JP6797448B1 - 合成樹脂の溶解剤 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。
[2]更に、(e1)ハイドロフルオロカーボン及び(e2)ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される1種以上の(e)ハロゲン系溶剤を含む、[1]の溶解剤。
[3](e)が1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンであり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり、(a)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(e)の含有量が50重量部以下である、[2]の溶解剤。
[4](e)が1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルであり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり、(a)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(e)の含有量が40重量部以下である、[2]の溶解剤。
[5](e)がメチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤であり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり、(a)、(d)及び(e)の合計100重量部に対して、(e)の含有量が45重量部以下である、[2]の溶解剤。
[6]更に、無機増粘剤、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤からなる群より選択される1種以上の(f)増粘剤を含む、[1]〜[5]のいずれかの溶解剤。
[7]前記合成樹脂が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂又はポリアセタール樹脂である、[1]〜[6]のいずれかの溶解剤。
「(a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上」を「(A)成分」という場合がある。「(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上」等の他の成分についても同様である。
数値範囲に関して「〜」は、その両端の値を含むことを意味する。即ち、「70〜95重量部」は、「70重量部以上95重量部以下」を意味する。また、「以下」は「同じ又は未満」を意味し、「以上」は「同じ又は超える」を意味する。
合成樹脂の溶解剤(以下、単に「溶解剤」ともいう。)は、(a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、(c)硫酸と、(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である。
(a)成分は、溶剤組成物の主剤である。(a)成分は、いずれか一方の異性体でも両方の異性体の混合物であってもよい。(a)成分が(E)異性体及び(Z)異性体の混合物である場合、(a)成分は、例えば、(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを80重量%以上含んでいてもよい。即ち、(a)成分は、(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを80重量%以上100重量%未満及び(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを0重量%超20重量%以下とからなっていてもよい。(a)成分の市販品として、AMOLEA(登録商標) AS−300(AGC株式会社製)((E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd(E))、(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd(Z))及び安定剤の混合物))等が挙げられる。
(b)成分は、溶解剤に合成樹脂の溶解力を付与する成分である。また、(b)成分は、有機則に非該当であることに加えて、特化則にも非該当であるため、より低毒性であり、より安全性に優れる成分であると考えられる。
(c)成分は、溶解剤に合成樹脂の溶解力を付与する成分である。
(d)成分は、任意成分である。「シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン」は、「(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン」とも表される。(d)成分は、有機則に非該当であることに加えて、特定化学物質障害予防規則(特化則)にも非該当であるため、人体への悪影響がより小さく、より低毒性であり、安全性により優れた成分である。よって、溶解剤が(d)成分を含む場合、より低毒性であり、より安全性に優れる。
溶解剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、(e1)ハイドロフルオロカーボン及び(e2)ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される1種以上の(e)ハロゲン系溶剤、(f)増粘剤及び(g)添加剤からなる群より選択される1種以上の更なる成分を含むことができる。これらの具体例は、合成樹脂の溶解剤の添加剤として当業者に知られており、市販品を用いることができる。
(e)成分は、(e1)ハイドロフルオロカーボン及び(e2)ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される1種以上である。(e)成分は、(a)成分及び(b)成分と同様に、溶剤組成物の主剤となり得る成分である。(e)成分は、特化則及び有機則に非該当である成分であることが好ましい。なお、「(e1)ハイドロフルオロカーボン及び(e2)ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される1種以上」とは、(e1)成分、(e2)成分、及び(e1)成分と(e2)成分との組合せを意味するものであり、(e1)成分と1種以上の(e2)成分との組合せのみを意味するものではない。(e)成分は、それぞれ、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(e1)成分は、炭素原子、フッ素原子及び水素原子からなる化合物であり、炭素−炭素二重結合を有さない化合物である。(e1)成分は、溶剤組成物の引火性及び基材へのダメージを低減させる成分である。(e1)成分としては、例えば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(HFC−c447ef)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタンが挙げられる。