JP6790226B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、絶縁基板に半導体チップを搭載した半導体装置に関する。
半導体チップとしてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いた半導体装置は、パワーモジュールとも呼ばれ、鉄道車両用モータなどの大電力制御に用いられている。このようなパワーモジュールにおいては、その駆動時に1000V以上の電圧が印加されると共に、100A以上の大きな電流が流れる場合がある。そのため、パワーモジュールには、高耐電圧であること、大電流が流れるときに発生する大量の熱を高効率に外部へ放出することが求められている。
パワーモジュールは、絶縁性を有する絶縁基板と、絶縁基板の一方の主表面に接続された高電圧電極と、他方の面に接続された接地電極と、高電圧電極の絶縁基板と対向する主表面と反対側に搭載された半導体チップとからなる積層構造体、およびこの積層構造体を収納する筺体で構成されている。筺体内は、絶縁性のゲル状または固形状のモールド材、あるいは絶縁性のガスなどの封止材で満たされている。このような構造において、絶縁基板および封止材が、半導体チップおよび高電圧電極に流れる電流をパワーモジュールの外部に漏えいさせないために重要な役割を果たしている。
近年、パワーモジュールの高電圧化、大電流化の要求に伴って、半導体チップに印加される電圧が上昇すると共に、半導体チップを流れる電流も増加している。半導体チップの動作電圧上昇に伴い、高電圧電極と絶縁基板との間の電圧差、高電圧電極と封止材との間の電圧差が大きくなり、これらの部位で部分放電の発生確率が高くなっている。高電圧電極の周辺の部材に気泡、剥離、異物混入などが存在すると、部分放電が発生する場合がある。部分放電は絶縁破壊を誘発し、パワーモジュールの長期絶縁信頼性を低下させるため、部分放電の発生確率を低減する必要である。
部分放電の発生確率を低減するために、絶縁基板の主表面上の一部と絶縁基板上に設置された高電圧電極の側面とを覆うコーティングが施された半導体装置が開発されている。このような半導体装置として、コーティングの材料として無機ガラスを用いた半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。別のコーティングの材料として半導電性材料を用いた半導体装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−340719号公報(3−4頁、図4) 特開2015−207731号公報(6頁、図2)
従来のコーティングの材料として無機ガラスを用いた半導体装置においては、コーティング材と高電圧電極との間に一部でも剥離が生じた場合、その剥離部分の空隙に高い電界が誘起され、その空隙が部分放電の発生起点となり、長期的な絶縁信頼性が著しく低下するという問題があった。また、従来のコーティングの材料として半導電性材料を用いた半導体装置においては、コーティング材と高電圧電極との間に多少剥離が生じた場合でも、その剥離部分の空隙に高い電界は誘起されない。しかしながら、半導電性材料と封止材との間に一部でも剥離が生じた場合は、コーティングの材料として無機ガラスを用いた場合と同様に、半導電性材料と封止材との間の剥離部分の空隙に高い電界が誘起され、その空隙が部分放電の発生起点となり、長期的な絶縁信頼性が著しく低下するという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、高電圧電極の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生を抑制することができ、その結果長期的な絶縁信頼性を確保することを目的とする。
この発明に係る半導体装置は、絶縁性を有する絶縁基板と、絶縁基板の一方の表面に設けられており、かつ絶縁基板と対向する第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面とを有する第1部材と、第2面に配置された半導体チップと、絶縁基板の他方の表面に設けられた第2部材と、第1部材の第1面の外周端部を覆う第1コーティング層と、第1コーティング層の表面を覆う第2コーティング層と、絶縁基板、第1部材、半導体チップ、第2部材、第1コーティング層および第2コーティング層を封止する封止材とをさらに備える。第1コーティング層の誘電率は、第2コーティング層の誘電率よりも高い。第1コーティング層と第2コーティング層との間の接着力が、第1コーティング層と第1部材との間の接着力よりも高い。
この発明は、第1部材の外周端部を覆う第1コーティング層と、第1コーティング層の表面を覆う第2コーティング層とを備え、第1コーティング層の誘電率を第2コーティング層より高くすることで第1コーティング層と第1部材の界面における電界を緩和し、さらに、第1コーティング層と第2コーティング層との間の接着力を、第1コーティング層と第1部材との間の接着力よりも高くしているので、第1部材の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生抑制することができ、その結果長期的な絶縁信頼性を確保することができる。
