JP2014073200A - 冷却装置及び冷却方法 - Google Patents

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【課題】コンパクトで携帯性に優れ、低コストで実現可能な携帯型冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明は、熱伝導性を有する板状部材と、前記板状部材の表面と接するように設けられた板状の素子であって、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する素子と、前記素子の前記板状部材と対向する面と反対側の面に接するように設けられた放熱部と、前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に設けられ、前記放熱部に対して送風を行う送風部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却装置及び冷却方法に関する。
空調設備等の無い環境下で活動する人間(作業者)の体温を適当に調整するため、作業者毎に個別に用いられる携帯型の冷暖房装置がある。特に、近年では、高温の室内や炎天下で作業を行なう際に作業者が熱中症になるのを防止するための携帯型冷却装置が注目されている。
例えば特許文献1には、密閉された容器内で循環路中を循環する液媒体に対してペルチェ素子を用いて放熱あるいは吸熱を行ない、当該液媒体を利用して熱交換を行なうことで体温を調節する局部冷暖房装置が記載されている。
特開2006−61440号公報
特許文献1に記載の局部冷暖房装置では、循環する液媒体の温度を制御することによって、所望の温度にて冷房効果(暖房効果)を持続させることができる。しかし、このような局部冷暖房装置では、液媒体を循環させるために循環装置や循環路を設ける必要があるため、装置をコンパクトに構成することが難しく、作業者にとって携帯性の面で問題があった。また、液媒体を循環させるための構成等が複雑になりやすく、十分な性能を有する局部冷暖房装置を低コストで実現することが難しかった。
本発明は、コンパクトで携帯性に優れ、低コストで実現可能な携帯型冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、熱伝導性を有する板状部材と、前記板状部材の表面と接するように設けられた板状の素子であって、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する素子と、前記素子の前記板状部材と対向する面と反対側の面に接するように設けられた放熱部と、前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に設けられ、前記放熱部に対して送風を行う送風部と、を備えることを特徴とする冷却装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、コンパクトで携帯性に優れ、低コストで実現可能な携帯型冷却装置を実現することができる。
第1実施形態の冷却装置1の全体形状を表す斜視図である。 第1実施形態の冷却装置1の分解状態を表す斜視図である。 冷却装置1を身体に装着した際の状態について説明する図である。 図4Aは、冷却装置1を表面側から見た場合の平面図である。図4Bは、冷却装置1を裏面側から見た場合の平面図である。 冷却装置1における熱電素子20の配置を説明する図である。 冷却装置1を動作させたときの熱の流れについて説明する図である。 比較例の冷却装置5について説明する図である。 第2実施形態の冷却装置1の概略図である。 第3実施形態の冷却装置1の概略図である。 第3実施形態の冷却装置1について放熱部30の配置と送風部40による空気の流れについて説明する図である。 第3実施形態の変形例における冷却装置1の概略図である。 第3実施形態の変形例の冷却装置1について放熱部30の配置と送風部40による空気の流れについて説明する図である。 第4実施形態の変形例における冷却装置1の概略図である。 第5実施形態の冷却装置1の概略図である。 第6実施形態の冷却装置1の概略図である。 第6実施形態の冷却装置1において、放熱部30と送風部40とが一体的に構成された場合の例について示す図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
熱伝導性を有する板状部材と、前記板状部材の表面と接するように設けられた板状の素子であって、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する素子と、前記素子の前記板状部材と対向する面と反対側の面に接するように設けられた放熱部と、前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に設けられ、前記放熱部に対して送風を行う送風部と、を備えることを特徴とする冷却装置。
これにより、コンパクトで携帯性に優れ、低コストで実現可能な携帯型冷却装置を提供することができる。
かかる冷却装置であって、前記素子及び前記放熱部をそれぞれ複数備え、複数の前記放熱部にまたがるようにして前記送風部が配置され、前記送風部が複数の前記放熱部に対して送風を行なうことが望ましい。
このような冷却装置によれば、効率よく冷却を行なうことができる。
かかる冷却装置であって、前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に複数の放熱フィンが並列に設けられ、前記複数の放熱フィンが並ぶ方向が前記送風部を中心とした放射方向となるように、前記放熱部が設けられることが望ましい。
