆動制御部は、単一のCPUであっても良いし、各々別個にCPUが設けられて各動作が行われても良い。
CPU41、ROM42及びRAM43により制御部が構成される。
ステッピングモータ81は、輪列機構71を介して秒針61及び分針62を連動して回転動作させる。ステッピングモータ82は、輪列機構72を介して時針63を回転動作させる。ステッピングモータ83は、輪列機構73を介して小分針64及び小時針65を連動して回転動作させる。ステッピングモータ84は、輪列機構74を介して日車66及びモード指針67を連動して回転動作させる。なお、日車66とモード指針67との回転角度の比率は大きく異なるので、モード指針67の動作時には、日車66の回転は無視が可能な程度であり、日車66により表示させる日付が変更される場合には、モード指針67が上述の比率に応じて所定の回数回転動作することになる。ステッピングモータ85は、輪列機構75を介して地図指針68を回転動作させる。
CPU41は、各種演算処理を行い、電子時計1の全体動作を統括制御する。CPU41は、地方時設定43aに基づいて現在位置及び世界時計位置におけるUTC日時からの時差を適切に設定し、計時回路46の計数するUTC日時を適切な地方時に変換する。CPU41は、適切なタイミングで駆動回路51に制御信号を出力して指針61〜67を動作させ、得られた地方時の表示を行わせる。また、CPU41は、駆動回路51を当該地方時設定43aに応じて地図指針68を回転動作させて世界時計位置や現在位置のタイムゾーンを表示させる。
ROM42は、マスクROMや各種不揮発性メモリなどであり、制御用のプログラム42aや初期設定データなどを格納する。初期設定データには、都市時差情報42bと都市夏時間情報42cとが含まれる。現在位置や世界時計位置の都市が選択された場合には、当該都市に対応するタイムゾーンが都市時差情報42bから取得され、また、夏時間実施ルールが都市夏時間情報42cから取得され得る。外部からタイムゾーンや夏時間実施ルールの更新情報や追加設定情報が取得された場合には、当該更新情報は、ROM42の不揮発性メモリ又はRAM43に記憶される。
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを保存する。一時データには、地方時設定43aが含まれ、現在位置や世界時計位置として選択されている都市、及び当該都市の地方時設定(タイムゾーン及び夏時間実施ルール)が記憶される。RAM43には、DRAMやSRAMなどの通常の揮発性メモリに加えて、データの高速読み書きが可能なその他不揮発性メモリなどが一部用いられても良い。
発振回路44は、所定の周波数のパルス信号(16kHzや32kHzなど)を生成して出力する。
分周回路45は、発振回路44が生成したパルス信号を分周して周波数を低下させ、CPU41及び計時回路46が利用する周波数のクロック信号に変換して出力する。
計時回路46は、分周回路45から入力された所定の周波数信号を計数して初期日時に加算していくことで現在の日時を計数する。ここでは、計時回路46は、基準となる時刻(基準時)、即ち、UTC日時で日時の計数を行う。CPU41がこの計時回路46の日時を各地方時に換算して表示などに用いられる。
操作受付部47は、りゅうずC1及び押しボタンスイッチB1〜B4の操作を検出して電気信号に変換し、CPU41に出力する。りゅうずC1の操作としては、2段階の引き出し操作及び押し込み操作、並びに両方向への回転操作が含まれる。
Bluetoothモジュール48は、外部機器とブルートゥース(登録商標:Bluetooth)を用いた近距離無線通信を行うためのデータ送受信処理に係るモジュールである。Bluetoothモジュール48は、CPU41の制御に基づき外部機器から現在日時に係る情報、新たに設定された現在位置や世界時計位置、これらに対応した最新のタイムゾーンや夏時間の実施期間(実施有無)情報などを取得する。UART49は、外部機器とやり取りする対象のデータをシリアル/パラレル変換して、CPU41に適切に送る。アンテナATは、ブルートゥースによる通信に用いられるものであって、当該通信周波数の電波の送受信を行う。
Bluetoothモジュール48により接続される外部機器は、特に制限されないが、現在日時や現在位置の情報を取得する場合には、現在日時が十分な精度で維持され、また、現在位置の情報が可能な限りリアルタイムに近いタイミングで更新される(現在位置の変更が反映されるまでの時間が例えば、数秒〜数分以内など)電子機器である必要があり、スマートフォンや携帯電話などが好ましく選択される。これらのスマートフォンや携帯電話では、測位衛星からの電波を受信して測位を行ったり、携帯電話通信の基地局から現在位置情報を取得したりし(これらを以降まとめて測位動作と記す)、また、携帯電話通信の基地局との同期情報などに基づいて随時現在日時が更新される。
駆動回路51は、CPU41からの制御信号に応じて適切なタイミングでステッピングモータ81〜85を動作させる駆動信号を出力する。駆動回路51は、各ステッピングモータに対してそれぞれ設定された適切なピーク電圧やピーク電圧長のパルス信号を出力可能である。また、複数の指針を同時に駆動する制御信号が取得された場合には、負荷の大きさなどに応じて微小タイミングずらして複数のステッピングモータを動作させることが出来る。
電力供給部52は、CPU41の各部に電力を供給する。電力供給部52は、バッテリを備え、バッテリとしては、例えば、ソーラパネルと二次電池とが組み合わされたものであっても良いし、或いは、ボタン型の乾電池が用いられても良い。Bluetoothモジュール48といった間欠的に動作する構成に対する電力の供給は、不要な場合には遮断されても良い。
次に、本実施形態の電子時計1における地方時の設定動作について説明する。
電子時計1では、定期的に(例えば、一日に一回)及びユーザの接続操作に応じてブルートゥースによりスマートフォンなどの外部機器に通信接続されて現在位置(都市)に係る情報と当該現在位置における現在時刻(地方時)とが取得される。外部機器が測位動作を行うことが可能な状況では、電子時計1は、当該外部機器との通信タイミングにおける正確な現在位置及び現在時刻が得られる。このとき、電子時計1は、併せて最新のタイムゾーンの情報や夏時間実施ルールなどが外部機器で保持されているデータに応じて取得されても良い。
