JP4469298B2 - 鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法及び診断装置 - Google Patents

鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法及び診断装置 Download PDF

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本発明は、例えば、鋼板の連続冷間圧延ラインや連続酸洗ラインなどで連続供給される先行鋼板と後行鋼板をフラッシュバット溶接により接合した場合の溶接部の診断方法及び診断装置に関するものである。
例えば、鋼板の冷間連続圧延ラインでは、生産性を向上させるために、前後の鋼板の端部をフラッシュバット溶接で接合して連続圧延機に連続供給し連続圧延を行っている。ここで用いられるフラッシュバット溶接設備は、その一例として図7(a)に示すように、ループをつくって圧延中の先行鋼板Saの後端部を固定台1のクランプ(電極)3a、3bでクランプして、シャー4により後端部を整端し、移動台2に導入した後行鋼板Sbの先端を、移動台2のクランプ(電極)3a、3bでクランプして先端部をシャー4で整端し、移動台2を固定台1側に徐々に接近させ、固定台1側の電極3a、3bと移動台2側の電極3a、3b間に電圧をかけておいて、先行鋼板Saと後行鋼板Sbを近接させることにより先行鋼板Saの後端面と後行鋼板Sbの先端面間にフラッシュを飛ばせながら、所定のアップセット代で急速に加圧して接合するものである。
アップセット完了したとき、溶接線に沿って図7(b)に示すようなバリ(ビード)bbが発生するが、このバリは、溶接線に対して進退自在に配設したトリマー5によって、アップセット完了後、溶接部を移動することなくトリミングできるようにしており、溶接部がアップセット直後で温度が高くトリマー5による切削抵抗が小さいため、バリbbを容易にトリミングして溶接部の品位を確保するとともに、トリマー5までの溶接部移動時間を短縮してトリミングを含む溶接作業を効率化することが可能である。
しかし、このフラッシュバット溶接による接合に際しては、接合する先行鋼板と後行鋼板の接合端面の微小凹凸や、鋼板の厚み方向の微小ずれの発生が避けられないことから、フラッシュの飛びが不安定になって均一な接合ができず、所望の接合強度(ここでは、連続冷間圧延過程や巻取・巻き戻し過程で破断しない程度の接合強度でよい。)を安定確保できなくなることがある。所望の接合強度が得られない場合、連続冷間圧延過程で接合部が破壊してしまい、連続圧延操業が不能になるとともに、半成品処理を必要とし歩留まりの低下に加え作業効率の低下も招くことになる。
そのため、従来、フラッシュバット溶接による溶接部の診断方法としては、目視検査による方法の他に、いくつかの方法が提案されている。例えば、機器の動作や、電圧、電流値の変化から溶接部の異常の有無を判定する方法、超音波を使って溶接内部欠陥を検査する方法などが提案されている。
また、溶接機の溶接異常監視方法として、フラッシュ前・後期、アップセット期に溶接機に投入した電力量を基準電力量と比較する溶接機の溶接異常監視方法、フラッシュ前・後期、アップセット期に溶接機の入熱量を基準入熱量と比較する溶接機の溶接異常監視方法などが提案されている。
しかし、目視検査による場合には、人的負荷が大きいことに加えて、安定した検査精度の確保が難しいという問題がある。また、機器の動作や、電圧、電流値、電力量、入熱量などによる場合には、これらが正常な状態を示した場合であっても、被溶接材の条件によっては接合部不良が発生する場合もあり、また、超音波では一見接合されているように見えても、接合強度が不十分な溶接、例えば冷接などの溶接不良は検出ができないことがあることから、より信頼性の高いフラッシュバット溶接部の診断(検査)方法の開発が要請されていた。高強度鋼板を始めとする難溶接材の生産量が増えている近年、益々この要請が高まってきている。
(1)特許文献1には、フラッシュ前・後期、アップセット期に溶接機の入熱量を基準入熱量と比較する溶接機の溶接異常監視方法が開示されている。
(2)特許文献2には、フラッシュ前・後期、アップセット期に溶接機に投入した電力量を基準電力量と比較する溶接機の溶接異常監視方法が開示されている。
特開平3−32473号公報 特開平3−32474号公報
