JP6791195B2 - 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備 - Google Patents

金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備 Download PDF

Info

Publication number
JP6791195B2
JP6791195B2 JP2018075787A JP2018075787A JP6791195B2 JP 6791195 B2 JP6791195 B2 JP 6791195B2 JP 2018075787 A JP2018075787 A JP 2018075787A JP 2018075787 A JP2018075787 A JP 2018075787A JP 6791195 B2 JP6791195 B2 JP 6791195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure roll
metal strip
welding
width direction
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018075787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019181516A (ja
Inventor
植野 雅康
雅康 植野
壮一郎 上原
壮一郎 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2018075787A priority Critical patent/JP6791195B2/ja
Publication of JP2019181516A publication Critical patent/JP2019181516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6791195B2 publication Critical patent/JP6791195B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、鋼帯などの金属帯の生産を連続して行うプロセスラインにおいて、先行金属帯の後端部と後行金属帯の先端部を溶接接合した後、その溶接接合部の厚みを母材に近づけるために行う、溶接接合部の減厚方法およびその実施に供される金属帯の溶接設備に関する。
鋼帯の連続式酸洗ライン、連続式タンデム圧延ライン、連続焼鈍ラインなどのような金属帯の生産を連続して行うプロセスライン(連続ライン)では、先行金属帯の後端部と後行金属帯の先端部を接合する溶接プロセスが必要不可欠である。この溶接プロセスでの金属帯の溶接には、レーザー溶接、フラッシュバット溶接、シーム溶接などが用いられるが、いずれの溶接法を用いた場合でも、溶接ままでは、溶接接合部(溶接継手部)の厚みは母材の厚みに比べて大きくなり、段差が形成される。このような段差のある溶接接合部では応力集中が生じやすく、金属帯の通板過程での曲げ変形や圧延変形により破断等が発生するおそれがあるため、この溶接段差を小さくする必要がある。
この溶接段差を小さくする方法として、特許文献1(特開平5−69151号公報)には、接合部となる先行材と後行材の端部を、溶接前に上下一対のロールからなる加圧ロールで圧下して薄く加工することにより、溶接接合部の厚みを減少させる方法が示されている。また、特許文献2(特開2000−197979号公報)には、シーム溶接後に上下一対のロールからなる加圧ロールによって段差部分を圧下して減厚する方法が、特許文献3(特開2013−27934号公報)には、レーザー溶接後に上下一対のロールからなる加圧ロールによって段差部分を圧下して減厚する方法が、それぞれ示されている。
特開平5−69151号公報 特開2000−197979号公報 特開2013−27934号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法において、溶接前に先行材と後行材の端部を圧下する加工は室温で行われるため、所定の減厚量(減肉量)を確保するための加工反力が大きくなり、設備規模が大きくなる難点がある。また、金属帯エッジ部を室温で加工するため、加圧ロール表面に疵が入りやすい。このような疵が入ったロールでの操業を続けると、金属帯に疵が転写し、シーム溶接等ではその後の溶接過程でスパークが発生しやすくなる問題がある。
