JP6794321B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置に関する。
従来、メカニカルシール(密封装置)の取り扱いや組み立て作業性を高めるために、複数の部材からなるメカニカルシールをセットプレートによりカートリッジ化させる技術が知られている。このようにカートリッジ化されたメカニカルシールは、1部品として取り扱うことが可能となる。一般に、カートリッジ化されたメカニカルシールには、回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるシールカバーと、これらのスリーブとシールカバーとを仮固定する上記のセットプレートが設けられている。そして、スリーブとシールカバーとの間の環状空間内に、回転環,固定環、及び付勢部材(スプリングなど)などの主要部材が設けられる。
以上のように構成されるメカニカルシールにおいては、シールカバーをハウジングに固定させ、かつスリーブを回転軸に固定させることで、回転軸やハウジングに対するメカニカルシールの位置決めを簡単に行うことができる。つまり、回転軸やハウジングに対して、主要部材である回転環,固定環、及び付勢部材の位置決めを簡単に行うことができる。これは、上記の通り、メカニカルシールは1部品化されており、シールカバーをハウジングに固定させることで、回転軸に対するスリーブの位置が一義的に決まるからである。
しかしながら、メカニカルシールの使用環境によっては、回転環,固定環及び付勢部材の配置位置を変えなければならないことがある。そのため、従来、使用環境に応じて、各部品について、寸法が異なる部品を用いなければならず、部品の共通化が図られていなかった。例えば、メカニカルシールが使用される環境温度により、スリーブの熱膨張量が異なるため、同一の部品からなるメカニカルシールを、環境温度の異なる条件下で用いた場合、回転環,固定環、及び付勢部材の配置関係が異なってしまう。従って、異なる条件下で、同一の品質を維持させることができず、異なる寸法の部品を用いなければならなかった。
特開2013−194899号公報 特開2016−217372号公報 特開2016−166624号公報
本発明の目的は、共通部品を用いても、回転軸に対するスリーブの位置を変えることができることにより、異なる環境下で使用可能な密封装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封装置は、
回転軸と、該回転軸が挿通される軸孔を有するハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記回転軸に固定され、かつ外向きフランジ部を有する金属製のスリーブと、
前記外向きフランジ部に固定される回転環と、
前記ハウジングの端面に固定される環状のシールカバーと、
前記シールカバーに対して設けられ、かつ前記回転環に対して摺動自在に設けられる固定環と、
前記固定環を前記回転環に向けて付勢する付勢部材と、
前記スリーブの両端部のうち、前記外向きフランジ部を介して前記ハウジングの端面側とは反対側の端部を前記回転軸に固定する固定部材と、
前記シールカバーと前記スリーブとを仮固定し、前記シールカバーが前記ハウジングに固定され、かつ前記スリーブが前記回転軸に固定された後に前記シールカバー及びスリーブから取り外されるセットプレートと、
を備える密封装置であって、
前記セットプレートは、前記シールカバーに仮固定される際に該シールカバーに密着される面として、第1基準面と第2基準面とが備えられており、
第1基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第1位置と、第2基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第2位置が、軸線方向にずれていることを特徴とする。
本発明によれば、セットプレートに、第1基準面と第2基準面が設けられていることにより、回転軸に対するスリーブの配置位置を変えることができる。これにより、密封装置を構成する各部材として、共通部品を用いても、回転軸に対するスリーブの位置を変えることができ、異なる環境下で密封装置を使用することができる。
第1環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第1基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定され、第1環境温度よりも温度の高い第2環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第2基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定されると共に、
第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量が、第1環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さと、第2環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さとの差になるように設計されており、第2位置の方が第1位置よりも前記ハウジングの端面から離れた位置であるとよい。
