JP6797792B2 - 持ち運び可能な冷却用装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルに記載の、腕輪及び腕輪に配置される冷却器を有する持ち運び可能な冷却装置に関する。

暖かい気温では、身体の冷却が望まれる。周囲空気自体の冷却が与えられない場合、皮膚表面の冷却を行うことができる。このために、皮膚表面上の空気流によって冷却効果を達成する、ファン等のような装置が既知である。さらに、腕輪及び腕輪に配置される冷却器を有する持ち運び可能な冷却装置が既知であり、この場合、冷却器はペルチェ素子として実現される。しかし、ペルチェ素子は、高エネルギー要件を特徴とするため、ペルチェ素子を有する持ち運び可能な装置は、専ら短い動作時間及び比較的長い充電時間を有する。加えて、ペルチェ素子は、皮膚表面と密に接触して使用されなければならず、これは不快に感じられる場合がある。

したがって、本発明の目的は、既知の装置よりも低い電力消費を有し、したがって、同じ充電時間でより長い動作時間を有する、腕輪及び腕輪に配置される冷却器を有する持ち運び可能な冷却装置を提供することである。加えて、本発明による冷却装置は、装着するのに目立たないべきであり、例えば、手首が卓上に載った状態でコンピュータにおいて作業するときに、適切な衣服とともに使用することもできる。

これらの目的は、請求項１の特徴によって達成される。本発明によると、腕輪及び腕輪に配置される冷却器を有する持ち運び可能な冷却装置において、冷却器は、冷却器の排気方向に方向付けられる空気流の空気流発生器として設計され、空気流発生器は、腕輪上のホルダ内に取り付けられ、ホルダは、排気方向に現れる延長部を少なくとも有し、当該延長部は、空気流内に若しくは空気流に部分的に（section-wise）少なくとも位置付けられるか、又は、空気流を少なくとも部分的に囲む。

本発明によると、ホルダ内に配置される空気流発生器が提供され、空気流の排気方向は、腕輪が閉じた状態で、すなわち、腕輪が皮膚表面の方向に適用された状態で内方への向きである。排気方向への好適な空気流を支持することは、冷却装置の機能に必須であり、これは、本発明に従って、排気方向に現れる延長部によって確実にされ、当該延長部は、空気流内に若しくは空気流に少なくとも部分的に位置付けられるか、又は、空気流を少なくとも部分的に包囲する。このように、腕輪が適用された状態では、より詳細に説明するように、空気流の冷却又は排気領域が提供され、それによって、冷却空気流を皮膚表面に対して吹き付けることによって、最大限の冷却効果が達成される。腕輪は、通常のように手首エリアにおいて適用され、空気流発生器は、手首の脈打つ地点の上、すなわち、脈を感じることができるエリアに位置付けられる。脈打つ地点の冷却は、人間の主観的な熱感に対して大きな影響を有する。空気の吹き付けに起因して、本発明の腕輪の装着者は、全身を冷却される必要なく、主観的により涼しく感じる。最も感度の高い脈打つ地点のうちの１つは、それによって、本発明による冷却装置によって利用される手の付け根にある。

一方で、空気流発生器のホルダに、腕輪が閉じているときにその外方への向きの側にカバーを設けることもでき、当該カバーは、空気を冷却装置内に吸引するときに通すことができる空気透過性領域を提供する。これらの空気透過性エリアは、空気不透過性カバー板における穿孔部によって、又は、使用されるカバーの材料の空気透過性によって達成することができる。空気流発生器のホルダには、腕輪が閉じているときにその外方への向きの側にカバーを設けることもでき、ホルダ及び当該カバーは、空気透過性領域として少なくとも１つの横吸引開口を形成する。吸引された空気はしたがって、閉じた腕輪の空いている断面に対して本質的に垂直な向きの方向から、少なくとも１つの横吸引開口を通って冷却装置に入り、その後、排気方向に偏向される。このために設けられるカバーは、吸引された空気のこの偏向をサポートし、本発明による冷却装置が例えば長袖シャツ又はブラウスの下に装着されるときにも偏向を確実にする。カバーは、冷却装置を覆って着用される衣服によって、又は、前腕が卓上等にあるときに、空気流発生器が、空気流の生成を低減させることからも保護する。