一方、特許文献2、3に記載された方法は、溶接時の入熱を利用し、高温で軟質化した溶接接合部を圧下するため加工反力は小さく、ロールに疵なども入りにくいという利点がある。しかし、本発明者らによる検討の結果、特許文献2、3に記載された方法で溶接接合部(段差部分)を金属帯板幅方向で移動する加圧ロールにより圧下して減厚加工した場合、減厚加工後の溶接接合部の厚みは板幅方向で一定にはならず、金属帯板幅方向で圧下開始点から圧下終了点にかけて厚みが漸減していることが判った。後に詳述するように、この原因は、加圧ロールと金属帯間の接触熱伝導に起因した溶接接合部の温度変化によるものであることが判った。このように板幅方向で溶接接合部の厚みに差が生じると、連続ラインでの金属帯の蛇行や破断の原因となるなど、安定操業の阻害要因となりやすい。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動する加圧ロールで圧下することにより減厚加工する方法において、減厚加工された溶接接合部の金属帯板幅方向での板厚偏差を改善することができる方法およびその実施に好適な溶接設備を提供することにある。
本発明者らは、上述したような課題を知見し、これを解決するために検討を重ねた結果なされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動する加圧ロール(x)で圧下することにより減厚加工する方法であって、
溶接接合部を圧下する加圧ロール(x)の圧下荷重を、加圧ロール(x)が金属帯板幅方向で移動する間に変更することを特徴とする金属帯の溶接接合部の減厚方法。
[2]上記[1]の減厚方法において、加圧ロール(x)の圧下荷重を、加圧ロール(x)が金属帯板幅方向で移動する間に漸減させることを特徴とする金属帯の溶接接合部の減厚方法。
[3]上記[1]または[2]の減厚方法において、金属帯板幅方向で移動中の加圧ロール(x)の表面温度を測定し、このロール表面温度に基づいて加圧ロール(x)の圧下荷重を制御することを特徴とする金属帯の溶接接合部の減厚方法。
[4]連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動しながら圧下して減厚加工する加圧ロール(x)を備えた溶接設備であって、
金属帯板幅方向で移動中の加圧ロール(x)の表面温度を測定する温度計と、該温度計で測定されたロール表面温度に基づいて加圧ロール(x)の最適な圧下荷重を演算し、加圧ロール(x)の圧下荷重を制御する演算制御装置を備えることを特徴とする金属帯の溶接設備。
本発明法によれば、連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動する加圧ロールで圧下することにより減厚加工する方法において、減厚加工された溶接接合部の金属帯板幅方向での板厚偏差を適切に改善することができる。このため、減厚加工された溶接接合部の金属帯板幅方向での板厚偏差に起因した金属帯の蛇行や破断などの通板トラブルを防止でき、連続ラインの安定操業が可能となる。また、本発明の溶接設備によれば、そのような効果を有する本発明法を適切に実施することができる。
本発明の実施に供される金属帯の溶接設備(シーム溶接装置)の一実施形態を模式的に示す正面図 図1の溶接設備(シーム溶接装置)を模式的に示す側面図 実施例において、従来法で減厚加工を行った溶接接合部およびその近傍の板厚分布を示すグラフ 実施例において、本発明法で減厚加工を行った溶接接合部およびその近傍の板厚分布を示すグラフ
連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、溶接時の入熱によって高温状態にあるうちに金属帯板幅方向で移動する加圧ロールで圧下することにより減厚加工する場合、特許文献2、3に記載されているような従来法では、金属帯板幅方向で移動する加圧ロールは圧下荷重一定で溶接接合部を圧下し、これを減厚加工している。ところが、このような従来法により減厚加工された溶接接合部の厚みは、金属帯板幅方向において一定ではなく、圧下開始位置(=溶接開始位置)となる一方の板幅端部から圧下終了位置(=溶接終了位置)となる他方の板幅端部にかけて漸減していることが判った。この原因は、加圧ロールと金属帯間の接触熱伝導に起因した溶接接合部の温度変化によるものであることが判った。