本発明は、コイルから巻き戻した厚み1.0〜10mm程度、幅400〜2500mm程度の鋼板を対象としたフラッシュバット溶接機で、先行鋼板と後行鋼板をフラッシュバット溶接により接合して、例えば連続冷間圧延機に連続供給する場合に、溶接部の状態を容易にかつ精度よく診断でき、上記従来の溶接診断方法における問題を有利に解決できる、フラッシュバット溶接部の診断方法及び診断装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を有利に解決するためになされたものであり、以下の(1)〜()を要旨とするものである。
(1).先行鋼板と後行鋼板を接合するフラッシュバット溶接において、アップセット完了後10秒以内に、バリ(ビード)のトリミング前またはトリミング後の状態で、溶接線を中心とする所定幅の溶接部について温度を測定し、その温度分布から溶接部の良否を診断する鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法であって、前記溶接部での板幅方向の温度が、予め設定した基準平均温度に対して設定比率の範囲外で高温側と及び低温側に分布している部位を異常溶接部位と判断し、この異常溶接部位の板幅方向長さを総和し、この長さの総和が板幅に対して設定比率以上である場合を溶接不良と判断するか、または、溶接部での板長手方向の温度幅を計測して板幅方向の温度幅分布を求め、温度幅が予め設定した基準温度幅の領域範囲外で広い部位と及び狭い部位を異常溶接部位と判断し、この異常溶接部位の板幅方向の長さを総和し、この長さの総和が板幅に対して設定比率以上である場合を溶接不良と判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法。
(2).アップセットの段階から溶接線を中心とする所定幅、所定長さの2次元画像を時間的に連続して撮像し、画像の輝度平均値が予め設定した閾値を超えた直後の画像を選択し、該画像の輝度を温度に変換して温度分布を算出し、該温度分布ら溶接部の良否を診断することを特徴とする(1)に記載の鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法。
).先行鋼板と後行鋼板を接合するフラッシュバット溶接の良否を診断する診断装置において、被溶接材の情報を入力する材料情報入力部と、該溶接材の情報から撮像条件を出力する撮像条件出力部と、該撮像条件により溶接部の所定幅、所定長さの2次元画像を連続的に撮像する2次元カメラと、該連続した2次元画像から、該2次元画像の輝度平均値が予め設定した閾値を超えた後で且つ溶接部を写す最初の画像を選択する画像選択部と、該選択画像部の選択画像の輝度を温度に変換して所定の溶接部近傍の温度分布を算出する温度変換部と、該温度分布から接合状態の合否を判定する合否判定部を有し、前記合否判定部は、前記溶接部での板幅方向の温度が、予め設定した基準平均温度に対して設定比率の範囲外で高温側と及び低温側に分布している部位を異常溶接部位と判断するか、または、溶接部位での板長手方向の温度幅を計測して板幅方向の温度分布を求め、温度幅が予め設定した基準温度幅の領域範囲外で広い部位と及び狭い部位を異常溶接部位と判断し、この異常溶接部位の板幅方向長さを総和し、この長さの総和が板幅に対して設定比率以上である場合を溶接不良と判定することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接部の診断装置。
本発明においては、フラッシュバット溶接部の良否を、アップセット完了直後の溶接部の温度分布に基づいて診断するものであり、例えば連続処理中に破断を生じない接合状態かどうかを容易に、かつ精度よく判定し、破断を生じやすい接合状態にある場合には、速やかに接合部除去・再接合などの処理を選択して円滑な連続処理操業を実施することができ、連続処理操業の休止や、半成品化処理等の不都合の発生を回避し、より円滑な連続圧延操業の実現が可能になる。
本発明は、例えば鋼板の冷間連続圧延ラインにおいて、生産性を高めるために、前後の鋼板の端部をフラッシュバット溶接で接合して連続圧延機に連続供給し連続圧延を行う場合に適用する溶接部の診断方法であり、基本的には、アップセット完了後10秒以内の溶接部の温度が高い状態(例えば600℃〜1000℃程度)で、溶接線を中心とする所定幅の溶接部について温度を測定し、その温度分布から溶接部の良否を診断するものである。
