JP6262911B1 - 合成樹脂の溶解剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】低毒性であり、安全性に優れ、合成樹脂の溶解性に優れた、合成樹脂の溶解剤を提供すること。【解決手段】本発明は、(a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、(c)硫酸と、(d)任意成分としてのノルマルプロピルブロマイドとを含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)が0重量部超99.95重量部以下であり、(b)及び(c)の合計が0.05重量部以上60重量部以下であり、(d)が0重量部以上99.95重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計が40重量部以上99.95重量部以下である、合成樹脂の溶解剤に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、合成樹脂の溶解剤に関する。
合成樹脂は、化学工業及び機械工業等、幅広い産業において用いられている。合成樹脂は、場合に応じて、溶解させて除去しなければならない必要が生じる。このような合成樹脂の溶解剤には、基剤として炭化水素系溶剤、塩素系溶剤、N−メチルピロリドン(NMP)等が含まれている。具体的には、特許文献1には、芳香族炭化水素系溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)及び塩素系溶剤(ジクロロメタン、トリクロロエチレン等)及びドデシルベンゼンスルホン酸を特定量で含むシリコーン樹脂の溶解剤が開示されている。
特開平4−318075号公報
特許文献1の実施例に記載された芳香族炭化水素系溶剤及び塩素系溶剤、並びにNMPは、人体への悪影響の程度が高いと考えられている。そこで、低毒性であり、安全性に優れた合成樹脂の溶解剤が望まれていた。
本発明は、低毒性であり、安全性に優れ、合成樹脂の溶解性に優れた、合成樹脂の溶解剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1](a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
(c)硫酸と、
(d)任意成分としてのノルマルプロピルブロマイドと
を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)が0重量部超99.95重量部以下であり、(b)及び(c)の合計が0.05重量部以上60重量部以下であり、(d)が0重量部以上99.95重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計が40重量部以上99.95重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。
[2]更に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンからなる群より選択される1種以上の(e)有機溶剤を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(e)が0重量部超300重量部以下である、[1]の溶解剤。
[3]更に、無機増粘剤、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤からなる群より選択される1種以上の(f)増粘剤を含む、[1]又は[2]の溶解剤。
[4]前記合成樹脂が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリイミド樹脂である、[1]〜[3]のいずれかの溶解剤。
本発明により、低毒性であり、安全性に優れ、合成樹脂の溶解性に優れた、合成樹脂の溶解剤が提供される。
[合成樹脂の溶解剤]
合成樹脂の溶解剤(以下、単に「溶解剤」ともいう。)は、(a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、(c)硫酸と、(d)任意成分としてのノルマルプロピルブロマイドと、を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)が0重量部超99.95重量部以下であり、(b)及び(c)の合計が0.05重量部以上60重量部以下であり、(d)が0重量部以上99.95重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計が40重量部以上99.95重量部以下である。溶解剤に含まれる(a)、(b)、(c)及び(d)は、有機溶剤中毒予防規則(有機則)に非該当であるため、人体への悪影響の程度が低いと考えられている。そのため、溶解剤は、低毒性であり、安全性に優れる。
<(a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン>
(a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(以下、「(a)」ともいう。)は、有機則に非該当であることに加えて、特定化学物質障害予防規則(特化則)にも非該当であるため、より低毒性であり、より安全性に優れる成分であると考えられる。(a)は、(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとも表される。
<(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上>
(b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上(以下、「(b)」ともいう。)は、溶解剤に合成樹脂の溶解力を付与する成分である。また、(b)は、有機則に非該当であることに加えて、特化則にも非該当であるため、より低毒性であり、より安全性に優れる成分であると考えられる。
