JP6800375B2 - 通信装置、通信方法及び通信プログラム - Google Patents
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Description
TSNでは、通信周期が複数のタイムスロット(TS)に分割される。そして、TSNでは、TSの単位でデータの種類を切り替えてデータを送信する。また、TSNでは、プロトコルごとにTSが割り当てられることが多い。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)の通信にタイムスロット0(TS0)が割り当てられ、FA(Factory Automation)用の通信にタイムスロット1(TS1)が割り当てられることが考えられる。
TSNでは、データは、対応するTSの送信キュー(送信キューはIEEE802.1Qbvが提供)に格納され、TSの開始時刻が到来した際に、当該TSの送信キューに格納されているデータが順次送信される。受信側では、データを受信すると、データを受信キューに格納することなく受信アプリケーションに渡す。
図16では、30秒の周期通信が行われている。そして、図16では、この周期が3つのTSに分割されている。つまり、各TSには10秒が割り当てられている。
また、図16では、送信アプリケーション0のデータはTS0で送信される。送信アプリケーション0は、時刻「00:00:06」にデータ0をTS0用の送信キューに挿入している。時刻「00:00:06」はTS0内の時刻であるため、データ0は待ち時間なくTS0において送信される。
一方、送信アプリケーション1のデータはTS1で送信される。送信アプリケーション1は、時刻「00:00:31」にデータ1をTS1用の送信キューに挿入している。時刻「00:00:31」はTS0内の時刻であるため、データ1はTS1用の送信キュー内で待機させられる。そして、時刻「00:00:40」が到来して、TS1が開始された後に、データ1が送信される。
TSNをTCP/IP通信に適用する場合は、TCP/IP通信のTSとACKデータの送信タイミングとが一致しないと、以下のような問題が生じる。
受信側の通信装置がACKデータを送信しようとした際に現在のTSがTCP/IP通信用のTSではない場合は、受信側の通信装置はTCP/IP通信用のTSが到来するまでACKデータの送信を保留する。この結果、規定時間内に送信側の通信装置にACKデータが届かず、このため、送信側の通信装置はパケットを再送するという事態が生じる。このように、TSNをTCP/IP通信に適用すると、受信側の通信装置にパケットが届いているにもかかわらず、送信側の通信装置からパケットが再送され、結果的に、ネットワークの帯域を浪費することになる。
このような事態に対処するために、例えば、特許文献1では、パケットの送信後、再送までの時間を十分に長く設定する技術が開示されている。
特許文献1の手法をTSNに適用した場合は、送信アプリケーションがデータを送信キューに格納した時刻をもとに再送時刻が計算される。TSNでは、前述したように、データの種類に対応したタイムスロットが到来しないとデータを送信することができない。このため、該当するタイムスロットの到来までに時間を要する場合は、送信アプリケーションがデータを送信キューに格納した時刻と実際にデータの送信が完了した時刻とが大幅に異なることになる。このため、受信側の通信装置がデータを受信している場合でも、送信側の通信装置にACKデータが届く前に再送時刻が到来し、無駄なデータの再送が発生することがある。
送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する通信装置であって、
送信データを、前記送信データの種類に対応するタイムスロットにおいて送信する送信部と、
前記送信データの再送を行う再送時刻を、前記送信部が前記送信データの送信を完了した時刻を基準にして決定する再送時刻決定部とを有する。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る通信システムの構成例を示す。
本実施の形態に係る通信システムでは、通信装置101、通信装置102及び通信装置103がネットワーク5に接続されている。
図1では、通信システムには、通信装置101、通信装置102及び通信装置103が含まれているが、通信システムに含まれる通信装置の台数は3台以上であってもよい。
通信装置101、通信装置102及び通信装置103は、TSNに従って、データを送受信する。
通信装置101、通信装置102及び通信装置103は、コンピュータである。
図1に示すように、通信装置101は、ハードウェアとして、プロセッサ2、メモリ3、ネットワークインタフェース4を備える。
メモリ3には、図2に示す送信アプリケーション15及び受信アプリケーション16が記憶されている。また、メモリ3には、図2に示すデータ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の機能を実現するプログラムが記憶されている。
プロセッサ2は、メモリ3内の送信アプリケーション15及び受信アプリケーション16を実行する。また、プロセッサ2は、データ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の機能を実現するプログラムを実行して、データ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の動作を行う。
