JP6787926B2 - 肺高血圧症の治療方法 - Google Patents

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Description

本発明は、肺高血圧症を治療するためにアリールピペラジン誘導体を用いる方法に関する。
肺高血圧症には、肺循環内の血圧が著しく上昇する様々な病態が集約している。定義では、平均肺動脈圧(mPAP)が、右心カテーテルによって測定して、25mmHgを超える場合に、肺高血圧症が診断される。肺動脈高血圧症(PAH)は、肺動脈閉塞が肺血管抵抗を増加させ、右室(RV)不全につながる症候群である。肺高血圧症は、次第に悪化し、時として致命的な重病である。最新の世界保健機関分類において、肺高血圧症(PH)の5つのカテゴリー:(1)PAH、(2)左側心疾患と関連するPH、(3)肺疾患/低酸素症と関連するPH、(4)血栓塞栓性PH、及び(5)種々雑多が存在する。全ての群において、肺動脈内の平均圧は、安静時に25mmHgより高いか、または身体活動中に30mmHgより高く、平均肺毛細血管楔入圧及び左室拡張末期圧は15mmHg未満である。正常な肺動脈内の圧力は、安静時に8〜20mmHgである。(mmHgは、水銀柱ミリメートル、血圧を測定するために使用される単位である)。PAHは治療しないが、現在利用可能な治療が症状の軽減を助け、生活の質を改善することができる。PAHの治療は、プロスタノイド(静脈内的に、吸入によって、皮下的に、または経口的に与えられる)、エンドセリン受容体遮断剤、及びPDE5阻害剤の使用を必要とする。PAH治療は、依然として高価かつ/または送達困難であり、治癒的というより緩和的である。
近年、特に突発性肺高血圧症の分子遺伝子学及び細胞生物学に関して多くの進歩が成されてきたが、大部分の形態のPAHの病理は、依然として完全に理解されていない。セロトニンまたは5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)は、PAH病理の増殖的及び機能的要素の両方において重要な役割を果たすことが報告されている(Esteve et al.,Cell Biochem Biophys 2007、Dempsie and MacLean,Brit j Pharmacol 2008、Dumitrascu et al.,Eur Respir J 2011)。セロトニンは、平滑筋細胞肥大及び過形成を促進する血管収縮剤である。上昇した血漿セロトニンレベル及び低減した血小板中のセロトニン含有量が、突発性肺高血圧症において見出されている。低減したセロトニンの取り込みをもたらす欠陥である小板状欠陥が、PAHと関連付けられている。近年、セロトニン輸送体(5−HTT)、セロトニン2A受容体(5−HT2A)、及びセロトニン受容体(5−HT2B)における突然変異は、PAHと関係があることが示された(Eddahibi et al.,J Clin Invest 2001)。ヒト肺動脈内に存在する5−HT2A受容体は、体循環の血管収縮を媒介する。5−HT2A受容体の拮抗は、マウスにおいてモノクロトリン誘導型PAHを阻害し(Hironaka et al.,Cardiovasc Res 2003)、また正常酸素圧ラット及び低酸素ラット両方からの血管において、セロトニン誘導型肺血管収縮を阻害する(Morcroft et al.,J Pharmacol Exp Ther 2005、Cogolludo et al.,Circ Res 2006)。更に、5−HT2A受容体は、ラット肺動脈線維芽細胞のセロトニン誘導型増殖を媒介する(Welsh et al.,Am J Respir Crit Care Med 2004)。5−HT2B受容体は、肺内皮細胞及び平滑筋細胞内で発現され、肺動脈からヒト内皮細胞内のカルシウム放出を刺激する((Esteve et al.,Cell Biochem Biophys 2007)。肺高血圧症の慢性低酸素マウスモデルにおいて、研究者らは、5−HT2B受容体が、5−HT2B受容体欠損マウスにおける肺高血圧症及び血管リモデリングの完全不在と比較して、野生型マウスにおける慢性低酸素応答を媒介することによって、肺高血圧症の発症に関与することを明示した(Launay et al.,Nat Med 2002)。近年、PRX−08066、選択的5−HT2B受容体アンタゴニスト(Provasnik et al.,J Pharmacol Exp Ther 2010)、及びテルグリド、5−HT2A及び5−HTB受容体両方のアンタゴニスト(Dumitrascu et al.,Eur Respir 2011)が、ラットモノクロトリン(MCT)モデルにおいてPAHの発症を予防することが示された。肺高血圧症の病理は、血管収縮、血管リモデリング、及び微小血栓事象を含む3つの主なプロセスを特徴とする。加えて、サイトカイン駆動型炎症プロセスが肺高血圧症の発症の主な寄与因子であると指摘する証拠が増えている。
PAHを治療するための安価かつ有効な治療法の差し迫った必要性が存在する。
定義
「アルキル」または「アルカニル」は、親アルカンの単一炭素原子からの1個の水素原子の除去によって誘導された飽和、分枝もしくは直鎖、または環式一価炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルキル基には、メチル;エチル;プロパン−1−イル、プロパン−2イル、シクロプロパン−1−イル等のプロピル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル等のブチル等が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アルキル基は、1〜20個の炭素原子、より好ましくは、1〜10個、または1〜6個、または1〜4個の炭素原子を含む。
「アルケニル」は、親アルケンの単一炭素原子から1個の水素原子の除去によって誘導された少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、不飽和、分枝、直鎖、または環式アルキルラジカルを指す。この基は、二重結合(複数可)に関してシス構成またはトランス構成のいずれかであり得る。典型的なアルケニル基には、エテニル;プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル、シクロプロプ−2−エン−1−イル等のプロペニル;ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン1−イル等のブテニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキニル」は、親アルキンの単一炭素原子から1個の水素原子の除去によって誘導された少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、不飽和、分枝、直鎖、または環式アルキルラジカルを指す。典型的なアルキニル基には、エチニル;プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル等のプロピニル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン3−イル、ブト−3−イン−1−イル等のブチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシル」は、ラジカル−C(O)Rを指し、式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシルオキシアルキルオキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)OCR′R′′OC(O)R′′′を指し、式中、R′、R′′、及びR′′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−C(O)OCHOC(O)CH、−C(O)OCHOC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)OC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)OC(O)C等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシルアルキルオキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)OCR′R′′C(O)R′′′を指し、式中、R′、R′′、及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−C(O)OCHC(O)CH、−C(O)OCHC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