このような冷却装置によれば、送風部から送風される空気がスムーズに流れやすくなり、放熱効率を高くすることができる。
かかる冷却装置であって、4つの前記放熱部が前記板状部材の表面と接するように十字型に配置され、4つの前記放熱部の中心の位置に前記放熱部が配置されることが望ましい。
このような冷却装置によれば、効率よく冷却を行なうことができる。
かかる冷却装置であって、4つの前記放熱部が前記板状部材の表面と接するように十字型に配置され、4つの前記放熱部の中心の位置に前記放熱部が配置されることが望ましい。
このような冷却装置によれば、より効率よく冷却を行なうことができる。
かかる冷却装置であって、記素子と前記放熱部と前記送風部との組が少なくとも1つ以上設けられ、前記送風部が同じ組に属する前記放熱部に対して送風を行なうことが望ましい。
このような冷却装置によれば、送風部と放熱部とが1対1で対応するため、より確実に放熱を行いやすくなり、安全性が高くなる。
かかる冷却装置であって、前記素子と前記放熱部と前記送風部との組が少なくとも1つ以上設けられた矩形状の前記板状部材を複数有し、矩形状の前記板状部材の外縁部のうち少なくとも一辺が、他の前記板状部材の外縁部と所定の間隔を有するように接続され、矩形状の前記板状部材の外縁部のうち他の前記板状部材の外縁部と接続されない部分は、前記板状部材の外縁部と他の前記板状部材の外縁部との間に前記間隔よりも広い間隔を有することが望ましい。
このような冷却装置によれば、冷却対象物(例えば人間の身体)が動く場合であっても、その動きに追随して複数の板状部材がそれぞれ動き、当該冷却対象物との接触面積を大きく保つことができる。したがって、冷却効率をより高くすることができる。
===第1実施形態===
<冷却装置の概要>
はじめに、本実施形態の冷却装置の概要について説明する。図1は、第1実施形態の冷却装置1の全体形状を表す斜視図である。図2は、第1実施形態の冷却装置1の分解状態を表す斜視図である。図3は、冷却装置1を身体に装着した際の状態について説明する図である。また、説明のため、図1に示すような座標軸(X軸、Y軸、Z軸)を設定する。
冷却装置1は背中に装着することで、装着した人(以下、使用者とも呼ぶ)の背中を冷却する装置である。冷却装置1は板状部材10と、熱電素子20(図2参照)と、放熱部30と、送風部40と、電源60(図3参照)とを備える。各部の機能及び構成については後で説明するが、本実施形態の冷却装置1では、熱電素子20及び放熱部30をX軸及びY軸方向にそれぞれ2つずつ有する。言い換えると、4組の熱電素子20及び放熱部30が十字型に配置される。そして、板状部材10と熱電素子20と放熱部30と送風部40とがZ軸方向に積層状に構成される。
冷却装置1を背中に装着する際には、カバー2及び装着ベルト3が用いられる。カバー2は冷却装置1全体を覆う外装であり、板状部材10に取り付けられ固定される。冷却装置1の全体をカバー2によって覆うことにより、使用者が放熱部30等の発熱部位に直接触れることを抑制する。また、図2に示されるようにカバー2には通気孔2ha及び2hbが設けられる。通気孔2haはカバー2の外部の空気を内部に取り込むための吸気孔であり、通気孔2hbはカバー2の内部の空気を外部に放出するためのスリット状の排気孔である。冷却装置1を使用する際の空気の流れ(カバー2の内部における気体の流れ)については後で説明する。なお、各通気孔の形状は図の例に限られるものではない。
ベルト3は板状部材10のベルト取付溝12に取り付けられ、不図示の長さ調節機構を有する。使用者が冷却装置1を背中に装着する際には、図3のようにベルト3を肩にかけ、ベルトの長さを調節することで、冷却装置1の板状部材10を背中側に密着させる。
なお、図3において電源60は外部ユニットとして使用者の腰の辺に装着されているが、電源60を内部ユニットとしてカバー2の内部に収納する構造とすることもできる。
<各構成の説明>
図4Aは、冷却装置1を表面側から見た場合の平面図であり、図4Bは、冷却装置1を裏面側から見た場合の平面図である。図5は、冷却装置1における熱電素子20の配置を説明する図である。なお、「表面」とは、図1で冷却装置1をZ軸上方側から下方側に見たときに視認される面のことであり、「裏面」とは、図1で冷却装置1をZ軸下方側から上方側に見たときに視認される面のことである。
(板状部材10)
板状部材10は熱伝導性を有する板状の部材であり、熱電素子20によって冷却されることで、使用者の背中に装着された際に背中を冷却する。すなわち熱電素子20と使用者の背中との間で板状部材10を介して熱交換が行なわれる。本実施形態で、板状部材10はアルミニウム等の熱伝導率の高い金属で形成された略長方形状の部材である。アルミ板は熱伝導率が高く、軽量で加工が容易である。また材料コストも安いため、コンパクトで低コストな冷却装置の実現に適している。さらに、腐食等しにくいため人体に直接接触する場合でも安全であり、人体用冷却装置に適している。もちろん、板状部材10としてアルミ板以外の部材(例えば銅板等)を使用することも可能である。また、アルミ板と同等の熱伝導性を有する部材であれば金属でなくてもよく、例えば、熱伝導性の高いプラスチックや樹脂等を使用することも可能である。
板状部材10の表面側には熱電素子20、放熱部30、送風部40が設けられる(図2及び図4A参照)。一方、板状部材10の裏面側には何も設けられず(ただし、放熱部30を固定するためのネジ等は設けられる)、基本的に平滑な面となる(図4B参照)。
熱伝導率の高い金属を用いることによって板面全体が平均的に冷却されるため、この平滑な面全体を使用者の背中にフィットさせることにより(図3参照)、広範囲にわたって背中を冷却することができる。なお、図4Bの破線で示される領域は、表面側において放熱部30が固定される位置を表している。