より具体的には、データ送信部6は、送信データ管理部10内の送信キュー14に格納されている送信データを、当該送信データの種類に対応するタイムスロットにおいて送信する。
また、データ送信部6は、送信データの再送を行う再送時刻を、送信データの送信を完了した時刻を基準にして決定する。
更に、データ送信部6は、送信データの再送が指示された場合は、送信データを再送する。
データ送信部6は、送信部及び再送時刻決定部に相当する。また、データ送信部6により行われる処理は、送信処理及び再送時刻決定処理に相当する。
具体的には、再送管理部11は、データ送信部6により送信された送信データ及びデータ送信部6により決定された再送時刻を再送データリスト13に登録する。
図3は、再送データリスト13の構成例を示す。再送データリスト13の各エントリには再送時刻と、再送対象の送信データのメモリアドレスと、送信データの識別子であるシーケンス番号が格納されている。再送データリスト13のエントリは再送時刻の早い順に並べられる。図4は、再送データリスト13の具体例を示す。なお、本実施の形態では、再送データリスト13において送信データのメモリアドレスが登録されている例を示しているが、メモリアドレスではなく送信データの実体が再送データリスト13に登録されるようにしてもよい。
再送管理部11は、再送時刻までに送信データに対するACKデータが受信されていない場合に、送信データの再送を決定する。
再送管理部11により行われる処理は、再送管理処理に相当する。
送信制御部12により行われる処理は、送信制御処理に相当する。
送信データに対するACKデータは、送信タイムスロットでのみ送信される。つまり、送信データに対応するタイムスロット(送信タイムスロット)がタイムスロット0である場合は、当該送信データに対するACKデータは、タイムスロット0でのみ送信される。送信データが送信されたタイムスロット0内にACKデータが送信されない場合は、ACKデータは次に到来するタイムスロット0で送信される。
本実施の形態における通信装置101の動作例を説明する。
以下では、通信装置101の動作として説明するが、通信装置102及び通信装置103の動作も同じである。
なお、以下で説明する動作手順は、本願の通信方法及び通信プログラムに相当する。
つまり、送信制御部12は、送信データ管理部10で管理されている複数の送信キュー14のうち、送信データのプロトコルに対応するタイムスロットのエントリの送信キュー14にステップS1で生成した送信データのメモリアドレスを格納する。
次に、送信制御部12は、ステップS4で、データ送信部6からデータ送信完了通知が届いたかどうかを確認する。
データ送信完了通知が届いていない場合は、送信制御部12は、ステップS3及びステップS4をデータ送信完了通知が届くまで繰り返す。
データ送信完了通知が届いたら、送信制御部12は、処理を終了する。
次に、タイムスロット管理部7は、ステップS6において、タイムスロットの切り替え時刻が到来したか否かを確認する。タイムスロットの切り替え時刻が到来している場合は、タイムスロット管理部7はステップS7に進む。
ステップS7では、タイムスロット管理部7はデータ送信部6に送信データの送信を指示する。その後、タイムスロット管理部7はステップS5に戻る。より具体的には、タイムスロット管理部7はデータ送信部6に現在のタイムスロットに対応する送信キュー14を通知して、データ送信部6に送信データの送信を指示する。
タイムスロットの切り替え時刻が到来していない場合は、タイムスロット管理部7は、タイムスロットの切り替え時刻が到来するまで、ステップS5及びステップS6を繰り返す。
次に、データ送信部6は、ステップS9において、送信データの送信指示が届いた否かを確認する。
タイムスロット管理部7から送信指示が届く場合と、再送管理部11から送信指示が届く場合がある。
送信指示が届いていない場合は、データ送信部6は、送信指示が届くまで、ステップS8及びステップS9を繰り返す。
送信指示が届いている場合は、データ送信部6はステップS10に進む。
タイムスロット管理部7から送信指示が届いている場合は、データ送信部6は、送信データ管理部10の該当する送信キュー14から送信データを取得し、取得した送信データをネットワーク5に送信する。
一方、再送管理部11から送信指示が届いている場合は、データ送信部6は、送信指示とともに再送管理部11から届いている送信データをネットワーク5に送信する。なお、再送管理部11からの送信指示に基づく送信データの送信は、送信データの再送に該当する。
データ送信部6は、送信タイムスロット内の時刻を再送時刻に決定する。例えばデータ送信部6が0時0分0秒に送信データの送信を完了した場合を想定する。また、ここでは、送信データの送信が完了した時刻から10秒後に再送するような設定となっているものとする。この場合に、データ送信部6は、0時0分10秒が送信タイムスロット内の時刻であれば、0時0分10秒を再送時刻に決定する。一方、0時0分10秒が送信タイムスロット内の時刻でなければ、データ送信部6は、0時0分10秒より後に最も早く到来する送信タイムスロット内の時刻を再送時刻に決定する。