外部機器から地方時が取得された場合には、CPU41は、更新された地方時設定43aに応じてUTC日時を逆算し、計時回路46の計数する日時を修正する。或いは、スマートフォンから取得される現在時刻は、地方時ではなく、UTC日時であっても良い。この場合、UTC日時により直接計時回路46の計数する日時が修正され、更新された地方時設定43aに応じて現在位置の地方時が算出、表示される。
一方で、室内や地下など外部機器において測位動作を行うことが困難な状況や、ユーザが外部機器を保持していない場合などにおいて、ユーザが手動で地方時(現在位置)の変更設定を行うことが出来る。電子時計1では、現在位置設定状態において時刻の表示を現在位置(地方時の取得対象位置)における現在時刻(地方時)に変更する操作を行うことで、計時回路46が計数するUTC日時自体を変更させずに新たなUTC日時との時差が算出されて、タイムゾーンなどの情報が逆算される。
図4は、本実施形態の電子時計1で実行される地方時設定処理(自動)のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この地方時設定処理(自動)は、一日一回所定の時刻に呼び出されて起動される。
地方時設定処理(自動)が起動されると、CPU41は、スマートフォンなど予め設定された外部機器とのブルートゥースによる通信接続を行う(ステップS101)。CPU41は、通信接続された外部機器からUTCにおける現在日時と現在位置の地方時設定を取得する(ステップS102)。
CPU41は、外部機器との通信接続を解除し(ステップS103)、取得された現在時刻に基づいて計時回路46の計数する日時を修正すると共に、取得された地方時設定を地方時設定43aとして記憶させる(ステップS104)。そして、CPU41は、地方時設定処理(自動)を終了する。
これにより、更新された地方時設定43aと修正された計時回路46の計数日時とに応じて指針61〜63、66、67により表示される現在日時と指針64、65により表示される世界時計とが修正される。
図5は、本実施形態の電子時計1で実行される地方時設定処理(手動)のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この地方時設定処理(手動)は、ユーザにより地方時設定状態に移行するための所定の動作、ここでは、例えば、りゅうずC1を2段階引き出す動作が行われることで起動される。
地方時設定処理(手動)が起動されると、CPU41は、りゅうずC1の回転操作が検出されたか否かを判別する(ステップS201)。回転操作が検出されたと判別された場合には(ステップS201で“YES”)、CPU41は、検出されたりゅうずC1の回転方向に応じて移動方向を判別し、駆動回路51に制御信号を出力して、判別された移動方向に時針63を1時間移動させると共に、地図指針68を1時間分異なるタイムゾーンの都市標識を指示する位置に移動させる(ステップS202)。それから、CPU41の処理は、ステップS203に移行する。回転操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS203に移行する。
CPU41は、押しボタンスイッチB4が押下されたか否かを判別する(ステップS203)。押しボタンスイッチB4が押下されたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU41は、制御信号を駆動回路51に出力して秒針61及び分針62を15分進めると共に、地図指針68を15分後のタイムゾーンに対応する位置まで移動させる(ステップS204)。タイムゾーンは、UTC時刻に対して15分単位で設定され得るが、存在しないタイムゾーンもある。CPU41は、現在設定されているタイムゾーンについては対応する都市標識を指し示させ、設定が無い場合には、両接する都市標識間を15分単位で等分した位置を指し示させるように制御することが出来る。
このとき、CPU41は、分針62が45分の位置にある状態で押しボタンスイッチB4の押下が検出された場合には、時針63を次の時間に進めずに分針62を0分の位置に戻し、また、地図指針68を当該0分の位置に対応するタイムゾーンを示す標識位置に戻す動作を行わせる。時針63は、分針62の45分内における周期的な移動に併せて動作されてもされなくても良い。
ステップS204の処理が終了すると、CPU41の処理は、ステップS205に移行する。ステップS203の判別処理で押しボタンスイッチB4が押下されていないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS205に移行する。
ステップS205の処理に移行すると、CPU41は、押しボタンスイッチB2が押下されたか否かを判別する(ステップS205)。押しボタンスイッチB2が押下されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU41は、夏時間実施の有無に係る設定を切り替えると共に、駆動回路51に対して当該切り替えに応じた指針位置へモード指針67を移動させる制御信号を出力する。また、CPU41は、夏時間の実施設定時には、夏時間の実施を考慮した現在時刻に該当するタイムゾーンを地図指針68に指示させるように駆動回路51に制御信号を出力する(ステップS206)。
ここで、現在、世界のほぼ全ての夏時間実施地域では、夏時間の実施時には通常の時差に対して+1時間のシフト時間が設定されるので、タイムゾーンは、指針61〜63により表示されている時刻とUTC時刻との差よりも−1時間の時差の地域となる。しかしながら、時差がUTC+11時間の場合のみ、+10時間の時差に対して+1時間シフトされたオーストラリア東部標準時と、+10時間30分の時差に対して30分シフトされたロードハウ島とがあり得る。従って、この場合には、押しボタンスイッチB2の押下動作に従って両地域を順番に選択可能とすることが出来る。或いは、夏時間実施時のシフト時間を+1時間から異ならせる別個の操作が可能であっても良い。これにより、シフト時間が+1時間以外に新たに設定された任意の地域に対応させることが出来る。
