JP5058707B2 - 鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法 - Google Patents

鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板の連続冷間圧延ラインや連続酸性ラインなどの連続冷間処理ラインにおいて連続供給される先行鋼板と後行鋼板とをフラッシュバット溶接するフラッシュバット溶接機の管理方法に関する。
例えば、鋼板の連続冷間圧延ラインでは、生産性を向上させるために、連続して供給される1.0〜10mm程度、幅700〜2100mm程度の前後の鋼板の端部をフラッシュバット溶接で接合して連続圧延機に連続供給し、連続冷間圧延を行っている。ここで用いられるフラッシュバット溶接機は、その一例として図9に示すように、ループを作って圧延中の先行鋼板Saの後端部を固定台1のクランプ電極3a、3bでクランプして、シャー4により後端部を切断して整端し、移動台2に導入した後行鋼板Sbの先端部をシャー4により切断して整端したのち、移動台2を固定台1の側に徐々に接近させ、固定台1側の電極3a、3bと移動台2のクランプ電極3a、3bの間に電圧をかけた状態で、後行鋼板Sbを先行鋼板Saに近接させることにより、先行鋼板Saの後端面と後行鋼板Sbの先端面に大電流が流れ、両端部が加熱・溶融してフラッシュを発生させ、次いで所定のアップセット代となるように先行鋼板に後行鋼板をアップセットシリンダー8で強圧して接合するものである。
このフラッシュバット溶接機は、溶接が極めて短時間で行えることから、このような連続処理工程に連続した鋼板を連続供給するために広く使用されている。
しかしながら、フラッシュバット溶接に際して先行鋼板と後行鋼板の接合、端面での鋼板幅方向の不均一入熱や鋼板の厚み方向の微小なズレが避けられず、所望の接合強度が得られないことや、あるいは、電極の摩耗やアップセットシリンダー圧力のバランス不良などにより良好な接合部が得られないなどの問題もあり、フラッシュバット溶接機のさらに安定した作動を確保するためにいくつかの提案がなされている。
特許文献1には、上下一対の出側電極と上下一対の入側電極からなるフラッシュバット溶接機の出側電極と入側電極の上下の放電面をそれぞれ接触させた状態で、該電極の合わせ面までの距離を2次元距離計を用いて水平方向から順次板幅方向に移動させながら連続的に測定して電極の合わせ面の断面プロフイールを3次元的に求めて摩耗状態の良否を判定する、フラッシュバット溶接機の電極摩耗の診断方法が提案されている。
また、特許文献2には、一対の被溶接物間に電圧を印加した状態で、一対の被溶接物を近接移動して溶接するフラッシュバット溶接機において、被溶接物間に電圧を印加し始めてから圧接直前までの時間を、複数の時間区間に分け、各時間区間毎における溶接電流の個別の平均値を求め、各個別平均値を時系列に複数回の各溶接毎に、さらに平均値を求めると共に、各個別平均値の標準偏差値を求め、平均値及び標準偏差値を各時間区間毎に予め定めた値と比較し、平均値または標準偏差値の少なくとも一方が、各時間区間毎に予め定めた値からずれているとき、異常が生じていると判定する、フラッシュバット溶接機の異常判定方法が開示されている。
一方、フラッシュバット溶接機の設備異常診断ではないが、フラッシュバット溶接における溶接部の品位異常を判断する方法及びその装置が特許文献3に開示されている。これは、先行鋼板と後行鋼板とをフラッシュバット溶接において、アップセット完了後10秒以内に、ビードをトリミングする前またはトリミング後の状態で、溶接線を中心とする所定幅の溶接部について温度を測定し、その温度分布から溶接部の良否を判断するものである。温度分布を測定する方法として画像計測型放射温度計や2次元放射温度計といった放射温度計や赤外線カメラ温度計などの非接触型温度計を使用することが開示されている。
特開平10−6030号公報 特開平5−115980号公報 特開2005−342788号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、電極の先端部のみのプロフイールしか測定されず、実際に鋼板をクランプした場合の電極全体の圧力分布、言い換えれば電流密度、に影響するクランプ電極面全体の摩耗状況を判定するものではない。
すなわち、電極が幅/長さ方向に全面が均一に磨耗するのであれば有効であるが、実際の電極の鋼板をクランプする面は、不均一に磨耗し、且つ異物が付着するものである。特許文献1の方法では、このように現実的には不均一に磨耗し、異物の付着があるような電極の磨耗診断には対応できない。