空気流発生器は、例えばピエゾファンとして設計することができる。これらの冷却器は、圧電効果に基づくものであり、「デュアル圧電冷却ジェット」（ＤＣＪ）としても知られている。冷却器は、交流電圧が提供されると数百ヘルツ〜キロヘルツの周波数で動く圧電素子を有する２つの薄い金属板を有し、それによって、ノズルを介して送達される高速の空気流を生成する。ベローズと同様に、周囲空気は、吸引され、冷却空気として放出される。好ましくは、人の耳に知覚可能ではないように、２０ｋＨｚを上回る周波数で動作するピエゾファンが使用される。

そのようなピエゾファンが使用されるとき、少なくとも１つの延長部がノズル形状であることが提案される。少なくとも１つのノズル形状の延長部は、皮膚の表面に向かって方向付けられるため、皮膚表面には冷却空気が通り過ぎるか又は循環する。この場合、強力に動かされる空気が周囲空気を取り込み、したがってファンの効果を増大させる、ノズルの効果を利用することができる。

しかし、空気流発生器は、軸方向ファンとして設計することもでき、これは、支承板として設計されるホルダの貫通孔（breakthrough）内に取り付けられ、支承板に対して垂直な回転軸を有する。カバーは好ましくは、軸方向ファンにわたるカバー板として設計される。このカバー板は、横吸引開口を通した空気の排他的な吸引に有利に働き、軸方向ファンの同じ回転速度において吸引される空気の貫流速度を増大させる。横吸引開口は、軸方向ファンを有害な小さい部品の貫入から保護し、適切であれば、吹き付ける水もはじくが、流入する空気が妨げられることなく通過することを可能にする羽根板によって覆うこともできる。

延長部は、閉じた腕輪の空いている断面に対して垂直に伸びる突出部として設計することもできる。そのような実施形態は、閉じた腕輪の空いている断面に対して垂直に排気される空気の排気方向の調整を促す。この場合、突出部は、湾曲して、特に、それらの外側端領域におけるよりもそれらの中間領域において互いにより近い突出部の形態で設計することもできる。この実施形態は、暖められた空気の排出に有利に働く。延長部が、例えば金属材料性の、熱伝導性であるように設計される場合に特に有利であることも分かっており、これは、延長部がしたがって、皮膚に接触する皮膚の表面から熱を吸収し、熱を空気流に放出することが可能であるためである。

空気流発生器は、対応する制御要素によって、又は、単に腕輪を閉じることによって動作状態にすることができる。しかし、保有者の慣れ効果、したがって低減される冷却効果を回避するために、腕輪に制御ユニットが設けられ、制御ユニットが、スイッチオン及びスイッチオフサイクルの実現のために空気流発生器に接続されることが提案される。空気流発生器が再度スイッチオンにされるたびに、冷却効果が再び集中的に主観的に知覚される。空気流発生器は、ペルチェ素子とは対照的に、スイッチオン又はオフの直後に遅延を伴うことなく冷却効果を作動又は作動停止することができるという利点を有し、それによって、迅速な制御が可能である。加えて、空気流発生器の電流要件を、スイッチオン及びスイッチオフサイクルによって低減することができ、動作時間を大幅に増大させることができる。さらに、腕輪には、制御ユニットに接続される脈及び／又は温度センサも設けることができる。これらのセンサは、皮膚の温度及び／又は気温を測定し、最適な主観的な冷却効果が達成されるように、冷却時間、冷却期間及び冷却段階を調整するように制御ユニットを使用することができる。水分計、位置センサ等も提供することができ、それらのデータを、冷却効果を最適化するために使用することができる。これらのセンサは、ホルダに、ホルダの延長部に又は腕輪の他の部分に設置することができる。

当然ながら、本発明に従って提供される腕輪は、他の装置、例えば付加的な機能を有する時計（「スマートウォッチ」）、太陽電池又は持ち運び可能な通信装置のキャリアとして働くこともできる。空気流発生器に提供される電源は、付加的な装置の電源として働くこともできるか、又は、付加的な装置に提供される電源は、空気流発生器の電源として働くことができる。