これにより、第1環境温度の下で密封装置が使用される場合と、第2環境温度の下で密封装置が使用される場合とで、回転環,固定環及び付勢部材の配置関係を同一にすることが可能となる。従って、両環境下で同一の品質を維持させることが可能となる。
前記固定環と前記回転環と前記付勢部材は、前記外向きフランジ部の両側にそれぞれ設けられているとよい。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、共通部品を用いても、回転軸に対するスリーブの位置を変えることができることにより、異なる環境下で密封装置を使用することができる。
図1は本発明の実施例に係る密封装置が回転軸及びハウジングに組み付けられた状態を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例に係るセットプレートの外観図である。 図3は本発明の実施例に係る密封装置の主要構成図である。 図4は本発明の実施例に係る密封装置の主要構成図である。 図5は本発明の実施例に係る密封装置の主要構成図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例に係る密封装置が回転軸及びハウジングに組み付けられた状態を示す模式的断面図である。なお、本実施例に係る密封装置を構成する各種部材は、一部の部材を除き、回転対称形状または略回転対称形状である。図1においては、密封装置の中心軸線(回転軸の中心軸線に一致する)を含む面で密封装置を切断した断面図を示している。ただし、説明の便宜上、特徴的な部分を示すために、切断位置の位相は適宜異なっている。図2は本発明の実施例に係るセットプレートの外観図であり、(a)はセットプレートの斜視図を示し、(b)はセットプレートの側面図を示している。以下の説明において、「軸線方向」とは、上記の中心軸線が伸びる方向を意味する。
<密封装置>
特に図1を参照して、密封装置10の全体構成について説明する。本実施例に係る密封装置10は、回転軸700と、回転軸700が挿通される軸孔を有するハウジング800との間の環状隙間を封止するために用いられる。図1において、ハウジング800の内部側の領域(S)が密封対象領域であり、図中、右側の領域(T)は大気領域である。
本実施例に係る密封装置10は、回転軸700に固定される金属製(例えば、ステンレス鋼製)のスリーブ100と、ハウジング800の端面に固定される環状のシールカバー400とを備えている。また、密封装置10は、スリーブ100とシールカバー400との間の環状隙間内に配置される第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300を備えている。更に、密封装置10は、スリーブ100を回転軸700に固定するための固定部材150と、密封装置10をカートリッジ化するためのセットプレート500と、液体が流れる方向を案内する一対の案内部材450,460とを備えている。
スリーブ100は、円筒状のスリーブ本体部110と、外向きフランジ部120とを一体に備えている。また、スリーブ本体部110には、環状溝111が設けられている。このスリーブ100は、両端部のうち、外向きフランジ部120を介してハウジング800の端面側とは反対側の端部が、固定部材150により固定される。なお、固定部材150は、ステンレス鋼などの金属により構成される環状の部材である。この固定部材150が回転軸700に嵌合された状態で、セットスクリュ151がネジ締結されることで、スリーブ100が回転軸700に固定される。
シールカバー400は、ハウジング800の端面に固定される第1シールカバー410と、第1シールカバー410に固定される第2シールカバー420とから構成される。これら第1シールカバー410及び第2シールカバー420はステンレス鋼等の金属により構成された環状の部材である。第1シールカバー410には、クエンチング液を供給又は排出させるための通路411が設けられている。なお、クエンチング液は、密封装置10の動作中に、第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300を冷却かつ洗浄するために、密封装置10の内部に流される。第2シールカバー420にもクエンチン
グ液を供給又は排出させるための通路421と、漏れた液を排出する通路422が設けられている。一対の案内部材450,460は、ステンレス鋼等の金属により構成された環状の部材により構成されており、それぞれクエンチング液の通路となる貫通孔451,461が設けられている。