)C(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)C(O)C等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ」は、ラジカル−NRC(O)OCR′R′′OC(O)R′′′を指し、式中、R、R′、R′′、及びR′′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−NHC(O)OCHOC(O)CH、−NHC(O)OCHOC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)OC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)OC(O)C等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシルアルキルオキシカルボニルアミノ」は、ラジカル−NRC(O)OCR′R′′C(O)R′′′を指し、式中、R、R′、R′′、及びR′′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−NHC(O)OCHC(O)CH、−NHC(O)OCHC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)C(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)C(O)C等が含まれるが、これらに限定されない。
「アシルアミノ」は、本明細書に定義される「アミド」を指す。
「アルキルアミノ」は、ラジカル−NHRを意味し、式中、Rは、アルキルまたはシクロアルキル基を表し、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルアミノ、エチルアミノ、1−メチルエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルコキシ」は、ラジカル−ORを指し、式中、Rは、アルキルまたはシクロアルキル基を表し、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルコキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)−アルコキシを指し、式中、アルコキシは、本明細書に定義されるとおりである。
「アルコキシカルボニルアルコキシ」は、ラジカル−OCR′R′′C(O)−アルコキシを指し、式中、アルコキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−OCHC(O)OCH、−OCHC(O)OCHCH、−OCH(CH)C(O)OCHCH、−OCH(C)C(O)OCHCH、−OCH(CH)C(O)OCHCH、−OC(CH)(CH)C(O)OCHCH等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルコキシカルボニルアルキルアミノ」は、ラジカル−NRCR′R′′C(O)−アルコキシを指し、式中、アルコキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R、R′、R′、及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−NHCHC(O)OCH、−N(CH)CHC(O)OCHCH、−NHCH(CH)C(O)OCHCH、−NHCH(C)C(O)OCHCH、−NHCH(CH)C(O)OCHCH、−NHC(CH)(CH)C(O)OCHCH等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキルスルホニル」は、ラジカル−S(O)Rを指し、式中、Rは、アルキルまたはシクロアルキル基であり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキルスルフィニル」は、ラジカル−S(O)Rを指し、式中、Rは、アルキルまたはシクロアルキル基であり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキルチオ」は、ラジカル−SRを指し、式中、Rは、アルキルまたはシクロアルキル基であり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等が含まれるが、これらに限定されない。
「アミド」または「アシルアミノ」は、ラジカル−NR′C(O)R′′を指し、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニル−アミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
「アミノ」は、ラジカル−NHを指す。
「アリール」は、親芳香族環系の単一炭素原子からの1個の水素原子の除去によって誘導された一価芳香族炭化水素ラジカルを指す。典型的なアリール基には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェンアントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオリン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダゼン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンから誘導された基等が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アリール基は、6〜20個の炭素原子、より好ましくは6〜12個の炭素原子を含む。
「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的に末端またはsp炭素原子に結合された水素原子のうちの1つが、アリール基で置換される、非環式アルキルを指す。典型的に、アリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アリールアルキル基は、(C〜C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分は、(C〜C10)であり、アリール部分は、(C〜C20)であり、より好ましくは、アリールアルキル基は、(C〜C20)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分は、(C〜C)であり、アリール部分は、(C〜C12)である。
「アリールアルコキシ」は、−O−アリールアルキルラジカルを指し、式中、アリールアルキルは、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「アリールアルコキシカルボニルアルコキシ」は、ラジカル−OCR′R′′C(O)−アリールアルコキシを指し、式中、アリールアルコキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−OCHC(O)OCH、−OCH(CH)C(O)OCH、−OCH(C)C(O)OCH、−OCH(CH)C(O)OCH、−OC(CH)(CH)C(O)OCH等が含まれるが、これらに限定されない。
「アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ」は、ラジカル−NRCR′R′′C(O)−アリールアルコキシを指し、式中、アリールアルコキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R、R′、R′、及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−NHCHC(O)OCH、−N(CH)CHC(O)OCH、−NHCH(CH)C(O)OCH、−NHCH(C)C(O)OCH、−NHCH(CH)C(O)OCH、−NHC(CH)(CH)C(O)OCH等が含まれるが、これらに限定されない。
「アリールオキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)−O−アリールを指し、式中、アリールは、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得ると本明細書に定義される。
「アリールオキシカルボニルアルコキシ」は、ラジカル−OCR′R′′C(O)−アリールオキシを指し、式中、アリールオキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−OCHC(O)OC、−OCH(CH)C(O)OC、−OCH(C)C(O)OC、−OCH(CH)C(O)OC、−OC(CH)(CH)C(O)OC等が含まれるが、これらに限定されない。