溶接部の温度測定については、アップセット完了直後の高温状態では異常溶接部が正常溶接部より低温である場合が多いことから、温度差を顕著に判別できる溶接完了直後の温度が高い状態で測定することが有利であるが、アップセット完了後10秒以内、より好ましくは5秒以内に行うことにより、溶接欠陥部を精度よく判別可能である。この条件を満足させれば、この温度測定は、バリ(ビード)のトリミング前に行ってもよいし、トリミング後に行ってもよい。
なお、アップセット完了後10秒を経過して温度測定した場合には、溶接部の温度が500℃以下に低下し、異常溶接部と正常溶接部で温度差が顕著に出ないため、溶接欠陥部を精度よく判別することができなくなる。
この温度測定は、鋼板の上面側と下面側または鋼板の上面側と下面側のいずれかで行うものである。温度測定に用いる温度計としては、所望の領域の温度分布が容易に計測でき、画像処理で任意の分析・加工が可能な画像計測型放射温度計や2次元放射温度計といった各種放射温度計や赤外線カメラ温度計などの非接触型の温度計が好適であるが、バリのトリミング後の溶接部の温度測定には、熱電対などの接触式の温度計を用いることもできる。(請求項1の実施形態例に相当)
以下に本発明について図1〜図6に基づいて説明する。
本発明者らは、フラッシュバット溶接において、フラッシュが均一に飛ばせれば、正常な溶接部が形成され、溶接部の温度分布も均一になるはずであるとの認識に立って、溶接部の温度分布と溶接欠陥との関係について着目し、実験を通じて以下の知見を得た。
(1)フラッシュバット溶接の場合では、溶接部の温度は、図1に示すように、アップセット完了時点で1400℃程度と最も高く、10秒経過すると600℃程度まで降下する。この温度領域で溶接部の温度を測定すると、図2に示すように、溶接線上と、その周辺とで明らかな温度分布が存在する。
(2)電流を上げフラッシュを多く発生させると、被溶接材の溶融部が局部的に過剰飛散して欠落し、そのままアップセットされた場合、その部分は他の部分の温度より低くなる。逆に、電流を下げると、フラッシュの発生が少なくなり充分に溶融部が形成されないままアップセットされるため、温度の低い部分が支配的となる。
(3)また、厚み方向で段差がある段付き溶接の際は、図3に示すように、接合面が傾斜するため、上面側と下面側で溶接線がずれることになり、それぞれの面側で溶接線を基準に板の長手方向の温度分布を測定すると温度幅に偏りを生じる。
(4)また温度が高くても、フラッシュ飛散の不均一に起因して生じた局部的な過剰溶融部が欠落した場合には充分な溶融部が得られない。この場合、例えば図4(a)に示すように、溶接部の板長手方向の温度分布において、ある温度範囲に収まっている正常溶接部(等温度領域)の温度幅より広い温度幅を持つAを生じる。あるいは、例えば図4(b)に示すように、溶接部の板長手方向の温度分布において、ある温度範囲に収まっている正常溶接部(等温度領域)の温度幅より狭い温度幅を持つBを生じる。前者はアップセット時にフラッシュ代が残有し溶融部の殆どが押し出され、後者はフラッシュで溶融部が大きく飛散した結果と推定され、いずれも、冷接状態となり異常溶接部となる。
本発明者らは、上記の知見から、アップセット完了直後の高温域状態での溶接部の温度分布によって、溶接部の状態を精度よく診断できると結論するに至った。
本発明では、接合対象の鋼板条件(材質、サイズ)に応じた正常な溶接部を安定確保できる溶接条件(電圧、電流、フラッシュ代、アップセット代など)、正常な溶接部と異常溶接部の判別基準と、所望の接合強度(ここでは、連続冷間圧延過程や巻取・巻き戻し過程で破断しない程度の接合強度でよい。)を確保できる溶接部条件(基本的には、正常溶接部と異常溶接部の比率)を設定する。その上で、例えば、図4、図5で示すような異常溶接部に対しては、以下のようにして溶接部の良否を診断するものである。
温度測定は、アップセット完了後10秒以内(より好ましくは5秒以内)で、バリ(ビード)のトリミング前またはトリミング後に行うが、バリ(ビード)のトリミング前とトリミング後では条件が異なるので、上記の診断のための条件は別に設定する。
本発明の溶接部の診断方法における溶接部合否判定は、例えば以下のようにして行うものである。