その後、データ送信部6はステップS8に戻る。
次に、ステップS13で、再送管理部11は、再送データリスト13の先頭のエントリの再送時刻が到来したか否かを確認する。
再送時刻が到来している場合は、再送管理部11はステップS14に進む。一方、再送時刻が到来していない場合は、再送管理部11はステップS15に進む。
より具体的には、再送管理部11は、送信データの送信指示と、送信データをデータ送信部6に出力する。
ステップS14で送信指示と送信データが出力された結果、図7のステップS9でYESとなり、データ送信部6は、ステップS10において、送信データを再送する。
通知が届いていれば、再送管理部11はステップS16に進む。一方、通知が届いていない場合は、再送管理部11はステップS12に戻る。
データ送信部6からの通知が届いている場合は、再送管理部11はステップS17に進む。一方、データ受信部8からの通知が届いている場合は、再送管理部11はステップS18に進む。
データ送信部6から通知は、図7のステップS11で示された、再送時刻と送信データのメモリアドレスとシーケンス番号の通知である。再送管理部11は、ステップS17において、データ送信部6から通知された再送時刻と送信データのメモリアドレスとシーケンス番号が示される新たなエントリを再送データリスト13に追加する。再送管理部11は、再送時刻順に従って、新たなエントリを再送データリスト13に追加する。これにより送信データの再送が登録される。
新たなエントリを再送データリスト13に追加したら、再送管理部11はステップS15に戻る。
データ受信部8からの通知は、送信データの送信先からACKデータを受信した旨の通知である。データ受信部8からの通知には、ACKデータが受信された送信データのシーケンス番号が示される。このため、再送管理部11は、データ受信部8からの通知に示されるシーケンス番号に基づいて、再送データリスト13のエントリのうち、ACKデータが受信された送信データについてのエントリを削除する。
エントリを再送データリスト13から削除したら、再送管理部11はステップS15に戻る。
受信されたデータが送信データであれば、データ受信部8はステップS21に進む。一方、受信されたデータがACKデータであれば、データ受信部8はステップS23に進む。
また、データ受信部8は、ステップS22において、ACKデータ生成部9に、受信した送信データのACKデータを、送信データの送信元に送信するよう指示する。
そして、データ受信部8はステップS19に戻り、次のデータ到着通知の到着を待つ。
そして、データ受信部8はステップS19に戻り、次のデータ到着通知の到着を待つ。
次に、ACKデータ生成部9は、ステップS25において、ステップS24で生成したACKデータのメモリアドレスを該当する送信キュー14に格納する。
つまり、ACKデータ生成部9は、送信データ管理部10で管理されている複数の送信キュー14のうち、ACKデータのプロトコルに対応するタイムスロットのエントリの送信キュー14にステップS24で生成したACKデータのメモリアドレスを格納する。
次に、ACKデータ生成部9は、ステップS27で、データ送信部6からデータ送信完了通知が届いたかどうかを確認する。
データ送信完了通知が届いていない場合は、ACKデータ生成部9は、ステップS26及びステップS27をデータ送信完了通知が届くまで繰り返す。
データ送信完了通知が届いたら、ACKデータ生成部9は、処理を終了する。
また、受信アプリケーション16の動作は、受信されたデータをデータ受信部8から取得し、受信アプリケーション16独自の処理を当該データに対して行うだけである。
このため、送信アプリケーション15及び受信アプリケーション16の処理手順の説明は省略する。
従来の手法であれば、送信制御部12が送信キュー14に送信データのメモリアドレスを格納した時刻(図5のステップS2の時刻)を基準して再送時刻が決定される。このため、送信タイムスロットではないタイムスロットで送信キュー14に送信データが格納された場合は、送信タイムスロットが到来するまでに再送時刻が到来してしまい、送信データの1回目の送信と同時に送信データの再送が行われてしまう可能性がある。また、送信データの1回目の送信の後に再送時刻が到来する場合であっても、送信データの1回目の送信の直後に再送時刻が到来すると、受信側の通信装置がACKデータを送信する前に送信データが再送されることになる。いずれのケースにおいても、送信データは受信側の通信装置に到達するにも関わらず、無駄に送信データの再送が発生することになる。
本実施の形態では、データ送信部6が送信データの送信を完了した時刻(図7のステップS10の時刻)を基準にして再送時刻が決定される(図7のステップS11)。従って、本実施の形態では、送信データの1回目の送信と同時に送信データの再送が行われることはない。また、本実施の形態では、送信データの1回目の送信の直後に再送時刻が到来することもない。
このように、本実施の形態では、TSNのように、タイムスロットの単位で送信するデータの種類を切り替えてデータを送信する構成において、無駄な再送を防止することができる。