「アリールオキシカルボニルアルキルアミノ」は、ラジカル−NRCR′R′′C(O)−アリールオキシを指し、式中、アリールオキシは、本明細書に定義されるとおりである。同様に、式中、R、R′、R′、及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、−NHCHC(O)OC、−N(CH)CHC(O)OC、−NHCH(CH)C(O)OC、−NHCH(C)C(O)OC、−NHCH(CH)C(O)OC、−NHC(CH)(CH)C(O)OC等が含まれるが、これらに限定されない。
「カルバモイル」は、ラジカル−C(O)NRRを指し、式中、各R基は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「カルバメート」は、ラジカル−NR′C(O)OR′′を指し、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルカルバメート(−NHC(O)OCH)、エチルカルバメート(−NHC(O)OCHCH)、ベンジルカルバメート(−NHC(O)OCH)等が含まれるが、これらに限定されない。
「カーボネート」は、ラジカル−OC(O)ORを指し、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルカーボネート(−C(O)OCH)、シクロヘキシルカーボネート(−C(O)OC11)、フェニルカーボネート(−C(O)OC)、ベンジルカーボネート(−C(O)OCH)等が含まれるが、これらに限定されない。
「カルボキシ」は、ラジカル−C(O)OHを意味する。
「シアノ」は、ラジカル−CNを意味する。
「シクロアルキル」は、置換または非置換環式アルキルラジカルを指す。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等から誘導された基が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、シクロアルキル基は、(C〜C10)シクロアルキル、より好ましくは(C〜C)シクロアルキルである。
「シクロヘテロアルキル」は、1個以上の炭素原子(及び任意の関連水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ原子で置換される、飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。炭素原子(複数可)を置換するための典型的なヘテロ原子には、N、P、O、S、Si等が含まれるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和が意図される場合、学名「シクロヘテロアルカニル」または「シクロヘテロアルケニル」が使用される。典型的なシクロヘテロアルキル基には、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン等から誘導された基が含まれるが、これらに限定されない。
「シクロヘテロアルコキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)−ORを指し、式中、Rは、シクロヘテロアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「ジアルキルアミノ」は、ラジカル−NRR′を意味し、式中、R及びR′は、独立して、アルキルまたはシクロアルキル基を表し、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(1−メチルエチル)アミノ、(シクロヘキシル)(メチル)アミノ、(シクロヘキシル)(エチル)アミノ、(シクロヘキシル)(プロピル)アミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
「エステル」は、ラジカル−C(O)ORを指し、式中、Rは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。代表的な例には、メチルエステル(−C(O)OCH)、シクロヘキシルエステル(−C(O)OC11)、フェニルエステル(−C(O)OC)、ベンジルエステル(−C(O)OCH)等が含まれるが、これらに限定されない。
「エーテル」は、ラジカル−ORを指し、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
「ヘテロアリール」は、親ヘテロ芳香族環系の単一原子からの1個の水素原子の除去によって誘導された一価ヘテロ芳香族ラジカルを指す。典型的なヘテロアリール基には、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等から誘導された基が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜20員ヘテロアリールであり、5〜10員ヘテロアリールが特に好ましい。好ましいヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、及びピラジンから誘導されたものである。
「ヘテロアリールオキシカルボニル」は、ラジカル−C(O)−ORを指し、式中、Rは、ヘテロアリールであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「ヘテロアリールアルキル」は、炭素原子、典型的に末端またはsp炭素原子に結合された水素原子のうちの1つが、ヘテロアリール基で置換される、非環式アルキルラジカルを指す。好ましくは、ヘテロアリールアルキルラジカルは、6〜30炭素員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルキル部分は、1〜10員であり、ヘテロアリール部分は、5〜20員ヘテロアリール、より好ましくは、6〜20員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルキル部分は、1〜8員であり、ヘテロアリール部分は、5〜12員ヘテロアリールである。
「ヒドロキシ」は、ラジカル−OHを意味する。
「オキソ」は、二価ラジカル=Oを意味する。
「薬学的に許容される」とは、動物における、より具体的にはヒトにおける使用に関して、連邦もしくは州政府の規制当局によって許容される、もしくは許容可能であるか、または米国薬局方もしくは他の一般に認識される薬局方に列挙されることを意味する。
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を保有する、本発明の化合物の塩を指す。かかる塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸で形成された、もしくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンフルスルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸で形成された酸付加塩、または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置換されるか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン等の有機塩基と調和する場合に形成された塩が含まれる。
「薬学的に許容されるビヒクル」は、本発明の化合物が共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、または担体を指す。
「ホスフェート」は、ラジカル−OP(O)(OR′)(OR′′)を指し、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「ホスホネート」は、ラジカル−P(O)(OR′)(OR′′)を指し、式中、R′及びR′′は、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「予防する」または「予防」は、疾患または障害を獲得する(すなわち、疾患に曝露され得るか、またはその素因があり得るが、その疾患の症状をまだ経験していないか、または呈していない患者において、疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを発症させない)危険性の低減を指す。
「ラセミ体」は、キラル分子のエナンチオマーの等モル混合物を指す。