(1)アップセット直後の溶接部での板幅方向の温度を測定し、板幅方向の温度が、図5に示すように、予め設定した基準温度に対して設定比率eの範囲外で高温側に分布している分布している部位Aと同じく設定比率e′の範囲外で低温側に分布をしている部位Bを異常溶接部と判断し、この溶接異常部の板幅方向長さxを総和し(部位A、Bが複数の場合に総和)、この長さxの総和xtが板幅wに対して設定比率以上(xt/wが、例えば15%以上)である場合に溶接部不良と判断し、溶接部を後退させ、切断除去して再度溶接する。また、必要に応じて溶接条件の微調整や圧延時の張力変更も考慮する。(請求項2の実施形態例に相当)
(2)アップセット直後の溶接部での板長手方向の基準温度以上である温度幅を計測して板幅方向の温度幅分布を求め、図4(a)及び図4(b)に示すように、温度幅が予め設定した基準温度幅aより広い部位A及び基準温度幅bより狭い部位Bを異常部位と判断し、この異常部位の板幅方向の長さxを総和し、この長さの総和xtが板幅wに対して設定比率以上(xt/wが例えば15%以上)である場合に溶接部不良と判断し、(1)と同様、溶接部を後退させ切断除去して再度溶接する。また、必要に応じて溶接条件の微調整や圧延時の張力変更も考慮する。(請求項3の実施形態例に相当)
本発明を実施するためのフラッシュバット溶接設備は、基本的には、図7(a)と同様のものであるが、図6(a)、(b)に示すように、アップセット位置の近傍で上下および水平方向に進退自在なトリマー5の支持台6に例えば放射温度計7を配設して、アップセット直後に溶接部のバリbbをトリマー5でトリミングする際に、それに先行(トリミング前に温度測定する場合)または後続(トリミング後に温度測定する場合)して、溶接部を移動することなく溶接部の温度を測定する構造を付加したものである。図6(b)は、放射温度計7を鋼板Sa(Sb)の上面側においてバリbbをトリミング前の溶接部の温度を測定するように配置している。放射温度計7は、鋼板の上面側、下面側のいずれか一方の側または双方の側に配置する。
放射温度計7による温度測定情報を上記(1)または(2)の溶接部合否診断システムを組み込んだ合否判定装置(図示省略)に入力して合否を判定し、溶接部不良と判定した場合には、例えば溶接部を後退させ切断除去して再度溶接するなどの再処理操作に自動移行させることもでき、また、表示装置や警報装置によって再処理指令を発するようにもできる。そのために、固定台のクランプ(電極)、シャー、トリマー、移動台のクランプ(電極)、シャー、溶接条件設定変更や圧延スケジュール変更の演算制御機能を付与して、再溶接時の溶接条件最適化と圧延時の溶接破断防止を自動で制御できるようにすることもできる。
放射温度計7から出力される温度分布は、前述のように、温度が高い状態で測定して得た方が有利であり、アップセット完了後10秒以内、より好ましくは5秒以内に行うことにより精度良く溶接部の合否を判別できる。そこで、アップセット完了後5秒以内に溶接部の温度分布を測定し、それから接合状態の合否を判定する診断方法および装置の一実施例を図8〜図11に基づいて説明する。(請求項4および5の実施形態例に相当)
図8は、本発明の診断装置の一実施例を示す図で、一点鎖線で囲んだ部分が、その範囲である。それ以外は、本発明を実施するためのフラッシュバット溶接設備であり(以下“溶接機本体”という)、基本的には、図7(a)と同様のものである。ここでは、前記の放射温度計7は2次元カメラ13、画像選択部14、及び温度変換部15で構成されている。図8(a)のように、アップセット位置の近傍で上下および水平方向に進退自在なトリマー5の支持台6に2次元カメラ13を配設して、アップセット直後に溶接部のバリbbをトリマー5でトリミングするのに先行して、溶接部の2次元画像を撮像する。
2次元カメラ13は、詳細な溶接部温度分布を得るために高分解能で(例えば2000×2000画素)、かつ短い間隔で連続撮像するために部分読み出し機能を有するものが適している。すなわち、図8(b)のように、板幅の短い材料に対して1台の2次元カメラ13で全溶接部を撮像する場合、図9のように、バリbbで示した溶接部が入る位置にカメラ視野をセットし(図中の一点鎖線で囲んだ範囲)、溶接部とその周辺が含まれる読み出し部分(図中の破線で囲んだ範囲)だけの画像を取り込む。例えば、W×W=2000×2000画素の2次元カメラで、板幅400mmの鋼板の溶接部を撮像する場合、鋼板のウォークなどを考慮し、視野を500×500mm取るとすると、分解能は
500/2000=0.25 mm (1)
となる。
長手方向はバリ(ビード)bbの幅が3〜5mmであることから、25mm程度の視野を取れば十分なので、必要な画素数Lは
L=25/0.25=100 画素 (2)