本発明を、添付の図面によって例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明する。

軸方向ファンを有する本発明による冷却装置の一実施形態の斜視図である。 使用中の本発明による冷却装置の一実施形態の斜視図である。 図１による冷却器の実施形態の断面図である。 本発明による冷却装置の更なる実施形態の斜視図である。 生成される空気流を説明するために動作位置にある、本発明による冷却装置の一実施形態の断面図である。 スペーサの異なる実施形態を伴う、本発明による冷却装置の斜視図である。 スペーサの異なる実施形態を伴う、本発明による冷却装置の斜視図である。 冷却器の一実施形態の断面図である。 減衰要素の可能な実施形態を説明するための図である。 減衰要素の可能な実施形態を説明するための図である。 スマートウォッチとの本発明による冷却装置の更なる実施形態の斜視図である。 付加的なセンサを有する本発明による冷却装置の更なる実施形態の斜視図である。 吸引開口の可能な実施形態を説明するための冷却器の図である。 ピエゾファンを有する本発明による冷却装置の更なる実施形態の断面図である。 ピエゾファンを有する本発明による実施形態及びノズル形状の延長部の可能な実施形態の断面図である。 ピエゾファンを使用するときのノズル形状の延長部の更なる実施形態の断面図である。 ピエゾファンを有する本発明による一実施形態及びノズル形状の延長部の更なる実施形態の断面図である。 図１５の方向Ａ−Ａにおける断面図である。 ピエゾファンを有する本発明による一実施形態、及び、下方への向きの吸引開口を有するノズル形状の延長部の更なる実施形態の断面図である。 ピエゾファンを有する本発明による一実施形態、並びに、ノズル形状の延長部及び下方への向きの吸引開口の更なる実施形態の断面図である。

まず、腕輪１７、及び、図示の例示的な実施形態では支承板として設計される、腕輪１７に締結されるか又は腕輪１７に形成されるホルダ１１を有する本発明による冷却装置の一実施形態の斜視図を示す図１を参照する。ホルダ１１は、腕輪１７が閉じられると、腕輪１７の外周領域の一部を形成する。支承板として設計されるホルダ１１において、空気流発生器１は、回転可能に取り付けられる軸方向ファンとして具現され、軸方向ファンの回転軸、したがって、生成される空気流の排気方向は、支承板に対して垂直な向きである。

ホルダ１１には、腕輪１７が閉じた状態で、その外方への向きの側にカバー４が設けられ、これは、ホルダ１１と少なくとも１つの横吸引開口２を形成する。このために、ホルダ１１及びカバー４は、十分に剛性の材料から作られる。図示の例示的な実施形態では、カバー４は、軸方向ファンにわたるカバー板として設計される。

ホルダ１１の、腕輪１７が閉じたときに内方に向く側には、排気方向への突出延長部１０が配置される。図示の例示的な実施形態では、延長部１０は、ホルダ１１上に一体的に形成される、閉じた腕輪１７の空いている断面に対して垂直に延びる２つの突出部として設計される。腕輪１７が適用されると、延長部１０は、図２から分かるように、皮膚表面からのホルダ１１の十分な間隔を確実にするとともに、生成される空気流の、ホルダ１１の下からの冷却スペースを形成するためのスペーサとしても使用される。

図２は、使用中の、本発明による冷却装置の一実施形態の斜視図を示しており、この場合、腕輪１７が従来のように手首エリアにおいて適用されていることが分かり、空気流発生器１は、手首の脈打つ地点の上に、すなわち、脈を感じることができるエリアに位置付けられる。既に述べたように、脈打つ地点の冷却は、人間の主観的な熱感に対して大きな影響を有する。本発明による冷却装置の保有者は、全身を冷却される必要なく、膨らんだ空気によって主観的により涼しく感じる。それによって、最も感度の高い脈打つ地点のうちの１つは、手の付け根に位置し、これが本発明による冷却装置によって利用される。延長部１０は、本発明による冷却装置の使用中は手首の近くにあり、皮膚表面５からの、空気流発生器１を伴うホルダ１１の間隔を確実にする（図３も参照のこと）。好ましくは、延長部１０は、熱伝導性であるように設計することができるため、皮膚表面５からの熱を消散させることができ、熱を、迂回する空気流に伝えることができる。