実施の形態1に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態1に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態1に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態3に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態3に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態4に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態4に係る半導体装置の断面模式図である。 実施の形態1に係る半導体装置の変形例を示す断面模式図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る半導体装置の断面模式図である。また、図2は、図1中の破線で囲まれた領域IIの部分拡大図である。図1および図2において、本実施の形態の半導体装置1は、半導体チップ2と、第1部材3と、絶縁基板4と、第2部材5と、放熱ベース板6とを備えており、それらは封止材7で充填されたケース8に収納されている。封止材7は、放熱ベース板6とケース8とで密閉された空間に充填されている。
絶縁基板4の一方の面には第1部材3が配置されている。第1部材3は、絶縁基板4の当該一方の面と対向している第1面3Aと、第1面3Aとは反対側に位置する第2面3Bと、第1面3Aと第2面3Bとを接続する第3面3Cとを有している。上記一方の面を平面視したときに、第3面3Cは、第2面3Bの周囲を囲むように配置されている。
上記平面視において、第1面3Aの外周端部は第3面3Cの外周端部と接続されており、第1部材3の外周端部3Eを成している。第1部材3の上記外周端部3Eは、絶縁基板4に接続されており、第1部材3と絶縁基板4との接続境界部を成している。上記平面視において、第2面3Bの外周端部は第3面3Cの内周端部と接続されている。第1部材3の第2面3Bの面積は絶縁基板4の上記一方の面の面積よりも小さい。上記一方の面を平面視したときに第1部材3の外周端部3Eよりも外側には、絶縁基板4の一方の面が露出している。
絶縁基板4の他方の面には第2部材5が配置されている。第2部材5は、絶縁基板4の当該他方の面と対向している第4面5Aと、第4面5Aとは反対側に位置する第5面5Bと、第4面5Aと第5面5Bとを接続する第6面5Cとを有している。上記他方の面を平面視したときに、第6面5Cは、第5面5Bの周囲を囲むように配置されている。
上記他方の面を平面視したときに、第4面5Aの外周端部は第6面5Cの外周端部と接続されており、第2部材5の外周端部5Eを成している。第2部材5の上記外周端部5Eは、絶縁基板4に接続されており、第2部材5と絶縁基板4との接続境界部を成している。第2部材5の第4面5Aの面積は絶縁基板4の面積よりも小さい。上記他方の面を平面視したときの第2部材5の外周端部よりも外側には、絶縁基板4の他方の面が露出している。
第2部材5の絶縁基板4に対向する面と反対側の面にははんだ層9が配置されており、このはんだ層9を介して第2部材5は放熱ベース板6と電気的および機械的に接続されている。
第1部材3の上記第2面3Bのほぼ中央部には半導体チップ2が配置されている。第1部材3の外周部には、第1部材3の第2面3B(表面)の外周端、第1部材3の第3面3C(側面)および絶縁基板4の一方の面までを覆う第1コーティング層11が配置されている。言い換えると、第1コーティング層11は、第1部材3と絶縁基板4との接続境界部を覆うように配置されている。さらに、第1部材3の第2面3B(半導体チップ2が配置された側の表面)から第1コーティング層11の表面および絶縁基板4の一方の表面までを覆う第2コーティング層12が配置されている。言い換えると、第2コーティング層12は、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部、第1コーティング層11の表面、および絶縁基板4と第1コーティング層11との接続境界部を覆うように配置されている。なお、第1コーティング層11は第2コーティング層12より誘電率が高い材料で構成されている。
半導体チップ2としては、例えば大電力制御用のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイスを用いることができる。半導体チップ2を構成する基板は、シリコンカーバイト(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)またはダイヤモンド(C)であることが好ましい。このような基板であれば、例えばシリコン基板を用いた場合に比べて電力損失が小さくなり、半導体チップの消費電力を低減することができる。その結果、半導体装置の熱設計に裕度ができ、パワーモジュールの小型化が可能である。また、シリコンカーバイトなどは耐熱性が高いため、より高温で動作可能である。
また、ひとつの第1部材3に対して複数の半導体チップ2が搭載されていてもよい。複数の半導体チップ2が搭載される場合、ワイヤボンディングなどを介して、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)などの制御素子が搭載されていてもよい。
第1部材3を構成する材料および第2部材5を構成する材料は、第1部材3と第2部材5との互いの間で電位差が付与され得る限りにおいて任意の材料であればよいが、好ましくは導電性を有する材料で構成されており、より好ましくは金属材料で構成されている。第1部材3および第2部材5は、例えば金属材料で構成された板状部材(金属板)である。
