JP6790721B2 - 粘性流体の混練状態の解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粘性流体の混練状態を、コンピュータを用いて解析するための方法に関する。
下記特許文献1は、未加硫のエラストマーやゴム等の粘性を有する流体(以下、単に「粘性流体」ということがある。)の混練状態を、コンピュータを用いて解析するための方法を提案している。
下記特許文献1の解析方法では、先ず、コンピュータに、粘性材料を練るためのチャンバーに相当する混練空間を区画する筒状のケーシングモデルと、混練空間内で回転するロータモデルとを含む混練機モデルが入力される。次に、混練空間に、粘性流体をモデル化した粘性流体モデルが定義される。さらに、粘性流体モデルに仮想粒子が定義される。
次に、下記特許文献1の解析方法は、コンピュータが、ロータモデルが回転したときの粘性流体モデルの流動計算を行うとともに、仮想粒子の位置情報を追跡する。そして、仮想粒子の配置と、理想的な仮想粒子の配置との差(例えば、粒子間距離の確率分布の差)を比較することにより、粘性流体の混練状態が評価される。
特開2013−180494号公報
上記特許文献1の解析方法は、仮想粒子の配置及び理想的な仮想粒子の配置の差が、時々刻々と変化するため、優劣を決め難いという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、粘性流体モデルの混練状態を簡単に評価することができる粘性流体の混練状態の解析方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、粘性流体が充填されるチャンバーと、前記チャンバー内で回転しかつ前記粘性流体を前記チャンバー内で混練するロータとを含む混練機の内部での前記粘性流体の状態を、コンピュータを用いて解析するための方法であって、前記コンピュータに、前記チャンバーに相当する混練空間を区画する筒状のケーシングモデルと、前記混練空間内で回転するロータモデルとを含む混練機モデルを入力する工程、前記混練空間に、前記粘性流体をモデル化した粘性流体モデルを充填する工程、前記混練機モデルに、前記粘性流体が前記チャンバー内で循環流動する流動方向を定義する工程、前記混練空間内の複数の位置に、前記流動方向と交差する向きの前記粘性流体モデルの物理量を観測するための基準平面を定義する工程、及び前記コンピュータが、前記ロータモデルを回転させたときの前記各基準平面を通過する前記粘性流体モデルの流速を計算する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る前記粘性流体の混練状態の解析方法において、前記コンピュータが、全ての前記基準平面の前記流速を平均した平均流速を計算する工程と、前記平均流速に基づいて、前記粘性流体モデルの分配状態を評価する工程とをさらに含むのが望ましい。
本発明に係る前記粘性流体の混練状態の解析方法において、前記コンピュータが、前記粘性流体モデルの前記流速の変化量を計算する工程と、前記変化量に基づいて、前記粘性流体モデルの分配状態を評価する工程とをさらに含むのが望ましい。
本発明に係る前記粘性流体の混練状態の解析方法において、前記流動方向は、前記混練空間の平面視において、前記混練空間の重心の周りに沿って定義されるのが望ましい。
本発明に係る前記粘性流体の混練状態の解析方法において、前記流動方向は、前記ロータモデルの周方向に沿って定義されるのが望ましい。
本発明の粘性流体の混練状態の解析方法は、混練機モデルに、粘性流体がチャンバー内で循環流動する流動方向を定義する工程、混練空間内の複数の位置に、流動方向と交差する向きの前記粘性流体モデルの物理量を観測するための基準平面を定義する工程、及び、ロータモデルを回転させたときの各基準平面を通過する粘性流体モデルの流速を計算する工程を含んでいる。
粘性流体モデルの流速は、粘性流体モデルの分配状態に相関を有するパラメータであるので、この流速を調べることにより、粘性流体モデルの混練状態(分配状態)を簡単に評価することができる。
また、本発明の解析方法は、流動方向を任意に定義することができるため、理想的な又は目的とする流動方向を決定し、これに対して交差する基準平面において、理想的な流速が計算されるように、混練機を設計変更することができる。従って、本発明の解析方法は、粘性流体の分配状態が良好な混練機の設計に役立つ。
混練機の一例を示す部分断面図である。 本発明の粘性流体の混練状態の解析方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。 本発明の粘性流体の混練状態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 混練機モデルの一例を示す断面図である。 チャンバーモデルの斜視図である。 チャンバーモデルの断面図である。 チャンバーモデルを分解して示す断面図である。 チャンバーモデル内に粘性流体モデルと気相モデルとを混在して配置した状態を示す断面図である。 境界条件入力工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 ロータモデル及び混練空間の一例を示す平面図である。 本実施形態の基準平面の一例を示す斜視図である。 図11の平面図である。 