JP6798375B2 - 摩擦材の製造方法及び摩擦材 - Google Patents

摩擦材の製造方法及び摩擦材 Download PDF

Info

Publication number
JP6798375B2
JP6798375B2 JP2017050404A JP2017050404A JP6798375B2 JP 6798375 B2 JP6798375 B2 JP 6798375B2 JP 2017050404 A JP2017050404 A JP 2017050404A JP 2017050404 A JP2017050404 A JP 2017050404A JP 6798375 B2 JP6798375 B2 JP 6798375B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
water
absorbent polymer
friction
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017050404A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018155270A (ja
Inventor
拓央 吉田
拓央 吉田
勇太 小池
勇太 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advics Co Ltd
Original Assignee
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advics Co Ltd filed Critical Advics Co Ltd
Priority to JP2017050404A priority Critical patent/JP6798375B2/ja
Priority to PCT/JP2018/010113 priority patent/WO2018168980A1/ja
Publication of JP2018155270A publication Critical patent/JP2018155270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6798375B2 publication Critical patent/JP6798375B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

本発明は、車両用のブレーキ装置等に使用される摩擦材の製造方法及び摩擦材に関する。
従来から、梅雨期や早朝等の比較的低温で高湿環境下に放置した後に、ブレーキを制動すると、効きが異常に高くなることが知られていた。その結果、ブレーキ時の衝撃が大きくなり、カックンブレーキやブレーキ鳴きを発生したりする。これらの現象は、摩擦材の摩耗粉が水分を吸湿して凝集することにより、摩擦材とロータとの間の真実接触面積を増大させていることに起因する。特に、環境負荷の観点から銅成分の使用を制限する動きが高まる中、銅が有する展延性により摩耗粉を取り混みながらロータ面を適度に粗らして摩耗粉を排出する真実接触面積の低減効果が期待できないので、効きの異常上昇によってブレーキ鳴きが発生し易い。
かかる高湿環境放置後のブレーキ制動時における異常効きや鳴き現象の発生を抑制するための種々の方策が提案されている。例えば、特許文献1には、V(車速)に対するμ(摩擦係数)の負の勾配(μ−V負勾配)を低減させれば、低温、高湿環境下に放置後のブレーキ鳴きの発生が低減することが開示されている。詳細には、摩擦材において、研削材として50%粒子径が0.1〜5.0μmの範囲の酸化ジルコニウムを摩擦材組成物全量に対して15〜35質量%で含有し、かつ酸化ジルコニウム以外のモース硬度7.0以上の研削材の含有量を摩擦材組成物全量に対して2.0質量%以下としている。その結果、ロータとの擦り合わせ後の摩擦材摺動面が平滑となり、低温、高湿環境下に放置後の一制動中の摩擦材表面とロータの真実接触面積の増大が抑制されるので、μ−V負勾配が低減され、ブレーキ鳴きが低減すると記載されている。
また、特許文献2には、消石灰が熱履歴を受けると生石灰(酸化カルシウム)に変化し、多湿環境下では水分を吸収してクリーム化する特徴を利用し、摩擦材に充填材としての消石灰を多量(少なくとも7〜30体積%)に含有し、且つアルミニウム粒子を少量(2.0〜3.5体積%)含有している。その結果、効きの上昇抑制(すなわち、朝効き(ME)現象の防止)に一定の効果が認められたことが開示されている。
特許文献3には、摩擦調整材として親水性活性炭を含有する摩擦材が、硫酸イオンと水分を吸着する機能を有すると記載されている。この親水性活性炭は摩擦材組成物全量に対して0.4〜5.0重量%で含有するものであり、その平均粒子径が80〜200μmである。また、結合材として親水性フェノール樹脂を摩擦材組成物全量に対して8〜12重量%で含有するものであることが好ましいことが開示されている。当該摩擦材が吸着する硫酸イオンと水分は発錆の要因となるものであり、これによりロータや摩擦材の錆固着を抑制することができると記載されている。
特開2010−24429号公報 特開2007−84643号公報 特開2014−12766号公報