板状部材10の大きさや形状は任意であるが、熱電素子20による冷却能力や使用者の身体のサイズ(例えば、大人用、子供用等)に応じて決定される。本実施形態の板状部材10長方形で、長手方向(図1でY軸方向)の長さが250mm程度であり、幅方向(図1でX軸方向)の長さが200mm程度である。また、板状部材10の裏面側は使用者の背中にフィットしやすいように人体に合わせてカーブしていてもよく、板状部材10は必ずしも平板である必要は無い。
また、板状部材10の4隅には、ベルト3を取り付けるためのベルト取付溝12がそれぞれ設けられる。また、板状部材10には放熱部30を固定するための複数のネジ孔13が設けられる(図4A及び図4B参照)。
本実施形態では、安全のため板状部材10の外縁部が枠体15によって囲まれている(図2参照)。枠体15はシリコンや樹脂等で形成される柔軟性のある部材であり、冷却装置1を身体に装着する際に板状部材10の外縁部が身体(背中)と直接接触することを抑制しつつ、板状部材10を衝撃から保護する。
(熱電素子20)
熱電素子20は、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する薄板状の素子である。本実施形態で、熱電素子20は板状部材10の表面と接するように設けられる。そして、熱電素子20の板状部材10と対向する側の面(裏面側)から吸熱し、反対側の面(表面側)を発熱させることによって板状部材10を冷却する。熱電素子20としては、例えばペルチェ素子が用いられる。ペルチェ素子は、供給電力の大きさに応じてある程度の温度管理が可能であるため、冷却のしすぎなどを抑制しやすい。本実施形態のペルチェ素子は40mm×40mm程度の正方形であるが、素子の大きさは供給電力に応じて変更可能である。すなわち、供給電力が大きければその分大きなペルチェ素子を用いることが可能であり、より大きな冷却効果を得ることができる。
なお、熱電素子20と板状部材10との間にはシリコングリス等を塗布することにより、両者の間に隙間が生じないようにしている。これにより、熱電素子20と板状部材10との間の熱伝導率をできるだけ高く保つことができる。
第1実施形態では、図5のように4つの熱電素子20が十字型に配列され、それぞれの熱電素子20は直列に接続されている。電源60から熱電素子20に直流電流を供給することによって4つの熱電素子20の同一平面側(板状部材10と対向する側の面)から吸熱が行われる。
なお、熱電素子20は電流を流す向きを逆にすることにより、吸熱面側と発熱面側とを入れ替えることができる。すなわち、板状部材10と対向する面を発熱させることにより、冷却装置ではなくヒーターとして使用することも可能である。
各熱電素子20の周囲にはそれぞれ断熱材25が設けられる(図2及び図5参照)。熱電素子20は上下(Z軸方向)を板状部材10及び放熱部30によって挟まれ、周囲(XY平面)を断熱材25によって囲まれることで周囲の空気との接触面積が小さくなっている。これにより、熱電素子20と空気との間で熱交換が行われるのが抑制され、無駄な熱損失を抑えることで冷却装置1の冷却効率を高めることができる。なお、図5の破線部分は放熱部30の外形を表している。また、断熱材25は放熱部30と板状部材10との間の緩衝材としての機能も有する。本実施形態において、放熱部30は図2に示されるようにネジによって板状部材10に固定される。したがって、緩衝部材として断熱材25を設けることによって、ネジを締める際に放熱部30と板状部材10との間に挟まれた熱電素子20に大きな負荷がかからないようにしている。
(放熱部30)
放熱部30は熱電素子20の発熱側の面から発生した熱を空気中に拡散させて熱電素子20を冷却するための部材である。本実施形態では、1つの熱電素子20に対して1つの放熱部30が設けられる。したがって、図2に示されるように冷却装置1では4つの放熱部30が十字型に配置される。
放熱部30としては、例えば市販のヒートシンクを用いることができる。本実施形態の放熱部30はベース板31及び複数の放熱フィン32によって構成される。ベース板31は、熱電素子20の板状部材10と対向する側の面と反対側の面(つまり、熱電素子20のZ軸方向上側の発熱面)に取り付けられる。なお、ベース板31と熱電素子20との間にも上述のシリコングリスを塗布しておくことが望ましい。放熱フィン32は複数の板状部材が並列に並んで構成されたものであり、全体の表面積を大きくして空気中に熱を拡散させやすくする。本実施形態では送風部40から送風される空気の流れを考慮して、図1に示されるように、放熱フィン32の向きがXY平面上で中心(送風部40が配置される位置)から外側に向かうように放熱部30が配置される。冷却装置を動作させる際の空気の流れについては、後で説明する。
十分な放熱性能を確保するために、放熱部30のベース板31の大きさは少なくとも熱電素子20よりも大きくなるようにする。本実施形態の放熱部30はベース板の大きさが60mm×60mm程度であり、熱電素子20(40mm×40mm)よりも大きなサイズのものを選択している。また、ベース板31のサイズを大きくすることによって、ベース板31と板状部材10との間に熱電素子20(及び断熱材25)を挟み込み、熱電素子20を安定して保持することができる。
上述のような板状の放熱フィン32を有するヒートシンクは安価であり、当該ヒートシンクを用いることで装置全体のコストを低く抑えることが可能となる。一方、放熱フィン32は板状の部材ではなく、棒状の部材が剣山のように複数設けられる形状であってもよい。この場合、送風部40から送風される空気の流れ方向に関わらず放熱部30の配置を決定することができるため、設計の自由度が高くなる。
(送風部40)
