JP7002163B2 - 情報処理装置および追肥時の施肥量導出方法 - Google Patents

情報処理装置および追肥時の施肥量導出方法 Download PDF

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Description

本発明は、圃場への追肥時の施肥量を導出する情報処理装置および追肥時の施肥量導出方法に関する。
従来、圃場で栽培される農作物について、農作物の成長に関する指標の値を取得し、この指標の値に基づいて追肥時の施肥量を求めることが行われている。通常、追肥時の施肥量の導出に際しては、以下の処理が行われる。すなわち、ある特定の種類の指標の値と追肥時の施肥量との相関関係が事前に求められる。そして、追肥時の施肥量を導出する際に、農作物についてのその特定の種類の指標の値が取得され、事前に求めた相関関係に基づいて追肥時の施肥量が導出される。なお特許文献1には、圃場全体が撮影可能な程度に圃場から遠隔に設けられたカメラにより圃場全体を撮影し、撮影結果に基づいてその圃場についての作物情報(指標の値)を求める技術が記載されている。
特開2008-136411号公報
追肥時の施肥量は、追肥後の農作物の成長、ひいては農作物の状態(収穫物の品質や収量等)に強い影響を与える。従って、追肥時の施肥量の導出に関しては、研究の成果がある場合には、その成果を利用してより高い精度で施肥量を導出できるようにすることが求められる。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、研究の結果に基づいてより高い精度で追肥時の施肥量を導出できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、農作物の状態が分類された複数のカテゴリのうちの1つのカテゴリと、NDVI値、或いは、葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値が測定された測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いるか、葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いるか、或いは、NDVI値および葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値の両方を用いるかを変更して、前記カテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出するようにしている。
発明者らは、研究の結果、追肥時の施肥量を導出するにあたって、農作物の状態が分類されたカテゴリと指標値が測定されたタイミングである測定タイミングとの組み合わせによって、圃場の農作物の群について測定された植生指標である第1指標の指標値を用いるか、農作物の葉について測定された葉緑素に関する指標である第2指標の指標値を用いるか、第1指標の指標値および第2指標の指標値を用いるかを変更して追肥時の施肥量を導出した方が、より高い精度で追肥時の施肥量を導出できることを見出した。これを踏まえ、上記のように構成した本発明によれば、追肥時の施肥量を導出するにあたって、カテゴリと測定タイミングとの組み合わせに応じて、第1指標の指標値を用いるか、第2指標の指標値を用いるか、或いは、第1指標の指標値および第2指標の指標値の両方を用いるかが変更されて追肥時の施肥量が導出されるため、研究の結果に基づいてより高い精度で追肥時の施肥量の導出が可能である。
本発明の一実施形態に係る施肥量導出装置の機能構成例を示すブロック図である。 入力画面の一例を示す図である。 状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせごとの最適な指標値の態様を示す図である。 状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせごとの施肥量導出式の内容を示す図である。 本発明の一実施形態に係る施肥量導出装置の動作例を示すフローチャートである。 表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る施肥量導出装置1(特許請求の範囲の「情報処理装置」に相当)の機能構成例を示すブロック図である。施肥量導出装置1は、稲作に関して、追肥(追肥についての詳細は後述)時に施す肥料の量(以下「追肥時施肥量」という)を導出し、追肥時施肥量を示す情報をユーザに提供する装置である。ユーザは、追肥にあたって施肥量導出装置1により提供された追肥時施肥量を示す情報を参考にして、追肥時に実際に施す肥料の量を決定することができる。なお、本実施形態において施肥量という場合、特に説明がない限り単位面積あたりの肥料の量を指し、収量という場合、単位面積あたりの稲(収穫物)の収量を指す。
以下の説明では、対象とする稲および稲作について、稲の品種や、稲作が行われる環境(地域(寒冷地域や、温暖地域、乾燥地域等)、標高、圃場の規模)、稲作の方法、肥料の種類、その他の稲の生育に影響を与える外部的な要素は共通しているものとする。従って、施肥量導出装置1により導出された追肥時施肥量は、特定の環境で特定の方法により栽培される特定の品種の稲について、特定の種類の肥料を施す場合に適切な施肥量ということである。
本実施形態において、「追肥」とは以下を意味する。すなわち、一般に、ある1つの期において、稲は、田植えによって苗代から圃場に移植された後、分げつ期→幼穂形成期→出穂期→開花・受粉期→穂揃期→登熟期→成熟期という段階を経て成長する。幼穂形成期前後から出穂期前後に至るまでの期間(以下「追肥対象期間」という)では、穂に着生する籾の個数の増大や、籾に詰まるデンプンの量の増大等を目的として、所定のタイミングで穂肥と呼ばれる肥料の追加が行われる場合がある。そして本実施形態では、「追肥」とは、追肥対象期間における所定のタイミングで行われる肥料の追加を意味する。