となる。よって、読み出す画素は2000×100で、全体の画素の1/20となる。このように部分読み出しを行うことで、2次元カメラ13で取り込む画像データ量を減少することができ、高分解能の画像でも短ピッチで連続撮像可能となる。
また、図10(a)のように、幅広の鋼板を複数台(この図では3台)の2次元カメラ13−1、13−2、13−3で撮像する場合も、図10(b)のように、各2次元カメラの視野17−1、17−2、17−3に対し、読み出し部分18−1、18−2、18−3のように抽出すればよい。図9において、読み出し幅Wは、鋼板のウォークを考慮して、板幅よりもやや大きく設定し、読み出し長さLは溶接熱の影響が及ぶ範囲から決定する。また、溶接線の鋼板長さ方向位置は溶接される材料によりほぼ一定であり、2次元カメラ13を設置すると、画素値Xcとして決定されるので、図9で示す読み出しスタート点(X、Y)は、(Xc−L/2、0)となる。読み出し部分を決定するために必要な値X、Y、L、Wは、このようにして定め、予め2次元カメラ13に設定しておく。
以下、一回のフラッシュバット溶接に関し、その開始前から接合状態の合否判断が出るまでの診断装置各部の動作について図8(a)を用いて説明する。材料情報入力部11は、溶接開始前に溶接機本体から、材料情報を入力する。材料情報には、(1)接合対照の鋼板条件(材質、サイズ)、(2)溶接条件(電圧、電流、フラッシュ代、アップセット代など)、(3)溶接点位置画素値(Xc)などが含まれる。
材料条件出力部12では、事前に行った多数の試験結果から材料情報とカメラ露光時間最適値の関係をテーブルにもっており、そのテーブルを用い、受け取った材料情報に合った露光時間を2次元カメラ13と温度変換部15へ送信する。このように露光時間が設定された2次元カメラ13は、撮像開始を待つ状態になり、トリガー信号を受信すると連続撮像を開始する。トリガー信号はアップセットの段階になると、溶接機本体から材料情報入力部11および材料条件出力部12経由で、2次元カメラに送信される。
画像選択部14では、2次元カメラ13から、W×L画素の部分読み出し画像が短時間ピッチで順次送られてくるが、溶接機本体は、溶接中はスパッターが外部に飛ばないようにシールドされており(図示せず。以後“スパッターシールド”という。)、これにより、2次元カメラ13が溶接時のスパッターにより破損することないが、撮像開始直後は、溶接部が見られないので暗い画像が入力される。
その後スパッターシールドが開くと、高輝度の溶接部を含んだ画像となる。そこで、アップセット後なるべく早い段階の画像を取得するために、画像選択部14では、順次送られてくる入力画像の輝度平均値を算出し、その値が予め設定した閾値を越えるとスパッターシールドが開いたと判断し、その次に送られてくる画像を温度変換部15に送る。ここで、閾値を超えたときの画像を送らないのは、スパッターシールドが開く途中で、不完全な溶接部の画像である可能性が高いからである。以上により、部分読み出し画像の入力ピッチは0.1秒程度であり、アップセット後からスパッターシールドが開くまでの時間は長くても3〜4秒であることから、アップセット後5秒以内での画像の選択は可能となる。
温度変換部15には、予め、均一で正確な温度がわかっている黒体炉を2次元カメラ13で撮像して、得られた画像輝度値と、黒体炉温度を接合対象の放射率で補正した温度値と対応させて蓄積している。つまり校正データとは、図11のように、露光時間別に、2次元カメラ13の画像輝度を示す階調と温度の関係を示すものである。露光時間とこの校正データを用い、温度変換部15に送られた画像データは、輝度値から温度に変換され、温度分布データとして合否判定部16に送られる。
合否判定部16では、入力された温度分布データに基づき、上記の(2)および(3)の実施形態例に相当する処理が行われ、合否判定結果が出力される。
上記実施例では、2次元カメラ13を1台設置した場合を例に説明しているが、図9のように複数の2次元カメラを設置した場合でも、各2次元カメラ13−1、13−2、13−3から得られた読み出し画像18−1、18−2、18−3を、画像選択部14で合成して1つの画像とし、温度変換部15の送ればよい。
なお、本発明は、上記例に限定されるものではない。例えば、上記の例では連続冷間圧延機に連続供給される鋼板を溶接対象としているが、連続酸洗設備に連続供給される鋼板を溶接対象としても適用可能なものである。
