JP2022141407A - 可塑性材料の解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可塑性材料の混練中に、混練状態に関連付けられた物理量を取得することが可能な方法を提供する。【解決手段】 未加硫のゴム又は樹脂を含む可塑性材料の混練状態を解析するための方法である。この方法では、混練空間モデルの各要素に、可塑性材料モデルを定義するステップと、コンピュータが、可塑性材料モデルに、可塑性材料モデルの流動とともに移動可能な少なくとも1つの仮想粒子モデルを配置する配置ステップと、単位時間ごとに、可塑性材料モデルの流動を計算して、可塑性材料モデルとともに仮想粒子モデルを移動させるステップS71と、仮想粒子モデルの移動先の要素において、混練状態に関連付けられた物理量を取得するステップS72と、単位時間ごとの物理量を積算した合計物理量を出力する出力ステップとを含む。【選択図】図10
Description
本発明は、可塑性材料の解析方法に関する。
下記特許文献1には、流体の混練状態の解析方法が記載されている。この方法では、流体モデルの流動計算を行うとともに、流体モデルに配した仮想粒子の位置情報を追跡する粒子追跡ステップが行われる。そして、仮想粒子の位置情報と、混練空間モデル内での流体モデルの理想混練状態とを比較することにより、流体モデルの混練度合いを計算する評価ステップが行われる。
ところで、流体がどれだけ混練されたかを評価するためには、流体の流動状態のみならず、混練開始から終了までの混練中において、流体が受けた混練状態に関連付けられた物理量を考慮することが重要である。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、可塑性材料の混練中に、混練状態に関連付けられた物理量を取得することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、未加硫のゴム又は樹脂を含む可塑性材料の混練状態を解析するための方法であって、前記可塑性材料が収容される混練空間を有限個の要素でモデリングした混練空間モデルを、コンピュータに入力するステップと、前記混練空間モデルの各要素に、前記可塑性材料をモデリングした可塑性材料モデルを定義するステップとを含み、前記コンピュータが、前記可塑性材料モデルに、前記可塑性材料モデルの流動とともに移動可能な少なくとも1つの仮想粒子モデルを配置する配置ステップと、予め定められた単位時間ごとに、前記可塑性材料モデルの流動を計算して、前記可塑性材料モデルとともに前記仮想粒子モデルを移動させるステップと、前記単位時間ごとに、前記仮想粒子モデルの移動先の要素において、前記混練状態に関連付けられた物理量を取得するステップと、前記単位時間ごとの前記物理量を積算した合計物理量を出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記可塑性材料の解析方法において、前記配置ステップは、複数の前記仮想粒子モデルを配置し、前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルごとに、前記合計物理量を出力するステップを含んでもよい。
本発明に係る前記可塑性材料の解析方法において、前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルの前記合計物理量を積算した総計物理量を出力するステップを含んでもよい。
本発明に係る前記可塑性材料の解析方法において、前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルの前記合計物理量を平均した平均物理量を出力するステップを含んでもよい。
本発明に係る前記可塑性材料の解析方法において、前記物理量は、前記要素のせん断応力を含んでもよい。
本発明の可塑性材料の解析方法は、上記のステップを採用することにより、可塑性材料の混練中に、混練状態に関連付けられた物理量を取得することが可能となる。
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
本実施形態の可塑性材料の解析方法(以下、単に「解析方法」ということがある。)では、可塑性材料の混練状態が、コンピュータを用いて解析される。ここで、「混練」とは、例えば、未加硫のゴム又は樹脂が含まれる可塑性材料の成形時の前処理として、各種の添加剤(原材料の薬品、粉体など)と液状バインダを分散させながら互いに濡らし、それらを均質にする作用ないし操作として定義される。代表的な混練工程は、混練機(バンバリーミキサー)を用いて行われている。
[可塑性材料]
可塑性材料は、未加硫のゴム又は樹脂を含んでいる。本実施形態の可塑性材料は、未加硫のゴムで構成されている。ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、又は、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が例示される。本実施形態の可塑性材料には、シリカやカップリング材などの各種の添加剤が配合されている。
可塑性材料は、未加硫のゴム又は樹脂を含んでいる。本実施形態の可塑性材料は、未加硫のゴムで構成されている。ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、又は、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が例示される。本実施形態の可塑性材料には、シリカやカップリング材などの各種の添加剤が配合されている。
