JP6787074B2 - 施肥設計方法、施肥設計プログラム、および施肥設計システム - Google Patents

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Description

本発明は、施肥設計方法、施肥設計プログラム、および施肥設計システムに関する。
稲作や穀物栽培を中心に、営農の効率を図るとともに、栽培された作物の価値を高いものにするために様々な研究、開発が行われている。そのような研究、開発の一つに施肥量を最適化するための施肥設計がある。
従来、穀物の生育段階における施肥量を決定する方法として、特定時期の葉身情報と、生産された穀物の品質情報と、特定時期の施肥情報との関係を解析し、特定時期の施肥量を求める施肥関係式を決定して、現に生育中の穀類作物の特定時期の施肥量を導出する、穀類作物の施肥量決定方法がある(特許文献1)。
しかし、この方法は現在生育中の穀物に対しての施肥量を決定するだけであり、その穀物が収穫されたのち、次に生育する穀物に対する施肥量を決定することはできない。
また従来、対象培地に対する肥料の施用量を決定する施肥設計方法として、対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得する一方、対象培地に含まれている可給態窒素量を化学分析により推定して、目標可給態窒素量から対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引くことで、対象培地の可給態窒素の不足量を算出する一方、資材に含まれている可給態窒素を化学分析により求めて、対象培地の可給態窒素の不足分を補うために必要な適正化資材施用量を決定する(特許文献2)。
この方法は、対象培地の可給態窒素を考慮して、資材(施用する肥料のこと)の施用量を決定している。
特開2000−300077号公報 特開2015−027296号公報
しかしながら、引用文献2では、対象培地(すなわち圃場内)の土の状態を化学分析により得ている。このため、圃場内全域の状態を確認するためには、圃場内全域の土をまんべんなく、かつ、できるだけ多くサンプリングして分析する必要があり、これは非常に多くの時間と人手を要することになって現実的でない。
本発明の目的は、従来よりも容易に圃場内の窒素施用量を決定することができる施肥設計方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、従来よりも容易に圃場内の窒素施用量を決定することができる施肥設計プログラムを提供することである。さらに、本発明の他の目的は、従来よりも容易に圃場内の窒素施用量を決定することができる施肥設計システムを提供することである。
上記目的を達成するための本発明は以下の構成を有する。
(1)圃場内の今期生育中の作物の葉色および茎数に関する情報を取得し、取得した前記葉色および前記茎数に関する情報から前記作物の吸収窒素量を求める段階と、
前記吸収窒素量から今期投入済み窒素施用量を減算することで、現在の地力窒素量を求める段階と、
前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求める段階と、
を有する、施肥設計方法。
(2)前記作物は水稲であり、
前記吸収窒素量を求める段階は、
幼穂形成期の水稲の葉色および茎数から前記葉色および茎数に関する情報を取得して、当該取得した前記葉色および茎数に関する情報から前記幼穂形成期の前記吸収窒素量を求め、
前記幼穂形成期の前記吸収窒素量に対して、品種ごとにあらかじめ決められた値で増加させることで穂揃期の前記吸収窒素量を求め、
前記地力窒素量を求める段階は、前記穂揃期の前記吸収窒素量を使用して前記地力窒素量を求める、(1)に記載の施肥設計方法。
(3)前記あらかじめ決められた値は、一定値である、(2)に記載の施肥設計方法。
(4)前記葉色に関する情報は、前記作物を撮影して得られた近赤外線波長および可視光線波長の画像より求める、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の施肥設計方法。
(5)前記吸収窒素量を求める段階は、
前記葉色から前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求める段階と、
前記画像から植被割合を求める段階と、
あらかじめ作成された、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める段階と、
を有する、上記(4)に記載の施肥設計方法。
(6)前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、上記(1)〜(5)のいずれかつに記載の施肥設計方法。
(7)前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の施肥設計方法。
(8)圃場内の今期生育中の作物の葉色および茎数に関する情報を取り込む段階と、
今期投入済み窒素施用量の入力を受ける段階と、
前記葉色および前記茎数に関する情報から吸収窒素量を求める段階と、
前記吸収窒素量から前記今期投入済み窒素施用量を減算することで、現在の地力窒素量を求める段階と、
前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求める段階と、
をコンピューターに実行させる施肥設計プログラム。
(9)前記作物は水稲であり、
前記葉色および茎数に関する情報を取り込む段階は、幼穂形成期の水稲の葉色および茎数から取得した前記葉色および茎数に関する情報であり、
前記吸収窒素量を求める段階は、
前記幼穂形成期の前記葉色および前記茎数に関する情報から前記幼穂形成期の前記吸収窒素量を求め、
前記幼穂形成期の前記吸収窒素量にあらかじめ決められた値で増加させることで穂揃期の前記吸収窒素量を求め、
前記地力窒素量を求める段階は、前記穂揃期の前記吸収窒素量を使用して前記地力窒素量を求める、上記(8)に記載の施肥設計プログラム。
(10)前記葉色および茎数に関する情報を取り込む段階は、前記作物を撮影して得られた近赤外線波長および可視光線波長の画像を取り込んで、取り込んだ画像から葉色および茎数に関する情報を求める段階をさらに有する、上記(8)または(9)に記載の施肥設計プログラム。
(11)前記吸収窒素量を求める段階は、
