JP4998709B2 - 溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法 - Google Patents

溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否判定を行う溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法に関する。
先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを重ね合わせて溶接接続する鋼帯製造プロセスラインにおける溶接の良否を判定する方法については、これまでに数多くの特許出願がなされている。
例えば、特許文献1では、鋼材の抵抗溶接時における溶接電流や溶接電圧、溶接速度、電極輪の加圧力等の溶接機作動数値を出力させ、予め設定された基準値と比較解析することにより溶接機の設備異常を警報出力として検知する溶接機の診断方法が提案されている。
また、溶接温度実績に基づいて溶接の良否判定を行う方法などについて提案がなされている(例えば、引用文献2参照。)。
特開平6−339778号公報 特開2005−342788号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法は、溶接機の異常を速やかに検知するという観点からは有用な方法ではあるが、鋼帯の溶接性の良否を判定することについては考慮されていない。
また、上記特許文献2に記載の溶接温度実績に基づいて溶接の良否判定を行う方法は、溶接が行われた部分についての良否判定は可能であるが、仮に溶接温度や溶接電流値等が合格基準の範囲内であっても、溶接対象材に対して溶接幅が十分であるか否かについては判定することはできない。
そのため、上記方法では、例えば、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部との重ね合わせ不良、或いは、先行鋼帯の尾端部または後行鋼帯の先端部の形状不良等により、溶接重ね合わせ部に隙間が生じ、鋼帯の溶接部分の一部に非溶接部が生じたような場合においても、それを検知することはできない。溶接部分の一部に非溶接部が生じている鋼帯は、プロセスライン中において破断を起こす可能性があり、操業上重大な問題となり得る。
そこで、本発明は、溶接幅を含めて溶接の良否を判定し、溶接の合否を高精度に判定することでプロセスライン中における破断を防止することが可能な溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定装置であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段と、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段と、
前記温度状態判定手段及び前記溶接幅判定手段による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段と、を備え、
前記温度状態判定手段が、先行鋼帯の少なくとも鋼種及び板厚の組み合わせに対して溶接可能な後行鋼帯の鋼種及び板厚の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度とを記載した溶接部温度状態良否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の鋼種及び板厚、並びに、後行鋼帯の鋼種及び板厚から良否判定のための閾値温度を決定し、該決定された閾値温度に基づいて溶接部温度状態の良否判定を行い、
前記溶接幅判定手段が、先行鋼帯の少なくとも板幅に対して溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された適否判定のための閾値長さとを記載した溶接幅適否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅から適否判定のための閾値長さを決定し、該決定された閾値長さに基づいて溶接した溶接幅の適否判定を行うものであることを特徴とする溶接合否判定装置。
[2]先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定方法であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定ステップと、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定ステップと、
前記温度状態判定ステップ及び前記溶接幅判定ステップの判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定ステップと、を有し、