また、鋼板の幅方向の温度分布は、幅方向の電流分布と関連するため、電流分布に基づいて異常を判断する点では妥当な方法であるものの、特許文献2の方法では、板幅方向に平均化された電流値に基づいているため、異常情報の幅方向の精度が不十分であり、電極の幅方向の異常を評価することができず、設備管理方法としては十分ではない。
また、特許文献3の診断装置は、鋼板のフラッシュバット溶接部の良否判定を行うことはできるものの、溶接機自体の異常を診断する方法については開示されていない。
また、電極の不均一な摩耗による溶接不良の発生を避けるため、従来の経験に基づき、電極は一定期間毎に交換されているのが現状であり、コストアップの一因ともなっている。
本発明は、上述のような問題点に鑑み、連続した鋼板を処理するラインの入側において鋼板を連続供給するために配置されたフラッシュバット溶接機を構成する部分の補修、交換など、維持管理対象部分や管理事項、時期などを簡易な方法で、かつ定量的に判定し、計画的な維持管理を可能とする設備管理方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
前記鋼板幅方向の温度分布において、鋼板幅方向の最高温度Tmax(℃)と最低温度Tmin(℃)の差である温度偏差δ(℃)が、予め定めておいた鋼板幅方向の温度偏差の基準値α(℃)を超える場合に、該フラッシュバット溶接機に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
(2)連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
前記鋼板幅方向の温度分布における鋼板幅方向の温度勾配Δ(℃/mm)が、予め定めておいた鋼板幅方向の温度勾配の基準値β(℃/mm)を超える場合に、溶接機の電極に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
但し、Δ:δ/L
δ:鋼板幅方向の最高温度Tmax(℃)−最低温度Tmin(℃)
L:最高温度Tmax(℃)を示す鋼板幅方向位置と最低温度Tmin(℃)を示す鋼板幅方向位置の距離(mm)。
(3)連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
前記鋼板幅方向の温度分布における鋼板幅方向のいずれか一方の端部の温度TE(℃)が、予め定めておいた鋼板幅方向端部の温度の下限値TE L (℃)未満、或いは鋼板幅方向端部の温度の上限値TE U (℃)超である場合に、溶接機に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
(4)連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の温度偏差の基準値αc(℃)を定めておき、鋼板幅方向の温度偏差δcが、基準値αcを超えているか否か判断し、
且つ、アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の最高温度Tmaxを示す位置と最低温度Tminを示す位置の鋼板幅方向の距離Lcの基準値γc(mm)を定めておき、このLcが基準値γcを超えているかどうかを判断し、
δcがαcを超え、かつ、Lcがγcを超える場合は、アップセットシリンダーに異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
δc(℃)= Tmax(℃)−Tmin(℃)>αc
Lc= 最高温度Tmax(℃)を示す位置と最低温度Tmin(℃)を示す位置 の鋼板幅方向の距離L>γc
(5)前記鋼板幅方向の温度分布の基準値を被溶接材の材料条件及び溶接条件に対して設定し、この基準値と同一素材、同一溶接条件で測定した温度分布とを時系列的に比較することによって、異常の発生を判断することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
本発明の方法によれば、フラッシュバット溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布の時系列的な変化を捉えることにより、鋼板のフラッシュバット溶接機の異常、補修、交換時期をより適切に判断することができ、効率的な設備管理を行うことができると共に、鋼板のフラッシュバット溶接部の品質を安定して確保することができる。
以下、本発明を図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明に使用するフラッシュバット溶接機は、連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを接合するフラッシュバット溶接機であって、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機である。