なお、ここでは、夏時間設定がオート(「AT」)に設定されていた場合に地方時設定処理(手動)が呼び出されると、夏時間設定は自動的に手動オフ(「STD」)に切り替えられるが、単純に現在の実施状況を維持しても良いし、別途日付情報と、別途得られる南北半球(緯度)の判別情報とにより夏時間実施があり得る期間か否かを判別して自動で切り替えても良い。同一タイムゾーンについて複数の都市が個別に選択可能な場合には、CPU41は、都市ごとに夏時間の実施有無を判別することが出来る。この場合には、CPU41は、地図指針68に連動してモード指針67を夏時間実施有無に応じた位置に移動させることが出来る。
ステップS206の処理が終了すると、CPU41の処理は、ステップS207に移行する。また、ステップS205の判別処理で押しボタンスイッチB2が押下されていないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS207に移行する。
ステップS207の処理に移行すると、CPU41は、りゅうずC1が2段引き状態から押し戻される操作が検出されたか否かを判別する(ステップS207)。検出されていないと判別された場合には(ステップS207で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS201に戻る。検出されたと判別された場合には(ステップS207で“YES”)、CPU41は、指針61〜63により指示されている時刻と計時回路46が計数するUTC日時との時差と、ステップS206の処理で最終的に設定されている夏時間実施の有無に係る設定とに応じてタイムゾーンの情報を取得して、地方時設定43aを更新する(ステップS208)。このとき、CPU41は、都市時差情報42b及び都市夏時間情報42cを参照して対応する都市を選択しても良いし、都市設定を行わないこととしても良い。
CPU41は、地方時設定処理(手動)の実行中の経過時間に応じて指針61〜66を現在日時に一致させるように駆動回路51に制御信号を出力する。また、CPU41は、日付の変更がある場合には日車66を当該変更された日付位置に移動させた後、モード指針67を現在位置における現在の曜日を指示する位置に移動させるように駆動回路51に制御信号を出力する。そして、CPU41は、地方時設定処理(手動)を終了する。
図6及び図7は、地方時設定処理(手動)の実行中における表示例を示す図である。
なお、ここでは、秒針61並びに世界時計機能に係る小窓4内における小分針64及び小時針65の図示を省略する。
先ず、りゅうずC1の2段引きがなされると、図6(a)に示されるように、この時点での現在位置の現在時刻(地方時)が指針62、63により表示されると共に、設定されているタイムゾーン(対応する都市標識)が地図指針68により指示された状態で停止する。ここでは、地図指針68により東京(UTC+9)が設定されていることが示され、また、現在時刻が9時00分であることが示されている。即ち、このときのUTC日時は、東京の地方時と同日の0時00分である。
この状態でりゅうずC1の回転操作が行われると(ステップS201で“YES”)、図6(b)に示すように、時針63が順次1時間ずつ移動され、これに応じて地図指針68が1時間分ずつ異なるタイムゾーンの都市を指示していく(ステップS202)。ここでは、指針62、63により現在時刻が4時00分のタイムゾーンに設定されていることが示され、また、地図指針68は、UTC日時に対して+4時間のエリアに対応する都市、ここでは、アラブ首長国連邦のドバイを指示している。
次に、押しボタンスイッチB4の押下操作が行われると(ステップS203で“YES”)、図7(a)に示すように、分針62が順次15分ずつ移動され、これに応じて地図指針68が15分ずつ異なるタイムゾーンの位置を指示していく(ステップS204)。
ここでは、2回の押しボタンスイッチB4の押下操作により、分針62が30分移動して現在時刻が4時30分のタイムゾーンに設定されていることが示される。また、これに応じて、地図指針68は、UTC日時に対して+4時間30分のエリアに対応する都市、ここでは、アフガニスタンのカブールを指示している。
更に、押しボタンスイッチB2の押下操作が行われると(ステップS205で“YES”)、図7(b)に示すように、モード指針67が移動される(ステップS206)。モード指針67は、一回の押下操作ごとに標識「STD」と標識「DST」の間を往復動作する。これに伴って、夏時間の不実施状態と実施状態とが交互に切り替えられる。初期状態で夏時間実施ルールの適用がオートであって、標識「AT」が指示されていた場合、何れが先に指示されても良い。
モード指針67により標識「DST」が指示されて夏時間の実施状態に設定された場合、時針63及び分針62により指示されている時刻は、夏時間の実施を考慮した時刻として判断される。この場合、UTC日時に対して+4時間30分の時差は、タイムゾーンの違いによる+3時間30分の時差と、夏時間の実施による+1時間のシフト時間との組み合わせによるものと判断される。これにより、CPU41は、地図指針68を移動させて時差が+3時間30分の地域に対応する都市であるイランのテヘランを指示させる。
りゅうずC1の戻し動作が検出されると(ステップS207で“YES”)、CPU41は、最後に図7(b)の段階で設定されていた情報、即ち、現在位置がUTC時刻に対して+3時間30分のタイムゾーンであって夏時間の実施中のエリアであることを取得して地方時設定43aに記憶させる(ステップS208)。このとき、CPU41は、都市時差情報42b及び都市夏時間情報42cを参照して、当該エリアに対応する都市として「テヘラン」を設定することとしても良い。そして、CPU41は、指針61〜67により計時回路46の計数する現在日時に応じた日時をリアルタイムで表示させる動作を再開する。このとき、必要に応じて日車66による日付表示とモード指針67による曜日表示が切り替えられる。また、地図指針68は、世界時計の設定位置に応じたタイムゾーンの表示状態となる。