図1で示すように、施肥量導出装置1には、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等の表示装置2と、マウスやキーボード等の入力装置3とが接続されている。また図1で示すように、施肥量導出装置1は、機能構成として施肥量導出部10を備えている。施肥量導出部10は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、施肥量導出部10は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。また、施肥量導出装置1は、記憶手段として記憶部11を備えている。記憶部11に記憶されるデータについては後述する。
ここでユーザは、施肥量導出装置1に追肥時施肥量を導出させる場合、入力装置3を操作して表示装置2に入力画面G1(特許請求の範囲の「ユーザインタフェイス」に相当)を表示することを指示する。この指示に応じて施肥量導出部10は、表示装置2に入力画面G1を表示する。図2は入力画面G1を示す図である。図2で示すように入力画面G1には、目標関連入力エリアAR1と、測定タイミング入力エリアAR2との2つの領域が形成されている。
ここで本実施形態ではユーザは、施肥量導出装置1に追肥時施肥量を導出させる場合、ある特定の圃場について、特定の状態カテゴリについての農作物(収穫物を含む概念)の状態を目標状態とするために必要かつ適切な追肥時施肥量を導出させる。状態カテゴリとは、農作物の状態が分類された複数のカテゴリのことである。そして目標関連入力エリアAR1は、ユーザが何れか1つの状態カテゴリを選択すると共に、選択した状態カテゴリについての目標状態を入力するエリアである。以下、追肥時施肥量を導出する対象の圃場を「対象圃場」という。
本実施形態では、選択可能な状態カテゴリの候補として、「収穫物の収量」と「収穫物の低外観品質割合」と「収穫物のタンパク質含有率」とが定義されている。以下、状態カテゴリとしての「収穫物の収量」を「収量<状態カテゴリ>」と表現し、状態カテゴリとしての「収穫物の低外観品質割合」を「低外観品質割合<状態カテゴリ>」と表現し、状態カテゴリとしての「収穫物のタンパク質含有率」を「タンパク質含有率<状態カテゴリ>」と表現する。
収量<状態カテゴリ>とは、単位面積あたりの稲(収穫物)の収量を意味する。収量<状態カテゴリ>についての目標状態は、「目標収量」である。目標収量とは、今期(対象とする期)において目標とする収穫物の収量を意味する。従って、ユーザにより収量<状態カテゴリ>が選択され、目標収量が入力された場合、施肥量導出装置1は、収穫物の収量を「入力された目標収量」とするために必要かつ適切な追肥時施肥量を導出する。
低外観品質割合<状態カテゴリ>とは、収穫物全体に対して低外観品質の収穫物が占める割合(以下「低外観品質割合」という)を意味する。本実施形態では低外観品質の収穫物は、白未熟粒(腹白粒や、背白粒、基部未熟粒、心白粒、乳白粒等)と定義されている。従って低外観品質割合とは、収穫物全体に対して白未熟粒の収穫物が占める割合を意味する。ただし、低外観品質の収穫物の定義は、本実施形態で例示するものに限られず、例えば、白未熟粒以外の未熟粒や、被害粒、死米、着色粒等を低外観品質の収穫物に含めてもよい。
低外観品質割合<状態カテゴリ>についての目標状態は、「目標低外観品質割合」である。目標低外観品質割合とは、今期(対象とする期)において目標とする低外観品質割合を意味する。従って、ユーザにより低外観品質割合<状態カテゴリ>が選択され、目標低外観品質割合が入力された場合、施肥量導出装置1は、収穫物についての低外観品質割合を、入力された目標低外観品質割合とするために必要かつ適切な追肥時施肥量を導出する。
タンパク質含有率<状態カテゴリ>とは、収穫物の玄米のタンパク質の含有率(以下「タンパク質含有率」という)を意味する。タンパク質含有率<状態カテゴリ>についての目標状態は、「目標タンパク質含有率」である。目標タンパク質含有率とは、今期(対象とする期)において目標とするタンパク質含有率を意味する。従って、ユーザによりタンパク質含有率<状態カテゴリ>が選択され、目標タンパク質含有率が入力された場合、施肥量導出装置1は、収穫物についてのタンパク質含有率を、入力されたタンパク質含有率とするために必要かつ適切な追肥時施肥量を導出する。
図2で示すように目標関連入力エリアAR1には、収量<状態カテゴリ>を示す情報と、外観品質<状態カテゴリ>を示す情報と、タンパク質含有率<状態カテゴリ>を示す情報とがそれぞれ表示されると共に、各情報に対応づけてラジオボタンRBが表示されている。ユーザは何れか1つのラジオボタンRBにチェックを入れることにより1つの状態カテゴリを選択する。以下、ユーザが選択した状態カテゴリを「選択状態カテゴリ」という。
図2で示すように目標関連入力エリアAR1には、収量<状態カテゴリ>を示す情報と対応付けて、目標収量入力欄N1が設けられている。目標収量入力欄N1はプルダウンメニュー付きの入力欄となっており、プルダウンメニューには、選択可能な複数の目標収量の候補が項目として一覧表示される。ユーザは、収量<状態カテゴリ>を選択した場合、目標収量入力欄N1のプルダウンメニューに一覧表示された目標収量の候補から、1つの候補を選択し、入力する。以下、ユーザが収量<状態カテゴリ>を選択し目標収量を入力した場合において、入力(選択)された目標収量のことを「入力目標収量」という。