図8は、本発明に使用するフラッシュバット溶接機の構造一例を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は(a)の2次元温度測定装置の配置を説明する部分正面図である。
図8(a)において、溶接機は、固定台1、移動台2からなり、固定台と移動台にはそれぞれ、上下の板状のクランプ電極(クランプ、以下、単に電極とも記す)3a、3b、シャー4、トリマー5および後行鋼板を先行鋼板に押し付けるアップセットシリンダー8を備えている。この溶接機において、圧延中の先行鋼板Saの後端部を固定台1の板状のクランプ電極(クランプ)3a、3bでクランプして、シャー4により後端部を切断して整端し、移動台2に導入した後行鋼板Sbの先端部をシャー4により切断して整端したのち、移動台2を固定台1の側に徐々に接近させ、固定台1側の電極3a、3bと移動台2の板状のクランプ電極3a、3bの間に電圧をかけた状態で、後行鋼板Sbを先行鋼板Saに近接させることにより、先行鋼板Saの後端面と後行鋼板Sbの先端面間に大電流が流れ、両端部が加熱・溶融してフラッシュを発生させ、次いで所定のアップセット代となるように先行鋼板に後行鋼板をアップセットシリンダー8で強圧して接合するものである。
上記の溶接機のアップセット位置近傍で上下および水平方向(鋼板の幅方向)に進退自在なトリマー5の支持台6に、2次元温度測定装置(放射温度計)7が設けられている。
この2次元温度測定装置7は、本発明において溶接機の設備管理を行うための温度分布、すなわち、鋼板の溶接部近傍の所定幅の範囲について鋼板の幅方向に温度を測定し、鋼板幅方向の温度分布を得るためのものである。この2次元温度測定装置は、溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布が得られるものであればよく、例えば、画像計測型放射温度計や2次元放射温度計といった放射温度計や赤外線カメラ温度計などの非接触型温度計が使用でき、特に限定されるものではない。なお、この2次元温度測定装置7を、特許文献3に記載されているように、2次元カメラと、画像選択部と温度変換部を備えたものとすることも好ましい。
また、図8(b)に示すように、2次元温度測定装置7は上述のように、溶接機のアップセット位置近傍で上下おび水平方向(鋼板の幅方向)に進退自在なトリマー5の支持台6に配置され、アップセット直後の溶接部に、ビードbbをトリマー6で除去する前または後に、溶接部の所定幅範囲について鋼板幅方向の2次元温度分布を測定するが、この所定幅は、鋼板長手方向のビードbb幅が3〜5mmであるから少なくともこの幅を含む範囲、例えば溶接線を挟んで幅±15mmの範囲にすれば良い。
また、溶接部の温度測定に関して、アップセット完了後直後の高温状態では異常溶接部が正常溶接部より低温であることが多いので、温度差を顕著に判別できる溶接完了直後の温度が高い状態で測定することが有利である。アップセット完了後10秒以内、より好ましくは5秒以内に行うことにより、溶接機の設備異常を溶接部の異常として精度良く捉えることができる。この条件を満たすことができれば、温度測定はビードのトリミング前、トリミング後のいずれであってもよい。
発明者らは、上述のような溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機を用いて、溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布を調査した結果、その温度分布のパターンとフラッシュバット溶接機の異常(たとえば、電極の磨耗、アップセットシリンダーの異常など)とが密接に関連していることに着目した。
図1は、板状のクランプ電極の摩耗による鋼板への加圧力分布の変化を模式的に示したもので、(a)は電極交換直後の状態、(b)は数週間、電極使用した後の状態を示している。すなわち、後行鋼板側の上電極の下面に感圧紙を張り付けた後、電極で鋼板を加圧(クランプ)し、感圧紙の変色域の分布によって圧力の高い部分を検出したものである。なお、以下において、溶接機の鋼板幅方向の鋼板移動方向に向かって右側をWS(作業側)、左側をDS(駆動側)として説明する。
図1(a)(b)から判るように、鋼板に対する加圧力分布は、電極交換直後は、鋼板の幅方向にほぼ均一であるが、長期間使用した後では、板状の電極の鋼板幅方向中央部に対応する部分の加圧力が、交換直後と比べて低くなっていることが判る。すなわち、鋼板のクランプや通板による電極表面の摩耗の進展により、上下の電極でクランプした場合クランプ面の圧力分布が不均一となると考えられる。
