JP2008045935A - 突合せ溶接部の良否検査方法および装置 - Google Patents

突合せ溶接部の良否検査方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来距離計方式や光切断形状計測では識別しにくい母板目違いに起因した溶接不良の確実性を高めると共に、従来の目視観察やハンマリング試験において問題であった検査員依存性を無くし、再現性、客観性を高める。
【解決手段】突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部30Wの良否を検査する方法において、溶接線に対して略直交方向のスリット光10Sを、溶接線方向に走査して照射し、前記スリット光10Sの溶接部30Wで反射した拡散反射光強度分布を、溶接線方向の複数位置で検出し、その複数位置で検出した拡散反射光強度分布に基づいて、溶接部30Wの良否を判定する。ここで、前記拡散反射光強度分布について、第1の所定強度以下となる位置で囲まれる範囲を設定し、その範囲内で、第2の所定強度以上、かつ、所定幅以上となる孤立領域の有無を検出する処理を、溶接線方向の複数位置について連続的に行い、前記孤立領域が所定数以上連続して有った場合に、溶接不良と判定することができる。
【選択図】図4

Description

本技術は、突合せ溶接部の良否検査方法および装置に関する。特に、鋼帯等をフラッシュバット法等で突合せ溶接する工程において、溶接によって生じる盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する、突合せ溶接部の良否検査方法および装置に関する。
従来、冷延工程や酸洗工程では、プロセスへ鋼帯を連続的に供給するため、ルーパー等によりラインを停止させずに先行コイルと後行コイルを溶接により接続する設備、具体的にはフラッシュバット、シーム溶接、スポット溶接等の溶接機および肉盛り切削手段等の付帯装置が設けられているのが一般的である。この肉盛りは、溶接時に鋼帯突合せ部が溶融した状態で板の長手方向に押付けることに伴って、溶融金属が断面からはみ出して生じるもので、溶接直後に、肉盛りの形状に応じたバイト、砥石等の切削工具で平面状に切削するのが一般的である。
ところで、これらの溶接機によるコイル間の溶接の良否判定は、後続の工程におけるコイルの溶接部破断等のトラブルを防止する上で重要である。なぜなら、一般には接続された鋼帯も母材と同様なライン、ピンチロールや圧延ロール等を通過するため、溶接部ができるだけ母材と同様の形状になっていることが必要だからである。
この溶接部良否判定としては、古くから肉盛り切削後に鋼帯を一旦停止させて溶接部の表裏面を観察する目視検査、ハンマーを用いて溶接部の強度を確認するハンマーテスト、また自動検査の方法としては、特許文献1に開示されているような、溶接電力および溶接時間に基づいて判別する方法、特許文献2に開示されているような、溶接電極内に超音波探触子を埋め込んで超音波の透過強度に基づいて溶接状態の良否を判別する方法、特許文献3に開示されているような、溶接直後に測定する表面温度に基づいて溶接状態の良否を判別する方法、など種々の方法が提案されている。
また、別な従来技術としては、溶接後の盛り上がり除去後の溶接部形状を測定し、それに基づいて溶接部の良否を判別する方法も複数提案されている。即ち、特許文献4においては、光切断法で検出する盛り上がり除去後の溶接部形状の微分波形の変動成分の大小により良否判別を行う方法が提案されており、また、特許文献5においては、突合せ溶接部の表裏面から2次元距離計でそれぞれ検出する溶接部形状と、先行、後行材の板厚情報に基づき、突合せの目違い量やビード残りを算出し良否判定に用いる方法が提案されている。
特開昭50−83245号公報 特開昭52−150760号公報 特開昭56−99082号公報 特開平1−209307号公報 特開平5−154510公報
しかしながら、上記の目視検査、ハンマーテストは、溶接電極等が入り組んでいる溶接機内で作業することはできず、鋼帯を溶接部が溶接機下流側で露出する位置まで移動後、暫く停止させる必要があるために、生産効率が下がり、また良否検査は作業者の主観に依存するために再現性、客観性に欠けるという問題点があった。