第1メカニカルシール200は、スリーブ100の外向きフランジ部120に固定される回転環210と、シールカバー400に対して設けられ、かつ回転環210に対して摺動自在に設けられる固定環220と、固定環220を回転環210に向けて付勢する付勢部材230とを備えている。回転環210及び固定環220は、SiCやアルミナなどのセラミック材料又は、カーボン材料により構成される。回転環210は、外向きフランジ部120に取り付けられたピン211によって、廻り止めがなされている。なお、回転環210は、スリーブ100に対して、径方向と回転方向への移動は規制されているが軸線方向への移動は許容されている。固定環220は、シールカバー400に対して取り付けられたピン221によって、廻り止めがなされている。なお、固定環220は、シールカバー400に対して、径方向と回転方向への移動は規制されているが軸線方向への移動は許容されている。そして、シールカバー400に対して取り付けられた付勢部材230によって、固定環220は回転環210に向けて付勢される。本実施例に係る付勢部材230としてコイルスプリングを採用している。以上の構成により、回転軸700が回転するとスリーブ100と共に回転環210は回転し、回転環210と固定環220は摺動する。固定環220は付勢部材230によって、回転環210に向けて付勢されているので、回転環210と固定環220との摺動部分のシール性は維持される。
第2メカニカルシール300は、スリーブ100の外向きフランジ部120に固定される回転環310と、シールカバー400に対して設けられ、かつ回転環310に対して摺動自在に設けられる固定環320と、固定環320を回転環310に向けて付勢する付勢部材330とを備えている。回転環310及び固定環320は、SiCやアルミナなどのセラミック材料又は、カーボン材料により構成される。回転環310は、外向きフランジ部120に取り付けられたピン311によって、廻り止めがなされている。なお、回転環310は、スリーブ100に対して、径方向と回転方向への移動は規制されているが軸線方向への移動は許容されている。固定環320は、シールカバー400に対して取り付けられたピン321によって、廻り止めがなされている。なお、固定環320は、シールカバー400に対して、径方向と回転方向への移動は規制されているが軸線方向への移動は許容されている。そして、シールカバー400に対して取り付けられた付勢部材330によって、固定環320は回転環310に向けて付勢される。本実施例に係る付勢部材330としてコイルスプリングを採用している。以上の構成により、回転軸700が回転するとスリーブ100と共に回転環310は回転し、回転環310と固定環320は摺動する。固定環320は付勢部材330によって、回転環310に向けて付勢されているので、回転環310と固定環320との摺動部分のシール性は維持される。
本実施例に係る密封装置10においては、第1メカニカルシール200を構成する各種部材と、第2メカニカルシール300を構成する各種部材は、共通の部品を採用している。つまり、回転環210と回転環310,固定環220と固定環320,付勢部材230と付勢部材330,ピン211とピン311,ピン221とピン321は、それぞれ共通の部品である。
<セットプレート>
特に図2を参照して、本実施例に係るセットプレート500について説明する。セットプレート500は、複数の部材から構成される密封装置10をカートリッジ化して、密封装置10を1部品として取り扱うことができるために設けられている。セットプレート500は、シールカバー400とスリーブ100とを仮固定し、シールカバー400がハウ
ジング800に固定され、かつスリーブ100が回転軸700に固定された後にシールカバー400及びスリーブ100から取り外される。このセットプレート500は、シールカバー400及びスリーブ100に対して、周方向に間隔を空けて複数備えられる。また、全てのセットプレート500がシールカバー400及びスリーブ100から取り外されることで、シールカバー400とスリーブ100との相対的な回転が可能な状態になる。つまり、ハウジング800に対して回転軸700の回転が可能な状態となる。
本実施例に係るセットプレート500は、ステンレス鋼などの金属により構成され、かつ段差を有する略直方体形状の部材により構成される。つまり、セットプレート500は、薄肉部510と厚肉部520とを備えている。また、厚肉部520には、セットプレート500をシールカバー400に固定させるボルト550(図1参照)の軸部が挿通される貫通孔530が設けられている。以上のように構成されるセットプレート500においては、薄肉部510の先端部511が、スリーブ100に設けられた環状溝111に嵌るように、シールカバー400に固定される。これにより、シールカバー400とスリーブ100との軸線方向の相対的な位置関係が決まる。なお、セットプレートの材料として、金属に限らず、樹脂材料を用いることもできる。また、セットプレートは、略直方体形状の部材により構成されたものを複数設けるのではなく、回転軸700と同心的なリング形状の部材により構成することもできる。この場合において、リング形状からなるセットプレートを、その中心軸線を含む断面で切断した断面形状は、図2(b)に示した図と同様である。なお、セットプレートとして、リング形状の部材を採用する場合には、二つ割りなど、複数に分割されたものを組み合わせてリング形状となる部材により構成してもよい。