以上のように、本実施形態の電子時計1は、複数の指針61〜68と、CPU41と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部47と、現在の日時を計数する計時回路46と、を備え、CPU41は、これら複数の指針61〜68の動作制御を行う駆動制御部として動作し、また、世界各地の現地時刻である地方時の取得対象位置における当該地方時とUTC日時との時差に係る地方時設定を行う地方時設定部として動作する。
CPU41は、駆動制御部として、操作受付部47により受け付けられた操作に応じて複数の指針61〜68の少なくとも一部である分針62及び時針63にユーザ所望の地方時を表示させ、地方時設定部として、表示させた地方時と計時回路46の計数する日時との差に基づいて地方時設定を行う。
これにより、ユーザが変更対象の地域における現在時刻(地方時)を表示するように分針62及び時針63を移動させる操作を行うだけで、対応するタイムゾーンの設定を取得することが出来るので、ユーザが具体的な時差や当該時差のタイムゾーンを代表する都市を調べるといった手間を抑えることが出来る。また、タイムゾーンの設定のみが切り替えられるので、元々計数していた計時回路46の計数する日時、設定されていた機能や世界時計の表示時刻などにずれや悪影響を与えずに適切な日時の計数、表示を保つことが出来る。
また、地方時設定部としてのCPU41は、地方時設定において、夏時間の実施有無に係る設定に応じてタイムゾーンの判別時に夏時間実施時のシフト時間を適切に考慮するので、ユーザ操作により表示された地方時が夏時間の実施中のものであってもずれを生じさせずに適切なタイムゾーンの設定を行うことが出来る。また、当該設定に応じ、都市夏時間情報42cを参照して適切な夏時間実施ルールを反映させた地方時を計数、表示させることが出来る。
また、地方時設定部としてのCPU41は、操作受付部47により受け付けられた操作に応じて夏時間の実施有無に係る設定を切り替えることが出来る。即ち、設定した地方時が夏時間の実施中のものであるか否かユーザが知得している場合には、当該設定のオン、オフを単純に切り替えることで、容易且つより確実に夏時間実施時のシフト時間を適切に考慮したタイムゾーンの設定を行うことが出来る。
また、電子時計1は、小窓6内の世界地図と、当該世界地図における何れかのタイムゾーンを示す地図指針68と、を備え、駆動制御部としてのCPU41は、地図指針68を回動させることで世界地図と地図指針68とを相対移動させて、地方時設定部として取得した地方時設定に対応するタイムゾーンを示す世界地図上の位置を地図指針68により指し示させる。
これにより、ユーザは、各都市の略称(記号)を判別したり、当該都市と自身のいるタイムゾーンとの位置関係を把握したりせずとも所望のエリアのタイムゾーンに設定されているか否かをより容易に知得することが出来る。
また、駆動制御部としてのCPU41は、夏時間の設定が切り替えられた場合には、地方時を変更せずにタイムゾーンのみを判別し直して、当該判別したタイムゾーンに応じた世界地図上の位置を地図指針68により指し示させる。
このように、夏時間実施状況に応じてより確実にタイムゾーンが判別、表示されるので、ユーザは地図指針68からタイムゾーンの設定をより容易に読み取ることが出来る。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電子時計について説明する。
図8は、第2実施形態の電子時計1aの正面図である。
この電子時計1aは、小窓6aが9時側に設けられ、小窓6aには地図指針68が設けられない一方、地図が描かれた(形成された)地図円板68a(回転円板)が回転可能に設けられている。
また、小窓5a及び小窓5a内で回動するモード指針67(設定指針)は12時側から少し小窓6a寄りに移動した位置に小窓5aに隣接して設けられている。これにより、モード指針67が小窓6aの方向を指示した場合に、その先端が小窓6aの外縁に届く又は当該外縁の指示位置を容易にユーザが認識可能な程度に近接する配置となっている。
小窓6aの外縁は、12時側半分が暗色、例えば、青色で半円環状に彩色されており、6時側半分が明色、例えば、橙色で半円環状に彩色されている。
また、本実施形態の電子時計1aは、アラーム時刻報知動作、ストップウォッチ動作、及びタイマ計測動作が可能であり、これらの機能の実行中には、モード指針67が各々を示す標識「AL」、「SW」、「TR」をそれぞれ指示する。これらの機能の切り替えや動作命令は、予め定められた押しボタンスイッチB1〜B4の操作により受け付けられる。
日車66の日付標識を露出させる開口部7は、3時位置に設けられている。また、6時方向の小窓4の1時30分方向に隣接して小窓4より更に小さい小窓8が設けられ、この小窓8の内部には、24時間針69が回動可能に設けられている。
図9は、本実施形態の電子時計1aの機能構成を示すブロック図である。
電子時計1aは、上述のように輪列機構75aを介して回転動作する地図円板68aが、輪列機構75を介して回転動作する地図指針68の代わりに設けられており、また、輪列機構73aが小分針64及び小時針65と連動して更に24時間針69を回転動作させる点を除き、第1実施形態の電子時計1と同一である。同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
地図円板68aは、15分単位の各タイムゾーンが所定の位置に移動可能なように、ここでは、96ステップのステップ移動で一回転する。通常の時刻表示時には、地図円板68aは、夏時間を考慮せずに0時となるタイムゾーンが12時方向に位置するようにステッピングモータ85が15分に一回駆動されて3.75度回転し、24時間で一周する。即ち、地図円板68aのうち真夜中に近い側半分が暗色(青色)の外縁範囲に位置し、正午に近い側半分が明色(橙色)の外縁範囲に位置するように地図円板68aが回転される。