アルキルベンゼンスルホン酸のアルキル基は、直鎖状又は分岐状である。よって、(b)は、具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩が挙げられる。合成樹脂に対する溶解性がより高まる観点から、前記アルキル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜16であることがより好ましく、10〜14であることが更に好ましく、12〜14であることが特に好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸の塩を形成するカチオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニウムイオン等が挙げられる。合成樹脂に対する溶解性がより高まる観点から、アルキルベンゼンスルホン酸の塩は、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩及びアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
よって、(b)は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩からなる群より選択される1種以上を含み、ここで前記アルキル基の炭素原子数が6〜20(6〜16が好ましく、10〜14が更に好ましく、12〜14が特に好ましい)であることが特に好ましい。
<(c)硫酸>
(c)硫酸(以下、「(c)」ともいう。)は、溶解剤に合成樹脂の溶解力を付与する成分である。
<(d)ノルマルプロピルブロマイド>
溶解剤は、任意成分として(d)ノルマルプロピルブロマイド(以下、「(d)」ともいう。)を含む。(d)は、有機則に非該当であることに加えて、特化則にも非該当であるため、人体への悪影響がより小さく、より低毒性であり、安全性により優れた成分である。
(a)〜(d)は、市販品を用いることができる。また、(b)及び(c)は、これらの混合物として市販されているものを用いてもよい。
<更なる成分>
溶解剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、(e)有機溶剤、(f)増粘剤及び(g)添加剤からなる群より選択される1種以上の更なる成分を含むことができる。これらの具体例は、合成樹脂の溶解剤の添加剤として当業者に知られており、市販品を用いることができる。
<<(e)有機溶剤>>
(e)有機溶剤(以下、「(e)」ともいう。)は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンからなる群から選択される1種以上である。溶解剤が1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを含む場合、表面張力が低下する傾向があり、溶解剤が2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンを含む場合、沸点が上がり、作業性が高まる傾向がある。なお、(e)は、特化則及び有機則に非該当であり、人体への悪影響がより小さいと考えられる。
<<(f)増粘剤>>
増粘剤は、溶解剤の粘度を高める成分である。これにより、合成樹脂に対して、溶解剤が留まりやすくなり、溶解剤に浸漬できないような、基材に付着した合成樹脂に対する溶解性が効率的に高まる。このような増粘剤として、無機増粘剤(例えば、シリカ、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト等)、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤等が挙げられる。増粘剤は、無機増粘剤が好ましく、シリカが特に好ましい。
<<(g)添加剤>>
添加剤は、(a)〜(f)以外の成分であり、防錆剤、界面活性剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。これらは、合成樹脂の溶解剤の添加剤として慣用の成分を用いることができる。
<組成>
溶解剤は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)が0重量部超99.95重量部以下であり、(b)及び(c)の合計が0.05〜60重量部であり、(d)が0重量部以上99.95重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計が40重量部以上99.95重量部以下である。このような範囲であれば、合成樹脂に対する溶解性を十分に発揮することができる。
溶解剤における(a)の含有量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、40〜99.8重量部であることが好ましく、50〜99重量部であることがより好ましく、60〜90重量部であることが特に好ましい。
溶解剤における(b)及び(c)の合計の含有量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、0.2〜60重量部であることが好ましく、1〜50重量部であることがより好ましく、10〜40重量部であることが特に好ましい。
(b)及び(c)の合計100重量部に対する、(b)又は(c)の含有量は、特に制限されないが、(b)が85〜99.99重量部であり、(c)が0.01〜15重量部であることが好ましく、(b)が90〜99.9重量部であり、(c)が0.1〜10重量部であることが特に好ましい。
溶解剤における(d)の含有量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、0重量部以上80重量部以下であることが好ましく、0重量部以上50重量部以下であることが特に好ましい。
溶解剤における(a)及び(d)の含有量の合計は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、40重量部以上99.8重量部以下であることが好ましく、50重量部以上99.8重量部以下であることがより好ましく、60重量部以上90重量部以下であることが特に好ましい。
このような(a)〜(d)の含有量である場合、合成樹脂に対する溶解性がより高まる。
溶解剤が(e)を含む場合、溶解剤における(e)の含有量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、300重量部以下であることが好ましく、0.001重量部以上100重量部以下であることがより好ましく、0.01重量部以上50重量部以下であることが特に好ましい。