発明者らは、この圧力分布の不均一が主因となって鋼板の幅方向に電流分布が発生し、幅方向に温度分布が生じることとなること、すなわち、この鋼板幅方向の温度分布の変化を捉えることにより、電極の摩耗の進展を把握することができることに着目した。
このことを確認するために、上述した図8に示すような、溶接線の所定の幅の範囲の2次元温度分布を測定できる温度測定器を備えたアップセット溶接機を用い、先行及び後行の鋼板(板厚4mm×幅1300mm相当機)をフラッシュバット溶接し、溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布を測定した。
図2は、フラッシュバット溶接した溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布を模式的に示すもので、(a)は、電極交換直後の場合、(b)は3週間使用した電極の場合を示す。
図2から判るように、電極交換直後の溶接では、溶接部は幅方向にほぼ均一な温度分布(パターン)を示しているが、3週間溶接処理を行った後の溶接では、溶接部の温度分布(パターン)には鋼板の幅方向に大きくなっていることが判る。
したがって、このような幅方向の温度分布(パターン)の変化に基づいて溶接機の異常、補修、消耗部品の交換時期を判断し、これを設備管理できることが確認された。
設備の異常は、設備の使用進展による経時的な要因と外部からの影響による突発的な要因が複合して発生する。従って、フラッシュバット溶接直後の溶接部の温度分布(パターン)変化によって溶接機の異常、補修、消耗部品の交換時期を判断する設備管理においても、これらの要因を考慮した基準を設けて行う必要がある。
すなわち、設備の時系列変化を考慮した基準値を設け、これに対して実績を比較して異常を判断するものである。これによって溶接機の異常がそのどの箇所の異常によるものかも的確に判断することができ、これによって補修、交換の時期も予測が可能となる。
また、設備管理の判断においては、同一条件の鋼板(材質、サイズ(板厚、板幅))かつ同一の溶接条件(電流、アップセット圧力)の実績について、温度分布(パターン)の変化を、基準値(同一鋼板条件、溶接条件において設定された基準値)と比較することが好ましい。これは、フラッシュバット溶接よる溶接部の温度分布が、これらの条件により影響を受け易いためであり、このようにすることによって、設備管理の精度を上げることができる。
また、通常、設備の管理(異常判断)には、基準を設け、この基準を満たすか否かによって行なわれることが多いが、この基準は特異なデータを除いた平均的なデータから設定されることが多く、ある特異な状況下では、異常があっても管理基準上では許容される場合もありうる。
このような特異な状況でも異常の有無を早期に予知するためには、直近の実績から毎回の変化の有無を追跡することが必要であり、同一素材、同一溶接条件で測定した温度分布の時系列的な変化を比較することが好ましい。
本発明の方法は溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布に関して、温度偏差、温度勾配など多様な観点から基準を設け、これに基づいて設備異常を判断するものである。この基準値は、溶接機全体としての異常を判断するものとして設ければよい。すなわちこの基準値により溶接機に異常が発生していることは少なくとも判断することができる。
以下、フラッシュバット溶接直後の溶接部の温度分布(パターン)に基づいて溶接機の異常、補修、消耗部品の交換時期を判断する設備管理方法を、設備の劣化や異常の進展を考慮した基準の設定及び管理を含めて具体的に説明する。
なお、以下の例では、設備異常の発生と基準値の設定や管理方法の関係の考え方を具体的に説明するために、溶接機全体とせず、溶接機の電極、アップセットシリンダーを例にとって示す。例に示すように、溶接機の特定部位の設備異常との関係が明確であれば、部位ごとに、例えば、電極やシリンダーについて基準値をそれぞれ設けて、その異常を判断するようにすることも可能である。しかしながら、本発明は、このように部位を特定することに限らず、溶接機全体に対して、同様の考え方で溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布に基準値を設定し、設備異常の発生を判断し、管理を行うことができるものであることは言うまでもない。
1)電極交換直後の時点(S0)
図3は、電極交換直後の場合の溶接部の温度パターン例を示すものである。
