JP6788766B1 - 塗布ノズル - Google Patents

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    • B05B5/00Electrostatic spraying apparatus; Spraying apparatus with means for charging the spray electrically; Apparatus for spraying liquids or other fluent materials by other electric means
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Abstract

エレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧するエレクトロスプレー用の塗布ノズルは、本体部と、前記本体部に固定された電極部と、前記電極部が挿通されるものであって、当該電極部との間に液体流路を形成する筒状部と、を備え、前記筒状部は、前記電極部の軸方向に沿って移動可能に構成されている。

Description

本開示は、いわゆるエレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧するエレクトロスプレー用の塗布ノズルに関する。
エレクトロスプレー用の塗布ノズルは、電極部と筒状部との間の流路を通過し先端部において液だまりとなった液体を、当該塗布ノズルと対向電極との間に高電圧を印加することで過剰な電荷を帯びた微細な液滴にし、対向電極に向けて噴霧させる構成となっている。エレクトロスプレーイオン化法は、静電霧化とも称されるエレクトロスプレー現象を利用した液体噴霧技術であり、キャピラリー先端部から漏出する液体と対向電極との間に高電圧を印加することにより、液体を過剰な電荷を帯びた微細な液滴にして対向電極に向けて噴霧させる技術である。近年、エレクトロスプレーイオン化法による液体噴霧技術は、有機ELや生体高分子の基板上へのコーティング、ナノメートルサイズのファイバーの形成、静電塗装、質量分析計における試料導入等に応用範囲が拡大している。
この種の塗布ノズルにおいては、筒状部の先端からの電極部の突出長さを調整することによって、塗布ノズルの先端に形成される液だまり、いわゆるテイラーコーンの安定化を図ることができ、液体の微細化および噴霧を良好に行うことができる。例えば特許文献1には、円筒状のノズル内において、電極部である心棒を移動可能に設けた構成が開示されている。この構成によれば、ノズル内において心棒を移動させることによって、ノズルの先端からの心棒の突出長さを調整することができ、形成されるテイラーコーンの安定化を図ることができ、ひいては、液体の微細化および噴霧を良好に行うことができる。
特許第6589280号公報
しかしながら、上述した従来構成では、電極部である心棒が移動する構成であることから、その移動によって当該心棒と電源供給部との接触抵抗の変動が、当該心棒への高電圧の印加に影響を及ぼしやすく、従って、形成されるテイラーコーンの安定化が不十分となるおそれがある。さらには、当該心棒が移動することにより、当該心棒の先端と対向電極との距離が変動し、これに伴い、ワーキングディスタンス、つまり、ノズルの先端部と対向電極との間の距離が変動し、形成されるテイラーコーンの安定化に影響を及ぼしやすい。また、上述した従来構成では、心棒を移動させるための機構部、換言すれば、心棒を支持するための機構部をノズルの後方に設けた構成となっている。従って、心棒をノズルに対して同軸状に維持することが困難である。
そこで、本開示は、筒状部の先端からの電極部の突出長さの調整を、電極部と電源供給部との接触抵抗の変動の影響を受けることなく行うことができ、さらには、ワーキングディスタンスの変動を伴うことなく行うことができ、また、筒状部の先端からの電極部の突出長さを調整可能に構成しながらも、電極部を筒状部に対して同軸状に維持しやすくできるようにした塗布ノズルを提供する。
本開示に係る塗布ノズルは、エレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧するエレクトロスプレー用の塗布ノズルであって、本体部と、前記本体部に固定された電極部と、前記電極部が挿通されるものであって、当該電極部との間に液体流路を形成する筒状部と、を備え、前記筒状部は、前記電極部の先端よりも後側において、前記電極部の軸方向に沿って移動可能に構成されており、対向電極と前記電極部との距離を変動させることなく、前記筒状部の先端からの前記電極部の突出長さを調整可能である
