JP6787541B2 - フィルター付きガスケット - Google Patents

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Description

本発明は、金属製のフィルターを備えるフィルター付きガスケットに関する。
金属製のフィルターを備えるフィルター付きガスケットにおいては、金属製のフィルターをインサート部品として、インサート成形によって製造されるのが一般的である。この場合、金型内にインサート部品であるフィルターを位置決めさせるために、金型及びフィルターに位置決め用の構造が設けられる。そして、インサート成形後に成形品から位置決め用の構造部分をトリミングすることで、最終製品が得られる。
従って、金属製のフィルターが単純な形状の場合には、位置決め用の構造を設け難い場合がある。また、逆に複雑な形状のフィルターの場合にも、位置決め用の構造を設け難い場合がある。また、フィルターが薄く、低剛性の場合には、使用により異物がメッシュ部に詰まり、流動抵抗が大きくなった際に、フィルターが破損してしまうおそれがある。この対策として、フィルターと補強部材とを重ねてインサート成形することも考えられるが、2つの部材をインサート部品としてインサート成形する場合には、生産性が劣ってしまう問題が生ずる。また、フィルターの目詰まりを防止するために、フィルターを接着剤に浸漬塗布することができないため、フィルターとガスケットとを固定させる力が弱くなってしまうおそれもある。
特開2013−245726号公報
本発明の目的は、フィルターの設計自由度が高く、フィルターの品質性を維持しつつ、フィルターとガスケットとを安定的に固定可能とするフィルター付きガスケットを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明のフィルター付きガスケットは、
金属製のフィルターと、
前記金属製のフィルターの外周側に全周に亘って設けられ、2部材間の隙間を封止する弾性体製のガスケットと、
を備えるフィルター付きガスケットであって、
前記ガスケットの内周に沿って設けられ、かつ該ガスケットに一体的に設けられる樹脂製の環状部材と、
前記環状部材に対して固定される樹脂製の被固定部材と、
を備え、
前記フィルターは、前記環状部材と被固定部材とにより挟み込まれることで、これら環状部材及び被固定部材に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、金属製のフィルターは、ガスケットに一体的に設けられる樹脂製の環状部材と、環状部材に固定される樹脂製の被固定部材とにより挟み込まれることで、これ
ら環状部材及び被固定部材に固定される。そのため、金属製のフィルターをインサート部品としてインサート成形する場合のように、フィルターをインサート部品とする場合に生ずる種々の問題は発生しない。従って、フィルターの設計自由度を高くすることができ、かつフィルターの品質を維持させることができる。また、フィルターは、ガスケットに一体的に設けられる樹脂製の環状部材と樹脂製の被固定部材とにより挟み込まれることで固定されるため、ガスケットに対して安定的に固定される。
前記フィルターに重ね合わされた状態で、前記環状部材と被固定部材とにより挟み込まれることで、これら環状部材及び被固定部材に固定され、前記フィルターを補強する補強部材を備えるとよい。
このようにフィルターに補強部材を重ね合わせる場合においても、これらフィルターと補強部材とをインサート部品としてインサート成形する必要がない。
前記環状部材には前記フィルターの孔に挿通される突起が設けられると共に、
前記被固定部材には前記突起が嵌合される嵌合穴が設けられているとよい。
これにより、フィルターを環状部材及び被固定部材に対して、より安定的に固定させることができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、フィルターの設計自由度が高く、フィルターの品質性を維持しつつ、フィルターとガスケットとを安定的に固定させることができる。
図1は本発明の実施例に係るフィルター付きガスケットの使用状態を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットの平面図である。 図3は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットの一部拡大断面図である。 図4は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットにおいて、被固定部材が固定される前の状態を示す平面図である。 図5は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットにおいて、被固定部材が固定される前の状態を示す一部拡大断面図である。 図6は本発明の実施例1に係る環状部材の平面図の一部である。 図7は本発明の実施例1に係る被固定部材の背面図の一部である。 図8は本発明の変形例に係る被固定部材の正面図である。 図9は本発明の変形例に係る被固定部材の背面図である。 図10は本発明の実施例2に係るフィルター付きガスケットの一部拡大断面図である。 図11は補強部材の平面図である。 図12は補強部材の平面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図9を参照して、本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットについて説明する。