図2で示すように目標関連入力エリアAR1には、低外観品質割合<状態カテゴリ>を示す情報と対応付けて、目標低外観品質割合入力欄N2が設けられている。目標低外観品質割合入力欄N2はプルダウンメニュー付きの入力欄となっており、プルダウンメニューには、選択可能な複数の目標低外観品質割合の候補が項目として一覧表示される。ユーザは、目標低外観品質割合を入力する場合には、目標低外観品質割合入力欄N2のプルダウンメニューに一覧表示された目標低外観品質割合の候補から、1つの候補を選択し、入力する。以下、ユーザが低外観品質割合<状態カテゴリ>を選択し目標低外観品質割合を入力した場合において、入力(選択)された目標低外観品質割合のことを「入力目標低外観品質割合」という。
図2で示すように目標関連入力エリアAR1には、タンパク質含有率<状態カテゴリ>を示す情報と対応付けて、目標タンパク質含有率入力欄N3が設けられている。目標タンパク質含有率入力欄N3はプルダウンメニュー付きの入力欄となっており、プルダウンメニューには、選択可能な複数の目標タンパク質含有率の候補が項目として一覧表示される。ユーザは、目標タンパク質含有率を入力する場合には、目標タンパク質含有率入力欄N3のプルダウンメニューに一覧表示された目標タンパク質含有率の候補から、1つの候補を選択し、入力する。以下、ユーザがタンパク質含有率<状態カテゴリ>を選択し目標タンパク質含有率を入力した場合において、入力(選択)された目標タンパク質含有率のことを「入力目標タンパク質含有率」という。
目標関連入力エリアAR1の測定タイミング入力エリアAR2には、測定タイミングを入力するための測定タイミング入力欄N4が設けられている。測定タイミングとは、施肥量導出部10が追肥時施肥量を導出するにあたって用いるNDVI値(指標としてのNDVIの指標値)、或いは、SPAD値(指標としてのSPADの指標値)が測定されたタイミングを意味する。
例えばNDVI値に関し、NDVI値が、ドローンに搭載されたマルチスペクトルセンサにより対象圃場が上空から撮影されて生成された画像データに基づいて周知の手法で導出されるものであるとする。この場合、測定タイミングは、ドローンに搭載されたマルチスペクトルセンサより撮影が行われたタイミングを意味する。また例えばSPAD値に関し、SPAD値が、葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるものであるとする。この場合、測定タイミングは、葉緑素計による測定が行われたタイミングとされる。なおNDVI値についての測定タイミングと、SPAD値についての測定タイミングとは同じタイミングとされている。
測定タイミング入力欄N4はプルダウンメニュー付きの入力欄となっており、プルダウンメニューには、選択可能な複数の測定タイミングの候補が項目として一覧表示される。本実施形態では、測定タイミングの候補としては、出穂期の1週間前を基準とする時点(以下「出穂1週間前タイミング」という)、出穂期の2週間前を基準とする時点(以下「出穂2週間前タイミング」という)、出穂期の3週間前を基準とする時点(以下「出穂3週間前タイミング」という)、および、出穂期の4週間前を基準とする時点(以下「出穂4週間前タイミング」という)が用意されている。つまり本実施形態では、NDVI値およびSPAD値は、これら4つのタイミングのうち何れかのタイミングで測定される。
出穂期の1週間前を基準とする時点とは、基本的には出穂期の1週間前の時点である一方、多少前後する(例えば出穂期の6日前の時点や8日前の時点)ことが許容されることを意味する。このことは、「基準とする」という表現を使用する他のケースについても同様である。出穂期は、稲の発育を示す種々の指標や、稲の発育に影響を与える外部的な環境のこれまでの推移/これから予測される推移、その他の要素を踏まえて予測される。
NDVI値は、特許請求の範囲の「圃場の農作物の群について測定された植生指標である第1指標の指標値」に相当する。SPAD値は、特許請求の範囲の「農作物の葉について測定された葉緑素に関する指標である第2指標の指標値」に相当する。
ユーザは、測定タイミング入力欄N4のプルダウンメニューに一覧表示された測定タイミングの候補から、1つの候補を選択し、入力する。以下、ユーザが入力した測定タイミングを「入力測定タイミング」という。
ユーザは、入力画面G1について、1つの状態カテゴリを選択すると共に、選択した状態カテゴリについての目標状態を入力し、更に測定タイミングを入力した後、入力画面G1の確定ボタンBTを操作し、入力を確定する。
入力が確定されたことを検出すると施肥量導出部10は、選択状態カテゴリ(ユーザにより選択された状態カテゴリ)、および、入力測定タイミング(ユーザにより入力された測定タイミング)を認識する。次いで施肥量導出部10は、選択状態カテゴリと入力測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いるか、SPAD値を用いるか、或いは、NDVI値およびSPAD値の両方を用いるかを変更して、選択状態カテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出する。以下、追肥時の施肥量を導出するときの施肥量導出部10の処理について詳述する。以下の説明において、NDVI値およびSPAD値を総称して「指標値」という場合がある。
ここで発明者らは研究により、状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、NDVI値およびSPAD値の両方を用いて追肥時施肥量を導出する場合とで、導出される追肥時施肥量の精度に違いが現出することを見出した。
図3は、本実施形態における3つの状態カテゴリと、本実施形態における4つの測定タイミングとの組み合わせ(組み合わせは12個)のそれぞれについて、どのような態様で指標値を用いることによって最も精度が高くなるかを示す表である。図3の表は発明者らの研究結果に基づいて作成されたものである。