すなわち、圧下開始位置では加圧ロールの表面温度は低く、溶接接合部から加圧ロールが奪う熱量が大きいため、溶接接合部は温度が低くなり、硬くなる。一方、加圧ロールにより溶接接合部を板幅方向で順次減厚加工していくと、加圧ロールの表面温度が次第に上昇し、その分、溶接接合部から加圧ロールが奪う熱量が小さくなるため、溶接接合部は温度が高くなり、軟らかくなる。この度合いは、圧下終了位置に近づくほど大きくなる。このため、溶接接合部を板幅方向で同じ圧下荷重で圧下した場合、圧下開始側から圧下終了側にかけて減厚量が漸増し、板幅方向における溶接接合部の減厚量(減肉量)に差が生じてしまうことが判った。この現象は、大きな接合部段差を低減するために加圧ロールによる減厚量を大きくするほど顕著となる。そして、このように板幅方向において溶接接合部の厚みに差が生じ、或いは圧下終了側での減厚量が過剰になると、連続式タンデム圧延ラインでは圧延中の蛇行や破断の発生原因となり、また、連続式酸洗ラインや連続焼鈍ラインでも溶接部の板幅方向での圧下量の差に応じた長さの変化が生じ、これにより接合部がくの字状に変形するため、蛇行の発生原因となり、いずれも安定操業の阻害要因となることが判った。
そこで本発明では、溶接接合部を圧下する加圧ロールxの圧下荷重を、加圧ロールxが金属帯板幅方向で移動する間に変更し、板幅方向における溶接接合部の減厚量(減肉量)に差が生じないようにするものである。加圧ロールxの圧下荷重を変更する基本形態は、上述した理由から、加圧ロールxの圧下荷重を、加圧ロールxが金属帯板幅方向で移動する間に漸減させるのが通常である。この場合、加圧ロールxの圧下荷重は、圧下開始位置から圧下終了位置にかけて連続的に漸減させてもよいし、段階的に漸減させてもよい。また、金属帯板幅方向において、加圧ロールxの圧下荷重を漸減させる始点位置については、加圧ロールxの圧下開始位置から圧下荷重を漸減させるようにしてもよいし、圧下開始位置から板幅方向で一定距離進んだ位置から漸減させるようにしてもよい。一方、加圧ロールxの圧下荷重を漸減させることの終点位置については、加圧ロールxの圧下終了位置までとしてもよいし、圧下終了位置に達する前の位置としてもよい。
また、上述した理由から、溶接接合部の温度に依存した減厚加工のし易さは、加圧ロールxの表面温度から推定することができるので、本発明を実施するに当たっては、金属帯板幅方向で移動中の加圧ロールxの表面温度を測定し、この測定されたロール表面温度に基づいて加圧ロールxの圧下荷重を制御することが好ましい。また、このような制御を行うに当たり、ロール表面温度に加えて金属帯の材質や板厚によっても圧下荷重の最適値は変わるので、少なくとも接合する金属帯の材質・板厚(金属帯どうしの材質・板厚の組み合わせパターンを含む)と加圧ロール表面温度に対応した、圧下荷重と減厚加工後の溶接接合部の厚さとの関係を予め求めておき、その関係に基づき、測定された加圧ロール表面温度に応じた加圧ロールxの最適な圧下荷重を求め、減厚加工された溶接接合部の金属帯板幅方向での板厚偏差ができるだけ小さくなるように、加圧ロールxの圧下荷重を制御することが好ましい。
図1および図2は、本発明の実施に供される金属帯の溶接設備(シーム溶接装置)の一実施形態を模式的に示したものであり、図1は正面図、図2は側面図である。
この溶接設備は、金属帯通板方向と直交する方向で水平移動可能に設けられたキャリッジフレーム1と、このキャリッジフレーム1に保持された上下一対の電極輪2a,2bからなる溶接電極wと、同じくキャリッジフレーム1に保持された上下一対のロール3a,3bからなる加圧ロールxと、溶接接合時に金属帯を固定するために金属帯通板方向における装置の入側および出側に設置されたクランプ装置4A,4Bなどで構成されている。
キャリッジフレーム1は全体がコ字状の形状であって、底部に支持ローラ6を備えており、この支持ローラ6によってベース5上を金属帯通板方向と直交する方向(金属帯板幅方向)で水平移動可能である。7は、ベース5上でキャリッジフレーム1を移動させるための駆動装置(シリンダ装置など)である。