[混練機]
図1は、本実施形態の混練機1の一例を示す部分断面図である。図2は、可塑性材料5を混練している混練機1の一例を示す部分断面図である。
図1は、本実施形態の混練機1の一例を示す部分断面図である。図2は、可塑性材料5を混練している混練機1の一例を示す部分断面図である。
混練機1は、ケーシング2と、少なくとも一つのロータ3とを含んで構成されている。ケーシング2は、筒状に形成されている。本実施形態の混練機1には、複数(本例では、一対)のロータ3、3が含まれている。各ロータ3、3には、円筒状の基部3aと、基部3aからケーシング2の内周面2iに向かってのびる少なくとも一つの翼部3bとが設けられている。
ケーシング2とロータ3、3との間には、可塑性材料5(図2に示す)を混練するための混練空間4が区画される。この混練空間4の内部で、ロータ3、3が回転する。本実施形態の混練空間4は、断面横向きの略8の字状に形成されている。なお、混練空間4は、このような形状に限定されるものではない。
図2に示されるように、混練機1では、混練空間4の内部に可塑性材料5が収容された後に、ロータ3、3を回転させることで、可塑性材料が混練される。この可塑性材料5の混練により、可塑性材料5に含まれるポリマー、シリカ及びカップリング剤等が分散(撹拌)される。
[コンピュータ]
図3は、本実施形態の可塑性材料の解析方法を実行するためのコンピュータ10の一例を示す斜視図である。コンピュータ10は、本体10a、キーボード10b、マウス10c、及び、ディスプレイ装置10dを含んでいる。本体10aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置10a1、10a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態の解析方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
図3は、本実施形態の可塑性材料の解析方法を実行するためのコンピュータ10の一例を示す斜視図である。コンピュータ10は、本体10a、キーボード10b、マウス10c、及び、ディスプレイ装置10dを含んでいる。本体10aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置10a1、10a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態の解析方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
[可塑性材料の解析方法(第1実施形態)]
次に、本実施形態の解析方法の処理手順の一例が説明される。図4は、本実施形態の可塑性材料の解析方法の処理手順を示すフローチャートである。
次に、本実施形態の解析方法の処理手順の一例が説明される。図4は、本実施形態の可塑性材料の解析方法の処理手順を示すフローチャートである。
[混練条件入力ステップ]
本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、可塑性材料5(図2に示す)の混練条件が、コンピュータ10に入力される(ステップS1)。混練条件は、解析対象の可塑性材料5の混練状態を、コンピュータ10で計算するためのものである。混練条件は、混練するための条件(例えば、後述の材料特性やロータ3の回転数など)の組み合わせであり、適宜設定されうる。
本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、可塑性材料5(図2に示す)の混練条件が、コンピュータ10に入力される(ステップS1)。混練条件は、解析対象の可塑性材料5の混練状態を、コンピュータ10で計算するためのものである。混練条件は、混練するための条件(例えば、後述の材料特性やロータ3の回転数など)の組み合わせであり、適宜設定されうる。
本実施形態の混練条件には、可塑性材料5(図2に示す)の材料特性が含まれる。材料特性には、解析対象となる可塑性材料5のせん断粘度、比熱、熱伝導率、比重及び粘度等が含まれる。これらの物性値は、文献(特許第5564074号公報)に記載の材料モデルに基づいて定義することができる。なお、せん断粘度は、例えば、キャピラリーレオメータを用いて、解析対象の可塑性材料5から直接測定されてもよい。この場合、バーグレー補正やラビノビッチ補正が行われてもよい。
本実施形態の混練条件には、図1及び図2に示した混練空間4への可塑性材料5の充填率、ロータ3、3の回転数、及び、ロータ3、3の形状の少なくとも一つが含まれるのが望ましい。ロータ3の回転数(rpm)は、例えば、可塑性材料の材料特定等を考慮して、適宜設定される。また、ロータ3の形状は、既存のロータ3の形状で定義されてもよいし、既存のロータ3の形状から基部3aや翼部3bの形状を異ならせたものが定義されてもよい。このようなロータ3の形状は、設計データ(CADデータ)等で特定されうる。
本実施形態の混練条件には、複数のロータ3、3の回転数の比、及び、複数のロータ3、3の位相状態の少なくとも一つが含まれてもよい。本実施形態の回転数の比は、一方のロータ3の回転数を1としたときの他方のロータ3の回転数の比である(例えば、1.16:1)。このような回転数の比は、例えば、上述の回転数と同様の観点に基づいて、適宜設定される。
