JP6764216B2 - 摩擦材 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキパッドに使用されるNAO(Non-Asbestos-Organic)材の摩擦材組成物を成型した摩擦材に関する。
従来、乗用車の制動装置としてディスクブレーキが使用されており、その摩擦部材として金属製のベース部材に摩擦材が貼り付けられたディスクブレーキパッドが使用されている。
ディスクブレーキパッドに使用される摩擦材は、主に次の3種に分類されている。
<セミメタリック摩擦材>
繊維基材としてスチール繊維を摩擦材組成物全量に対して30重量%以上60重量%未満含有する摩擦材。
<ロースチール摩擦材>
繊維基材の一部にスチール繊維を含み、且つ、スチール繊維を摩擦材組成物全量に対して30重量%未満含有する摩擦材。
<NAO(Non-Asbestos-Organic)材>
繊維基材としてスチール繊維やステンレス繊維等のスチール系繊維を含まない摩擦材。
近年においてはブレーキの静寂性が求められており、ブレーキノイズの発生が少ないNAO材の摩擦材を使用した摩擦部材が広く使用されるようになってきている。
NAO材の摩擦材を、特許文献1のような流体式サービスブレーキ装置に電動パーキング機能を付加したタイプのディスクブレーキに使用すると錆固着が発生しやすくなるという問題がある。
錆固着とは、自動車がパーキングブレーキ状態で長期間放置された後に、ディスクロータと摩擦材が錆によって固着する現象である。
錆固着の原因となる発錆を抑制するため、摩擦材にはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等のpH調整材を添加する技術が知られている。
特許文献2には、繊維基材、摩擦調整材及び結合材よりなるブレーキ用摩擦材において、鉄の防錆に効果がある材料として、アルカリ金属アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カルシウム等)やアルカリ金属アルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム等)を有してなることを特徴とするブレーキ用摩擦材が記載されている。
特許文献3には、全組成物中にアルカリ金属塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を0.2〜5重量%含有してなる摩擦材組成物を加熱加圧成形してなる摩擦材が記載されている。
特許文献2や特許文献3の摩擦材によれば、摩擦材とディスクロータの接触面のpHをアルカリ性に保つことができ、ディスクロータの発錆を抑制することができるとされている。
また、摩擦材に撥水性を持つ原料を添加することにより、発錆を抑制する方法も検討されている。
特許文献4には、繊維基材、結合剤及び摩擦調整剤を含む自動車用非石綿ディスクブレーキパッドにおいて、該結合剤には少なくともシリコーン変性樹脂を含み、摩擦調整剤には平均粒径が0.5〜5μmでモース硬度7以上の研削材と平均粒径が250μm以下のカシューダストを含む有機充填剤を含有してなる自動車用非石綿ディスクブレーキパッドが記載されている。
特許文献4の自動車用非石綿ディスクブレーキパッドによれば、制動による摩擦によりディスクロータの摩擦面に発錆の原因となる水分を寄せ付けない撥水性の被膜を形成することができ、ディスクロータの発錆が抑制されるとされている。
このようなpH調整材と撥水性原料を併用すると、それぞれの作用により、極めて良好なディスクロータの発錆の抑制効果を得ることが理解できる。
しかし、その効果は摩擦材の使用初期に限定されるものであり、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合、発錆の抑制効果が著しく低下し、最後には錆固着が発生することが明らかになった。
特開2008−45703号公報 特開2000−205318号公報 特開2001−107027号公報 特開2002−266915号公報
本発明は、自動車等のディスクブレーキに使用される、NAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合でも発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止することができる摩擦材を提供する。
本発明者等は鋭意検討の結果、通常は発錆の直接的な原因となる水分を排除するため、摩擦材組成物に撥水性を持つ原料を添加するところであるが、pH調整材としてのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を含む摩擦材においては、逆に摩擦材自体に適度な吸水性を付与することにより、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合でも発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止できることを知見した。
さらに、潤滑材として特定の金属硫化物、摩擦調整材として特定の多孔質粒子、特定のチタン酸塩を添加するとその効果がより向上することを知見して本発明を完成させた。
本発明は、自動車等のディスクブレーキパッドに使用される、NAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材であって、以下の技術を基礎とするものである。
