以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場システムの全体構成の概略図を示している。遊技場内には多数の遊技機としてパチンコ機1及びスロットマシン2が設置されている。パチンコ機1に対応して玉貸出機3及び情報表示装置4が設置されており、スロットマシン2に対応してメダル貸出機5及び情報表示装置6が設置されている。玉貸出機3及びメダル貸出機5は遊技用装置に対応する。パチンコ機1、玉貸出機3及び情報表示装置4は、中継装置7及びLAN9を介して管理装置10と接続されており、スロットマシン2、メダル貸出機5及び情報表示装置6は、中継装置8及びLAN9を介して管理装置10と接続されている。尚、玉貸出機3は、中継装置7及びLAN9を介して管理装置10と接続されているだけでなく、中継装置7を介さずにLAN9を介して管理装置10と直接接続されていても良い。同様に、メダル貸出機5は、中継装置8及びLAN9を介して管理装置10と接続されているだけでなく、中継装置8を介さずにLAN9を介して管理装置10と直接接続されていても良い。又、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN9を介して管理装置10と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台のパチンコ機1やスロットマシン2が管理装置10の管理対象となっている。
管理装置10は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード11、モニタ12、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置10は、遊技機側(パチンコ機1、スロットマシン2、玉貸出機3、メダル貸出機5等)から送信される遊技信号を受信してパチンコ機1やスロットマシン2の遊技データ、会員登録されている会員の個人データ等を管理する。
図2は、パチンコ機1及び玉貸出機3の正面図を示している。パチンコ機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面13に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル14、上部受皿15、下部受皿16を有すると共に、盤面13に、液晶表示部17、普図入賞口18、第1始動口19、第2始動口20、大入賞口21を有する。又、上部受皿15には貸出ボタン及び返却ボタンが並設されている。
パチンコ機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口19は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口20は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口19、20への入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部17にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口20に保留がある場合は第1始動口19の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
(3)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/260であり、大当たり状態の終了後に確変状態(確変)となる大当たり状態(確変大当たり状態)の割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当たり状態が発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口18を開放する。
(4)対応するラウンドも大当たり抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口19に入賞した場合は4Rが55%であり、15Rが45%であるが、第2始動口20に入賞した場合は4Rが10%であり、15Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口19よりも第2始動口20の方が高く設定されている。尚、1Rの上限入賞数は9個であり、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(5)確変中は大当たり確率が1/74に向上すると共に、第2始動口20への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変状態は次回の大当たり状態まで継続するので、大当たり状態の終了後に大当たり状態でも確変状態でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり状態(通常大当たり状態)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
(6)第2始動口20は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たりとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒を1回であり、時短状態では5秒を2回である。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなること又は開放回数が増加することで第2始動口20の入賞率が高くなる。以上に例示した値は機種に応じて様々な値となり、例えば大当たり確率やラウンドの振分等が異なる。
パチンコ機1及び当該パチンコ機1に付設された周辺機器は、遊技者による遊技の進行に伴って以下の遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、パチンコ機1から送信される信号でも良い。