前記葉色から前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求める段階と、
前記画像から植被割合を求める段階と、
あらかじめ作成された、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める段階と、
を有する、上記(8)〜(10)のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
(12)前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、上記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
(13)前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、上記(8)〜(12)のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
(14)圃場内の作物を撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された画像データを取り込むとともに、今期投入済み窒素施用量の入力を受けて、前記画像データから葉色および植被割合を求めて、あらかじめ記憶されている、葉色および植被割合と吸収窒素量との相関関係から前記吸収窒素量を求め、前記吸収窒素量から前記今期投入済み窒素施用量を減算することで現在の地力窒素量を求め、前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求めるコンピューターと、
を有する、施肥設計システム。
(15)前記カメラは、可視光線波長および近赤外線波長の画像撮影が可能であり、
前記コンピューターは、可視光線波長および近赤外線波長の画像データから前記葉色に関する情報を求める、上記(14)に記載の施肥設計システム。
(16)前記コンピューターは、前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求め、あらかじめ記憶されている、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める、上記(15)に記載の施肥設計システム。
(17)前記コンピューターは、前記画像に写っている前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、上記(14)〜(16)のいずれか一つに記載の施肥設計システム。
(18)前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、上記(14)〜(17)のいずれか一つに記載の施肥設計システム。
本発明によれば、今期生育中の作物の葉色および茎数と、投入済み窒素施用量とから地力窒素量を求めて、これを基に地力窒素量を求めることとした。このため容易に圃場内の地力窒素量を把握することができ、次期に必要となる窒素施用量を決定することができる。
本実施形態に係る施肥設計システムの構成を説明するための概略構成図である。 施肥設計システムを用いた施肥設計手順を示すメインフローチャートである。 次期生育用窒素施用量の算出(S3)の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 圃場内を撮影した画像から得られるGNDVI、植被割合、これらの掛け算値、次期生育用窒素施用量を画像として示した図である。 次期生育用窒素施用量を区画ごとに数値として表示したマップ図である。 複数期にわたり窒素施用量を求める手順を示す流れ図である。 本実施形態による施肥状態を説明するための説明図である。 本実施形態を実施しない場合の施肥状態を説明するための説明図である。 GNDVIとSPADの関係を示すグラフである。 植被割合と茎数の関係を示すグラフである。 GNDVI×植被割合と吸収窒素量の関係を示すグラフである。 吸収窒素量と籾数の関係を示すグラフである。 はえぬきおよびつや姫についての測定時期と吸収窒素量の関係を示すグラフである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。この実施形態においては、水稲の生育における施肥設計を例に説明する。しかしながら、本発明は、水稲の生育における施肥設計に限定されるものではない。
まず、本発明を適用した実施形態に係る施肥設計システムを説明する。
図1は、本実施形態に係る施肥設計システムの構成を説明するための概略構成図である。
この施肥設計システム100は、生育中の水稲の画像を撮影するカメラ101と、カメラ101から取得した画像データから施肥設計を行うコンピューター102とからなる。
カメラ101は、マルチスペクトルカメラを使用する。マルチスペクトルカメラは、近赤外線領域(720〜1200nm)の波長による画像を撮影するとともに、青色波長(470nm近辺)、赤色波長(610nm近辺)、および緑色波長(550nm近辺)のいずれか一つの波長による画像を撮影する。また、好ましくはさらに全可視光線による画像(通常画像)を撮影する。全可視光線による画像はカメラによる撮影位置を作業者が確認するためのものであり、本実施形態の処理に必ずしも必要となる画像ではない。
このカメラ101を用いて好ましくは上空から圃場内の水稲を撮影する。このために、カメラ101を、たとえば無線制御によるドローンや無線操縦ヘリに搭載する。これにより圃場内全体を効率よく撮影することができる。そのほかの撮影方法であってもよく、手近なところでは竿に搭載したり、脚立などに乗って撮影したりしてもよい。さらには衛星写真(赤外線画像や特定波長の画像など)をこのカメラ101による撮影の代わりに利用することもできる。
コンピューター102は、CPU、ROM、RAM、および表示装置、入力装置など(いずれも不図示)を備えている周知のパソコンを使用可能である。このコンピューター102により、後述する手順のプログラムを実行させることで、カメラ101によって撮影された画像を用いて施肥設計を行う。このために、コンピューター102とカメラ101とが無線ネットワークによって接続されていて、カメラ101からコンピューター102へ画像データが渡されるようにしてもよいし、カメラ101の画像データを蓄積した外部記憶装置からコンピューター102へ画像データを渡すようにしてもよい。