また、特許文献1の方法では、溶接する鋼帯の鋼種や板厚毎の理想的溶接エネルギ効率を予め把握し、実操業においても、これらの因子毎に判別因子を切り替える必要があるので運用が複雑になるという問題点や、溶接部や溶接機の汚れや劣化による溶接効率の変化が、溶接エネルギと溶接部品質との相関に影響を与えるという問題点があった。
又、特許文献2の方法は、電極毎に超音波探触子を埋め込むのでコスト高になる他、透過波が極小となる時点と通電終了時点との差から判別を行うが、溶接部良否への影響因子は超音波減衰から推定される溶接部の大きさのみではないので、判別の信頼性に疑問があるという問題点があった。
又、特許文献3の方法では、表面の最高温度およびそのばらつきでの評価となるので、目違い等による溶接不良を正確に検出できないばかりか、放射温度計の視野が溶接線からずれた場合の誤差、表面のスケール付着状況等による放射率変化の影響を大きく受けるため、信頼性の高い検出が困難であるという問題点があった。
又、特許文献4の方法では、光切断法で盛り上がり除去後の溶接部形状を算出するので、温度法などに比べ測定範囲を広く取れるという利点はあるが、光切断法で検出する鋼帯表面の形状波形は、たとえ母板部であっても散乱等の影響で微小変動(高周波成分)を含むため、微分演算によって微小変動成分も強調されてしまい、溶接部不良検出のS/Nが低下するという問題点があった。
又、特許文献5の方法では、ビード残りを母板部の距離値と測定範囲内の最高点との差として定義しているために、最も板破断に有害な溶接不良因子である切削部縁部の段差を直接検知できず、あるいは突合せ部の曲がり等の変形を段差と誤検出してしまうこと、更に、目違いが存在しても溶接と切削が正常であれば板破断が起こらないケースもあり、目違い量が溶接部良否の主要因子たり得ない、といった問題点があった。更に、この方法で使用している2次元距離計は、一般にレーザ光の走査範囲内で対象表面の反射率変化を自動的にゲイン補正しながら測定するが、一般にビード切削後の切削部は非常に強い鏡面状態となっていて周囲の母板部とは反射率が大きく異なるため、通常の2次元距離計で切削面を含んだ溶接部の形状を正しく測定できないという問題点があった。又、突き合わせる板に目違いがある場合等に発生しうる、母板の一方が沈み込んでいる為に切削工具の刃がかからず、その反対面側は過大に突き出た母板部を削り取って減肉となって破断するような溶接不良の検出性能が十分ではない、という問題点もあった。
本発明は、前記従来の問題点を解決すべくなされたもので、従来距離計方式や光切断形状計測では識別しにくい母板目違いに起因した溶接不良の確実性を高めると共に、従来の目視観察やハンマリング試験において問題であった検査員依存性を無くし、再現性、客観性を高めることを課題とする。
本発明は、光切断法の装置構成を利用して、対象物の表面の反射率情報に着目した反射光強度の分布を、溶接線に沿って連続的に多数検出し、溶接部の光学的な反射特性に基づいて溶接部の良否判定を行おうというものである。
これを実現させるためには、溶接ビード切削直後のビード部に、そのビード部と略直交方向に延びるスリット光(レーザ・スポット光を高速走査することにより見かけ上、スリット光とみなす光も含む)を照射し、その拡散反射光(乱反射光)を画像として撮像して、その反射光の位置と輝度をそれぞれ検出する。これは、ビード切削直後の切削帯は鏡面状態になっているため、反射光は鏡面反射成分が強く、殆どが正反射方向となり、拡散反射光成分は少なく、その光量は少なくなり、その一方で、溶接部でない母材部(素材部)は、ランダムな表面状態であるため拡散反射成分が強く、拡散反射光の光量が多くなるからである。従って、光切断法と同様に、スリット光を鋼板に対して所定入射角度の斜め方向に照射させて、拡散反射方向からカメラ等の撮像装置で観察(撮像)すると、スリット光の反射像の輝度分布は、母材部(素材部)で明るく、切削部では暗くなり、その違いは明瞭に識別可能である。
そして、前記のスリット光の拡散反射光を溶接線に沿って多数採取し、それぞれの輝度信号を並べて画像とすることで、溶接ビード切削部の内部に輝度の高い領域が存在すれば、それを目違いに起因した削り残しである、といった従来の目視点検での着眼点に即した判定方法を結びつけることができる。