しかしながら、特許文献1で開示された技術は、摩擦材において酸化ジルコニウムの含有量が15〜35質量%と多量であることから、ロータへの攻撃性が高く、ロータの摩耗及びDTV(disk thickness variation、ディスク厚偏差)成長によるブレーキ振動(シャダー)の悪化が想定される。特許文献2で開示された技術は、消石灰を多量に含有するため、フェノール樹脂等の結合材のフロー阻害顕著となり、摩擦材の強度の低下が想定される。特許文献3で開示された技術は、活性炭を用いているので、高湿度環境下における水分の吸着や、結露した水分等の液状の水分の吸着が不十分となり、ブレーキ鳴き現象の発生を効果的に抑制できないことが想定される。
そこで、本発明は、高湿環境下において鳴き現象の発生を効果的に低減することができる摩擦材の製造方法及び摩擦材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行い、摩擦材の製造時に粉体状の吸水性ポリマーを含有させることにより、高湿度環境下に放置後のブレーキ制動時における水分の影響を最小限に抑えられることに着目した。その結果、摩耗粉同士の凝集が抑制され、摩擦材の相手材であるロータとの真実接触面積の増大を抑制し、鳴き現象の発生を低減することができることを見出した。また、無機充填材としてモース硬度が6.5以上で特定の平均粒子径を有する無機物を所定量含有させることにより、相手材に対する適度な面粗し効果が得られ、効果的に摩耗粉を排出することができることも見出した。これにより、摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制による鳴き現象の発生を更に効果的に低減することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、摩擦材の製造方法及び摩擦材は、以下の〔1〕〜〔6〕に関する。
〔1〕元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
前記混合工程において、前記摩擦材原料全体に対して前記吸水性ポリマーを0.1〜3.0重量%混合する摩擦材の製造方法。
上記〔1〕の方法で製造された摩擦材は、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を低減することができる。これは、吸水性ポリマーの存在により、摩擦材と相手材であるロータとの摩擦面における水分が効率よく除去されて摩耗粉同士の凝集が抑制され、摩擦材と相手材との真実接触面積の増大を抑制することができるからである。更に、粉体状の吸水性ポリマーを摩擦材原料として混合することで、この吸水性ポリマーが水酸化カルシウムに由来する二価金属イオンと不可逆的なイオン架橋を形成することなく残存し易くなる。その結果、吸水性ポリマーはその吸水性能を良好に保持した状態で摩擦材中に存在することとなり、摩擦面内の水分が効果的に吸収され、鳴き現象の発生を確実に低減させることができる。また、前記摩擦材原料全体に対して前記吸水性ポリマーを0.1〜3.0重量%混合することにより、摩擦材と相手材との摩擦面における水分を効率よく除去することができると共に、摩擦材に要求される強度と耐摩耗性とが保持される。
〔2〕元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩である摩擦材の製造方法。
上記〔2〕の方法で製造された摩擦材は、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を低減することができる。これは、吸水性ポリマーの存在により、摩擦材と相手材であるロータとの摩擦面における水分が効率よく除去されて摩耗粉同士の凝集が抑制され、摩擦材と相手材との真実接触面積の増大を抑制することができるからである。更に、粉体状の吸水性ポリマーを摩擦材原料として混合することで、この吸水性ポリマーが水酸化カルシウムに由来する二価金属イオンと不可逆的なイオン架橋を形成することなく残存し易くなる。その結果、吸水性ポリマーはその吸水性能を良好に保持した状態で摩擦材中に存在することとなり、摩擦面内の水分が効果的に吸収され、鳴き現象の発生を確実に低減させることができる。また、吸水性能の高いポリアクリル酸のアルカリ金属塩を吸水性ポリマーとして使用することにより、摩擦面内の水分が効果的に吸収されるので、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を確実に低減できる。
〔3〕元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウムである摩擦材の製造方法。
上記〔3〕の方法で製造された摩擦材は、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を低減することができる。これは、吸水性ポリマーの存在により、摩擦材と相手材であるロータとの摩擦面における水分が効率よく除去されて摩耗粉同士の凝集が抑制され、摩擦材と相手材との真実接触面積の増大を抑制することができるからである。更に、粉体状の吸水性ポリマーを摩擦材原料として混合することで、この吸水性ポリマーが水酸化カルシウムに由来する二価金属イオンと不可逆的なイオン架橋を形成することなく残存し易くなる。その結果、吸水性ポリマーはその吸水性能を良好に保持した状態で摩擦材中に存在することとなり、摩擦面内の水分が効果的に吸収され、鳴き現象の発生を確実に低減させることができる。また、吸水性能の高いポリアクリル酸ナトリウムを吸水性ポリマーとして使用することにより、摩擦面内の水分が効果的に吸収されるので、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を確実に低減できる。更に、ポリアクリル酸ナトリウムは、工業的に安価であることから、摩擦材の製造コストの削減を図ることができる。