次に、本発明を適用した実施形態に係る施肥設計方法を説明する。
図2は、施肥設計システムを用いた施肥設計手順を示すメインフローチャートである。この手順はコンピューター102が実行可能なプログラムとしてコンピューター102に提供されて実行される。
まず、コンピューター102は、葉色および茎数に関する情報として、カメラ101が撮影した圃場内の水稲の画像データを取得する(S1)。画像データは、前述のように近赤外線画像と、赤、青、緑のうちいずれか1つの波長の画像である。ここでは、緑色波長の画像を用いる。カメラ101による水稲の撮影時期については後述する。
続いて、コンピューター102は取得した画像データから、画像内にある圃場を所定面積の区画で区割りする(S2)。
続いて、コンピューター102は、区画ごとに次期生育用窒素施用量を算出する(S3)。次期生育用窒素施用量の算出方法は後述する。窒素施用量は、他の成分と混合されている施肥中の窒素量である。
区画ごとに求めた次期生育用窒素施用量をS2で作成した各区画に当てはめて表示(出力)する(S4)。
これにより、圃場を分割した区画ごとに次期の生育に必要な窒素施用量がわかるマップが得られる。
次に、上述したS3における区画ごとの窒素施用量の算出方法を説明する。図3は、次期生育用窒素施用量の算出(S3)の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
次期生育用窒素施用量の算出は、概略すると以下のステップからなる。S1で取得した画像データから葉色と茎数を求めるステップ(S31)と、今期水稲の吸収窒素量を求めるステップ(S32)と、今期に投入された肥料の量から投入済み窒素施用量を求めるステップ(S33)と、今期水稲の吸収窒素量から投入済み窒素施用量を引くことで、土壌に残存する地力窒素量を求めるステップ(S34)と、あらかじめ記憶されている(またはこの時点で入力される)水稲の適正窒素施用量とS34で求めた地力窒素量とから次期生育用窒素施用量を求めるステップ(S35)とを有する。この各ステップは、区画ごとに行いすべての区画で次期生育用窒素施用量を決定した後、メインフローチャートへ戻る。
なお、本明細書において今期(または前期)、次期とは、水稲を生育する期間であり、必ずしも1期と1年度とは一致しない。たとえば、二毛作では同一年度内において2期分の作付が行われる。もちろん、1期が1年度となる場合もある。
各ステップの詳細を説明する。
画像データから葉色と茎数を求めるステップ(S31)は、まず、画像データをコンピューターが取り込んで、その画像データから葉色に関する情報としてNDVIまたはGNDVIを求める。NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)とは正規化植生指標である。GNDVI(Green Normalized Difference Vegetation Index)緑の正規化植生指標である。
NDVIは、植物の緑葉が青色波長(470nm近辺)と赤色波長(610nm近辺)の波長の領域で葉緑素による吸収を示し、近赤外線領域(720〜1200nm)の波長を強く反射する特性を利用して求めている。このため、NDVIをカメラ101が撮影した画像から取得する場合、近赤外線波長(IR)とともに可視光線波長の画像を使用する。具体的にはたとえば近赤外線波長(IR)と青色波長(B)の組み合わせ、近赤外線波長(IR)と赤色波長(R)の組み合わせが用いられる。算出式は下記の(1)式または(2)式である。
NDVI=(IR−B)/(IR+B) …(1)
NDVI=(IR−R)/(IR+R) …(2)
各式において、それぞれの値は、デジタルカメラを使用する場合、2次元画像の各ピクセルの階調値をそのまま用いることができる。各ピクセルをそれぞれ独立して求めるのではなく、所定範囲内の複数ピクセルの階調値の平均値を使用してもよい。
GNDVIは、NDVIと同様の植生指数であり、近赤外線波長と緑色波長(G)(550nm近辺)の画像を使用している。GNDVIの算出は、下記(3)式である。
GNDVI=(IR−G)/(IR+G) …(3)
GNDVIにおいても各ピクセルの階調値または複数ピクセルごとの階調値の平均値を用いる。
本実施形態ではGNDVIを用いた。もちろんNDVIも全く同じように用いることができる。
茎数も画像データから求める。画像から茎数を求めるためには評価関数を用いる。評価関数は、たとえば、水稲の植被率である。植被率を求める方法は周知であるので詳細な説明は省略するが、概略以下のとおりである。近赤外線画像から画像処理ソフトウェアを用いて、2値化処理を行うことで水稲部分を浮き立たせる。2値化処理により水稲部分が白色、その他の部分が黒色となる。圃場面積(水稲が植えられている範囲)に対する白色部分の割合が植被率となる。植被率は通常百分率の値で表すが、本実施形態では評価関数として百分率にする前の値を使用する。これを植被割合と称する。
したがって、植被割合=白色部分面積/圃場面積 で求める。圃場を所定面積で区画して区画ごとに植被割合を求める場合も同様であり、植被割合=1区画内の白色部分面積/1区画面積 である。
本実施形態では、カメラ101によって撮影した近赤外線波長による画像から植被割合を求めた。
今期水稲の吸収窒素量を求めるステップ(S32)は、得られたGNDVIと植被割合から、稲体の吸収窒素量(以下単に「吸収窒素量」という)を求める。たとえば、あらかじめ実験によって(GNDVI×植被割合)を説明変数、吸収窒素量を目的変数とする回帰式を求めて、この回帰式を用いて吸収窒素量を求める。具体的には、(GNDVI×植被割合)を説明変数、吸収窒素量を目的変数とする回帰式は水稲では下記(4)式に示す一次回帰式となるので、この一次回帰式を使用して吸収窒素量を求めることができる。
吸収窒素量=a×GNDVI×植被割合+b …(4)
ここで、aは傾き、bは一次回帰式のy軸切片の値である。一次回帰式に代えて検量線を用いてもよい。検量線は、(GNDVI×植被割合)を直交座標系グラフの一方の軸とし、吸収窒素量を他方の軸とする。なお、検量線は、(GNDVI×植被割合)と吸収窒素量を、直交座標系グラフのx軸とY軸のどちらの軸に配置してもよい。
この(4)式はすでに説明したように、GNDVIは葉色、植被割合は茎数をそれぞれ表している。したがって、吸収窒素量は、葉色と茎数から求めていることになる。