図3の表において、各列は状態カテゴリを示し、各行は測定タイミングを示している。また各セルについて、「NDVI値+SPAD値」と記述されているセルは、対応する測定タイミングのNDVI値、および、対応する測定タイミングのSPAD値の両方を用いて、農作物の状態を「対応する状態カテゴリについての目標状態」とするための追肥時施肥量を導出したときに最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを意味する。例えば収量<状態カテゴリ>と出穂4週間前タイミングとの組み合わせに対応するセルには「NDVI値+SPAD値」と記述されている。これは出穂4週間前タイミングのNDVI値、および、出穂4週間前タイミングのSPAD値の両方を用いて、収穫物の収量(農作物の状態)を目標収量(収量<状態カテゴリ>についての目標状態)とするための追肥時施肥量を導出したときに最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを意味している。
また図3の表のセルのうち、「SPAD値」と記述されているセルは、対応する測定タイミングのSPAD値を用いて、農作物の状態を「対応する状態カテゴリについての目標状態」とするための追肥時施肥量を導出したときに最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを意味する。例えば低外観品質割合<状態カテゴリ>と出穂4週間前タイミングとの組み合わせに対応するセルには「SPAD値」と記述されている。これは出穂4週間前タイミングのSPAD値を用いて収穫物の低外観品質割合(農作物の状態)を目標低外観品質割合(低外観品質割合<状態カテゴリ>についての目標状態)とするための追肥時施肥量を導出したときに最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを意味している。
ここで、「一の測定タイミングのSPAD値を用いて、農作物の状態を「一の状態カテゴリについての目標状態」とするための追肥時施肥量を導出する」の意味について、「出穂4週間前タイミング(一の測定タイミング)のSPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合(一の状態カテゴリについての目標状態)とするための追肥時施肥量を導出する」ことを例として説明する。
「出穂4週間前タイミングのSPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時施肥量を導出する」にあたって、過去の実際の追肥時の施肥量と、出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値と、低外観品質割合との関係について、低外観品質割合を目的変数とし、追肥時の施肥量および出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)により導出された式が事前に導出される。詳述すると、事前に実験や既存の圃場に対する観察により、出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値および追肥時の施肥量の組み合わせと、低外観品質割合との関係を示すデータが蓄積される。つまり出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値が○○であり、かつ、追肥時の施肥量が○○であったときに、低外観品質割合は○○であったというデータが相当数、蓄積される。
そして蓄積されたデータについて、低外観品質割合を目的変数とし、追肥時の施肥量および出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)が行われ、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時の施肥量と出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値との関係が定義された回帰式(重回帰式)が導出される。この式は、選択可能な目標低外観品質割合(目標低外観品質割合の候補)ごとに導出される。ある目標低外観品質割合に対応する式は、収穫物の低外観品質割合を、その目標低外観品質割合とするための出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値と追肥時の施肥量との関係を定義している。
例えば目標低外観品質割合をYで表すとすると、Yに対応する式は「Y=a+bN+cM」(a、b、cは定数。Nは追肥時施肥量であり、Mは出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値)のような式で表される。この式によれば、Y(目標低外観品質割合)およびM(出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値)が定まれば、N(追肥時施肥量)が定まることになる。
そして、「出穂4週間前タイミングのSPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時施肥量を導出する」とは、上述した方法で導出した式(ただし、目標低外観品質割合に対応する式)に、(今期の)出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値を入力することによって追肥時施肥量を導出することを意味する。
以上の通り「一の測定タイミングのSPAD値を用いて、農作物の状態を「一の状態カテゴリについての目標状態」とするための追肥時施肥量を導出する」とは、「過去の実際の追肥時の施肥量と、当該一の測定タイミングにおけるSPAD値と、当該一のカテゴリについての農作物の状態との関係について、当該一のカテゴリについての農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量および当該一の測定タイミングにおけるSPAD値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する」ことを意味する。このことはSPAD値ではなくNDVI値を用いて追肥時施肥量を導出する場合、および、SPAD値ではなくNDVI値およびSPAD値の両方を用いて追肥時施肥量を導出する場合も同様である。