図１による冷却器の実施形態の断面図を示す図３を参照して、冷却器によって生成される空気流を説明する。軸方向ファンは、空気流を、吸引側から、軸方向ファンの回転軸に対して平行な圧力側に運ぶ。しかし、カバー４とホルダ１１との間に少なくとも１つの横吸引開口２を形成する、ホルダ１１から離間したカバー４に起因して、吸引される空気は、閉じた腕輪１７の空いている断面に対して垂直な少なくとも１つの横吸引開口２を通って冷却装置に入り、その後、軸方向ファンによって回転軸方向に偏向され、回転軸方向と平行な排気方向に、圧力側まで排出される。ホルダ１１の、腕輪１７が閉じているときに内方への向きである側において、このように生成される空気流は、本発明に従ってホルダ１１から排気方向に突出する突出部１０によって確実となる。このように、腕輪１７が適用されると、ホルダ１１と皮膚表面５との間の空気流の冷却エリアが提供され、それによって、冷却空気流を皮膚表面５に対して垂直に吹き付けることによって最大限の冷却効果が達成され、他方で、ホルダ１１を皮膚表面５から離間させることによって横排気開口３が設けられ、横排気開口３を通して、暖められた空気は本発明による冷却装置を出ることができる。

図４は、本発明による冷却装置の更なる実施形態の斜視図を示しており、横吸引開口２には、吸引開口２にわたる薄膜６が設けられている。さらに、腕輪１７内に配置される制御ユニット７及び充電ソケット１６を有する電源８を見てとることができる。電源８は、例えば、マイクロＵＳＢを介する充電式バッテリとして設計される。制御ユニット７、空気流発生器１及び電源８は、導体（図示せず）を介して互いに接続される。制御ユニット７は、空気流発生器１のスイッチオン及びスイッチオフサイクルを制御し、したがって、保有者の慣れ効果及び主観的な冷却効果における関連する低下を回避するように概ね設計することができる。加えて、空気流発生器１の電流要件が低減され、動作時間をかなり延長することができる。制御ユニット７は、以下でより詳細に説明するように、更なる機能を果たすこともできる。

動作位置にある、軸方向ファンを有する本発明による冷却装置の実施形態において生成される空気流を、図５を参照して説明し、冷却装置は、シャツの袖９の下で支持される。カバー４が、冷却装置を覆って着用される衣服によって軸方向ファンの回転運動を妨げる影響から軸方向ファンを保護する方法が分かる。閉じたリストレット１７の空いている断面に対して垂直な吸引方向から吸引される空気の、皮膚表面５に対して垂直な向きの冷却空気流への偏向は、カバー４、軸方向ファン及び延長部１０の協働によって行われる。

図６ａ及び図６ｂは、延長部１０の異なる実施形態を伴う、本発明による冷却装置の斜視図を示している。既に述べたように、延長部１０は、閉じた腕輪１７の空いている断面に対して垂直に延びる突出部として設計することができ、例えば図６ａには２つのそのような突出部が示されている。そのような実施形態は、空気の排気方向を、閉じた腕輪１７の空いている断面に対して垂直に排気されるように調整することを助ける。この場合、突出部は、図６ｂにおいて分かるように湾曲していることもできる。この湾曲は、突出部が、それらの外側端領域におけるよりもそれらの中間領域において互いに近く、それによって、排気開口３の空いている断面が中間領域から突出部の端領域に広がるように実現される。排気開口３の拡大した断面は、排気開口３の方向への空気の流速が低下し、拡張する容積が逆流効果を低減するため、排気される空気の排気を促す。突出部として設計される延長部１０は、空気流内に少なくとも部分的に位置付けられる。

図７は、軸方向ファンとして具現される空気流発生器の一実施形態の断面図を示している。少なくともその外周エリアに沿って少なくとも１つの吸引開口２に面する軸方向換気装置が、その吸引側において、支承板として設計されるホルダ１１を越えて突出することが分かる。この配置は、吸引される空気の吸引体積を増大させ、したがって、軸方向ファンの同じ回転速度における冷却空気の量を増大させる。

軸方向ファンに関して、高い稼働安定性及び静かな動作によって区別される設計が利用可能である。しかし、軸方向ファンの何らかの可能性のある振動を吸収するとともに装着者の手首への振動の伝達を回避するために、軸方向ファンを収容するハウジング１２とホルダ１１との間の接触領域に配置される、弾性減衰要素１３を設けることができる。図８ａ及び図８ｂは、例えば薄いゴム薄膜によって形成することができるとともに、例えば縁上の縁ストリップ（図８ａ）又は角部薄膜（図８ｂ）として設計することができるこれらの減衰要素１３の可能な実施形態を示している。これらの減衰要素１３は、手で装着したときに生成される衝撃力も吸収する。このように、軸方向ファンの軸受が損傷から保護される。