この構成によれば、電極部を移動可能に設けるのではなく、筒状部を電極部の軸方向に沿って移動可能に設けたので、電極部を不動としたまま筒状部を移動させることで、筒状部の先端からの電極部の突出長さを調整することができる。よって、当該電極部と電源供給部との接触抵抗の変動の影響を受けることなく、高電圧の印加を行うことができる。さらには、筒状部の先端からの電極部の突出長さを、対向電極と電極部との距離を変動させることなく調整することができ、従って、筒状部の先端からの電極部の突出長さの調整をワーキングディスタンスの変動を伴うことなく行うことができる。また、電極部に対し筒状部を移動させるための構成は、電極部の後方ではなく外周に設けることができるので、電極部を筒状部に対して同軸状に維持しやすくできる。
本実施形態に係るエレクトロスプレーイオン化法による塗布システムの構成例を概略的に示す図 本実施形態に係るエレクトロスプレー用の塗布ノズルの構成例を概略的に示す斜視断面図 本実施形態に係る電極部ユニットの構成例を概略的に示す斜視断面図 本実施形態に係る筒状部ユニットの構成例を概略的に示す斜視断面図 本実施形態に係るエレクトロスプレー用の塗布ノズルの先端部の構成例を概略的に示す縦断断面図 本実施形態に係るエレクトロスプレー用の塗布ノズルの構成例を概略的に示す正面図
以下、エレクトロスプレー用の塗布ノズルに係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する塗布システムSは、塗布ノズル10を主体として構成されている。この塗布ノズル10は、エレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧するエレクトロスプレー用の塗布ノズルであり、当該塗布ノズル10の前方に存在する対向電極100に配線ケーブル101を介して接続される。配線ケーブル101の途中には、高電圧を発生する周知の高電圧発生装置102が介在されている。高電圧発生装置102は、電源供給部の一例である。また、塗布ノズル10には、当該塗布ノズル10に液体を供給する周知の液体供給装置103が接続される。図2に例示するように、塗布ノズル10は、本体部20、電極部ユニット30、筒状部ユニット40、付属部材50を備えている。
本体部20は、例えば樹脂などの電気絶縁性の材料で構成されており、全体として長尺なほぼ円筒状をなしている。本体部20は、径大部21および径小部22を有している。径大部21は、本体部20の後部を形成している。一方、径小部22は、本体部20の前部および前後方向の中間部を形成している。本体部20の後部、この場合、径大部21には、当該本体部20、ひいては、塗布ノズル10全体を図示しない設置部に設置するための設置アーム部60が設けられている。
また、本体部20の前端部、この場合、径小部22の前端部には、例えば金属などの導電性の材料で構成された連結部材23が備えられている。連結部材23は、その軸心部に貫通孔23aを有している。また、連結部材23の前部には、電極部ユニット30を保持するための円筒状の保持部23bが設けられている。保持部23bの径寸法は、貫通孔23aの径寸法よりも経大となっている。また、連結部材23の後面には、貫通孔23aを避けた位置に凹部23cが設けられている。この場合、凹部23cは、貫通孔23aの上部に位置して設けられている。
本体部20の内部には、液体供給路24および電圧供給路25が設けられている。液体供給路24は、本体部20の後部に設けられている液体供給口24aから本体部20の前部に向かって延び、その先端部が連結部材23の貫通孔23aに差し込まれている。この場合、液体供給路24の途中部は、後方から前方に向かって徐々に上昇するように傾斜している。液体供給口24aには、液体供給装置103が接続される。これにより、液体供給装置103から供給される液体が液体供給口24aを介して液体供給路24内に供給される。
電圧供給路25は、本体部20の後部に設けられている電圧供給口25aから本体部20の前部に向かって延び、その先端部が連結部材23の凹部23cに差し込まれている。この場合、電圧供給路25は、後方から前方に向かって直線状に延びる例えば金属製の棒状部材25bと、例えば金属製のばね部材25cと、を備えている。棒状部材25bは、その後部が電圧供給口25aに接続されている。ばね部材25cは、棒状部材25bの先端部に取り付けられ、且つ、連結部材23の凹部23cに嵌め込まれている。電圧供給路25には、高電圧供給装置102が接続される。これにより、高電圧供給装置102から供給される高電圧が電圧供給口25aを介して電圧供給路25に供給される。
電極部ユニット30は、電極部の一例であり、本体部20の前端部に連結部材23を介して固定されている。図3にも例示するように、電極部ユニット30は、電極本体部31、電極保持部32、ユニットベース部33を有している。
電極本体部31は、例えば金属などの導電性の材料で構成されている。電極本体部31の前部31aは、先端部がいわゆる砲弾状に尖った形状に形成されている。即ち、電極本体部31の先端部は、全体として尖った形状ではあるものの、緩やかな丸みを有する形状となっている。また、電極本体部31の中間部31bは、砲弾状の前部31aよりも径大となっており、その周面の一部、この場合、径方向に対向する2か所が面状に切除された面状部31cとなっている。また、電極本体部31の後部31dは、前部31aよりも径大かつ中間部31bよりも径小な円柱状に形成されている。