ここで、本実施例に係るセットプレート500は、シールカバー400に仮固定される際に、シールカバー400に密着される面として、第1基準面500Aと第2基準面500Bとが備えられている。第1基準面500Aがシールカバー400に密着された場合のスリーブ100の第1位置と、第2基準面500Bがシールカバー400に密着された場合のスリーブ100の第2位置は、軸線方向にずれる。この点について、より詳細に説明する。上記の通り、セットプレート500は、段差を有する略直方体形状の部材により構成されている。従って、第1基準面500Aがシールカバー400に密着された場合の薄肉部510側の先端部511の位置と、第2基準面500Bがシールカバー400に密着された場合の先端部511の位置は軸線方向にずれる。つまり、密封装置10が回転軸700及びハウジング800に組み付けられた状態において、前者の場合よりも後者の場合の方が、先端部511はハウジング800の端面から離れた位置となる。スリーブ100のシールカバー400に対する軸線方向の位置は、先端部511の位置により決まるため、上記の通り、スリーブ100の第1位置と第2位置は、軸線方向にずれることになる。なお、図1は、スリーブ100が第2位置に位置する状態を示している。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る密封装置10によれば、セットプレート500に、第1基準面500Aと第2基準面500Bが設けられていることにより、回転軸700に対するスリーブ100の配置位置を変えることができる。これにより、密封装置10を構成する各部材として、共通部品を用いても、回転軸700に対するスリーブ100の位置を変えることができる。従って、スリーブ100の配置位置が異なることが求められる2種類の環境下で、本実施例に係る密封装置10を使用することができる。
なお、本実施例に係る密封装置10においては、メカニカルシール(第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300)が、スリーブ100の外向きフランジ部120を介して両側にそれぞれ設けられる場合の構成を示した。しかしながら、本発明は、スリーブの外向きフランジ部を介して、一方側にのみメカニカルシールが設けられる場合
にも適用し得る。また、上記実施例では、スリーブ100に設けられた環状溝111にセットプレート500の先端部511が嵌ることで、シールカバー400に対するスリーブ100の軸線方向の位置決めがなされる場合を示した。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されることはない。例えば、セットプレートの先端に凹部を設け、かつスリーブに、当該凹部に嵌る環状突起を設ける構成を採用することもできる。この場合でも、セットプレートの第1基準面をシールカバーに密着させた場合と、第2基準面をシールカバーに密着させた場合とで、凹部の位置が軸線方向にずれるようにすることで、スリーブの位置を変えることが可能である。
(本実施例に係る密封装置の好適な使用例)
図3〜図5を参照して、本実施例に係る密封装置10の好適な使用例について説明する。本実施例に係る密封装置10は、環境温度が異なる2つの条件下でそれぞれ使用したい場合に、特に効果的である。以下、第1環境温度と第2環境温度で、全て共通の部品により構成される密封装置10の使用の仕方について説明する。なお、第1環境温度は常温とし、第2環境温度は常温よりも温度が高い場合を例にして説明する。
図3〜図5においては、密封装置10の主要構成のみを断面的に示し、かつ各構成について簡略的に示している。また、図3は第1環境温度(常温)の下で密封装置10を使用する場合において、密封装置10を回転軸700及びハウジング800に組み付けた状態を示している。図4は第2環境温度(高温)の下で密封装置10を使用する場合において、密封装置10を回転軸700及びハウジング800に組み付けた状態かつ使用される前の常温環境下の状態を示している。図5は第2環境温度(高温)の下で密封装置10を使用する場合において、密封装置10の使用時の状態を示している。
図3に示すように、第1環境温度の下で密封装置10が用いられる場合には、第1基準面500Aがシールカバー400に密着された状態でセットプレート500がシールカバー400に仮固定される。また、図4に示すように、第2環境温度の下で密封装置10が用いられる場合には、第2基準面500Bがシールカバー400に密着された状態でセットプレート500がシールカバー400に仮固定される。
また、第1位置(図3中のスリーブ100の位置)と第2位置(図4中のスリーブ100の位置)との軸線方向のずれ量Xが、第1環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さと、第2環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さとの差になるように設計されている。更に、第2位置の方が第1位置よりもハウジング800の端面から離れた位置となるように構成されている。なお、第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量は、セットプレート500の段差Xと等しくなる。以下、図3〜図5を参照して、より詳細に説明する。
<第1環境温度(常温)の下で密封装置が使用される場合>