〔4〕前記混合工程において、前記摩擦材原料全体に対して水分含有量が1.0重量%以下である上記〔1〕〜〔3〕の何れかの摩擦材の製造方法。
上記〔4〕の製造方法によれば、摩擦材原料全体に対する水分含有量を特定することにより、吸水性ポリマーはその吸水性能を良好に保持した状態で摩擦材中に存在することとなる。吸水性ポリマーはその親水基が、pH調整材として添加された水酸化カルシウム等に由来にする金属イオンと不可逆的なイオン架橋を形成せずに残存し易くなるため、摩擦面内の水分を効果的に吸収することができる。その結果、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を効果的に低減できる。
〔5〕前記混合工程において、前記摩擦材原料が、前記無機充填材としてモース硬度6.5以上で、平均粒子径10〜200nmの無機物を前記摩擦材原料全体に対して0.1〜1.0重量%含有する上記〔1〕〜〔4〕の摩擦材の製造方法。
上記〔5〕の製造方法によれば、無機充填材としてモース硬度6.5以上で、平均粒子径10〜200nmの無機物を摩擦材原料全体に対して0.1〜1.0重量%含有することにより、相手材に対する適度な面粗し効果が得られ、効果的に摩耗粉を排出することができる。その結果、摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制され、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生をより効果的に低減できる。しかも、摩擦材に上記無機物を含有させれば、摩擦材に要求される強度と耐摩耗性とを保持することができる。
〔6〕繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーの含有量が前記摩擦材原料全体に対して0.1〜3.0重量%である摩擦材。
〔7〕繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩である摩擦材。
〔8〕繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウムである摩擦材。
上記〔6〕の摩擦材によれば、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制して、鳴き現象の発生を低減することができる。また、前記摩擦材原料全体に対して前記吸水性ポリマーを0.1〜3.0重量%混合することにより、摩擦材と相手材との摩擦面における水分を効率よく除去することができると共に、摩擦材に要求される強度と耐摩耗性とが保持される。
上記〔7〕の摩擦材によれば、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制して、鳴き現象の発生を低減することができる。また、水性能の高いポリアクリル酸のアルカリ金属塩を吸水性ポリマーとして使用することにより、摩擦面内の水分が効果的に吸収されるので、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を確実に低減できる。
上記〔8〕の摩擦材によれば、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制して、鳴き現象の発生を低減することができる。また、吸水性能の高いポリアクリル酸ナトリウムを吸水性ポリマーとして使用することにより、摩擦面内の水分が効果的に吸収されるので、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を確実に低減できる。更に、ポリアクリル酸ナトリウムは、工業的に安価であることから、摩擦材の製造コストの削減を図ることができる。
本実施形態に係る摩擦材の実施例の摩擦材原料の配合組成とその性能評価を要約した図である。 本実施形態に係る摩擦材の実施例及び比較例の摩擦材原料の配合組成とその性能評価を要約した図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、本実施形態は本発明を具体的に説明するための例示に過ぎず、したがって、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(摩擦材の製造方法)
本実施形態に係る摩擦材の製造方法は、摩擦材原料を混合する混合工程と、混合された摩擦材原料を所定の形状に成形する成形工程とを備えている。
本実施形態に係る摩擦材の製造方法は、混合工程において、摩擦材原料を秤量し、これらを均一に混合する。摩擦材原料は、本実施形態に係る摩擦材の製造方法を実施する上で混合する全ての材料であり、後述する繊維基材、結合材、有機充填材、及び無機充填材等が含有される。特に、有機充填材として吸水性ポリマーを含有し、無機充填材としてpH調整材の機能を有する水酸化カルシウムを含有する。更に、これらの他にも摩擦材を製造する際に一般に使用される材料が摩擦材原料に該当する。
本実施形態に係る摩擦材の製造方法で製造される摩擦材は、非石綿系摩擦材(NAO材)である。また、摩擦材原料として環境負荷の高い銅成分を実質的に含有するものではない(銅フリー化)。具体的には、銅成分は含有しないか、含有する場合であっても摩擦材原料全体に対して0.5重量%以下である。本実施形態に係る摩擦材の製造方法で製造される摩擦材は、銅フリー化の動きに十分に対応するものである。