溶解剤が(f)を含む場合、溶解剤における(f)の含有量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、40重量部以下であることが好ましく、0.001重量部以上20重量部以下であることがより好ましく、0.01重量部以上10重量部以下であることが特に好ましい。
溶解剤が(e)を含まない場合、溶解剤中の(a)、(b)、(c)及び(d)の合計の含有量は、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが更に好ましく、100重量%であることが特に好ましい。このような範囲であれば、合成樹脂に対する溶解性がより高くなる。また、溶解剤中の(c)の含有量は、1.0重量%以下であることが好ましい。溶解剤中の(c)の含有量が1.0重量%以下である場合、特化則に非該当となるため、より低毒性であり、安全性がより高まる。また、溶解剤が(e)を含む場合、溶解剤中の(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計の含有量は、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが更に好ましく、100重量%であることが特に好ましい。このような範囲であれば、合成樹脂に対する溶解性がより高くなる。
<溶解剤の調製方法>
溶解剤は、原料成分である(a)、(b)、(c)、任意成分である(d)並びに(e)及び(f)等の更なる成分を混合することにより製造することができる。
<合成樹脂>
合成樹脂には、合成樹脂の未硬化物、合成樹脂の硬化物、及び、合成樹脂に配合される添加剤を含む合成樹脂組成物の硬化物が含まれる。また、合成樹脂の硬化物には、合成樹脂の硬化反応が促進することにより硬化する硬化物のほかに、エラストマーのような弾性を有する硬化物、及び、反応希釈剤等の合成樹脂に配合された添加剤が揮発し、粘度が上昇することによって固化した固化物も含まれる。
合成樹脂としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。合成樹脂は、シリコーン樹脂及びウレタン樹脂が好ましい。
シリコーン樹脂としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーが挙げられ、主にジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルの側鎖又は末端に、カルボキシル基、アミノ基、又はエポキシ基などの他の有機基を導入したものであってもよい。シリコーン樹脂の具体例は、シリコーンオイル、シリコーングリス、シリコーンレジン、シリコーンワニス、シリコーンシーラント、シリコーン系液状ガスケット、シリコーン系ゴム等が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のジイソシアネートと、ポリプロピレングリコール等のポリオール類との反応生成物が挙げられる。ウレタン樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、乳化剤、発泡剤、安定剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、褶動性改良剤、及び耐衝撃性改良剤が挙げられる。ウレタン樹脂の具体例は、ウレタン塗料、ウレタン接着剤及びウレタンゴム等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多塩基酸のポリグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びヒダントイン環を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等の添加剤が挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する化合物が挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。アクリル樹脂に配合される添加剤としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤、帯電性付与剤、褶動性改良剤、耐衝撃性改良剤、及び反応希釈剤等の添加剤が挙げられる。
ポリアミド樹脂は、アミド結合によって多数のモノマーが結合してできたポリマーである。ポリアミド樹脂はナイロン類を包含する。ポリイミド樹脂は、繰り返し単位にイミド結合を含むポリマーである。
<使用方法>
溶解剤は、合成樹脂と接触させることにより、合成樹脂が溶解する。溶解剤と合成樹脂との接触時間は、所望の効果を達成できる時間であれば特に制限されないが、1分間〜30時間が好ましく、30分間〜24時間であることが特に好ましい。また、溶解剤と合成樹脂とを接触させるときの溶解剤の温度は、好ましくは5〜120℃であり、より好ましくは20℃〜40℃である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。表の値は、特に言及しない限り、重量部である。実施例及び比較例の組成物は、各成分を混合することにより調製した。
(使用製品)
使用した成分は以下のとおりである。
(a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z、セントラル硝子株式会社製)
(bc−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩、及び、硫酸の混合物(硫酸0.1〜1.5質量%)(ライポンLH−200、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
(bc−2)分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び硫酸の混合物(硫酸1〜10質量%)(ライポンLH−900、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
(d)ノルマルプロピルブロマイド(ICL JAPAN株式会社製)