「置換」は、1個以上の水素原子が、各々独立して、同じまたは異なる置換基(複数可)で置換される、基を指す。典型的な置換基には、−X、−R54、−O、=O、−OR54、−SR54、−S、=S、−NR5455、=NR54、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)OR54、−OS(O)31、−OS(O)54、−P(O)(O−)、−P(O)(OR14)(O31)、−OP(O)(OR54)(OR55)、−C(O)R54、−C(S)R54、−C(O)OR54、−C(O)NR5455、−C(O)O、−C(S)OR54、−NR56C(O)NR5455、−NR56C(S)NR5455、−NR57C(NR56)NR5455、及び−C(NR56)NR5455が含まれるが、これらに限定されず、式中、各Xは、独立して、ハロゲンであり、各R54、R55、R56、及びR57は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、−NR5859、−C(O)R58、もしくは−S(O)58であるか、または任意にR58及びR59は、それら両方が結合される原子と一緒に、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成し、R58及びR59は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルである。
「サルフェート」は、ラジカル−OS(O)(O)ORを指し、式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「スルホンアミド」は、ラジカル−S(O)(O)NR′R′′を指し、式中、R′及びR′′は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得るか、または任意にR′及びR′′は、それら両方が結合される原子と一緒に、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成する。代表的な例には、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、4−(NR′′′)−ピペラジニル基、またはイミダゾリル基が含まれるが、これらに限定されず、該基は、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。R′′′は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「スルホネート」は、ラジカル−S(O)(O)ORを指し、式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
「チオ」は、ラジカル−SHを意味する。
「チオエーテル」は、ラジカル−SRを指し、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、本明細書に定義されるように、本明細書に定義される1つ以上の置換基によって任意に置換され得る。
任意の疾患または障害を「治療する」またはその「治療」とは、一実施形態において、その疾患または障害を改善する(すなわち、疾患またはその臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を停止または低減する)ことを指す。別の実施形態において、「治療する」または「治療」は、患者によって認識可能でない場合がある少なくとも1つの物理的パラメータを改善することを指す。更に別の実施形態において、「治療する」または「治療」は、物理的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、または両方のいずれかで疾患または障害を阻害することを指す。
「治療上有効な量」は、疾患を治療するために患者に投与された場合、その疾患のかかる治療を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療上有効な量」は、化合物、疾患及びその重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重等に応じて異なり得、不必要な実験を行わずに当業者によって決定され得る。
本発明は、肺高血圧症を治療するための方法を対象とする。
本発明で使用される化合物
式(I)の化合物は、本発明に有用である。
Figure 0006787926
式中、
Aは、−(CH−、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、
−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、
−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、
−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、
−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、
−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、
−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、
−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、または
(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、式中、nは、1〜7の整数であり、好ましくは、nは、2〜5であり、例えば、nは、4であり、
Bは、O、S、S(O)(O)、またはNRであり、
、R、R、R、R、R、R、及びRの各々は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバメート、カーボネート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスホネート、サルフェート、スルホネート、もしくはスルホンアミド(式中、R、R、R、R、R、R、R、及びR、ならびにAは、任意に、H(重水素)、H(トリチウム)、13C、36Cl、18F、15N、17O、18O、31P、32P、及び35Sが含まれるが、これらに限定されない同位体で置換され得、H(重水素)が好ましい)、
またはその薬学的に許容される塩、ラセミ体、もしくはジアステレオマー混合物である。
本発明の一態様において、Aは、−(CH−である。
本発明の別の態様において、Aは、−O−(CH−、−S−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、または−(CH−S−CH−CH−、であり、Aは、−O−(CH−であることが好ましい。
本発明の別の態様において、Aは、−NH−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、または−(CH−C(O)−NH−CH−CH−である。
本発明の別の態様において、Bは、Oである。
本発明の別の態様において、R、R、R、R、及びRは、Hである。
本発明の別の態様において、R及びRの各々は、独立して、H、ハロゲン(例えば、クロロ)、ハロアルキル、またはアルコキシ(例えば、メトキシもしくはエトキシ)であり、好ましくは、ハロゲンまたはアルコキシである。
好ましい実施形態において、Aは、−O−(CH−であり、n=2〜5であり、Bは、Oであり、R、R、R、R、及びRは、Hであり、R及びRは、独立して、H、ハロゲン、ハロアルキル、またはアルコキシである。
式Iの好ましい化合物には、例えば、
Figure 0006787926
6−(4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン− −3(4H)−オン、及びその塩酸塩ならびに
Figure 0006787926
6−(4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(−4H)−オン、及びその塩酸塩含まれる。
本発明に有用な化合物は、更に、エナンチオマー的に単離された式Iの化合物に関する。単離されたエナンチオマー形態の式Iの化合物は、実質的に互いを含まない(すなわち、エナンチオマー過剰である)。換言すれば、「R」形態の化合物は、実質的に「S」形態の化合物を含まず、故にエナンチオマー過剰の「S」形態である。逆に、「S」形態の化合物は、実質的に「R形態」の化合物を含まず、故にエナンチオマー過剰の「R」形態である。本発明の一実施形態において、単離されたエナンチオマー化合物は、少なくとも約80%エナンチオマー過剰である。故に、例えば、化合物は、少なくとも約90%エナンチオマー過剰、好ましくは、少なくとも約95%エナンチオマー過剰、より好ましくは少なくとも約97%エナンチオマー過剰、または更により好ましくは少なくとも99%もしくは99%超エナンチオマー過剰である。
式Iの化合物は、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,188,076号に従い合成され得る。