ロータ3、3の位相状態は、各ロータ3、3の各翼部3b、3bについて、一方の翼部3bに対する他方の翼部3bの相対位置(回転方向の相対角度)である。なお、1つのロータ3に、形状の異なる複数の翼部3bが含まれる場合には、予め定められた翼部3b(各ロータ3、3で互いに同一形状の翼部3b、3b)に基づいて、位相状態が特定される。例えば、図1に示されるように、左側の翼部3bの半径方向の外端3tと、二点鎖線で示される右側の翼部3bの外端3tの双方向が、回転方向の同一位置(例えば、垂直方向で最も高い位置)に位置する場合、位相状態は0°となる。一方、実線で示される右側の翼部3bの外端3tが、左側の翼部3bの外端3tに対して位置ずれしている場合、位相状態は、左側の翼部3bの外端3tに対する右側の翼部3bの外端3tの相対角度(例えば、40°)となる。このような位相状態は、各ロータ3、3の回転開始前に特定される。
これらの混練条件を構成する条件(例えば、ロータ3、3の回転数など)は、いずれも、可塑性材料5(図2に示す)の混練状態に影響を及ぼすものである。混練条件は、コンピュータ10に記憶される。
[混練空間モデル入力ステップ]
次に、本実施形態の解析方法では、混練空間モデルが、コンピュータ10に入力される(ステップS2)。図5は、本実施形態の混練空間モデル14及びロータモデル13を示す斜視図である。図6(a)は、混練空間モデル14の断面図である。図6(b)は、図5(a)のB部拡大図である。図7は、混練空間モデル14を分解して示す断面図である。
次に、本実施形態の解析方法では、混練空間モデルが、コンピュータ10に入力される(ステップS2)。図5は、本実施形態の混練空間モデル14及びロータモデル13を示す斜視図である。図6(a)は、混練空間モデル14の断面図である。図6(b)は、図5(a)のB部拡大図である。図7は、混練空間モデル14を分解して示す断面図である。
図5及び図6に示されるように、混練空間モデル14は、可塑性材料が収容される混練空間4(図1に示す)を、有限個の要素e(図6(b)に示す)でモデリングしたものである。本実施形態の混練空間モデル14は、外周面14oと、内周面14iと、両端面14sとで閉じられた三次元空間を有している。外周面14oは、図1に示したケーシング2の内周面2iをなしている。内周面14iは、図1に示した一対のロータ3、3の外周面をなしている。両端面14sは、図1に示したロータ3の軸方向の両端側で、外周面14oを閉じるものである。
混練空間モデル14の外周面14o及び両端面14sは変形しない。一方、混練空間モデル14の内周面14iは、後述のロータモデル13、13の回転に対応して回転する。このため、混練空間モデル14の容積形状は変化する。
図7に分解して示されるように、本実施形態の混練空間モデル14は、一対の回転部14A、14Bと、これらが収容される外枠部14Cとで構成される。これらの一対の回転部14A、14B、及び、外枠部14Cは、例えば、特許文献(特許第5564074号公報)に記載のチャンバーモデルの一対の回転部、継ぎ部、及び、外枠部と同様に定義される。
図6(b)に示されるように、混練空間モデル14は、要素(オイラー要素)eで分割(離散化)されている。要素分割は、四面体、六面体などの他、多面体セル(ポリヘドラルグリッド)といった三次元要素で行われる。そして、各要素eについて、可塑性材料(材料モデル)の圧力、温度、及び、速度等の物理量が計算される。混練空間モデル14は、コンピュータ10(図3に示す)に記憶される。
[ロータモデル入力ステップ]
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、ロータ3、3(図1に示す)を有限個の要素で離散化したロータモデル13、13が、コンピュータ10に入力される(ステップS3)。図8は、ロータモデル13、13を示す断面図である。なお、図8において、混練空間モデル14が2点鎖線で示されている。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、ロータ3、3(図1に示す)を有限個の要素で離散化したロータモデル13、13が、コンピュータ10に入力される(ステップS3)。図8は、ロータモデル13、13を示す断面図である。なお、図8において、混練空間モデル14が2点鎖線で示されている。
ロータモデル13、13は、各ロータ3、3(図1に示す)の設計データ(例えば、CADデータ等)に基づいて、基部3a及び翼部3bの輪郭が、有限個の要素F(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)されることによって定義される。この設計データは、ステップS1において、混練条件として入力されたものである。一対のロータモデル13、13は、基部モデル13a及び翼部モデル13bをそれぞれ含んでいる。ロータモデル13、13は、その中心13e、13fの周りで回転可能に定義される。
要素F(i)としては、例えば、三次元のソリッド要素が採用されている。ソリッド要素は、精度がよく、接触面の設定が容易な6面体が好ましいが、複雑な形状を表現するのに適した4面体要素でもよい。なお、要素F(i)には、これらの要素以外にも、ソフトウェアで使用可能な三次元ソリッド要素が採用されてもよい。各要素F(i)には、要素番号、節点(図示省略)の番号、及び、節点の座標値等の数値データが定義される。また、本実施形態の各要素F(i)は、外力が作用しても変形不能な剛性に定義される。ロータモデル13は、コンピュータ10(図3に示す)に入力される。
[可塑性材料モデル定義ステップ]