一方、地方時の設定が行われる場合には、モード指針67が小窓6aとの境界の所定の地図指示位置(地図円板68aの所定の回転角度方向)、ここでは、小窓6aと小窓5aの中心を結んだ線が小窓6aの外縁と交差する位置を指し示し、地図円板68aは、設定されるタイムゾーンに応じた位置が当該モード指針67により指示された地図指示位置と一致するように回転動作される。即ち、モード指針67の指示位置により、地図円板68aが現在時刻に応じた表示を行っているか、又は地方時設定に応じた表示を行っているかが区別される。
24時間針69は、小時針65の半分の速度で回転する。即ち、小分針64及び小時針65で示される時刻が0時0分の場合に12時方向を指し示し、12時0分の場合に6時方向を指し示し、一日に一回転することで、小時針65及び小分針64による表示時刻が午前又は午後の何れであるかを示す。
次に、本実施形態の電子時計1aにおける手動での地方時設定動作について説明する。
図10は、本実施形態の電子時計1aで実行される地方時設定処理(手動)のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この地方時設定処理(手動)は、図5に示した第1実施形態の地方時設定処理(手動)と比較して、ステップS211の処理が先頭に追加され、また、ステップS202、S204、S206の処理がそれぞれステップS202a、S204a、S206aに置き換えられた点を除き同一であり、同一の処理には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
地方時設定処理(手動)が開始されると、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して、モード指針67を地図指示位置に移動させる。また、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して地図円板68aを回転させ、現在表示設定がされているタイムゾーンを地図指示位置と一致させる(ステップS211)。
ステップS201でりゅうずC1の回転操作が検出されたと判別された場合には(ステップS201で“YES”)、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して時針63を1時間進めるとともに、地図円板68aを回転させて地図指示位置と一致させるタイムゾーンを1時間分進める(ステップS202a)。それから、CPU41の処理は、ステップS203に移行する。
ステップS203で押しボタンスイッチB4の押下操作が検出されたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して分針62を15分移動させるとともに、地図円板68aを回転させ、地図指示位置と一致させるタイムゾーンを15分進める(ステップS204a)。それから、CPU41の処理は、ステップS205に移行する。
ステップS205で押しボタンスイッチB2の押下操作が検出されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU41は、夏時間実施の設定有無を交互に切り替え、また、それぞれ、夏時間の実施有り又は無しで現在時刻が分針62及び時針63による表示時刻に対応するタイムゾーンが地図指示位置と一致するように地図円板68aを回転動作させる(ステップS206a)。それから、CPU41の処理はステップS207に移行する。
なお、本実施形態の電子時計1aでは、モード指針67が夏時間の実施有無を示す表示と地図指示位置との表示を同時に行うことが出来ないので、例えば、夏時間の実施有無の切替操作時には、一時的にモード指針67に変更後の夏時間の実施有無を示す位置(DSTまたはSTD)を指示させ、所定時間後(例えば1秒後)に地図指示位置に戻すこととさせることが出来る。
図11及び図12は、本実施形態の電子時計1aにおける地方時設定時の表示例を示す図である。
タイムゾーンが東京(UTC+9)に設定されていて、地方時が水曜日の7時10分(午前)である場合、図11(a)に示すように、通常の日時表示状態では、分針62、時針63、及びモード指針67は、この時刻及び曜日の表示を行う。また、このとき、地図円板68aは、現在の地方時(夏時間を考慮しない)が水曜日0時10分であるアテネが12時を示すように表示を行う。
地方時設定処理(手動)が開始されると、図11(b)に示すように、モード指針67が地図指示位置、即ち、小窓6aの中心を向く方向に移動される。また、東京を示す位置がこの地図指示位置と一致するように地図円板68aが回転動作される。
りゅうずC1の回転操作が検出されて、当該操作が、例えば、日時を2時間遅らせる操作(1時間遅らせる操作を2回検出)である場合、図12に示すように、時針63が2時間前の5時10分の位置に移動される。また、タイムゾーンが(UTC+7)であるバンコクの位置が地図指示位置と一致するように地図円板68aが回転動作される。
以上のように、第2実施形態の電子時計1aでは、地図の画像は、回動可能な地図円板68a上に形成され、地図指示位置は、複数の指針のうち一つであるモード指針67により指示され、CPU41は、地図円板68aの所定の回転角度方向、即ち、小窓6aの中心と小窓5aの中心とを結んだ方向をモード指針67により示させた状態で、取得した地方時設定に係るタイムゾーンを示す地図上の位置を地図指示位置(所定の回転角度方向)と一致させるように地図円板68aを回動させる。
このように、地図を回転させて所定の地図指示位置に合わせることでも、同様にタイムゾーンを適切に表示することが出来る。また、地図上に指針を重ねないことで、地図をより見やすくすることが出来る。また、地図自体が回転可能となることで、表現がよりダイナミックになる。また、地図を回転させる一方で、地図を指し示す専用の指針ではなく、モード指針67で地図指示位置の指示を兼用させるので、ステッピングモータの数と動作の効率を向上させることが出来る。