第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300が組み付けられた状態において、付勢部材230及び付勢部材330の軸線方向の長さをS0とする。また、スリーブ100の第1環境温度の下での軸線方向の長さをH0とする。また、ハウジング800の端面からスリーブ100における固定部材150に固定されている端部側の端面までの距離をL0とする。また、ハウジング800の端面から第1メカニカルシール200における摺動部分(回転環210と固定環220の摺動部分)までの距離をL1とする。更に、ハウジング800の端面から第2メカニカルシール300における摺動部分(回転環310と固定環320の摺動部分)までの距離をL2とする。
密封装置10が回転軸700及びハウジング800に組み付けられた後に、セットプレート500は取り外される。その後、第1環境温度の下で密封装置10が使用されても、
第1環境温度は常温であることから、密封装置10を構成する各部材は熱膨張しないため、各部材同士の位置関係(上記の寸法S0,H0,L0,L1,L2)の変化はない。
<第2環境温度(高温)の下で密封装置が使用される場合>
第2環境温度の下で密封装置10が使用される場合において、図4を参照して、密封装置10が回転軸700及びハウジング800に組み付けられた状態について説明する。この場合、セットプレート500の第2基準面500Bがシールカバー400に密着された状態となるため、セットプレート500の先端部511は、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた状態となる。これにより、スリーブ100は、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた位置に固定される。従って、ハウジング800の端面からスリーブ100における固定部材150に固定されている端部側の端面までの距離は(L0+X)となる。これにより、スリーブ100における外向きフランジ部120の位置も、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた状態となる。従って、第1メカニカルシール200における付勢部材230の軸線方向の長さは(S0+X)となる。これに対して、第2メカニカルシール300における付勢部材330の軸線方向の長さは(S0−X)となる。また、ハウジング800の端面から第1メカニカルシール200における摺動部分までの距離はL1+Xとなる。更に、ハウジング800の端面から第2メカニカルシール300における摺動部分までの距離はL2+Xとなる。なお、セットプレート500が仮固定された状態(密封装置10の使用前の状態)においては、常温のままなので、スリーブ100の軸線方向の長さはH0である。
次に、図5を参照して、セットプレート500が取り外されて、密封装置10が第2環境温度の下で使用されている状態について説明する。本実施例においては、使用時には、ハウジング800の内部の温度が高くなり、領域(S)は第2環境温度となる。これにより、特に、第1メカニカルシール200とスリーブ100が高温環境下に曝される。なお、シールカバー400と第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300との間の空間にはクエンチング液が流れるため冷却効果が発揮され、かつシールカバー400は大気に曝されているため、シールカバー400は殆ど熱膨張することはない。また、第1メカニカルシール200を構成する回転環210及び固定環220はセラミック材料で構成されているため、熱膨張は殆ど無視できる。本実施例の場合には、スリーブ100のみが熱膨張によって、伸びることになる。
そして、本実施例に係るスリーブ100は、第2環境温度の下では、第1環境温度(常温)の場合に比べて、熱膨張によりX分だけ伸びるように設計されている。つまり、第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量(セットプレート500の段差に相当)と、第1環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さと、第2環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さとの差が、いずれもXとなるように設計されている。
従って、図5に示すように、第2環境温度の下では、スリーブ100の軸線方向の長さは(H0+X)となる。これにより、スリーブ100における外向きフランジ部120の位置は、図4に示す場合に比べて、ハウジング800の端面に対して、X分だけ近づいた状態となる。従って、第1メカニカルシール200における付勢部材230の軸線方向の長さはS0となり、第2メカニカルシール300における付勢部材330の軸線方向の長さもS0となる。また、ハウジング800の端面から第1メカニカルシール200における摺動部分までの距離はL1となる。更に、ハウジング800の端面から第2メカニカルシール300における摺動部分までの距離はL2となる。
以上のように、第1環境温度の下で密封装置10が使用される場合と、第2環境温度の下で密封装置10が使用される場合とで、第1メカニカルシール200を構成する各種部
材、及び第2メカニカルシール300を構成する各種部材の配置関係を同一にすることができる。つまり、第1環境温度の下で密封装置10が使用される場合と、第2環境温度の下で密封装置10が使用される場合とで、上記の寸法S0,L1,L2を同一とすることができる。従って、両環境下で同一の品質を維持させることが可能となる。
