JP6346424B2 - 摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材及び摩擦部材 - Google Patents

摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材及び摩擦部材 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の制動に用いられるディスクブレーキパッド等の摩擦材に適した摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材及び摩擦部材に関する。
自動車等には、その制動のためにディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材が使用されている。摩擦材は、ディスクローター、ブレーキドラム等の対面材と摩擦することにより、制動の役割を果たしている。そのため、摩擦材には、良好な摩擦係数、耐摩耗性(摩擦材の寿命が長いこと)、強度、制振性(ブレーキ鳴きが発生しにくいこと)等が要求される。
摩擦材には、結合材、繊維基材、無機充填材及び有機充填材等を含む摩擦材組成物が用いられ、前記特性を発現させるために、一般的に、各成分を1種又は2種以上を組合せた摩擦材組成物が用いられる。
従来、摩擦材の強度を向上させるために銅や黄銅繊維、鉄繊維等が使用される(例えば、特許文献1参照)。
また、結合材として一般的に用いられるフェノール樹脂は、摩擦材の強度向上に影響し、その使用量を増やしたり、耐熱性や強度の高いフェノール樹脂を用いることで、常温から高温での摩擦材の強度を向上させることができる(例えば、特許文献2参照)。
また、摩擦材の制振性を向上させる手法として、エラストマーの粉末を用いたりエラストマー変性樹脂を用いることが一般的である(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−184525号公報 特開平9−194602号公報 特開2002−3823号公報
しかし、銅や銅合金を含有する摩擦材は、制動時に生成する摩耗粉に銅を含み、河川、湖や海洋汚染等の原因となる可能性が示唆されている。また、鉄繊維は対面材との錆固着や、裏金との接着界面での発錆による耐久性低下等の課題があった。また前記の耐熱性や強度の高いフェノール樹脂を用いたり、フェノール樹脂を増量すると、摩擦材の制振性が低下し、ブレーキ鳴きが問題となる。一方、制振性を向上させるためにエラストマーの粉末を用いたり、エラストマー変性樹脂を用いると、摩擦材の耐熱性の悪化に伴い高温での強度低下が問題となる。
本発明は、上記事情を鑑みなされたもので、環境負荷の高い銅や耐錆性に問題のある鉄繊維を含有せず、強度と制振性が高い摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、エラストマーと無機充填材のプレミックス、結合剤、フィブリル化有機繊維、無機繊維、粒径の小さい黒鉛を特定量以上含有する摩擦材組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1) エラストマーと無機充填材のプレミックス、結合剤、フィブリル化有機繊維、無機繊維を含有し、かつ最大粒子径が100μm以下の黒鉛を6体積%以上含有し、かつ鉄系金属、銅を含有しない摩擦材組成物。
(2)プレミックスの含有量が摩擦材組成物に対して10〜50体積%である前記摩擦材組成物。
(3)プレミックス中のエラストマー含有量が摩擦材組成物に対して2〜10体積%である前記摩擦材組成物。
(4)プレミックス中のエラストマーが、塩素化ブチルゴムである前記摩擦材組成物。
(5)前記摩擦材組成物を成形してなる摩擦材。
(6)前記摩擦材組成物を成形して得られる下張り材を、摩擦面となる摩擦材と裏金の間に介在させてなる摩擦部材。
本発明によれば、自動車用ディスクブレーキパッド等の摩擦材に用いた際に、環境負荷の高い銅や耐錆性に問題のある鉄繊維を用いなくとも常温から高温まで強度が高く、かつ制振性が高くブレーキ鳴きが発生しにくい摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材を提供することができる。
以下、本発明の摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材について詳述する。なお、本発明の摩擦材組成物は、ノンアスベスト摩擦材組成物である。
[摩擦材組成物]
本実施形態の摩擦材組成物は、エラストマーと無機充填材のプレミックス、結合剤、フィブリル化有機繊維、無機繊維を含有し、かつ最大粒子径が100μm以下の黒鉛を6体積%以上含有し、かつ鉄系金属、銅を含有しないことを特徴とする摩擦材組成物である。鉄系金属、銅を含有しないため、耐錆性に優れ、環境負荷の低い摩擦材が得られる。なお、本実施形態において「含有しない」とは、鉄系金属、銅が摩擦材組成物中に不純物等で鉄系金属、銅が微量含まれる場合も含む。
(エラストマーと無機充填材のプレミックス)