前記温度状態判定ステップが、先行鋼帯の少なくとも鋼種及び板厚の組み合わせに対して溶接可能な後行鋼帯の鋼種及び板厚の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度とを記載した溶接部温度状態良否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の鋼種及び板厚、並びに、後行鋼帯の鋼種及び板厚から良否判定のための閾値温度を決定し、該決定された閾値温度に基づいて溶接部温度状態の良否判定を行い、
前記溶接幅判定ステップが、先行鋼帯の少なくとも板幅に対して溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された適否判定のための閾値長さとを記載した溶接幅適否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅から適否判定のための閾値長さを決定し、該決定された閾値長さに基づいて溶接した溶接幅の適否判定を行うことを特徴とする溶接合否判定方法。
本発明によれば、溶接幅を含めて溶接の良否を判定し、溶接の合否を高精度に判定することでプロセスライン中における破断を防止することが可能な溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図1に、本発明に係る溶接合否判定装置の一実施形態のブロック図を示す。図1に示すように、本発明に係る溶接合否判定装置10は、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する装置であって、溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段1と、溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段2と、前記温度状態判定手段1及び前記溶接幅判定手段2による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段3とを有する。
ここで、前記温度状態判定手段1において温度状態判定ステップ(S1)が行われ、前記溶接幅判定手段2において溶接幅判定ステップ(S2)が行われ、前記判定手段3において判定ステップ(S3)が行われる。
以下、上記各ステップにおける処理の詳細を説明する。
[温度状態判定ステップ(S1)]
ここでは、溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する。
図1に、本温度状態判定ステップ(S1)における処理フローの一例を示す。図1に示すように、本温度状態判定ステップ(S1)は、溶接中における溶接部の温度の取り込みを行う温度取り込みステップ(S11)と、温度取り込みステップ(S11)で取り込んだ温度計測データを解析し、溶接部の温度状態の判定を行う温度解析ステップ(S12)とを有する。以下、それぞれのステップの詳細を説明する。
〔温度取り込みステップ(S11)〕
本ステップ(S11)では、溶接中における溶接部の温度を計測する温度計測手段4により計測された計測データを取り込み、記憶手段15、例えばハードディスク、メモリ等に格納する。前記温度計測手段4としては特に限定されないが、非接触の温度計測手段、例えば、放射温度計等を用いることができる。
前記温度計測手段4を、溶接機の電極等に取り付けることで、溶接中における溶接部の温度計測を行うことができる。ここで、前記温度計測手段4による温度の計測間隔としては、溶接中の温度状態を的確に把握できる間隔とする必要があり、通常10msec程度とすることが好ましい。
また、前記記憶手段15に格納する温度計測データは、溶接時の溶接電流または溶接部の温度が所定の閾値(設定値)以上となっている間のデータとすることが好ましい。鋼帯の溶接時の温度を正確に把握するためである。
〔温度解析ステップ(S12)〕
本ステップ(S12)では、上記ステップ(S11)で取り込んだ温度計測データを解析し、溶接部の温度状態の判定を行う。温度状態の判定は、例えば、溶接中の温度計測値、溶接中の温度の平均値、溶接中の温度の最大値と最小値の差である変動幅のいずれか、または、それらの2以上が所定の閾値範囲内であるか否か等で行うことができる。
例えば、前記溶接中の温度計測値に関しては溶接中の溶接部温度が所定の上限値及び下限値の範囲に入っているか、前記溶接中の温度の平均値に関しては溶接中の溶接部温度平均値が所定の範囲に入っているか、前記溶接中の温度の変動幅に関しては溶接中の溶接部温度変動幅が所定の範囲に入っているか、などで判定を行うことができる。
ここで、本ステップ(S12)において溶接部の温度状態の判定を行うに際しては、先行鋼帯の少なくとも鋼種及び板厚の組み合わせに対して溶接可能な後行鋼帯の鋼種及び板厚の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度とが記載された溶接部温度状態良否判定テーブル20に基づいて、先行鋼帯の鋼種及び板厚、並びに、後行鋼帯の鋼種及び板厚から良否判定のための閾値温度を決定し、この決定された閾値温度に基づいて溶接部温度状態の良否判定を行う。