次に、本実施形態の解析方法では、混練空間モデル14の各要素e(図6(b)に示す)に、可塑性材料5をモデリングした可塑性材料モデルが定義される(ステップS4)。図9は、可塑性材料モデル19と気体モデル20とを含む流体モデル17が定義された混練空間モデル14を示す断面図である。
次に、本実施形態の解析方法では、混練空間モデル14の各要素e(図6(b)に示す)に、可塑性材料5をモデリングした可塑性材料モデルが定義される(ステップS4)。図9は、可塑性材料モデル19と気体モデル20とを含む流体モデル17が定義された混練空間モデル14を示す断面図である。
本実施形態のステップS4では、図1及び図2に示した混練空間4に収容される可塑性材料5と、混練空間4に含まれる空気6との2相に対するVOF(Volume of Fluid)に基づいて、可塑性材料モデル19が定義される。図9に示されるように、本実施形態では、混練空間モデル14の各要素e(図6(b)に示す)に、可塑性材料5をモデリングした可塑性材料モデル19と、空気6をモデリングした気体モデル20とを含む流体モデル17が定義される。
可塑性材料モデル19には、ステップS1で入力された可塑性材料の材料特性が定義される。一方、気体モデル20には、空気の比重及び粘度等の物理量が定義される。このような気体モデル20の物理量は、たとえば、文献(特許第5564074号公報)記載の気相モデルに基づいて定義されうる。
本実施形態のシミュレーション方法では、後述の境界条件を入力するステップS5において、混練空間モデル14の各要素e(図6(b)に示す)に、混練空間4に対する可塑性材料5の体積分率が定義される。例えば、図6(b)に示した要素eでの可塑性材料の体積分率(F値)が1(=100%)の場合、その要素eは、全てが可塑性材料モデル19(図9に示す)で満たされた流体モデル17として定義される。一方、要素eでの可塑性材料の体積分率が0(=0%)の場合、その要素eは、全てが気体モデル20(図9に示す)で満たされた流体モデル17として定義される。なお、要素eでの可塑性材料の体積分率が0.5(=50%)の場合、その要素eの50%が可塑性材料モデル19で満たされ、かつ、要素eの50%が気体モデル20で満たされた流体モデル17として定義される。
ステップS4において、流体モデル17((可塑性材料モデル19及び気体モデル20))の定義は、例えば、オペレータが行っても良いし、オペレータが入力したパラメータ(例えば、体積分率など)に基づいて、コンピュータ10が行ってもよい。流体モデル17(可塑性材料モデル19及び気体モデル20)は、コンピュータ10(図3に示す)に記憶される。
[境界条件設定ステップ]
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、流体モデル17の流動計算に必要な境界条件等が、コンピュータ10に入力される(ステップS5)。境界条件としては、混練空間モデル14の壁面での流速境界条件、及び、温度境界条件が挙げられる。これらの境界条件は、文献(特許第5564074号公報)の記載に基づいて定義することができる。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、流体モデル17の流動計算に必要な境界条件等が、コンピュータ10に入力される(ステップS5)。境界条件としては、混練空間モデル14の壁面での流速境界条件、及び、温度境界条件が挙げられる。これらの境界条件は、文献(特許第5564074号公報)の記載に基づいて定義することができる。
本実施形態の境界条件には、流動計算の初期状態、タイムステップ、内部処理でのイタレーションの反復回数、及び、計算終了時刻が含まれる。初期状態は、例えば、図9に示されるように、混練空間モデル14を横切る水平な境界面Sを基準として、それよりも上部が、気体モデル20の領域Aとして定義される。すなわち、境界面Sよりも上部の要素e(図6(b)に示す)について、それらの可塑性材料の体積分率が0(=0%)に設定される。一方、境界面Sよりも下部が、可塑性材料モデル19の領域Mとして定義される。すなわち、境界面Sよりも下部の要素eについて、それらの可塑性材料の体積分率が1(=100%)に設定される。このように、境界面Sのレベルを変えることにより、可塑性材料モデル19の充填率が調節される。これらの条件(即ち、初期状態、タイムステップ、反復回数、及び、計算終了時刻)は、シミュレーションの目的等に応じて任意に定められる。
本実施形態の境界条件には、ロータ3(図1に示す)の回転数、ロータ3、3の回転数の比、及び、複数のロータ3、3の位相状態が含まれる。これらの境界条件は、ステップS1で入力された混練条件に基づいて、それぞれ設定される。境界条件は、コンピュータ10(図3に示す)に記憶される。
[配置ステップ]
次に、本実施形態の解析方法では、図9に示されるように、コンピュータ10(図3に示す)が、可塑性材料モデル19に、可塑性材料モデル19の流動とともに移動可能な少なくとも1つの仮想粒子モデル21を配置する(配置ステップS6)。本実施形態では、複数の仮想粒子モデル21が配置されており、図9では、仮想粒子モデル21の一部が代表して示されている。
次に、本実施形態の解析方法では、図9に示されるように、コンピュータ10(図3に示す)が、可塑性材料モデル19に、可塑性材料モデル19の流動とともに移動可能な少なくとも1つの仮想粒子モデル21を配置する(配置ステップS6)。本実施形態では、複数の仮想粒子モデル21が配置されており、図9では、仮想粒子モデル21の一部が代表して示されている。