セーフ信号=パチンコ機1から送信される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。
始動信号=パチンコ機1から送信される始動入賞(特定の入賞)により変動(作動)する液晶表示部17(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に送信されるので、始動信号の受信に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート回数(スタート処理数)として特定する。尚、第1始動口19又は第2始動口20への入賞を示す信号としても良い。
大当たり信号=パチンコ機1から送信される大当たり期間を特定可能な信号である。大当たり中にレベル送信される状態信号であるので、大当たり信号の受信中を大当たり中として特定する。
特定状態信号=パチンコ機1から送信される特定状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口20の入賞率が向上する特定状態中(時短中)にレベル送信される状態信号であるので、特定状態信号の受信中を特定状態中として特定する。又、大当たり信号と特定状態信号の何れも受信していない期間を通常状態として特定する。
玉貸出機3は、各台計数機能を有する貸出機である。玉貸出機3は、パチンコ機1の遊技状態を示す状態表示部22、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払い出すための払出ボタン25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、ICカードが挿入されるカード挿入口27、パチンコ機1の下部受皿16の下方に位置する着脱可能な計数受皿28を有する。
図3は、玉貸出機3及び周辺の機能ブロック図を示している。玉貸出機3は、CPU29a、ROM29b、RAM29c、I/O29dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部29と、当該制御部29と接続された周辺部とを有する。制御部29は、各種処理プログラム(ソフトウェア)を実行するものであり、識別情報記憶手段、決定手段、通信手段、処理情報記憶手段、処理実行手段、受信手段、更新手段、再起動実行手段に対応する。周辺部としては、中継装置7との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部30、状態表示部22、液晶表示部24、払出ボタン25、貨幣投入口23に投入された貨幣の真贋を判定する貨幣処理部31、液晶表示部24上に設けられたタッチパネル32、ICカードがカード挿入口27に挿入されている状態で(受付中の状態で)当該ICカードに対する各種情報の読み書きを行うカードリーダライタ(カードRW)33、最大で10枚の一般カードをストック可能なカードストック部34、玉を払出ノズル26から払い出す払出部36、計数受皿28から流入する玉を計数する計数部37、電源遮断時でも動作可能な構成であって電源が遮断されている遮断時間を管理する遮断時間管理部38等である。I/F部30を介して信号の送受信を行う構成であるので、I/F部30も、通信手段、受信手段に対応する。
玉貸出機3は以下のように動作する。
(1)カードストック部34にストックしている一般カードの枚数(残り枚数)を検知する機能を有し、貨幣が貨幣投入口23に投入されると、その時点での残り枚数が1枚以上であることを条件として貨幣を受け付け、その投入された貨幣の金額である投入金額を残高としてRAM29cに記憶すると共に、その残高を液晶表示部24に表示する。この状態(残高がある状態)からパチンコ機1の貸出ボタンが操作されると、その貸出ボタンの操作に応じて残高の範囲内で1度数分に相当する玉数の玉をパチンコ機1内部の払出機構から貸し出す毎に貸出玉数を特定可能な売上信号を送信する。例えば貸出単価が4円であれば125玉を払い出し、貸出単価が1円であれば500玉を払い出す。このとき、パチンコ機1から玉貸出機3に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、RAM29cに記憶している残高及び液晶表示部24に表示させている残高から1度数分を減算する。売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが送信されるパルス信号であるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。尚、カードストック部34に一般カードを1枚もストックしていない、即ち、一般カードの残り枚数が0枚であるときには、貨幣の受け付けを禁止する。
(2)パチンコ機1の下部受皿16から落下した玉が計数受皿28で受けられると、その計数受皿28で受けられた玉が計数部36に流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を持玉数としてRAM29cに記憶すると共に、その持玉数を液晶表示部24に表示する。この状態(持玉数がある状態)から払出ボタン25が操作されると、その払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数分に相当する玉数の玉をパチンコ機1内部の払出機構から払い出す。このとき、RAM29cに記憶している持玉数及び液晶表示部24に表示させている持玉数から1度数分を減算すると共に、払い出した遊技媒体の数を示す払出玉数を特定可能な払出信号を送信する。尚、持玉数が1度数分に相当する玉数に満たない場合であれば、その1度数に満たない分の全ての玉数の玉をパチンコ機1内部の払出機構から払い出し、同様に、RAM29cに記憶している持玉数及び液晶表示部24に表示させている持玉数から1度数に満たない分を減算する。