すなわち「一の測定タイミングのNDVI値を用いて、農作物の状態を一の状態カテゴリについての目標状態とするための追肥時施肥量を導出する」とは、「過去の実際の追肥時の施肥量と、当該一の測定タイミングにおけるNDVI値と、当該一のカテゴリについての農作物の状態との関係について、当該一のカテゴリについての農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量および当該一の測定タイミングにおけるNDVI値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する」ことを意味する。また「一の測定タイミングのNDVI値およびSPAD値を用いて、農作物の状態を一の状態カテゴリについての目標状態とするための追肥時施肥量を導出する」とは、「過去の実際の追肥時の施肥量と、当該一の測定タイミングにおけるNDVI値と、当該一の測定タイミングにおけるSPAD値と、当該一のカテゴリについての農作物の状態との関係について、当該一のカテゴリについての農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量、当該一の測定タイミングにおけるNDVI値、および、当該一の測定タイミングにおけるSPAD値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する」ことを意味する。
以下、過去の実際の追肥時の施肥量と指標値と農作物の状態との関係に基づく回帰分析により導出された式(追肥時施肥量の導出に用いられる式)を一般化して「施肥量導出式」という。またNDVI値を説明変数とする回帰分析(従ってSPAD値を説明変数としない)により導出された施肥量導出式を特に「含NDVI値式」という。含NDVI値式のうち、収量<状態カテゴリ>についての農作物の状態を目的変数として導出された含NDVI値式を「収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値式」という。他の状態カテゴリについても同様に表現する。またSPAD値を説明変数とする回帰分析(従ってNDVI値を説明変数としない)により導出された施肥量導出式を特に「含SPAD値式」という。含SPAD値式のうち、収量<状態カテゴリ>についての農作物の状態を目的変数として導出された含SPAD値式を「収量<状態カテゴリ>に係る含SPAD値式」という。他の状態カテゴリについても同様に表現する。またNDVI値およびSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された施肥量導出式を特に「含NDVI値SPAD値式」という。含NDVI値SPAD値式のうち、収量<状態カテゴリ>についての農作物の状態を目的変数として導出された含NDVI値SPAD値式を「収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値SPAD値式」という。他の状態カテゴリについても同様に表現する。
また、施肥量導出式について、対応する状態カテゴリと、対応する測定タイミングと、対応する指標値(NDVI値、SPAD値またはNDVI値とSPAD値との組み合わせ)とを用いて、「“状態カテゴリの内容、測定タイミングの内容、指標値の内容”の施肥量導出式」のように表現する場合がある。例えば、農作物の収量(収量<状態カテゴリ>についての農作物の状態)を目的変数とし、追肥時の施肥量、出穂4週間前タイミングにおけるNDVI値および出穂4週間前タイミングにおけるSPAD値を説明変数とする回帰分析(重回帰分析)により導出された施肥量導出式を、“収量<状態カテゴリ>、出穂4週間前タイミング、NDVI値+SPAD値”の施肥量導出式と表現する場合がある。
また、ある一の状態カテゴリとある一の測定タイミングとの組み合わせに関し、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出した場合に、導出される追肥時施肥量の精度が最も高くなるとは、当該一の状態カテゴリと当該一の測定タイミングとの組み合わせに関しては、含SPAD値式を用いて導出された追肥時施肥量の方が、含NDVI値式を用いて導出された追肥時施肥量、或いは、含NDVI値SPAD値式を用いて導出された追肥時施肥量よりも精度が高いことを意味する。ある一の施肥量導出式を用いて導出された追肥時施肥量の方が、別の他の施肥量導出式を用いて導出された追肥時施肥量よりも精度が高いとは、導出された追肥時施肥量を追肥時に実際に施した場合に、農作物の状態を目標状態により近く近づけることができることを意味する。以上のことは、NDVI値を用いて導出された追肥時施肥量の精度が最も高くなるとの意味、および、NDVI値およびSPAD値を用いて導出された追肥時施肥量の精度が最も高くなるとの意味についても同様である。
また図3の表のセルのうち、「-」と記述されているセルは、対応する測定タイミングのNDVI値を用いて追肥時施肥量を導出したときと、対応する測定タイミングのSPAD値を用いて追肥時施肥量を導出したときと、対応する測定タイミングのNDVI値およびSPAD値を用いて追肥時施肥量を導出したときとで、導出される追肥時施肥量の精度に有意な差が現出しないことを意味している。