本実施形態で使用されるプレミックスはエラストマーと無機充填材を加圧ニーダー等で混練することで得られる。エラストマーは、塩素化ブチルゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム等を用いることができるが、制振性の観点で塩素化ブチルゴムが好ましい。無機充填材としては、通常、摩擦材に用いられる無機充填材を用いることができる。例えば、硫化錫、二硫化モリブデン、硫化鉄、三硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化亜鉛、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、コークス、黒鉛、マイカ、酸化鉄、バーミキュライト、硫酸カルシウム、粒状チタン酸カリウム、板状チタン酸カリウム、タルク、クレー、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ムライト、クロマイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリカ、酸化鉄、粒状酸化亜鉛、γ−アルミナ等の活性アルミナ、粒子状及び板状のチタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸カルシウムを用いることができ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。プレミックスの含有量は、10〜50体積%の範囲で摩擦材へ添加することが好ましい。プレミックスの含有量をこの範囲とすることで、良好な摩擦材強度、制振性を保持することができる。また、プレミックス中のエラストマー含有量は摩擦材組成物に対して2〜10体積%となることが好ましい。エラストマーの含有量をこの範囲とすることで、良好な摩擦材強度、制振性を保持することができる。
(結合材)
結合材は、摩擦材用組成物に含まれる材料を一体化し、強度を与えるものである。本実施形態の摩擦材用組成物に含まれる結合材としては特に制限はなく、通常、摩擦材の結合材として用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂や、アクリルエラストマー分散フェノール樹脂及びシリコーンエラストマー分散フェノール樹脂等の各種エラストマー分散フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂及びアルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂が挙げられ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、良好な耐熱性、成形性及び摩擦係数を与えることから、フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、及びアルキルベンゼン変性フェノール樹脂を用いることが好ましい。本実施形態の摩擦材組成物中における、結合材の含有量は、15〜25体積%であることが好ましく、20〜25体積%であることがより好ましい。結合材の含有量を15〜25体積%の範囲とすることで、摩擦材の強度を保ち、弾性率が高くなることによる鳴き等の制振性悪化をより抑制できる。
(フィブリル化有機繊維)
本実施形態の摩擦材用組成物は、摩擦材の強度保持を目的としてフィブリル化有機繊維を含有する。フィブリル化有機繊維とは、分繊化し、毛羽立ちをもった有機繊維で、具体的には、例えば、帝人株式会社製のトワロン(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製のケブラー(登録商標)等のアラミド繊維や、Stering fibers Inc.製のアクリル繊維、商品名:CFF fiber等が挙げられ、これらは商業的に入手できる。上記フィブリル化有機繊維の含有量は摩擦材組成物に対して2〜8質量%であることが好ましく、2〜7質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることが更に好ましい。含有量を2質量%以上とすることで良好なせん断強度、耐クラック性、耐摩耗性が発現し、8質量%以下とすることで摩擦組成物中のフィブリル化有機繊維と他材料の偏在によるせん断強度、耐クラック性の悪化をより抑制することができる。
(無機繊維)
繊維基材は、摩擦材の機械的強度の向上のために含まれるものである。本実施形態において用いられる繊維基材としては、無機繊維、金属繊維、炭素系繊維等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。無機繊維とは、金属及び金属合金以外の無機物を主成分とする繊維状の材料をいい、耐摩耗性の向上等のために用いられる。無機繊維としては、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、鉱物繊維、ガラス繊維、シリケート繊維、ウィスカー状チタン酸塩等を用いることができ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら、無機繊維の中では、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO等を任意の組み合わせで含有した生分解性鉱物繊維が好ましく、市販品としてはLAPINUS FIBERS B.V.製のRoxulシリーズ等が挙げられる。本実施形態の摩擦材組成物は金属繊維として銅繊維、黄銅繊維等の銅系繊維や、スチール繊維、鋳鉄繊維等の鉄系繊維を含まない。しかし、前記以外の金属繊維として、通常摩擦材に用いられるものを用いることができる。例えば、アルミ、亜鉛、錫、チタン、ニッケル、マグネシウム、シリコン等の金属単体又は合金形態の繊維が挙げられる。炭素系繊維は、耐クラック性及び耐摩耗性向上のために用いられる。炭素系繊維としては、耐炎化繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、活性炭繊維等を用いることができ、これらを1種又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(黒鉛)