肺高血圧症の治療方法
本発明は、肺高血圧症(肺内の高い血圧)の治療方法を対象とする。本方法は、有効量の式Iの化合物を、肺高血圧症に罹患している患者に投与するステップを含む。式Iの化合物は、患者の肺動脈(心臓から肺につながる血管)内の血圧を低下させ、肺動脈高血圧症を治療することができる。この治療はまた、息切れ、疼痛危機、肺炎等の疾患合併症を低減し、生存率を高めることができる。
一実施形態において、本方法は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有するか、鎌状赤血球疾患(SCD)を有するか、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を有する対象における肺高血圧症を治療する。
一実施形態において、本方法は、肺高血圧症を有する患者における抑鬱を治療する。別の実施形態において、本方法は、肺高血圧症を有する患者における不安症を治療する。
肺高血圧症を治療するために使用される場合、式Iの1つ以上の化合物は、単独で、または他の薬剤との複合で患者に投与され得る。患者は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトであり得る。
式Iの化合物は、好ましくは経口投与される。式Iの化合物は、任意の他の便宜的経路によって、例えば、注射またはボーラス注入によって、上皮または皮膚粘膜内壁(例えば、口腔粘膜、直腸及び小腸粘膜等)を通じた吸収によって投与されてもよい。投与は、全身性または局所性であり得る。本発明の化合物及び/または組成物を投与するために使用され得る、様々な送達系が知られている(例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセル等への封入)。投与方法には、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、大脳内、膣内、経皮、直腸的、吸入によって、または特に耳、鼻、目、もしくは皮膚への局所的投与が含まれるが、これらに限定されない。経皮投与は、低年齢小児に好ましい場合がある。
式Iの化合物は、徐放系、好ましくは経口徐放系を介して送達され得る。一実施形態において、ポンプが使用されてもよい(Langer,上記、Sefton,1987,CRC Crit.Ref Biomed.Eng.14:201、Saudek et al.,1989,N.Engl.J.Med.321:574を参照されたい)。
一実施形態において、ポリマー材料が使用され得る(″Medical Applications of Controlled Release,″Langer and Wise(eds.),Wiley,New York(1984)、Ranger and Peppas,1983,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol Chem.23:61を参照されたい。またLevy et al.,1985,Science 228:190、During et al.,1989,Ann.Neurol.25:351、Howard et al,1989,J.Neurosurg.71:105も参照されたい)。好ましい実施形態において、ポリマー材料は、経口徐放送達に使用される。好ましいポリマーには、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース(最も好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が含まれる。他の好ましいセルロースエーテルは、当該技術分野において説明されている(Bamba et al.,Int.J.Pharm.,1979,2,307)。
一実施形態において、腸溶性コーティング製剤は、経口徐放投与に使用され得る。好ましいコーティング材料には、pH依存性可溶度を有するポリマー(すなわち、pH制御型放出)、低速またはpH依存性の膨張、溶解、または浸食速度を有するポリマー(すなわち、時間制御型放出)、酵素によって分解されるポリマー(すなわち、酵素制御型放出)、及び圧力の増加によって破壊される堅固な層を形成するポリマー(すなわち、ポリマー制御型放出)が含まれる。
更に別の実施形態において、浸透圧送達系が、経口徐放投与に使用される(Verma et al.,Drug Dev.Ind.Pharm.,2000,26:695−708)。好ましい実施形態において、OROS(登録商標)浸透圧送達系が、経口徐放送達デバイスに使用される(例えば、Theeuwesらの米国特許第3,845,770号、及びTheeuwesらの米国特許第3,916,899号を参照されたい)。
なおも別の実施形態において、制御放出系は、本発明の化合物及び/または組成物の標的の近くに配置され得、故に、全身用量の分画のみを必要とする(例えば、Goodson,in ″Medical Applications of Controlled Release,″上記、vol.2,pp.115−138(1984)を参照されたい)。Langer,1990,Science 249:1527−1533において論じられる他の制御放出系が使用されてもよい。
式Iの化合物は、化学的及び/または酵素的のいずれかで切断され得る。哺乳動物の胃、腸管腔、腸組織、血液、肝臓、脳、または任意の他の好適な組織内に存在する1つ以上の酵素は、本発明の化合物及び/または組成物を酵素的に切断し得る。
本発明の薬学的製剤
本発明は、肺高血圧症を治療するための薬学的製剤を対象とする。薬学的製剤は、治療上有効な量の式Iの1つ以上の化合物を、好ましくは精製形態で、好適な量の薬学的に許容されるビヒクルと一緒に含有する。患者に投与される場合、薬学的製剤は、好ましくは無菌である。水は、本発明の化合物が静脈内投与される場合に好ましいビヒクルである。生理食塩水、及び水性デキストロース、及びグリセロール溶液は、液体ビヒクルとして、特に注射液に用いることもできる。好適な薬学的ビヒクルはまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等の賦形剤も含む。本薬剤またはpH緩衝剤。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、湿潤剤、及び着色剤が使用されてもよい。
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、従来の混合、溶解、造粒、粉末化、及び乳化、封入、捕捉、または凍結乾燥プロセスによって製造され得る。薬学的組成物は、本発明の化合物の、薬学的に使用され得る製剤への加工を促進する、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または補助剤を使用し、従来の方法で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
本組成物は、液体、粉末、徐放製剤、坐薬、エマルション、エアロゾル、スプレー、懸濁液を含有する溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、ピル、ペレット、及びカプセルの形態、または使用に適した任意の他の形態を取り得る。一実施形態において、薬学的に許容されるビヒクルは、カプセルである(例えば、Grosswaldらの米国特許第5,698,155号を参照されたい)。好適な薬学的ビヒクルの他の例は、当該技術分野において記載されている(Remington′s Pharmaceutical Sciences,Philadelphia College of Pharmacy and Science,17th Edition,1985を参照されたい)。本発明の好ましい組成物は、経口送達用、特に経口徐放投与用に製剤化される。
経口送達のための組成物は、例えば、錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルション、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形態であり得る。経口投与された組成物は、薬学的に味の良い調製物を提供するために、1つ以上の任意の薬剤、例えば、フルクトース、アスパルテーム、もしくはサッカリン等の甘味剤;ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリー着色剤等の香味剤、及び保存剤を含有し得る。更に、錠剤またはピル形態の場合、組成物は、消化管内での崩壊及び吸収を遅らせるためにコーティングされてもよく、それにより、長期間にわたって持続する作用を提供する。浸透圧的に活性な駆動化合物を取り囲む選択的に透過性の膜もまた、本発明の経口投与される化合物に適している。これらの後期プラットフォームにおいて、カプセルを取り囲む環境からの流体が、駆動化合物によって吸収され、それが膨張して薬剤または薬剤組成物を、開口を通して移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイクプロファイルとは反対に、本質的にゼロ次送達プロファイルを提供することができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロール等の遅延材料が使用されてもよい。経口組成物には、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準ビヒクルが含まれ得る。かかるビヒクルは、好ましくは、薬学的等級のものである。