送風部40は、ファンを有する送風機であり、放熱部30に送風を行なうことで放熱フィン32と空気との間で熱交換を促進させ、空気中に熱を放出させやすくする。図3に示されるように、本実施形態の冷却装置1ではカバー2を取り付けて使用することを想定しているが、その場合、熱電素子20から発生した熱は冷却装置1とカバー2との間の空間に篭もりやすい。そこで、送風部40によって強制的に空気を移動させることで、カバー2の内部の空間に熱が篭もらないようにしている。
送風部40は放熱部30(放熱フィン32)のZ軸方向上方に設けられる。すなわち、送風部40は放熱部30に対して熱電素子20と反対側に設けられる。第1実施形態の冷却装置1では、十字型に配置された4つの放熱部30の中央上部に1つの送風部40が設けられ、Z軸方向の上側から下側に空気が流れるように配置される。そして、送風部40は4つの放熱部30にまたがるようにして配置されるため、1つの送風部40が4つの放熱部30に送風を行なうことができる。
送風部40を駆動させる電源は、熱電素子20と共通の電源60を用いてもよいし、別途他の電源を確保するのであってもよい。
<電源60>
電源60は、熱電素子20に電流を供給する。また、上述のように送風部40を駆動させるための電力を供給してもよい。本実施形態の電源60は20W程度の電力を供給可能な小型バッテリーであり、携帯電話用のバッテリー等を転用することも可能である。小型であるため、図3のように使用者の腰の辺りに装着した場合でも使用者の動作の妨げとはなりにくい。また、軽量であるので、予備のバッテリーを持ち歩く場合でも大きな負担にはなりにくい。
電源60の別の形態として、太陽光パネルを用いる方法もある。例えば、カバー2の表面に太陽光パネルを取り付けるようにすれば、日中の屋外作業の際に発電をしながら冷却装置1を使用すること等も可能になるため、特に有効である。さらに、太陽光パネルによって生成される電力を蓄えることが可能な電池を備えていてもよい。
<冷却装置1の動作について>
冷却装置1の使用時における基本的な動作について説明する。図6は冷却装置1を動作させたときの熱の流れについて説明する図である。
まず、熱電素子20を介した熱の流れについて説明する。熱電素子20に電流を流すと、上述したように板状部材10と接する側の面が吸熱し、反対側の面(放熱部30と接する側の面)が発熱する。したがって、板状部材10が人体(図6のA−A断面図において斜線部で表される)に装着されている場合、人体から発生した熱は図中の実線矢印で示されるように、低温側の板状部材10に移動(熱伝導)し、さらに熱電素子20を介して放熱部30に移動(熱伝導)する。これにより、放熱部30には熱が蓄えられる。
次に、送風部40による空気の流れについて説明する。送風部40を駆動させると、Z軸方向上側から吸い込まれた(吸気)空気が、Z軸方向の下側に移動する。送風部40の下側に移動した空気は、XY平面上で十字型に設けられた4つの放熱部30を通過して、図の破線矢印で示されるように横方向に排出される(排気)。放熱部30は放熱フィン32が各々空気の流れ方向に沿うように(すなわち、中心側から外側に向かうように)設置されているため、排気される空気は放熱フィン32に導かれてスムーズに流れる。そのため、放熱部30に蓄えられた熱は、空気中に効率よく放出される。
熱電素子20の放熱部30と接する側の面(発熱面)が、送風部40から送風される空気によって適切に冷却されるので、熱電素子20と人体との間で連続的に熱交換を行なうことができる。なお、熱電素子20の放熱部30と接する側の面(発熱面)の冷却が不十分である場合には、当該面における温度が上昇し、板状部材10と接する側の面(吸熱面)の温度も上昇することから、冷却装置として十分な機能を発揮できなくなるおそれがある。
特に冷却装置1にカバー2を取り付けて使用する場合、上述のような空気の流れが妨げられないように十分に留意する必要がある。例えば、カバー2に設けられる通気孔2ha(吸気側)及び通気孔2hb(排気側)が塞がれると、送風部40による空気の流れが妨げられて放熱が十分に行えなくなる。したがって、冷却装置1の動作中にこれらの通気孔が塞がれないよう、十分注意する必要がある。
<比較例>
ここで、冷却装置1の放熱部30(及び熱電素子20)と送風部20との位置関係を変更した場合の影響について比較例を用いて説明する。図7は、比較例の冷却装置5について説明する図である。なお、比較例の冷却装置5では、各部の構成自体(例えば板状部材10や熱電素子20等)は第1実施形態の冷却装置1と同様であり、各部の配置のみが異なる。
比較例の冷却装置5では、熱電素子20(図7では不図示)及び放熱部30が、板状部材10の表面に(XY平面上に)格子状に配置され、それらの中央部分に送風部40が配置される。
このような冷却装置5を動作させる場合、送風部40から送風される空気は図7の破線矢印で示されるように送風部40を中心として、XY平面上で放射状に移動する。これに対して、放熱部30が格子状に配置され、隣り合う放熱部30同士の間隔が広くなっているため、各々の放熱部30に対して十分な量の空気が流れにくくなっている。さらに、放熱フィン32の向きが空気の移動方向と異なるため余計に空気が流れにくくなり、冷却装置5では熱電素子20から発生した熱を空気中に拡散させにくい。
一方、第1実施形態の冷却装置1では、送風部40を取り囲むように放熱部30(熱電素子20)が配置され、放熱部30同士の隙間も狭いため、各々の放熱部30に対して空気が流れやすくなっている。また、図6で説明したように、各放熱部30について放熱フィン32が空気の流れ方向と平行に配置されるため、空気の流れがスムーズになり、熱電素子20から発生した熱を効率よく空気中に拡散させることができる。