ここで、茎数は、測定する圃場面積内における窒素を吸収した稲体の体積を表している。稲体の体積は、厳密には(茎数×草丈)となる。しかし、草丈は、水稲の場合、茎が違っていてもほぼ同じである。したがって、本実施形態においては吸収窒素量を算出する(4)式の項としては省略した。なお、水稲以外の作物で吸収窒素量を求める際に、複数の茎ごとに草丈が異なる場合は、草丈を(4)式に含めてもよい。(4)式に草丈を含める場合、メジャーや定規で実際に草丈を測定したり、3次元変位計や、画像処理による3次元計測などを用いて測定したりする。もちろんこれらに限定させるものではない。また、測定値そのままを使用してもよいし、中央値や平均値などの統計的な処理をした値を使ってもよい。
投入済み窒素施用量を求めるステップ(S33)は、コンピューター102に対してあらかじめまたはこのステップで、今期に投入された肥料の量と窒素含有量が入力されて、その肥料の窒素含有量から投入済み窒素施用量を求める。肥料中の窒素含有量は化成肥料の場合は成分割合として製品に明示されているのでそれを用いる。有機肥料の場合は、個別に化学分析により求めてもよいが、有機肥料においも、市販品では成分が明示されているものもあるので、その値を用いればよい。また、たとえば堆肥の分析値が公開されているものもある(たとえば山形県で生産されている堆肥URL:http://agrin.jp/hp/minorin/taihidb/bunseki.pdf)。用いた有機肥料について公開されている値があればそれらを用いてもよい。
土壌に残存する地力窒素量を求めるステップ(S34)は、S32で得られた吸収窒素量からS33で得られた投入済み窒素施用量を減算することで、土壌に残存する窒素量である地力窒素量が求められる。算出式は下記(5)式のとおりである。
地力窒素量=吸収窒素量−投入済み窒素施用量 …(5)
ここで、投入済み窒素施用量は、施肥方法によって変形する。基肥と追肥に分けて施肥している場合は、下記(6)式のとおりとする。
地力窒素量=吸収窒素量−(k1×基肥窒素量)−(k2×追肥窒素量) …(6)
ここで、k1およびk2は水稲の場合、水に溶けた窒素分が蒸発して無効となる窒素量を控除するための係数である。このk1およびk2はあらかじめコンピューター102内の記憶装置に記憶させておくか、この段階で入力する。
k1およびk2は、水稲による施肥窒素の利用率から求める。水稲による施肥窒素の利用率は周知であり、水稲の種類によって幅がある、以下一例を示すと施肥窒素の利用率は、基肥30%、追肥(幼穂形成期)50%である。
この場合、基肥は、施用した窒素量の約30%を生育中の水稲が吸収する(一例を挙げると山形県庄内の場合だと移植50日間で吸収される)。そして、基肥中の他の窒素は、約30〜40%が窒素ガスとなり空気中に出て行き(脱窒)、約30%が土壌に有機化されて残る。土壌に残った窒素は次期に生育する水稲に吸収されるようになる。したがって、この場合、k1は0.3となる。
追肥の場合は、施用した窒素量の約50%を水稲が吸収する(追肥の場合は、施肥後1週間以内で吸収される)。その他の窒素は、約50%は窒素ガスとなり空気中に出て行く(脱窒)。そこで、k2は0.5となる。
これら、k1およびk2の値は、あくまでも一例であり、水稲の品種や環境などによって異なるので適宜設定すればよい。
なお、基肥とは、通常、耕起の前に実施する肥料である。耕起後に代かきを行い、田植えとなる。基肥は、一般的に稲の葉身の生育を目的としている。
また、近年盛んに行われている田植えと同時に苗の近傍に施肥を行う一発基肥のようなものもある。一発基肥の場合、地力窒素量=吸収窒素量−(k1×一発基肥窒素量)となる。
追肥は、生育期間中に実施する肥料である。施す時期によって細分化されることもあるが、一般的には幼穂形成期から出穂前に施す穂肥をさすことが多い。追肥は一般的に穂を実らせ、品質や収量を上げることを目的としている。
葉色の撮影は、すべての施肥が終わった後に残留する地力窒素量を求めるためには、上記のような施肥の時期を考慮すると、稲が基肥だけでなく、追肥も吸収して葉身が十分に成長した穂揃期または成熟期に撮影することが理想的である。しかし、穂揃期または成熟期に撮影すると、穂が大きくなっているため撮影の際に穂が葉身を隠してしまい、葉身そのものが写らないことがある。これでは、画像から正確な葉色や茎数を測定できない。また、画像を撮影する目的に一つに、生育途中における追肥量の決定がある。これは、出穂期まえに葉色から稲が十分に成長しているか否かを画像から診断して、成長不足の場合には追肥を行うのである。したがって、出穂期前に行われた撮影の画像を用いることができれば効率が良い。しかも、出穂期前であれば、穂が張り出して葉身を隠してしまうこともないので、葉身を確実に撮影して正確な葉色を取得することができる。
本発明者らの研究の結果、詳細は実施例として後述するが、幼穂形成期の画像の葉色および茎数から求めた吸収窒素量に対して、穂揃期の画像の葉色および茎数から求めた吸収窒素量は一定の割合で増加していることがわかった。
したがって、幼穂形成期の画像の葉色および茎数から求めた吸収窒素量をあらかじめ決めた加算値で換算することで穂揃期の吸収窒素量が得られる。
このことから、すべての施肥が終わった後に残留する地力窒素量を求める際には、上記(6)式を変形した下記(7)式および(8)式により求めることができる。
穂揃期の吸収窒素量=幼穂形成期の吸収窒素量+KH …(7)
地力窒素量=穂揃期の吸収窒素量−(k1×基肥窒素量)−(k2×追肥窒素量) …(8)
(7)式中、幼穂形成期の吸収窒素量は、すでに説明したように、幼穂形成期の画像から(4)式または検量線により求める。KHは幼穂形成期の吸収窒素量から穂揃期の吸収窒素量へ換算するため加算値である。なお、KHはここでは後述する実施例の(5)の結果から加算値としているが、幼穂形成期の吸収窒素量に対して一定数を掛ける係数としてもよい。