既に述べたように、本発明に従って提供される腕輪１７は、他の装置１４、例えば、付加的な機能を有する時計（「スマートウォッチ」）又は持ち運び可能な通信装置のキャリアとしても働くことができる。図９は、例えば、スマートウォッチとの本発明による冷却装置の使用を示している。本発明による冷却装置及び付加的な装置１４は、腕輪１７の反対側に位置付けられる。それによって、冷却装置及び付加的な装置１４に同じ構成要素を使用することが可能である。例えば、空気流発生器１に提供される電源８は、付加的な装置１４の電源として働くこともでき、又は、付加的な装置１４に提供される電源は、空気流発生器１の電源８として働くこともできる。

図１０から分かるように、本発明による冷却装置には、制御ユニット７に接続される脈及び／又は温度センサ１５も設けることができる。これらの脈及び／又は温度センサ１５は、皮膚の温度及び／又は気温を測定し、最適な主観的な冷却効果が達成されるように、冷却時間、冷却持続時間及び冷却段階を設定するために制御ユニット７を使用することができる。水分計、位置センサ等も設けることができ、それらのデータを使用して主観的な冷却効果を最適化することができる。言及されるこれらのセンサ並びに脈及び／又は温度センサ１５は、延長部１０、ホルダ１１又は腕輪１７の他の部分に設置することができる。

図１１は、横吸引開口２にわたる薄膜６の更なる実施形態を示している。群の形態で互いに平行に配置される薄膜は、軸方向ファンとして設計される空気流発生器１を、有害な小さい部品の貫入に対して、また、好適な実施形態の場合には、跳ねる水に対しても保護するが、流入する空気が妨げられることなく通過することは可能にする。

ピエゾファンとして設計される空気流発生器１を有する本発明による冷却装置の更なる実施形態を、図１２〜図１８を参照して説明する。ピエゾファンはホルダ１１内に配置され、ホルダ１１には、その外方への向きの側に、ホルダ１１と少なくとも１つの横吸引開口２を形成するカバー４が設けられる。ホルダ１１には、ノズル形状の排気開口１８も設けることができ、これを通して、空気流発生器１によって生成される空気流が出る。ホルダ１１の、腕輪１７が閉じた状態で内方を向く側には、腕輪１７が適用されると皮膚表面５のスペーサとしてこの場合も同様に働く、内方に突出する延長部１０が配置される。概して、そのような実施形態では、排気開口１８は、延長部１０のうちの２つの間に配置されるため、延長部１０は少なくとも幾つかのセクションにおいて空気流を包囲する。

図１３に示されているように、ノズル形状の排気開口１８は、それ自体がスペーサとしても機能するように延びることもでき、それによって、排気される空気流は、生成される空気流が皮膚表面５に対して平行な排気開口３から出て、皮膚表面５に沿って冷却するように流れるよう、ジェット形状の排気開口１８によって偏向される。

図１４は、生成される空気流がこの場合も同様に排気開口３から皮膚表面５に対して平行に出て、皮膚表面５に沿って冷却するように流れるよう設計されている、ノズル形状の排気開口３を有する延長部１０の更なる実施形態の断面図を示している。この実施形態では、延長部１０は生成される空気流を完全に包囲する。

図１５及び図１６は、ピエゾファンとして設計される空気流発生器１を有する本発明による一実施形態、及び、図示の例示的な実施形態では複数のノズル３を有する延長部１０の更なる実施形態の断面図を示しており、生成される空気流は排気開口３から出て、皮膚表面５に沿って冷却するように流れる。また、この実施形態では、延長部１０は、生成される空気流を完全に包囲し、空気流が排気開口３において出るまで排気スペースを形成する。

図１７は、圧電ファンとして具現される空気流発生器１を有する本発明による実施形態、及び、ノズル形状の排気開口３を有する延長部１０の更なる実施形態の断面図を示しており、生成される空気流は、排気開口３から出て、皮膚表面５に沿って冷却するように流れる。さらに、吸引開口２の更なる実施形態を見てとることができ、これはこの場合は、ホルダ１１の、腕輪１７が閉じているときに内方への向きである側に位置付けられる。腕輪１７が閉じると、空気が皮膚表面５に沿って吸引され、これが吸引開口２を通って冷却装置に入る。結果として、空気は、ピエゾファンとして設計される空気流発生器１によって加速され、ノズル形状の延長部１０を通って冷却装置から再び出る。ノズル形状の延長部１０は、皮膚表面５からのホルダ１１の十分な間隔を確実にし、したがって吸引開口２を自由に保つために、この場合はスペーサとしても働く。