また、送風部40の周囲を取り囲むようにして複数の放熱部30を配置することにより、高い放熱効率を維持しつつ一つの送風部40で複数の放熱部30に対して冷却用の空気を送風することが可能である。これにより、構成部品の数量(特に放熱部40の数量)を少なくすることができるため、冷却装置1を小型化し、また、軽量化することができる。
第1実施形態の冷却装置1と比較例の冷却装置5とでは熱電素子20の数量及び大きさ、供給電力が同じであるため、装置全体としての吸熱量は同等のはずである。しかし、冷却装置5では放熱効率が悪いため、冷却性能を十分に発揮することが難しい。一方、冷却装置1では放熱部30を適切に配置することによって効率よく放熱を行うことができる。これにより、熱電素子20の発熱側の温度をより低く保つことができるため、結果として冷却装置5よりも冷却装置1のように各部を配置した方が冷却性能を高くすることができる。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態では、板状部材10と熱電素子20と放熱部30と送風部40とが積層状に構成され、全体として小型で薄い冷却装置を実現することができる。そして、各構成の配置(特に送風部40と放熱部30との位置関係)を工夫することによって放熱効率を向上させることで、小型でありながら十分な冷却性能を有する冷却装置を提供することが可能である。
また、冷却媒体として水等を用いる必要がないため装置全体が軽量であり、バッテリーを含めて携帯性に優れた冷却装置であるといえる。また、放熱部30や送風部40等の各構成部品には市販品を転用することができるため、低コストで実現可能である。
さらに、本実施形態の冷却装置は使用環境による制限が少ない。例えば、放射能汚染環境下で作業を行なう場合、使用者は防護服の上から当該冷却装置を装着すればよい。そのような環境化で冷却装置を使用する場合、放熱部30を冷却するために放射能に汚染された空気が送風されることになるが、当該汚染空気は人体(使用者)に接触しないため、冷却装置を安全に使用することが可能である。
===第2実施形態===
第2実施形態の冷却装置1では、放熱部30のそれぞれに対して個別に送風部40が設けられる。言い換えると、熱電素子20と放熱部30と送風部40とが組になっていて、当該組が1つ以上設けられる。図8は、第2実施形態の冷却装置1の概略図である。
第2実施形態において、板状部材10、熱電素子20、及び放熱部30の構成と配置は第1実施形態とほぼ同様である。すなわち、板状部材10の上に(XY平面上に)4つの熱電素子20及び放熱部30が十字型に配置される。そして、4つの放熱部30のZ軸方向上方にはそれぞれ放熱部40が設けられる。
本実施形態では、放熱部30に対して同じ組に属する送風部40が送風を行なう。すなわち、放熱部30と送風部40とが1対1で対応しているため、放熱部30に対してより確実に空気を流しやすくなり、放熱性能が向上する。また、放熱部30の配置や放熱フィン32の方向に関わらずに安定して放熱を行うことができるため、設計の自由度がより高くなる。例えば、図8では放熱部30(熱電素子20)が十字型に配置されているが、図7のように放熱部30(熱電素子20)が格子状に配置される場合であっても上述の比較例のように放熱性能が悪化することはない。
一方、第2実施形態では送風部40の設置個数が増加するため、冷却装置全体の重量や製造コストが増加する可能性がある。しかし、より確実に放熱を行いやすくなるため、装置としての安全性は高くなる。特に、冷却装置1は人体に装着して使用されることから、高い安全性を確保することが重要である。
なお、送風部40の1台あたりの送風量は第1実施形態の送風部40よりも少なくすることができるので、送風部40自体も第1実施形態の送風部40よりも小型のものを使用することができる。
===第3実施形態===
第3実施形態では、放熱部30(熱電素子20)の位置をずらすことによって第1実施形態よりもさらに小型化された冷却装置について説明する。図9は、第3実施形態の冷却装置1の概略図である。図10は、第3実施形態の冷却装置1について放熱部30の配置と送風部40による空気の流れについて説明する図である。
第3実施形態における冷却装置1の基本的な構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、板状部材10の大きさ及び、放熱部30(熱電素子20)の配置が異なる。具体的には、板状部材10の幅方向(X方向)の長さを第1実施形態よりも短くすることで、装置全体の幅を小さくしている。そして、板状部材10の幅方向長さの短縮に伴い、放熱部30(熱電素子20)の配置も変更される。図9及び図10で右側に位置する放熱部を30a、下側に位置する放熱部を30b、左側に位置する放熱部を30c、上側に位置する放熱部を30dとすると、第3実施形態ではX軸方向に並ぶ放熱部30a及び放熱部30cがそれぞれ中心方向にずれて配置される。これは、板状部材10の幅方向(X軸方向)長さが短縮されたことによって、X軸方向におけるスペースが狭くなったためである。その結果、図10に示されるように放熱部30a及び30cの一部が、放熱部30b及び30dとX軸方向で重なる構成となる。
第3実施形態の冷却装置1を動作させる際の送風部40による空気の流れは、基本的に第1実施形態と同様である。すなわち、送風部40のZ軸方向上側から吸気され、XY平面の中央部から外側に向かって放射状に排気される。そして、放熱部30a〜30dのそれぞれについて放熱フィン32に沿って空気が流れる際に放熱フィン32と空気との間で熱交換が行われ、空気中に熱が拡散されて冷却装置1の外部に排出される(図10の破線矢印参照)。