本発明は、上記のような研究結果に基づいてなされたもので、突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する方法において、溶接線に対して略直交方向のスリット光を、溶接線方向に走査して照射し、前記スリット光の溶接部で反射した拡散反射光強度分布を、溶接線方向の複数位置で検出し、その複数位置で検出した拡散反射光強度分布に基づいて、溶接部の良否を判定するようにして、前記課題を解決したものである。
ここで、前記拡散反射光強度分布について、第1の所定強度以下となる位置で囲まれる範囲を設定し、その範囲内で、第2の所定強度以上、かつ、所定幅以上となる孤立領域の有無を検出する処理を、溶接線方向の複数位置について連続的に行い、前記孤立領域が所定数以上連続して有った場合に、溶接不良と判定することができる。
本発明は、又、突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する突合せ溶接部の良否検査装置であって、溶接線に対して、略直交方向のスリット光を照射する光源と、該スリット光の、溶接線方向の複数位置における拡散反射光の強度分布を検出する受光手段と、該受光した拡散反射光の強度分布の各々について、第1の所定強度以下となる位置で囲まれる範囲を設定し、その範囲内で第2の所定強度以上、かつ、所定幅以上となる孤立領域の有無を検出する孤立領域検出手段と、該孤立領域検出手段で検出した孤立領域が所定数以上連続して有った場合に、溶接不良と判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする突合せ溶接部の良否検査装置を提供するものである。
本発明は、溶接盛り上り部除去後の溶接線を含む領域内の光学反射特性に着目して溶接不良を検出するようにしたので、従来距離計方式や光切断形状計測では識別しにくい母板目違いに起因した溶接不良の確実性を高めることが出来る。又、これらの検査は数値指標により自動的に行うので、従来の目視観察やハンマリング試験において問題であった検査員依存性は無く、再現性、客観性に優れている。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる方法を適用した突合せ溶接部の良否検査装置の構成の一例を示す概略図である。図1において、1は測定ヘッド、2は画像処理装置、3は表示装置、30は被測定物(ここでは鋼帯)である。
測定ヘッド1は、溶接部の光切断画像を採取するもので、その構成の一例としては、レーザ光源(以下、単に光源とも称する)10、光源レンズ11、カメラ(撮像手段)12、受光レンズ13、ミラー14等により構成され、光源の波長や入射角度等の好適な測定条件は、本発明者らが出願した特開2004−117053号公報に開示されているようなものを準用すればよい。光源10からの光の入射角αおよびカメラ(撮像手段)12の光軸の角度βとすると、正反射光を受光する角度を除いた、拡散反射光を受光する条件において、(α+β)が略90°であることが好ましい。又、光源10としては、点状に集束したスポット光を反射ミラー等により高速に扇状または平行に走査させるスキャン光を用いても良いが、好適には、光源からの放射光を線状に集束させるためのシリンドリカルレンズを用いて、これら光源とレンズを一体化したスリット光源を用いれば構造が簡素化される。なお、スリット光10Sの短辺幅は溶接の段差に比べて十分小さいことが好ましい。ここで、点光源を走査させる方式を採用した場合には、少なくとも走査一周期以上の期間は、光源10を点灯し、カメラ12の撮像周期(露光時間)は、その期間以上とする必要がある。
なお、光源10と撮像手段12と溶接部の位置関係は図2に示すとおりで、光源10から照射されるスリット光10Sは、溶接部30Wの溶接線方向(例えば、連続ラインにおける鋼板搬送方向の直交方向である幅方向に対応する)に略直交方向に照射されるような位置関係となっている。
また装置の使用環境を勘案して、測定ヘッド1は、光路をさえぎらない開口部16、17を除いて密閉構造とし、図示しない空冷等の冷却手段により溶接の熱等から機器を防護することが望ましい。更に、測定ヘッド1は溶接線に沿った複数箇所での溶接部の光切断画像を採取するので、図示しない移動機構により突合せ溶接部に概一定ギャップで正対したまま鋼帯3の幅方向に移動できるようになっていることが望ましい。