(e1)成分の市販品として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの市販品としてはソルカン(登録商標)365mfc(日本ソルベイ株式会社製)等が、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンについてはゼオローラ(登録商標)H(日本ゼオン株式会社製)が挙げられる。(e1)成分は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(e2)成分は、炭素原子、フッ素原子、水素原子及びエーテル結合(−O−)からなる化合物である。(e2)成分は、溶剤組成物の引火性及び基材へのダメージを低減させる成分である。(e2)成分としては、例えば、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(別名1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、HFE−347pc−f)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)ペンタン、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ブタン、メチルパーフルオロプロピルエーテル等が挙げられる。(e2)成分の市販品として、3М(商標)Novec(商標)7100高機能性液体、3М(商標)Novec(商標)7200高機能性液体、3М(商標)Novec(商標)7300高機能性液体、3М(商標)Novec(商標)7000高機能性液体(スリーエムジャパン株式会社製)、アサヒクリンAE3000(AGC株式会社製)が挙げられる。(e2)成分は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(e)成分が(e1)成分である場合、当該(e)成分は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンであってよい。また、(e)成分が(e2)成分である場合、当該(e)成分は、メチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上であってよいか、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルであってよい。
(f)成分は、溶解剤の粘度を高める成分である。これにより、合成樹脂に対して、溶解剤が留まりやすくなり、溶解剤に浸漬できないような、基材に付着した合成樹脂に対する溶解性が効率的に高まる。(f)成分としては、無機増粘剤(例えば、シリカ、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト等)、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤等が挙げられる。増粘剤は、無機増粘剤が好ましく、シリカ及びセピオライトが特に好ましい。(f)成分は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(g)成分は、(a)成分〜(f)成分以外の成分であり、防錆剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤(但し、(a)成分〜(e)成分を除く。)等の添加剤が挙げられる。これらは、合成樹脂の溶解剤の添加剤として慣用の成分を用いることができる。
溶解剤は、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の合計100重量部に対して、(a)成分の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)成分及び(c)成分の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)成分の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)成分及び(d)成分の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である。このような範囲であれば、合成樹脂に対する溶解性を十分に発揮することができる。
溶解剤は、原料成分である(a)成分、(b)成分、(c)成分、任意成分である(d)成分並びに(e)成分及び(f)成分等の更なる成分を混合することにより製造することができる。
合成樹脂には、合成樹脂の未硬化物、合成樹脂の硬化物、及び、合成樹脂に配合される添加剤を含む合成樹脂組成物の硬化物が含まれる。また、合成樹脂の硬化物には、合成樹脂の硬化反応が促進することにより硬化する硬化物のほかに、エラストマーのような弾性を有する硬化物、及び、反応希釈剤等の合成樹脂に配合された添加剤が揮発し、粘度が上昇することによって固化した固化物も含まれる。
溶解剤は、合成樹脂と接触させることにより、合成樹脂が溶解する。溶解剤と合成樹脂との接触時間は、所望の効果を達成できる時間であれば特に制限されないが、1分間〜30時間が好ましく、30分間〜24時間であることが特に好ましい。また、溶解剤と合成樹脂とを接触させるときの溶解剤の温度は、好ましくは5〜50℃であり、より好ましくは20℃〜40℃である。
溶解剤は、合成樹脂の硬化物が付着した固体基材から、合成樹脂の硬化物を除去するために用いられてもよい。合成樹脂の硬化物が溶解剤と接触すると、合成樹脂の硬化物の表面及び/又は固体基材と合成樹脂の硬化物の界面において、合成樹脂の硬化物の全部又は一部が、溶解することにより軟化して、固体基材と合成樹脂の硬化物との密着力が低下することにより、合成樹脂の硬化物が除去されるものと考えられる。なお、合成樹脂の硬化物が、固体基材と合成樹脂の硬化物との界面から剥がれることにより除去される場合は、合成樹脂の硬化物は、その形状を保っていてもよく、その一部が溶解及び/又は膨潤していてもよい。
使用した成分は以下のとおりである。
(a−1)AMOLEA(登録商標)AS−300((E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン99重量%超と安定剤1重量%未満との混合物)(AGC株式会社製)
(bc−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩、及び、硫酸の混合物(硫酸0.1〜1.5重量%)(ライポンLH−200、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
(bc−2)分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び硫酸の混合物(硫酸1〜10重量%)(ライポンLH−900、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
(d)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z、セントラル硝子株式会社製)