(3)一般カードがカード挿入口27に挿入されると(受け付けられると)、一般カードに記録されている残高や持玉数をカードリーダライタ33により読み出し、その読み出した残高や持玉数をRAM29cに記憶する(一般カードからRAM29cへとデータを移行する)と共に液晶表示部24に表示する。このとき、一般カードに記録されている残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、一般カードの残高や持玉数のデータを消去する)。一般カードが受け付けられたときは、その一般カードから読み出した残高や持玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
(4)会員カードがカード挿入口27に挿入されると(受け付けられると)、会員カードに記録されている残金をカードリーダライタ33により読み出し、その読み出した残金をRAM29cに記憶する(会員カードからRAM29cへとデータを移行する)と共に液晶表示部24に表示する。このとき、会員カードに記録されている残金をゼロリセットする(初期化する、会員カードの残金のデータを消去する)。又、暗証番号の操作入力を条件として管理装置10の会員口座に記憶されている貯玉数を受信することで、会員カードに対応する貯玉数をもRAM29cに記憶すると共に液晶表示部24に表示する。会員カードが受け付けられたときは、会員カードから読み出した残金、その会員カードに対応する貯玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
(5)パチンコ機1の返却ボタンが操作されると、その返却ボタンが操作された時点での一般カードや会員カードの受け付け状態に応じて残高や持玉数を一般カードや会員カードに記録して発行する。返却ボタンが操作された時点で一般カードがカード挿入口27に挿入されており、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあれば(「0」でなければ)、RAM29cに記憶している残高や持玉数を当該一般カードに記録し(RAM29cから一般カードへとデータを移行し)、一般カードを発行する。このとき、RAM29cに記憶している残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残高や持玉数のデータを消去する)。一般カードを発行すると、カードを特定可能な一般IDと共に一般カードに記録した残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置10に送信し、一般カードに記録した残高や持玉数を管理装置10でも記憶して管理する。尚、一般カードや会員カードをカード挿入口27から発行するように構成されているので、カード挿入口27と制御部29とが発行手段に対応することも可能である。
(6)返却ボタンが操作された時点で会員カードがカード挿入口27に挿入されており、残金があれば、RAM29cに記憶している残金を当該会員カードに記録し(RAM29cから会員カードへとデータを移行し)、会員カードを発行する。又、返却ボタンが操作された時点で会員カードがカード挿入口27に挿入されており、持玉数があれば、RAM29cに記憶している持玉数を当該会員カードに記録せず(RAM29cから会員カードへとデータを移行せず)、会員カードを発行する。会員カードを発行すると、カードを特定可能な会員IDと共に会員カードに記録した残金や記録しなかった持玉数を特定可能な発行信号を管理装置10に送信し、会員カードに記録した残金や記録しなかった持玉数を管理装置10で記憶して管理する。即ち、持玉数を特定可能な発行信号を管理装置10に送信することで、持玉数を管理装置10の会員口座に貯玉数として記憶させる(RAM29cから会員口座へとデータを移行する)。このときも、RAM29cに記憶している残金や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残金や持玉数のデータを消去する)。
(7)返却ボタンが操作された時点で一般カード及び会員カードの何れもカード挿入口27に挿入されておらず、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあれば、その時点での一般カードの残り枚数が2枚以上であることを条件とし、そのうちの1枚の一般カードをカード移動機構(図示せず)によりカードリーダライタ33に繰り出し(セットし)、RAM29cに記憶している残高や持玉数を記録し(RAM29cから一般カードへとデータを移行し)、一般カードを発行する。このときも、RAM29cに記憶している残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残高や持玉数のデータを消去する)。又、この場合も、一般カードを発行すると、カードを特定可能な一般IDと共に一般カードに記録した残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置10に送信し、一般カードに記録した残高や持玉数を管理装置10でも記憶して管理する。
(8)一般カードがカード挿入口27に挿入されている状態で所定の合算操作が行われると、一般カードに記録されている残金や持玉数を会員カードの残金や管理装置10の会員口座の貯玉数に合算して記録する。即ち、一般カードがカード挿入口27に挿入されている状態で所定の合算操作が行われると、その一般カードに記録されている残金や持玉数をRAM29cに一旦退避し、一般カードの残金や持玉数をゼロリセットし、そのゼロリセットした一般カードをカード移動機構によりカードストック部34に回収する。そして、会員カードがカード挿入口27に挿入されると、RAM29cに退避しておいた残金を当該会員カードに記録されている残金に加算した値に上書き記録し、会員カードに対応する貯玉数を管理装置10から取得してRAM29cに退避しておいた持玉数に加算し、その貯玉数を加算した持玉数を特定可能な信号を管理装置10に送信し、会員カードを発行する。尚、このような一般カードから会員カードへの合算は許容するが、会員カードから一般カードへの合算は禁止する。