溶接電極wを構成する上側の電極輪2aは電極輪押圧装置8aを介して、また、下側の電極輪2bは電極輪押圧装置8bを介して、それぞれキャリッジフレーム1の上側部分と下側部分に回転自在に支持されている。溶接電極wを構成する電極輪2a,2bは、溶接接合する金属帯の重ね合せ部を挟んだ状態で電極輪押圧装置8a,8bにより金属帯に押圧されつつ、金属帯の重ね合せ部を溶接接合する。
加圧ロールxは、溶接進行方向において溶接電極w(電極輪2a,2b)の後方側に隣接して配置され、溶接電極wによる溶接で形成された直後の高温状態にある溶接接合部を、上下1対のロール3a,3bで圧下して減厚加工する。この加圧ロールxを構成する上側のロール3aは加圧ロール押圧装置9aを介して、また、下側のロール3bは加圧ロール押圧装置9bを介して、それぞれキャリッジフレーム1の上側部分と下側部分に回転自在に支持されている。
電極輪押圧装置8a,8bと加圧ロール押圧装置9a,9bは、それぞれ油圧シリンダなどで構成され、その本体がキャリッジフレーム1に固定され、その可動部(例えば、油圧シリンダの作動ロッド)に電極輪2a,2bやロール3a,3bが回転自在に支持されている。
加圧ロールxを構成する各ロール3a,3bの表面温度を測定するための温度計10a,10bがキャリッジフレーム1に設けられている。この温度計10a,10bは非接触式、接触式のいずれでもよく、本実施形態では非接触式の温度計で構成されている。なお、この温度計としては、ロール3a,3bのうちの一方のロールのみの表面温度を測定する温度計10を設けてもよい。
11は、温度計10a,10bで測定された各ロール3a,3bの表面温度に基づき、加圧ロールxの最適な圧下荷重を演算し、これを制御するための演算制御装置である。
装置の入側および出側に設置された各クランプ装置4A,4Bは、支持フレーム12と、この支持フレーム12に押圧用シリンダ装置14a,14bを介して支持される上下一対のクランプ部材13a,13bを備えている。この各クランプ装置4A,4Bは、2つの金属帯の端部どうしを溶接接合する際に、押圧用シリンダ装置14a,14bを駆動させて上下一対のクランプ部材13a,13bで両金属帯をクランプし、位置を固定する。
このシーム溶接装置で先行の金属帯S1と後行の金属帯S2の端部どうしを溶接接合する場合、まず、金属帯S1,S2の端部を重ね合わせ、その状態で入側および出側のクランプ装置4A,4Bで金属帯S1,S2をクランプして位置を固定する。次いで、駆動装置7によりキャリッジフレーム1をベース5上で溶接方向(金属帯板幅方向)に移動させることで、キャリッジフレーム1に支持された溶接電極w(電極輪2a,2b)により、金属帯S1,S2の端部の重ね合わ部を金属帯板幅方向で溶接するとともに、同じくキャリッジフレーム1に支持された加圧ロールx(ロール3a,3b)で溶接直後の高温状態にある溶接接合部を圧下して減厚加工する。すなわち、金属帯板幅方向において溶接電極wによる溶接接合と、加圧ロールxによる溶接直後の溶接接合部の圧下(減厚加工)が連続して行われる。
ここで、さきに述べたように、圧下開始位置では加圧ロールxの表面温度は低く、溶接接合部から加圧ロールxが奪う熱量が大きいため、溶接接合部は温度が低くなり、硬くなる。一方、加圧ロールxにより溶接接合部を板幅方向で順次減厚加工していくと、加圧ロールxの表面温度が次第に上昇し、その分、溶接接合部から加圧ロールxが奪う熱量が小さくなるため、溶接接合部は温度が高くなり、軟らかくなる。したがって、従来技術のように溶接接合部を板幅方向で同じ圧下荷重で圧下した場合、圧下開始側から圧下終了側にかけて減厚量が漸増し、板幅方向における溶接接合部の減厚量(減肉量)に差が生じてしまう。