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態の電子時計1bの正面図である。
この第3実施形態の電子時計1bは、固定表示盤3の12時側に設けられた小窓5aと9時側に設けられた小窓6aとが接しておらず、代わりに、固定表示盤3上には、地図指示位置に該当する位置に2つの固定標識「STD」、「DST」が設けられ、また、これらの地図表示位置近傍から各々伸びる2本の線が描かれている。2本の線は、小窓5aの外縁における異なる位置とそれぞれ別個に結ばれることで対応付けられている。固定標識「STD」と結ばれた線は、夏時間実施時(DST)に対応し、固定標識「DST」と結ばれた線が夏時間不実施時(STD)に対応する。ここでは、固定標識「STD」が固定標識「DST」の位置よりも小窓6aにおいて1時間進んだ位置に設けられている。
図14は、本実施形態の電子時計1bで実行される地方時設定処理(手動)のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この地方時設定処理(手動)は、第2実施形態の電子時計1aで実行される地方時設定処理(手動)に対して、ステップS211a、S206aの処理がそれぞれステップS211b、S206bの処理に置き換えられた点を除いて同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
地方時設定処理(手動)が開始されると、CPU41は、現在の地方時設定を取得して、夏時間の実施有無を判別し、駆動回路51に制御信号を出力して、モード指針67を夏時間の実施有無に応じた地図指示位置に移動させる。即ち、CPU41は、夏時間の実施中には、固定標識「DST」に対応する線の小窓5a側端部を指し示させ、夏時間の実施を行っていない場合には、固定標識「STD」に対応する線の小窓5a側端部を指し示させる。CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力して地図円板68aの現在位置に対応する位置がモード指針67により指し示される地図指示位置、即ち、固定標識「DST」又は固定標識「STD」の何れかと一致するように地図円板68aを回転動作させる(ステップS211b)。
それから、CPU41の処理は、ステップS201に移行する。
また、ステップS205の判別処理で押しボタンスイッチB2の押下操作が検出されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU41は、夏時間実施有無に係る設定を切り替える。CPU41は、駆動回路51に制御信号を出力し、小窓5aと小窓6aとを繋ぐ2本の線の小窓5a側端部のうち現在モード指針67により指し示されている側とは異なる側を指し示すように当該モード指針67を移動させる(ステップS206b)。このとき、CPU41は、夏時間の実施時のシフト時間が+1時間であるか否かを判別し、+1時間ではない場合には、地図円板68aを移動させて当該シフト時間を伴う(伴わない)タイムゾーンに対応する位置をモード指針67の指示位置に対応する固定標識の位置と一致させる。
それから、CPU41の処理は、ステップS207に移行する。
[変形例]
図15は、第3実施形態の電子時計の変形例1、2を示す図である。
図15(a)に示す変形例1の電子時計では、秒針61aが19秒位置に設けられた標識「SET」を指示した場合に当該秒針61aの秒を指し示す側とは反対側(根元側端部)が小窓6aの地図指示位置を指示するようになっており、地方時設定動作時には、秒針61aに標識「SET」を指し示させる。ここでは、東京(UTC+9)に対応する地図円板68aの位置が秒針61aの根元側端部が指し示す地図指示位置と一致するように地図円板68aが回転動作される。また、モード指針67は、小窓5a内で夏時間の実施有無に係る設定に応じて標識「DST」、「STD」の何れかを指示する。ここでは、東京における夏時間実施無しの設定に応じて夏時間不実施に対応する標識「STD」が指し示されている。
図15(b)に示す変形例2の電子時計では、地図指示位置に各々対応付けられてモード指針67が指し示す位置が4箇所定められており、これら4箇所は、秒針61、分針62及び時針63で指し示されるホーム都市(HT)における夏時間の実施有無(DST、STD)にそれぞれ対応する2箇所と、小分針64、小時針65及び24時間針69で指し示される世界時計(WT)に係る設定都市における夏時間の実施有無(DST、STD)にそれぞれ対応する2箇所(複数箇所)とに各々対応する。ここでは、地図指示位置と小窓5aにおける4箇所とを各々繋ぐ4本の線自体が地図指示位置を示す固定標識となっている。
この場合、例えば、りゅうずC1が一段階引き出されて世界時計の設定位置(都市)に係る変更が行われる場合には、世界時計位置の夏時間設定に応じた何れかの位置がモード指針67により指し示され、りゅうずC1が二段階引き出されてホーム都市の変更設定が行われる場合には、ホーム都市の夏時間設定に応じた何れかの位置がモード指針67により指し示される。地図円板68aは、モード指針67により指し示されている地図指示位置に設定されているタイムゾーンが一致するように回転動作される。ここでは、世界時計(WT)で設定されているパリ(UTC+1)のタイムゾーンが夏時間の実施中でUTC+2となっている場合に、地図円板68aのパリに対応する位置が世界時計「WT」に係るDST位置と一致するように地図円板68aが回転する。
以上のように、第3実施形態の電子時計では、地図指示部として、地図円板68aの所定の回転角度方向を示す固定標識「STD」、「DST」が設けられ、複数の指針のうち1つであるモード指針67は、これら固定標識(地図指示部)に対応付けられた位置、即ち、二本の線で各々小窓5aに繋がれた当該小窓5a側の端部位置を指示可能に設けられ、CPU41は、固定標識に対応付けられた位置をモード指針67により指し示させた状態で、取得した地方時設定に係るタイムゾーンを示す地図上の位置を固定標識が示す回転角度方向と一致させるように地図円板68aを回動させる。