図4は、スロットマシン2及びメダル貸出機5の正面図を示している。スロットマシン2は、表示窓39を介して視認可能なリール40、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部41、液晶表示部42、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン43、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン44、メダルを投入するメダル投入口45、スタートレバー46、左ストップボタン47、中ストップボタン48、右ストップボタン49、払出数表示部50、クレジット数表示部51、受皿52を有する。
スロットマシン2は以下のように動作する。
(1)メダルが投入された状態でスタートレバー46が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、発生する乱数の中から1つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール40を始動(回転)させ、この状態で各ストップボタン47〜49が操作されると、対応するリール40の回転を停止させる。
(2)内部当選役のフラグに応じて各リール40の停止位置を決定するための停止テーブル(図示せず)に基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール40を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。引込制御は、各ストップボタン47〜49の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。
(3)ボーナス役としてのBB役及びRB役、小役、リプレイ役が設けられている。合計5本(表示窓39の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本、斜め方向の2本)の有効ラインが設けられており、遊技者によるストップボタン47〜49の操作により、これらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが内部当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したときに入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、又は対応する枚数のコインの払い出し(遊技価値の付与)を行う。BB状態は例えば300枚を越えるコインの払い出しにより終了し、RB状態は8回の入賞の発生により終了する。又、BB状態及びRB状態における1ゲーム当たりのコインの投入枚数は2枚となっている。
(4)BB役及びRB役の内部当選確率を設定値の変更により変更可能となっている。設定値は、スロットマシン2の遊技性能を調整するための調整情報であり、例えば1〜6の6段階に区分されており、従業員により何れか1つが選択されて使用される。スロットマシン2は、設定値が大きいほどボーナス役の当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなり、反対に、設定値が小さいほどボーナス役の当選確率が低くなり、それに伴って理論上の出率が小さくなる。即ち、設定値が大きいほど遊技者にとって有利であり、設定値が小さいほど遊技者にとって不利である。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていても良く、小役確率や他の条件等により出率を調整しても良い。
スロットマシン2は、遊技者による遊技の進行に伴って以下の遊技信号を送信する。
アウト信号=ゲームの開始操作に応じてベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分の消費価値(アウト)を特定可能な信号である。「アウト信号数×1」をアウトとして特定する。尚、リプレイ時にも、対応分が送信される。
セーフ信号=メダルを1枚付与する(払い出す)毎の入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。「セーフ信号数×1」をセーフとして特定する。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分が送信される。
BB(ビッグボーナス)信号=BB状態を特定可能なレベル信号である。BB信号の受信期間中をBB状態として特定する。
RB(レギュラーボーナス)信号=RB状態を特定可能なレベル信号である。管理装置10は、RB信号の受信期間中をRB状態として特定する。
メダル貸出機5は、前述した玉貸出機3と同様に、各台計数機能を有する貸出機である。メダル貸出機5は、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口53、ICカードが挿入されるカード挿入口54、メダルを払い出すための貸出ボタン55、挿入されたICカードを発券するための発券ボタン56、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴ってボーナスの発生状況等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部57、払い出されたメダルが通過する払出ノズル58、メダルが投入されるメダル投入口59を有する。