第1部材3は、熱伝導率の高い銅で構成されていることが好ましいが、銅以外の導体、例えばアルミニウムまたは鉄あるいはそれらの合金で構成されていてもよい。第1部材3の第2面3B(表面)には、半導体チップ2と電気的に接続するために配線もしくは他の回路などが形成されていてもよい。また、第1部材3と半導体チップ2との接続は、はんだや銀接合剤で接合されてもよい。
絶縁基板4は、主に絶縁材料で構成された板状部材である。絶縁基板4は、アルミナまたは窒化アルミニウムなどのセラミック材料で構成されている。絶縁基板4としてセラミック材料を用いる場合、そのセラミック材料の厚みは、200μm以上1500μm以下であることが好ましい。それ以外の材料として、絶縁基板4は、有機絶縁シートで構成されていてもよい。有機絶縁シートとは、熱伝導率の高い無機フィラー(アルミナ、窒化アルミニウム、または窒化ホウ素などの微粒子)をエポキシ樹脂内に分散および充填させたコンパウンド構造体である。絶縁基板4として用いる場合の有機絶縁シートの厚みは、20μm以上500μm以下であることが好ましい。
第2部材5および放熱ベース板6は、熱伝導率の高い銅で構成されていることが好ましいが、銅以外の導体、例えばアルミニウムまたは鉄あるいはそれらの合金で構成されていてもよい。放熱ベース板6は、放熱フィンを備えていてもよい。あるいは放熱ベース板6は、別部材の放熱フィンと接続されていてもよい。なお、第2部材5と放熱ベース板6とは、一体物で構成されていてもよい。この場合、はんだ層9が不要となり、第3コーティング層13は第2部材5の上記外周端部5Eを覆うように形成されていればよい。
なお、半導体装置1は、第1部材3と第2部材5との間に、電位差を付与可能に設けられている。これにより、半導体装置1は、第1部材3と絶縁基板4との間、および第1部材3と封止材7との間に、電位差を付与可能に設けられている。第2部材5は、例えば半導体装置1の使用状態において接地される接地電極として設けられていてもよい。第1部材は、例えば上記使用状態において第2部材5に対し高電位差が付与される高電圧電極として設けられていてもよい。
第1コーティング層11および第2コーティング層12は、適用する半導体装置の使用温度で劣化しない材料選定が必要である。また、いずれのコーティング層も原材料を塗布するだけでコーティング層が完成される場合と、原材料を塗布した後に加工することで完成される場合とがある。塗布の具体的な方法は、ディッピング法、電着法、ディスペンス法、3Dプリンタ法などがあり、加工の具体的な方法は、加熱、紫外線照射などがある。ディッピング法は、被コーティング部材を硬化前のコーティングにディップして塗布する方法である。電着法は、接地状態もしくは電圧印加した電極に帯電した硬化前のコーティング材を塗布する方法である。この電着法では、電界集中箇所にコーティング材料が集まる傾向にある。もし半導体チップ2が搭載された状態で電着法によるコーティングを行った場合、半導体チップ2の外周部にも高電圧電極の外周部と同じ二層のコーティングを施すことができる。ディスペンス法は、注射器などでコーティングが必要な部分に未硬化のコーティング材を塗布する方法である。
第1コーティング層11は、第1部材3の外周端部3E、すなわち第1部材3と絶縁基板4との接続境界部を覆って形成されている。異なる観点から言えば、上記平面視において、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aは第1部材3の外周端部3Eよりも内側に配置されており、絶縁基板4と第1コーティング層11との接続境界部11Bは第1部材3の外周端部3Eよりも外側に配置されている。第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aは、例えば第2面3B上に配置されている。第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aは、例えば上記平面視において第2面3Bの外周端部よりも内側に配置されている。接続境界部11Aは第1コーティング層11の表面11Cの内周端部を成しており、接続境界部11Bは第1コーティング層11の表面11Cの外周端部を成している。第1コーティング層11の表面11Cは、第2コーティング層12により覆われている。
絶縁基板4と第1部材3との接続境界部は最も電界が集中し放電起点となりやすいため、この部分を第1コーティング層11で覆うことは必須である。なお、第1コーティング層11は、第1部材3の外周端部3E、すなわち第1部材3と絶縁基板4との接続境界部を、上記平面視における第1部材3の全周に渡って覆うように形成されていることが好ましい。
第2コーティング層12は、第1コーティング層11の表面11Cを覆うように形成されている。すなわち、第2コーティング層12は、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aと、絶縁基板4と第1コーティング層11との接続境界部11Bとを覆うように形成されている。第2コーティング層12は、例えば第1部材3の第2面3B(半導体チップ2が配置された側の表面)、第1コーティング層11の表面、および絶縁基板4の一方の表面を覆って形成されている。上記平面視において、第1部材3と第2コーティング層12との接続境界部12Aは、第1部材3の外周端部3Eおよび上記接続境界部11Aよりも内側に配置されている。絶縁基板4と第2コーティング層12との接続境界部12Bは、第1部材3の外周端部3Eおよび上記接続境界部11Bよりも外側に配置されている。接続境界部12Aは第2コーティング層12の表面12Cの内周端部を成しており、接続境界部12Bは第2コーティング層12の表面12Cの外周端部を成している。第2コーティング層12の表面12Cは、封止材7により覆われている。なお、第2コーティング層12も、第1コーティング層11と同様に、第1部材3の第2面3B(半導体チップ2が配置された側の表面)、第1コーティング層11の表面、および絶縁基板4の一方の表面を、上記平面視における第1部材3の全周に渡って覆うように形成されていることが好ましい。