本実施の形態では、現在のタイムスロットが送信タイムスロットではなく、また、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が閾値時間以下である場合に、通信装置101が、実施の形態1と同様に送信データを送信する。一方、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が閾値時間よりも長い場合は、通信装置101は、送信データを再送する手順にて送信データを送信する。
以下では、再送間隔を閾値時間として扱う。再送間隔は、送信データの1回目の送信から再送までの間の間隔として通信装置101において規定されているデフォルト値である。
本実施の形態においても、通信システムの構成例は図1に示すものと同様である。
図11は、本実施の形態に係る通信装置101の機能構成例を示す。
図11に示す通信装置101の機能構成例は、図2に示すものと同じであるが、本実施の形態では、データ送信部6は、送信部及び再送部に相当する。また、データ送信部6により行われる処理は、送信処理及び再送処理に相当する。
次に、本実施の形態に係る通信装置101の動作例を説明する。本実施の形態でも、通信装置102及び通信装置103は、通信装置101と同じ動作を行う。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
ステップS101は、実施の形態1で説明したステップS1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
現在のタイムスロットが送信タイムスロットであれば、送信制御部12はステップS105に進む。
一方、現在のタイムスロットが送信タイムスロットでなければ、送信制御部12はステップS103に進む。
次の送信タイムスロットまでの待ち時間が再送間隔以下である場合に、送信制御部12はステップS105に進む。
一方、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が再送間隔よりも長い場合に、送信制御部12はステップS106に進む。
つまり、送信制御部12は、ステップS101で生成した送信データのメモリアドレスを該当する送信キュー14に格納する(ステップS2)。
また、送信制御部12は、規定時間待機し(ステップS3)、データ送信部6からデータ送信完了通知が届いたかどうかを確認する(ステップS4)。
データ送信完了通知が届いていない場合は、送信制御部12は、ステップS3及びステップS4をデータ送信完了通知が届くまで繰り返す。
データ送信完了通知が届いたら、送信制御部12は、処理を終了する。
送信制御部12がステップS2からステップS4を行うと、データ送信部6は次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行い、また、次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定し(図7)、再送管理部11が次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行う(後述の図13)。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が再送間隔以下である場合は、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定させ、再送管理部11に次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第1の送信制御という。
送信制御部12は、次の送信タイムスロット内の時刻を再送時刻に決定する。
後述するように、再送管理部11は、ステップS106で通知された再送時刻と送信データのメモリアドレスとシーケンス番号を、新たなエントリとして再送データリスト13に登録する。この結果、データ送信部6は、再送データリスト13に従い、次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行う。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が再送間隔よりも長い場合は、再送管理部11に次の送信タイムスロットにおける送信データの再送の登録を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第2の送信制御という。
なお、ステップS106が行われた場合は、データ送信部6にステップS11にて再送時刻を決定しないように指示する。
通知が届いていれば、再送管理部11はステップS161に進む。一方、通知が届いていない場合は、再送管理部11はステップS12に戻る。
データ送信部6または送信制御部12からの通知が届いている場合は、再送管理部11はステップS17に進む。一方、データ受信部8からの通知が届いている場合は、再送管理部11はステップS18に進む。
送信制御部12からの通知は、図12のステップS106の通知である。つまり、送信制御部12からステップS106の通知が届いている場合にも、再送管理部11は、データ送信部6からの通知と同様に、送信制御部12からの通知に基づいて、再送データリスト13に新たなエントリを追加する。