図5は、メダル貸出機5及び周辺の機能ブロック図を示している。メダル貸出機5は、CPU60a、ROM60b、RAM60c、I/O60dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部60と、当該制御部60と接続された周辺部とを有する。制御部60は、前述した玉貸出機3の制御部29と同様に各種処理プログラム(ソフトウェア)を実行するものであり、識別情報記憶手段、決定手段、通信手段、処理情報記憶手段、処理実行手段、受信手段、更新手段、再起動実行手段に対応する。周辺部としては、中継装置8との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部61、貸出ボタン55、発券ボタン56、液晶表示部57、貨幣投入口53に投入された貨幣の真贋を判定する貨幣処理部62、液晶表示部57上に設けられたタッチパネル63、ICカードがカード挿入口54に挿入されている状態で(受付中の状態で)当該ICカードに対する各種情報の読み書きを行うカードリーダライタ(カードRW)64、最大で10枚の一般カードをストック可能なカードストック部65、メダルを払出ノズル58から払い出す払出部66、メダル投入口59から流入するメダルを計数する計数部67、電源遮断時でも動作可能な構成であって電源が遮断されている遮断時間を管理する遮断時間管理部68等である。I/F部30を介して信号の送受信を行う構成であるので、I/F部61も、通信手段、受信手段に対応する。メダル貸出機5は、詳しい説明は省略するが、前述した玉貸出機3が玉の貸出や計数を行うのと同様に、メダルの貸出や計数を行う。
管理装置10は、CPU69a、ROM69b、RAM69c、I/O69dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部69と、中継装置7、8との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部70とを有する。
さて、前述した[発明が解決しようとする課題]で述べたように、遊技場システムでは、管理装置10において、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することが望ましい。この点を考慮し、管理装置10と玉貸出機3及びメダル貸出機5とは以下の態様にしたがって通信を行う。以下、管理装置10と玉貸出機3及びメダル貸出機5とが行う接続処理、更新処理、周期通信処理について順次説明する。
(1)接続処理
玉貸出機3は、電源が投入されると(A1)、管理装置10とのオンライン状態を確立するために接続処理を開始する。玉貸出機3は、接続処理を開始すると、遮断時間管理部38により管理されている遮断時間を取得し、前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間を取得する。玉貸出機3は、図6に示すように、前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間(例えば30秒)以上であると(A2)、管理装置10からの接続要求信号の受信を待機する。
管理装置10は、電源が投入されると、接続処理を開始し、接続要求信号の玉貸出機3への送信を所定周期(例えば10秒)で行う。管理装置10から玉貸出機3に送信される接続要求信号は、管理装置10が玉貸出機3に対して接続を要求するための情報(接続の要求先である玉貸出機3を特定可能な情報等)を含む信号である。
玉貸出機3は、管理装置10から接続要求信号を受信すると、接続信号を管理装置10に送信する。玉貸出機3から管理装置10に送信される接続信号は、玉貸出機3が管理装置10からの接続の要求に対して当該要求を受け入れたことを示す情報(自身を特定可能な情報等)を含む信号である。
管理装置10は、玉貸出機3から接続信号を受信すると、応答信号を玉貸出機3に送信する。管理装置10から玉貸出機3に送信される応答信号は、管理装置10が玉貸出機3からの要求の受け入れに対して応答したことを示す情報(応答先である玉貸出機3を特定可能な情報等)を含む信号である。
このように玉貸出機3と管理装置10とは、接続要求信号、接続信号、応答信号の順序にしたがって送受信を行うことでオンライン状態を確立する(A3)。玉貸出機3は、管理装置10と通信可能なオンライン状態を確立すると、玉の貸出に係る信号、玉の計数に係る信号、ICカードの受付に係る信号、ICカードの発行に係る信号等の各種信号を管理装置10と送受信する。
一方、玉貸出機3は、図7に示すように、前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間(例えば30秒)未満であると(A4)、遊技側要求信号を管理装置10に送信する。玉貸出機3から管理装置10に送信される遊技側要求信号は、玉貸出機3が管理装置10に対して自身への接続要求信号の送信を要求するための情報(接続要求信号の送信先である自身を特定可能な情報等)を含む信号である。
管理装置10は、玉貸出機3から遊技側要求信号を受信すると、接続要求信号を玉貸出機3に送信する。玉貸出機3は、管理装置10から接続要求信号を受信すると、接続信号を管理装置10に送信する。管理装置10は、玉貸出機3から接続信号を受信すると、応答信号を玉貸出機3に送信する。
このように玉貸出機3と管理装置10とが、遊技側要求信号、接続要求信号、接続信号、応答信号の順序にしたがって送受信を行うことで通信可能なオンライン状態を確立する(A5)。尚、この場合、今回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間以上であるか未満であるかに関係なく、接続要求信号、接続信号、応答信号の送受信を共通化しているので、オンライン状態を確立するまでの処理に関する情報量を低減することができる。又、玉貸出機3から管理装置10に送信される接続信号には、玉貸出機3のメモリ消去に要する時間やメモリ書込に要する時間の情報が含まれている。管理装置10は、玉貸出機3から受信する接続信号により玉貸出機3のメモリ消去に要する時間やメモリ書込に要する時間を特定し、メモリ消去に要する時間やメモリ書込に要する時間が経過するまで次の信号を当該玉貸出機3に送信しない。これは、玉貸出機3が自らのメモリ消去に要する時間やメモリ書込に要する時間を管理装置10に送信するものであり、本構成を採用することで、玉貸出機3のスペックが高くなったり低くなったりしてメモリ消去に要する時間やメモリ書込に要する時間が変更された場合でも、接続信号に含める内容を変更するのみで良く、管理装置10の通信設定の変更量を少なくするための工夫である。又、玉貸出機3がメモリ消去中やメモリ書込中に管理装置10から信号を受信すると、玉貸出機3のメモリ消去やメモリ書込の動作が不安定になる虞があるが、本構成を採用することで、玉貸出機3のメモリ消去やメモリ書込の動作を保証することもできる。