この時点では、鋼板の幅方向中央部の温度はほぼ均一であり、端部近傍のみが中央部より高くなっている。すなわち、この時点では、電極表面の清浄性(電極への異物付着がないこと)および平滑性(電極の偏摩耗がないこと)が良好であり、鋼板幅方向への温度の均一性が高い状態にあると考えられる。
このようなことから、この時点(電極交換直後の時点(S0))での設備管理としては、図3に示すように、鋼板幅方向温度偏差:δ(℃)=Tmax(S0)(℃)−Tmin(S0)(℃)に関して、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、異常と判断される温度偏差の基準値α(℃)を定めておき、鋼板幅方向の温度偏差δが、基準値α以下であるか否かを判断する。
すなわち、鋼板幅方向温度偏差:δ(℃)=Tmax(S0)−Tmin(S0) ≦α(℃)
但し、
Tmax(S0):鋼板幅方向温度分布の最高温度(℃)
Tmin(S0):鋼板幅方向温度分布の最低温度(℃)
α:電極交換直後の被溶接材料(先行・後行材)の材質、板厚、板
幅、及び 溶接条件(電流、アップセット圧力)によって予め
決められた基準値(℃)
鋼板幅方向の温度偏差δが、基準値αを超える場合は、溶接機の電極を除いた機械的な部分或いは鋼板に異常な状態があると判断し、これらの原因究明を行い、対処する。
後述するように、鋼板幅方向の温度偏差については、電極交換後において継続的に使用する場合の設備管理にも使用することができるが、電極交換直後の温度偏差の発生と、継続使用時の温度偏差の発生とは、その発生原因となる設備箇所が異なることが予想されるので、温度偏差の基準値は区別して設定することがこのましい。しかしながら、判断時期によらず、両者を共通の基準値を設定して管理することも可能であることは言うまでもない。
2)使用継続時点(S1)
次に、図4から図6は、溶接機の電極を交換した後、継続して使用した場合の溶接部の温度分布の変化を示したものである。以下において、このような温度分布の場合に想定される電極の状況(磨耗の進展や異常の発生など)と、これに対してどのような管理基準を設定するかについてその一例を説明する。
図4は、電極使用開始後の初期の時点における溶接部の温度パターン例を示すものである。この時点では、鋼板の幅方向端部近傍と中央部との間に、温度が低下しており、且つ中央部ほど温度が高くなっている。これは、電極の端部近傍で押圧力が低下する一方、中央部近傍で押圧力が増加していることを反映している。すなわち、この時点では、電極の端部近傍で、鋼板の幅方向端部との接触による局部的な摩耗が進展する一方、中央部近傍で、金属異物(スケールやバリなど)の堆積が進展している状態と判断される。
このようなことから、この時点(電極使用初期の時点(S1)での設備管理としては、まず、局部的な摩耗の進展状況を判断するために、図4に示すように、鋼板幅方向温度偏差:δ(S1)=Tmax(S1)−Tmin(S1)関して、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、異常と判断される鋼板幅方向の温度偏差の基準値αを定めておき、鋼板幅方向の温度偏差δ(S1)が、基準値α以下であるか否かを判断する。すなわち、
鋼板幅方向温度偏差:δ(℃)=Tmax(S1)−Tmin(S1) ≦α(℃)
但し、Tmax(S1):鋼板幅方向温度分布の最高温度(℃)
Tmin(S1):鋼板幅方向温度分布の最低温度(℃)
α:電極交換後初期の被溶接材料(先行・後行材)の材質、板厚、板幅、及び 溶接条件(電流、アップセット圧力)によって予め決められた基準値(℃)
次に、上記鋼板幅方向の温度偏差の判断に加え、この時点における、電極への異物の付着状況を見るために、鋼板幅方向の温度勾配Δ(S1)=δ/L(S1)について判断する。
幅方向の温度勾配Δ(℃/mm)は、上記の温度偏差δ(S1)(℃)=Tmax(S1)−Tmin(S1)を、最高温度Tmax(S1)を示す位置と最低温度Tmin(S1)を示す位置の鋼板幅方向の距離L(S1)(mm)で除したものである。
上記Δ(℃/mm)=δ/Lに関して、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、異常と判断される鋼板幅方向の温度勾配の基準値β (℃/mm)を定めておき、鋼板幅方向の温度勾配Δが、基準値β以下であるか否かを判断する。
すなわち、鋼板幅方向温度勾配:Δ(S1)(℃/mm)=δ(S1)/L(S1)≦β(℃/mm)
但し、δ(℃)=Tmax(S1)(℃)−Tmin(S1)(℃)
Tmax(S1):鋼板幅方向温度分布の最高温度(℃)
Tmin(S1):鋼板幅方向温度分布の最低温度(℃)