これに対して本発明では、溶接接合部を圧下する加圧ロールxの圧下荷重を、加圧ロールxが金属帯板幅方向で移動する間に漸減させることにより、板幅方向における溶接接合部の減厚量(減肉量)に差が生じないようにし、板幅方向での溶接接合部の板厚偏差(板厚分布)を低減するものであるが、溶接接合部の温度に依存した減厚加工のし易さは、加圧ロールxの表面温度から推定することができるので、本実施形態では、温度計10a,10bにより加圧ロールxの表面温度を測定し、この測定されたロール表面温度に基づいて加圧ロールxの最適な圧下荷重を求め、加圧ロールxの圧下荷重を制御する。加圧ロールxの表面温度の測定は、ロール3a,3bのうちの一方のロールについてのみ行ってもよいが、本実施形態のように、温度計10a,10bでロール3a,3bの表面温度を測定する場合には、例えば、所定の時間ピッチ内でのロール3a,3bの表面温度の平均値を求め、これをロール表面温度とする。ここで、ロール表面温度に加えて金属帯の材質や板厚によっても圧下荷重の最適値は変わるので、少なくとも接合する金属帯の材質・板厚(金属帯どうしの材質・板厚の組み合わせパターンを含む)と加圧ロール表面温度に対応した、圧下荷重と減厚加工後の溶接接合部の厚さとの関係を予め求め、これを演算制御装置11に記憶させておく。そして、この演算制御装置11において、実際に溶接する金属帯の材質・板厚情報や測定された加圧ロールxの表面温度から最適な圧下荷重を演算し、この演算出力結果に基づき、加圧ロール押圧装置9a,9bを制御することにより、加圧ロールxの圧下荷重を制御する。これによって、金属帯板幅方向での溶接接合部の板厚偏差(板厚分布)を低減することが可能となる。
また、本発明の溶接設備は、図1に示されるように、連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動しながら圧下して減厚加工する加圧ロールxを備えた溶接設備であって、金属帯板幅方向で移動中の加圧ロールxの表面温度を測定する温度計10(10a,10b)と、この温度計で測定されたロール表面温度に基づいて加圧ロールxの最適な圧下荷重を演算し、加圧ロールxの圧下荷重を制御する演算制御装置11を備えるものである。この演算制御装置11は、上述したような演算および制御を実行するものであり、このため、少なくとも接合する金属帯の材質・板厚(金属帯どうしの材質・板厚の組み合わせパターンを含む)と加圧ロール表面温度に対応した、圧下荷重と減厚加工後の溶接接合部の厚さとの関係を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された圧下荷重と減厚加工後の溶接接合部の厚さとの関係に基づき、実際に溶接する金属帯の材質・板厚情報や測定された加圧ロールxの表面温度から最適な圧下荷重を演算する演算部と、この演算部からの演算出力結果に基づき、加圧ロール押圧装置9a,9bを制御することにより、加圧ロールxの圧下荷重を制御する制御部などから構成される。
本発明を適用する連続ラインの種類に特別な制限はなく、例えば、鋼帯の連続式酸洗ライン、連続式タンデム圧延ライン、連続焼鈍ライン、或いは鋼帯以外の金属帯の連続処理ラインなど、種々の連続ラインに適用することができる。また、連続ラインで用いる溶接機も、図1のようなシーム溶接機に限らず、レーザー溶接機、フラッシュバット溶接機など、任意の方式のものが適用できる。
図1に示す溶接設備を入側に備えた鋼帯の連続式酸洗ラインにおいて、鋼帯の溶接試験を行い、加圧ロールで減厚加工された溶接接合部の調査を行った。供試材は、質量%でC:0.08%、Si:0.03%、Mn:2.0%を含有し、板厚4.0mm、板幅1000mmの高張力鋼板である。
この溶接試験では、接合する鋼帯端部の表面に形成されているスケールを研削ブラシで除去した後に溶接を行った。溶接条件は、先行鋼帯の後端部と後行鋼帯の先端部の重ね代を4mmとし、外径270mm、幅20mmの電極輪からなる溶接電極を用い、電極輪加圧力は55kN、電流密度400A/mm、溶接速度5mpmとした。
加圧ロールには外径220mm、幅22mmのロールを用い、この加圧ロールの圧下による溶接接合部の減厚加工を、従来法(従来例)と本発明法(本発明例)でそれぞれ実施した。従来法では、加圧ロールの圧下荷重を一定の50kNとした。一方、本発明法では、温度計により加圧ロールの表面温度を測定し(温度計10a,10bでロール3a,3bの表面温度を測定し、所定の時間ピッチ内でのロール3a,3bの表面温度の平均値を加圧ロールの表面温度とした)、この測定結果に基づき、加圧ロールの圧下荷重を、加圧ロールが金属帯板幅方向で移動する間に漸減するように制御した。具体的には、圧下荷重を加圧開始点の50kNからほぼ一定の割合で漸減させ、加圧終了点の圧下荷重を40kNとした。この圧下荷重は、あらかじめ板幅方向での圧下荷重を変更せず、設定圧下荷重のみを変更して実施した予備接合実験によって、ロール表面温度と加圧ロール圧下後の溶接接合部の板厚実績値の関係から決定した。