なお、以上の使用例においては、第1環境温度が常温の場合を例にして説明した。しかしながら、第1環境温度が常温ではない場合でも、第1環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さと第2環境温度の下におけるスリーブ100の軸線方向の長さの差と、第1位置と第2位置との差が等しくなるようにすれば、同様の効果を得ることができる。
また、本実施例に係る密封装置10の好適な使用例としては、温度環境が異なる2つの条件下でそれぞれ使用した場合に限らない。例えば、密封装置10が適用される装置において、運転が停止された状態から運転が開始されることで、装置の構造上、ハウジング800に対して回転軸700が軸線方向にずれるような仕様になっている場合がある。従って、運転開始後に、回転軸700が軸線方向にずれない仕様の装置と、軸線方向にずれてしまう仕様の装置の両者のいずれにも使用したい場合に、本実施例に係る密封装置10を好適に用いることができる。勿論、運転開始後に回転軸700が軸線方向にずれる量が異なる2つの条件下でそれぞれ使用したい場合にも、本実施例に係る密封装置10を好適に用いることができる。
10 密封装置
100 スリーブ
110 スリーブ本体部
111 環状溝
120 外向きフランジ部
150 固定部材
151 セットスクリュ
200 第1メカニカルシール
210 回転環
211 ピン
220 固定環
221 ピン
230 付勢部材
300 第2メカニカルシール
310 回転環
311 ピン
320 固定環
321 ピン
330 付勢部材
400 シールカバー
410 第1シールカバー
411 通路
420 第2シールカバー
421,422 通路
450,460 案内部材
451,461 貫通孔
500 セットプレート
500A 第1基準面
500B 第2基準面
510 薄肉部
511 先端部
520 厚肉部
530 貫通孔
550 ボルト
700 回転軸
800 ハウジング

Claims (3)

  1. 回転軸と、該回転軸が挿通される軸孔を有するハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
    前記回転軸に固定され、かつ外向きフランジ部を有する金属製のスリーブと、
    前記外向きフランジ部に固定される回転環と、
    前記ハウジングの端面に固定される環状のシールカバーと、
    前記シールカバーに対して設けられ、かつ前記回転環に対して摺動自在に設けられる固定環と、
    前記固定環を前記回転環に向けて付勢する付勢部材と、
    前記スリーブの両端部のうち、前記外向きフランジ部を介して前記ハウジングの端面側とは反対側の端部を前記回転軸に固定する固定部材と、
    前記シールカバーと前記スリーブとを仮固定し、前記シールカバーが前記ハウジングに固定され、かつ前記スリーブが前記回転軸に固定された後に前記シールカバー及びスリーブから取り外されるセットプレートと、
    を備える密封装置であって、
    前記セットプレートは、前記シールカバーに仮固定される際に該シールカバーに密着される面として、第1基準面と第2基準面とが備えられており、
    第1基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第1位置と、第2基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第2位置が、軸線方向にずれていることを特徴とする密封装置。
  2. 第1環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第1基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定され、第1環境温度よりも温度の高い第2環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第2基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定されると共に、
    第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量が、第1環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さと、第2環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さとの差になるように設計されており、第2位置の方が第1位置よりも前記ハウジングの端面から離れた位置であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記固定環と前記回転環と前記付勢部材は、前記外向きフランジ部の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
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