電極保持部32は、例えば金属などの導電性の材料で構成されており、その全体が円筒状に形成されている。そして、電極本体部31は、この電極保持部32内に圧入されることによって保持されている。即ち、電極本体部31は、その中間部31bのうち面状に切除されていない円弧状の部分が電極保持部32の内面に圧接されることによって、電極保持部32内に保持されるようになっている。
ユニットベース部33は、例えば金属などの導電性の材料で構成されており、その軸心部に貫通孔33aを有している。また、ユニットベース部33の前部には、円筒状の保持部33bが設けられている。保持部33bの径寸法は、貫通孔33aの径寸法よりも経大となっている。電極本体部31を保持する電極保持部32は、その後部がユニットベース部33の保持部33b内に圧入される。これにより、ユニットベース部33は、電極本体部31が圧入固定された電極保持部32を強固に保持する。また、図5に例示するように、ユニットベース部33の外周面、この場合、その前部を構成する保持部33bの外周面には、後述する可動本体部41のねじ山部41cが螺合されるねじ山部33cが設けられている。
このように構成される電極部ユニット30によれば、電極本体部31の先端部31aは、電極保持部32の前端から突出した構成となっている。また、図5に例示するように、電極保持部32の内部においては、当該電極保持部32の内面と電極本体部31の中間部31bのうち面状部31cおよび後部31dの外周面との間に隙間が形成された構成となっている。また、その隙間は、ユニットベース部33の貫通孔33aに連通した構成となっている。また、電極本体部31の後部31dは、電極保持部32の後端よりも若干前側の位置まで延びている。即ち、電極保持部32内は、その殆どのスペースが電極本体部31の中間部31bおよび後部31dによって埋められており、電極保持部32の内面と電極本体部31の中間部31bおよび後部31dとの間に形成された僅かな隙間が、液体が流通可能な中継流路R1として機能するようになっている。この中継流路R1は、液体供給流路の一例である。
図4に例示するように、筒状部ユニット40は、筒状部の一例であり、可動本体部41、筒状ピース42を備えている。可動本体部41は、例えば金属などの導電性の材料で構成されており、電極部ユニット30に対し軸方向に沿って移動可能に構成されている。即ち、図5に例示するように、可動本体部41の後部の内周面には、ユニットベース部33の外周面に設けられているねじ山部33cに螺合するねじ山部41cが設けられている。よって、可動本体部41は、ねじ山部33cとねじ山部41cとの螺合構造に基づき、電極部ユニット30に対し軸方向に沿って移動可能に構成されている。なお、ねじ山部41cは、シール部材70を封入する蓋部材80の外周面にも螺合される。
可動本体部41の後部には、円筒状の円筒部41aが設けられている。この円筒部41aの内周面には、上述したねじ山部41cが設けられており、このねじ山部41cは、電極部ユニット30の保持部33bに設けられているねじ山部33cに螺合される。また、可動本体部41の前部には、円筒状の円筒部41bが設けられている。この円筒部41bには、電極部ユニット30の電極保持部32が嵌め込まれている。円筒部41bは、円筒部41aよりも径小となっている。
筒状ピース42は、例えば金属などの導電性の材料で構成されている。筒状ピース42は、全体として筒状に形成されている。また、筒状ピース42の後部には、円板状の円板部42aが設けられている。筒状ピース42は、この円板部42aが可動本体部41の先端部に圧入されることによって、筒状部ユニット40の先端部に強固に固定されている。そして、筒状ピース42内には、電極部ユニット30の電極本体部31の先端部31aが挿通されている。
ここで、筒状ピース42のうち円板部42aを除く部分、この場合、円板部42aよりも前側の部分の径寸法は、電極本体部31の先端部31aの径寸法よりも若干大きくなっている。これにより、図5に例示するように、筒状ピース42は、当該筒状ピース42の内周面と電極本体部31の先端部31aの外周面との間に液体流路R2を形成する。そして、上述した電極部ユニット30が形成する中継流路R1は、この液体流路R2に連通しており、当該液体流路R2に液体を供給する液体供給流路の一例として機能する。
また、電極部ユニット30と筒状部ユニット40との間には、例えばOリングなどで構成されるシール部材70が備えられている。シール部材70は、支持部の一例であり、この場合、電極部ユニット30の電極保持部32の外周面と筒状部ユニット40の可動本体部41の内周面との間をシールしている。このシール部材70は、基本的には、液体や微細化された液体のミストが内部に浸入することを抑制するためのシール機能を発揮するものである。しかし、このシール部材70は、図6に例示するように、筒状ピース42の内部において電極本体部31、特に当該電極本体部31の先端部31aを当該筒状ピース42と同軸状に支持する機能も発揮するものとなっている。