図3および図4に、それぞれの方法で減厚加工した溶接接合部およびその近傍の板厚の測定結果を示す。図3が従来法、図4が本発明法によるものである。
溶接接合部の板厚は、鋼帯の板幅方向の5箇所において、溶接接合部を中心に鋼帯長手方向で測定ピッチ1mmで測定した。この板厚測定は、鋼帯の上下を挟み込む接触式変位計を用いて行った。ここで、図3および図4に示す測定位置A〜Eのうち、位置Aは溶接開始点となる一方の板幅端部から5mm位置、位置Bは溶接開始点となる一方の板幅端部から250mm位置、位置Cは板幅中央位置、位置Dは溶接終了点となる他方の板幅端部から250mm位置、位置Eは溶接終了点となる他方の板幅端部から5mm位置であり、これら板幅方向の各位置で板厚の測定を行った。
図3および図4によれば、いずれの方法でも母材鋼帯の板厚に較べて溶接接合部の板厚が大きくなっているが、加圧ロールによる減厚加工によって母材鋼帯の板厚4.0mmから20%以内の板厚偏差となっている。ここで、板幅方向の板厚変化を見ると、図3の従来法の場合では、溶接開始点近傍の位置Aから溶接終了点近傍の位置Eに向かって溶接接合部の板厚が漸減しており、板幅方向で最大で0.5mm程度の大きな板厚偏差が発生していることが判る。これは、加圧ロールが板幅方向を進行するにつれて、鋼帯からの入熱によってロール表面温度が上昇し、その結果、加圧ロールによる鋼帯からの抜熱量が小さくなることで、溶接接合部温度が位置Aから位置Eに向かって高くなるためである。一方、図4の本発明法の場合では、加圧ロールの表面温度に応じて、加圧ロールの圧下荷重が漸減するように制御することにより、図3の従来法の場合に較べて溶接接合部の板幅方向での板厚偏差が顕著に低減していることが判る。
次に、溶接接合部の板幅方向での板厚偏差の改善による操業トラブルの低減効果を確認するため、図1に示す溶接装置を入側に備えた鋼帯の連続酸洗ラインにおいて、上述した従来法と本発明法を適用して溶接接合部の減厚加工を行い、酸洗ラインでの蛇行トラブルの発生率を調べた。この蛇行トラブル発生率は、各方法で1か月間の操業を行い、そのときの溶接接合部近傍で発生した蛇行トラブルの件数をその期間で生産したコイル数で除することで求めた。
表1に、従来法と本発明法をそれぞれ適用した場合の蛇行トラブル発生率を示す。これによれば、本発明法により溶接接合部の板幅方向での板厚偏差を改善することによって、蛇行トラブルの発生率は1/6に低下しており、本発明の有効性を確認することができる。
Figure 0006791195
x 加圧ロール
w 溶接電極
1 キャリッジフレーム
2a,2b 電極輪
3a,3b ロール
4A,4B クランプ装置
5 ベース
6 支持ローラ
7 駆動装置
8a,8b 電極輪押圧装置
9a,9b 加圧ロール押圧装置
10a,10b 温度計
11 演算制御装置
12 支持フレーム
13a,13b クランプ部材
14a,14b 押圧用シリンダ装置
S1,S2 金属帯

Claims (4)

  1. 連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動する加圧ロール(x)で圧下することにより減厚加工する方法であって、
    溶接接合部を圧下する加圧ロール(x)の圧下荷重を、加圧ロール(x)が金属帯板幅方向で移動する間に変更することを特徴とする金属帯の溶接接合部の減厚方法。
  2. 加圧ロール(x)の圧下荷重を、加圧ロール(x)が金属帯板幅方向で移動する間に漸減させることを特徴とする請求項1に記載の金属帯の溶接接合部の減厚方法。
  3. 金属帯板幅方向で移動中の加圧ロール(x)の表面温度を測定し、このロール表面温度に基づいて加圧ロール(x)の圧下荷重を制御することを特徴とする請求項1または2に金属帯の溶接接合部の減厚方法。
  4. 連続ラインにおいて、先行金属帯と後行金属帯の端部どうしの溶接接合部を、金属帯板幅方向で移動しながら圧下して減厚加工する加圧ロール(x)を備えた溶接設備であって、
    金属帯板幅方向で移動中の加圧ロール(x)の表面温度を測定する温度計と、該温度計で測定されたロール表面温度に基づいて加圧ロール(x)の最適な圧下荷重を演算し、加圧ロール(x)の圧下荷重を制御する演算制御装置を備えることを特徴とする金属帯の溶接設備。