繊維基材は、有機繊維や金属繊維、天然又は人造の無機繊維等を例示することができる。繊維基材の具体例は、有機繊維としては芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、アクリル繊維、セルロース繊維、及び、炭素繊維等を挙げることができ、金属繊維としてはスチール、ステンレス、アルミ、亜鉛、及び、スズ等の単独金属、並びに、それぞれの合金金属の繊維等を挙げることができ、無機繊維としてはロックウール、及び、ガラス繊維等を挙げることができる。繊維基材は、1種類を単独で、又は、複数種類を併用することもできる。また、繊維基材の含有量は特に制限されるものではないが、摩擦材原料全体に対して、好ましくは3〜15重量%で含有する。
結合材は、摩擦材原料を結合させる機能を有し、摩擦材に強度を与えるものである。結合材の具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、及び、イミド樹脂等を挙げることができ、それぞれのエストラマー、炭化水素樹脂、及び、エポキシ等の変性した樹脂を使用することもできる。結合材は、1種類を単独で、又は、複数種類を併用することもできる。また、結合材の含有量は特に制限されるものではないが、摩擦材原料全体に対して、好ましくは3〜10重量%で含有する。
有機充填材は、吸水性ポリマーを含有する。ここで、吸水性ポリマーは、その分子内に多数の親水基を有したポリマーであり、モノマーを重合、及び、必要に応じて架橋することにより三次元の網目構造を示す。親水基は、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、リン酸基、及びエーテル等が例示でき、好ましくは、プロトン解離型の親水基である。
吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸(塩)系、ポリスルホン酸(塩)系、無水マレイン酸(塩)系、ポリアスパラギン酸(塩)系、ポリグルタミン酸(塩)系、ポリアルギン酸(塩)系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系、ポリエチレンイミン系、ポリビニルピロリドン系、及び、アクリロニトリル等のグラフト重合若しくはカルボキシメチル化によるデンプン系及びセルロース系の吸水性ポリマー、並びに、これらの誘導体を例示できるが、これらに限定するものではなく、公知の吸水性ポリマーを使用することができる。ここで、塩は水分子の存在により解離可能な塩であり、好ましくはアルカリ金属塩等の一価イオンとの塩が好ましい。特に好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウムやポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸のアルカリ金属塩、及び、ポリアクリル酸アンモニウム等のポリアクリル酸塩系の吸水性ポリマーである。
吸水性ポリマーは、好ましくは水を含まない状態であることが好ましい。吸水性ポリマーの性状は、例えば、粉体状、粒子状、及び繊維状等の固体とすることができる。吸水性ポリマーの吸水性能の保持、及び、他の摩擦材原料との均一な混合の観点から、粉体状とすることが好ましい。実質的に水分を含まない粉体状の吸水性ポリマーは、水溶液状又はエマルジョン状態の吸水性ポリマーに比べて、その吸水性能に貢献し得る親水基が、不可逆的なイオン架橋を形成せずに残存しやすくなり、その吸水性能を効果的に発揮することができる。
吸水性ポリマーは、ポリマー主鎖が適当な架橋剤で架橋されていても、架橋されていなくてもよい。架橋剤としては特に制限はなく、吸水性ポリマーの架橋のために使用できる当該技術分野で公知の化合物を何れも使用することができ、例えば、N,N´−メチレンビスアクリルアミドやN,N´−エチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド系化合物、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテルや(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル系化合物、エチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート系化合物等を使用することができる。例えば、架橋性モノマーと共重合することによって架橋を行うことができる。架橋剤の使用量についても特に制限はなく、所望の架橋密度に応じて適宜設定することができる。
市販品も好適に使用でき、具体的には、ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成、アロン(登録商標)A−20P−X:粉末タイプ、粘度400〜600mPa・s/30℃(0.2%水溶液)、分子量500万)、ポリアクリル酸(東亜合成、ジュリマー(登録商標):粉末タイプ、粘度500〜1000mPa・s/25℃(10%水溶液))、架橋ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック(登録商標):粉末タイプ、粘度1500〜3000mPa・s/25℃(0.5%水溶液)、又は、粘度7000〜13000mPa・s/25℃(0.5%水溶液))等を使用することができる。
吸水性ポリマーは、自重の数百倍の高い吸水性能を有する。かかる吸水性能を、ポリアクリル酸塩等のプロトン解離性の親水基の塩を例にとって説明する。吸水性ポリマーは、乾燥時において分子間鎖が密に絡みあい三次元の網目構造を形成しているが、毛細管現象で内部に水分子が入り込む。水分子の存在により、吸水性ポリマー分子上の親水基の塩から金属イオンが解離し、親水基はアニオンとなる。すると、親水基同士が、同じ電荷を有することから電気的に反発し網目構造を広げ隙間の多い構造をとる。網目構造の内部は解離した金属イオンによりイオン濃度が上昇し、吸水性ポリマー内外でイオン濃度差が生じる。これにより、浸透圧が生じ、網目構造内部に水分子が取り込まれ吸水性ポリマーが膨潤され、高い吸水性能を発揮する。