図１８は、図１７に相当するが対称である実施形態を示している。この場合も同様に、腕輪１７が閉じると、空気は皮膚表面５に沿って吸引され、これはその後、吸引開口２を通って冷却装置に入る。結果として、空気は、ピエゾファンとして設計される空気流発生器１によって加速され、ノズル形状の延長部１０を通って冷却装置から再び出る。しかし、ノズル形状の延長部１０はこの場合は、対称に設計されており、冷却空気流を冷却装置の両側において反対方向に送達する。延長部１０は、皮膚表面５からのホルダ１１の十分な間隔を確実にし、したがって吸引開口２を自由に保つために、この場合はスペーサとしても働く。

本発明はしたがって、極めて小さくコンパクトであるように設計することができ、したがって例えば適切な衣服の下で目立たず装着することができる持ち運び可能な冷却装置を提供する。本発明による装置はさらにロバストかつ耐久性があり、したがって、毎日の使用に好適であり、従来の装置に比してより低い電力消費を有し、したがってより長い動作時間を有する。

１ 空気流発生器
２ 吸引開口
３ 排気開口
４ カバー
５ 皮膚表面
６ 薄膜
７ 制御ユニット
８ 電源
９ シャツの袖
１０ 延長部
１１ ホルダ
１２ ハウジング
１３ 減衰要素
１４ 付加的な装置
１５ 脈及び／又は温度センサ
１６ 充電ソケット
１７ 腕輪
１８ 排気ノズル

Claims (8)

1. 腕輪（１７）及び前記腕輪（１７）に配置される冷却器を備える持ち運び可能な冷却装置であって、前記冷却器は、前記冷却器の排気方向に空気流が方向付けられる空気流発生器（１）として設計され、前記空気流発生器（１）は、前記腕輪（１７）に形成されるホルダ（１１）内に位置付けられ、
   前記空気流発生器（１）は軸方向ファンとして設計され、前記空気流発生器（１）の排気方向は、前記軸方向ファンの回転軸に平行であり、前記腕輪（１７）が閉じて腕に装着された状態において前記腕輪（１７）の内側の面から前記腕の皮膚表面（５）に向かう方向であり、
   前記排気方向に現れる少なくとも１つの延長部（１０）を有し、前記延長部（１０）は、前記空気流内若しくは前記空気流において少なくとも部分的に位置付けられ、
   前記延長部（１０）は、閉じた前記腕輪（１７）の内側の面において前記空気流発生器（１）が覆われず開放されている部分に前記排気方向に突出する突出部として少なくとも２つ以上配置され、前記突出部によって前記ホルダ（１１）と前記皮膚表面（５）との間に前記空気流の冷却エリアが提供され、前記空気流発生器（１）から冷却した空気流を前記皮膚表面（５）に対して吹き付ける、
   ことを特徴とする、持ち運び可能な冷却装置。
2. 前記ホルダ（１１）には、前記腕輪（１７）が閉じた状態で、前記腕輪（１７）の外方側に、空気透過性領域を有するカバー（４）が設けられることを特徴とする、請求項１に記載の持ち運び可能な冷却装置。
3. 前記少なくとも１つの延長部（１０）はノズル形状であることを特徴とする、請求項１又は２のいずれか一項に記載の持ち運び可能な冷却装置。
4. 前記空気流発生器（１）は、支承板として設計されるホルダ（１１）の貫通孔内に取り付けられる軸方向ファンとして設計され、回転軸は前記支承板に対して垂直であることを特徴とする、請求項１又は２に記載の持ち運び可能な冷却装置。
5. 前記突出部は湾曲していることを特徴とする、請求項１に記載の持ち運び可能な冷却装置。
6. 前記少なくとも１つの延長部（１０）は熱伝導性であるように設計されることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の持ち運び可能な冷却装置。
7. 前記腕輪（１７）には、スイッチオン及びスイッチオフサイクルの実現のために前記空気流発生器（１）に接続される制御ユニット（７）が設けられる、請求項１〜６のいずれか一項に記載の持ち運び可能な冷却装置。
8. 前記腕輪（１７）には、前記制御ユニット（７）に接続される脈及び／又は温度センサ（１５）が設けられることを特徴とする、請求項７に記載の持ち運び可能な冷却装置。

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