JP6794321B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
回転軸と、該回転軸が挿通される軸孔を有するハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記回転軸に固定され、かつ外向きフランジ部を有する金属製のスリーブと、
前記外向きフランジ部に固定される回転環と、
前記ハウジングの端面に固定される環状のシールカバーと、
前記シールカバーに対して設けられ、かつ前記回転環に対して摺動自在に設けられる固定環と、
前記固定環を前記回転環に向けて付勢する付勢部材と、
前記スリーブの両端部のうち、前記外向きフランジ部を介して前記ハウジングの端面側とは反対側の端部を前記回転軸に固定する固定部材と、
前記シールカバーと前記スリーブとを仮固定し、前記シールカバーが前記ハウジングに固定され、かつ前記スリーブが前記回転軸に固定された後に前記シールカバー及びスリーブから取り外されるセットプレートと、
を備える密封装置であって、
前記セットプレートは、前記シールカバーに仮固定される際に該シールカバーに密着される面として、第1基準面と第2基準面とが備えられており、
第1基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第1位置と、第2基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第2位置が、軸線方向にずれていることを特徴とする。
第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量が、第1環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さと、第2環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さとの差になるように設計されており、第2位置の方が第1位置よりも前記ハウジングの端面から離れた位置であるとよい。
図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例に係る密封装置が回転軸及びハウジングに組み付けられた状態を示す模式的断面図である。なお、本実施例に係る密封装置を構成する各種部材は、一部の部材を除き、回転対称形状または略回転対称形状である。図1においては、密封装置の中心軸線(回転軸の中心軸線に一致する)を含む面で密封装置を切断した断面図を示している。ただし、説明の便宜上、特徴的な部分を示すために、切断位置の位相は適宜異なっている。図2は本発明の実施例に係るセットプレートの外観図であり、(a)はセットプレートの斜視図を示し、(b)はセットプレートの側面図を示している。以下の説明において、「軸線方向」とは、上記の中心軸線が伸びる方向を意味する。
特に図1を参照して、密封装置10の全体構成について説明する。本実施例に係る密封装置10は、回転軸700と、回転軸700が挿通される軸孔を有するハウジング800との間の環状隙間を封止するために用いられる。図1において、ハウジング800の内部側の領域(S)が密封対象領域であり、図中、右側の領域(T)は大気領域である。
グ液を供給又は排出させるための通路421と、漏れた液を排出する通路422が設けられている。一対の案内部材450,460は、ステンレス鋼等の金属により構成された環状の部材により構成されており、それぞれクエンチング液の通路となる貫通孔451,461が設けられている。
特に図2を参照して、本実施例に係るセットプレート500について説明する。セットプレート500は、複数の部材から構成される密封装置10をカートリッジ化して、密封装置10を1部品として取り扱うことができるために設けられている。セットプレート500は、シールカバー400とスリーブ100とを仮固定し、シールカバー400がハウ
ジング800に固定され、かつスリーブ100が回転軸700に固定された後にシールカバー400及びスリーブ100から取り外される。このセットプレート500は、シールカバー400及びスリーブ100に対して、周方向に間隔を空けて複数備えられる。また、全てのセットプレート500がシールカバー400及びスリーブ100から取り外されることで、シールカバー400とスリーブ100との相対的な回転が可能な状態になる。つまり、ハウジング800に対して回転軸700の回転が可能な状態となる。
本実施例に係る密封装置10によれば、セットプレート500に、第1基準面500Aと第2基準面500Bが設けられていることにより、回転軸700に対するスリーブ100の配置位置を変えることができる。これにより、密封装置10を構成する各部材として、共通部品を用いても、回転軸700に対するスリーブ100の位置を変えることができる。従って、スリーブ100の配置位置が異なることが求められる2種類の環境下で、本実施例に係る密封装置10を使用することができる。
にも適用し得る。また、上記実施例では、スリーブ100に設けられた環状溝111にセットプレート500の先端部511が嵌ることで、シールカバー400に対するスリーブ100の軸線方向の位置決めがなされる場合を示した。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されることはない。例えば、セットプレートの先端に凹部を設け、かつスリーブに、当該凹部に嵌る環状突起を設ける構成を採用することもできる。この場合でも、セットプレートの第1基準面をシールカバーに密着させた場合と、第2基準面をシールカバーに密着させた場合とで、凹部の位置が軸線方向にずれるようにすることで、スリーブの位置を変えることが可能である。
図3〜図5を参照して、本実施例に係る密封装置10の好適な使用例について説明する。本実施例に係る密封装置10は、環境温度が異なる2つの条件下でそれぞれ使用したい場合に、特に効果的である。以下、第1環境温度と第2環境温度で、全て共通の部品により構成される密封装置10の使用の仕方について説明する。なお、第1環境温度は常温とし、第2環境温度は常温よりも温度が高い場合を例にして説明する。
第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール300が組み付けられた状態において、付勢部材230及び付勢部材330の軸線方向の長さをS0とする。また、スリーブ100の第1環境温度の下での軸線方向の長さをH0とする。また、ハウジング800の端面からスリーブ100における固定部材150に固定されている端部側の端面までの距離をL0とする。また、ハウジング800の端面から第1メカニカルシール200における摺動部分(回転環210と固定環220の摺動部分)までの距離をL1とする。更に、ハウジング800の端面から第2メカニカルシール300における摺動部分(回転環310と固定環320の摺動部分)までの距離をL2とする。
第1環境温度は常温であることから、密封装置10を構成する各部材は熱膨張しないため、各部材同士の位置関係(上記の寸法S0,H0,L0,L1,L2)の変化はない。