例えば、懸濁液、エリキシル、及び溶液等の経口液体調製物の場合、好適な担体、賦形剤、または希釈剤には、水、生理食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)油、アルコール、pH4〜pH6の間のわずかに酸性の緩衝液(例えば、約mM〜約50mMの間の酢酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩)等が含まれる。追加として、香味剤、保存剤、着色剤、胆汁塩、アシルカルニチン等が添加され得る。
他の経路を介した投与のための組成物も企図され得る。頬側投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤、トローチ等の形態を取り得る。噴霧器及び液体スプレーデバイス及びEHDエアロゾルデバイスでの使用に適した液体薬物製剤は、典型的に、薬学的に許容されるビヒクルと共に本発明の化合物を含むだろう。好ましくは、薬学的に許容されるビヒクルは、アルコール、水、ポリエチレングリコール、またはパーフルオロカーボン等の液体である。任意に、別の材料を添加して、本発明の化合物の溶液または懸濁液のエアロゾル特性を変更してもよい。好ましくは、この材料は、アルコール、グリコール、ポリグリコール、または脂肪酸等の液体である。エアロゾルデバイスでの使用に適した液体薬物溶液または懸濁液を製剤化する他の方法は、当業者に知られている(例えば、Biesalskiの米国特許第5,112,598号、Biesalskiの米国特許第5,556,611号を参照されたい)。本発明の化合物は、例えば、ココア、バター、または他のグリセリド等の従来の坐薬ベースを含有する坐薬または保持浣腸等の直腸または膣組成物中に製剤化されてもよい。以前に記載された製剤に加えて、本発明の化合物は、デポー調製物として製剤化されてもよい。かかる長期作用製剤は、埋め込みによって(例えば、皮下的もしく筋内)または筋内注入によって投与されてもよい。故に、例えば、本発明の化合物は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)、またはイオン交換樹脂で、あるいはやや難溶性の誘導体として、例えば、やや難溶性の塩として製剤化され得る。
治療のための投薬量
投与される式Iの化合物の量は、他の因子の中で、治療される対象、及び対象の体重、病気の重症度、投与方法、及び処方する医師の判断に依存する。例えば、投薬量は、薬学的組成物中で、単回投与によって、複数適用または制御放出によって送達され得る。一実施形態において、本発明の化合物は、経口徐放投与によって送達される。一実施形態において、本発明の化合物は、1日2回、好ましくは1日1回投与される。投薬は、断続的に繰り返されてもよく、単独で、または他の薬物との複合で提供されてもよく、また病状もしくは障害の有効な治療に必要な限り長く継続してもよい。
式Iの化合物は、0.1mg〜500mg、好ましくは1mg〜100mg/日の範囲で、例えば、1日当たり5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、35mg、または50mg、好ましくは1日当たり10mgで投与され得る。
複合療法
本発明のある特定の実施形態において、本発明の化合物は、少なくとも1つの他の治療剤との複合療法で使用され得る。式Iの化合物及び治療剤は、付加的または相乗的に作用し得る。一実施形態において、式Iの化合物は、式Iの化合物の同じ組成物の一部であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与される。別の実施形態において、本発明の化合物を含む組成物は、別の治療剤の投与前または後に投与される。
本発明は、肺高血圧症の治療に有効である。式Iの化合物は、セロトニン5−HT2A受容体(化合物B、Ki=2.5nM、実施例1を参照されたい)、及び5−HT2B受容体(化合物B、Ki=0.19nM、実施例1を参照されたい)において強力な結合親和性を有する。加えて、式Iの化合物は、ドーパミン(D2)及びセロトニン(5−HT1A)の主要な亜型に対して部分的アゴニスト活性を呈し、セロトニン5−HT6及び5−HT7受容体においてアンタゴニスト活性を呈する。更に、式Iの化合物(化合物B)は、モノクロトリン(MCT)及びsugen−低酸素(SuHx)誘導型PAHラットモデルの両方において、PAHに対する効能を明示した(実施例2及び3)。化合物Bは、右室肥大(RVH)、肺動脈圧、及び呼吸抵抗を減少させることによりPAHの重症度を減少させることによって、肺血管系統に対するMCT及びSuHx両方の効果を減衰させる。
本発明は、以下の実施例によって例示される。
実施例1.インビトロ薬理学結果
式(I)の2つのアリールピペラジン誘導体を、インビトロ薬理学的アッセイにおいて試験して、ドーパミン、D2s、セロトニン、5−HT1A、5−HT2A、5−HT2B、5−HT、及び5−HT受容体に対するそれらの活性を評価した。インビトロアッセイプロトコル及び参考文献は、本明細書に記載される。
ドーパミン、D2s放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト組み換えD2sを発現した哺乳類細胞
放射性リガンド: [H]スピペロン(20〜60Ci/mmol)または[3 H]−7−ヒドロキシDPAT、1.0nM
対照化合物: ハロペリドールまたはクロルプロマジン
インキュベーション条件:反応は、120mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl、1mM EDTAを含有する50mM TRIS−HCl(pH7.4)中、25℃で60分間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって、反応を終了させた。試験化合物の、クローン化ドーパミン−D短結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した(参考文献:Jarvis,K.R.et al.Journal of Receptor Research 1993,13(1−4),573−590、Gundlach,A.L.et al.Life Sciences 1984,35,1981−1988)。
セロトニン、5HT1A放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト組み換え5−HT1Aを発現した哺乳類細胞
放射性リガンド: [H]−8−OH−DPAT(221Ci/mmol)
対照化合物: 8−OH−DPAT
インキュベーション条件:反応は、10mM MgSO、0.5mM EDTA、及び0.1%アスコルビン酸を含有する50mM TRIS−HCl(pH7.4)中、室温で1時間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって反応を終了させた。試験化合物の、クローン化セロトニン−5HT1A結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した(参考文献:Hoyer,D.et al.Eur.Journal Pharmacol.1985,118,13−23、Schoeffter,P.and Hoyer,D.Naunyn−Schmiedeberg′s Arch.Pharmac.1989,340,135−138)
セロトニン、5HT2A放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト皮質またはヒト組み換え5−HT2Aを発現した哺乳類細 胞
放射性リガンド: [H]−ケタンセリン(60〜90Ci/mmol)
対照化合物: ケタンセリン
インキュベーション条件:反応は、50mM TRIS−HCl(pH7.6)中、室温で90分間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって反応を終了させた。試験化合物の、セロトニン−5HT2A結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した(参考文献:Leysen,J.E.et al.Mol.Pharmacol.1982,21,301−314、Martin,G.R.and Humphrey,P.P.A.Neuropharmacol.1994,33(3/4),261−273)。