次に、次期生育用窒素施用量に決定するステップ(S35)は、水稲の適正窒素施用量とS34で求めた地力窒素量との差を算出する。水稲の適正窒素施用量は、地域の農協や農業試験場、大学、その他の研究機関や関連企業などから品種ごとに提供されているので、その値を用いることができる。一例として、ブランド米として食味と収量のバランスを取るように考えられた指標を紹介する。食味は主に籾中のタンパク質の量で決まる。一方、収量は茎1本当たりの籾数であるが、あまり籾数が多くなると稲の倒伏などがおきて収量が減ってしまう。このタンパク質の量および籾数は施用された窒素量と密接な関係がある。窒素量が少ないとタンパク質の生成が悪く、籾数が少ない。逆に窒素量が多いとタンパク質が多くなり過ぎて食味が悪くなり、また籾数が多くなり過ぎて倒伏のおそれが高くなる。これらの点が考慮された適正籾数として、たとえば山形県で生産される「はえぬき(登録商標)」では32000(粒/m)となっている。この適正籾数32000(粒/m)のときの適正窒素量は11.5(g/m)である(後述する実施例の(4)参照)。
地力窒素量がわかることで、次期の水稲の生育に必要となる窒素施用量を求めることができる。このとき求める窒素施用量は、次期の生育に使用されることから、ここでは次期生育用窒素施用量と称する。下記(9)式で求める。
次期生育用窒素施用量=(k1×基肥窒素量)+(k2×追肥窒素量)=適正窒素量−地力窒素 …(9)
このようにしてS35により区画ごとの次期生育に必要な窒素施用量が求まるので、メインフローチャートへ戻り、区画ごとに次期生育用窒素施用量をマップとして表示する。
図4は圃場内を撮影した画像から得られるGNDVI、植被割合、これらの掛け算値、次期生育用窒素施用量を画像として示した図である。
図4のGNDVIの画像から周辺部でGNDVIが低く、中ほどで所々GNDVIの高いところがある。GNDVIの画像から必要であれば追肥を行う。追肥量は周辺部で高く、中ほどの所々では低くする。
また、植被割合の画像では、やはり周辺部で植被割合の低い部分があり、中ほどで所々高いところがある。さらに中央部でも一部植被割合の低い部分が認められる。
これらGNDVIの画像と植被割合の画像から吸収窒素量の画像が得られる。吸収窒素量の画像は、GNDVIと植被割合が反映されていて、周辺部で低く、中ほどで所々高いところと、一部で低くなっている部分がある。
そして、これらの画像から次期生育用窒素施用量が得られる。次期生育用窒素施用量の画像は、次期生育用窒素施用量が周辺部で高く、中ほどで所々低くなるところと、一部で高くなっている。
次に、この次期生育用窒素施用量を区画ごとに数値として表示したマップ例を説明する。図5は、次期生育用窒素施用量を区画ごとに数値として表示したマップ図である。
このマップは、100m×30mの圃場を所定面積、たとえば10m×10m(面積1a(100m))で区画したものである。図示するように、区画ごとに次期生育用窒素施用量が表示されている。各区画に表示されている値は、1a当たりの窒素施用量(kg/a)である。また、表示されている窒素施用量は生育期間を通しての全量となる値である。したがって、基肥と追肥に分けて施用する場合は、表示されている値をさらに基肥と追肥に分けて用いる。
このマップを使用して、同様に区画した圃場の区画ごとに、マップを参照にして次期生育のための窒素を施用する。これにより圃場内の地力窒素量のバラツキが補填されて、次期は、圃場内に均等に生育できる。このため、圃場全体の収量を向上させることができ、かつ、食味などのブランド価値にかかわる指標も圃場内でバラツキが少なくなるので、収穫物に対する全体の価値も向上する。
なお、このようなマップは、次期生育用窒素施用量に限定されない。たとえば、次期生育用窒素施用量を基に、所定の割合でリンおよびカリウムを配合した総合肥料とした次期生育用施肥量とすることもできる。また、たとえば、次期生育用窒素施用量を求める途中で区画ごとに算出した吸収窒素量や地力窒素量を表示したマップを作成してもよい。
以上のように、今期生育させた水稲の葉色と茎数から次期生育用窒素施用量を求める方法を説明した。この方法を複数期にわたり実施することで、各期の地力窒素量のバラツキがいっそう少なくなる。図6は、複数期にわたり窒素施用量を求める手順を示す流れ図である。この図6は、人手による作業およびコンピューター102が実施する処理などを含めた手順である。
まず、今期の水稲の画像撮影を行う(S101)。撮影時期はたとえば幼穂形成期が好ましい。撮影はカメラ101を用いて人により行われる。
続いて、カメラ101から画像データをコンピューター102に取り込んで、コンピューター102によって画像データからGNDVIを算出させ(S102)、同じくコンピューター102によって画像データから植被割合を算出させる(S103)。なお、GNDVIに代えてNDVIでもよい。以下同様である。
続いて、GNDVIおよび植被割合から今期の成長状態を判断して、追加の施肥量を算出する(S104)。ここで算出される施肥量は、圃場内を所定面積で区画した区画ごとに算出する。圃場内の区画はすでに説明したものと同様である。ここで算出される施肥量は、この段階で成長がよくないものに対しての追肥であり、成長が十分な場合は行う必要はない。もちろん区画ごとに算出するので、区画ごとに追肥量が得られる。
続いて、S104で求めた施肥量に応じて、区画ごとに追肥を行う(S105)。このような1つの圃場内であっても区画ごとに異なる施肥量で追肥することを可変追肥散布という。
これで通常は今期の施肥関連の作業は終了する。
次に、次期の作業となる。次期の作業では、まず、前期のGNDVIおよび植被割合をコンピューター102に取り込ませる(S201、S202)。
続いて、コンピューター102に前期投入済み窒素施用量を入力する(コンピューター102への入力)(S203)。前期投入済み窒素施用量は、前期に投入した基肥および追肥中の窒素割合から求めて入力する。前期投入済み窒素施用量は、このステップ203以前であれば、どの段階で入力されてもよい。入力された前期投入済み窒素施用量は、コンピューター102内に記憶される。
続いて、コンピューター102に、前期のGNDVI、植被割合、および投入済み窒素施用量から、区画ごとに地力窒素量を算出させる(S204)。このとき算出させる地力窒素量は、すでに説明したとおり、前期の幼穂形成期に撮影した画像から求めた吸収窒素量から穂揃期の吸収窒素量を算出させて、得られた穂揃期の吸収窒素量を使用した最終的な地力窒素量である。
続いてコンピューター102に区画ごとに次期基肥量を算出させる(S205)。実際の施肥においては、窒素分だけを施肥することは少ないので、S205では、地力窒素量から次期生育用窒素施用量を求め、そこからリンおよびカリウムを所定割合配合した基肥量として算出している。また、この基肥量はこの期(ここでいう次期)の計画施肥量となる。もちろん基肥として窒素分だけを散布する場合は、S205において次期生育用窒素施用量だけを求めてもよい。