本ステップ(S12)においては、予め、溶接部温度状態良否判定テーブル20を用いて、先行鋼帯と後行鋼帯の鋼種や板厚等の組み合わせで、溶接可能な組み合わせ毎に良否判定のための最適な閾値温度を決定しておくことで、先行鋼帯の鋼種や板厚等、並びに、後行鋼帯の鋼種や板厚等の溶接条件が決まれば、最適な良否判定の基準を即座に設定することができる。これにより、迅速且つ正確に溶接部の温度状態の良否が判定でき、より安定的にプロセスライン中における溶接部での破断を防止することが可能となる。
以下、上記溶接部温度状態良否判定テーブル20の具体例を説明する。なお、以下の説明においては、先行鋼帯及び後行鋼帯の鋼種及び板厚の溶接可能な組み合わせに対して、溶接部温度状態の良否判定のための閾値温度として、溶接中の溶接部温度の上限値及び下限値を設定する場合を示す。但し、本ステップ(S12)においてはこれに限定されるものではなく、溶接中の溶接部温度の上限値及び下限値の代わりに、溶接中の溶接部温度平均値の所定の範囲、溶接中の温度変動幅の所定の範囲のいずれか、または、これらの内の2以上の組み合わせにより、溶接部温度状態の良否判定を行うようにしてもよい。
ここでは、まず、先行鋼帯及び後行鋼帯を、その鋼種の規格に基づいて複数種類の規格グループに分類する。
図2に、先行鋼帯及び後行鋼帯を、その鋼種の規格に基づいて複数種類の規格グループに分類した場合の一例を示す。ここで、同一の規格グループは、溶接条件を同一とすることができる鋼種のグループを意味する。図2においては、A〜Iの規格の鋼種を、1〜5までの5種類の規格グループに分類した場合を示している。
また、板厚に関しても複数種類の板厚グループに分類してもよい。ここでは、所定の板厚間隔で分類分けを行う。例えば、0.4〜0.6mmをグループ1、0.6から0.8mmをグループ2、0.8から1.0mmをグループ3、...等とおくことができる。なお、グループ分けを行わずに板厚範囲をそのままの数値範囲で記載してもよい。
図3に、溶接部温度状態良否判定テーブル20のデータ構造の一例を示す。図3には、先行鋼帯の規格グループとその板厚グループ、及び、これらと溶接可能な後行鋼帯の規格グループとその板厚グループの組み合わせが記載され、さらには、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度である溶接中の溶接部温度の上限値及び下限値が記載されている。
図3には、データ構造の一部のみしか記載していないが、前記溶接部温度状態良否判定テーブル20には、先行鋼帯と、それに溶接可能な後行鋼帯の全ての組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された溶接中の溶接部温度の上限値及び下限値が閾値温度として記載されている。例えば、図3のNo.1に示す例においては、先行鋼帯の規格グループ1、板厚グループ1と、後行鋼帯の規格グループ1、板厚グループ1との組み合わせに対しては、良否判定のための閾値温度である溶接中の溶接部温度の上限値をT1[℃]、下限値をT2(<T1)[℃]と設定すれば良いことがわかる。このように、先行鋼帯の規格グループ及び板厚グループ、並びに、後行鋼帯の規格グループ及び板厚グループが決まれば、それらの番号に対応した閾値温度を、溶接部温度状態良否判定テーブル20から読み出すことで、最適な良否判定の基準を即座に設定することができる。
本ステップ(S12)での判定は、例えば、溶接中の温度計測値が上記により設定された所定の上限値及び下限値の範囲に入っている場合に、溶接部の温度状態は良好であったと判定し、「溶接部の温度状態良」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。反対に、溶接中の温度計測値が上記により設定された所定の上限値及び下限値のいずれかを外れた場合には、溶接部の温度状態は異常であったと判定し、「溶接部の温度状態異常」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。
ここで、上記良否判定のための閾値温度としては、溶接中の溶接部温度の上限値及び下限値、溶接中の溶接部温度平均値の所定の範囲、溶接中の温度変動幅の所定の範囲のいずれか、または、これらの内の2以上の組み合わせを用いることができる。なお、本ステップ(S12)は、コンピュータ等を用いて実施される。また、前記溶接部温度状態良否判定テーブル20は、溶接合否判定装置10内のハードディスクやメモリ内に格納してもよく、また、装置外のハードディスクやメモリ内に格納してもよい。
[溶接幅判定ステップ(S2)]
ここでは、溶接した溶接幅が適切か否かを判定する。
図1に、本溶接幅判定ステップ(S2)における処理フローの一例を示す。図1に示すように、本溶接幅判定ステップ(S2)は、溶接中の電極速度を計測する電極速度計測ステップ(S21)と、溶接中の通電時間を計測する通電時間計測ステップ(S22)と、前記電極速度計測ステップ(S21)で計測した溶接中の電極速度と、前記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間とから溶接幅を算出し、その溶接幅が適切か否かの判定を行う溶接幅算出ステップ(S23)とを有する。以下、それぞれのステップの詳細を説明する。