L(S1):最高温度Tmax(S1)を示す位置と最低温度Tmin(S1)を示す位置の鋼板幅方向の距離(mm)
β:(℃/mm):被溶接材料(先行・後行材)の材質、板厚、板幅、及び溶接条件(電流、アップセット圧力)によって予め決められた鋼板幅方向の温度勾配の基準値(℃/mm)
これにより、δ(S1)≦α、且つΔ(S1)≦βであれば、電極表面の清浄性および平滑性は、電極交換直後の時点(S0)よりは、漸次低下しているものの、許容しうる範囲内であると判断する。そして、δ(S1)或いはΔ(S1)のいずれか一方または双方がそれぞれの基準値α、βを超えた場合は、補修ないしは交換が必要と判断する。
3)継続使用中期の時点(S2)
図5は、電極使用開始後、中期の時点における溶接部の温度パターン例を示すものである。
この時点では、鋼板の幅方向端部近傍と中央部との間に、温度が極端に低下或いは上昇しており、かつ端部での温度も異常に高い、或いは低くなっている。これは、電極の端部および端部近傍で不均一に押圧力が低下する一方、中央部近傍でも押圧力が不均一に増加していることを反映している。すなわち、この時点では、電極の端部及び端部近傍での磨耗がさらに不均一に進展していると共に、中央部近傍で、金属異物(スケールやバリなど)の堆積がさらに不均一に進展している状態と判断される。
このようなことから、この時点(電極使用中期の時点(S2))での設備管理としては、まず、局部的な摩耗の進展状況を判断するために、S1の場合と同様、図5に示すように、鋼板幅方向温度偏差:δ(S2)(℃)=Tmax(S2)(℃)−Tmin(S2)(℃)が、先に予め定めておいた、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に対応した基準値α(℃)以下であるか否かを判断する。
δ(S2)(℃)=Tmax(S2)(℃)−Tmin(S2)(℃)≦α(℃)。
次に、この時点における電極への異物の付着状況の影響を見るために、鋼板幅方向の温度勾配Δ(S2)(℃/mm)=δ(S2)(℃)/L(S2)(mm)について判断する。
幅方向の温度勾配Δ(S2)(℃/mm)は、S1の場合と同様、上述の温度偏差δ(S2)(℃)=Tmax(S2)(℃)−Tmin(S2)(℃)を、最高温度Tmax(S2)(℃)を示す位置と最低温度Tmin(S2)(℃)を示す位置の鋼板幅方向の距離L(S2)(mm)で除したものである。
そして、上記鋼板幅方向の温度勾配Δ(S2)=δ(S2)/L(S2)が、先に(S1)において予め定めておいた鋼板幅方向の温度勾配の基準値β(℃/mm)以下であるか否かを判断する。すなわち、Δ(S2)(℃/mm)=δ(S2)/L(S2)≦β(℃/mm)を判断する。
さらに、この時点においては、鋼板幅方向端部での磨耗や堆積の状況が著しく進展する可能性が大きいため、図5に示すように、幅方向端部における電極の磨耗及び付着物の堆積の影響を見るために、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、異常と判断される鋼板幅方向端部の下限温度TE(℃)度よび上限温度TE(℃)を基準値として定めておき、鋼板幅方端部の温度E(S2)がこの基準値TE以上、TE以下であるか否か、すなわち、E≦TE(S2)≦TE を判断する
ここで、δ(S2)≦α、Δ(S2)≦β、かつTE≦TE(S2)≦TEであれば、電極表面の清浄性および平滑性は、電極使用初期の時点(S1)よりは、漸次低下しているものの、許容しうる範囲内であると判断することができる。
端部温度TEが基準を外れるような場合は、溶接部の破断につながるなど溶接部品質に極めて重要である。従って、TE(S2)は、鋼板の進行方向に対して両側にあるが、双方ともが上記範囲内にあることを条件とすることが好ましい。
δ(S2)、Δ(S2)、およびTE(S2)のいずれか一つ以上がそれぞれの基準値α、βを超え、TE未満またはTE超となった場合は、補修または電極の交換が必要と判断する。
なお、図5に示した例は、鋼板幅方向端部の温度TE(S2)は、両端部とも上記範囲内にあり、かつδ(S2)、Δ(S2)も条件を満たすとした例である。
4)継続使用末期の時点(S3)
図6は、図5と同様、電極をさらに継続使用した場合の温度分布の例を示すものであるが、図5とは異なり、鋼板幅方向のWS側端部の温度TE(S3)が鋼板幅方向端部の下限温度の基準値TEを下回っており、この要件を満たしていない例を示している。しかしながら、このような場合は、温度偏差δ或いは温度勾配Δ等も次第に基準を満たすことが難しくなくことから、電極の交換を計画することが必要となることが予想される。