第3実施形態では、板状部材10を小さくすることにより、冷却装置1をよりコンパクトに構成することができる。その際、放熱部30等の構成物を変更する必要は無く、設置位置を変えるだけで対応することが可能なため、コスト面でも優れている。
<変形例>
第3実施形態の冷却装置1を動作させる際には、放熱部30b及び30dの両端部(図10の斜線で表される領域)の空気流入口が放熱部30a及び30cの端部によって塞がれるため、斜線で表される領域には送風部40から送風される空気が流れにくい。したがって、当該斜線部では熱交換が十分に行なわれず、冷却性能が悪化するおそれがある。そこで、第3実施形態の変形例として、送風部40を複数有する形態について説明する。図11は、第3実施形態の変形例における冷却装置1の概略図である。図12は、第3実施形態の変形例の冷却装置1について放熱部30の配置と送風部40による空気の流れについて説明する図である。
図11に示されるように、変形例ではY軸方向に並ぶ送風部40a及び送風部40bの2台の送風部が設けられる。それ以外の構成は第3実施形態の冷却装置1と同様である。送風部40が複数設けられることによって放熱部30に空気が供給されやすくなり、放熱性能がより高くなる。
変形例の冷却装置1を動作させると、図12の破線矢印で示さされるように、Y軸方向上側の送風部40aが放熱部30d及び、放熱部30a、30cのY軸方向上側半分に送風する。同様に、Y軸方向下側の送風部40bが放熱部30b及び、放熱部30a、30cのY軸方向下側半分に送風する。各送風部が送風を行なうべき放熱部を分担することによって、放熱部30a〜30dの各々に対して安定して送風することができる。また、送風部40aは放熱部30a及び30cと放熱部30dとの間をまたぐように設置されるため、放熱部30dの両端部(図12の斜線部の領域)にも空気が流れ、冷却効率が低下することを抑制することができる。同様に、送風部40bが放熱部30a及び30cと放熱部30bとの間をまたぐように設置されるため、放熱部30bの両端部(図12の斜線部の領域)にも空気が流れ、冷却効率低下が抑制される。
===第4実施形態===
上述の各実施形態で説明した冷却装置では、送風部40から送風されて放熱部30を通過した後の空気はそれぞれX軸方向、Y軸方向へ排気される。しかし、冷却装置の使用用途や条件によっては、空気を排気することが可能な方向が制限される場合も考えられる。そこで、第4実施形態では、排気方向が制限される場合の一例として、放熱部から排気される空気の方向をY軸方向に限定した冷却装置について説明する。
図13は、第4実施形態の冷却装置1の概略図である。第4実施形態の冷却装置1では、板状部材10、熱電素子20、放熱部30、及び送風部40の各機器の構成は第1実施形態とほぼ同様である。一方、各機器の配置は第1実施形態と異なり、また、第4実施形態の冷却装置1には空気の流れ方向を制限するため制限板50が備えられる。
第4実施形態において熱電素子20及び放熱部30は、板状部材10上のXY平面において格子状に配置される。図13において、右上に位置する放熱部を30a、右下に位置する放熱部を30b、左上に位置する放熱部を30c、左下に位置する放熱部を30dとする。このとき、放熱部30a〜30dにおいて、放熱フィン32がY軸方向に沿って並ぶようにそれぞれ配置される。そして、放熱部30aと放熱部30bとの間の位置に送風部40aが設けられ、放熱部30cと放熱部30dとの間の位置に送風部40bが設けられる。つまり、第4実施形態においては、送風部40aが放熱部30a及び放熱部30bに送風を行ない、送風部40bが放熱部30c及び放熱部30dに送風を行なう。
また、放熱部30aと放熱部30bとの間から空気がX軸方向に移動するのを抑制するために、図13に示されるような制限板50が設けられる。当該制限板50と板状部材10と送風部40とによって囲まれる空間によってY軸方向に沿った空気の流路を形成し(図13のB−B断面図参照)、送風部40から送風された空気がX軸方向に流れるのを抑制しつつ、Y軸方向に限定して送風することができる。
第4実施形態の冷却装置1の使用時には、送風部40aの上部(Z軸方向の上方)から吸引された空気が送風部40aの下部(Z軸方向の下方)へと導かれる。そして、制限板50によって移動方向がY軸方向に制限されることにより、Y軸方向の上下に空気が移動する。Y軸方向上側に配置された放熱部30a、及びY軸方向下側に配置された放熱部30bを空気が通過することで、放熱部30と空気との間で熱交換が行なわれ、空気中に熱が拡散する。放熱された後の空気は冷却装置1のY軸方向の上下から外側に排気される。送風部40bについても同様である。
なお、上述の例ではY軸方向に空気が流れる装置について説明したが、放熱部30の配置及び放熱フィン32の方向を調整することにより、Y軸方向以外の方向に空気が流れるようにすることも可能である。これにより、所望の方向について排気を行うことが可能な冷却装置が実現される。
===第5実施形態===
第5実施形態では、放熱部30と送風部40とが一体的に構成された冷却装置について説明する。
図14は、第5実施形態の冷却装置1の概略図である。第5実施形態の冷却装置1では、板状部材10、熱電素子20(図14では不図示)、の構成及び配置は第2実施形態とほぼ同様である。一方、放熱部30及び送風部40の構成が第2実施形態(第1実施形態)と異なる。
第5実施形態の放熱部30は円形であり、複数の放熱フィン31が中心から外周に向かって放射状に配置されている。そして、送風部40は、ファンの回転軸が放熱部30の中心部に一致するように配置されている。これにより、送風部40によって送風される冷却用空気は、放熱部30の中央部から外周部に向かってほぼ一様に流れ、熱電素子20から放熱部30に溜まった熱をより効率的に拡散させる。また、図14では、板状部材10に対して熱電素子20、放熱部30及び送風部40が格子状に配置されているが、本実施形態においてこれらの配置は、自在に変更可能である。上述のように、放熱部30と送風部40とが一体的に構成され、両者の位置関係があらかじめ決定されているため、板状部材10上での配置に関わらず、安定した冷却性能を得ることができる。