好ましくは、第1コーティング層11は、第1部材3の第3面3Cの全体を覆うように配置されている。この場合、上記平面視において、上記接続境界部11Aは第2面3B上に配置されており、かつ第1部材3と第2コーティング層12との接続境界部12Aは第2面3B上において上記接続境界部11Aよりも内側に配置されている。
第1コーティング層11の誘電率は、第2コーティング層12の誘電率よりも高くしている。このような構成においては、第1コーティング層11で電圧降下が起こり、第2コーティング層12にかかる電圧が下がる効果が得られる。また、第1コーティング層11の持つ静電容量が第2コーティング層12より十分高いとき、第1コーティング層11は隣接する第1部材3とほぼ同電位となる。
第1コーティング層11の材料としては、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、メロシアニンなどの共役系ポリマーが挙げられる。これらの材料の比誘電率は、10〜1000である。第2コーティング層12の材料としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ、シリコーンゴム、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。これらの材料の比誘電率は、2.0〜8.0である。
なお、第1コーティング層11の比誘電率が第2コーティング層12の比誘電率に対して5倍より大きい場合において同様の効果が得られるため、上記に示した第2コーティング層12の材料に導電性フィラーを添加することにより比誘電率を上げた材料、例えばカーボンブラックを添加したシリコーンゴムなども第1コーティング層11の材料として使用可能である。
図3は、図2に示した半導体装置において、接着力を説明する断面模式図である。図3に示すように、第1部材3と第1コーティング層11との間の接着力をF1、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の接着力をF2としたとき、F1よりF2を大きくしている。このような接着力の関係を実現する方法として、例えば、第1コーティング層11をディスペンス法で塗布した後に半硬化させた、その上に第2コーティング層12を同じくディスペンス法で塗布し、第1コーティング層11と第2コーティング層12とを同時硬化させる方法がある。このような方法では、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の化学結合が促進され、F1よりF2が大きくなる。
より確実に上記のような接着力の関係を実現する方法として、次の4つの方法を挙げることができる。すなわち、半導体装置1を製造する際に上記のような接着力の関係を実現する方法として、例えば以下の4つの方法の少なくともいずれかを採用することができる。
(1)カップリング剤、接着剤の使用
第1コーティング層11を形成後、その表面にシランカップリング剤、トリアジンチオール化合物含有接着剤など塗布し、続けて第2コーティング層12を塗布して硬化させる。このような工程によって、第1コーティング層11と第2コーティング層12と間の架橋反応などの化学結合が確実に促進され、F1よりF2が大きくなる。シランカップリング剤を用いた場合、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間に存在するシリコン原子の濃度が、第1コーティング層11と第1部材3との間に存在するシリコン原子の濃度よりも高くなる。また、トリアジンチオール化合物含有接着剤を用いた場合、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間に存在する硫黄原子の濃度が、第1コーティング層11と第1部材3との間に存在する硫黄原子の濃度よりも高くなる。
(2)プラズマ照射による表面活性化
第1コーティング層11を形成後、その表面を希ガス・大気圧プラズマの照射により活性化する。その後第2コーティング層12を塗布して硬化させる。このような工程によって、第1コーティング層11と第2コーティング層12と間の架橋反応などの化学結合が確実に促進され、F1よりF2が大きくなる。このような方法を用いた場合、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の接着面の表面粗さが、第1コーティング層11と第1部材3との間の接着面の表面粗さよりも大きくなる。
(3)エッチング、櫛状治具による凹凸生成
第1コーティング層11を形成後、その表面にエッチングまたは櫛状治具で凹凸を形成する。その後第2コーティング層12を塗布して硬化させる。このような工程によって、第1コーティング層11と第2コーティング層12と間の接着面積が拡大され、F1よりF2が大きくなる。このような方法を用いた場合、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の表面粗さが、第1コーティング層11と第1部材3との間の表面粗さよりも大きくなる。
(4)やすり、サンドブラストによる表面荒らし加工