本発明の他の実施形態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 全ての基準平面での平均流速と、時間との関係を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施形態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 全時間の平均流速と、流速の変化量との関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の他の実施形態の流動方向を示す部分側面図、(b)は、本発明の他の実施形態の基準平面を示す部分側面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態の粘性流体の混練状態の解析方法(以下、単に「解析方法」ということがある)は、混練機のチャンバー内で混練される粘性流体の混練状態(分配状態)を、コンピュータを用いて解析するための方法である。
ここで、「混練」とは、例えば、ゴム材料や樹脂材料の成形時の前処理として、原材料の薬品、粉体などと液状バインダを分散させながら互いに濡らし、それらを均質にする作用乃至操作として定義される。代表的な混練工程は、混練機(バンバリーミキサー)を用いて行われる。図1は、混練機の一例を示す部分断面図である。
混練機1は、混練空間であるチャンバー4を区画するケーシング2と、チャンバー4内で回転可能に配置されたロータ3とを含んで構成されている。ケーシング2は、筒状に形成されている。本実施形態では、一対のロータ3、3が含まれている。各ロータ3、3には、円筒状の基部3aと、基部3aからケーシング2の内周面2iに向かってのびる少なくとも一つの翼部3bとが設けられている。
ケーシング2とロータ3、3との間には、混練空間であるチャンバー4が区画される。本実施形態のチャンバー4は、断面横向きの略8の字状に形成されている。なお、チャンバー4は、このような形状に限定して解釈されるものではない。
粘性流体(図示省略)としては、安定的な流動状態とみなせるものであれば特に限定されない。本実施形態の粘性流体は、未加硫のエラストマーやゴム等の粘性を有する流動性材料である場合が例示される。流動状態としては、例えば、未加硫のゴムの場合、十分に練られて約80℃程度まで昇温した状態が相当する。
図2は、本発明の粘性流体の混練状態の解析方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。コンピュータ6は、本体6a、キーボード6b、マウス6c及びディスプレイ装置6dを含んでいる。本体6aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置6a1、6a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態の解析方法を実行するためのソフトウェア等が予め入力されている。図3は、本発明の粘性流体の混練状態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の解析方法では、先ず、コンピュータ6に、混練機モデル11が入力される(工程S1)。図4は、混練機モデル11の一例を示す断面図である。混練機モデル11は、チャンバー4(図1に示す)に相当する混練空間15を区画する筒状のケーシングモデル12と、混練空間15内で回転するロータモデル13とを含んでいる。本実施形態の混練機モデル11は、三次元モデルとして定義される。
本実施形態のケーシングモデル12は、ケーシング2(図1に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、ケーシング2の輪郭が、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)されることによって定義される。
要素F(i)としては、例えば、三次元のソリッド要素が採用されている。ソリッド要素は、精度がよく、接触面の設定が容易な6面体が好ましいが、複雑な形状を表現するのに適した4面体要素でもよい。なお、これらの要素以外にも、ソフトウェアで使用可能な三次元ソリッド要素でもよい。各要素F(i)には、要素番号、節点(図示省略)の番号、及び、節点の座標値等の数値データが定義される。また、本実施形態の各要素F(i)は、外力が作用しても変形不能な剛性に定義される。
ロータモデル13は、各ロータ3、3(図1に示す)の設計データ(例えば、CADデータ等)に基づいて、基部3a及び翼部3bの輪郭が、有限個の要素G(i)でモデル化(離散化)されることによって定義される。一対のロータモデル13、13は、基部モデル13a及び翼部モデル13bをそれぞれ含んでいる。要素G(i)は、要素F(i)と同様に、変形不能な剛性が定義される。各ロータモデル13、13は、ケーシングモデル12内に配置される。また、ロータモデル13、13は、その中心13e、13fの周りで回転可能に定義される。
次に、本実施形態の解析方法は、コンピュータ6に、チャンバー4を有限個の要素H(i)でモデル化したチャンバーモデル14が入力される(工程S2)。図5は、チャンバーモデル14の斜視図である。図6は、チャンバーモデル14の断面図である。図7は、チャンバーモデル14を分解して示す断面図である。