吸水性ポリマーは、好ましくは0.1〜4.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%で含有させる。吸水性ポリマーの含有量は4.0重量%を超えると摩擦材の強度が低下し、耐摩耗性が悪化するため好ましくない。特に、3.0重量%以下であると、一般効力や摩耗特性が良好となる。一方、0.1重量%より少なくなると、吸水性ポリマーの吸水性能を発揮することができないことから、上記範囲で含有することが好ましい。
有機充填材は、吸水性ポリマーの他に、カシューダスト、ゴム粉、タイヤ粉、及び、フッ素ポリマー等を含有させることができ、これらを1種類単独で、又は、複数種類を併用することもできる。しかしながら、上記具体例に限定するものではなく、当該技術分野で公知の有機充填材を好ましく使用することができる。有機充填材の含有量も特に制限はなく、当該技術分野で通常使われる含有量とすることができる。
無機充填材は、pH調整材としての機能を有する水酸化カルシウムを含有する。水酸化カルシウムはカルシウムの水酸化物であり、二価金属イオンであるカルシウムイオンと水酸化物イオンに電離し、強アルカリ性を示す。
無機充填材としては、水酸化カルシウムの他に、無機摩擦調整材、チタン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、及び、ケイ酸カルシウム等を含有させることができる。チタン酸塩は、チタン酸アルカリ金属塩、チタン酸アルカリ金属・第二族塩等が例示でき、具体例としては、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸リチウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム等を挙げることができる。チタン酸塩は、摩擦材原料全体に対して好ましくは10〜30重量%で含有することができる。これにより、銅成分の削減による耐摩耗性悪化を補填することができる。
無機摩擦調整材として、二酸化ケイ素等のシリカ、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化クロム(酸化クロム(II)等)、酸化鉄(四三酸化鉄や酸化第二鉄等)、及び、セラミック粉等を含有することができる。無機摩擦調整材は、モース硬度6.5以上で平均粒子径が5〜250μm、好ましくは10〜200μmの無機物であり、上記の具体例に限定されることなく当該技術分野で公知の無機物を好ましく使用することができるが、好ましくは、酸化ジルコニウム、酸化クロム、又は酸化アルミニウムである。ここで、無機摩擦調整材の粒子径は200μmを超えると相手材であるロータへの攻撃の背反が問題となる。一方、10μmより小さくなると摩擦調整効果を得難いことから、上記範囲に調整することが好ましい。同様に無機摩擦調整材の含有量についても、摩擦材原料全体に対して、0.1〜1.5重量%が好ましく、0.1〜1.0重量%とすることが特に好ましい。ここで、無機摩擦調整材が1.0重量%を超えると相手材であるロータへの攻撃の背反が問題となる。一方、0.1重量%より小さくなると摩擦調整効果を得難いことから、上記範囲に調整することが好ましい。
鉄、アルミ、亜鉛、スズ等の単独金属、並びに、それぞれの合金金属による金属粉等の金属を含有させることができる。
これら無機充填材は、1種類を単独で、又は、複数種類を併用することもできる。無機充填材の含有量は特に制限はなく、当該技術分野で通常使われる含有量とすることができる。
摩擦材原料としては、潤滑材を含有することができ、具体例としては、コークス、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、及び金属硫化物等を挙げることができる。金属硫化物は、硫化スズ、三硫化アンチモン、二硫化モリブテン、硫化タングステン等が例示できる。潤滑材は、1種類を単独で、又は、複数種類を併用することもできる。潤滑材の含有量は特に制限はなく、当該技術分野で通常使われる含有量とすることができる。
混合方法は、摩擦材原料を均一に混合できる限り特に制限はなく、当該技術分野で公知の方法により行うことができる。摩擦材原料を粉体状で混合することが好ましく、これにより摩擦材原料を均一に混合することが容易となる。摩擦材原料は水分を含まない状態で、又は、水分が含まれる場合にも極微量の状態で混合することが好ましく、特に、吸水性ポリマーはその吸水性能保持のため水分を含まない状態で混合することが好ましい。したがって、水分量は摩擦材原料全体に対して1.0重量%以下とすることが好ましい。
混合方法としては、摩擦材原料を均一に混合できる限り特に制限はなく、当該技術分野で公知の方法により混合することができる。具体的には、フェンシェルミキサやレディーゲミキサ等の混合機を使用して混合することができ、例えば、常温で10分程度混合する。このとき、摩擦材原料の混合物が昇温しないように公知の冷却方法によって冷却しながら混合するようにしてもよい。