上述のように、使用時間の経過と共に電極の劣化が進展し、その程度や異常が生ずる部位が変化する。そしてその部位の劣化の進展や異常の発生と、それによって生じると考えられるフラッシュバット溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布の変化との関係が極めて明瞭に関係付けられることが判る。
従って、上記の電極の設備の管理すべき箇所を考慮して、その温度分布に変化に対する基準を設けておき、設備の補修や交換をおこなうことができるのは言うまでもないが、さらに、温度分布の変化を時系列に追跡し、いずれの基準が満たされなくなるかの変化を判断することによって、設備の劣化の進展を予測し、補修や交換を計画、準備することができる。
この劣化の進展、異常の発生と温度分布の関係は、電極のみに限らず、溶接機の他の部分についても得ることができ、例えば、フラッシュバット溶接機のアップセットシリンダーの異常を判断することができる。
図7は、溶接機のアップセットシリンダーの異常を判断する例を示す模式図であり、(a)はアップセットシリンダーに異常があり、押圧力に鋼板幅方向の差がある場合を示す図であり、(b)は(a)の場合に生じる温度分布を示す図である。
図7の場合、溶接部の温度分布が鋼板幅方向に大きく異なっており、DS(駆動側)が高く、WS(作業側)が低く、その間は幅方向の距離にほぼ比例して温度が変化している。
すなわち、アップセットシリンダーの押圧力が小さい側では、先行鋼板と後行鋼板のギャップが、押圧力が大きい側に比べて大きくなり、電流密度が低下して温度が低下する。従って図7の場合は、温度が低い右端で押圧力が低下しており、右端のアップセットシリンダーに異常があることが判る。このように、上記のような温度分布が検出された場合は、アップセットシリンダーに異常があると判断することができる。
これは例えば、鋼板幅方向の温度偏差δc(℃)と、鋼板幅方向の最高温度Tmaxを示す位置と最低温度Tminを示す位置の鋼板幅方向の距離Lc(mm)についてそれぞれ基準を設けることによって可能である。
すなわち、被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の温度偏差の基準値αc(℃)を定めておき、鋼板幅方向の温度偏差がδcが、基準値αcを超えているか否か判断し、且つ、同様に被溶接材料(先行・後行材)の材質、サイズ(板厚、板幅)及び、溶接条件(電流、アップセット圧力)に応じて、予め従来の実績に基づいて、アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の最高温度Tmaxを示す位置と最低温度Tminを示す位置の鋼板幅方向の距離Lcの基準値γc(mm)を定めておき、このLcが基準値γcを超えているかどうかを判断する。
すなわち、δcがαcを超え、かつ、Lcがγcを超える場合は、アップセットシリンダーに異常があると判断することができる。
δc(℃)= Tmax(℃)−Tmin(℃)>αc
L = 最高温度Tmax(℃)を示す位置と最低温度Tmin(℃)を示す位置 の鋼板幅方向の距離L>γc
このように、本発明の方法によれば、フラッシュバット溶接部の溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布の時系列的な変化を捉えることにより、鋼板のフラッシュバット溶接機の異常、補修、交換時期をより適切に判断することができ、効率的な設備管理を行うことができると共に、鋼板のフラッシュバット溶接部の品質を安定して確保することができる。
移動台(後行鋼板側)の電極による鋼板クランプ時の上側電極の圧力分布を示す模式図であり、(a)は電極交換直後の状態、(b)は数週間使用した後の状態を示す。 フラッシュバット溶接した溶接部の鋼板幅方向の温度分布を示す模式図であり、(a)は、電極交換直後の場合、(b)は数週間使用した電極の場合を示す。 本発明の設備管理方法を溶接機の電極の場合について示す温度分布の図であり、電極交換直後の状態を示す。 本発明おける設備管理方法を溶接機の電極の場合について示す温度分布の図であり、電極を継続使用した場合の初期の状態を示す。 本発明おける設備管理方法を溶接機の電極の場合について示す温度分布の図であり、電極を継続使用した場合の中期の状態を示す。 本発明おける設備管理方法を溶接機の電極の場合について示す温度分布の図であり、電極を継続使用した場合の末期の状態を示す。 本発明の設備管理方法を溶接機のアップセットシリンダーの場合について示す模式図であり、(a)はアップセットシリンダーの圧力に鋼板幅方向の差がある場合を示す図であり、(b)は、(a)の場合に生じる温度分布を示す図である。 本発明に使用するフラッシュバット溶接機の構造一例を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は(a)の2次元温度測定装置の配置を説明する部分正面図である。 フラッシュバット溶接機の概要を示す側面模式図である。