本実施の形態では、現在のタイムスロットが送信タイムスロットではなく、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が閾値時間(再送間隔)よりも長い場合は、再送手順にて送信データの1回目の送信が行われる。このため、本実施の形態によれば、次の送信タイムスロットまでの待ち時間が閾値時間(再送間隔)よりも長い場合は、送信キュー14への送信データの格納等の手順を省略することができ、処理負荷を軽減することができる。つまり、本実施の形態により、より効率的なデータ送信を実現することができる。
また、従来技術での再送時刻により近い時刻でデータの再送処理が可能となる。
なお、以上では、閾値時間を再送間隔としているが、閾値時間は再送間隔でなくてもよい。
本実施の形態では、現在のタイムスロットが送信タイムスロットであり、また、現在のタイムスロットの残り時間が閾値時間よりも長い場合に、通信装置101が、現在のタイムスロットでの送信データの送信を選択する。一方、現在のタイムスロットの残り時間が閾値時間以下である場合は、通信装置101は、次の送信タイムスロットでの送信データの送信を選択する。
本実施の形態では、送信所要時間を閾値時間として扱う。送信所要時間は、データ送信部6が送信データを送信するのに要する時間である。
本実施の形態においても、通信システムの構成例は図1に示すものと同様である。
また、本実施の形態においても通信装置101の機能構成は図11に示すものと同様である。
次に、本実施の形態に係る通信装置101の動作例を説明する。本実施の形態でも、通信装置102及び通信装置103は、通信装置101と同じ動作を行う。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
ステップS201は、実施の形態1で説明したステップS1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
再送間隔よりもタイムスロットの割り当て時間が長い場合は、送信制御部12はステップS203に進む。一方、タイムスロットの割り当て時間が再送間隔以下であれば、送信制御部12はステップS207に進む。
現在のタイムスロットが送信タイムスロットであれば、送信制御部12はステップS204に進む。
一方、現在のタイムスロットが送信タイムスロットでなければ、送信制御部12はステップS208に進む。
現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間よりも長ければ、送信制御部12はステップS207に進む。一方、現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間以下であれば、送信制御部12はステップS208に進む。
つまり、送信制御部12は、ステップS101で生成した送信データのメモリアドレスを該当する送信キュー14に格納する(ステップS2)。
また、送信制御部12は、規定時間待機し(ステップS3)、データ送信部6からデータ送信完了通知が届いたかどうかを確認する(ステップS4)。
データ送信完了通知が届いていない場合は、送信制御部12は、ステップS3及びステップS4をデータ送信完了通知が届くまで繰り返す。
データ送信完了通知が届いたら、送信制御部12は、処理を終了する。
送信制御部12がステップS2からステップS4を行うと、データ送信部6は次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行い、また、次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定し(図7)、再送管理部11が次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行う(図13)。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間よりも長ければ、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定させ、再送管理部11に次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第1の送信制御という。
送信制御部12は、次の送信タイムスロット内の時刻を再送時刻に決定する。
本実施の形態でも、再送管理部11は、ステップS208で通知された再送時刻と送信データのメモリアドレスとシーケンス番号を、新たなエントリとして再送データリスト13に登録する。この結果、データ送信部6は、再送データリスト13に従い、次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行う。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間以下であれば、再送管理部11に次の送信タイムスロットにおける送信データの再送の登録を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第2の送信制御という。
なお、ステップS208が行われた場合は、データ送信部6にステップS11にて再送時刻を決定しないように指示する。