第1コーティング層11を形成後、その表面にやすりまたはサンドブラストで表面を荒らす。その後第2コーティング層12を塗布して硬化させる。このような工程によって、第1コーティング層11と第2コーティング層12と間の接着面積が拡大され、F1よりF2が大きくなる。このような方法を用いた場合、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の表面粗さが、第1コーティング層11と第1部材3との間の表面粗さよりも大きくなる。
なお、第1部材3と第1コーティング層11との間の接着力よりも、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の接着力を大きくする方法としては、上述の(1)〜(4)の方法以外でもよい。
上述のように、本実施の形態の半導体装置においては、第1コーティング層11の誘電率は、第2コーティング層12の誘電率よりも高くしており、第1コーティング層11の持つ容量が第2コーティング層12より十分高いとき、第1コーティング層11は隣接する第1部材3とほぼ同電位となる。また、第1部材3と第1コーティング層11との間の接着力(F1)より、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の接着力(F2)を大きくしている。
パワーモジュールなどの半導体装置は、高電圧・大電流での長時間駆動や高温高湿環境での駆動など、第1部材3と第1コーティング層11との間、あるいは第1コーティング層11と第2コーティング層12との間に一部剥離が生じるような環境下で用いられる場合がある。本実施の形態の半導体装置においては、第1部材3と第1コーティング層11との間の接着力(F1)より、第1コーティング層11と第2コーティング層12との間の接着力(F2)を大きくしているので、一部剥離が生じたとしても、第1部材3と第1コーティング層11との間で先に剥離が生じる。第1コーティング層11は隣接する第1部材3とほぼ同電位となっているので、第1部材3と第1コーティング層11との間に一部剥離が生じても、その剥離の空間に大きな電界差は生じない。したがって、その剥離は部分放電の起点とはならない。
このように、本実施の半導体装置においては、高電圧電極の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生を抑制することができ、その結果長期的な絶縁信頼性を確保することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を備えるが、第1コーティング層11の体積抵抗率が第2コーティング層12の体積抵抗率より低いことが特定されている点で異なる。
本実施の形態においては、実施の形態1で示した第1コーティング層を構成する材料に、カーボンブラックなどの導電性フィラーを添加した材料を用いて第1コーティング層を構成したものである。第1コーティング層の電気伝導性は、導電性でも半導電性でもよい。より具体的には、第1コーティング層の体積抵抗率は1010Ω・cm以下とし、第2コーティング層の体積抵抗率は1012Ω・cm以上とする。第1コーティング層の体積抵抗率が小さいほど、第1コーティング層の電位と隣接する第1部材3の電位とをより確実に同電位とすることができ、第2コーティング層の体積抵抗率が大きいほど、第2コーティング層の絶縁性が確実なものとなる。しかし、第1コーティング層の抵抗と第2コーティング層の抵抗との差が大きいと、第1コーティング層と第2コーティング層との間の電位差が大きくなるので、これら第1および第2コーティング層の各厚みおよび各体積抵抗率は、半導体装置の駆動周波数や駆動電圧により適宜設定される。
第1コーティング層の材料選定のための計算例について以下に述べる。第1コーティング層は、半導体装置の駆動電圧の立ち上がり時間(印加される電圧がゼロからピーク値に達するまでの時間)よりも短い時定数をもつ材料を選定する必要がある。この時定数は材料の誘電率と体積抵抗率との積であり、例えば、60Hzの正弦波で駆動される半導体装置の場合、駆動電圧の立ち上がり時間4msecよりも短い時定数をもつ材料を第1コーティング層の材料として選定する。また、2kHzの正弦波で駆動される半導体装置の場合、駆動電圧の立ち上がり時間0.125msecよりも短い時定数の材料を第1コーティング層の材料として選定する。一方、第2コーティング層を構成する材料の時定数は、駆動電圧の立ち上がり時間よりも短くてもよいし長くてもよい。第1コーティング層を構成する材料の時定数は、例えば第2コーティング層を構成する材料の時定数以下とされている。
上述のように、第1コーティング層を構成する材料の誘電率は、第2コーティング層を構成する材料の誘電率よりも高い。そのため、上記のような第1コーティング層を構成する材料の時定数を実現するためには、第1コーティング層の体積抵抗率は第2コーティング層の体積抵抗率よりも低いのが好ましい。
このように構成された半導体装置においては、実施の形態1と同様に、高電圧電極の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生を抑制することができ、その結果長期的な絶縁信頼性を確保することができる。さらに、上述のように、実施の形態2に係る半導体装置は、第1コーティング層を構成する材料の時定数が半導体装置の駆動電圧の立ち上がり時間よりも短く設けられているため、例えば高周波信号で駆動される場合にも応答性を損なうことなく、上記効果を奏することができる。よって、実施の形態2に係る半導体装置は、特に高周波信号が入出力される半導体装置に好適である。
実施の形態3.