成形工程は、摩擦材原料をプレス等で押し固めることにより行うことができ、当該技術分野で公知の方法に基づいて行うことができる。プレスによる成形に際しては、摩擦材原料を加熱して押し固めて成形するホットプレス工法と、摩擦材原料を加熱せずに常温で押し固めて成形する常温プレス工法の何れで行ってもよい。ホットプレス工法で成形する場合には、例えば、成形温度を140℃〜200℃(好ましくは160℃)とし、成形圧力を10MPa〜30MPa(好ましくは20MPa)とし、成形時間を3分〜15分(好ましくは10分)とすることができる。常温プレス工法で成形する場合には、例えば、成形圧力を50MPa〜200MPa(好ましくは100MPa)とし、成形時間を5秒〜60秒(好ましくは15秒)とすることで成形することができる。続いて、クランプ処理(例えば、180℃、1MPa、10分)を行う。その後、150℃〜250℃、5分〜180分の熱処理(好ましくは、230℃、3時間)を行うことができる。
更に、必要に応じて、摩擦材の表面を研磨し摩擦面を形成する研磨工程を設けてもよい。
本実施形態に係る摩擦材の製造方法で製造される摩擦材は、車両等のディスクブレーキ用パッドに適用できるが、これに限られるものではなく、ブレーキシュー等、従来公知の摩擦材が適用できるものに適用することができる。当該摩擦材は、例えば、裏板としての金属板等の板状部材と一体化してブレーキ用パッドとして使用することができる。
(摩擦材)
本実施形態に係る摩擦材は、繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、元素として銅を含有しない、又は、銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを、無機充填材として水酸化カルシウムを含有するものである。この摩擦材は、上記した実施形態に係る摩擦材の製造方法により製造されるものである。なお、各摩擦材原料の種類、及び、含有量については上記した通りである。
(作用効果)
本実施形態に係る摩擦材の製造方法及び摩擦材によれば、高湿環境下において、初期ブレーキ操作時の摩擦材の相手材との真実接触面積の増大を抑制して、鳴き現象の発生を低減することができる。銅を含有する従来の摩擦材においては、銅がもつ展延性により、一部の摩耗粉を取り込みながら摩擦材と相手材であるロータとの摩擦面内で延び広がることから、摩耗粉を取り込んだ銅が相手材を適度に面粗ししながら摩擦面内から排出されることを繰り返す。これにより、摩擦材と相手材との真実接触面積を増大することなく、摩擦係数の上昇による異常効きや鳴き現象の発生を抑制していた。しかしながら、高湿度環境下に放置されると、摩耗粉が水分を吸湿し凝集することから、上記銅による面粗し作用のみでは真実接触面積の抑制、ひいては摩擦係数の上昇による異常効きや鳴き現象の発生を効果的に抑制することができない。特に、昨今の銅フリー化の動きの中では、銅による面粗し効果を期待することができず、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の、効きの異常上昇に伴って、ブレーキフィーリングの悪化を招くと共に、鳴き現象が発生していた。
本実施形態に摩擦材の製造方法及び摩擦材によれば、粉体状の吸水性ポリマーの存在により、摩擦材と相手材との摩擦面における水分を効率よく除去されて摩耗粉同士の凝集が抑制され、摩擦材と相手材との真実接触面積の増大を抑制することができる。これにより、高湿環境下における初期ブレーキ操作時の鳴き現象の発生を効果的に低減できる。
特に、本実施形態に係る摩擦材の製造方法及び摩擦材によれば、粉体状の吸水性ポリマーを摩擦材原料として混合することで、粉体状の吸水性ポリマーはその吸水性能を良好に保持した状態で摩擦材中に存在することとなる。一方、水溶液状やエマルジョン状で摩擦材原料と混合された場合には、カルボキシ基をはじめとする吸水性ポリマーの親水基は、摩擦材原料に含まれるpH調整材の水酸化カルシウム等に由来する二価金属イオン等と不可逆的なイオン架橋を形成することから吸水性能が低下する。本実施形態に係る摩擦材の製造方法及び摩擦材によれば、粉体状の吸水性ポリマーはその親水基が不可逆的なイオン架橋を形成せずに残存しやくすなるため、摩擦面内の水分を効果的に吸収することができる。
更に、本実施形態に係る摩擦材の製造方法及び摩擦材によれば、好ましくはモース硬度6.5以上で平均粒子径が10〜200μmである無機充填材を摩擦材原料に対して0.1〜1.0重量%含有することにより、相手材に対する適度な面粗し効果を得ることができる。この面粗し効果により摩耗粉の排出が繰り返され、摩擦材の相手材との真実接触面積の増大が抑制される。かかる効果も相まって、本実施形態の摩擦材の製造方法及び摩擦材は、高湿環境下での放置後に初期ブレーキ制動時の鳴き現象の発生を確実に低減できる。
以下に、本実施形態に係る摩擦材の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。
実施例1〜31及び比較例1〜3として、図1〜2に示す配合量に従って摩擦材原料を配合し作製した摩擦材をブレーキパッドに用い、一般効力、耐摩耗性、振動、ブレーキ鳴きについて評価を行った。なお、図中の各摩擦材原料の配合量の単位は、摩擦材原料全体に対する重量%である。
(一般効力)
JASO C406に準じて、第2効力試験の初速50km/hと100km/h時の平均摩擦数(μ)、及び、フェード摩擦係数(μ)を測定した。
ここでは、第2効力試験の初速50km/hと100km/h時の平均摩擦数を、下記の基準にて3段階で評価した。
〇:平均摩擦係数0.37以上0.43以下
△:平均摩擦係数0.34以上0.37未満、又は、0.43超え0.46未満
×:平均摩擦係数0.34未満、又は、0.46超える
フェード摩擦係数は、下記の基準にて3段階で評価した。
〇:フェード摩擦係数0.3以上
△:フェード摩擦係数0.2以上0.3未満
×:フェード摩擦係数0.2未満
(耐摩耗性)