本実施形態の仮想粒子モデル21は、大きさ及び質量を有しない仮想の粒子として定義されている。さらに、仮想粒子モデル21は、可塑性材料モデル19(流体モデル17)の流動計算には影響を与えないが、図6(b)に例示されるように、可塑性材料モデル19の流れ(流動)に従って移動するものとして定義される。各仮想粒子モデル21には、それらを特定可能なIDが定義されている。
仮想粒子モデル21は、図9に示した流体モデル17のうち、可塑性材料モデル19内でのみ移動するように定義されている。さらに、仮想粒子モデル21は、可塑性材料モデル19から気体モデル20へと移動しないように定義されている。したがって、本実施形態では、仮想粒子モデル21の移動先を追跡することで、可塑性材料モデル19の流動状態を特定することができる。仮想粒子モデル21は、特許文献1の仮想粒子と同様に定義されうる。
仮想粒子モデル21の個数は、適宜設定されうる。本実施形態では、可塑性材料の混練状態(流動状態)を評価するために、100~1000個の仮想粒子モデル21が、可塑性材料モデル19の内部に配置されている。
仮想粒子モデル21の配置は、可塑性材料モデル19の内部であれば、任意に設定することができる。本実施形態の仮想粒子モデル21は、可塑性材料モデル19の内部の広範囲に、複数個の仮想粒子モデル21が満遍なく(本例では、可塑性材料モデル19での単位体積あたりの仮想粒子モデル21の個数が一定になるように)配置されている。仮想粒子モデル21は、コンピュータ10に記憶される。
[混練計算ステップ]
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ10が、予め定められた混練条件に基づいて、可塑性材料モデル19の流動計算を行う(混練計算ステップS7)。図10は、混練計算ステップS7の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ10が、予め定められた混練条件に基づいて、可塑性材料モデル19の流動計算を行う(混練計算ステップS7)。図10は、混練計算ステップS7の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[仮想粒子モデル移動ステップ]
本実施形態の混練計算ステップS7では、先ず、コンピュータ10が、予め定められた単位時間ごとに、可塑性材料モデル19の流動を計算して、可塑性材料モデル19とともに仮想粒子モデル21を移動させる(ステップS71)。
本実施形態の混練計算ステップS7では、先ず、コンピュータ10が、予め定められた単位時間ごとに、可塑性材料モデル19の流動を計算して、可塑性材料モデル19とともに仮想粒子モデル21を移動させる(ステップS71)。
本実施形態のステップS71では、先ず、ステップS1で入力された上述の混練条件(ステップS5で入力された境界条件を含む)に基づいて、ロータモデル13、13の回転が開始される。混練条件には、例えば、ロータ3、3の回転数や回転数の比などの各種条件が含まれる。これにより、ステップS71では、可塑性材料モデル19(可塑性材料モデル19及び気体モデル20を含む流体モデル17)の流動が計算される。
可塑性材料モデル19(気体モデル20及び流体モデル17を含む)の流動計算には、自由界面の流れの計算で用いられるVOF法が用いられる。このような流動計算は、例えば、文献(特許第5564074号公報)記載の手順に基づいて適宜実施されうる。これにより、ステップS71では、シミュレーションの単位時間Tx毎に、可塑性材料モデル19(気体モデル20及び流体モデル17を含む)の流動が計算される。さらに、ステップS71では、可塑性材料モデル19の流動に従って、図6(b)に例示されるように、仮想粒子モデル21の移動が計算される。そして、ステップS71では、移動した後の仮想粒子モデル21の位置情報(本例では、混練空間モデル14内での座標値)が、単位時間Txごとにコンピュータ10に記憶される。
[物理量取得ステップ]
次に、本実施形態の混練計算ステップS7では、コンピュータ10が、単位時間Txごとに、仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)において、混練状態に関連付けられた物理量を取得する(ステップS72)。本実施形態のステップS72では、先ず、各仮想粒子モデル21の位置情報に基づいて、各仮想粒子モデル21の移動先の要素eが特定される。移動先の要素eには、可塑性材料モデル19を構成する全ての要素eのうち、仮想粒子モデル21が内部に配置されている要素eが特定される。このような要素eは、混練空間モデル14内において、仮想粒子モデル21の座標値、及び、要素eの座標値に基づいて適宜特定されうる。そして、特定された各要素eにおいて計算された物理量(混練状態に関連付けられた物理量)がそれぞれ取得される。
次に、本実施形態の混練計算ステップS7では、コンピュータ10が、単位時間Txごとに、仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)において、混練状態に関連付けられた物理量を取得する(ステップS72)。本実施形態のステップS72では、先ず、各仮想粒子モデル21の位置情報に基づいて、各仮想粒子モデル21の移動先の要素eが特定される。移動先の要素eには、可塑性材料モデル19を構成する全ての要素eのうち、仮想粒子モデル21が内部に配置されている要素eが特定される。このような要素eは、混練空間モデル14内において、仮想粒子モデル21の座標値、及び、要素eの座標値に基づいて適宜特定されうる。そして、特定された各要素eにおいて計算された物理量(混練状態に関連付けられた物理量)がそれぞれ取得される。