実施の形態1の方法では、現在のタイムスロットが送信タイムスロットであり、現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間以下であっても、通信装置101は送信データの送信処理を行う。しかし、この場合は、通信装置101は現在のタイムスロット内で送信データを送信することはできないので、現在のタイムスロット内で行った送信処理が無駄になる。
そこで、本実施の形態では、現在のタイムスロットの残り時間が送信所要時間以下である場合は、通信装置101は、現在のタイムスロットでは送信データを送信せずに、次の送信タイムスロットに送信データを送信する。この結果、本実施の形態によれば、効率的なデータ送信を行うことができる。
本実施の形態でも、実施の形態3と同様に、現在のタイムスロットが送信タイムスロットであり、また、現在のタイムスロットの残り時間が閾値時間よりも長い場合に、通信装置101が、現在のタイムスロットでの送信データの送信を選択する。一方、現在のタイムスロットの残り時間が閾値時間以下である場合は、通信装置101は、次の送信タイムスロットでの送信データの送信を選択する。
本実施の形態では、受信確認所要時間を閾値時間として扱う。受信確認所要時間は、送信データの送信から、送信データの送信先から送信データについての受信確認(ACKデータ)を受信するまでに要する時間である。
本実施の形態においても、通信システムの構成例は図1に示すものと同様である。
また、本実施の形態においても通信装置101の機能構成は図11に示すものと同様である。
次に、本実施の形態に係る通信装置101の動作例を説明する。本実施の形態でも、通信装置102及び通信装置103は、通信装置101と同じ動作を行う。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
ステップS301は、実施の形態1で説明したステップS1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
再送間隔よりもタイムスロットの割り当て時間が長い場合は、送信制御部12はステップS303に進む。一方、タイムスロットの割り当て時間が再送間隔以下であれば、送信制御部12はステップS307に進む。
現在のタイムスロットが送信タイムスロットであれば、送信制御部12はステップS304に進む。
一方、現在のタイムスロットが送信タイムスロットでなければ、送信制御部12はステップS308に進む。
現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間よりも長ければ、送信制御部12はステップS307に進む。一方、現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間以下であれば、送信制御部12はステップS308に進む。
つまり、送信制御部12は、ステップS101で生成した送信データのメモリアドレスを該当する送信キュー14に格納する(ステップS2)。
また、送信制御部12は、規定時間待機し(ステップS3)、データ送信部6からデータ送信完了通知が届いたかどうかを確認する(ステップS4)。
データ送信完了通知が届いていない場合は、送信制御部12は、ステップS3及びステップS4をデータ送信完了通知が届くまで繰り返す。
データ送信完了通知が届いたら、送信制御部12は、処理を終了する。
送信制御部12がステップS2からステップS4を行うと、データ送信部6は次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行い、また、次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定し(図7)、再送管理部11が次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行う(図13)。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間よりも長ければ、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロット内の再送時刻を決定させ、再送管理部11に次の送信タイムスロット内の再送時刻での送信データの再送の登録を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第1の送信制御という。
送信制御部12は、次の送信タイムスロット内の時刻を再送時刻に決定する。
本実施の形態でも、再送管理部11は、ステップS308で通知された再送時刻と、送信データのメモリアドレスとシーケンス番号を、新たなエントリとして再送データリスト13に登録する。この結果、データ送信部6は、再送データリスト13に従い、次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行う。
このように、本実施の形態では、送信制御部12は、現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間以下であれば、再送管理部11に次の送信タイムスロットにおける送信データの再送の登録を行わせ、データ送信部6に次の送信タイムスロットにおいて送信データの送信を行わせる。送信制御部12のこのような制御は、第2の送信制御という。
なお、ステップS308が行われた場合は、データ送信部6にステップS11にて再送時刻を決定しないように指示する。