以上は、玉貸出機3と管理装置10との接続処理について説明したが、メダル貸出機5と管理装置10との接続処理についても同様である。即ち、メダル貸出機5において前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間(例えば30秒)以上であると、メダル貸出機5と管理装置10とが、接続要求信号、接続信号、応答信号の順序にしたがって送受信を行うことで通信可能なオンライン状態を確立する。一方、メダル貸出機5において前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間(例えば30秒)未満であると、メダル貸出機5と管理装置10とが、遊技側要求信号、接続要求信号、接続信号、応答信号の順序にしたがって送受信を行うことで通信可能なオンライン状態を確立する。
(2)更新処理
管理装置10は、図8に示すように、玉貸出機3及びメダル貸出機5と通信可能なオンライン状態を確立した後では(A11、B11)、例えば処理プログラムの改版やバグ修正等による更新処理の開始条件の成立を監視している。処理プログラムは処理情報に対応する。管理装置10は、例えば遊技場の管理者の指示を受けて遊技場内の全ての玉貸出機3及びメダル貸出機5を対象とする更新処理の開始条件が成立すると、更新処理を開始する。管理装置10は、更新処理を開始すると、更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3とメダル貸出機5との両方に一斉に送信せず、先に更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3に一斉に送信し、後から更新プログラム及び更新指示信号をメダル貸出機5に一斉に送信する。ここでいう更新プログラムは、処理プログラムを更新するための圧縮ファイル(インストール用のプログラム)であり、更新情報に対応する。
玉貸出機3は、管理装置10から更新プログラム及び更新指示信号を受信すると、その受信した更新プログラムにしたがって処理プログラムの更新を開始するが、処理プログラムの更新を正常終了すると、その正常終了した処理プログラムの更新を有効とするために再起動処理を実行する必要がある。玉貸出機3は、再起動処理を実行すると、電源が一旦遮断されて再投入された状態となり、前回の電源遮断から今回の電源投入までの経過時間が予め定められた時間(例えば30秒)未満となるので、前述した接続処理で説明したように遊技側要求信号、接続要求信号、接続信号、応答信号の順序にしたがって送受信を行う。ここで、全ての玉貸出機3が処理プログラムの更新の正常終了後に即座に再起動処理を実行するのはなく、玉貸出機3をグループ分けすることで、一のグループに属する玉貸出機3が他のグループに属する玉貸出機3と異なるタイミングで再起動処理を実行するように設定されている。
具体的には、玉貸出機3は、図9に示すように、付与されている台番の下一桁の数字に基づき、処理プログラムの更新を正常終了してからの待機時間を「台番の下一桁の数字×3秒」で計算し、処理プログラムの更新を正常終了してから待機時間経過後に再起動処理を実行する。即ち、「台番の下一桁の数字」に基づいて再起動処理を実行するタイミングを決定しており、台番及び当該台番の下一桁の数字は識別情報に対応し、待機時間を「台番の下一桁の数字×3秒」で計算することは通信タイミングを決定することに対応する。台番の下一桁の数字が「0」の玉貸出機3は、処理プログラムの更新を正常終了してから「0秒後」に(即座に)再起動処理を実行し、台番の下一桁の数字が「1」の玉貸出機3は、処理プログラムの更新を正常終了してから「3秒後」に再起動処理を実行し、台番の下一桁の数字が「2」の玉貸出機3は、処理プログラムの更新を正常終了してから「6秒後」に再起動処理を実行し、台番の下一桁の数字が「3」の玉貸出機3は、処理プログラムの更新を正常終了してから「9秒後」に再起動処理を実行し、以下、台番の下一桁の数字が「4」〜「9」の玉貸出機3も同様である。
即ち、上記したように管理装置10が先に更新プログラム及び更新指示を玉貸出機3に一斉に送信し、後から更新プログラム及び更新指示信号をメダル貸出機5に一斉に送信する構成では、管理装置10において、更新プログラム及び更新指示のメダル貸出機5に送信するタイミングと、更新プログラム及び更新指示を先に受信した玉貸出機3からの接続要求(遊技側要求信号の受信)を受け付けるタイミングとが重なる。その場合、全ての玉貸出機3が処理プログラムの更新の正常終了後に再起動処理を即座に実行すると、管理装置10において、全ての玉貸出機3からの遊技側要求信号を一斉に受信することになり、更新プログラム及び更新指示のメダル貸出機5に送信するタイミングと、全ての玉貸出機3からの接続要求を受け付けるタイミングとが重なり、玉貸出機3との通信による処理負荷が高くなり過ぎる。
これに対し、本実施形態では、玉貸出機3は、予め待機時間を「台番の下一桁の数字×3秒」で計算しておき、処理プログラムの更新を正常終了すると(A12)、その予め計算しておいた待機時間を取得し(A13)、その取得した待機時間経過後に(A14)、再起動処理を実行する(A15)。上記したように再起動処理を実行するタイミングを台番の下一桁の数字に基づいてグループ分けすることで、図10に示すように、台番の下一桁の数字が「0」の玉貸出機3、台番の下一桁の数字が「1」の玉貸出機3、台番の下一桁の数字が「2」の玉貸出機3、台番の下一桁の数字が「3」の玉貸出機3、…(略)…、台番の下一桁の数字が「9」の玉貸出機3の順序にしたがって再起動処理を実行する。このような構成により、管理装置10において、更新プログラム及び更新指示のメダル貸出機5に送信するタイミングと、更新プログラム及び更新指示を先に受信した玉貸出機3からの接続要求を受け付けるタイミングとが重なるが、玉貸出機3からの接続要求を受け付けるタイミングを分散することで、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