混練状態に関連付けられた物理量は、混練状態を評価可能なものであれば適宜選択されうる。本実施形態の物理量は、要素eのせん断応力が含まれる。このようなせん断応力は、その値が大きいほど、可塑性材料5及び添加剤などの凝集塊が効果的に破壊及び分散されて、効率よく混練できていると評価することができる。取得された物理量は、コンピュータ10(図3に示す)に記憶される。
[計算終了判断ステップ]
次に、本実施形態の混練計算ステップS7では、コンピュータ10が、計算終了時刻が経過したか否かが判断する(ステップS73)。計算終了時刻は、ステップS5において、境界条件として入力されている。
次に、本実施形態の混練計算ステップS7では、コンピュータ10が、計算終了時刻が経過したか否かが判断する(ステップS73)。計算終了時刻は、ステップS5において、境界条件として入力されている。
ステップS73において、計算終了時刻が経過したと判断された場合(ステップS73で、「Y」)、混練計算ステップS7の一連の処理が終了し、次の出力ステップS8(図4に示す)が実行される。一方、ステップS73において、計算終了時刻が経過していないと判断された場合、単位時間Txを一つ進めて(ステップS74)、ステップS71~ステップS73が再度実施される。
これにより、混練計算ステップS7では、計算終了時刻が経過するまで、単位時間Txごとに、可塑性材料モデル19の流動を計算でき、仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)において、混練状態に関連付けられた物理量を取得できる。したがって、本実施形態では、可塑性材料5(図2に示す)の混練開始から終了までの混練中において、可塑性材料5が受けた時々刻々と変化するせん断応力(混練状態に関連付けられた物理量)を取得することができる。
[出力ステップ]
次に、本実施形態の解析方法では、コンピュータ10が、単位時間Txごとの物理量を積算した合計物理量を出力する(出力ステップS8)。図11は、仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)のせん断応力と、時間との関係を示すグラフである。図11では、可塑性材料モデル19に配置された複数の仮想粒子モデル21(図9に示す)のうち、一つの仮想粒子モデル21の移動先の要素eのせん断応力が代表して示されている。
次に、本実施形態の解析方法では、コンピュータ10が、単位時間Txごとの物理量を積算した合計物理量を出力する(出力ステップS8)。図11は、仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)のせん断応力と、時間との関係を示すグラフである。図11では、可塑性材料モデル19に配置された複数の仮想粒子モデル21(図9に示す)のうち、一つの仮想粒子モデル21の移動先の要素eのせん断応力が代表して示されている。
本実施形態の出力ステップS8では、可塑性材料モデル19の流動計算の開始から終了までにおいて、単位時間Txごとに計算された物理量(本例では、せん断応力)が積算される。これにより、出力ステップS8では、合計物理量が計算される。
出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21(図9に示す)から選択された一つの仮想粒子モデル21について、その仮想粒子モデル21の移動先の要素e(図6(b)に示す)の合計物理量が計算されてもよい。また、出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21ごとに、合計物理量が出力されてもよい。本実施形態では、複数の仮想粒子モデル21ごとに、合計物理量が出力されている。これにより、本実施形態の解析方法では、可塑性材料モデル19の流動計算によって分散した複数の仮想粒子モデル21について、それらの移動先での要素eの物理量の積算値(合計物理量)がそれぞれ計算される。したがって、本実施形態の解析方法では、可塑性材料5の混練中において、可塑性材料5の広範囲において作用する物理量(混練状態に関連付けられた物理量)を取得することができるため、可塑性材料5の混練状態の解析に役立つ。合計物理量は、例えば、ディスプレイ装置10d等に出力され、さらに、コンピュータ10に記憶される。
[評価ステップ]
次に、本実施形態の解析方法では、可塑性材料5の混練状態が評価される(ステップS9)。可塑性材料5の混練状態は、適宜評価されうる。本実施形態のステップS9では、出力された合計物理量に基づいて、可塑性材料5の混練状態が評価される。なお、混練状態の評価は、コンピュータ10(図3に示す)によって行われてもよいし、オペレータによって行われてもよい。
次に、本実施形態の解析方法では、可塑性材料5の混練状態が評価される(ステップS9)。可塑性材料5の混練状態は、適宜評価されうる。本実施形態のステップS9では、出力された合計物理量に基づいて、可塑性材料5の混練状態が評価される。なお、混練状態の評価は、コンピュータ10(図3に示す)によって行われてもよいし、オペレータによって行われてもよい。
上述したように、本実施形態の物理量として計算されるせん断応力は、その値が大きいほど、効率よく混練できていると評価することができる。したがって、本実施形態のステップS9では、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量が、予め定められた閾値以上であるか否かが判断される。そして、合計物理量が閾値以上である場合に、可塑性材料5の混練状態が良好であると判断される。