セロトニン、5HT2B放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト組み換え5−HT2Bを発現したCHO−K1細胞
放射性リガンド: 1.20nM[3H]リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)
対照化合物: ケタンセリン
インキュベーション条件:反応は、50mM TRIS−HCl(pH7.6)中、室温で90分間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって反応を終了させた。試験化合物の、セロトニン−5HT2B結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した。
セロトニン、5HT放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト組み換え5−HTを発現した哺乳類細胞
放射性リガンド: [125I]SB258585、15nMまたは[H]
LSD、2nM
対照化合物: メチオテピンまたはセロトニン
インキュベーション条件:反応は、10mM MgSO、0.5mM EDTA、及び0.1%アスコルビン酸を含有する50mM TRIS−HCl(pH7.4)中、室温で1時間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって反応を終了させた。試験化合物の、クローン化セロトニン−5HT結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した(参考文献:Gonzalo,R.,et al.,Br.J.Pharmacol.,2006(148),1133−1143)
セロトニン、5HT放射性リガンド結合アッセイ
材料及び方法:
受容体起源: ヒト組み換え5−HTを発現したCHO細胞
放射性リガンド: [3H]リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、4nM
対照化合物: セロトニン
インキュベーション条件:反応は、50mM TRIS−HCl(pH7.6)中、室温で90分間実行した。ガラスファイバーフィルター上への急速真空濾過によって反応を終了させた。試験化合物の、セロトニン−5HT結合部位との任意の相互作用を確認するために、フィルターの上に捕捉された放射活性を判定し、対照値と比較した。
放射性リガンド結合アッセイは、6〜10の異なる濃度で実行し、試験濃度は、0.1nM、0.3nM、1nM、10nM、30nM、100nM、300nM、及び1000nMであった。
放射性リガンド結合アッセイを使用する選択化合物A及びBのインビトロ薬理活性を以下の表に報告する。化合物A=6−(4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(−4H)−オン塩酸塩。化合物B=6−(4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン塩酸塩。
化合物 アッセイ Ki
A D2S 0.30nM
A 5−HT1A 0.65nM
A 5−HT2A 118nM
B D2S 0.62nM
B 5−HT1A 1.50nM
B 5−HT2A 2.50nM
B 5−HT2B 0.19nM
B 5−HT6 51nM
B 5−HT7 2.70nM
実施例2.モノクロトリン(MCT)誘導型肺動脈高血圧症ラットモデルにおける化合物Bの効果の評価
この研究の目的は、ラットにおけるモノクロタリン誘導型肺動脈高血圧症(PAH)に対する試験物品の効果を評価することであった。アッセイは、単一皮下用量のモノクロタリンによって誘導されたPAHを有する麻酔下のラットにおいて、肺及び全身動脈血圧を測定するように設計した。研究の結果は、疾患の進行及び肺動脈血圧(PAP)に対するその効果、ならびに試験物品または基準化合物による治療を行う場合と行わない場合の、誘導型PAHを有するラットにおける湿臓器重量の定量的測定である。更に、肺血管の組織学に関する詳細な形態計測及び臨床調査を行って、血管リモデリングを、PAHの発症の機能的影響と相関させた。
実験手順
体重200〜250グラムの間の雄Wistar−Kyotoラット(Charles River Laboratories)(およそ10〜12週齢)を、それらの体重に従い、実験群にわたってランダム化し、末期手術の各日に1つの治療群当たり1匹の動物をスケジューリングすることを狙いとする(可能な場合)。この結果、各治療群からの動物が各手術日に手術されることになった。治療群2〜4からのラットは、0日目にDMSO中のモノクロタリン(MCT)溶液(60mg/kg)の皮下注入を1回受け、ケージに戻された。対照群1からのラットは、0日目にDMSO(モノクロタリンのビヒクル)の皮下注入を1回受け、それぞれのケージに戻された。5%グルコース溶液中の試験物品、化合物B(3mg/kg、10mg/kg)(1日2回)、基準化合物(シルデナフィル、50mg/kg、1日2回)、またはビヒクルでの治療を開始し、スケジュールどおり、表1に記載されるように、0日目に投与を開始した。食餌及び水は自由に与えた。動物の行動及び全般健康状態を毎日観察した。週1回の採血、体重及び体温を測定した。
Figure 0006787926
手術の日に、ラットに麻酔をかけ、器具を装着し、血行動態パラメータ(全身動脈血圧、右室血圧、肺動脈血圧、酸素飽和、呼吸抵抗、換気圧、呼吸速度、及び心拍数)を、5分間継続的に、または肺動脈圧シグナルの質の損失まで、いずれか早い方を記録した。これらの記録は、右室腔から肺動脈に戻るまで圧力変換器を動かすことと、カテーテルが動脈に入り、室に引き込まれたときの拡張期圧及び全般圧力波形の非常に明らかな移行を観察することを含んでいた。次いで、ラットを失血させ、肺循環を0.9% NaClで洗い流した。気管支、肺、及び心臓全体を胸腔から除去した。10% NBFで灌流し、10%ホルマリンに浸漬する前に、肺の右葉及び左葉を計量した。肺は、10%ホルマリン中、室温で貯蔵した。心臓を切除し、フルトン指数計算の一部として、右室(RV)及び隔膜を含む左室(LV−S)の湿重量を測定した。動脈血圧は、動脈内流体充填カテーテル(AD Instruments、Colorado Springs,CO,USA)を介し、実験全体を通して継続的に記録した。拡張期圧及び収縮期圧の値は、Clampfit 10.2.0.14におけるカーソル読み取りを使用して、mmHgで測定した。平均動脈血圧値は、以下の式を使用して計算した。
Figure 0006787926
次いで、フルトン指数を、以下の式を使用して計算した。
Figure 0006787926
値は、平均±SEM(平均の標準誤差)として提示する。反復片側スチューデントt検定を、Microsoft Excel 2007において全ての実験条件に関して行い、治療群を対照、健康な動物、または負の対照動物(モノクロタリンのみ)のいずれかと比較した。p≦0.05である場合、差異を有意とみなした。研究結果を表2に記載する。
Figure 0006787926
実施例3.sugen−低酸素(SuHx)誘導型肺動脈高血圧症ラットモデルにおける化合物Bの効果の評価
この研究の目的は、ラットにおけるSugen−低酸素(SuHx)誘導型肺動脈高血圧症(PAH)に対する化合物B(試験物品)の効果を評価することである。アッセイは、低酸素で3週間と組み合わせた単一皮下用量のSugenによって誘導されたPAHを有する麻酔下のラットにおいて、肺動脈血圧を測定するように設計した。動物から採取された組織の巨視的及び形態測定的組織学試験と組み合わせて、の結果は、試験物品、ビヒクル、または基準化合物で治療されたSuHx誘導型PAHラットにおける、全身動脈血圧、肺動脈血圧、ならびに湿臓器重量に関する疾患の進行の定量的測定を提供する。
実験手順