図4は、この発明を実施するための実施の形態3にかかる半導体装置の断面模式図である。また、図5は図4中の破線で囲まれた領域Xの部分拡大図である。図4および図5において、本実施の形態の半導体装置1は、半導体チップ2と、第1部材3と、絶縁基板4と、第2部材5と、放熱ベース板6とを備えている。第2部材5の絶縁基板4に対抗する面と反対の面にははんだ層9が配置されており、このはんだ層9を介して第2部材5は放熱ベース板6と電気的および機械的に接続されている。ここまでの構成は、実施の形態1と同様である。
図4および図5に示されるように、本実施の形態に係る半導体装置1は、第1コーティング層11および第2コーティング層12に代えて、第3コーティング層13および第4コーティング層14を備えている点で、実施の形態1に係る半導体装置1と異なる。
第3コーティング層13は、第2部材5の第6面5C(側面)および絶縁基板4の一方の面までを覆うように配置されている。異なる観点から言えば、第3コーティング層13は、第2部材5の上記外周端部5E、すなわち絶縁基板4と第2部材5との接続境界部を覆うように形成されている。好ましくは、第3コーティング層13は、第2部材5とはんだ層9との接続境界部5Fを覆うように形成されている。第2部材5の第5面5Bの全面は、はんだ層9と接続されている。上記他方の面を平面視したときに、はんだ層9と第3コーティング層13との接続境界部13Aは第2部材5の外周端部5Eよりも内側に配置されており、絶縁基板4と第3コーティング層13との接続境界部13Bは第1部材3の外周端部3Eよりも外側に配置されている。
第4コーティング層14は、はんだ層9から第3コーティング層13の表面および絶縁基板4の一方の表面までを覆うように配置されている。異なる観点から言えば、第4コーティング層14は、絶縁基板4と第3コーティング層13との接続境界部13Bと、はんだ層9と第3コーティング層13の接続境界部13Aとを覆うように形成されている。
第3コーティング層13および第4コーティング層14は封止材7で充填されたケース8に収納されている。封止材7は、放熱ベース板6とケース8とで密閉された空間に充填されている。
第3コーティング層13を構成する材料は、第4コーティング層14を構成する材料と比べて誘電率が高い。第3コーティング層13を構成する材料は、実施の形態1または実施の形態2に示した第1コーティング層11を構成する材料と同じである。また、第4コーティング層14を構成する材料は、実施の形態1または実施の形態2に示した第2コーティング層12を構成する材料と同じである。例えば、第3コーティング層13は半導電性を有し、第4コーティング層14は絶縁性を有する。
さらに、第2部材5と第3コーティング層13との間の接着力をF3、第3コーティング層13と第4コーティング層14との間の接着力をF4としたとき、F4はF3よりも大きくされている。このような接着力の関係を実現する方法は、実施の形態1で説明した第1コーティング層および第2コーティング層の場合と同様である。例えば、第3コーティング層13と第4コーティング層14との間の接着面の表面粗さは、第3コーティング層13と第2部材5との間の接着面の表面粗さよりも大きい。あるいは、第3コーティング層13と第4コーティング層14との接着剤として、シランカップリング剤を用いた場合、第3コーティング層13と第4コーティング層14との間に存在するシリコン原子の濃度が、第3コーティング層13と第2部材5との間に存在するシリコン原子の濃度よりも高くなる。あるいは、上記接着剤としてトリアジンチオール化合物含有接着剤を用いた場合、第3コーティング層13と第4コーティング層14との間に存在する硫黄原子の濃度が、第3コーティング層13と第2部材5との間に存在する硫黄原子の濃度よりも高くなる。
このように構成された半導体装置1においては、第2部材5の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生を抑制することができ、その結果、長期的な絶縁信頼性を確保することができる。
実施の形態4.
図6は、この発明を実施するための実施の形態4に係る半導体装置の断面模式図である。また、図7は、図6中の破線で囲まれた領域VIIの部分拡大図である。図6および図7において、本実施の形態の半導体装置1は、半導体チップ2と、第1部材3と、絶縁基板4と、第2部材5と、放熱ベース板6とを備えている。第2部材5の絶縁基板4に対向する面と反対側の面にははんだ層9が配置されており、このはんだ層9を介して第2部材5は放熱ベース板6と電気的および機械的に接続されている。また、第1部材3の外周部には、第1部材3の第2面3B(表面)の外周端、第1部材3の第3面3C(側面)および絶縁基板4の一方の面までを覆う第1コーティング層11が配置されている。さらに、第1部材3の第2面3B(半導体チップ2が配置された側の表面)から第1コーティング層の表面および絶縁基板4の一方の表面までを覆う第2コーティング層12が配置されている。ここまでの構成は、実施の形態1と同様である。
図6および図7に示されるように、本実施の形態に係る半導体装置1は、第1コーティング層11および第2コーティング層12に加えて、第3コーティング層13および第4コーティング層14をさらに備えている点で、実施の形態1に係る半導体装置1と異なる。
本実施の形態における第3コーティング層13および第4コーティング層14は、実施の形態3に係る半導体装置1の第3コーティング層13および第4コーティング層14と同様の構成を有していればよい。
第3コーティング層13は、第2部材5の第5面5B(表面)の外周端、第2部材5の第6面5C(側面)および絶縁基板4の一方の面までを覆うように配置されている。第4コーティング層14は、はんだ層9から第3コーティング層13の表面および絶縁基板4の一方の表面までを覆うように配置されている。これらは封止材7で充填されたケース8に収納されている。封止材7は、放熱ベース板6とケース8とで密閉された空間に充填されている。
第1コーティング層11を構成する材料は、第2コーティング層12を構成する材料と比べて誘電率が高い。第3コーティング層13を構成する材料は、第4コーティング層14を構成する材料と比べて誘電率が高い。