このように、モード指針67が直接小窓6aの所定角度方向の位置を指示出来ないような小窓6a、5aの相対配置であっても、線などで対応付けることで容易にモード指針67により地図円板68aが設定中の日時に係るタイムゾーンを表示する状態であり、また、地図円板68aがどのタイムゾーンに設定されている状態であるかを容易にユーザに知得させることが出来る。
また、固定標識及び固定標識に対応付けられた位置は、夏時間の実施有無に応じてそれぞれ別個に「STD」、「DST」として定められている。従って、モード指針67が何れの対応位置を指示しているかで、夏時間の実施又は不実施の設定状態が判別可能であり、また、当該夏時間の実施状況に応じて何れのタイムゾーンを示しているかが容易に判別出来る。また、夏時間の実施有無による時刻のずれは多くの場合1時間であるので、固定標識「STD」、「DST」が対応する間隔で配置されることで、実施状況の切り替え時に地図円板68aを回転する必要が無くなる。
また、CPU41は、地方時の取得対象位置として、ホーム都市と世界時計に係る都市との複数箇所を設定可能であり、地図指示位置を示し、小窓5aのモード指針67による指示位置と対応付けられた線の小窓6a側端部位置は、これら複数箇所に各々応じて別個に定められている。
従って、世界時計機能を有する電子時計における地方時設定を通常のホーム都市における地方時設定と同様に容易に行うことが出来、また、何れの設定を行っている状況であるかを容易にユーザに知得させることが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、電子時計1は、通常では、ブルートゥースにより外部機器から現地時刻と共にタイムゾーンや夏時間実施ルールなどの情報を取得することとしたが、必ずしも外部機器からこれらの情報が取得可能である必要はない。現地時刻のみが取得されて地方時設定をCPU41が判定しても良いし、外部機器からこれらの情報を取得する機能を有さなくても良い。この場合、電子時計1は、例えば、測位衛星からの電波を受信して正確な日時情報が取得可能な構成を有していても良い。
また、上記第3実施形態では、夏時間の実施/不実施に係る地図指示位置とこれらに対応する位置を各々別個に示したが、モード指針67で指示する位置のみを異ならせ、小窓6aにおける地図指示位置を同一の位置とさせても良い。また、固定標識「DST」よりも固定標識「STD」を地図円板68aの回転について1時間進んだ位置に設けたが、これに限られるものではない。また、本発明に係る電子時計は、世界時計機能を有しない時計であっても良い。
また、上記実施の形態では、極側から投影された地図に対して地図指針68を回転動作させて何れかのタイムゾーンを示したが、緯度と経度が直交する地図に対して地図指針68が略平行に移動しても良い。
また、指針61〜63は、固定表示盤3の目盛に対して回転する形態に限られず、目盛や時字がベゼルやケーシング2に設けられていても良いし、ケーシング2の形状や、腕時計として利用時のバンドの装着向きなどにより12時方向が明らかである場合には、目盛や時字が設けられていなくても良い。
また、指針の数、配置、ステッピングモータとの対応や用途は、上記実施形態のものに限られず、本発明に係る表示が可能な範囲で適宜変更される。また、地方時設定処理(手動)で用いられる指針は、分針62及び時針63に限られず、他の指針であっても良い。
また、上記実施の形態では、時針63の動作をりゅうずC1で操作し、分針62の動作を押しボタンスイッチB4で操作することとしたが、他のものであっても良く、また、単一の操作機構により15分ずつの変更のみがなされても良い。
また、上記実施の形態では、計時回路46にUTC日時を計数させて、地方時設定に基づいて随時地方時に換算取得することとしたが、計時回路46でホーム時刻自体を計数させて、必要に応じて地方時設定に基づいてUTC日時や他の世界時計時刻に逆算する構成であっても良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、動作の内容や手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
複数の指針と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
現在の日時を計数する計時部と、
前記複数の指針の動作制御、及び世界各地の現地時刻である地方時の取得対象位置における当該地方時と所定の基準時との時差に係る地方時設定を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作受付部により受け付けられた操作に応じて前記複数の指針の少なくとも一部に地方時を表示させ、表示させた地方時と前記計時部の計数する日時との差に基づいて前記地方時設定を行う
ことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記制御部は、前記地方時設定において、夏時間の実施有無に係る設定に応じてタイムゾーンの判別を行うことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記制御部は、前記操作受付部により受け付けられた操作に応じて前記夏時間の実施有無に係る設定を切り替えることを特徴とする請求項2記載の電子時計。
<請求項4>
地図画像と、
前記地図画像における何れかのタイムゾーンを示す地図指示部と、
を備え、
前記制御部は、前記地図画像と前記地図指示部とを相対移動させて、取得した前記地方時設定に対応するタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記地図指示部により示させる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項5>
前記制御部は、前記地方時設定において、夏時間の実施有無に係る設定に応じてタイムゾーンの判別を行い、前記判別したタイムゾーンに応じた前記地図画像上の位置を前記地図指示部により示させる
ことを特徴とする請求項4記載の電子時計。
<請求項6>
前記地図画像は、回動可能な回転円板上に形成され、