JP2018075787A 2018-04-11 2018-04-11 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備 Active JP6791195B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075787A JP6791195B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075787A JP6791195B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019181516A JP2019181516A (ja) 2019-10-24
JP6791195B2 true JP6791195B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=68338794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018075787A Active JP6791195B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6791195B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019181516A (ja) 2019-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3603868A1 (en) Welding determination device for belt-shaped sheets, and welding determination method
JP6791195B2 (ja) 金属帯の溶接接合部の減厚方法および金属帯の溶接設備
JP4927008B2 (ja) 金属ストリップの変形抵抗予測方法および冷間タンデム圧延機のセットアップ方法
JP7111898B2 (ja) 高温の2つの金属製品を摩擦溶接するための方法
JP6819712B2 (ja) マッシュシーム溶接の溶接方法
JP2018187649A (ja) 角形鋼管製造設備及び角形鋼管の製造方法
JP6987005B2 (ja) 電縫金属管の製造設備及び方法
JP5058707B2 (ja) 鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法
JP3340696B2 (ja) 連続熱間圧延における鋼片の接合方法
JP3327510B2 (ja) 電縫管の製造方法
JP3518256B2 (ja) 鋼管の製造方法および製造設備列
JP4199554B2 (ja) ビレット溶接部の試験用サンプルの採取方法
JPH04270001A (ja) 縞鋼板の形状改善方法
JP6996575B2 (ja) 冷間圧延方法及び冷延鋼帯の製造方法
JPH04182075A (ja) 溶接部の熱処理方法
JP4059239B2 (ja) 熱間における鋼管の横継ぎ部識別方法及びその装置
JPH0647406A (ja) 完全連続熱間圧延のシートバーの接合方法
JP5050479B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造装置
JPH1177148A (ja) 鋼管の製造設備列
JP4552244B2 (ja) 鋼管の製造方法
JP6127709B2 (ja) プレス切断用電縫管及びその製造方法
JPH11129026A (ja) 鋼管シーム部の平滑化装置および方法
JP2005169455A (ja) 電縫鋼管の製造装置
JP3104255B2 (ja) 鋼材の熱間接合方法
JP2770174B2 (ja) 帯状金属の連続処理ラインでロール成型する際に先立って行なう矯正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6791195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250