さて発明者らは研究により、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂3週間前を基準とする時点以前(出穂3週間前を基準とするタイミングを含む)の場合、NDVI値およびSPAD値の両方を用いて、収穫物の収量を目標収量とするための追肥時の施肥量を導出することによって、最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを見出した。このことは、発明者らにより以下の方法で検証された。すなわち、出穂期前の種々のタイミングについて、収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値式、収量<状態カテゴリ>に係る含SPAD値式、および、収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値SPAD値式が導出された。そして各タイミングにおいて回帰式の妥当性を測る各種評価指標(例えば重決定係数やAIC(赤池情報量基準)等)が導出された。そして測定タイミングが出穂3週間前を基準とする時点以前の場合、収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値SPAD値式の方が、収量<状態カテゴリ>に係る含NDVI値式および収量<状態カテゴリ>に係る含SPAD値式と比較して各評価指標が良好であることが確認された。
図3の表では、この研究結果に従って、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂4週間前タイミングおよび出穂3週間前タイミングの場合には、NDVI値およびSPAD値の両方を用いて追肥時施肥量を導出することによって、導出される追肥時施肥量の精度を最も高くできることが示されている。
また発明者らは研究により、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂2週間前タイミング或いは測定タイミングが出穂1週間前タイミングの場合には、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、NDVI値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、SPAD値およびNDVI値の両方を用いて追肥時施肥量を導出する場合とで、導出される追肥時施肥量の精度に有意な差が現出しないことを見出した。図3の表では、この研究結果が示されている。
また発明者らは研究により、状態カテゴリが低外観品質割合<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂2週間前を基準とする時点以前(出穂2週間前を基準とする時点を含む)の場合、SPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時の施肥量を導出することによって、最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを見出した。このことは、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であるときと同様の方法で発明者らにより検証された。図3の表では、この研究結果に従って、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂4週間前タイミング、出穂3週間前タイミングおよび出穂2週間前タイミングの場合には、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出することによって、導出される追肥時施肥量の精度を最も高くできることが示されている。
また発明者らは研究により、状態カテゴリが低外観品質割合<状態カテゴリ>である場合において、測定タイミングが出穂1週間前タイミングの場合には、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、NDVI値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、SPAD値およびNDVI値の両方を用いて追肥時施肥量を導出する場合とで、導出される追肥時施肥量の精度に有意な差が現出しないことを見出した。図3の表では、この研究結果が示されている。
また発明者らは、研究により、状態カテゴリがタンパク質含有率<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂1週間前を基準とする時点以前(出穂1週間前を基準とする時点を含む)の場合、SPAD値を用いて、収穫物のタンパク質含有率を目標タンパク質含有率とするための追肥時の施肥量を導出することによって、最も高い精度で追肥時施肥量を導出できることを見出した。このことは、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であるときと同様の方法で発明者らにより検証された。図3の表では、この研究結果に従って、状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であり、測定タイミングが出穂4週間前タイミング、出穂3週間前タイミング、出穂2週間前タイミングおよび出穂1週間前タイミングの場合には、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出することによって、導出される追肥時施肥量の精度を最も高くできることが示されている。