本実施形態の工程S2では、従来の方法と同様に、図1に示したケーシング2及びロータ3、3の設計データ(例えば、輪郭等)に基づいて、ケーシング2の内周面2iと、ケーシング2の幅方向の両端を閉じる両端面(図示省略)と、一対のロータ3、3の外周面3oとで閉じられた三次元空間(輪郭)が、図6及び図7に示した有限個の要素H(i)でモデル化(離散化)される。これにより、ケーシングモデル12(図4に示す)内に配されるチャンバーモデル14が入力される。
チャンバーモデル14は、図1に示したケーシング2の内周面2iによって規定される外周面14oと、図1に示したケーシング2の両端面によって規定される両端面14t(図5に示す)と、図1に示した一対のロータ3、3の外周面3oで規定される内周面14iとを有している。
要素H(i)は、例えば、オイラー要素が採用されている。従って、要素H(i)は、ラグランジェ要素とは異なり、そのメッシュが変形することはない。また、要素分割(離散化)は、四面体、六面体などの他、多面体セル(ポリヘドラルグリッド)といった三次元要素で行われる。そして、各要素H(i)には、後述する粘性流体モデル16又は気相モデル17について、圧力、温度及び/又は速度等の物理量が計算される。
本実施形態のチャンバーモデル14は、図7に分離させて示されるように、一対の回転可能な回転部14A、14Bと、一対の回転部14A、14B間を継ぎ、かつ、これらが収容される外枠部14Cとの3つの部分に分けて構成される。
回転部14A、14Bは、各々、円形の外周面14Ao、14Boと、ロータモデル13、13の外周面13o(図4に示す)に等しい内周面14iを有する筒状に設定されている。回転部14A、14Bは、各々、外枠部14Cの内部に填め込まれる。また、回転部14A、14Bは、ロータモデル13、13(図4に示す)とともに、中心13e、13fの周りで回転可能に定義される。
外枠部14Cは、回転部14A、14Bを囲む筒状をなし、その軸方向両端は、前記両端面14t(図5に示す)によって閉じられている。外枠部14Cは、各回転部14A、14Bと接触する凹円弧面14Coを有している。外枠部14Cの凹円弧面14Coと回転部14A、14Bの外周面14Ao、14Boとは、スライディングサーフェース等の境界条件が定義される。
次に、本実施形態の解析方法は、混練空間15に、粘性流体(図示省略)をモデル化した粘性流体モデル16が充填される(工程S3)。図8は、チャンバーモデル14内に粘性流体モデル16と気相モデル17とを混在して配置した状態を示す断面図である。図8では、粘性流体モデル16を着色して表示している。また、図8では、ケーシングモデル12及びロータモデル13、13を簡略化して表示している。
本実施形態の粘性流体モデル16は、図6に示されるように、オイラー要素が採用されたチャンバーモデル14の有限個の要素H(i)で定義される。チャンバーモデル14の要素H(i)には、粘性流体の物性(例えば、せん断粘度、比熱、熱伝導率及び比重等)が定義される。これにより、粘性流体モデル16がモデル化され、図8に示されるように、ケーシングモデル12内に配される(定義される)。
せん断粘度は、例えば、解析対象となる粘性流体から粘弾性特性(G'及びG”)が複数の温度条件で測定され、Cox-Merz則などを用いてせん断粘度に変換することで得られる。このようにして得られたせん断粘度ηは、例えば下記式(1)のべき乗法則で近似される。
η=mγ'n-1 …(1)
ここで、mは係数、γ'はせん断速度、nは係数である。
比熱は、解析対象の粘性流体(図示省略)から、例えば断熱型連続法(@25℃)にて測定される。さらに、熱伝導率は、解析対象の粘性流体から、例えば熱線法(@25℃)にて測定される。これらの比熱及び熱伝導率は、コンピュータ6に入力される。
次に、本実施形態の解析方法では、混練空間15に、図1に示したチャンバー4内に存在する空気を、有限個の要素でモデル化した気相モデル17を入力する(工程S4)。本実施形態の気相モデル17は、粘性流体モデル16と同様に、図6に示されるように、オイラー要素が採用されたチャンバーモデル14の有限個の要素H(i)によって定義される。チャンバーモデル14の要素H(i)には、空気の粘度、及び、比重といった物性が定義される。これにより、気相モデル17がモデル化され、図8に示されるように、ケーシングモデル12内に配される(定義される)。また、チャンバーモデル14には、後述の境界条件入力工程S5において、気相モデル17の充填率が設定される。
次に、本実施形態の解析方法では、コンピュータ6に、粘性流体モデル16の流動計算に必要な境界条件を入力する(境界条件入力工程S5)。図9は、境界条件入力工程S5の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の境界条件入力工程S5では、先ず、温度境界条件が設定される(工程S51)。温度境界条件としては、例えば、断熱条件(温度の計算を単純化するため、チャンバーモデル14の表面において、熱が外に逃げない条件)、又は、全てのチャンバーモデル14の表面温度が温調温度(例えば50℃)に設定される条件のいずれかが採用される。温度境界条件は、コンピュータ6に記憶される。