〔電極速度計測ステップ(S21)〕
本ステップ(S21)では、溶接中の電極速度を計測する。電極速度の計測は、例えば、溶接機に付属する電極速度計5の実測値を取り込み記憶手段16であるハードディスク、メモリ等に格納することで行うことができる。ここで、前記記憶手段に格納する電極速度の実測値データは、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間のデータとすることが好ましい。ここで、前記所定の閾値としては、溶接される鋼帯の鋼種や板厚等により予め定められた値を用いる。溶接中の電極速度を正確に把握するためである。また、前記電極速度計5による電極速度の計測間隔としては、溶接中の電極速度を的確に把握できる間隔とする必要があり、通常10msec程度とすることが好ましい。
〔通電時間計測ステップ(S22)〕
本ステップ(S22)では、溶接中の通電時間を計測する。通電時間の計測は、例えば、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間の時間をタイマー等でカウントすることで行うことができる。溶接電流が所定の閾値以上となっている間の時間をカウントすることで、実際に溶接されている時間を正確に把握できる。ここで、前記所定の閾値としては、上記ステップ(S21)同様に、溶接される鋼帯の鋼種や板厚等により予め定められた値を用いる。前記通電時間の計測値Tは記憶手段17であるハードディスク、メモリ等に格納される。
〔溶接幅算出ステップ(S23)〕
本ステップ(S23)では、上記電極速度計測ステップ(S21)で計測した溶接中の電極速度と、上記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間とから溶接幅を算出し、その溶接幅が適切か否かの判定を行う。
ここで、前記溶接幅を算出する際の電極速度の値としては、上記電極速度計測ステップ(S21)で記憶手段に格納された、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間の電極速度データの平均値VAVE を用いることが好ましい。
そして、前記溶接幅Wは、前記電極速度データの平均値VAVE と上記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間Tとを用いて下式(1)により算出する。
溶接幅W=電極速度データの平均値VAVE ×通電時間T ・・・(1)
次に、前記算出した溶接幅Wと、溶接幅の適否判定を行う際の基準となる閾値長さWとを比較して、溶接幅が適切か否かの適否判定を行う。
ここでは、例えば、下式(2)の関係を満たす場合に溶接幅は適切と判断し、満たさない場合には不適と判断することにより行うことができる。
W ≧W ・・・(2)
ここで、本ステップ(S23)において、例えば上式(2)により、溶接した溶接幅が適切か否かの適否判定を行うに際しては、先行鋼帯の少なくとも板幅に対して溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された適否判定のための基準となる閾値長さWとを記載した溶接幅適否判定テーブル30に基づいて、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅から適否判定のための閾値長さWを決定し、この決定された閾値長さWに基づいて行う。
本ステップ(S23)においては、予め、溶接幅適否判定テーブル30を用いて、先行鋼帯と後行鋼帯の板幅等の組み合わせで、溶接可能な組み合わせ毎に適否判定のための基準となる最適な閾値長さWを決定しておくことで、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅等の溶接条件が決まれば、最適な適否判定の基準を即座に設定することができる。これにより、迅速且つ正確に溶接部の溶接幅が適切か否かの判定でき、より安定的にプロセスライン中における溶接部での破断を防止することが可能となる。
以下、上記溶接幅適否判定テーブル30の具体例を説明する。
図4に、溶接幅適否判定テーブル30のデータ構造の一例を示す。図4には、先行鋼帯の板幅、及び、これらと溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせが記載され、さらには、それぞれの組み合わせ毎に設定された溶接幅の適否判定のための閾値長さWが記載されている。なお、図4は図3から連なるテーブルであり、図3のNo.と図4のNo.は一致しており、同一の先行鋼帯と後行鋼帯の組み合わせを示すものである。