第1コーティング層11および第3コーティング層13を構成する材料は、実施の形態1または実施の形態2に示した第1コーティング層を構成する材料と同じである。第2コーティング層12および第4コーティング層14を構成する材料は、実施の形態1または実施の形態2に示した第2コーティング層を構成する材料と同じである。
さらに、第2部材5と第3コーティング層13との間の接着力をF3、第3コーティング層13と第4コーティング層14との間の接着力をF4としたとき、F4はF3より大きくされている。このような接着力の関係を実現する方法は、実施の形態1で説明した第1コーティング層および第2コーティング層の場合と同様であり、例えば実施の形態3と同様の方法とすることができる。
このように構成された半導体装置1においては、実施の形態1や実施の形態3と同様に、第1部材3もしくは第2部材5の周辺の部材に一部剥離が生じても部分放電の発生を抑制することができ、その結果長期的な絶縁信頼性を確保することができる。
さらに、本実施の形態に係る半導体装置1は、絶縁基板4の第1部材3側と第2部材5側とで同等の構成を備えていることにより、第1コーティング層11と第2コーティング層12の界面、および第3コーティング層13と第4コーティング層14の界面のそれぞれに集中する電界を緩和することができる。その結果本実施の形態に係る半導体装置1は、長期的な絶縁信頼性をさらに高めることができる。
なお、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4に記載した半導体装置において、第1コーティング層11および第3コーティング層13は、体積抵抗率の低い導電性材料で構成してもよい。このように構成することで、第1コーティング層11の電位と隣接する第1部材3の電位、もしくは第3コーティング層13の電位と隣接する第2部材5の電位とをより確実に同電位とすることができる。
また、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4に記載した半導体装置において、第1部材3と第1コーティング層11の接着力F1と第1コーティング層と第2コーティング層12の接着力F2の大小関係(F1<F2)、もしくは第2部材5と第3コーティング層13の接着力F3と第3コーティング層13と第4コーティング層14の接着力F4の大小関係(F3<F4)はヒートサイクル試験後に分解調査することで確認できる。ヒートサイクル試験の温度範囲やサイクル数は規格や設計などによって異なるが、例えば、自動車向け半導体の信頼性試験についての規格であるAEC−Q101では、−55℃から半導体チップのジャンクション温度+25℃の温度範囲で1000サイクルと規定されており、半導体チップ2のジャンクション温度が150℃である場合、−55℃から175℃の温度範囲で1000サイクルと例示されている。
また、ヒートサイクル試験後に部分放電開始電圧を測定し、初期の部分放電開始電圧と比較してから分解調査して剥離位置を確認することで、第1部材3と第1コーティング層11の間の剥離もしくは第2部材5と第3コーティング層13の間の剥離に対する許容性があることを確認できる。
また、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4に記載した半導体装置において、第2部材5は、例えば半導体装置1の使用状態において接地されない導電部として設けられていてもよい。異なる観点から言えば、第2部材5は、例えば半導体装置1の使用状態において電圧が印加されない部材として設けられていてもよい。
また、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態4に記載した半導体装置において、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aは第1部材3の第3面3C上に配置されていてもよい。図8は、実施の形態1に係る半導体装置において、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11Aが第1部材3の第3面3C上に配置された構成を示す断面図である。図8に示されるように、このような第1コーティング層11も、第1部材3の外周端部3E、すなわち第1部材3と絶縁基板4との接続境界部を覆うように配置され得る。この場合も、第2コーティング層12は、第1部材3と第1コーティング層11との接続境界部11A、第1コーティング層11の表面、および絶縁基板4と第2コーティング層12との接続境界部12Bを覆うように配置されていればよい。第1部材3と第2コーティング層12との接続境界部12Aは、例えば第2面3B上に配置されている。なお、第1部材3と第2コーティング層12との接続境界部12Aは、例えば第3面3C上に配置されていてもよい。このような構成を備える半導体装置であっても、部分放電の発生確率が最も高い第1部材3の上記外周端部3Eと第1コーティング層11との間に一部剥離が生じた場合に、その剥離の空間に大きな電界差が生じることが抑制されているため、当該剥離が部分放電の起点となることが防止されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 半導体装置、2 半導体チップ、3 第1部材、4 絶縁基板、5 第2部材、6 放熱ベース板、7 封止材、8 ケース、9 はんだ層、11 第1コーティング層、12 第2コーティング層、13 第3コーティング層、14 第4コーティング層。

Claims (13)

  1. 絶縁性を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板の一方の表面に設けられており、かつ前記絶縁基板と対向する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面とを有する第1部材と、
    前記第2面に配置された半導体チップと、
    前記絶縁基板の他方の表面に設けられた第2部材と、
    前記第1部材の前記第1面の外周端部を覆う第1コーティング層と、
    前記第1部材と前記第1コーティング層との接続境界部、前記第1コーティング層の表面、および前記絶縁基板と前記第1コーティング層との接続境界部を覆う第2コーティング層と、