次に、本実施形態の境界条件入力工程S5では、流速境界条件を設定する(工程S52)。流速境界条件としては、従来の方法と同様に、シミュレーションの用途や精度等に応じて、壁面ノースリップ条件、又は、壁面スリップ条件のいずれかが採用される。本実施形態では、壁面スリップ条件が採用される。
次に、本実施形態の境界条件入力工程S5では、流動計算の初期条件を設定する(工程S53)。初期条件には、従来の方法と同様に、図8に示した粘性流体モデル16の初期温度、図4に示したロータモデル13、13の回転数(チャンバーモデル14の回転部14A、14Bの回転数)、チャンバーモデル14の外周面14oのスリップ率、チャンバーモデル14の容積に対する粘性流体モデル16及び気相モデル17の充填率が含まれる。
さらに、初期条件には、流動計算の初期状態、タイムステップ、内部処理でのイタレーションの反復回数、及び、ロータモデル13、13の回転数(又は、計算終了時刻)が含まれる。流動計算の初期状態は、例えば、図8に示されるように、粘性流体モデル16及び気相モデル17の充填率に基づいて、チャンバーモデル14を横切る水平な境界面Sを基準として、それよりも上部を気相モデル17の領域T1とし、それよりも下部を粘性流体モデル16の領域T2として混在配置される。
次に、本実施形態の解析方法は、混練機モデル11に、粘性流体(図示省略)がチャンバー4内で循環流動する流動方向が定義される(工程S6)。流動方向については、任意に決定することができる。図10は、ロータモデル13、13及び混練空間15の一例を示す平面図である。
本実施形態の流動方向Dfは、混練空間15の平面視において、混練空間15の重心15gの周りに沿って定義される。この流動方向Dfは、ロータ3の翼部3b(ロータモデル13の翼部モデル13b)の形状、及び、ロータ3(ロータモデル13)の回転方向に基づいて、粘性流体(図示省略)の循環流動を予測したものである。即ち、翼部3bは、流動方向Dfに粘性流体を循環させるように設計されたものである。従って、粘性流体の分配状態の評価は、粘性流体が流動方向Dfに効率よく流れているか否かを判断することが重要である。本実施形態の解析方法では、この流動方向Dfに基づいて、粘性流体の分配状態を解析(評価)している。流動方向Dfは、コンピュータ6に記憶される。
次に、本実施形態の解析方法は、混練空間15内の複数の位置に、基準平面18が定義される(工程S7)。基準平面18は、粘性流体モデル16の物理量を観測するためのものであり、流動方向Dfと交差する向きに定義されている。図11は、本実施形態の基準平面18の一例を示す斜視図である。図12は、図11の平面図である。
基準平面18は、平面要素Jによって定義されている。平面要素Jは、厚さが設定されない単一平面に設定されている。平面要素Jは、チャンバーモデル14(図8に示した粘性流体モデル16及び気相モデル17を含む)、及び、ロータモデル13、13との接触条件が設定されていない。このため、基準平面18は、チャンバーモデル14、及び、ロータモデル13、13を透過させることができる。本実施形態の解析方法では、基準平面18を通過した粘性流体モデル16の各要素H(i)(図7に示す)の流速を計算している。
本実施形態の基準平面18は、第1基準平面18A、第2基準平面18B、第3基準平面18C、及び、第4基準平面18Dを含んで構成されている。なお、基準平面18A〜18Dは、流動方向Df(図12に示す)に交差する向きに定義されていれば、このような態様に限定されない。
第1基準平面18A及び第2基準平面18Bは、混練空間15の重心15gを通り、かつ、一対のロータモデル13、13の間を垂直にのびている。第1基準平面18A及び第2基準平面18Bは、チャンバーモデル14の外周面14o、及び、両端面14tに亘って定義されている。第1基準平面18Aは、混練空間15の重心15gからロータモデル13の軸方向の一方側に配置されている。第2基準平面18Bは、混練空間15の重心15gからロータモデル13の軸方向の他方側に配置されている。
第3基準平面18C及び第4基準平面18Dは、混練空間15の重心15gを通り、かつ、第1基準平面18A及び第2基準平面18Bと直交している。第3基準平面18C及び第4基準平面18Dは、チャンバーモデル14の外周面14o、両端面14t、及び、内周面14iに亘って定義されている。第3基準平面18Cは、混練空間15の重心15gから一方のロータモデル13側に配置されている。第4基準平面18Dは、混練空間15の重心15gから他方のロータモデル13側に配置されている。
このように、基準平面18A〜18Dは、流動方向Df(図12に示す)において、等間隔(角度90度毎)に配置されうる。基準平面18A〜18Dは、コンピュータ6に記憶される。
次に、本実施形態の解析方法は、コンピュータ6が、ロータモデル13、13を回転させたときの各基準平面18A〜18Dを通過する粘性流体モデル16の流速を計算する(工程S8)。工程S8では、先ず、ロータモデル13、13を回転させたときの粘性流体モデル16の流動計算が行われる。
流動計算には、例えば、汎用の流体解析ソフトウェアが用いられる。流動計算では、粘性流体モデル16の運動状態を特定する3方向(X,Y,Z)の速度成分、粘性流体モデル16の内部状態を特定する未知量である圧力p及び温度Tが計算される。これらの物理量は、一対のロータモデル13、13の回転開始から予め定められた時間まで継続して計算される。また、本実施形態では、非圧縮性流れの場合のナビエストークス方程式とし、気相モデル及び材料モデルの各密度は、一定として取り扱われる。