<フィルター付きガスケットの使用例>
図1を参照して、本実施例に係るフィルター付きガスケットの使用例について説明する。図1は本発明の実施例に係るフィルター付きガスケットの使用状態を示す模式的断面図である。図1においては、本実施例に係るフィルター付きガスケットについて概略的に示している。
本実施例に係るフィルター付きガスケット100は、金属製のフィルター110と、フィルター110の外周側に全周に亘って設けられる弾性体製のガスケット120とを備えている。ガスケット120は、2部材間の隙間を封止する役割を担っている。図1に示す例においては、2つの管210,220の端面間にガスケット120が挟み込まれた状態で、本実施例に係るフィルター付きガスケット100が配置されている。これにより、ガスケット120によって2つの管210,220の端面間の隙間が封止されると共に、接続された2つの管210,220内部の通路内にフィルター110が配置される。従って、例えば、図中、右側の管210から左側の管220に流体が流れる際に、流体中に含まれる異物をフィルター110により捕捉することができる。
<フィルター付きガスケットの構成>
図2〜図9を参照して、本実施例に係るフィルター付きガスケットの構成について説明する。図2は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットの平面図である。図3は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットの一部拡大断面図であり、図2中のAA断面図である。図4は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットにおいて、被固定部材が固定される前の状態を示す平面図である。図5は本発明の実施例1に係るフィルター付きガスケットにおいて、被固定部材が固定される前の状態を示す一部拡大断面図であり、図4中のBB断面図である。図6は本発明の実施例1に係る環状部材の平面図の一部である。図7は本発明の実施例1に係る被固定部材の背面図の一部である。図8は本発明の変形例に係る被固定部材の正面図である。図9は本発明の変形例に係る被固定部材の背面図である。なお、図3,5においては、切断面のみを示し奥行き線は省略している。
本実施例に係るフィルター付きガスケット100は、金属製のフィルター110と、フィルター110の外周側に全周に亘って設けられる弾性体製のガスケット120とを備えている。フィルター110は、例えば、金属プレートに対して、プレス加工やエッチング加工が施されることにより微細孔(メッシュ)が形成されることにより得られる。本実施例に係るフィルター110は、その外周面が円形である。
ガスケット120には、ガスケット120の内周に沿って設けられ、かつガスケット120に一体的に設けられる樹脂製の環状部材130が備えられている。なお、環状部材130をインサート部品として、インサート成形(加硫成形)することによって、環状部材130を備えるガスケット120を得ることができる。ガスケット120は、略円筒状の部材により構成されている。そして、本実施例に係る環状部材130は、段差を有する略円筒状の部材により構成されており、径方向内側の薄板部131と、薄板部131よりも径方向外側の厚板部132とを備えている。薄板部131には、複数個所(本実施例では、8か所)に突起131aが設けられている。なお、これら複数の突起131aは、周方向に間隔を空けて配置されており、本実施例においては、等間隔に配置されている。そして、厚板部132の外周側に沿うようにガスケット120が設けられている。
また、本実施例に係るフィルター付きガスケット100においては、環状部材130に対して固定される樹脂製の被固定部材140が備えられている。環状部材130と被固定部材140との固定方法については、特に限定されるものではなく、ハトメ等の固定具を用いた物理的結合の他、振動溶着や超音波溶着などによる接着など、各種公知技術を採用し得る。被固定部材140は、略円筒状の部材により構成されている。そして、被固定部材140には、環状部材130の薄板部131に設けられた突起131aが嵌合する嵌合穴141が、複数個所(本実施例では、8か所)に設けられている。なお、これら複数の嵌合穴141は、周方向に間隔を空けて配置されており、本実施例においては、等間隔に配置されている。