(e1−1)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(ソルカン365mfc、ソルベイジャパン株式会社製)
(e2−1)1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(アサヒクリンAE−3000、AGC株式会社製)
(g−1)ノルマルプロピルブロマイド(ICL JAPAN株式会社製)
(g−2)ノルマルオクタン(n−オクタン、富士フイルム和光純薬株式会社製)
アルミホイルで蓋をした試験管(容量:4ml、10×75mm、PYREX(登録商標)製)中、以下に記載する量の各樹脂を、各組成物2gに浸漬させて、常温(約20℃)で静置し、以下の基準で評価した。
シリコーンゴム100mg(株式会社十川ゴム製、シリコーンゴムシート(厚さ2mm、シリコーン硬度50)を切断して作製した。)
・判定基準
◎:1時間未満で溶解した、〇:1時間以上〜24時間未満で溶解した、×:24時間で溶解しなかった、××:組成物を作製したところ白濁もしくは分離してしまったため溶解試験を実施しなかった
ウレタン樹脂100mg(ヘンケルジャパン株式会社製、ウレタン接着剤LOCTITEスーパークリアをガラス容器に吐出して、7日間常温(約20℃)で自然乾燥させて得られた硬化物を切断して作製した。)
・判定基準
◎:6時間未満で溶解した、〇:6時間以上〜24時間未満で溶解した、×:24時間で溶解しなかった、××:組成物を作製したところ白濁又は分離してしまったため溶解試験を実施しなかった
ポリアミド樹脂10mm(高木綱業株式会社製、ナイロンテグス2号、太さ約0.25mm)
・判定基準
◎:6時間未満で溶解した、〇:6時間以上〜24時間未満で溶解した、×:24時間で溶解しなかった、××:組成物を作製したところ白濁又は分離してしまったため溶解試験を実施しなかった
ポリアセタール樹脂ボール1個(ジュラコン(登録商標)製、直径2mmの球体、ノーブランド品(モノタロウにて購入、注文コード08470464))
・判定基準
〇:24時間以内で溶解した、×:24時間で溶解しなかった、××:組成物を作製したところ白濁又は分離してしまったため溶解試験を実施しなかった
蓋をしていないガラス製100mLビーカー中、シリコーンゴム4.0g(株式会社十川ゴム製、シリコーンゴムシート厚さ2mm、シリコーン硬度50を切断)を各組成物10mlに浸漬させて、常温(約20℃)で静置した。12時間後、溶解しなかったシリコーンゴムを取り出し、エタノールでよくリンスして自然乾燥させた後、重量を測定した。以下の式に基づいて溶解率を算出した。
溶解率(%)=(4.0(g)−溶解しなかったシリコーンゴムの重量(g))÷(4.0(g))×100
広口透明規格瓶(アズワン株式会社製、容量14ml)中、7日間常温(約20℃)放置して硬化させたアクリル変性シリコーン樹脂硬化物(セメダイン株式会社製、SX720WH、アクリル変性シリコーン20−30重量%、無機質充填剤60−70重量%、シリカ1−5重量%、パラフィン1−10重量%、テトラエトキシシラン1−5重量%、すず及びすず化合物0.1−5重量%)500mgを各組成物10mlに浸漬させて、常温(約20℃)で静置した。24時間後、以下の基準で溶解性を評価した。
・判定基準
○:樹脂は溶解または崩壊し、原形を保っておらず、砂状になっている、×:樹脂は原形を保っている
実施例1〜2、3〜8、9〜12及び13〜14の比較により、(a)成分の含有量が好ましい範囲にある実施例の組成物は、(bc−1)及び(bc−2)のいずれを用いた場合であっても合成樹脂の溶解性に優れていた。
一方、比較例1の組成物は、(b)成分及び(c)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。比較例2〜3の組成物は、(a)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。比較例4〜5の組成物は、(b)及び(c)の合計の含有量が、0.5重量部未満であるため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。比較例6〜9の組成物は、(b)及び(c)の合計の含有量が、60重量部超であるため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。
実施例15〜17及び24と実施例18〜23及び25〜26との比較により、(a)成分の含有量が好ましい範囲にある実施例の組成物は、(bc−1)及び(bc−2)のいずれを用いた場合であっても合成樹脂の溶解性に優れていた。
一方、比較例10の組成物は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。比較例11の組成物は、(b)成分及び(c)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。比較例12〜14の組成物は、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計が、60重量部超であるため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。
また、実施例27〜32の比較により、(a)成分及び(d)成分の合計の含有量が同じとき、(a)成分の含有量が多い場合に、合成樹脂の溶解率がより高いことがわかった。
実施例33〜36の結果より、(a)成分の一部を(d)成分に置き換えた場合であっても、合成樹脂の溶解性に優れていた。
一方、比較例16〜19の組成物は、(a)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。
実施例37〜38及び実施例39〜42の比較により、(e1−1)成分を含む場合の好ましい組成を有する溶解剤は、合成樹脂の溶解性により優れていた。
実施例43〜44及び実施例45〜48の比較により、(e2−1)成分を含む場合の好ましい組成を有する溶解剤は、合成樹脂の溶解性により優れていた。
実施例49〜50及び実施例51〜54の比較により、(e2−2)成分を含む場合の好ましい組成を有する溶解剤は、合成樹脂の溶解性により優れていた。
一方、比較例20〜28の組成物は、均一な溶剤組成物とならず、溶解剤を構成できなかった。
一方、比較例29の組成物は、(b)成分及び(c)成分を含まないため、合成樹脂の溶解性に劣っていた。
硬化したセメダイン8000シリコーンシーラント(セメダイン株式会社製)0.5g、又は、硬化したシリコーン系液状ガスケットである液状ガスケット1211(株式会社スリーボンド製)0.5g、(a)85重量部と(bc−1)15重量部のみからなる組成物10gに浸漬させたところ、浸漬後1時間未満でいずれも溶解することができた。しかし、各シリコーンシーラント及びシリコーン系液状ガスケットの硬化物を(a)のみの単独溶剤に浸漬させた場合は、溶解することはできなかった。