閾値は、可塑性材料5に求められる混練状態に応じて適宜設定される。また、本実施形態では、全ての仮想粒子モデル21の合計物理量が閾値以上であるか否かが判断されているが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、特定の仮想粒子モデル21の合計物理量が閾値以上であるか否かが判断されてもよい。
ステップS9において、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量が閾値以上であると判断された場合(ステップS9で「Yes」)、可塑性材料5の混練状態が良好であると判断される。この場合、ステップS1で入力された混練条件(例えば、可塑性材料5の材料特性)に基づいて、可塑性材料の混練が行われる(ステップS10)。なお、混練条件として、ロータ3の形状等が含まれる場合には、その形状等に基づいて、混練機1の設計及び製造が行われる。そして、本実施形態では、混練された可塑性材料5が用いられて、タイヤなどのゴム製品が製造される。
一方、ステップS9において、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量が閾値未満であると判断された場合(ステップS9で「No」)、可塑性材料5の混練状態が良好でないと判断される。この場合、混練条件の少なくとも一部が変更されて(ステップS11)、ステップS2~ステップS9が再度実施される。なお、混練条件の変更は、オペレータによって行われてもよいし、オペレータが入力したパラメータ(例えば、ロータ3、3の回転数の範囲など)に基づいて、コンピュータ10(図3に示す)によって行われてもよい。
本実施形態の解析方法では、可塑性材料5の混練状態が良好であると判断されるまで、ステップS11において混練条件が変更される。これにより、解析方法では、可塑性材料5の混練状態が良好となる混練条件を特定でき、実際の混練機1(図1に示す)において、その良好な混練条件で、可塑性材料5を混練することが可能となる。
[出力ステップ(第2実施形態)]
これまでの実施形態の出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21(図9に示す)ごとに、合計物理量が出力されたが、このような態様に限定されない。例えば、出力ステップS8は、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を積算した総計物理量を出力するステップ(図示省略)が含まれてもよい。
これまでの実施形態の出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21(図9に示す)ごとに、合計物理量が出力されたが、このような態様に限定されない。例えば、出力ステップS8は、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を積算した総計物理量を出力するステップ(図示省略)が含まれてもよい。
総計物理量は、可塑性材料モデル19の流動計算によって分散した複数の仮想粒子モデル21について、それらの合計物理量を積算したものであるため、可塑性材料5の混練中に、可塑性材料5の全体で受けた物理量として扱うことができる。したがって、総計物理量は、可塑性材料5の混練状態の解析に役立つ。
[評価ステップ(第2実施形態)]
この実施形態のステップS9では、総計物理量が閾値以上であるか否かが判断されてもよい。閾値は、可塑性材料5に求められる混練状態に応じて適宜設定される。この実施形態の閾値には、例えば、これまでの実施形態の合計物理量に対する閾値に、複数の仮想粒子モデル21の個数を乗じた値が設定されてもよい。
この実施形態のステップS9では、総計物理量が閾値以上であるか否かが判断されてもよい。閾値は、可塑性材料5に求められる混練状態に応じて適宜設定される。この実施形態の閾値には、例えば、これまでの実施形態の合計物理量に対する閾値に、複数の仮想粒子モデル21の個数を乗じた値が設定されてもよい。
[出力ステップ(第3実施形態)]
これまでの実施形態の出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量や、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を積算した総計物理量が出力されたが、このような態様に限定されない。例えば、出力ステップS8は、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を平均した平均物理量を出力するステップ(図示省略)を含まれてもよい。
これまでの実施形態の出力ステップS8では、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量や、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を積算した総計物理量が出力されたが、このような態様に限定されない。例えば、出力ステップS8は、複数の仮想粒子モデル21の合計物理量を平均した平均物理量を出力するステップ(図示省略)を含まれてもよい。
平均物理量は、可塑性材料モデル19の流動計算によって分散した複数の仮想粒子モデル21について、それらの合計物理量を平均したものである。このため、平均物理量は、総計物理量と同様に、可塑性材料5の混練中に、可塑性材料5の全体で受けた物理量として扱うことができる。したがって、平均物理量は、可塑性材料5の混練状態の解析に役立つ。
