JP6792094B1 - ブレーキキャリパ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本開示に係る実施形態のブレーキキャリパ装置1について図1から図4を参照して説明する。ブレーキキャリパ装置1は、例えば鉄道車両(以下、単に車両と称する)の台車輪軸の車軸(不図示)に設けられたディスクDを、車軸の延在方向の両側から挟み込むことで、ディスクDと繋がっており、ディスクDとともに回転する車両の車軸にブレーキ力を発生させる装置である。
ブレーキ本体2は、一対のアーム部3の基端3bを幅方向Xに移動させるように可動させる。具体的には、ブレーキ本体2は、シリンダ21と、ピストン(不図示)と、ケーシング22とを有している。シリンダ21は、有底筒状をなして、幅方向Xに延びている。ピストンは、シリンダ21内に収容されて、幅方向Xに進退可能とされている。ケーシング22は、アーム部3の基端3bに接続されている。ケーシング22は、シリンダ21を内部に収容している。アーム揺動部4及びブラケット部5は、ピン型ロードセルが挿入されることで互いに取り付けられている。ブラケット部5は、不図示の車両(車体又は台車の台車枠)に取付けられている。
一対のアーム部3の各々には、ディスクDに接触可能とされたブレーキパッドPDが先端3aに配置されている。各アーム部3は、前後方向Yに延びている。一対のアーム部3は、幅方向Xに離れて配置されている。各々のアーム部3の先端3aには、上下方向Zに延びるパッド支持軸31が配置されている。パッド支持軸31は、アーム部3に対して回転可能とされている。ブレーキパッドPDは、パッド支持軸31に支持されていることで、アーム部3の先端3aに対して回転可能に支持されている。ブレーキ本体2によって、一対のアーム部3の基端3bが、上下方向Zから見た際に、幅方向Xに広がるように移動する。これにより、一対のアーム部3の先端3aに支持されたブレーキパッドPDがディスクDに押し付けられる。ブレーキパッドPDがディスクDに押し付けられることで輪軸にブレーキ力が発生する。本実施形態では、各々のアーム部3の先端3aは上下方向Zに二股に分かれた形状をなしている。
アーム揺動部4は、前後方向Yにおける基端3bと先端3aとの間で、一対のアーム部3の各々を支持している。具体的には、アーム揺動部4は、第三方向である上下方向Zに延びる第一支持軸O1周りにアーム部3を回転可能に支持している。アーム揺動部4は、ブラケット部5に対してピン型ロードセル6を介して回転可能に支持されている。本実施形態のアーム揺動部4は、第一揺動部本体41と、第二揺動部本体42と、一対の揺動軸43とを有している。
ブラケット部5は、不図示のボルト等によって車両(車体又は台車の台車枠)に固定可能とされている。ブラケット部5は、ピン型ロードセル6を第二支持軸O2周りに回転可能に支持している。したがって、ブラケット部5は、ピン型ロードセル6を介して、アーム揺動部4を第二支持軸O2周りに回転可能に支持している。ブラケット部5は、第一揺動部本体41がピン型ロードセル6を支持している位置に対して、前後方向Yの両側から挟み込むように、ピン型ロードセル6を支持している。これにより、ブラケット部5は、第一揺動部本体41の前後方向Yへの移動を規制している。本実施形態のブラケット部5には、図2に示すように、ピン型ロードセル6を挿入可能なブラケット支持孔511が形成されている。ブラケット支持孔511は、第二支持軸O2を中心とする断面円形状をなして、ブラケット部5を前後方向Yに貫通するように形成されている。ブラケット支持孔511は、ブラケット部5に対して、前後方向Yに離れて二箇所形成されている。
ピン型ロードセル6は、図1に示すように、ブラケット部5に対して、アーム揺動部4を第二支持軸O2周りに回転可能に支持している。ピン型ロードセル6は、外周面に作用する荷重を検出可能とされている。本実施形態のピン型ロードセル6は、図2に示すように、ロードセル本体61と、出力ケーブル62とを有している。
規制部材7は、ピン型ロードセル6の第二支持軸O2周りの回転及び第二支持軸O2の延びる方向である前後方向Yへの移動を規制している。規制部材7は、ブラケット部5及びピン型ロードセル6に対して着脱可能とされている。規制部材7は、ロードセル本体61がブラケット支持孔511及び揺動部支持孔411に挿入された状態で、ブラケット部5に固定可能とされている。図3及び図4に示すように、本実施形態の規制部材7は、キー部材71と、固定部材72と、回り止め部材73とを有している。
防振材8は、図1及び図2に示すように、ブラケット部5及びアーム揺動部4の間での振動の伝達を抑制する。防振材8は、例えば、弾性部材のように、振動を減衰させることが可能な材料で形成されていることが好ましい。本実施形態の防振材8は、矩形板状をなすゴム板である。防振材8は、ブラケット部5及び第一揺動部本体41に対して、上下方向Zから挟まれるように、それぞれに面接触した状態で配置されている。防振材8は、上下方向Zから見た際に、ブラケット部5、第一揺動部本体41、及び挿入部611が重なる位置に配置されている。また、防振材8は本実施形態の構造に限定されるものではない。防振材8は、アーム揺動部4の振動の伝達を抑制できる構造であればよい。例えば、防振材8は、アーム揺動部4と車体及び台車枠の間に配置された構造でもよい。