本実施形態では、放熱部30の放熱フィン31の形状が特殊であるため、第2実施形態における放熱部30と比較してコストが高くなりやすい。しかし、放熱部30及び送風部40を一体化してコンパクトな構成としたことにより、設計の自由度が高くなり、装置をより小型化することが可能になる。また、送風部40自体を小型のものにしても十分な方熱効率を得ることができるため、結果的に放熱部30及び送風部40の合計重量を軽くすることができる。したがって、冷却装置全体としての重量を軽くすることもできる。
===第6実施形態===
第6実施形態では、板状部材10が1枚の板ではなく、複数の板によって構成される冷却装置について説明する。
図15は、第6実施形態の冷却装置1の概略図である。図15において、熱電素子20、放熱部30及び送風部40の構成及び配置は第2実施形態とほぼ同様である。一方、板状部材10の構成が第2実施形態(第1実施形態)と異なる。
第6実施形態の冷却装置では、板状部材10が4枚の熱交換板10A〜10Dによって構成される。熱交換板10A〜10Dはそれぞれほぼ同じ大きさ(実際には多少大きさが異なる)の矩形状の平板であり、第2実施形態の板状部材10と同等の材質(アルミ板等)で形成される。熱交換板10A〜10Dにはそれぞれ熱電素子20、放熱部30及び送風部40が少なくとも一組ずつ設けられ、熱交換板10A〜10Dの各々が単独で小型の冷却装置として機能することができる。すなわち、本実施形態では、各々の熱交換板が板状部材10であるといえる。そして、熱交換板の外縁部のうち少なくとも一辺が、他の熱交換板の外縁部と所定の間隔を有するように接続される。図15では、4枚の熱交換板が3つの接続部材17によって互いに接続され、全体として1つの冷却装置を構成している。
接続部材17は、例えば、蝶番のような構造を有する部材である。図15のC−C断面図に示されるように熱交換板10A及び10Bは接続部材17の中央部に設けられる軸17aを回転中心としてXZ平面上で回転可能に接続されている。熱交換板10Aの外縁部と10Bの外縁部との間には間隔aが設けられている(図15参照)。適当な間隔を設けることにより、回転の際に熱交換板10Aの外縁部と熱交換板10Bの外縁部とが干渉して動作の妨げになるようなことを抑制している。また、接続部材17は、図15のC−C断面においてX軸方向に弾性力を有することが望ましい。
同様に、熱交換板10Aと熱交換板10Cとは接続部材17によって軸17aを回転中心としてYZ平面上で回転可能に接続されている。そして、熱交換板10Aと熱交換板10Cとの間には適当な間隔aが設けられている。また、熱交換板10Bと熱交換板10Dとは接続部材17によって軸17aを回転中心としてYZ平面上で回転可能に接続され、両者の間には間隔aが設けられている。
一方、熱交換板10Cと熱交換板10Dとの間には接続部材17が設けられない。つまり、熱交換板10Cと熱交換板10Dとは接続されておらず、両者は互いに独立して可動する。また、図15に示されるように、熱交換板10Cと熱交換板10Dとの間には間隔aよりも広い間隔bが設けられる。言い換えると、ある熱交換板の外縁部と他の熱交換板の外縁部とが接続されない部分には、熱交換板の外縁部と他の熱交換板の外縁部とが接続される部分よりも広い間隔が設けられる。熱交換板同士が接続されていない部分では、当該熱交換板が動作する際に、互いに接触しやすくなる。しかし、両者の間隔をなるべく広く設けることにより、熱交換板同士(つまり熱交換板10C及び熱交換板10D)が独立して動作する場合であっても両者が接触しにくいようにしている。
なお、本実施形態においても、第5実施形態で説明したように放熱部30と送風部40とが一体的に構成されたものを用いてもよい。図16は、第6実施形態の冷却装置1において、放熱部30と送風部40とが一体的に構成された場合の例について示す図である。この場合も、上述の例と同様、熱交換板10A〜10Dがそれぞれ板状部材10として機能し、熱交換板の各々が単独で小型の冷却装置として機能することができる。
本実施形態の冷却装置では、熱交換板(板状部材)同士が動作可能に接続されているため、冷却対象(例えば、人間の背中)に対してそれぞれの熱交換板の裏面側をフィットさせやすくなっている。つまり、複数の熱交換板(板状部材)の各々が身体の動きに従って独立して動くことができるため、各々の熱交換板(板状部材)と身体との接触面積を常に大きく保ち、冷却効率を高めることができる。特に、作業中や運動中に冷却装置を使用する場合には、複数の熱交換板が背中の動きに追随して動くことにより、それぞれの熱交換板を常に背中にフィットさせることができるため、動作中の人間の体勢に関わらず効率よく背中を冷却することが可能である。
なお、上述の例では4枚の矩形状熱交板によって板状部材10の全体が構成される例について説明したが、熱交換板の数は4枚には限られない。例えば、2枚または3枚の熱交換板が直列に接続される形態であってもよいし、それ以上の数の熱交換板を有する構造であってもよい。
===その他の実施形態===
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
<熱電素子20について>
上述の各実施形態では、熱電素子20としてペルチェ素子を用いる例について説明されていたが、この例には限られない。熱電素子20は電流を流すことによって一方の面が吸熱し、他方の面が発熱するものであれば他の素子を利用することも可能である。