前記地図指示部は、前記複数の指針のうち何れかであり、
前記制御部は、前記回転円板の所定の回転角度方向を前記地図指示部により示させた状態で、取得した前記地方時設定に係るタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記所定の回転角度方向と一致させるように前記回転円板を回動させる
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子時計。
<請求項7>
前記地図画像は、回動可能な回転円板上に形成され、
前記地図指示部は、前記回転円板の所定の回転角度方向を示す固定標識であり、
前記複数の指針のうち1つは、前記地図指示部に対応付けられた位置を指示可能に設けられた設定指針であり、
前記制御部は、前記地図指示部に対応付けられた位置を前記設定指針により指し示させた状態で、取得した前記地方時設定に係るタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記地図指示部が示す回転角度方向と一致させるように前記回転円板を回動させる
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子時計。
<請求項8>
前記地図指示部及び前記地図指示部に対応付けられた位置は、夏時間の実施有無に応じてそれぞれ別個に定められていることを特徴とする請求項7記載の電子時計。
<請求項9>
前記制御部は、地方時の前記取得対象位置として複数箇所を設定可能であり、
前記地図指示部及び前記地図指示部に対応付けられた位置は、前記複数箇所に各々応じて別個に定められていることを特徴とする請求項7又は8記載の電子時計。
1、1a、1b 電子時計
2 ケーシング
3 固定表示盤
4〜6、5a、6a、8 小窓
7 開口部
41 CPU
42 ROM
42a プログラム
42b 都市時差情報
42c 都市夏時間情報
43 RAM
43a 地方時設定
44 発振回路
45 分周回路
46 計時回路
47 操作受付部
48 Bluetoothモジュール
49 UART
51 駆動回路
52 電力供給部
61、61a 秒針
62 分針
63 時針
64 小分針
65 小時針
66 日車
67 モード指針
68 地図指針
68a 地図円板
69 24時間針
71〜75、73a、75a 輪列機構
81〜85 ステッピングモータ
AT アンテナ
B1〜B4 押しボタンスイッチ

Claims (7)

  1. 複数の指針と、
    ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
    現在の日時を計数する計時部と、
    回動する回転円板上に形成される地図画像と、
    前記複数の指針の何れかであり前記地図画像における何れかのタイムゾーンを示す地図指示部と、
    前記複数の指針の動作制御、及び世界各地の現地時刻である地方時の取得対象位置における当該地方時と所定の基準時との時差に係る地方時設定を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作受付部により受け付けられた操作に応じて前記複数の指針の少なくとも一部に地方時を表示させ、表示させた地方時と前記計時部の計数する日時との差に基づいて前記地方時設定を行い、
    前記回転円板の所定の回転角度方向を前記地図指示部により示させた状態で、取得した前記地方時設定に係るタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記所定の回転角度方向と一致させるように前記回転円板を回動させる、
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 前記制御部は、前記地方時設定において、夏時間の実施有無に係る設定に応じてタイムゾーンの判別を行うことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
  3. 前記制御部は、前記操作受付部により受け付けられた操作に応じて前記夏時間の実施有無に係る設定を切り替えることを特徴とする請求項2記載の電子時計。
  4. 前記制御部は、前記地方時設定において、夏時間の実施有無に係る設定に応じてタイムゾーンの判別を行い、前記判別したタイムゾーンに応じた前記地図画像上の位置を前記地図指示部により示させる
    ことを特徴とする請求項記載の電子時計。
  5. 複数の指針と、
    ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
    現在の日時を計数する計時部と、
    回動する回転円板上に形成される地図画像と、
    前記地図画像における何れかのタイムゾーンを示す地図指示部と、
    前記複数の指針の動作制御、及び世界各地の現地時刻である地方時の取得対象位置における当該地方時と所定の基準時との時差に係る地方時設定を行う制御部と、
    を備え、
    前記地図指示部は、前記回転円板の所定の回転角度方向を示す固定標識であり、
    前記複数の指針のうち1つは、前記地図指示部に対応付けられた位置を指示可能に設けられた設定指針であり、
    前記制御部は、前記地図指示部に対応付けられた位置を前記設定指針により指し示させた状態で、取得した前記地方時設定に係るタイムゾーンを示す前記地図画像上の位置を前記地図指示部が示す回転角度方向と一致させるように前記回転円板を回動させる
    ことを特徴とする電子時計。
  6. 前記地図指示部及び前記地図指示部に対応付けられた位置は、夏時間の実施有無に応じてそれぞれ別個に定められていることを特徴とする請求項記載の電子時計。
  7. 前記制御部は、地方時の前記取得対象位置として複数箇所を設定可能であり、
    前記地図指示部及び前記地図指示部に対応付けられた位置は、前記複数箇所に各々応じて別個に定められていることを特徴とする請求項5又は6記載の電子時計。
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