さて施肥量導出部10は、選択状態カテゴリおよび入力測定タイミングを認識した後、選択状態カテゴリと入力測定タイミングとの組み合わせに対応する施肥量導出式であって、入力した目標状態に対応する式を、追肥時施肥量を導出するときに使用する式として特定する。図4は、状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせ毎に、対応する施肥量導出式を示す表である。図4の表で示すように、収量<状態カテゴリ>と、出穂4週間前タイミングまたは出穂3週間前タイミングとの組み合わせには、含NDVI値SPAD値式が対応する。また低外観品質割合<状態カテゴリ>と、出穂4週間前タイミング、出穂3週間前タイミングまたは出穂2週間前タイミングとの組み合わせには、含SPAD値式が対応する。また、またタンパク質含有率<状態カテゴリ>と、出穂4週間前タイミング、出穂3週間前タイミング、出穂2週間前タイミングまたは出穂1週間前タイミングとの組み合わせには、含SPAD値式が対応する。なお、状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせ毎の施肥量導出式(選択可能な目標状態(目標)ごとの施肥量導出式)は事前に用意される。
図4で示すように、収量<状態カテゴリ>と、出穂2週間前タイミングまたは出穂1週間前タイミングとの組み合わせには、収量対応式が対応する。収量対応式は、収穫物の収量を目標収量にするための追肥時の施肥量を示す式であり、目標収量と追肥時施肥量との関係を定義する。収量対応式は、選択可能な目標収量(目標収量の候補)ごとに導出される。例えば目標収量をQで表すとすると、Qに対応する収量対応式は「Q=dN+e」(ただしd、eは定数。Nは追肥時施肥量)のような式で表される。ある目標収量に対応する収量対応式によれば、収穫物の収量をその目標収量とするために、追肥時の施肥量をどの程度とすればよいのかが判明する。収量対応式は、過去の実際の収穫物の収量と追肥時の施肥量との関係について、収穫物の収量を目的変数とし、追肥時の施肥量を説明変数とする回帰分析(単回帰分析)により導出される。
図4で示すように、低外観品質割合<状態カテゴリ>と、出穂1週間前タイミングとの組み合わせには、低外観品質割合対応式が対応する。低外観品質割合対応式は、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合にするための追肥時の施肥量を示す式であり、目標低外観品質割合と追肥時施肥量との関係を定義する。低外観品質割合対応式は、選択可能な目標低外観品質(目標低外観品質の候補)ごとに導出される。低外観品質割合対応式は、過去の実際の収穫物の低外観品質割合と追肥時の施肥量との関係について、低外観品質割合を目的変数とし、追肥時の施肥量を説明変数とする回帰分析(単回帰分析)により導出される。
選択状態カテゴリと、入力測定タイミングとの組み合わせに対応する施肥量導出式を追肥時施肥量を導出するときに使用する式として特定した後、施肥量導出部10は、以下の処理を実行する。
すなわち特定した施肥量導出式が含NDVI値式の場合、施肥量導出部10は、記憶部11に記憶された対象圃場についてのNDVI情報を取得する。対象圃場についてのNDVI情報とは、対象圃場について、入力測定タイミングにおいて測定されたNDVI値を示す情報である。次いで施肥量導出部10は、取得したNDVI情報に基づいて、入力測定タイミングにおける対象圃場についてのNDVI値(以下「対象NDVI値」という)を認識する。次いで施肥量導出部10は、特定した施肥量導出式と認識した対象NDVI値から追肥時施肥量を導出する。上述の通り、施肥量導出式が含NDVI値式の場合、NDVI値が定めれば、追肥時施肥量が定まる。
一方、特定した施肥量導出式が含SPAD値式の場合、施肥量導出部10は、記憶部11に記憶された対象圃場についてのSPAD情報を取得する。対象圃場についてのSPAD情報とは、対象圃場について、入力測定タイミングにおいて測定されたSPAD値を示す情報である。次いで施肥量導出部10は、取得したSPAD情報に基づいて、入力測定タイミングにおける対象圃場についてのSPAD値(以下「対象SPAD値」という)を認識する。次いで施肥量導出部10は、特定した施肥量導出式と認識した対象SPAD値から追肥時施肥量を導出する。上述の通り、施肥量導出式が含SPAD値式の場合、SPAD値が定まれば、追肥時施肥量が定まる。
また特定した施肥量導出式が含NDVI値SPAD値式の場合、施肥量導出部10は、記憶部11に記憶された対象圃場についてのNDVI情報およびSPAD情報を取得する。次いで施肥量導出部10は、取得したNDVI情報およびSPAD情報に基づいて、対象NDVI値および対象SPAD値を認識する。次いで施肥量導出部10は、特定した施肥量導出式と認識した対象NDVI値および対象SPAD値から追肥時施肥量を導出する。上述の通り、施肥量導出式が含NDVI値SPAD値式の場合、NDVI値およびSPAD値が定まれば、追肥時施肥量が定まる。
また特定した施肥量導出式が収量対応式(ただし、目標状態に対応する収量対応式)の場合、施肥量導出部10は、収量対応式に基づいて追肥時施肥量を導出する。上述したように、収量対応式はパラメータとしてNDVI値もSPAD値も含んでおらず、目標収量に応じて追肥時施肥量が定まる。
また特定した施肥量導出式が低外観品質割合対応式(ただし、目標状態に対応する低外観品質割合対応式)の場合、施肥量導出部10は、低外観品質割合対応式に基づいて追肥時施肥量を導出する。上述したように、低外観品質割合対応式はパラメータとしてNDVI値もSPAD値も含んでおらず、目標低外観品質割合に応じて追肥時施肥量が定まる。
追肥時施肥量を導出した後、施肥量導出部10は、表示装置2を制御して、導出した追肥時施肥量を示す情報を表示装置2の表示領域に表示する。ユーザは、表示装置2を参照することにより、対象圃場について施肥量導出装置1が導出した追肥時施肥量を認識でき、追肥の際に実際に供給する施肥量を決定するときの有益な参考情報として利用することができる。
以上の通り本実施形態に係る施肥量導出装置1は、状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いるか、SPAD値を用いるか、或いは、NDVI値およびSPAD値の両方を用いるかを変更して、状態カテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出する。このような構成により、以下の効果を奏する。