<温度調整機構について>
上述の各実施形態において、温度センサー等を設けることにより、冷却時における板状部材10の温度、及び、放熱時における放熱部30の温度を監視するようにしてもよい。本実施形態の冷却装置は人体に装着して使用することが想定されるため、より高い安全性が求められる。例えば、板状部材10の温度が低すぎる場合、使用者の健康を害するおそれがある。また、放熱部30の温度が高すぎる場合、熱電素子20の設計上冷却効果が得られず、かえって体温の上昇を招くおそれもある。そこで、これらの温度を監視して、温度範囲が異常値を示す場合には、熱電素子20への電力供給を強制的にストップする等の制限をかけておくとよい。また、サーモスタット等を用いることによってそれらの機器が常に設計温度範囲となるように温度調整を行なうことが可能な機構としてもよい。
<カバー2の構成について>
上述の各実施形態では、カバー2が冷却装置の全体を覆う構成であったが、この例には限られず、カバー2が冷却装置を部分的に覆う構成としてもよい。例えば、放熱部30がカバーの外側に露出する構成として冷却装置の内部に熱が篭もりにくい構造とすることもできる。また、カバー2の全体がメッシュ状の部材で形成され、防水機能を維持しつつ熱を拡散させることができるような構造であってもよい。
<冷却装置の使用態様について>
上述の各実施形態では、使用者が冷却装置を背中に背負う構成について説明されていたが、この限りではない。例えば、冷却装置がバックパックと一体的に構成され、バックパックの背面側が冷却されるような構造としてもよい。この場合、使用者がバックパックを背負うことによって背中が冷却されるので、冷却装置としての機能とバックパックとしての機能を同時に実現することができる。
1 冷却装置、
2 カバー、2ha 通気孔、2hb 通気孔、
3 ベルト、
5 冷却装置(比較例)、
10 板状部材、10A〜10D 熱交換板、12 取付溝、13 ネジ孔、
15 枠体、17 接続部、17a 軸、
20 熱電素子、25 断熱材、
30 放熱部、30a〜30d 放熱部、31 ベース板、32 放熱フィン、
40 送風部、40a〜40b 送風部、
50 制限板、
60 電源

Claims (8)

  1. 熱伝導性を有する板状部材と、
    前記板状部材の表面と接するように設けられた板状の素子であって、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する素子と、
    前記素子の前記板状部材と対向する面と反対側の面に接するように設けられた放熱部と、
    前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に設けられ、前記放熱部に対して送風を行う送風部と、
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置であって、
    前記素子及び前記放熱部をそれぞれ複数備え、
    複数の前記放熱部にまたがるようにして前記送風部が配置され、
    前記送風部が複数の前記放熱部に対して送風を行なう、ことを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1または2に記載の冷却装置であって、
    前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に複数の放熱フィンが並列に設けられ、
    前記複数の放熱フィンが並ぶ方向が前記送風部を中心とした放射方向となるように、前記放熱部が設けられる、ことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の冷却装置であって、
    4つの前記放熱部が前記板状部材の表面と接するように十字型に配置され、
    4つの前記放熱部の中心の位置に前記放熱部が配置される、ことを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の冷却装置であって、
    4つの前記放熱部が前記板状部材の表面と接するように十字型に配置され、
    4つの前記放熱部の中心の位置に複数の前記放熱部が配置される、ことを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項1に記載の冷却装置であって、
    前記素子と前記放熱部と前記送風部との組が少なくとも1つ以上設けられ、
    前記送風部が同じ組に属する前記放熱部に対して送風を行なう、ことを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項6に記載の冷却装置であって、
    前記素子と前記放熱部と前記送風部との組が少なくとも1つ以上設けられた矩形状の前記板状部材を複数有し、
    矩形状の前記板状部材の外縁部のうち少なくとも一辺が、他の前記板状部材の外縁部と所定の間隔を有するように接続され、
    矩形状の前記板状部材の外縁部のうち他の前記板状部材の外縁部と接続されない部分は、前記板状部材の外縁部と他の前記板状部材の外縁部との間に前記間隔よりも広い間隔を有する、ことを特徴とする冷却装置。
  8. 熱伝導性を有する板状部材の表面と接するように設けられた板状の素子であって、電流を流すことによって一方の面が吸熱し他方の面が発熱する素子に電流を流すことと、
    前記素子の前記板状部材と対向する面と反対側の面に接するように設けられた放熱部に対して、前記放熱部の前記素子と接する面と反対側に設けられた送風部から送風を行うことと、を有する冷却方法。
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