    前記絶縁基板、前記第1部材、前記半導体チップ、前記第2部材、前記第1コーティング層および前記第2コーティング層を封止する封止材とをさらに備え、
    前記第1コーティング層の誘電率は、前記第2コーティング層の誘電率よりも高く、
    前記第1コーティング層と前記第2コーティング層との間の接着力が、前記第1コーティング層と前記第1部材との間の接着力よりも高い、半導体装置。
  2. 絶縁性を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板の一方の表面に設けられており、かつ前記絶縁基板と対向する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面とを有する第1部材と、
    前記第2面に配置された半導体チップと、
    前記絶縁基板の他方の表面に設けられた第2部材と、
    前記第1部材の前記第1面の外周端部を覆う第1コーティング層と、
    前記第1コーティング層の表面を覆う第2コーティング層と、
    前記絶縁基板、前記第1部材、前記半導体チップ、前記第2部材、前記第1コーティング層および前記第2コーティング層を封止する封止材とをさらに備え、
    前記第1コーティング層の誘電率は、前記第2コーティング層の誘電率よりも高く、
    前記第1コーティング層と前記第2コーティング層との間の接着力が、前記第1コーティング層と前記第1部材との間の接着力よりも高く、
    前記第1コーティング層と前記第2コーティング層との間に存在するシリコン原子の濃度が、前記第1コーティング層と前記第1部材との間に存在するシリコン原子の濃度よりも高い、導体装置。
  3. 前記第1コーティング層と前記第2コーティング層との間に存在する硫黄原子の濃度が、前記第1コーティング層と前記第1部材との間に存在する硫黄原子の濃度よりも高い、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1コーティング層と前記第2コーティング層との間の表面粗さが、前記第1コーティング層と前記第1部材との間の表面粗さよりも大きい、請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記第1コーティング層は半導電性を有し、
    前記第2コーティング層は絶縁性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記第1部材は、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面をさらに有し、
    前記第1コーティング層は、前記第1部材の前記第3面の全体を覆う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記第2部材は、前記絶縁基板と対向する第4面と、前記第4面とは反対側に位置する第5面とを有し、
    前記第2部材の前記第4面の外周端部を覆う第3コーティング層と、
    前記第3コーティング層の前記表面および前記絶縁基板の前記一方の表面までを覆う第4コーティング層とをさらに備え、
    前記第3コーティング層および前記第4コーティング層は前記封止材に封止され、
    前記第3コーティング層の誘電率は、前記第4コーティング層の誘電率よりも高く、
    前記第3コーティング層と前記第4コーティング層との間の接着力が、前記第3コーティング層と前記第2部材との間の接着力よりも高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 絶縁性を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板の一方の表面に設けられており、かつ前記絶縁基板と対向する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面とを有する第1部材と、
    前記第1部材の前記第2面に配置された半導体チップと、
    前記絶縁基板の他方の表面に設けられており、かつ前記絶縁基板と対向する第4面と、前記第4面とは反対側に位置する第5面とを有する第2部材と、
    前記第2部材の前記第4面の外周端部を覆う第3コーティング層と、
    前記第3コーティング層の表面を覆う第4コーティング層と、
    前記絶縁基板、前記第1部材、前記半導体チップ、前記第2部材、前記第3コーティング層および前記第4コーティング層を封止する封止材とを備え、
    前記第3コーティング層の誘電率は、前記第4コーティング層の誘電率よりも高く、
    前記第3コーティング層と前記第4コーティング層との間の接着力が、前記第3コーティング層と前記第2部材との間の接着力よりも高い、半導体装置。
  9. 前記第3コーティング層と前記第4コーティング層との間に存在するシリコン原子の濃度が、前記第3コーティング層と前記第2部材との間に存在するシリコン原子の濃度よりも高い、請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記第3コーティング層と前記第4コーティング層との間に存在する硫黄原子の濃度が、前記第3コーティング層と前記第2部材との間に存在する硫黄原子の濃度よりも高い、請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
  11. 前記第3コーティング層と前記第4コーティング層との間の表面粗さが、前記第3コーティング層と前記第2部材との間の表面粗さがよりも大きい、請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
  12. 前記第3コーティング層は半導電性を有し、
    前記第4コーティング層は絶縁性を有する、請求項7〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
  13. 前記第2部材は、前記第4面と前記第5面とを接続する第6面をさらに有し、
    前記第3コーティング層は、前記第2部材の前記第6面の全体を覆う、請求項7〜12のいずれか1項に記載の半導体装置。
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