付属部材50は、例えば樹脂材料などの電気的な絶縁材料で構成されており、本体部20に対し電極部ユニット30の軸方向に沿って移動可能に構成されている。即ち、付属部材50は、例えば樹脂などの電気絶縁性の材料で構成されており、全体として長尺なほぼ円筒状をなしている。図2に例示するように、付属部材50は、径大部50aおよび径小部50bを有している。径大部50aは、付属部材50の前後方向の中間部および後部を形成している。径小部50bは、付属部材50の前後方向の前部を形成している。径小部50bの内周面は、凹凸を有しない平滑な面となっている。そして、この径小部50bには、筒状部ユニット40、この場合、当該筒状部ユニット40の一部を構成する可動本体部41の後部が挿入されている。この場合、径小部50bの内周面と可動本体部41の後部の外周面との間には、例えばOリングなどで構成されるシール部材71が備えられている。可動本体部41および付属部材50は、このシール部材71による摩擦によって一体的に回転するように構成されている。
以上の構成例によれば、使用者が付属部材50を把持して周方向に回動させると、当該付属部材50とともに可動本体部41が周方向に回動する。そして、ねじ山部33cとねじ山部41cとの螺合に基づき、可動本体部41は、付属部材50とともにユニットベース部33に対し前後方向に移動する。即ち、塗布ノズル10は、付属部材50とともに可動本体部41を周方向に回動させることによって、ユニットベース部33に対し、可動本体部41、ひいては、筒状部ユニット40全体を電極部ユニット30の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
以上のように構成される塗布ノズル10によれば、液体供給装置103から供給される液体は、液体供給口24aを介して液体供給路24内に供給される。そして、液体供給路24内に供給された液体は、電極部ユニット30の貫通孔33aを介して中継流路R1内に供給される。そして、中継流路R1内に供給された液体は、さらに液体流路R2内に供給される。
また、高電圧供給装置102から供給される高電圧は、電圧供給口25aを介して電圧供給路25に供給される。そして、電圧供給路25に供給された高電圧は、連結部材23を介して、電極部ユニット30のユニットベース部33に供給される。そして、ユニットベース部33に供給された高電圧は、電極保持部32を介して電極本体部31に供給されるとともに、可動本体部41を介して筒状ピース42に供給される。即ち、塗布ノズル10によれば、電極部ユニット30の電極本体部31と筒状部ユニット40の筒状ピース42とが電気的に接続される構成となっている。
そして、このように構成される塗布ノズル10を用いてエレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧する場合には、液体供給装置103から液体供給路24、貫通孔33a、中継流路R1を介して液体流路R2内に液体を供給する。液体流路R2内に供給された液体は、電極本体部31の先端部および筒状ピース42の先端部、つまり、塗布ノズル10の先端部において液だまりを形成する。
そして、その状態で、塗布ノズル10と当該塗布ノズル10の前方に存在する対向電極100との間に高電圧供給装置102から直流の高電圧を印加すると、周知のエレクトロスプレー現象により、図1に例示するように、前述の液だまりが円錐形に変形し、いわゆるテイラーコーンが形成される。そして、そのテイラーコーンの先端から、帯電した微細な液滴が連続的に安定して噴霧されるようになる。
塗布ノズル10は、金属製の筒状ピース42の中心に金属製の電極本体部31を備えている。さらに、電極本体部31の先端部は、いわゆる砲弾形状となっており、筒状ピース42の先端開口部から突出している。このように構成される塗布ノズル10に高電位を与えた場合、塗布ノズル10の金属部分の表面は、帯電して対向電極100との間に向かう強電界を発生する。金属部分の表面上の電界は、曲率の大きい尖った部分ほど、また、負電位にある対向電極100に近いほど強くなる。そのため、先端近傍部分の表面が鋭く尖った形状となっている塗布ノズルによれば、電極の先端近傍部分の表面からコロナ放電が発生しやすくなる。コロナ放電が発生すると、電極表面の電圧が低下するとともに、電極表面の電圧が不安定となる。
これに対して、本実施形態に係る塗布ノズル10では、電極本体部31の先端部は、鋭く尖った形状ではなく、緩やかに尖ったいわゆる砲弾形状に形成されている。そのため、対向電極100との間に強電界が発生しても、電極本体部31の先端部からのコロナ放電は発生しにくい。