図4には、データ構造の一部のみしか記載していないが、前記溶接幅適否判定テーブル30には、先行鋼帯の板幅と、それに溶接可能な後行鋼帯の板幅の全ての組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された溶接幅の適否判定のための閾値長さWが記載されている。例えば、図4のNo.1に示す例においては、先行鋼帯の板幅が600〜800mmの範囲内であり、後行鋼帯の板幅が600〜800mmの範囲内である鋼帯の組み合わせに対しては、溶接幅の適否判定のための閾値長さWを、WA1と設定すれば良いことがわかる。つまり、上式(1)により求めた溶接幅Wが、W ≧WA1であれば、この板幅どうしの組み合わせの溶接に関しては、溶接幅は適切であると判断される。
このように、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅が決まれば、それに対応した閾値長さWを、溶接幅適否判定テーブル30から読み出すことで、最適な良否判定の基準を即座に設定することができる。
上記の例は、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅に対応付けて溶接幅の適否判定のための閾値長さWを設定する場合について説明した。しかし、本ステップ(S23)においてはこの場合に限られず、溶接する鋼帯の鋼種や板厚、或いは、全体の操業状態等により閾値長さWの値を適宜補正するようにしてもよい。
また、前記閾値長さWの値の設定に際しては、経験的な値を用いてもよく、下記(イ)、(ロ)のような方法により設定するようにしてもよい。
(イ)W=α×W ・・・(3)
ここで、αは、0<α≦1の定数、Wは、目標溶接幅を表す。前記αの値は、溶接する鋼帯の鋼種、板幅、板厚、或いは、全体の操業状態等により適宜設定され得るものである。また、前記目標溶接幅Wは、溶接する先行鋼帯と後行鋼帯の板幅の短い方の板幅とする。なお、前記目標溶接幅Wの値は、例えば操業を管理している操業管理システム(プロコン6)等のデータを用いることができる。
(ロ)W=W−許容板幅差 ・・・(4)
ここで、Wは、前記目標溶接幅、「許容板幅差」は、目標溶接幅に対してどこまで短くても溶接強度上許容できるかの値であり、溶接する鋼帯の鋼種、板幅、板厚、或いは、全体の操業状態等により適宜設定され得るものである。
ここで、溶接幅は適切と判断された場合には、「溶接幅適切」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信し、溶接幅が不適と判断された場合には、「溶接幅不適」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。なお、本ステップ(S23)は、コンピュータ等を用いて実施される。また、前記溶接幅適否判定テーブル30は、溶接合否判定装置10内のハードディスクやメモリ内に格納してもよく、また、装置外のハードディスクやメモリ内に格納してもよい。
[判定ステップ(S3)]
本ステップ(S3)では、上記温度状態判定ステップ(S1)及び上記溶接幅判定ステップ(S2)の判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う。
前記溶接の合否判定は、例えば、上記温度状態判定ステップ(S1)から入力された信号が「溶接部の温度状態良」であり、且つ、上記溶接幅判定ステップ(S2)から入力された信号が「溶接幅適切」の場合に溶接合格の判定を行う。そして、それ以外の場合、つまり、上記温度状態判定ステップ(S1)から入力された信号が「溶接部の温度状態異常」の場合、もしくは、上記溶接幅判定ステップ(S2)から入力された信号が「溶接幅不適」の場合には溶接不合格の判定を行う。なお、本ステップ(S3)は、コンピュータ等を用いて実施される。
本ステップ(S3)で溶接不合格の判定がなされた場合には、例えば、本溶接合否判定装置10に設けられる警告灯の点灯、警報装置からの警報の出力、監視画面(モニター)上への警告メッセージの表示等を行うことでオペレータ等に知らせるようにしてもよい。
本発明においては、上述の構成とすることで、溶接幅を含めて溶接の良否が判定でき、溶接の合否を高精度に判定することが可能となる。これにより、プロセスライン中での破断等のトラブルを回避することが可能となり、操業の安定化を図ることが可能となる。
なお、上述の実施形態においては、温度状態判定ステップ(S1)において溶接部の温度状態の良否を判定し、溶接幅判定ステップ(S2)において溶接幅が適切か否かを判定し、それぞれの判定結果に基づいて判定ステップ(S3)において溶接の合否を判定している。しかし、温度状態判定ステップ(S1)では温度状態のみを計測し、溶接幅判定ステップ(S2)では溶接幅のみを算出し、判定ステップ(S3)において溶接部の温度状態の良否及び溶接幅が適切か否かの判定を含めて溶接の合否を判定するようにしてもよい。
さらに、本発明においては、温度状態判定ステップにおいて、溶接中における溶接部の温度を計測して溶接の良否を判断するようにしているが、溶接部の温度以外に、溶接電流や溶接電圧、溶接速度、電極輪の加圧力等の計測データに基づいて、溶接部の温度状況の良否を判断するようにしてもよい。この場合も、それぞれの計測値の平均値、最大値と最小値の差である変動幅等が所定の範囲内であるか否かで溶接部の温度状況の良否判定を行うことができる。これらの1つ以上の計測データを用いて溶接部の温度状況の良否判定を行うことで、より高精度に溶接の合否の判定が可能となる。