符号の説明
1 固定台
2 移動台
3a、3b 電極(クランプ)
4 シャー
5 トリマー
6 支持台
7 2次元温度測定装置(放射温度計)
8 アップセットシリンダー
9 溶接部(溶接線)
Sa 先行鋼板
Sb 後行鋼板
bb ビード

Claims (5)

  1. 連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
    前記鋼板幅方向の温度分布において、鋼板幅方向の最高温度Tmax(℃)と最低温度Tmin(℃)の差である温度偏差δ(℃)が、予め定めておいた鋼板幅方向の温度偏差の基準値α(℃)を超える場合に、該フラッシュバット溶接機に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
  2. 連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
    前記鋼板幅方向の温度分布における鋼板幅方向の温度勾配Δ(℃/mm)が、予め定めておいた鋼板幅方向の温度勾配の基準値β(℃/mm)を超える場合に、溶接機の電極に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
    但し、Δ:δ/L
    δ:鋼板幅方向の最高温度Tmax(℃)−最低温度Tmin(℃)
    L:最高温度Tmax(℃)を示す鋼板幅方向位置と最低温度Tmin(℃)を示す鋼板幅方向位置の距離(mm)。
  3. 連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
    前記鋼板幅方向の温度分布における鋼板幅方向のいずれか一方の端部の温度TE(℃)が、予め定めておいた鋼板幅方向端部の温度の下限値TE L (℃)未満、或いは鋼板幅方向端部の温度の上限値TE U (℃)超である場合に、溶接機に異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
  4. 連続冷間処理ラインにおいて先行鋼板と後行鋼板とを上下の電極で押圧、通電し、且つアップセットシリンダーにより先行鋼板に後行鋼板を押圧して両鋼板を接合するフラッシュバット溶接機であり、かつアップセット完了後10秒以内に溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を2次元平面分布として測定する温度測定装置を備えたフラッシュバット溶接機において、アップセット完了直後の溶接線を中心とする所定幅の溶接部の鋼板幅方向の温度を溶接中心線に沿う鋼板幅方向の温度分布として求め、この求められた温度分布と予め定めておいた鋼板幅方向の温度分布の基準値とを比較することによって、該フラッシュバット溶接機の異常を判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法であって、
    アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の温度偏差の基準値αc(℃)を定めておき、鋼板幅方向の温度偏差δcが、基準値αcを超えているか否か判断し、
    且つ、アップセットシリンダーが異常と判断される場合の鋼板幅方向の最高温度Tmaxを示す位置と最低温度Tminを示す位置の鋼板幅方向の距離Lcの基準値γc(mm)を定めておき、このLcが基準値γcを超えているかどうかを判断し、
    δcがαcを超え、かつ、Lcがγcを超える場合は、アップセットシリンダーに異常があると判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
    δc(℃)= Tmax(℃)−Tmin(℃)>αc
    Lc=最高温度Tmax(℃)を示す位置と最低温度Tmin(℃)を示す位置の鋼板幅方向の距離L>γc
  5. 前記鋼板幅方向の温度分布の基準値を被溶接材の材料条件及び溶接条件に対して設定し、この基準値と同一素材、同一溶接条件で測定した温度分布とを時系列的に比較することによって、異常の発生を判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼板のフラッシュバット溶接機の設備管理方法。
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