[評価ステップ(第3実施形態)]
この実施形態のステップS9では、平均物理量が閾値以上であるか否かが判断されてもよい。閾値は、可塑性材料5に求められる混練状態に応じて適宜設定される。この実施形態の閾値には、例えば、これまでの実施形態の総計物理量に対する閾値を、複数の仮想粒子モデル21の個数を除した値が設定されてもよい。
この実施形態のステップS9では、平均物理量が閾値以上であるか否かが判断されてもよい。閾値は、可塑性材料5に求められる混練状態に応じて適宜設定される。この実施形態の閾値には、例えば、これまでの実施形態の総計物理量に対する閾値を、複数の仮想粒子モデル21の個数を除した値が設定されてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図4及び図10に示した処理手順に従って、可塑性材料の混練状態がコンピュータを用いて解析された(実施例)。実施例では、単位時間ごとに、複数個の仮想粒子モデルを含む可塑性材料モデルの流動計算を計算して、可塑性材料モデルとともに仮想粒子モデルを移動させて、仮想粒子モデルの移動先の要素において、混練状態に関連付けられた物理量が取得された。そして、実施例では、複数の仮想粒子モデルごとに、単位時間ごとの物理量を積算した合計物理量、複数の仮想粒子モデルの合計物理量を積算した総計物理量、及び、複数の仮想粒子モデルの合計物理量を平均した平均物理量が出力された。
実施例の混練条件等は、次のとおりである。また、図11には、可塑性材料モデルに配置された複数の仮想粒子モデルのうち、一つの仮想粒子モデルの移動先の要素の物理量(せん断応力)と、時間との関係を示すグラフが代表して示されている。
可塑性材料:ポリマー(天然ゴム)・シリカ・カップリング剤(TESPT)
可塑性材料モデルの充填率:70%
ロータモデルの回転数の比(1.16:1):
一方のロータモデルの回転数:43rpm
他方のロータモデルの回転数:37rpm
単位時間Tx:1.973×10-3秒
混練時間(実時間):10秒
壁面スリップ条件:特許6405160号公報の記載に基づく
可塑性材料の物性:特許6405160号公報の記載に基づく
可塑性材料:ポリマー(天然ゴム)・シリカ・カップリング剤(TESPT)
可塑性材料モデルの充填率:70%
ロータモデルの回転数の比(1.16:1):
一方のロータモデルの回転数:43rpm
他方のロータモデルの回転数:37rpm
単位時間Tx:1.973×10-3秒
混練時間(実時間):10秒
壁面スリップ条件:特許6405160号公報の記載に基づく
可塑性材料の物性:特許6405160号公報の記載に基づく
図11に示されるように、実施例では、混練開始から終了までの混練中において、可塑性材料が受けたせん断応力(混練状態に関連付けられた物理量)を取得することができた。さらに、実施例では、複数の仮想粒子モデルの合計物理量を積算した総計物理量や、複数の仮想粒子モデルの合計物理量を平均した平均物理量が取得されることにより、可塑性材料の混練中に、可塑性材料の全体で受けた物理量を評価することができた。
これにより、実施例では、混練機を試作して混練する実験を行わなくても、可塑性材料を混練した状態を評価することができるため、混練機の開発や、適切な混練条件の特定を効率的に行うことができた。
S71 仮想粒子モデルを移動させるステップ
S72 仮想粒子モデルの移動先の要素の物理量を取得するステップ
S72 仮想粒子モデルの移動先の要素の物理量を取得するステップ
Claims (5)
- 未加硫のゴム又は樹脂を含む可塑性材料の混練状態を解析するための方法であって、
前記可塑性材料が収容される混練空間を有限個の要素でモデリングした混練空間モデルを、コンピュータに入力するステップと、
前記混練空間モデルの各要素に、前記可塑性材料をモデリングした可塑性材料モデルを定義するステップとを含み、
前記コンピュータが、
前記可塑性材料モデルに、前記可塑性材料モデルの流動とともに移動可能な少なくとも1つの仮想粒子モデルを配置する配置ステップと、
予め定められた単位時間ごとに、前記可塑性材料モデルの流動を計算して、前記可塑性材料モデルとともに前記仮想粒子モデルを移動させるステップと、
前記単位時間ごとに、前記仮想粒子モデルの移動先の要素において、前記混練状態に関連付けられた物理量を取得するステップと、
前記単位時間ごとの前記物理量を積算した合計物理量を出力する出力ステップとを含む、
可塑性材料の解析方法。 - 前記配置ステップは、複数の前記仮想粒子モデルを配置し、
前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルごとに、前記合計物理量を出力するステップを含む、請求項1に記載の可塑性材料の解析方法。 - 前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルの前記合計物理量を積算した総計物理量を出力するステップを含む、請求項2に記載の可塑性材料の解析方法。
- 前記出力ステップは、複数の前記仮想粒子モデルの前記合計物理量を平均した平均物理量を出力するステップを含む、請求項2又は3に記載の可塑性材料の解析方法。
- 前記物理量は、前記要素のせん断応力を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の可塑性材料の解析方法。
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