続いて、コンピューター102に基肥量マップを作成させる(S206)。その後、S209で作成したマップに従い、区画ごとに基肥散布を行う(S207)。
続いて幼穂形成期になれば、この期(ここでいう次期)における画像撮影(S208)、コンピューター102によるGNDVIの算出(S209)、植被割合の算出(S210)と続く。その後、この期の成長状態を判断して、追加の施肥量を算出(S211)、可変追肥散布となる(S212)。この追肥もS104およびS105と同じであり、成長状態に応じて行われる。
さらに次々期としてS301から次期の手順(S201〜S212)と同様に実行する。
図7は本実施形態による施肥状態を説明するための説明図であり、図8は本実施形態を実施しない場合の施肥状態を説明するための説明図である。
図7に示すように、地力窒素量が異なる3区画がある。区画1の地力窒素量を標準的な値とする。区画2の地力窒素量は標準的な値より少ない。区画3の地力窒素量は標準的な値より多い。このような場合に本実施形態を適用して施肥を行う。区画1は、標準的な地力窒素量に対して適量の基肥、追肥を施すことで、収量、食味とも適正な籾を得ることができる。また、区画2においては適量より窒素量を多く含む基肥、追肥を施すことができる。これにより区画2においても収量、食味とも適正な籾を得ることができる。区画3では適量より窒素量の少ない基肥、追肥を施すことで、区画3においても収量、食味とも適正な籾を得ることができる。
一方、図8に示すように、本実施形態を実施しない場合、図7と同じ地力窒素量の3区画に対して、すべての区画で同じ適正窒素量の基肥、追肥を施すことになる。そうすると、区画1では、収量、食味とも適正な籾を得ることができる。しかし、区画2では地力窒素量が少なかったため、収量が少なくなる。また、区画3においては地力窒素量が多かったため、適正窒素量を施肥すると、結果的に窒素分が多くなってしまうため、倒伏がおきて収量が少なくなり、またタンパク質の多い食味となってブランド価値が下がる。
このように本実施形態によって、残存する地力窒素量に応じて次期の生育に適した窒素施用量を基肥(一発基肥を含む)や追肥として施すことが可能となる。
実際の水稲について、葉色、茎数および吸収窒素量を評価した。
(1)GNDVIと葉色の関係
水稲は山形県庄内地方において生育させたはえぬきである。葉色の測定は、実施形態のとおり、近赤外線波長(IR)および緑色波長(G)の画像を撮影し、さらに同一地点の葉色をコニカミノルタ社製の葉緑素計SPAD−502Plusを使用して、葉緑素の量(SPAD)を計測した。撮影は順光の場合と逆光の場合の両方で行った。測定時期は幼穂形成期である。
図9はGNDVIとSPADの関係を示すグラフである。
図9のグラフから、GNDVIとSPADの相関係数R=0.90、寄与度R=0.80であった。このことから葉身を撮影した葉色から求めたGNDVIは、葉緑素の量を示すSPADと高い相関があることがわかる。
(2)植被割合(植被率)と茎数の関係
上記(1)と同じ水稲を試料として、(1)で撮影した近赤外線波長(IR)の画像から植被割合を求めた。また茎数は同じ試料について実際に圃場内で数えた値である
図10は植被割合と茎数の関係を示すグラフである。
図10のグラフから、植被割合と茎数の相関係数R=0.92、寄与度R=0.84であった。このことから、圃場内を撮影した画像から得られる植被割合と茎数とは高い相関があることがわかる。
(3)GNDVI×植被割合と吸収窒素量の関係
上記(1)と同じ水稲を試料として吸収窒素量を測定した。吸収窒素量は、水稲の葉を切り出し、粉砕試料として、窒素濃度を分析した。窒素濃度は、粉砕試料を、ケルダール法により分解し、水蒸気蒸留法(作物分析法委員会編、1980)により求めた。このような分析方法は周知であるので説明は省略する(たとえば、作物分析法委員会 1980、栄養診断のための栽培植物分析測定法、p64−67、69−72 養賢堂、東京)。
図11はGNDVI×植被割合と吸収窒素量の関係を示すグラフである。GNDVIは上記(1)で使用した値を用い、植被割合は上記(2)で使用した値を用いた。
図11のグラフから、GNDVI×植被割合と吸収窒素量の相関係数R=0.95、寄与度R=0.90であった。このことから、圃場内を撮影した画像から得られるGNDVI×植被割合の値と、吸収窒素量とは高い相関があることがわかる。
このことから、実施形態としてすでに説明したとおり、GNDVI(またはNDVI)×植被割合(植被率でもよい)を説明変数、吸収窒素量を目的変数とする一次回帰式、または、GNDVI×植被割合と吸収窒素量との関係を示す検量線を使用することで、画像から得られるGNDVIと植被割合を用いて吸収窒素量を求められることがわかった。しかも、相関関係の寄与度が極めて高いことから、一度、一次回帰式または検量線を作成しておけば、あとは圃場内の撮影作業だけで一次回帰式または検量線を用いて吸収窒素量を求めることができる。なお、一次回帰式または検量線は、水稲の種類ごとに作成することが好ましい。
(4)吸収窒素量と籾数の関係
上記(1)〜(3)とは別に、はえぬきの吸収窒素量と籾数の関係を調べた。
図12は、はえぬきの吸収窒素量と籾数の関係を示すグラフである。
はえぬきの食味がよいタンパク質の量となる適正籾数は、1m当たり32000粒とされている(適正籾数は農業試験場などから公表されている)。図12のグラフから、適正籾数である32000粒のときの吸収窒素量は11.5(g/m)となり、この値が適正窒素量となる。なお、吸収窒素量は上記(3)と同じ手法により求めている。この図11のグラフから吸収窒素量と籾数の関係は、相関係数R=0.95、寄与度R=0.9となっている。このことから吸収窒素量と籾数には相関関係があり、吸収窒素量が多くなるほど籾数が増えることがわかる。したがって、圃場に散布する窒素施用量を制御することで実らせる籾数を制御できることがわかる。
(5)測定時期と吸収窒素量の関係
上記(1)〜(4)とは別に、はえぬきおよびつや姫について測定時期を変えて吸収窒素量を測定した。
図13は、はえぬきおよびつや姫についての測定時期と吸収窒素量の関係を示すグラフである。