第2環境温度の下で密封装置10が使用される場合において、図4を参照して、密封装置10が回転軸700及びハウジング800に組み付けられた状態について説明する。この場合、セットプレート500の第2基準面500Bがシールカバー400に密着された状態となるため、セットプレート500の先端部511は、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた状態となる。これにより、スリーブ100は、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた位置に固定される。従って、ハウジング800の端面からスリーブ100における固定部材150に固定されている端部側の端面までの距離は(L0+X)となる。これにより、スリーブ100における外向きフランジ部120の位置も、図3に示す場合に比べて、ハウジング800の端面からX分だけ離れた状態となる。従って、第1メカニカルシール200における付勢部材230の軸線方向の長さは(S0+X)となる。これに対して、第2メカニカルシール300における付勢部材330の軸線方向の長さは(S0−X)となる。また、ハウジング800の端面から第1メカニカルシール200における摺動部分までの距離はL1+Xとなる。更に、ハウジング800の端面から第2メカニカルシール300における摺動部分までの距離はL2+Xとなる。なお、セットプレート500が仮固定された状態(密封装置10の使用前の状態)においては、常温のままなので、スリーブ100の軸線方向の長さはH0である。
材、及び第2メカニカルシール300を構成する各種部材の配置関係を同一にすることができる。つまり、第1環境温度の下で密封装置10が使用される場合と、第2環境温度の下で密封装置10が使用される場合とで、上記の寸法S0,L1,L2を同一とすることができる。従って、両環境下で同一の品質を維持させることが可能となる。
100 スリーブ
110 スリーブ本体部
111 環状溝
120 外向きフランジ部
150 固定部材
151 セットスクリュ
200 第1メカニカルシール
210 回転環
211 ピン
220 固定環
221 ピン
230 付勢部材
300 第2メカニカルシール
310 回転環
311 ピン
320 固定環
321 ピン
330 付勢部材
400 シールカバー
410 第1シールカバー
411 通路
420 第2シールカバー
421,422 通路
450,460 案内部材
451,461 貫通孔
500 セットプレート
500A 第1基準面
500B 第2基準面
510 薄肉部
511 先端部
520 厚肉部
530 貫通孔
550 ボルト
700 回転軸
800 ハウジング
Claims (3)
- 回転軸と、該回転軸が挿通される軸孔を有するハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記回転軸に固定され、かつ外向きフランジ部を有する金属製のスリーブと、
前記外向きフランジ部に固定される回転環と、
前記ハウジングの端面に固定される環状のシールカバーと、
前記シールカバーに対して設けられ、かつ前記回転環に対して摺動自在に設けられる固定環と、
前記固定環を前記回転環に向けて付勢する付勢部材と、
前記スリーブの両端部のうち、前記外向きフランジ部を介して前記ハウジングの端面側とは反対側の端部を前記回転軸に固定する固定部材と、
前記シールカバーと前記スリーブとを仮固定し、前記シールカバーが前記ハウジングに固定され、かつ前記スリーブが前記回転軸に固定された後に前記シールカバー及びスリーブから取り外されるセットプレートと、
を備える密封装置であって、
前記セットプレートは、前記シールカバーに仮固定される際に該シールカバーに密着される面として、第1基準面と第2基準面とが備えられており、
第1基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第1位置と、第2基準面が前記シールカバーに密着された場合の前記スリーブの第2位置が、軸線方向にずれていることを特徴とする密封装置。 - 第1環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第1基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定され、第1環境温度よりも温度の高い第2環境温度の下で密封装置が用いられる場合には、第2基準面が前記シールカバーに密着された状態で前記セットプレートが前記シールカバーに仮固定されると共に、
第1位置と第2位置との軸線方向のずれ量が、第1環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さと、第2環境温度の下における前記スリーブの軸線方向の長さとの差になるように設計されており、第2位置の方が第1位置よりも前記ハウジングの端面から離れた位置であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。 - 前記固定環と前記回転環と前記付勢部材は、前記外向きフランジ部の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
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JP2017139052A JP6794321B2 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 密封装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017139052A JP6794321B2 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 密封装置 |
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JP2019019902A JP2019019902A (ja) | 2019-02-07 |
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Family Applications (1)
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JP2017139052A Active JP6794321B2 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 密封装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4283265B2 (ja) * | 2005-11-14 | 2009-06-24 | 日本ピラー工業株式会社 | スラリー流体用メカニカルシール |
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-
2017
- 2017-07-18 JP JP2017139052A patent/JP6794321B2/ja active Active
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