前記画像処理装置2は、測定ヘッド1の動作を制御し、また溶接部30Wの各位置で測定ヘッド1が採取した光切断画像群から、溶接部30Wの3次元的な形状および輝度分布画像を生成、また判別するもので、例えば、図1に示したように、光源電源4、カメラ電源5、画像データ変換回路6、画像処理回路7、画像合成回路8、判定回路9等で構成することができる。
このうち、光源電源4、カメラ電源5は、それぞれ光源10、カメラ12に所定の駆動電力を供給するものであり、公知の電源回路で機器に応じた電圧、容量のものを使用すればよい。
画像データ変換回路6は、カメラ12の各画素で受光した反射強度の輝度情報(電圧)を、それぞれ2次元の画素位置に対応した数値列に変換する画像入力手段である。
前記画像処理回路7は、輝度分布算出部7A、輝度データメモリ7Bで構成される。輝度分布算出部7Aは、画像データ変換回路6から撮像した画像データを入力して、スリット光10Sが被検査物(3)表面において反射し、観察される拡散反射光強度(輝度)分布データを算出し、輝度データメモリ7Bに記憶する。反射光強度分布データの具体的な算出方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開2003−322513号公報に開示された方法を利用すればよい。具体的には、スリット光の拡散反射光をCCDカメラなどの二次元撮像手段で撮像し、図3に示すような2次元の光切断画像を得る。図3の二次元メッシュの左下隅の画素をX=X1、Y=Y1とし、幅方向にX軸、溶接線方向にY軸をとり、各画素の座標をX=Xi(i=1、2、・・・、m)、Y=Yj(j=1、2、・・、n)、画素の輝度をI(Xi,Yj)とし、画像X方向の各座標位置において、Y方向の輝度分布のうちの最大値(最大輝度)を算出すればよい。
前記画像合成回路8は、画像データ変換回路6が出力する、輝度データメモリ7Bに記憶されたスリット光10Sの輝度分布をそれぞれ連ねて、輝度分布画像を生成するものであり、メモリ等の記憶手段で構成することが出来る。
前記判定回路9は、画像合成回路8に蓄積された輝度分布画像データに基づき溶接点良否の判別を行うもので、例えば、図4に示すように、切削位置探索回路91、未切削部検出回路92、未切削部発生領域計数回路93、切削不良判別回路94から構成される。これらのいずれも、比較回路等の論理演算素子で構成してもよいし、それに相当するプログラム演算機能を備えた計算機により構成してもよい。
前記切削位置探索回路91は、輝度分布データの輝度変化に基づいてビード周縁部(ビード切削領域端部の周辺部)の領域範囲を算出する。溶接線方向に走査して測定する各測定位置の輝度分布データにおいて、中央部付近で輝度が減少している領域の境界部をビード切削部として算出するものであるが、適切な閾値設定と中央から左右方向への探索法などで算出する。
前記未切削部検出回路92は、前記ビード周辺部の領域範囲の中に、所定の輝度よりも低い輝度減少領域が複数発生しているか否か(あるいは、所定の輝度より高くなる領域が有るか否か)を検出する。正常であれば、輝度減少領域は1つであるが、複数有る場合には、未切削部の異常候補(所定の輝度より高い領域については、正常時は無いが、1つ以上存在する場合は異常)となる。検出方法は、所定輝度である閾値を交差するか否かや、その数をカウントする等で実現することが出来る。
前記未切削部発生領域計数回路93は、前記未切削部検出回路92の出力を溶接線に沿って計数し、連続したN回の測定で未切削が発生した場合にカウントを進めるもので、このNは、操業の知見や実績との突合せにより決定されるべきものであるが、後述する実施例ではN=3とした。
前記切削不良判別回路94は、前記未切削部発生領域計数回路92の出力が閾値Tを超えていれば不良信号を出力する。この閾値Tも、操業実績との突合せにより決定されるべきものであるが、後述する実施例ではT=1とした。
そして、表示装置3は、前記切削不良判別回路94の出力に従って画面や音等で作業員に注意を喚起するか、図示しない信号線を経由して外部の操業管理装置(ビジネスコンピュータ等)に不良情報を送信するものであり、公知の警報機、CRT装置、通信装置等で構成することが出来る。
以下に、本発明における判定回路9の動作を、図を用いて説明する。