本実施形態の流動計算において、粘性流体モデル16は、全温度領域で流体として扱われる。このため、流体の方程式(ナビエストークス方程式、質量保存式、エネルギー方程式の連立)を解くことになる。
本実施形態の流動計算では、図8に示されるように、粘性流体モデル16と気相モデル17とが混在するため、2つの流体を一度に扱う必要がある。本実施形態では、自由界面の流れの計算で用いられるVOF(Volume of Fluid)法が用いられる。VOF法では、2つの流体の界面の移動を直接計算するのではなく、粘性流体モデル16の充填率である体積分率を定義して、自由界面が表現される。なお、支配方程式、及び、流動計算の処理手順については、例えば、特許文献(特開2013−256026号公報)に記載されるとおりである。
そして、工程S8では、各基準平面18A〜18D(図11及び図12に示す)を通過する粘性流体モデル16の流速が、単位時間Tx毎に計算される。本実施形態では、各基準平面18A〜18Dにおいて、基準平面18A〜18Dと交差する粘性流体モデル16の要素H(i)(図7に示す)を特定する。次に、各基準平面18A〜18Dにおいて、基準平面18と交差する各要素H(i)の流速が、単位時間毎に計算される。
本実施形態において、流動方向(即ち、矢印)Dfに沿って通過する要素H(i)の流速は、正の流速として計算される。他方、流動方向Dfとは逆方向に通過する要素H(i)の流速は、負の流速として計算される。各要素H(i)の流速は、コンピュータ6に記憶される。
粘性流体モデル16の流速が大きいほど、流動方向Dfにおいて、チャンバー4内の広い範囲に、粘性流体(図示省略)を短時間で行き渡らせることができる。従って、粘性流体モデル16の流速は、粘性流体モデル16の分配状態に相関を有するパラメータとして扱うことができる。このような流速を調べることにより、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)を簡単に評価することができる。
次に、本実施形態の解析方法は、コンピュータ6が、ロータモデル13、13の回転が終了したか否かを判断する(工程S9)。工程S9では、ロータモデル13、13が、予め定められた回転数まで回転したか否かが判断される。回転数については、例えば、混練機1(図1に示す)の構造や、粘性流体(図示省略)の配合等に基づいて、適宜設定することができる。
工程S9において、ロータモデル13、13の回転が終了したと判断された場合(工程S9で、「Y」)、次の工程S10が実施される。他方、ロータモデル13、13の回転が終了していないと判断された場合(工程S9で、「N」)、単位時間Txを一つ進めて(工程S11)、工程S8及び工程S9が再度実施される。
このように、本実施形態の解析方法は、ロータモデル13、13の回転開始から回転終了までの間、各基準平面18A〜18Dを通過する各要素H(i)の流速を、単位時間Tx毎に計算することができる。
次に、本実施形態の解析方法は、粘性流体モデル16の流速に基づいて、粘性流体モデル16の分配状態が評価される(工程S10)。上述したように、粘性流体モデル16の流速は、粘性流体モデル16の分配状態に相関を有するパラメータである。従って、本実施形態の解析方法では、各基準平面18A〜18D(図11及び図12に示す)を通過する粘性流体モデル16の流速を調べることにより、流動方向Dfに循環流動する粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)を簡単に評価することができる。
本実施形態の工程S10では、基準平面18(図11及び図12に示す)を通過した任意の要素H(i)(図7に示す)の流速に基づいて、粘性流体モデル16の分配状態が評価されてもよいし、基準平面18を通過した全ての要素H(i)の流速に基づいて、粘性流体モデル16の分配状態が評価されてもよい。任意の要素H(i)の流速に基づいて評価する場合は、例えば、回転しているロータモデル13、13の予め定められたタイミング(例えば、図12において、翼部モデル13bの凸部先端が重心15gと正反対を向いているタイミング等)で、基準平面18を通過する要素H(i)の流速に基づいて評価されるのが望ましい。これにより、時々刻々と変化する各要素H(i)の流速を、適切に評価することができる。
工程S10では、粘性流体モデル16の各要素H(i)の流速が、予め定められた目標値以上である場合に、流動方向Dfにおいて、粘性流体モデル16の分配状態が良好であると判断される。流速の目標値については、混練機1(図1に示す)に求められる粘性流体(図示省略)の分配性能に基づいて、適宜設定される。他方、粘性流体モデル16の各要素H(i)の流速が目標値未満である場合に、流動方向Dfにおいて、粘性流体モデル16の分配状態が良好ではないと判断される。
工程S10において、粘性流体モデル16の分配状態が良好であると判断された場合(工程S10で、「Y」)、混練機モデル11(図4に示す)は、粘性流体モデル16を流動方向Dfに効果的に循環流動させることができている。従って、混練機モデル11に基づいて、混練機1が製造される(工程S12)。他方、粘性流体モデル16の分配状態が良好でないと判断された場合(工程S10で、「N」)、混練機1の設計因子を変更して(工程S13)、工程S1〜工程S10が再度実施される。これにより、粘性流体(図示省略)の分配状態が良好な混練機1を設計することができる。