SUS304板(株式会社岩田製作所製)35mm×15mm×0.1mmに窓用シリコーン補修剤(株式会社大創産業製、シリコーン樹脂100%)0.1gを塗布し、常温(約20℃)で24時間放置させた。その後、ホットプレート(設定温度100℃)にて2時間加熱し、シリコーン樹脂サンプル(シリコーン樹脂の硬化物が付着したSUS304板)を作成した。このシリコーン樹脂サンプルが床面に対して垂直になるように適当な壁面に貼り付けた。この状態のシリコーン樹脂サンプルに対し、(a)85重量部と(bc−1)15重量部からなる合計100重量部に、(f)増粘剤としてのフュームドシリカ(AEROSIL(登録商標) RY 200、日本アエロジル株式会社製)5重量部を添加した組成物1gを、薬さじを用いて塗布したところ、塗布後30分でシリコーン樹脂の硬化物が溶解し、スクレーパーでSUS板から除去できた。
SUS304板(株式会社岩田製作所製)35mm×15mm×0.1mmの片面の中央に、変性シリコーン系接着剤(セメダイン株式会社製、セメダインスーパーX2)又はウレタン接着剤(ヘンケルジャパン株式会社製、ウレタン接着剤LOCTITEスーパークリア)を塗布し、接着剤を塗布していない同じサイズのSUS304板を十字に貼り合わせ、常温(約20℃)で7日間放置することで、変性シリコーン樹脂又はウレタン樹脂で接着されたSUS304板接着物を得た。これをガラス製500mlビーカー中、実施例7の組成物100ml中に常温(約20℃)で浸漬させた。24時間後、いずれの試験サンプルにおいても合成樹脂が溶解しており、SUS板同士を剥離することができた。
Claims (7)
- (a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
を含み、溶解剤中の(a)、(b)、(c)及び(d)の合計の含有量は、80重量%以上であり、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。 - 更に、(e1)ハイドロフルオロカーボン及び(e2)ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される1種以上の(e)ハロゲン系溶剤を含む、請求項1に記載の溶解剤。
- (a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(e1−1)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンと、
(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
を含み、溶解剤中の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e1−1)の合計の含有量は、80重量%以上であり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e1−1)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e1−1)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり、(a)、(d)及び(e1−1)の合計100重量部に対して、(e1−1)の含有量が50重量部以下であり、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。 - (a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(e2−1)1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルと、
(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
を含み、溶解剤中の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e2−1)の合計の含有量は、80重量%以上であり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e2−1)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e2−1)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり、(a)、(d)及び(e2−1)の合計100重量部に対して、(e2−1)の含有量が40重量部以下であり、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。 - (a)(E)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンからなる群より選択される1種以上と、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(e2−2)メチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選択される1種以上の溶剤と、
(d)任意成分としてのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
を含み、溶解剤中の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e2−2)の合計の含有量は、80重量%以上であり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e2−2)の合計100重量部に対して、(a)、(d)及び(e2−2)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下であり(a)、(d)及び(e2−2)の合計100重量部に対して、(e2−2)の含有量が45重量部以下であり、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)の含有量が0重量部超99.5重量部以下であり、(b)及び(c)の合計の含有量が0.5重量部以上60重量部以下であり、(d)の含有量が0重量部以上99.5重量部未満であるが、但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)及び(d)の合計の含有量が40重量部以上99.5重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。 - 更に、無機増粘剤、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤からなる群より選択される1種以上の(f)増粘剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶解剤。
- 前記合成樹脂が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂又はポリアセタール樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶解剤。
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