同様に、メダル貸出機5も、予め待機時間を「台番の下一桁の数字×3秒」で計算しておき、処理プログラムの更新を正常終了すると(B12)、その予め計算しておいた待機時間を取得し(B13)、その取得した待機時間経過後に(B14)、再起動処理を実行する(B15)。尚、管理装置10及び玉貸出機3は、信号を送信してから受信すべき次の信号を受信せずに予め定められた時間(例えば30秒)が経過すると、オフライン状態になる。
以上は、管理装置10において、先に更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3に一斉に送信し、後から更新プログラム及び更新指示信号をメダル貸出機5に一斉に送信する場合を説明したが、その送信の順序が入れ替わっても同様である。即ち、管理装置10において、先に更新プログラム及び更新指示信号をメダル貸出機5に一斉に送信し、後から更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3に一斉に送信する構成としても、更新プログラム及び更新指示を玉貸出機3に送信するタイミングと、更新プログラム及び更新指示を先に受信したメダル貸出機5からの接続要求を受け付けるタイミングとが重なるが、メダル貸出機5が再起動処理を実行するタイミングを台番の下一桁の数字に基づいてグループ分けし、メダル貸出機5からの接続要求を受け付けるタイミングを分散することで、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
又、以上は、管理装置10において、更新処理の対象が玉貸出機3及びメダル貸出機5の両方であり、更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3及びメダル貸出機5の両方に送信する場合について説明したが、更新処理の対象が玉貸出機3及びメダル貸出機5のうち何れか一方である場合でも、上記したように再起動処理を実行するタイミングを台番の下一桁の数字に基づいてグループ分けし、更新処理の対象とする玉貸出機3又はメダル貸出機5からの接続要求を受け付けるタイミングを分散することで、玉貸出機3又はメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
(3)周期通信処理
玉貸出機3は、図11に示すように、管理装置10と通信可能なオンライン状態を確立した後では(A21)、例えば営業モードに関する遊技情報を定期的に送信する周期通信処理の開始条件の成立を監視している。玉貸出機3は、オンライン状態を確立したことで周期通信処理の開始条件が成立すると、周期通信処理を開始する。玉貸出機3は、周期通信処理を開始すると、遊技情報の送信を行うが、全ての玉貸出機3が遊技情報の送信を一斉に行うのではなく、この場合も、玉貸出機3をグループ分けすることで、一のグループに属する玉貸出機3が他のグループに属する玉貸出機3と異なるタイミングで遊技情報の送信を行うように設定されている。
具体的には、玉貸出機3は、図12に示すように、オンライン状態を確立してからの待機時間を「台番の下一桁の数字と予め定められている基準時間とに基づく演算」で計算し、オンライン状態を確立してから待機時間経過後に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は基準時間経過毎に2回目以降の遊技情報の送信を行う。待機時間を「台番の下一桁の数字と予め定められている基準時間とに基づく演算」で計算することは通信タイミングを決定することに対応する。玉貸出機3は、基準時間を「5分00秒」とし、台番の下一桁に応じて「30秒」をn(nは整数)倍した時間を基準時間に対して付与した時間を待機時間として計算する。図13に示すように、台番の下一桁の数字が「0」の玉貸出機3は、nを「0」とすることで、オンライン状態を確立してから「5分00秒後」に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は「5分00秒経過毎」に2回目以降の遊技情報の送信を行う。台番の下一桁の数字が「1」の玉貸出機3は、nを「−1」とすることで、オンライン状態を確立してから「4分30秒後」に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は「5分00秒経過毎」に2回目以降の遊技情報の送信を行う。台番の下一桁の数字が「2」の玉貸出機3は、nを「−2」とすることで、オンライン状態を確立してから「4分00秒後」に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は「5分00秒経過毎」に2回目以降の遊技情報の送信を行う。台番の下一桁の数字が「6」の玉貸出機3は、nを「+1」とすることで、オンライン状態を確立してから「5分30秒後」に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は「5分00秒経過毎」に2回目以降の遊技情報の送信を行う。台番の下一桁の数字が「7」の玉貸出機3は、nを「+2」とすることで、オンライン状態を確立してから「6分00秒後」に1回目の遊技情報の送信を行い、その後は「5分経過毎」に2回目以降の遊技情報の送信を行う。以下、下一桁の数字が「3」〜「5」、「8」、「9」の玉貸出機3も同様である。
本実施形態では、玉貸出機3は、予め待機時間を「台番の下一桁の数字と予め定められている基準時間とに基づく演算」で計算しておき、オンライン状態を確立すると、その予め計算しておいた待機時間を取得し(A22)、その取得した待機時間経過後に(A23)、1回目の遊技情報の送信を行い、その後は基準時間経過後に(A24、A25、…)2回目以降の遊技情報の送信を行う。
この場合も、管理装置10において、玉貸出機3が遊技情報の送信を行うタイミングを台番の下一桁の数字に基づいてグループ分けして分散することで、玉貸出機3との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。以上は、玉貸出機3と管理装置10との周期通信処理について説明したが、メダル貸出機5と管理装置10との周期通信処理についても同様である。