本実施形態では、各基準平面18A〜18Dを通過する粘性流体モデル16の要素H(i)の流速に基づいて、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)が評価されたが、このような態様に限定されない。例えば、各基準平面18A〜18Dを通過する粘性流体モデル16の要素H(i)の流速の平均値(以下、単に、「平均流速」ということがある。)に基づいて、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)が評価されてもよい。 図13は、本発明の他の実施形態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の解析方法は、粘性流体モデル16の分配状態を評価する工程S10に先立ち、コンピュータ6が、粘性流体モデル16の平均流速を計算する(工程S14)。
平均流速としては、例えば、各基準平面18A〜18D(図11及び図12に示す)において、図7に示した要素H(i)の流速を平均したものを採用することができる。例えば、第1基準平面18Aの平均流速Vaは、下記式(2)のように、第1基準平面18Aを通過する要素H(i)の流速V(i)(流速の正負を考慮する)と要素H(i)の第1基準平面18Aへの投影面積S(i)との積の合計値を、第1基準平面18Aの面積(投影面積S(i)の合計値)で除することによって求められる。これにより、要素H(i)の大きさがそれぞれ異なる場合であっても、要素H(i)の大きさに依存することなく、平均流速を適切に求めることができる。第2基準平面18B〜第4基準平面18Dの平均流速は、第1基準平面18Aと同様の手順で求めることができる。
Va=Σ(V(i)×S(i))/ΣS(i) …(2)
これらの各基準平面18A〜18D(図11及び図12に示す)の平均流速は、単位時間Tx毎に求められてもよいし、ロータモデル13、13(図4に示す)の回転開始から回転終了までの全時間で平均されてもよい。
このような平均流速は、要素H(i)毎に異なる流速を均すことができるため、粘性流体モデル16の分配状態を簡単に評価することができる。また、各基準平面18の平均流速は、粘性流体モデル16の分配状態を評価する工程S10において、各基準平面18での粘性流体モデル16の流速を比較するのに役立つ。
実際の混練機1において、粘性流体(図示省略)の平均流速が大きいほど、チャンバー4内に粘性流体を早期に行き渡らせることができる。従って、この実施形態の工程S10では、粘性流体モデル16の平均流速が、予め定められた目標値以上である場合に、粘性流体モデル16の分配状態が良好であると判断される。なお、粘性流体モデル16の平均流速の目標値については、混練機1(図1に示す)に求められる粘性流体の分配性能に基づいて、適宜設定される。他方、粘性流体モデル16の平均流速が目標値未満である場合に、粘性流体モデル16の分配状態が良好ではないと判断される。
また、他の実施形態の平均流速としては、例えば、各基準平面18A〜18D(図11及び図12に示す)において、全ての基準平面18A〜18Dの要素H(i)の流速を平均したものを採用することができる。全ての基準平面での平均流速は、各基準平面18A〜18Dの平均流速の合計値を、全ての基準平面18A〜18Dの個数で除することによって求められる。なお、全ての基準平面での平均流速は、単位時間Tx毎に求められてもよいし、ロータモデル13、13(図4に示す)の回転開始から回転終了までの全時間で平均されてもよい。このような全ての基準平面での平均流速は、各基準平面18でバラツキやすい平均流速を均すことができるため、粘性流体モデル16の分配状態を評価する工程S10において、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)を、より簡単に評価することができる。
図14は、全ての基準平面での平均流速と、時間との関係を示すグラフである。このグラフでは、互いに形状が異なる第1ロータモデルA及び第2ロータモデルBの平均流速が、単位時間Tx毎に求められている。このグラフにおいて、全ての基準平面での平均流速は、時々刻々と変化する。従って、例えば、第1ロータモデルA及び第2ロータモデルBの分配性能の優劣を評価することが難しい。
このため、全ての基準平面での平均流速は、全時間で平均されるのが望ましい(以下、このような平均流速を、「全時間の平均流速」ということがある。)。このような全時間の平均流速は、時々刻々と変化する全て基準平面の平均流速を、一つの値に均すことができるため、粘性流体モデル16の分配状態を評価する工程S10において、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)を、さらに簡単に評価することができる。これらの平均流速は、コンピュータ6に記憶される。