フラッシュバット溶接部の温度の経時変化例を示す概念説明図。 フラッシュバット溶接部の溶接線と温度分布例を示す側面概念説明図。 フラッシュバット溶接部で厚み方向で位置ずれがある場合の溶接線と温度分布例を示す側面概念説明図。 フラッシュバット溶接部の異常溶接部例を板長方向の温度幅分布で示す平面概念説明図。 フラッシュバット溶接部の異常溶接部例を板幅方向の温度分布で示す概念説明図。 (a)図は、本発明で用いたフラッシュバット溶接設備の構造例を示す側面概念説明図、(b)図は、(a)図での放射温度計の配置例を部分的に示す正面概念説明図。 (a)図は、従来のフラッシュバット溶接設備の構造例を示す側面概念説明図、(b)図は、フラッシュバット溶接部に発生するバリ例を示す側面概念説明図。 (a)は本発明の一実施例に係る説明図、(b)は(a)での2次元カメラの配置例を部分的に示す正面概念説明図。 カメラ視野と画像読み出し部分を示す概念説明図。 (a)は、[図8](a)で、鋼板幅方向に3台のカメラを配置する例を部分的に示す正面概念説明図、(b)は、(a)に対応してカメラ視野と画像読み出し部分を示す概念説明図。 校正データの概要を示す説明図。
符号の説明
Sa 先行鋼板
sb 後行鋼板
1 固定台
2 移動台
3a、3b 電極(クランプ)
4 シャー
5 トリマー
6 支持台
7 放射温度計
10 フラッシュバット溶接部の診断装置
11 材料情報入力部
12 撮像条件出力部
13 2次元カメラ
13−1、13−2、13−3 2次元カメラ
14 画像選択部
15 温度変換部
16 合否判定部
17−1、17−2、17−3 カメラ視野
18−1、18−2、18−3 読み出し部分

Claims (3)

  1. 先行鋼板と後行鋼板を接合するフラッシュバット溶接において、アップセット完了後10秒以内に、ビードをトリミング前またはトリミング後の状態で、溶接線を中心とする所定幅の溶接部について温度を測定し、その温度分布から溶接部の良否を診断する鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法であって、
    前記溶接部での板幅方向の温度が、予め設定した基準平均温度に対して設定比率の範囲外で高温側と及び低温側に分布している部位を異常溶接部位と判断するか、または、溶接部位での板長手方向の温度幅を計測して板幅方向の温度分布を求め、温度幅が予め設定した基準温度幅の領域範囲外で広い部位と及び狭い部位を異常溶接部位と判断し、
    この異常溶接部位の板幅方向長さを総和し、この長さの総和が板幅に対して設定比率以上である場合を溶接不良と判断することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法。
  2. アップセットの段階から溶接線を中心とする所定幅、所定長さの2次元画像を時間的に連続して撮像し、画像の輝度平均値が予め設定した閾値を超えた直後の画像を選択し、該画像の輝度を温度に変換して温度分布を算出し、該温度分布ら溶接部の良否を診断することを特徴とする請求項1に記載の鋼板のフラッシュバット溶接部の診断方法。
  3. 先行鋼板と後行鋼板を接合するフラッシュバット溶接の良否を診断する診断装置において、被溶接材の情報を入力する材料情報入力部と、該溶接材の情報から撮像条件を出力する撮像条件出力部と、該撮像条件により溶接部の所定幅、所定長さの2次元画像を連続的に撮像する2次元カメラと、該連続した2次元画像から、該2次元画像の輝度平均値が予め設定した閾値を超えた後で且つ溶接部を写す最初の画像を選択する画像選択部と、該選択画像部の選択画像の輝度を温度に変換して所定の溶接部近傍の温度分布を算出する温度変換部と、該温度分布から接合状態の合否を判定する合否判定部を有し、
    前記合否判定部は、前記溶接部での板幅方向の温度が、予め設定した基準平均温度に対して設定比率の範囲外で高温側と及び低温側に分布している部位を異常溶接部位と判断するか、または、溶接部位での板長手方向の温度幅を計測して板幅方向の温度分布を求め、温度幅が予め設定した基準温度幅の領域範囲外で広い部位と及び狭い部位を異常溶接部位と判断し、この異常溶接部位の板幅方向長さを総和し、この長さの総和が板幅に対して設定比率以上である場合を溶接不良と判定することを特徴とする鋼板のフラッシュバット溶接部の診断装置。
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