(1)結合材、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、pH調整材、充填材を含むNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、摩擦材組成物は、pH調整材としてアルカリ金属塩および/または水酸化カルシウムを摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%と、繊維基材としてフィブリル化された有機繊維を摩擦材組成物全量に対し1〜7重量%を含有し、且つ、撥水性成分の含有量が摩擦材組成物全量に対し0〜0.5重量%である摩擦材。
(2)pH調整材が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムから選ばれる1種または2種以上の組合せからなる(1)の摩擦材。
(3)フィブリル化された有機繊維がアラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維から選ばれる1種または2種以上の組合せからなる(1)または(2)の摩擦材。
(4)摩擦材組成物は潤滑材として硫化亜鉛を摩擦材組成物全量に対し0.5〜6重量%含有する(1)ないし(3)の摩擦材。
(5)摩擦材組成物は摩擦調整材として硫酸イオンの吸着能を有する多孔質無機粒子を0.5〜5重量%含有する(4)の摩擦材。
(6)硫酸イオンの吸着能を有する多孔質無機粒子が親水性活性炭である(5)の摩擦材。
(7)摩擦材組成物は無機摩擦調整材としてチタン酸マグネシウムカリウムを含有する(1)ないし(6)の摩擦材。
本発明によれば、自動車等のディスクブレーキに使用される、NAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合でも発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止することができる摩擦材を提供できる。
本発明は、結合材、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、pH調整材、充填材を含むNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、pH調整材としてアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%と、繊維基材としてフィブリル化された有機繊維を摩擦材組成物全量に対し1〜7重量%を含有し、且つ、撥水性成分の含有量が摩擦材組成物全量に対し0〜0.5重量%である摩擦材組成物を使用する。
上記の構成とすることにより、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合でも発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止することができる。
pH調整材としてアルカリ金属塩および/または水酸化カルシウムを摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%含有させることにより、摩擦材とディスクロータの接触面のpHがアルカリ性に保たれ、ディスクロータの発錆が抑制される。
パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置されると、摩擦材の表面に存在するpH調整材は空気中の水分により溶出し、徐々に減少してゆく。
そこで本発明では、繊維基材として吸水性を持つフィブリル化された有機繊維を摩擦材組成物全量に対し1〜7重量%を含有させ、且つ、吸水を阻害する撥水性成分の含有量を摩擦材組成物全量に対し0〜0.5重量%に制限することで、摩擦材自体に適度な吸水性を付与する。
このようにすることで、摩擦材の内部に水分が浸入しやすくなり、摩擦材の内部に存在するpH調整材が摩擦材の表面に染み出し、pH調整材による防錆効果を持続させることが可能となる。
pH調整材としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属塩、水酸化カルシウムから選ばれる1種または2種以上の組合せを使用することができる。
フィブリル化された有機繊維としては、アラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維から選ばれる1種または2種以上の組合せを使用することができる。
pH調整材としてのアルカリ金属塩、水酸化カルシウムの含有量が摩擦材組成物全量に対して2重量%未満であると充分な防錆効果を得ることができず、6重量%を超えると摩擦材の加熱加圧成型工程において結合材であるフェノール樹脂の硬化反応を阻害する要因となり、摩擦材の耐摩耗性が低下するという問題が生じる。
また、フィブリル化された有機繊維の含有量が摩擦材組成物全量に対して1重量%未満であると摩擦材自体に適度な吸水性を付与することができないため防錆効果の持続性が発現されず、7重量%を超えると混合工程においてファイバーボールが生成され、混合不良が発生しやすくなるという問題が生じる。
さらに本発明では潤滑材として硫化亜鉛を摩擦材組成物全量に対し0.5〜6重量%含有させる。
硫化亜鉛は、摩擦材に潤滑性を付与し、耐摩耗性を向上させる効果を有するとともに、制動時の摩擦材とディスクロータとの摩擦熱により分解し、金属亜鉛を生成させる特性を有する。
ディスクロータの摩擦面に金属亜鉛を含む被膜が形成されると、この金属亜鉛が犠牲陽極となり、ディスクロータの発錆が抑制される。
しかし、この硫化亜鉛は吸水すると徐々に酸化され硫酸亜鉛に変化し、発錆の原因となる硫酸イオンを生成する。
そこで本発明では硫酸イオンを吸着する多孔質無機粒子を摩擦材組成物全量に対し0.5〜5重量%含有させることにより、硫化亜鉛から生成される硫酸イオンによる発錆を抑制する。
多孔質無機粒子としてはゼオライト、活性炭、活性アルミナ等を使用することができる。