この実施形態では、粘性流体モデル16の平均流速に基づいて、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)が評価されたが、このような態様に限定されない。発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、粘性流体(図示省略)の平均流速が大きくても、実際の混練機1において、例えば、チャンバー4(図1に示す)の平面視での四隅側や、ロータ3、3の翼部3b(図1に示す)の裏側などで、粘性流体の動き(流れ)が鈍くなる場合があり、粘性流体を十分に分配できない場合があることを知見した。さらに、発明者らは、流速の変化が大きいほど、粘性流体の流れの変化が大きくなるため、チャンバー4の四隅側や、ロータ3、3の翼部3bの裏側などで動き(流れ)が鈍くなっている粘性流体を効果的に動かすことができ、粘性流体を効果的に分配できることを知見した。
このような知見に基づいて、この実施形態では、粘性流体モデル16の平均流速(この実施形態では、全時間の平均流速)と、粘性流体モデル16の流速の変化量に基づいて、粘性流体モデルの混練状態(分配状態)を評価している。図15は、本発明のさらに他の実施形態の解析方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の解析方法は、粘性流体モデル16の分配状態を評価する工程S10に先立ち、コンピュータ6が、粘性流体モデル16の変化量を計算する(工程S15)。この実施形態の流速の変化量は、単位時間Tx毎に求められた全ての基準平面での平均流速(図14に示す)の偏差である。
この実施形態の分配状態を評価する工程S10では、粘性流体モデル16の平均流速(この実施形態では、全時間の平均流速)、及び、流速の変化量がそれぞれ目標値以上である場合に、粘性流体モデル16の分配状態が良好であると判断される。他方、粘性流体モデル16の平均流速、及び、流速の変化量の少なくとも一方が目標値未満である場合に、粘性流体モデル16の分配状態が良好ではないと判断される。流速の変化量の目標値については、混練機1(図1に示す)に求められる粘性流体(図示省略)の分配性能に基づいて、適宜設定される。
図16は、全時間の平均流速と、流速の変化量との関係を示すグラフである。この実施形態では、平均流速だけでなく、流速の変化量に基づいて、粘性流体モデル16の分配状態が評価される。従って、この実施形態では、粘性流体モデル16の分配状態を、精度良く評価することができる。
流速の変化量は、単位時間Tx毎に求められた全ての基準平面での平均流速の偏差である場合が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、単位時間Tx毎に求められた全ての基準平面での平均流速(図14に示す)の最大値と最小値との差であってもよい。
これまでの実施形態の流動方向Dfは、図10に示されるように、混練空間15の平面視において、混練空間15の重心15gの周り(図10において、時計回り)に沿って定義されたが、このような態様に限定されない。流動方向Dfは、例えば、図10において反時計回りに定義されても良い。
図17(a)は、本発明の他の実施形態の流動方向Dfを示す部分側面図である。図17(b)は、本発明の他の実施形態の基準平面18を示す部分側面図である。流動方向Dfは、ロータモデル13の周方向に沿って定義されてもよい。なお、流動方向Dfがロータの周方向に沿って定義される場合、ロータモデル13の回転軸13cから半径方向外側へ放射状にのびる基準平面18が定義されるのが望ましい。このような基準平面18は、流動方向Dfと交差するため、粘性流体モデル16の流速を計算して、粘性流体モデル16の混練状態(分配状態)を簡単に評価することができる。
このように、本発明の解析方法は、流動方向Dfを任意に定義することができるため、例えば、理想的な又は目的とする流動方向Dfを決定することができる。この流動方向Dfに対して交差する基準平面18において、理想的な流速が計算されるように、混練機を設計変更することができる。従って、本発明の解析方法は、粘性流体(図示省略)の分配状態が良好な混練機1の設計(改良)に役立つ。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図3に示した処理手順に従って、ケーシングモデルとロータモデルとを含む混練機モデルがコンピュータに入力され、混練空間に粘性流体モデルが充填された(実施例1、実施例2)。実施例1及び実施例2は、図12に示されるように、混練空間の平面視において、前記混練空間の重心の周りに沿って流動方向が定義され、混練空間内の複数の位置に、流動方向と交差する基準平面が定義された。実施例1及び実施例2は、ロータモデルを回転させたときの各基準平面を通過する粘性流体モデルの流速が計算された。
実施例1では、全ての基準平面の流速を平均した平均流速が単位時間毎に計算され、図14に示した全ての基準平面での平均流速と、時間との関係を示すグラフが求められた。そして、実施例1では、単位時間毎に計算された平均流速に基づいて、粘性流体モデルの混練状態(分配状態)が評価された。
実施例2では、全ての基準平面での平均流速(図14に示す)を全時間で平均した全時間の平均流速と、流速の変化量(平均流速の偏差)とが計算され、図16に示した全時間の平均流速と、流速の変化量との関係を示すグラフが求められた。そして、実施例2では、全時間の平均流速と、流速の変化量とに基づいて、粘性流体モデルの混練状態(分配状態)が評価された。