本発明に係る溶接合否判定装置の一実施形態のブロック図及び各ステップでの処理フローの一例を示す図である。 先行鋼帯及び後行鋼帯を、その鋼種の規格に基づいて複数種類の規格グループに分類した場合の一例を示す図である。 本発明に係る溶接部温度状態良否判定テーブル20のデータ構造の一例を示す図である。 本発明に係る溶接幅適否判定テーブル30のデータ構造の一例を示す図である。
符号の説明
1 温度状態判定手段
2 溶接幅判定手段
3 判定手段
4 温度計測手段
5 電極速度計
10 溶接合否判定装置
15,16,17 ハードディスク
20 溶接部温度状態良否判定テーブル
30 溶接幅適否判定テーブル

Claims (2)

  1. 先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定装置であって、
    溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段と、
    溶接した溶接幅を溶接中の電極速度と溶接中の通電時間とから算出し、該溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段と、
    前記温度状態判定手段及び前記溶接幅判定手段による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段と、を備え、
    前記温度状態判定手段が、先行鋼帯の少なくとも鋼種及び板厚の組み合わせに対して溶接可能な後行鋼帯の鋼種及び板厚の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度とを記載した溶接部温度状態良否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の鋼種及び板厚、並びに、後行鋼帯の鋼種及び板厚から良否判定のための閾値温度を決定し、該決定された閾値温度に基づいて溶接部温度状態の良否判定を行い、
    前記溶接幅判定手段が、先行鋼帯の少なくとも板幅に対して溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された適否判定のための閾値長さとを記載した溶接幅適否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅から適否判定のための閾値長さを決定し、該決定された閾値長さに基づいて溶接した溶接幅の適否判定を行うものであることを特徴とする溶接合否判定装置。
  2. 先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定方法であって、
    溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定ステップと、
    溶接した溶接幅を溶接中の電極速度と溶接中の通電時間とから算出し、該溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定ステップと、
    前記温度状態判定ステップ及び前記溶接幅判定ステップの判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定ステップと、を有し、
    前記温度状態判定ステップが、先行鋼帯の少なくとも鋼種及び板厚の組み合わせに対して溶接可能な後行鋼帯の鋼種及び板厚の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された良否判定のための閾値温度とを記載した溶接部温度状態良否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の鋼種及び板厚、並びに、後行鋼帯の鋼種及び板厚から良否判定のための閾値温度を決定し、該決定された閾値温度に基づいて溶接部温度状態の良否判定を行い、
    前記溶接幅判定ステップが、先行鋼帯の少なくとも板幅に対して溶接可能な後行鋼帯の板幅の組み合わせと、それぞれの組み合わせ毎に設定された適否判定のための閾値長さとを記載した溶接幅適否判定テーブルに基づいて、先行鋼帯の板幅及び後行鋼帯の板幅から適否判定のための閾値長さを決定し、該決定された閾値長さに基づいて溶接した溶接幅の適否判定を行うことを特徴とする溶接合否判定方法。
JP2007054334A 2007-03-05 2007-03-05 溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法 Expired - Fee Related JP4998709B2 (ja)

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