本実施形態の摩擦材組成物に用いられる黒鉛は、最大粒子径が100μm以下のものが摩擦材組成物に対して6体積%以上含有されていれば特に制限はなく、天然黒鉛、人造黒鉛ともに用いることができる。上記最大粒子径が100μm以下の黒鉛を6体積%以上含有することで、摩擦材の熱伝導率が高くなり、熱成形時の結合剤の硬化度が高く摩擦材の強度が高くなる。上記黒鉛の平均粒子径は1〜20μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。平均粒子径が1μm以上とすることで、優れた摩擦係数が発現し、20μm以下とすることで、優れた強度を示す。また、上記黒鉛以外に粒子径が100μmを超える黒鉛を含有しても構わない。ここで、黒鉛の最大粒子径及び平均粒子径はレーザー回折粒度分布測定の方法を用いて測定した値であり、平均粒子径はD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を意味する。例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、商品名:LA・920(株式会社堀場製作所製)で測定することができる。
(その他の材料)
本実施形態の摩擦材組成物は、前記材料に加え、摩擦特性や物性を調整するために、プレミックス中の無機充填材以外に無機充填材、有機充填材、金属粉等を添加することができる。有機充填材は、摩擦材の制振性や耐摩耗性等を向上させるための摩擦調整剤として含まれるものである。本実施形態の摩擦材組成物に用いられる有機充填材としては、上記性能を発揮できるものであれば特に制限はなく、通常、有機充填材として用いられる、カシューダストやゴム成分等を用いることができる。上記カシューダストは、カシューナッツシェルオイルを硬化させたものを粉砕して得られる、通常、摩擦材に用いられるものであればよい。カシューダストの平均粒子径は、分散性の観点から、850μm以下であることが好ましく、750μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。なお、カシューダストの平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定の方法を用いて測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を意味する。例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、商品名:LA・920(株式会社堀場製作所製)で測定することが出来る。上記ゴム成分としては、例えば、タイヤゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)が挙げられ、これらを1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態の摩擦材組成物中における、有機充填材の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、3〜8質量%であることが更に好ましい。有機充填材の含有量を1〜20質量%の範囲とすることで、摩擦材の弾性率が高くなること、鳴き等の制振性の悪化を避けることができ、また耐熱性の悪化、熱履歴による強度低下を避けることができる。本実施形態の摩擦材組成物中における、無機充填材の含有量は、30〜80質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。無機充填材の含有量を30〜80質量%の範囲とすることで、耐熱性の悪化を避けることができ、摩擦材のその他成分の含有量バランスの点でも好ましい。また、耐摩耗性や熱フェード特性向上の観点から、亜鉛粉、アルミ等の金属粉末、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系ポリマーなどの有機添加剤を添加することができる。
[摩擦材]
本実施形態の摩擦材は、本発明の摩擦材組成物を一般に使用されている方法で成形して製造することができ、好ましくは加熱加圧成形して製造される。詳細には、例えば、本発明の摩擦材組成物をレーディゲミキサー(「レーディゲ」は登録商標)、加圧ニーダー、アイリッヒミキサー(「アイリッヒ」は登録商標)等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形金型にて予備成形し、得られた予備成形物を成形温度130〜160℃、成形圧力20〜50MPa、成形時間2〜10分間の条件で成形し、得られた成形物を150〜250℃で2〜10時間熱処理することで製造される。また更に、必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理を行うことで製造される。
[摩擦部材]
本実施形態の摩擦部材は、上記の本実施形態の摩擦材を摩擦面となる摩擦材として用いてなる。上記摩擦部材としては、例えば、下記の構成が挙げられる。
(1)摩擦材のみの構成。
(2)裏金と、該裏金の上に摩擦面となる本発明の摩擦材組成物からなる摩擦材とを有する構成。
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、及び、裏金と摩擦材との接着を目的とした接着層を更に介在させた構成。