体重200〜250グラムの間の雄Wistar−Kyotoラット(Charles River Laboratories)(およそ10〜12週齢)を、それらの体重に従い、実験群にわたってランダム化し、末期手術の各日に1つの治療群当たり1匹のラットをスケジューリングすることを狙いとする(可能な場合)。この結果、各治療群からの動物が各手術日に手術されることになった。群2〜4からのラット(表3を参照されたい)は、0日目にDMSO中のsugen(20mg/kg)の単一皮下注入を受け、ケージに戻された。群1からのラットは、0日目にDMSO(sugenのビヒクル)の皮下注入を1回受け、それぞれのケージに戻された。群2〜4を、換気ケージシステムによって制御された窒素及び周囲空気の混合を使用して、0.10(10%)に等しいFiOを受けるように制御された空気を調整したケージに入れた。ラットをこれらの低酸素条件下で21日間保持した。低酸素下で、ケージを清掃し、48時間毎に変えて、1回の清掃セッション毎に5分未満にわたって動物を周囲酸素レベルに曝露した。次いで、22日目〜35日目に、動物を周囲酸素レベルに曝露した。群1の動物は、周囲酸素レベルに曝露されたケージ内で35日間維持した。行動及び全般健康状態の任意の変化について、動物を毎日観察した。5%グルコース溶液中の試験物品化合物B(10mg/kg、20mg/kg)(1日2回)、基準化合物(シルデナフィル、50mg/kg、1日2回)、またはビヒクルでの治療を開始し、スケジュールどおり、表1に記載されるように、14日目に投与を開始した。食餌及び水は自由に与えた。動物の行動及び全般健康状態を毎日観察した。週1回の採血、及び体重測定を行った。手術の日に、ラットに麻酔をかけ、器具を装着し、血行動態パラメータ(全身動脈血圧、右室血圧、肺動脈血圧、酸素飽和、呼吸抵抗、換気圧、呼吸速度、及び心拍数)を、5分間継続的に、または肺動脈圧シグナルの質の損失まで、いずれか早い方を記録した。これらの記録は、右室腔から肺動脈に戻るまで圧力変換器を動かすことと、カテーテルが動脈に入り、室に引き込まれたときの拡張期圧及び全般圧力波形の非常に明らかな移行を観察することを含んでいた。次いで、ラットを失血させ、肺循環を0.9% NaClで洗い流した。気管支、肺、及び心臓全体を胸腔から除去した。10% NBFで灌流し、10%ホルマリンに浸漬する前に、肺の右葉及び左葉を計量した。肺は、10%ホルマリン中、室温で貯蔵した。心臓を切除し、フルトン指数計算の一部として、右室(RV)及び隔膜を含む左室(LV−S)の湿重量を測定した。
Figure 0006787926
平均動脈血圧値及びフルトン指数を、以下の式を使用し、実施例2において上述のとおり計算した。研究結果を表4に記載する。
Figure 0006787926
実施例4.肺高血圧症の治療
目的:この研究は、本発明の化合物が、肺高血圧症を有する患者において、肺動脈内の血圧を低下させることができるかどうかを調べる。この治療は、息切れ、疼痛危機、肺炎等の疾患合併症を低減し、生存率を高めることができるかどうかを示す。
患者
患者は、少なくとも12歳であり、鎌状赤血球疾患及び肺高血圧症を有する。
試験化合物:化合物B、6−(4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン塩酸塩は、液体、錠剤、またはカプセルの形態で製剤化される。
プラセボは、同じビヒクルを含有し、活性化合物を含まない。
方法:これは、非盲検の16週間臨床活性研究であり、A相は6週目の中間結果、B相は16週目である。
合計20〜120人の患者が登録され、該患者のうちの約3/4は、化合物Bで治療され、該患者のうちの1/4は、標準治療の補助としてプラセボで治療される。患者は、満足のいく結果を伴わずに安定したPAH治療を受けている場合がある。試験化合物及びプラセボは、経口投与または経皮パッチのいずれかによって16週間にわたって送達される。
経口投与の場合、患者は、0.5〜100mgの試験化合物またはプラセボを1日1回摂取する。
経皮投与の場合、有効な経口用量と同様の血液濃度を達成する用量が患者に与えられる。パッチは、毎週、2週間毎、または4週間毎に取り替える。
包含基準:
1.18〜65歳の男性または女性対象
2.WHOのI群に属する以下の型の肺動脈高血圧症(PAH)を有する患者
○突発性(IPAH)
○遺伝性(HPAH)
○関連性(APAH)
●結合組織疾患
●薬物及び毒素
3.登録時に修正されたNYHA機能クラスIIIまたはIVのPAHを有し、注入可能なエポプロステノールを必要とする患者
4.患者は、注入可能なプロスタノイド治療にナイーブであり、
○新たに診断され、特定のPAH療法で治療されていないか、または
○以下の医薬品のうちの1つ以上で登録前の90日間、及び安定した用量で登録前の30日間にわたって、既存のバックグラウンドPAH療法で現在治療されているかのいずれかでなければならない。
●ボセンタン
●アンブリセンタン
●シルデナフィル
●タダラフィル
5.出産可能な女性は、信頼できる避妊法を使用しなければならない。
除外基準:
1.静脈内エポプロステノール投与または任意の血管収縮性静脈内薬物を含む緊急治療を必要とする、呼吸器及び/または心血管促拍を有する患者
2.既知の肺静脈閉塞性疾患(PVOD)
3.静脈内変力剤の現在の使用
4.120拍/分を超える心拍数を有する頻脈
5.包含基準において特定されるもの以外の任意の条件に関連する肺動脈高血圧症
6.ACT−385781Aの製剤またはその賦形剤のうちのいずれか、及びフロランまたはその賦形剤のうちのいずれかに対する既知の過敏症
7.スクリーニング前の週における吸入型イロプロストまたはトレプロスチニルの使用
8.スクリーニングの6ヶ月以内の心血管事象(例えば、一過性虚血発作または卒中)
9.心筋梗塞の病歴
10.以下のうちのいずれかを含む、左側心疾患の病歴
○血行動態的に重大な大動脈または僧帽弁疾患
○拘束性または充血性心筋症
○マルチゲート放射性ヌクレオチド血管造影図(MUGA)、血管造影法、または心電図による、40%未満の左室駆出分画
○不安定な狭心症
○致命的な心不整脈
11.慢性出血障害
12.調査者の記憶において、エポプロステノールの使用に禁忌を示す過去1ヶ月以内の感染(複数可)
13.妊娠または授乳
14.観察(非介入的)を除く別の臨床治験への参加、またはランダム化前30日以内の調査製品の受領
15.治療コンプライアンス、研究の遂行または結果の解釈に干渉し得る任意の既知の要因または疾患、例えば、薬物もしくはアルコール依存、または精神疾患
16.平均余命が12ヶ月未満のPAH以外の既知の付随する致命的疾患
主要評価項目
相A(6週)肺血管抵抗
相B(16週)機能的改善
ベースライン研究
治療を開始する前に、患者は、出産年齢の女性の妊娠検査、胸部X線、患者が吸入及び吐出することができる空気の量を測定するための肺機能検査、心電図(心超音波)、運動能力を測定するための6分間歩行検査、生活の質アセスメント、及び疼痛インベントリを含むベースライン研究を受ける。患者は、治療を始める前に、高血圧の重症度を評価するために心臓カテーテルを受ける。
評価基準:
治療中、患者は以下について監視される。
●心臓カテーテルのフォローアップ:6週、心電図:6週及び16週。
●6分歩行検査:6週、10週、及び16週。
●体重、血圧、及び心拍数の測定:6週、10週、及び16週。
●出産年齢の女性の妊娠検査:6週、10週、及び16週。
●1日1回1週間にわたる疼痛質問票:6週及び10週。
●生活の質質問票:6週及び16週。
●6週及び16週目の不安症、抑鬱、及び認知機能バッテリー
●サイトカインをインターロイキンとして含む炎症としてのバイオマーカー変化
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替実施形態を参照して具体的に示され、説明されたが、形態及び詳細における様々な変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、関連技術分野における当業者によって理解されるであろう。本出願において言及される全ての印刷された特許及び刊行物は、この参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (6)

  1. 対象における肺高血圧症の治療のための薬学的組成物であって、有効量の以下の化合物
    Figure 0006787926
    またはその薬学的に許容される塩、セミ体、もしくはジアステレオマー混合物を含み、式中、
    前記化合物の水素が、任意にH(重水素)で置換される、薬学的組成物。
  2. 前記化合物が、塩酸塩の形態を取る、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記薬学的組成物が、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記化合物が、経口投与される、請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 肺動脈高血圧症を治療する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鎌状赤血球症(SCD)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を有する対象における肺高血圧症を治療する、請求項1に記載の薬学的組成物。
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