試料は複数地点で採取した。採取時期は、幼穂形成期と穂揃期である。グラフにおいて、「はえ」ははえぬき、「つや」はつや姫を示し、添え字N0〜N10はそれぞれの採取地点を区別するための番号である。この番号は、1区画が10m×10mとなるように区画された中での異なる区画を示している。吸収窒素量は、上記(3)同様にケルダール法および水蒸気蒸留法により求めた。
はえぬき、つや姫ともに、幼穂形成期に対して穂揃期の吸収窒素量が多くなっている。これは、成長に伴い窒素を吸収したということである。しかも、はえぬき、つや姫ともに、幼穂形成期に対する穂揃期の吸収窒素量は、ほぼ一定の割合で増えている。ただし、区画の違いにより吸収窒素量に違いが認められる。これは、試料の採取位置が異なることで、元々の地力窒素量が違うため、その違いが吸収窒素量の違いとなって現れたものである。
このことから、幼穂形成期の吸収窒素量がわかれば、その値に加算値KHを加算させることで、穂揃期の吸収窒素量が算出できることがわかる。この実験では、はえぬき、つや姫ともにKH=6.2であったが、KHは品種ごとに定まる値である。
しかも、幼穂形成期の吸収窒素量に対する穂揃期の吸収窒素量は区画ごとに、その絶対値が違っても差分値はほぼ同じである。このことから一度加算値KHを求めておけば、あとは生育期が違っても、また、圃場が違っても同じ値を用いることができる。
なお、上記では、幼穂形成期と穂揃期で説明したが、穂揃期だけではなく、今期のすべての施肥が終了した後の、たとえば、成熟期または刈取期などの吸収窒素量に置き換えてもよい。
また、上記では加算値KHとして一定値を加算することで、吸収窒素量を増加させて幼穂形成期から穂揃期に変換(換算)する例を説明した。しかし、加算値KHは必ずしも一定値にする必要はない。たとえば、幼穂形成期における吸収窒素量に応じて異なる値を用いることもできる。具体的にはたとえば、幼穂形成期の窒素吸収量が少ない場合は、すなわち成長不足であるので、その後追肥を行うことで穂揃期までには多くの窒素を吸収する。一方、幼穂形成期においてすでに窒素吸収量が多い場合は成長十分であるので、その後穂揃期までにある程度窒素を吸収するものの、成長不足の場合よりも窒素吸収量が少なくなることが見込まれる。このような場合には、幼穂形成期の窒素吸収量が相対的に(たとえば他の区画に対して)少ない場合は加算値KHを大きくし、幼穂形成期の窒素吸収量が相対的に(たとえば他の区画に対して)多い場合は加算値KHを小さくする。これにより、幼穂形成期で求めた窒素吸収量に応じて、その後の成長具合を加味して穂揃期における吸収窒素量を推定することができる。もちろんこれは、逆でもよく、幼穂形成期の窒素吸収量が相対的に(たとえば他の区画に対して)少ない場合に加算値KHを小さくし、幼穂形成期の窒素吸収量が相対的に(たとえば他の区画に対して)多い場合に加算値KHを大きくするなど、品種や成長の具合に合わせて適宜変更してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態では、圃場内を撮影した画像から吸収窒素量を求めることができる。したがって、従来のように化学分析の手法を用いることなく、容易に吸収窒素量を得ることができる。この吸収窒素量から投入済みの窒素量を引くことで、土壌に残された地力窒素量を求めることができる。そして得られた地力窒素量から次期の生育に適切な窒素施用量を求めて、施肥計画を行うことができるので、収穫量を向上させるだけでなく、食味などもよい品質の高い収穫物を得ることができる。
しかも、吸収窒素量および地力窒素量を得るための作業としては、圃場内を撮影するだけであるため、圃場内の隅々まで広い範囲にわたって容易に測定可能である。
また撮影した画像を任意の大きさで区画して、区画ごとに吸収窒素量および地力窒素量を求めることも容易である。したがって、圃場内における作物の吸収窒素量および地力窒素量のバラツキも容易にわかるようになる。そして、このようなバラツキを補填するように施肥量を計画することができる。つまり地力窒素量の少ない区画には次期生育用窒素施用量を多くし、地力窒素量の多い区画には次期生育用窒素施用量を少なくする。このようにすることで、次期以降、圃場内においてバラツキの少ない生育が可能となる。また、地力窒素量の少ない区画には次期生育用窒素施用量を多く、地力窒素量の多い区画には次期生育用窒素施用量を少なくすることで、圃場全体での品質の均一化を図ることができ、さらに、適正値を超えるような過剰な施肥を施すことがなくなるので余剰な肥料代が掛からなくなる(すなわちコストダウンを図ることができる)。
また、施肥計画を行う際には、特に水稲においては、籾に含まれるタンパク質の量に応じた適正籾数となる適正窒素量を適用することとしたので、収量だけでなく食味がよくブランド米としての品質を保った籾を多く収穫することができる。
以上本発明を適用した実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれら実施形態および実施例に限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態および実施例では水稲を例に説明した。しかし、本発明は水稲に限定されない。たとえば、大豆、小豆、麦など葉色を画像として取得可能な作物への適用が可能である。
また、葉色として、葉身を撮影した画像からGNDVI(またはNDVI)を求めることとしたが、これに代えて葉緑素計により測定した葉緑素の量(SPAD)を用いてもよい。
また、茎数は、水稲の植被割合(植被率)に代えて水稲の茎数そのものを数えてもよい。茎数を数えるには、たとえば画像(2値化画像の方が茎と他の部分が見分けやすいが、2値化前の画像や可視光線画像でもよい)から目視により数えてもよい。また、2値化画像などから、コンピューター102により、たとえば互いに所定以上離れている(または重なりが所定量以下)の水稲の数をカウントするプログラムを用いて茎数を数えさせてもよい。さらに茎数を圃場内で実際に数えてもよい。
そのほか、本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
100 施肥設計システム、
101 カメラ、
102 コンピューター。

Claims (18)

  1. 圃場内の今期生育中の作物の葉色および茎数に関する情報を取得し、取得した前記葉色および前記茎数に関する情報から前記作物の吸収窒素量を求める段階と、
    前記吸収窒素量から今期投入済み窒素施用量を減算することで、現在の地力窒素量を求める段階と、