なお、電極本体部31の先端部の形状、いわゆる砲弾形状は、例えば、下記のように構成するとよい。即ち、砲弾形状は、長軸方向の直径と短軸方向の直径が例えば「3:1」の関係となる半楕円形状に形成するとよい。なお、砲弾形状は、長軸方向の直径と短軸方向の直径が例えば「2.5:1」〜「3.5:1」となる範囲において適宜調整することができる。
また、先端部が砲弾形状である電極本体部31によれば、エレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧する場合において、液体が電極本体部31の表面に沿って当該電極本体部31の先端部までスムーズに流れるようになる。特に、例えば、表面張力が30mN/mを超える液体、アルコール濃度が40パーセントよりも低い液体など、表面張力が比較的大きい液体を噴霧する場合に、テイラーコーンが良好に形成されやすい。
また、先端部が砲弾形状である電極本体部31によれば、当該電極本体部31と液体との接触面積が増加するため、当該電極本体部31から液体への電荷移動を増加させることができる。これにより、テイラーコーンがより形成されやすくなる。
よって、本実施形態に係る塗布ノズル10によれば、電極の先端部が砲弾形状ではない構成のものに比べ、コロナ放電の発生リスクを抑えることができ、電極本体部31への印加電圧をさらに高くすることができる。これにより、電極本体部31から液体への電荷の移動を増大させることができ、液体の吐出量の増加を図ることができる。また、表面張力の大きい液体であっても、良好に噴霧することが可能となる。
また、本実施形態に係る塗布ノズル10によれば、電極本体部31と液体との接触面積を増加させることができる。これにより、電極本体部31から液体への電荷の移動を増大させることができ、液体の吐出量の増加を図ることができる。また、表面張力の大きい液体であっても、良好に噴霧することが可能となる。
本実施形態に係る塗布ノズル10によれば、電極本体部31を備える電極部ユニット30を移動可能に設けるのではなく、筒状ピース42を備える筒状部ユニット40を電極部ユニット30の軸方向に沿って移動可能に設けた。この構成によれば、電極部ユニット30の電極本体部31を不動としたまま筒状部ユニット40の筒状ピース42を移動させることで、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さを調整することができる。よって、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さを、対向電極100と電極本体部31との距離を変動させることなく調整することができ、従って、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さの調整を電界強度に影響を及ぼすことなく行うことができる。また、電極本体部31よりも外側に設けられる筒状ピース42を移動させるための構成、この場合、電極部ユニット30と筒状部ユニット40とを螺合させる構成は、電極部ユニット30の後方ではなく外周に設けることができる。そのため、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さの調整可能に構成しながらも、電極本体部31を筒状ピース42に対し同軸状に維持しやすくできる。
また、塗布ノズル10によれば、電極本体部31と電源供給部との接触抵抗の変動の影響を受けることなく、高電圧の印加を行うことができる。また、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さの調整を、ワーキングディスタンス、つまり、塗布ノズル10先端部と対向電極100との間の距離の変動を伴うことなく行うことができる。
また、塗布ノズル10によれば、筒状部ユニット40を回動させることによって、筒状ピース42の先端開口部から突出する電極本体部31の長さを調整可能である。この構成によれば、例えば液体の表面張力の大きさに応じて電極本体部31の突出長さ、換言すれば、筒状ピース42の前後方向の移動量を適宜調整することにより、どのような液体を噴霧する場合においても、塗布ノズル10の先端部において連続的に安定したテイラーコーンが形成されやすい状態を実現することができる。
また、塗布ノズル10によれば、筒状部ユニット40を回動させてねじ山部33cとねじ山部41cとの螺合を解除することによって、本体部20から筒状部ユニット40を容易に取り外すこともでき、例えば、電極本体部31の清掃や交換、筒状ピース42の清掃や交換といったメンテナンス作業を行いやすくすることができる。
また、塗布ノズル10によれば、液体流路R2に液体を供給するための中継流路R1が電極部ユニット30に備えられている。この構成によれば、液体流路R2が形成される電極部ユニット30の電極本体部31の外周部に液体を効率良く供給することができる。