そして、フィルター110は、環状部材130と被固定部材140とにより挟み込まれることで、これら環状部材130及び被固定部材140に固定される。より具体的には、まず、ガスケット120に一体的に設けられた環状部材130に対してフィルター110が配置される。このとき、環状部材130における薄板部131に設けられた複数の突起131aがそれぞれフィルター110の目(孔)を挿通するように、環状部材130にフィルター110が配置される(図4及び図5参照)。
その後、被固定部材140が環状部材130に対して固定される。このとき、被固定部材140に設けられた複数の嵌合穴141が、それぞれ環状部材130の薄板部131に設けられた突起131aに嵌合された後に、各種方法により固定される。これにより、フィルター110は、環状部材130と被固定部材140とにより挟み込まれた状態で固定される(図3参照)。
<本実施例に係るフィルター付きガスケットの優れた点>
本実施例によれば、金属製のフィルター110は、ガスケット120に一体的に設けられる樹脂製の環状部材130と、環状部材130に固定される樹脂製の被固定部材140とにより挟み込まれることで、これら環状部材130及び被固定部材140に固定される。つまり、ガスケット120に対してフィルター110を固定させるために、フィルター110をインサート部品としてインサート成形する必要がない。そのため、金属製のフィルターをインサート部品としてインサート成形する場合のように、フィルターをインサート部品とする場合に生ずる種々の問題は発生しない。従って、フィルター110の設計自由度を高くすることができ、かつフィルター110の品質を維持させることができる。
また、フィルター110は、ガスケット120に一体的に設けられる樹脂製の環状部材130と樹脂製の被固定部材140とにより挟み込まれることで固定されるため、ガスケット120に対して安定的に固定される。つまり、金属製のフィルターをインサート部品としてインサート成形によりガスケットを成形する場合には、従来技術の中で説明したように、フィルターとガスケットとを安定的に固定させることは難しい。これに対して、樹脂製の環状部材130をインサート部品としてインサート成形によりガスケット120を成形する場合には、これらを強固に固定させるのは容易である。従って、結果的に、フィルター110とガスケット120とを安定的に固定させることが可能となる。
また、本実施例に係るフィルター付きガスケット100においては、環状部材130にはフィルター110の目(孔)に挿通される突起131aが設けられると共に、被固定部材140には突起131aが嵌合される嵌合穴141が設けられている。これにより、フィルター110を環状部材130及び被固定部材140に対して、より安定的に固定させることができる。
<被固定部材の変形例>
本実施例においては、被固定部材140として略円筒状の部材を採用し、一つの被固定部材140に複数の嵌合穴141が設けられる構成について示した。しかしながら、被固定部材140については、このような構成に限定されるものではない。例えば、図8及び図9に示すように、円柱状部材により構成された被固定部材140Xを採用することもできる。この被固定部材140Xにおいては、その中央の1箇所に嵌合穴141Xが設けられている。このように構成される被固定部材140Xを用いる場合には、環状部材130に設けられた複数の突起131aに対して、それぞれ一つずつ被固定部材140Xを固定すればよい。従って、上記の実施例のように、8か所に突起131aが設けられた環状部材130に対しては、8個の被固定部材140Xが必要となる。なお、環状部材130と被固定部材140Xとの固定方法については、上記実施例で説明した通りである。
(実施例2)
図10〜図12には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、環状部材と被固定部材とによりフィルターのみを挟み込んで固定させる構成を示したが、本実施例においては、環状部材と被固定部材とにより、フィルターと補強部材とを挟み込んで固定させる構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
フィルターが薄くて剛性が低い場合には、フィルターを補強するために補強部材が設けられる。本実施例においては、補強部材を設ける場合の構成について、図10〜図12を参照して説明する。図10は本発明の実施例2に係るフィルター付きガスケットの一部拡大断面図である。なお、図10においては、切断面のみを示し奥行き線は省略している。図11及び図12は補強部材の平面図であり、それぞれ異なる構成について示している。