上記構成のブレーキキャリパ装置1では、ブレーキ本体2が駆動されることで、シリンダ21からピストンが突出するように幅方向Xに移動する。これにより、一対のアーム部3の基端3bが、ピストンによって、幅方向Xの外側に向かって移動される。アーム部3の基端3bが幅方向Xの外側に移動されることで、揺動軸43を中心としてアーム部3が回転し、アーム部3の先端3aがディスクDに近づくように幅方向Xの内側に向かって移動する。その結果、一対のアーム部3の先端3aに配置されたブレーキパッドPDがディスクDに押し付けられ、輪軸にブレーキがかかる。この際、生じるブレーキ力(制動トルク)は、ディスクDの回転する方向とは反対向きの力として、ブレーキパッドPDを介してアーム部3に伝わる。そして、アーム部3に伝わった力は、揺動軸43を介して第一揺動部本体41及び第二揺動部本体42に伝わる。第一揺動部本体41及び第二揺動部本体42に伝わった力は、車両に固定されたブラケット部5と第一揺動部本体41との間に介在している挿入部611に、負荷を生じさせる。その結果、挿入部611内に配置された二つのひずみゲージ60によって、ピン型ロードセル6にかかる荷重が測定される。測定結果のデータは、外部機器に送られる。外部機器では、測定された荷重(ひずみ)の値からブレーキ力を算出することで、ブレーキ時に生じたブレーキ力が取得可能となる。
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本実施形態に記載のブレーキキャリパ装置1は、例えば以下のように把握される。
ロードセル本体61が、第一方向において、一対のブレーキパッドPDに対して等距離となるように配置される。これにより、ひずみゲージ60では、ロードセル本体61に作用する垂直方向成分の荷重のみをより精度よく検出することができる。
2 ブレーキ本体
21 シリンダ
22 ケーシング
3 アーム部
3a 先端
3b 基端
PD ブレーキパッド
31 パッド支持軸
4 アーム揺動部
O1 第一支持軸
41 第一揺動部本体
411 揺動部支持孔
42 第二揺動部本体
43 揺動軸
5 ブラケット部
511 ブラケット支持孔
O2 第二支持軸
6 ピン型ロードセル
61 ロードセル本体
611 挿入部
612 拡径部
615 キー溝
60 ひずみゲージ
62 出力ケーブル
7 規制部材
71 キー部材
72 固定部材
73 回り止め部材
8 防振材
9 ブッシュ
D ディスク
X 幅方向
Y 前後方向
Z 上下方向
Claims (6)
- 車両のディスクをブレーキパッドで挟み込むことで、前記ディスクと繋がった前記車両の車軸にブレーキ力を発生させるブレーキキャリパ装置であって、
前記ディスクに接触可能とされた前記ブレーキパッドが先端に配置され、前記ブレーキパッドが前記ディスクを挟み込む方向である第一方向と交差する第二方向に延びる一対のアーム部と、
一対の前記アーム部の基端を前記第一方向に移動させるブレーキ本体と、
前記基端と前記先端との間で、前記第一方向及び前記第二方向に交差する第三方向に延びる第一支持軸周りに一対の前記アーム部の各々を回転可能に支持するアーム揺動部と、
前記車両に固定可能とされたブラケット部と、
前記ブラケット部に対して、前記アーム揺動部を前記第二方向に延びる第二支持軸周りに回転可能に支持するとともに、外周面に作用する荷重を検出可能としたピン型ロードセルとを備え、
前記ブラケット部には、前記ピン型ロードセルを挿入可能なブラケット支持孔が前記第二方向に貫通するように形成され、
前記アーム揺動部には、前記ピン型ロードセルを挿入可能な揺動部支持孔が前記第二方向に貫通するように形成され、
前記ピン型ロードセルは、
前記ブラケット支持孔及び前記揺動部支持孔に挿入された状態で、前記ブラケット部に対して前記アーム揺動部を支持する円柱状のロードセル本体と、
前記ロードセル本体における前記ディスクに対して遠い位置の端部から延び、前記ピン型ロードセルの外周面に作用する荷重の検出結果を外部機器に出力可能な出力ケーブルとを有するブレーキキャリパ装置。 - 前記ブラケット部及び前記アーム揺動部に接触した状態で配置され、前記ブラケット部及び前記アーム揺動部の間での振動の伝達を抑制する防振材をさらに備える請求項1に記載のブレーキキャリパ装置。
- 前記ブラケット部に着脱可能とされ、前記ブラケット部に対する前記ロードセル本体の前記第二支持軸周りの回転及び前記第二支持軸の延びる方向への移動を規制する規制部材をさらに備える請求項1又は請求項2に記載のブレーキキャリパ装置。
- 前記ロードセル本体は、内部に前記出力ケーブルと接続されたひずみゲージが収容されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載のブレーキキャリパ装置。
- 前記ロードセル本体の中心軸は、前記第一方向において、一対の前記ブレーキパッドで挟まれた位置であって、一対の前記ブレーキパッドに対して等距離となる中間位置に配置され、
前記ロードセル本体は、垂直方向成分の前記荷重を検出する請求項1から請求項4の何れか一項に記載のブレーキキャリパ装置。 - 前記ロードセル本体は、その中心軸が前記第二支持軸と一致した状態で、前記ブラケット支持孔及び前記揺動部支持孔に挿入され、
前記ロードセル本体は、垂直方向成分の前記荷重を検出する請求項1から請求項5の何れか一項に記載のブレーキキャリパ装置。
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