測定ヘッド1が溶接部30Wのある箇所において検出した光切断画像を、画像処理回路7により処理した結果得られる輝度分布の一例は図5の通りである。図5において、横軸は溶接線に略直交する座標方向、縦軸は輝度の相対値であり、溶接線方向の任意の位置において測定した輝度分布である。図5の例においては、突合せる鋼帯の一方に意図的に波打ちを生じさせ部分的に突合せ不良が生成するようにして溶接し、盛り上り除去後に測定を行った。この際、波打ちによって、本測定例の測定面側では、板幅中央部付近に削り残し不良が発生した。その結果、図5の(ア)のように中央部付近での反射輝度が周辺の母材部とほぼ同程度に大きくなった。これは、本来切削されるべき部位に未切削領域が発生して、この領域の表面性状が鏡面状態でなく、拡散状態になっているためで、この反射光のうち、拡散反射成分を捉えているためである。
図5のような輝度信号は、測定ヘッド1が溶接線に沿って移動する各所において採取されて、各位置ごとに出力されるが、そのデータを画像合成回路8に入力すると、図6のような輝度分布画像が生成される。図6は、上から下に(或いは下から上に)順番に、図5の輝度分布を横方向1ラインに並べたものである。ここで、図6の明るい箇所は輝度が高く、暗い箇所は輝度が低いことを表している。なお、画像合成回路8で合成しなくとも、図5の輝度分布データが、測定ヘッド1が溶接線に沿って移動する各位置において採取する毎に出力され、判定回路9にデータを出力するようにしてもよい。
次に判定回路9の動作のうち、切削位置探索回路91の動作を図7(輝度分布データ)、図8(流れ図)に従って説明する。
まず、(1)図7に例示する輝度分布データの全体の輝度の平均値Mを算出する(図8のステップS1)。
そして、(2)輝度が(1)で求めた平均値Mを下回る画素範囲の重心位置(または、平均値を下回る画素の平均値)を算出し、その座標点をAとする(ステップS2)。このA点は、輝度変化探索の開始点であり、ここから図の左側方向、右側方向に座標を移動して変化点を探索するための点である。
そして、(3)輝度分布の(1)で求めた平均値Mより輝度が下回るうちでの最小輝度を求め、その輝度値をVとする(ステップS3)。
これに対して、(2)で求めたA点に対し、(4)左側の領域での最大輝度を求め、その輝度値をLとし(ステップS4)、(5)右側の領域での最大輝度を求め、その輝度値をRとする(ステップS5)。
この、V、L、Rを元に、左側の変化点を算出するための輝度閾値TL、右側の変化点を算出するための輝度閾値TRを求め、その値に基づいて変化点を決定する。
(6)例えばTL=(V+L)/2 とし、点Aから左側に移動して、各座標に対応する輝度値がTLを最後に超えた座標点を輝度変化点PLとする(ステップS6)。
(7)同様に、例えばTR=(V+R)/2 とし、点Aから右側に移動して、各座標に対応する輝度値がTRを最後に超えた座標点を輝度変化点PRとする。
そして、PLとPRの範囲をビード周辺部の領域範囲(切削範囲)と設定し、未切削部検出回路92において、この領域範囲に未切削部が有るか否かを検出することになる。
その後、未切削部検出回路92においては、切削位置探索回路91で設定した領域範囲の中に、未切削部検出用の閾値を超え、かつ、その閾値を超える領域(幅)が所定値以上となる箇所が有るか否かを検出する。具体的な検出方法としては、例えば、輝度分布における各アドレスの輝度が、未切削部検出用輝度閾値を超えているかかどうかを検出し、超えた場合にカウント値をインクリメント、超えない場合はカウント値を0(ゼロ)リセットする。そして、そのカウント値が所定値以上になった場合に、未切削部があると判定し、未切削部発生領域計数回路93に未切削部有り信号(例えば、値“1”)を出力する。また、未切削部があると判定されなかった場合は、未切削部無し信号(例えば、値“2”)を出力する。
そして、未切削部発生領域計数回路93では、未切削部検出回路92からの、未切削部有りの信号の入力をカウントアップして、第1のカウント値とする。なお、この第1のカウント値が所定値以上連続してインクリメントするか否かもチェック(上述の「連続したN回の測定」での、例えば、N=3がここでの所定値に該当)する。そして、第1のカウント値がインクリメントされて、所定値に一致した場合は、第2のカウント値をインクリメントする。逆に、所定値に達しない場合は、第1のカウント値を0(ゼロ)リセットする。また、第2のカウント値は、第1のカウント値がインクリメントされて、所定値に一致する、との条件に合致した場合にインクリメントするようにする。