上記裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために、通常、摩擦部材として用いるものであり、材質としては、金属又は繊維強化プラスチック等、具体的には、鉄、ステンレス、無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等が挙げられる。プライマー層及び接着層は、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
本実施形態の摩擦材組成物は、摩擦係数、耐クラック性、耐摩耗性等に優れるため、自動車等のディスクブレーキパッドやブレーキライニング等の上張り材として特に有用であるが、高い耐クラック性を有するため、摩擦部材の下張り材として成形して用いることもできる。なお、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近のせん断強度、耐クラック性向上等を目的とした層のことである。
以下、本発明の摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材について、実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は何らこれらに制限されるものではない。
[実施例1〜4及び比較例1〜2]
(ディスクブレーキパッドの作製)
表1に示す配合比率に従って材料を配合し、加圧ニーダー(株式会社森山製作所製、型式:D3−5)で混練(1MPaで30分間)することによりプレミックスを作製した。次に、表2に示す配合比率に従って材料を配合し、実施例1〜4及び比較例1〜2の摩擦材組成物を得た。この摩擦材組成物をレーディゲミキサー(株式会社マツボー製、商品名:レーディゲミキサーM20)で混合し、得られた混合物を成形プレス(王子機械工業株式会社製)で予備成形した。得られた予備成形物を成形温度140〜160℃、成形圧力30MPa、成形時間5分間の条件で、成形プレス(三起精工株式会社製)を用いて鉄製の裏金(日立オートモティブシステムズ株式会社製)と共に加熱加圧成形した。得られた成形品を200℃で4.5時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、500℃のスコーチ処理を行って、実施例1〜4及び比較例1〜2のディスクブレーキパッドを得た。なお、実施例及び比較例では、裏金の厚さ6mm、摩擦材の厚さ11mm、摩擦材投影面積52cmのディスクブレーキパッドを作製した。
なお、実施例及び比較例において使用した各種材料は次のとおりである。
(エラストマー)
・塩素化ブチルゴム
(結合材)
・フェノール樹脂
(有機充填剤)
・カシューダスト
(無機充填剤)
・硫酸バリウム
・黒鉛A:平均粒径8μm,最大粒子径30μm
・黒鉛B:平均粒径19μm,最大粒子径80μm
・黒鉛C:平均粒径23μm,最大粒子径120μm
(フィブリル化有機繊維)
・アラミド繊維
(無機繊維)
・鉱物繊維
(制振性の評価)
製作したディスクブレーキパッドの摩擦材部分からテストピースを切り出し、DMA(動的粘弾性測定)によって摩擦材の制振性を評価した。測定はセイコーインスツル株式会社製粘弾性スペクトロメータ、商品名:EXSTAR DMS6100を用い、試験周波数1Hz、曲げモード、20℃での損失係数(tanδ)を評価した。評価結果を表2に示す。
(せん断強度の評価)
日本工業規格JIS D4422に基づき、常温(20℃)及び高温(300℃)におけるせん断強度を測定した。高温でのせん断強度は、ディスクブレーキパッドを300℃で1時間加熱した後、1分間以内にせん断試験を行って測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006346424
Figure 0006346424
プレミックスを含有し、小粒径黒鉛を含有する実施例1〜4は、比較例に対し、制振性が高く(tanδが大きい)、かつせん断強度が高い。また銅や鉄系繊維を含有しないため、環境有害性が低く、錆に対し有利な摩擦材組成物といえる。
本発明の摩擦材組成物は、従来品と比較して、環境負荷の高い銅や耐錆性に問題のある鉄繊維を用いなくとも常温から高温まで強度が高く、かつ制振性に優れブレーキ鳴きが発生しにくいため、該摩擦材組成物は乗用車用ブレーキパッド等の摩擦材及び摩擦部材に好適である。

Claims (6)

  1. エラストマーと無機充填材(但し、最大粒子径が100μm以下の黒鉛を除く。)のプレミックス、結合剤、フィブリル化有機繊維、無機繊維を含有する摩擦材組成物であって、かつ最大粒子径が100μm以下の黒鉛を6体積%以上含有し、かつ鉄系金属、銅を含有しない摩擦材組成物。
  2. プレミックスの含有量が摩擦材組成物に対して10〜50体積%である請求項1に記載の摩擦材組成物。
  3. プレミックス中のエラストマー含有量が摩擦材組成物に対して2〜10体積%である請求項1又は2に記載の摩擦材組成物。
  4. プレミックス中のエラストマーが、塩素化ブチルゴムである請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦材組成物を成形して得られる下張り材を、摩擦面となる摩擦材と裏金の間に介在させてなる摩擦部材。
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