実施の形態1の方法では、現在のタイムスロットが送信タイムスロットであり、現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間以下であっても、通信装置101は送信データを送信する。しかし、この場合は、ACKデータは現在のタイムスロットでは通信装置101に届かない。このため、通信装置101にACKデータが届く前に再送時刻が到来し、通信装置101は、送信データが受信側の通信装置に届いているにも関わらず、送信データを再送することになる。
そこで、本実施の形態では、現在のタイムスロットの残り時間が受信確認所要時間以下である場合は、通信装置101は、現在のタイムスロットでは送信データを送信せずに、次の送信タイムスロットに送信データを送信する。この結果、本実施の形態では、無駄な再送を防止することができる。
あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。
あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
最後に、通信装置101のハードウェア構成の補足説明を行う。
プロセッサ2は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ2は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
メモリ3は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
ネットワークインタフェース4は、データを送受信する電子回路である。
ネットワークインタフェース4は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ2により実行される。
プロセッサ2はOSの少なくとも一部を実行しながら、データ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の機能を実現するプログラムを実行する。
また、データ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の処理の結果を示す情報、データ、信号値又は変数値が、メモリ3、又は、プロセッサ2内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
また、データ送信部6、タイムスロット管理部7、データ受信部8、ACKデータ生成部9、再送管理部11及び送信制御部12の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に記憶されてもよい。
なお、プロセッサ及び上記の電子回路を総称してプロセッシングサーキットリーともいう。
Claims (11)
- 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する送信部と、
データの再送の登録を行う再送管理部と、
前記再送管理部により再送の登録が行われたデータを再送する再送部と、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、現在のタイムスロットが送信タイムスロットでない場合に、次の送信タイムスロットまでの待ち時間と閾値時間とを比較し、比較結果に基づき、前記送信部に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせ前記再送管理部に前記送信データの再送の登録を行わせる第1の送信制御と、前記再送管理部に次の送信タイムスロットにおける前記送信データの再送の登録を行わせ前記再送部に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせる第2の送信制御とのいずれかを選択し、選択した送信制御を行う送信制御部とを有する通信装置。 - 前記送信制御部は、
前記閾値時間として、前記再送部によりデータが再送される場合の再送間隔を、次の送信タイムスロットまでの待ち時間と比較し、
前記待ち時間が前記再送間隔以下である場合に、前記第1の送信制御を選択し、
前記待ち時間が前記再送間隔よりも長い場合に、前記第2の送信制御を選択する請求項1に記載の通信装置。 - 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する送信部と、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、現在のタイムスロットが送信タイムスロットである場合に、現在のタイムスロットの残り時間と閾値時間とを比較し、現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間よりも長い場合に、現在のタイムスロットでの前記送信データの送信を選択し、現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間以下である場合に、次の送信タイムスロットでの前記送信データの送信を選択する送信制御部とを有する通信装置。 - 前記送信制御部は、
前記閾値時間として、前記送信部が前記送信データを送信するのに要する送信所要時間を現在のタイムスロットの残り時間と比較する請求項3に記載の通信装置。 - 前記送信制御部は、