(e−1)1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(ソルカン365mfc、ソルベイジャパン株式会社製)
(e−2)2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン(ダフニーアルファクリーナーMX、出光興産株式会社製)
[試験例1]シリコーンゴムの溶解試験
ガラス製100mLビーカー中、シリコーンゴム栓(アラム株式会社、製品コード:400101)0.4gを、各組成物10gに浸漬させて、以下の基準で評価した。結果を表1〜表4に示す。
◎:1時間未満で溶解した、〇:1時間以上〜24時間未満で溶解した、×:24時間で溶解しなかった
Figure 0006262911
Figure 0006262911
Figure 0006262911
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表1及び表2より、実施例の組成物は、シリコーンゴムの溶解性に優れていた。また、(a)、(b)及び(c)の含有量が好ましい範囲にある実施例の組成物は、(bc−1)及び(bc−2)のいずれを用いた場合であってもシリコーンゴムの溶解性に優れていた。一方、比較例1〜8の組成物は、(b)及び(c)の合計の含有量が、0.05重量部未満又は60重量部超であるため、シリコーンゴムの溶解性に劣っていた。また、(a)、(bc−1)、(bc−2)及び(d)は、有機則に非該当であるため、(a)、(bc−1)、(bc−2)及び(d)を含む溶解剤は、低毒性であり、安全性に優れる。
表3より、(a)及び(d)の含有量の合計が同じであるとき、組成物が(a)及び(d)を含む場合は(実施例17〜20)、組成物が(a)のみを含む場合(実施例3)と同様のシリコーンゴムの溶解性を有していた。表4より、組成物が(e)を含む場合であっても、シリコーンゴムの溶解性に優れていた。
[試験例2]シリコーンシーラント及びシリコーン系液状ガスケットの溶解試験
硬化したセメダイン8000シリコーンシーラント(セメダイン株式会社製)0.5g、又は、硬化したシリコーン系液状ガスケットである液状ガスケット1211(株式会社スリーボンド製)0.5g、(a)85重量部と(bc−1)15重量部から構成される組成物10gに浸漬させたところ、浸漬後1時間未満でいずれも溶解することができた。しかし、各シリコーンシーラント及びシリコーン系液状ガスケットの硬化物を(a)のみの単独溶剤に浸漬させた場合は、溶解することはできなかった。
[試験例3]ウレタン塗料の溶解試験
(試験対象物)
ウレタン塗料として、2液型の特殊ウレタン樹脂加熱発泡性耐火塗料である、ハイブリッド・ベースコートSC902(ナリファイア社(英国)製)を用いた。
(試験サンプルの作製)
ウレタン塗料のA液(主剤)とB液(硬化剤)を、A液:B液=8.26g:1.0gで混合した。混合後、SUS304板(株式会社岩田製作所製)35mm×15mm×0.1mmに厚さ2mm程度となるように塗布した後、24時間自然乾燥させて、試験サンプル(ウレタン樹脂の硬化物が付着したSUS304板)を得た。
(溶解試験の方法および結果)
50mlビーカー中の(a)の85重量部と(bc−1)の15重量部からなる合計100重量部の組成物10gに試験サンプルを浸漬させたところ、浸漬後24時間で溶解することができた。(a)のみの単一な溶剤に試験サンプルを浸漬させても168時間以内に溶解することはできなかった。
[試験例4]垂直面に存在するシリコーン樹脂の溶解試験
SUS304板(株式会社岩田製作所製)35mm×15mm×0.1mmに窓用シリコーン補修剤(株式会社大創産業製、シリコーン樹脂100%)0.1gを塗布し、常温で24時間放置させた。その後、ホットプレート(設定温度100℃)にて2時間加熱し、シリコーン樹脂サンプル(シリコーン樹脂の硬化物が付着したSUS304板)を作成した。このシリコーン樹脂サンプルが床面に対して垂直になるように適当な壁面に貼り付けた。この状態のシリコーン樹脂サンプルに対し、(a)85重量部と(bc−1)15重量部からなる合計100重量部に、(f)増粘剤としてのフュームドシリカ(AEROSIL(登録商標) RY 200、日本アエロジル株式会社製)5重量部を添加した組成物1gを薬さじを用いて塗布したところ、塗布後30分でシリコーン樹脂の硬化物が溶解し、スクレーパーでSUS板から除去できた。

Claims (4)

  1. (a)シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、
    (b)アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩からなる群より選択される1種以上と、
    (c)硫酸と、
    (d)任意成分としてのノルマルプロピルブロマイドと
    を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(a)が0重量部超99.95重量部以下であり、(b)及び(c)の合計が0.05重量部以上60重量部以下であり、(d)が0重量部以上99.95重量部未満であるが、但し、(a)及び(d)の合計が40重量部以上99.95重量部以下である、合成樹脂の溶解剤。
  2. 更に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンからなる群より選択される1種以上の(e)有機溶剤を含み、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100重量部に対して、(e)が0重量部超300重量部以下である、請求項1に記載の溶解剤。
  3. 更に、無機増粘剤、多糖類系増粘剤、アクリル系増粘剤及びパラフィン系増粘剤からなる群より選択される1種以上の(f)増粘剤を含む、請求項1又は2に記載の溶解剤。
  4. 前記合成樹脂が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリイミド樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶解剤。
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