また、塗布ノズル10によれば、筒状ピース42の内部において電極本体部31を当該筒状ピース42と同軸状に支持するシール部材70を備えている。この構成によれば、電極本体部31の外周部において液体流路R2を全周にわたって均一な大きさで形成することができ、電極本体部31の先端部および筒状ピース42の先端部への液体の供給を一層安定した状態で行うことができ、ひいては、形成されるテイラーコーンの一層の安定化を図ることができる。
また、塗布ノズル10によれば、シール部材70は、中継流路R1および液体流路R2への液体の流入口となる液体供給路24の先端部よりも前側に備えられている。この構成によれば、塗布ノズル10の極力先端側において電極本体部31と筒状ピース42との同軸度を高めることができる。よって、液体の供給を一層安定した状態で行うことができ、ひいては、形成されるテイラーコーンの一層の安定化を図ることができる。
また、塗布ノズル10によれば、基本的には液体の浸入を抑制するためのシール部材70を、電極本体部31と筒状ピース42との同軸度を確保するための部材として兼用している。この構成によれば、電極本体部31と筒状ピース42との同軸度を確保するための専用の部材を設ける必要が無く、部品点数の増加や構造の複雑化を回避することができる。
また、塗布ノズル10によれば、筒状部ユニット40には、使用者によって把持される把持部および本体部20を保護する保護部として機能する電気的な絶縁材料で構成された付属部材50が取り付けられている。この構成によれば、使用者は、付属部材50を回動操作することによって、筒状ピース42、ひいては、筒状部ユニット40全体の電極部ユニット30の軸方向に沿う移動を容易に行うことができる。よって、筒状ピース42の先端からの電極本体部31の突出長さの調整を、高電圧の印加中であっても安全に且つ容易に行うことができる。また、塗布ノズル10の本体部分を保護することができ、製品寿命の長期化を図ることができる。なお、塗布ノズル10は、付属部材50を備えない構成としてもよい。
また、塗布ノズル10によれば、筒状部ユニット40は、可動本体部41に筒状ピース42が圧入により固定された構成となっている。この構成によれば、可動本体部41、筒状ピース42という複数の部材からなる筒状部ユニット40を一体の部品として取り扱うことができ、組み立てや交換などの作業を行いやすくできる。
また、塗布ノズル10によれば、電極部ユニット30は、電極本体部31が圧入により固定された電極保持部32を、ユニットベース部33に固定した構成となっている。この構成によれば、電極本体部31、電極保持部32、ユニットベース部33という複数の部材からなる電極部ユニット30を一体の部品として取り扱うことができ、組み立てや交換などの作業を行いやすくできる。
なお、本開示は、上述した一実施形態に限られるものではなく、例えば、次のように拡張または変更することができる。例えば、電極部ユニット30は、電極保持部32の内部において電極本体部31よりも後部に空間を備える構成としてもよい。また、筒状ピース42は、金属ではなく、例えばガラスなどの非導電性材料により構成してもよい。筒状ピース42を非導電性材料で構成することにより、筒状ピース42の先端部近くでのコロナ放電の発生を一層抑制することができる。また、電極本体部31の先端部の形状は、砲弾形状に限られず、適宜変更して実施することができる。また、電極本体部31の太さも、適宜変更して実施することができる。また、液体としては、例えばアルコール水溶液といった導電性の液体など種々の液体を適用することができる。また、塗布ノズル10に印加する電圧の大きさは、例えば、噴霧する液体の性質などに応じて適宜調整するとよい。

Claims (6)

  1. エレクトロスプレーイオン化法により液体を噴霧するエレクトロスプレー用の塗布ノズルであって、
    本体部と、
    前記本体部に固定された電極部と、
    前記電極部が挿通されるものであって、当該電極部との間に液体流路を形成する筒状部と、
    を備え、
    前記筒状部は、前記電極部の先端よりも後側において、前記電極部の軸方向に沿って移動可能に構成されており、
    対向電極と前記電極部との距離を変動させることなく、前記筒状部の先端からの前記電極部の突出長さを調整可能である塗布ノズル。
  2. 前記電極部は、前記液体流路に液体を供給する液体供給流路を備えている請求項1に記載の塗布ノズル。
  3. 前記筒状部の内部において前記電極部を前記筒状部と同軸状に支持する支持部を備える請求項1または2に記載の塗布ノズル。
  4. 使用者によって把持される把持部および前記本体部を保護する保護部として機能する付属部材を備える請求項1から3の何れか1項に記載の塗布ノズル。
  5. 前記電極部は、
    電極本体部と、
    前記電極本体部を保持する電極保持部と、
    を備える請求項1から4の何れか1項に記載の塗布ノズル。
  6. 前記電極部の先端部は、半楕円形状である請求項1から5の何れか1項に記載の塗布ノズル。
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