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
遊技場システム1において、玉貸出機3及びメダル貸出機5に付与されている台番の下一桁の数字に基づき、玉貸出機3及びメダル貸出機5が管理装置10と通信を行う通信タイミングが変化するので、多数の玉貸出機3及びメダル貸出機5が管理装置10と同時に通信を行う頻度を低減することができる。これにより、管理装置10において、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷を分散することができ、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
又、管理装置10が更新プログラム及び更新指示信号を玉貸出機3及びメダル貸出機5に送信する更新処理において、玉貸出機3及びメダル貸出機5が再起動処理を実行するタイミングを分散することで、管理装置10が更新処理を実行する際に、管理装置10において、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
又、玉貸出機3及びメダル貸出機5が遊技情報を定期的に送信する周期通信処理において、玉貸出機3及びメダル貸出機5が遊技情報を定期的に送信するタイミングを分散することで、玉貸出機3及びメダル貸出機5が周期通信処理を実行する際に、管理装置10において、玉貸出機3及びメダル貸出機5との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。尚、以下に列挙する各変形例を適宜組み合わせても良い。
本実施形態では、パチンコ機1として玉を払い出すパチンコ機やスロットマシン2としてメダルを払い出すスロットマシンを例示したが、例えば玉が封入されており得点(遊技価値)を消費して玉を発射する封入式パチンコ機やメダルを使用することなく遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンに対応することも可能である。
本実施形態では、遊技用装置として玉貸出機3及びメダル貸出機5を例示したが、貸出機以外の装置を遊技用装置として採用することも可能であり、例えば情報表示装置4、6や島端に設けられた島端計数機を遊技用装置とする構成が考えられる。その場合、管理装置10において、情報表示装置4、6や島端計数機との通信による処理負荷を分散することができ、情報表示装置4、6や島端計数機との通信による処理負荷が高くなり過ぎることを抑制することができる。即ち、通信される遊技情報も例示したものに限定されることはなく任意に変更しても良い。
本実施形態では、識別情報として台番を用いてグループ分けする構成を例示したが、台番とは無関係に例えばAグループ、Bグループ、Cグループ等でグループ分けしたり、機種、スペック、遊技島単位、導入時期等の何れかの項目でグループ分けしたりしても良い。即ち、グループ(グループを特定可能な数字)、機種(機種を特定可能な数字)、スペック(スペックを特定可能な数字)、遊技島単位(遊技島の島番号を示す数字)、導入時期(導入月や導入日を示す数字)が識別情報に対応し、それらの数字に基づいて通信タイミングを決定しても良い。尚、機種やスペックを特定可能な数字は例えば型番等を採用すれば良い。
又、識別情報に基づく通信タイミングの決定方法を変更しても良く、例えば「台番の下一桁の数字×5秒」としても良い。又、上記したように台番とは無関係にグループ分けする場合であれば、待機時間を演算により設定せずに、待機時間を予め定められた設定値として設定しても良く、Aグループの待機時間を「10秒」と設定し、Bグループの待機時間を「20秒」と設定する等しても良い。
又、管理装置10のスペックを考慮して待機時間を設定しても良い。管理装置10の処理能力が比較的高く、管理装置10が玉貸出機3及びメダル貸出機5から受信する信号や遊技情報を処理する処理速度が比較的高ければ、待機時間を比較的短く設定しても良い。待機時間を比較的短く設定することで、管理装置10で所謂空き時間(処理負荷が極端に低下し、処理能力が極端に余っている時間)が発生する事態を回避し、処理負荷の変動を回避し、処理負荷を一定に保つことができ、管理装置10のスペックを有効に活用することができる。
本実施形態では、更新プログラムと処理プログラムとを異なるプログラムである場合を例示したが、更新プログラムと処理プログラムとを同じプログラムとしても良く、この場合、管理装置10が処理プログラム自体を玉貸出機3及びメダル貸出機5に送信することになる。
本実施形態では、周期通信における基準時間が「5分」である場合を例示したが、「5分」以外としても良い。又、一の貸出機から複数の遊技情報を分けて定期的に送信する、即ち、第1遊技情報を第1基準時間の周期で送信し、第2遊技情報を第2基準時間の周期で送信する構成でも、第1遊技情報及び第2遊技情報のそれぞれで1回目の送信を行うタイミングを分散しても良い。第1遊技情報と第2遊技情報とに区分する際には、例えば管理装置10が管理すべき必要性の高低を基準として区分すれば良く、第1遊技情報を、管理装置10に定期的に送信する必要性が比較的高く、即ち管理装置10が管理すべき必要性が比較的高い遊技情報とし、第2遊技情報を、管理装置10に定期的に送信する必要性が比較的低く、即ち管理装置10が管理すべき必要性が比較的低い遊技情報とすれば良い。
玉貸出機3及びメダル貸出機5と管理装置10とが送受信する遊技情報は、どのような遊技情報でも良く、例えば玉貸出機3及びメダル貸出機5が売上情報を5分周期で管理装置10に送信しても良い。又、玉貸出機3及びメダル貸出機5が遊技情報を管理装置10に送信する構成に限らず、管理装置10が遊技情報を玉貸出機3及びメダル貸出機5に送信する構成でも良く、例えば管理装置10において、パチンコ機1から大当たり状態を示す遊技情報を受信し、その受信した遊技情報を玉貸出機3に送信し、玉貸出機3において、管理装置10から受信した遊技情報に基づいて大当たり状態に関する表示を行う構成としても良い。