    前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求める段階と、
    を有する、施肥設計方法。
  2. 前記作物は水稲であり、
    前記吸収窒素量を求める段階は、
    幼穂形成期の水稲の葉色および茎数から前記葉色および茎数に関する情報を取得して、当該取得した前記葉色および茎数に関する情報から前記幼穂形成期の前記吸収窒素量を求め、
    前記幼穂形成期の前記吸収窒素量に対して、品種ごとにあらかじめ決められた値で増加させることで穂揃期の前記吸収窒素量を求め、
    前記地力窒素量を求める段階は、前記穂揃期の前記吸収窒素量を使用して前記地力窒素量を求める、請求項1に記載の施肥設計方法。
  3. 前記あらかじめ決められた値は、一定値である、請求項2に記載の施肥設計方法。
  4. 前記葉色に関する情報は、前記作物を撮影して得られた近赤外線波長および可視光線波長の画像より求める、請求項1〜3のいずれか一つに記載の施肥設計方法。
  5. 前記吸収窒素量を求める段階は、
    前記葉色から前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求める段階と、
    前記画像から植被割合を求める段階と、
    あらかじめ作成された、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める段階と、
    を有する、請求項4に記載の施肥設計方法。
  6. 前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、請求項1〜5のいずれかつに記載の施肥設計方法。
  7. 前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の施肥設計方法。
  8. 圃場内の今期生育中の作物の葉色および茎数に関する情報を取り込む段階と、
    今期投入済み窒素施用量の入力を受ける段階と、
    前記葉色および前記茎数に関する情報から吸収窒素量を求める段階と、
    前記吸収窒素量から前記今期投入済み窒素施用量を減算することで、現在の地力窒素量を求める段階と、
    前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求める段階と、
    をコンピューターに実行させる施肥設計プログラム。
  9. 前記作物は水稲であり、
    前記葉色および茎数に関する情報を取り込む段階は、幼穂形成期の水稲の葉色および茎数から取得した前記葉色および茎数に関する情報であり、
    前記吸収窒素量を求める段階は、
    前記幼穂形成期の前記葉色および前記茎数に関する情報から前記幼穂形成期の前記吸収窒素量を求め、
    前記幼穂形成期の前記吸収窒素量にあらかじめ決められた値で増加させることで穂揃期の前記吸収窒素量を求め、
    前記地力窒素量を求める段階は、前記穂揃期の前記吸収窒素量を使用して前記地力窒素量を求める、請求項8に記載の施肥設計プログラム。
  10. 前記葉色および茎数に関する情報を取り込む段階は、前記作物を撮影して得られた近赤外線波長および可視光線波長の画像を取り込んで、取り込んだ画像から葉色および茎数に関する情報を求める段階をさらに有する、請求項8または9に記載の施肥設計プログラム。
  11. 前記吸収窒素量を求める段階は、
    前記葉色から前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求める段階と、
    前記画像から植被割合を求める段階と、
    あらかじめ作成された、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める段階と、
    を有する、請求項8〜10のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
  12. 前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、請求項8〜11のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
  13. 前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、請求項8〜12のいずれか一つに記載の施肥設計プログラム。
  14. 圃場内の作物を撮影するカメラと、
    前記カメラによって撮影された画像データを取り込むとともに、今期投入済み窒素施用量の入力を受けて、前記画像データから葉色および植被割合を求めて、あらかじめ記憶されている、葉色および植被割合と吸収窒素量との相関関係から前記吸収窒素量を求め、前記吸収窒素量から前記今期投入済み窒素施用量を減算することで現在の地力窒素量を求め、前記地力窒素量と前記作物を生育させるための適正窒素量から次期の前記作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求めるコンピューターと、
    を有する、施肥設計システム。
  15. 前記カメラは、可視光線波長および近赤外線波長の画像撮影が可能であり、
    前記コンピューターは、可視光線波長および近赤外線波長の画像データから前記葉色に関する情報を求める、請求項14に記載の施肥設計システム。
  16. 前記コンピューターは、前記葉色に関する情報としてGNDVIまたはNDVIを求め、あらかじめ記憶されている、GNDVIまたはNDVI×植被割合と吸収窒素量との相関関係を示す検量線を用いて、前記吸収窒素量を求める、請求項15に記載の施肥設計システム。
  17. 前記コンピューターは、前記画像に写っている前記圃場内を所定面積で区画し、前記区画ごとに前記吸収窒素量および前記地力窒素量を求めて、当該区画ごとに求めた前記地力窒素量を用いて、前記区画ごとに前記次期生育用窒素施用量を求める、請求項14〜16のいずれか一つに記載の施肥設計システム。
  18. 前記作物は水稲であり、前記適正窒素量は、籾のタンパク質の量に応じた適正籾数が得られる窒素量である、請求項14〜17のいずれか一つに記載の施肥設計システム。
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