このようにして、処理された例を以下に示す。ここにおいて未切削部検出回路92、および未切削部発生領域計数回路93が本測定例の測定位置毎に出力したデータの推移は、図9に示すように、輝度分布画像中の未切削部((イ)部)の生成・消滅に応じた出力となっている。この図9の測定例においては未切削部発生領域計数回路93の出力は2であり、溶接不良であると正しく判定された。
次に、比較のために熟練作業員が溶接良好と判定した第2のビード切削後の突合せ溶接部に対して本実施形態の装置を用いた測定を行った。この測定例による画像合成回路8が出力する輝度分布画像は図10のようであった。図10の測定例では未切削部発生領域計数回路93の出力が0であり、図10の突合せ溶接部は無害と正しく判定された。
なお、以上の説明においては板幅全体について未切削部の判定を行うようにしたが、圧延ラインの構成によって、溶接部の板幅両端を切り落とすノッチング作業を行う場合には、予め知れる板幅両端を検査対象から除外して良い。又、本検査装置の光源、カメラ等の機器は、光切断形状測定に基く測定と兼用することが可能であるので、本発明による検査と従来の切削段差形状による検査を併用すれば、一層信頼の高い検査が可能となる。
又、前記実施形態で説明した画像処理回路7以降の構成は、近年行われているコンピュータ応用装置に倣って、コンピュータプログラムにより実現しCPUやメモリ等で実装してもよい。光源10も、レーザに限定されない。
本発明の実施形態の構成の一例を示す、一部断面図を含むブロック図 同じく要部を抽出して示す斜視図 同じくカメラで撮像した光切断画像の例を示す図 同じく判定回路の詳細構成の一例を示す図 同じく突合せ部反りにより切削不良が発生した溶接部に対して、測定した輝度分布のデータの例を示す図 同じく溶接線方向に輝度分布データを蓄積した画像データの例を示す図 同じく切削位置探索回路の動作を説明する図 同じく切削位置探索回路の動作の処理手順を示す流れ図 本発明の測定例の動作を説明するグラフ 正常溶接部に対して、溶接線方向に輝度分布データを蓄積した画像データの例を示す図
符号の説明
1…測定ヘッド
2…画像処理装置
3…表示装置
4…光源電源
5…カメラ電源
6…画像データ変換回路
7…画像処理回路
8…画像合成回路
9…判定回路
10…レーザ光源
10S…スリット光
12…カメラ
30…被測定物
30W…突合せ溶接部

Claims (3)

  1. 突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する方法において、
    溶接線に対して略直交方向のスリット光を、溶接線方向に走査して照射し、
    前記スリット光の溶接部で反射した拡散反射光強度分布を、溶接線方向の複数位置で検出し、
    その複数位置で検出した拡散反射光強度分布に基づいて、溶接部の良否を判定することを特徴とする、突合せ溶接部の良否検査方法。
  2. 前記拡散反射光強度分布について、第1の所定強度以下となる位置で囲まれる範囲を設定し、
    その範囲内で、第2の所定強度以上、かつ、所定幅以上となる孤立領域の有無を検出する処理を、溶接線方向の複数位置について連続的に行い、
    前記孤立領域が所定数以上連続して有った場合に、溶接不良と判定することを特徴とする、請求項1に記載の突合せ溶接部の良否検査方法。
  3. 突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する突合せ溶接部の良否検査装置であって、
    溶接線に対して、略直交方向のスリット光を照射する光源と、
    該スリット光の、溶接線方向の複数位置における拡散反射光の強度分布を検出する受光手段と、
    該受光した拡散反射光の強度分布の各々について、第1の所定強度以下となる位置で囲まれる範囲を設定し、その範囲内で第2の所定強度以上、かつ、所定幅以上となる孤立領域の有無を検出する孤立領域検出手段と、
    該孤立領域検出手段で検出した孤立領域が所定数以上連続して有った場合に、溶接不良と判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする、突合せ溶接部の良否検査装置。
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