活性炭を単独で使用するのが好ましく、塩酸や硫酸等の酸で酸処理を施し表面が親水性となった親水性活性炭を使用するのが特に好ましい。
さらに本発明では無機摩擦調整材としてチタン酸マグネシウムカリウムを含有する。チタン酸マグネシウムカリウムは6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウムと比較してアルカリ溶出率が大きいため、摩擦材とディスクロータの接触面のpHをアルカリ性に保つことができ、発錆の抑制効果をより向上させることができる。
本発明の摩擦材は、上記のpH調整材、フィブリル化された有機繊維、硫化亜鉛、硫酸イオン吸着能を有する多孔質無機粒子の他に、通常摩擦材に使用される結合材、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、充填材を含む摩擦材組成物からなる。
結合材としては、ストレートフェノール樹脂や、フェノール樹脂をカシューオイルや、アクリルゴムやシリコーンゴム等の各種エラストマーで変性した樹脂、フェノール類とアラルキルエーテル類とアルデヒド類とを反応させて得られるアラルキル変性フェノール樹脂、フェノール樹脂に各種エラストマーやフルオロポリマーを分散させた熱硬化性樹脂等の摩擦材に通常用いられる結合材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結合材の含有量は、充分な機械的強度、耐摩耗性を確保するため、摩擦材組成物全量に対して9〜15重量%とするのが好ましく、8〜12重量%とするのがより好ましい。
繊維基材としては、上記のフィブリル化された有機繊維の他に、銅繊維、青銅繊維、真鍮繊維、アルミニウム繊維、アルミニウム―亜鉛合金繊維などの非鉄金属繊維等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
繊維基材の含有量は上記フィブリル化された有機繊維と合わせて摩擦材組成物全量に対して5〜20重量%とするのが好ましく、7〜15重量%とするのがより好ましい。
潤滑材としては、上記の硫化亜鉛の他に、二硫化モリブデン、硫化スズ、硫化鉄、複合金属硫化物等の金属硫化物系潤滑材や、人造黒鉛、天然黒鉛、薄片状黒鉛、石油コークス、弾性黒鉛化カーボン、酸化ポリアクリロニトリル繊維粉砕粉等の炭素質系潤滑材等の摩擦材に通常使用される潤滑材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
潤滑材の含有量は上記硫化亜鉛と合わせて摩擦材組成物全量に対して3〜8重量%とするのが好ましく、4〜6重量%とするのがより好ましい。
無機系の摩擦調整材としては、上記多孔質無機粒子、チタン酸マグネシウムカリウムの他に、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、α−アルミナ、タルク、マイカ、バーミキュライト、銅や真鍮等の各種金属粒子、チタン酸マグネシウムカリウム以外の板状のチタン酸塩や、複数の凸部を有する不定形状のチタン酸塩等の粒子状無機摩擦調整材や、ウォラストナイト、セピオライト、バサルト繊維、ガラス繊維、生体溶解性セラミック繊維、ロックウール等の繊維状無機摩擦調整材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機系の摩擦調整材の含有量は上記多孔質無機粒子と合わせて摩擦材組成物全量に対して40〜50重量%とするのが好ましく、43〜47重量%とするのがより好ましい。
有機系の摩擦調整材としては、カシューダスト、タイヤトレッドゴムの粉砕粉や、ニトリルゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等の加硫ゴム粉末又は未加硫ゴム粉末等の摩擦材に通常使用される有機摩擦調整材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機系の摩擦調整材の含有量は摩擦材組成物全量に対して3〜8重量%とするのが好ましく、4〜7重量%とするのがより好ましい。
摩擦材組成物の残部としては、硫酸バリウム等の充填材を使用する。
上記した原料のうち撥水性を持つのは、シリコーンゴム変性フェノール樹脂、シリコーンゴム分散フェノール樹脂、フルオロポリマー分散フェノール樹脂、シリコーンゴムの粉末や、シリコーンゴムやシリコーンオイルでコーティングした各種摩擦調整材等であり、これらの撥水性を持つ原料を使用する場合は、原料に含まれるシリコーンゴム、シリコーンオイルやフルオロポリマーの撥水性成分の合計が摩擦材組成物全量に対して0〜0.5重量%となるように使用する。
また、摩擦材に含まれる銅成分に関しては、アメリカのカリフォルニア州、ワシントン州では、2021年以降、銅成分を5.0重量%以上含有する摩擦材を使用した摩擦部材の販売及び新車への組み付けを禁止し、2023年以降、銅成分を0.5重量%以上含有する摩擦材を使用した摩擦部材の販売及び新車への組み付けを禁止する法案が可決していることから、銅を含む繊維や粒子等の銅成分はこれらの法規に適合するよう摩擦材組成物に添加するのが好ましく、銅成分は摩擦材組成物に添加しないことがより好ましい。
本発明の摩擦材は、所定量配合した摩擦材組成物を、混合機を用いて均一に混合する混合工程、得られた摩擦材原料混合物と、別途、予め洗浄、表面処理し、接着材を塗布したバックプレートとを重ねて熱成形型に投入し、加熱加圧して成型する加熱加圧成型工程、得られた成型品を加熱して結合材の硬化反応を完了させる熱処理工程、スプレー塗装や静電粉体塗装により塗料を塗装する塗装工程、塗料を焼き付ける塗装焼き付け工程、回転砥石により摩擦面を形成する研磨工程を経て製造される。なお、加熱加圧成型工程の後、塗装工程、塗料焼き付けを兼ねた熱処理工程、研磨工程の順で製造する場合もある。