JASO C427に準じて、100℃、200℃、400℃の各温度における摩耗試験を行い、摩耗材の厚み(mm)を測定し、摩耗量を算出した。制動回数1000回当たりの摩耗量に換算し、下記の基準にて4段階で評価した。
◎:0.20mm未満
〇:0.20mm以上0.25mm未満
△:0.25mm以上0.30mm未満
×:0.30mm以上
(振動)
ブレーキ振動に影響するロータ摩耗量を評価した。サンプルとして、摩擦材25mm×25mmのテストピースを使用し、当該テストピースをロータに面圧0.05MPaで押し付けた状態で、速度100km/hで24時間空転した際のロータ摩耗量を計測した(低面圧攻撃性)。ここでは、下記の基準にて3段階で評価した。
〇:ロータ摩耗量10μm未満
△:ロータ摩耗量10μm以上20μm未満
×:ロータ摩耗量20μm以上
(鳴き)
実車を使用しJASO C406相当の擦り合わせを実施後、一晩屋外で放置した。この実車を使用し、翌朝、初速5km/h、減速度0.1Gにて前後各10回制動し、発生したブレーキ鳴きの車内異音を評価した。ここでは、下記の基準にて2段階で評価した。
〇:異音発生なし、又は、わずかに聞き取れるが、一般ドライバーが不快に感じない許容レベルでの異音の発生
×:周囲の音に関わらずはっきりと聞こえ、一般ドライバーが不快に感じるレベルの異音の発生
結果を図1〜2に示す。実施例1〜31では、一般効力、耐摩耗性、振動、及び鳴き現象について、良好な結果が得られた。これにより、本実施例の摩擦材は、特に、吸水性ポリマーを0.1〜3.0重量%含有し、モース硬度6.5以上で平均粒子径10〜200nmの無機充填材を0.1〜1.0重量%含有した場合(実施例7〜17、19〜21)、一般効力、耐摩耗性、振動、及び鳴き現象について、より良好な結果となった。一方、粉体状のポリアクリル酸ナトリウムを含有しない比較例1〜3では、鳴きの発生が確認されたことから、本実施例で確認された鳴き現象発生の低減効果は粉体状の吸水性ポリマーによるものであることは明確である。また、粉体状の吸水性ポリマーは、架橋及び非架橋タイプを問わず、その効果を発揮し得ることも確認できた。
本発明の摩擦材の製造方法及び摩擦材は、車両等のディスクブレーキ用パッドやブレーキシュー等、摩擦材が要求される分野に適用することができる。

Claims (8)

  1. 元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
    繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
    前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
    前記混合工程において、前記摩擦材原料全体に対して前記吸水性ポリマーを0.1〜3.0重量%混合する摩擦材の製造方法。
  2. 元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
    繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
    前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
    前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩である摩擦材の製造方法。
  3. 元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下である摩擦材の製造方法であって、
    繊維基材、結合材、粉体状の吸水性ポリマーを含有する有機充填材、及び、水酸化カルシウムを含有する無機充填材を含む摩擦材原料を混合して摩擦材原料混合物を得る混合工程と、
    前記混合工程で得られた前記摩擦材原料混合物を所定の形状に成形する成形工程と、を含み、
    前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウムである摩擦材の製造方法。
  4. 前記混合工程において、前記摩擦材原料全体に対して水分含有量が1.0重量%以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の摩擦材の製造方法。
  5. 前記混合工程において、前記摩擦材原料がモース硬度6.5以上で、平均粒子径10〜200nmの前記無機充填材を前記摩擦材原料全体に対して0.1〜1.0重量%含有する請求項1〜4の何れか一項に記載の摩擦材の製造方法。
  6. 繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
    元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーの含有量が前記摩擦材原料全体に対して0.1〜3.0重量%である摩擦材。
  7. 繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
    元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩である摩擦材。
  8. 繊維基材、結合材、有機充填材、及び、無機充填材を含有し、
    元素として銅の含有量が摩擦材全体に対して0.5重量%以下であり、前記有機充填材として粉体状の吸水性ポリマーを含有し、前記無機充填材として水酸化カルシウムを含有し、前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウムである摩擦材。