前記閾値時間として、前記送信データの送信先から前記送信データについての受信確認を受信するまでの受信確認所要時間を現在のタイムスロットの残り時間と比較する請求項3に記載の通信装置。 - 前記通信装置は、更に、
データの再送の登録を行う再送管理部と、
前記再送管理部により再送の登録が行われたデータを再送する再送部とを有し、
前記送信制御部は、
現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間よりも長い場合に、前記送信部に現在のタイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせ前記再送管理部に前記送信データの再送の登録を行わせる第1の送信制御を選択し、
現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間以下である場合に、前記再送管理部に次の送信タイムスロットにおける前記送信データの再送の登録を行わせ前記再送部に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせる第2の送信制御を選択し、
選択した送信制御を行う請求項3に記載の通信装置。 - 前記送信制御部は、
現在のタイムスロットが送信タイムスロットでない場合に、前記第2の送信制御を行う請求項6に記載の通信装置。 - 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する送信部と、
前記送信部により送信されたデータの再送の登録を行う再送管理部と、
前記再送管理部により再送の登録が行われたデータを再送する再送部とを有する通信装置が、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、
現在のタイムスロットが送信タイムスロットでない場合に、次の送信タイムスロットまでの待ち時間と閾値時間とを比較し、
比較結果に基づき、前記送信部に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせ前記再送管理部に前記送信データの再送の登録を行わせる第1の送信制御と、前記再送管理部に次の送信タイムスロットにおける前記送信データの再送の登録を行わせ前記再送部に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせる第2の送信制御とのいずれかを選択し、選択した送信制御を行う通信方法。 - 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する通信装置が、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、
現在のタイムスロットが送信タイムスロットである場合に、現在のタイムスロットの残り時間と閾値時間とを比較し、
現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間よりも長い場合に、現在のタイムスロットでの前記送信データの送信を選択し、現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間以下である場合に、次の送信タイムスロットでの前記送信データの送信を選択する通信方法。 - 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する送信処理と、
前記送信処理により送信されたデータの再送の登録を行う再送管理処理と、
前記再送管理処理により再送の登録が行われたデータを再送する再送処理と、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、現在のタイムスロットが送信タイムスロットでない場合に、次の送信タイムスロットまでの待ち時間と閾値時間とを比較し、比較結果に基づき、前記送信処理に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせ前記再送管理処理に前記送信データの再送の登録を行わせる第1の送信制御と、前記再送管理処理に次の送信タイムスロットにおける前記送信データの再送の登録を行わせ前記再送処理に次の送信タイムスロットにおいて前記送信データの送信を行わせる第2の送信制御とのいずれかを選択し、選択した送信制御を行う送信制御処理とを通信装置に実行させる通信プログラム。 - 送信するデータの種類をタイムスロットの単位で切り替えてデータを送信する通信装置に、
送信データが発生した際に、現在のタイムスロットが前記送信データの種類に対応するタイムスロットである送信タイムスロットであるか否かを判定し、現在のタイムスロットが送信タイムスロットである場合に、現在のタイムスロットの残り時間と閾値時間とを比較し、現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間よりも長い場合に、現在のタイムスロットでの前記送信データの送信を選択し、現在のタイムスロットの残り時間が前記閾値時間以下である場合に、次の送信タイムスロットでの前記送信データの送信を選択する送信制御処理を実行させる通信プログラム。
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