必要に応じて、加熱加圧成型工程の前に、摩擦材原料混合物を造粒する造粒工程、摩擦材原料混合物を混練する混練工程、摩擦材原料混合物又は造粒工程で得られた造粒物、混練工程で得られた混練物を予備成型型に投入し、予備成型物を成型する予備成型工程が実施され、加熱加圧成型工程の後にスコーチ工程が実施される。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜26・比較例1〜5の摩擦材の製造方法]
表1〜表3に示す組成の摩擦材組成物をレディゲミキサーにて5分間混合し、成型金型内で30MPaにて10秒間加圧して予備成型をした。この予備成型物を、予め洗浄、表面処理、接着材を塗布した鋼鉄製のバックプレート上に重ね、熱成型型内で成型温度150℃、成型圧力40MPaの条件下で10分間成型した後、200℃で5時間熱処理(後硬化)を行い、研磨して摩擦面を形成し、乗用車用ディスクブレーキパッドを作製した(実施例1〜26、比較例1〜5)。
なお、実施例8は参考例である。
Figure 0006764216
Figure 0006764216
Figure 0006764216
これらのディスクブレーキパッドの錆固着について下記の条件で評価を行った。評価結果を表4〜表6に示す。
<評価>
<錆固着>
以下に示した操作により実車(パーキングブレーキ内蔵リアブレーキ)で評価した。なお、ディスクロータは鋳鉄材(FC250)を使用した。
(1)すり合わせ
(2)水掛け
(3)制動(規定回数)
(4)パーキングブレーキをかけた状態で屋外に放置
上記(2)〜(4)の操作を毎日繰り返し、試験7日目と試験14日目における動き出しトルクを計測した。評価基準を以下に示す。
◎:50Nm未満
○:50Nm以上 80Nm未満
△:80Nm以上 150Nm未満
×:150Nm以上
−:混合不良のため未評価
<耐摩耗性>
JASO C427 「自動車−ブレーキライニング及びディスクブレーキパッド−ダイナモメータ摩耗試験方法」に準拠し、制動初速度50km/h、制動減速度0.3G、制動回数適宜、制動前ブレーキ温度200℃の条件で、摩擦材の摩耗量(mm)を測定し、制動回数1000回あたりの摩耗量に換算後、下記基準にて評価した。
◎ : 0.15未満
○ : 0.15以上 0.20未満
△ : 0.20以上 0.50未満
× : 0.50以上
− : 混合不良のため未評価
<混合品の状態>
摩擦材原料混合品の混合状態を目視にて確認した。
○:ファイバーボールの生成無し
×:ファイバーボールの生成有り
Figure 0006764216
Figure 0006764216
Figure 0006764216
各表より看てとれるように、本発明の組成を満足するものは、良好な評価結果が得られている。パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置されても発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止できていた。また、耐摩耗性が低下することなく、混合品の状態も良好であった。
本発明によれば、ディスクブレーキパッドに使用される、NAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、銅成分の含有量に関する法規を満足しながら、パーキングブレーキ状態の自動車が高湿度下で長期間放置された場合でも発錆の抑制効果が低下せず、錆固着を防止することができる摩擦材を提供することができ、きわめて実用的価値の高いものである。

Claims (6)

  1. 結合材、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、pH調整材、充填材を含むNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、摩擦材組成物は、pH調整材としてアルカリ金属塩および/または水酸化カルシウムを摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%と、繊維基材としてフィブリル化された有機繊維を摩擦材組成物全量に対し1〜7重量%と、潤滑材として硫化亜鉛を含有し、且つ、撥水性成分の含有量が摩擦材組成物全量に対し0〜0.5重量%であり、前記フィブリル化された有機繊維が、アラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維から選ばれる1種または2種以上の組合せからなることを特徴とする摩擦材。
  2. 前記pH調整材が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムから選ばれる1種または2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項1に記載の摩擦材。
  3. 前記硫化亜鉛の含有量が摩擦材組成物全量に対し0.5〜6重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦材。
  4. 前記摩擦材組成物は、摩擦調整材として硫酸イオンの吸着能を有する多孔質無機粒子を0.5〜5重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材。
  5. 前記硫酸イオンの吸着能を有する多孔質無機粒子が、親水性活性炭であることを特徴とする請求項に記載の摩擦材。
  6. 前記摩擦材組成物は摩擦調整材としてチタン酸マグネシウムカリウムを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の摩擦材。
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