比較のために、上記特許文献1の解析方法に基づいて、コンピュータが、ロータモデルが回転したときの粘性流体モデルの流動計算を行うとともに、仮想粒子の位置情報を追跡した(比較例)。そして、比較例では、仮想粒子の配置と、理想的な仮想粒子の配置との差(粒子間距離の確率分布の差)が比較され、粘性流体の混練状態(分配状態)が評価された。共通仕様は、次のとおりである。
ロータモデルの回転数:30rpm
単位時間(タイムステップ): 1.973×10−3
粘性流体モデルの充填率:70%
混練時間:20秒
実施例1及び実施例2は、粘性流体モデルの流速を調べるだけで、粘性流体モデルの混練状態(分配状態)を評価できるため、仮想粒子の配置及び理想的な仮想粒子の配置の差を比較する比較例に比べて、粘性流体モデルの混練状態を簡単に評価することができた。
実施例2は、時々刻々と変化する全て基準平面の平均流速を、一つの値に均すことができるため、実施例1に比べて、粘性流体モデルの分配状態を簡単に評価することができた。さらに、実施例2は、全時間の平均流速と、流速の変化量とに基づいて、粘性流体モデルの分配状態が評価されるため、チャンバーの四隅や、ロータの翼部の裏側などで、粘性流体の動き(流れ)が鈍くなる場合についても、簡単に評価することができた。
S6 流動方向を定義する工程
S7 基準平面を定義する工程
S8 粘性流体モデルの流速を計算する工程

Claims (4)

  1. 粘性流体が充填されるチャンバーと、前記チャンバー内で回転しかつ前記粘性流体を前記チャンバー内で混練するロータとを含む混練機の内部での前記粘性流体の状態を、コンピュータを用いて解析するための方法であって、
    前記コンピュータに、前記チャンバーに相当する混練空間を区画する筒状のケーシングモデルと、前記混練空間内で回転するロータモデルとを含む混練機モデルを入力する工程、
    前記混練空間に、前記粘性流体をモデル化した粘性流体モデルを充填する工程、
    前記混練空間に、前記チャンバー内に存在する空気をモデル化した気相モデルを入力する工程、
    前記混練機モデルに、前記粘性流体が前記チャンバー内で循環流動する流動方向を定義する工程、
    前記混練空間内の複数の位置に、前記流動方向と交差する向きの前記粘性流体モデルの物理量を観測するための基準平面を定義する工程
    前記コンピュータが、前記ロータモデルを回転させたときの前記各基準平面を通過する前記粘性流体モデルの流速を計算する工程
    前記コンピュータが、全ての前記基準平面の前記流速を平均した平均流速を計算する工程、及び
    前記平均流速に基づいて、前記粘性流体モデルの分配状態を評価する工程を含む粘性流体の混練状態の解析方法。
  2. 前記コンピュータが、前記粘性流体モデルの前記流速の変化量を計算する工程と、
    前記変化量に基づいて、前記粘性流体モデルの分配状態を評価する工程とをさらに含む請求項1に記載の粘性流体の混練状態の解析方法。
  3. 粘性流体が充填されるチャンバーと、前記チャンバー内で回転しかつ前記粘性流体を前記チャンバー内で混練するロータとを含む混練機の内部での前記粘性流体の状態を、コンピュータを用いて解析するための方法であって、
    前記コンピュータに、前記チャンバーに相当する混練空間を区画する筒状のケーシングモデルと、前記混練空間内で回転するロータモデルとを含む混練機モデルを入力する工程、
    前記混練空間に、前記粘性流体をモデル化した粘性流体モデルを充填する工程、
    前記混練空間に、前記チャンバー内に存在する空気をモデル化した気相モデルを入力する工程、
    前記混練機モデルに、前記粘性流体が前記チャンバー内で循環流動する流動方向を定義する工程、
    前記混練空間内の複数の位置に、前記流動方向と交差する向きの前記粘性流体モデルの物理量を観測するための基準平面を定義する工程、及び
    前記コンピュータが、前記ロータモデルを回転させたときの前記各基準平面を通過する前記粘性流体モデルの流速を計算する工程を含み、
    前記流動方向は、前記混練空間の平面視において、前記混練空間の重心の周りに沿って定義される粘性流体の混練状態の解析方法。
  4. 粘性流体が充填されるチャンバーと、前記チャンバー内で回転しかつ前記粘性流体を前記チャンバー内で混練するロータとを含む混練機の内部での前記粘性流体の状態を、コンピュータを用いて解析するための方法であって、
    前記コンピュータに、前記チャンバーに相当する混練空間を区画する筒状のケーシングモデルと、前記混練空間内で回転するロータモデルとを含む混練機モデルを入力する工程、
    前記混練空間に、前記粘性流体をモデル化した粘性流体モデルを充填する工程、
    前記混練空間に、前記チャンバー内に存在する空気をモデル化した気相モデルを入力する工程、
    前記混練機モデルに、前記粘性流体が前記チャンバー内で循環流動する流動方向を定義する工程、
    前記混練空間内の複数の位置に、前記流動方向と交差する向きの前記粘性流体モデルの物理量を観測するための基準平面を定義する工程、及び
    前記コンピュータが、前記ロータモデルを回転させたときの前記各基準平面を通過する前記粘性流体モデルの流速を計算する工程を含み、
    前記流動方向は、前記ロータモデルの周方向に沿って定義される粘性流体の混練状態の解析方法。
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