JP2017050404A 2017-03-15 2017-03-15 摩擦材の製造方法及び摩擦材 Active JP6798375B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017050404A JP6798375B2 (ja) 2017-03-15 2017-03-15 摩擦材の製造方法及び摩擦材
PCT/JP2018/010113 WO2018168980A1 (ja) 2017-03-15 2018-03-15 摩擦材の製造方法及び摩擦材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017050404A JP6798375B2 (ja) 2017-03-15 2017-03-15 摩擦材の製造方法及び摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018155270A JP2018155270A (ja) 2018-10-04
JP6798375B2 true JP6798375B2 (ja) 2020-12-09

Family

ID=63523187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017050404A Active JP6798375B2 (ja) 2017-03-15 2017-03-15 摩擦材の製造方法及び摩擦材

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6798375B2 (ja)
WO (1) WO2018168980A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113774664B (zh) * 2021-09-18 2022-07-29 岳阳澳源通信材料有限公司 一种阻水纱线及其制备方法和在光缆光纤套管中的应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2265630C1 (ru) * 2004-06-22 2005-12-10 Алтайский государственный университет Фрикционный материал
JP2008024891A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Advics:Kk 摩擦材
JP6135629B2 (ja) * 2014-09-25 2017-05-31 株式会社アドヴィックス 摩擦材及び摩擦材の製造方法
JP6764216B2 (ja) * 2015-07-22 2020-09-30 日清紡ブレーキ株式会社 摩擦材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018155270A (ja) 2018-10-04
WO2018168980A1 (ja) 2018-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6037918B2 (ja) 摩擦材
US9914667B2 (en) Friction material
JP2015028176A (ja) 摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材
JP2008163178A (ja) ブレーキ用摩擦材
WO2014098213A1 (ja) 摩擦材
WO2014007130A1 (ja) 摩擦材
WO2017170560A1 (ja) 摩擦材組成物
JPWO2003052022A1 (ja) 摩擦材組成物及び摩擦材組成物を用いた摩擦材
JP6798375B2 (ja) 摩擦材の製造方法及び摩擦材
JPWO2020158735A1 (ja) 摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材
JP6733604B2 (ja) 摩擦材
WO2015174435A1 (ja) 摩擦材
JP2010024429A (ja) 摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材
JP2007084643A (ja) 摩擦材
WO2021015002A1 (ja) 摩擦材
JP2017002110A (ja) ブレーキ摩擦材
WO2021015003A1 (ja) 摩擦材
JP2000178538A (ja) 摩擦材組成物及び摩擦材組成物を用いた摩擦材
JP2018002775A (ja) ブレーキ摩擦材
WO2023013396A1 (ja) 摩擦材組成物、摩擦材、及び摩擦部材
JP2017002109A (ja) ブレーキ摩擦材
JP2003003155A (ja) 摩擦材
US20220316543A1 (en) Friction material and friction material composition
EP4194404A1 (en) Friction adjusting material, friction material composition, friction material, and friction member
WO2023112698A1 (ja) チタン酸リチウムカリウム及びその製造方法、摩擦調整材、摩擦材組成物、摩擦材、並びに摩擦部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6798375

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150