本実施例に係るフィルター付きガスケット100においても、上記実施例1の場合と同様に、金属製のフィルター110Xと、フィルター110Xの外周側に全周に亘って設けられる弾性体製のガスケット120とを備えている。また、上記実施例1の場合と同様に、ガスケット120には、環状部材130が一体的に設けられている。更に、上記実施例1と同様に、フィルター付きガスケット100は、環状部材130に対して固定される樹脂製の被固定部材140も備えられている。ガスケット120,環状部材130、及び被固定部材140の構成については、上記実施例1の場合と同一であるので、その説明は適宜省略する。
本実施例においては、フィルター110Xに重ね合わされた状態で、環状部材130と被固定部材140とにより挟み込まれることで、これら環状部材130及び被固定部材140に固定される補強部材150が備えられている点が、上記実施例1の場合とは異なっている。補強部材150は、フィルター110Xを補強するために設けられている。この補強部材150を設けることによって、剛性の低いフィルター110Xの損傷を抑制することが可能となる。
このように、フィルター110Xを補強するための補強部材150を設ける場合においても、フィルター110Xに補強部材150を重ね合わせた状態で、環状部材130と被固定部材140とにより挟み込むようにして、補強部材150を固定させることができる。
なお、補強部材の構成は特に限定されるものではない。ここでは、図11と図12を参照して、2種類の補強部材について簡単に説明する。図11に示す補強部材150は、円環状部151の内側に補強用の格子状部152が設けられた構成である。格子状部152は、フィルター110Xよりも剛性が高く、かつ目が粗いことで、フィルター110Xの機能を妨げることなく、フィルター110Xを補強する機能を発揮する。円環状部151
には、環状部材130の薄板部131に設けられた複数の突起131aがそれぞれ挿通される貫通孔151aが複数設けられている。また、図12に示す補強部材150Xは、円環状部151Xに複数の貫通孔151Xaが設けられた構成である。貫通孔151Xaは、環状部材130の薄板部131に設けられた突起131aが挿通されるために設けられている。フィルター110Xのうち、環状部材130及び被固定部材140によって挟み込まれる付近のみを補強すればよい場合には、このように構成された補強部材150Xを採用することができる。なお、同種又は異種のフィルターを複数重ねて環状部材130及び被固定部材140によって挟み込んで固定させる構成も採用し得る。
(その他)
上記各実施例においては、フィルターの平面形状が円形で、ガスケット,環状部材、及び被固定部材もフィルターの平面形状に合わせて略円筒状の部材により構成される場合を示した。しかしながら、これらの形状は、そのような形状に限定されるものではない。つまり、フィルターの平面形状は円形に限定されるものではなく、様々な形状を採用し得る。そして、ガスケット,環状部材、及び被固定部材については、フィルターの外周側の形状に合わせた形状とすればよい。
100 フィルター付きガスケット
110,110X フィルター
120 ガスケット
130 環状部材
131 薄板部
131a 突起
132 厚板部
140,140X 被固定部材
141,141X 嵌合穴
150,150X 補強部材
151,151X 円環状部
151a,151Xa 貫通孔
152 格子状部
210,220 管

Claims (3)

  1. 金属製のフィルターと、
    前記金属製のフィルターの外周側に全周に亘って設けられ、2部材間の隙間を封止する弾性体製のガスケットと、
    を備えるフィルター付きガスケットであって、
    前記ガスケットの内周に沿って設けられ、かつ該ガスケットに一体的に設けられる樹脂製の環状部材と、
    前記環状部材に対して固定される樹脂製の被固定部材と、
    を備え、
    前記フィルターは、前記環状部材と被固定部材とにより挟み込まれることで、これら環状部材及び被固定部材に固定されていることを特徴とするフィルター付きガスケット。
  2. 前記フィルターに重ね合わされた状態で、前記環状部材と被固定部材とにより挟み込まれることで、これら環状部材及び被固定部材に固定され、前記フィルターを補強する補強部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルター付きガスケット。
  3. 前記環状部材には前記フィルターの孔に挿通される突起が設けられると共に、
    前記被固定部材には前記突起が嵌合される嵌合穴が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルター付きガスケット。
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