すなわち、上述の通り発明者らは、研究の結果、追肥時の施肥量を導出するにあたって、農作物の状態が分類された状態カテゴリと指標値が測定されたタイミングである測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いるか、SPAD値を用いるか、NDVI値およびSPAD値を用いるかを変更して追肥時の施肥量を導出した方が、より高い精度で追肥時の施肥量を導出できることを見出した。これを踏まえ本実施形態の構成によれば、追肥時の施肥量を導出するにあたって、カテゴリと測定タイミングとの組み合わせに応じて、第1指標の指標値を用いるか、第2指標の指標値を用いるか、或いは、第1指標の指標値および第2指標の指標値の両方を用いるかが変更されて追肥時の施肥量が導出されるため、研究の結果に基づいてより高い精度で追肥時の施肥量の導出が可能である。
次に本実施形態に係る施肥量導出装置1による施肥量の導出方法について図5のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、施肥量導出装置1は、ある1つの圃場を対象として追肥時施肥量を決定するものとする。
図5で示すように、ユーザは入力画面G1を表示することを指示する(ステップSX1)。この指示に応じて施肥量導出部10は、表示装置2に入力画面G1を表示する(ステップSA1)。ユーザは、入力画面G1を利用して、状態カテゴリを選択し、選択した状態カテゴリについての目標状態を入力し、更に測定タイミングを入力し、入力を確定する(ステップSX2)。
入力が確定されたことを検出すると施肥量導出部10は、選択状態カテゴリ(ユーザにより選択された状態カテゴリ)、および、入力測定タイミング(ユーザにより入力された測定タイミング)を認識する。次いで施肥量導出部10は、選択状態カテゴリと入力測定タイミングとの組み合わせによって、NDVI値を用いるか、SPAD値を用いるか、或いは、NDVI値およびSPAD値の両方を用いるかを変更して、選択状態カテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出する(ステップSA2)。
<変形例>
次に上記実施形態の変形例について説明する。上記実施形態で説明したように施肥量導出部10は、追肥時施肥量を導出した後、導出した追肥時施肥量を示す情報を表示装置2に表示した。一方、本変形例に係る施肥量導出部10は、以下の処理を実行する。以下、選択状態カテゴリが収量<状態カテゴリ>であるものとして本変形例に係る施肥量導出装置1の動作の一例について説明する。
施肥量導出部10は、上記実施形態で説明した方法で、農作物(稲)の収量(あるカテゴリに係る農作物の状態)を目標収量(目標状態)とするための追肥時の施肥量を導出する。更に施肥量導出部10は、仮に導出した施肥量の肥料を追肥時に供給したとした場合の、タンパク質含有率(追肥時の施肥量に影響を受ける他のカテゴリに係る農作物の状態を表す状態値)の予測値を導出する。
予測値を導出するときの処理について詳述すると、事前に追肥時の施肥量をパラメータの1つとし、タンパク質含有率を出力する計算式が導出される。追肥時の施肥量以外のパラメータは、将来のタンパク質含有率に影響を与え、導出されるタンパク質含有率の精度に寄与するようなものであれば何でもよい。また計算式は重回帰分析により導出されたものでもよく、また、所定の機械学習手法で学習されたモデルであってもよい。
タンパク質含有率の予測値を導出した後、本変形例に係る施肥量導出部10は、導出した追肥時施肥量を示す情報と共に、導出したタンパク質含有利率の予測値を示す情報を表示装置2に表示する。すなわち施肥量導出部10は、導出した追肥時施肥量を示す情報と共に、導出したタンパク質含有率の予測値を示す情報を提供する。図6は、表示装置2に表示される画面の一例を示している。
本変形例によればユーザは、あるカテゴリについての農作物の状態(上述した例では農作物の収量)を目標状態(上述した例では目標収量)とするための追肥時の施肥量を認識できるだけでなく、仮に導出された追肥時の施肥量を実際に供給した場合に、追肥時の施肥量に影響を受ける他のカテゴリについての農作物の状態を表す状態値(上述した例では、タンパク質含有率)の予測値を認識できる。つまり、ユーザは、仮に導出された追肥時の施肥量を実際に供給した場合に、他のカテゴリに係る農作物の状態がどのようになるのかを認識できる。これによりユーザは、最終的に追肥時の施肥量を決定する際に、ある1つのカテゴリに係る農作物の状態を目標状態とするという点だけでなく、他のカテゴリに係る農作物の状態がどうなるのかということも考慮して追肥時の施肥量を決定することができる。
なお上述した例では、タンパク質含有率が特許請求の範囲の「状態値」に相当し、施肥量導出部10は追肥時の施肥量と共に、状態値の予測値としてタンパク質含有率の予測値を導出した。この点に関し状態値は、タンパク質含有率に限られない。すなわち状態値は、施肥量導出部10が、あるカテゴリに係る農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出した場合において、そのカテゴリとは別のカテゴリに係る農作物の状態を表す値であって、追肥時の施肥量に影響を受ける値であればよい。一例として、倒伏の程度を状態値とし、施肥量導出部10が、導出した施肥量の肥料を仮に供給した場合に、倒伏の程度(状態値)がどのようになるかを示す予測値を導出する構成でもよい。また施肥量導出部10が複数種類の状態値について、その予測値を導出する構成でもよい。
また変形例について以下の構成としてもよい。すなわち施肥量導出部10が、導出した予測値が閾値を上回る場合に、予測値が閾値を上回る旨の情報を提供する構成でもよい。例えば、あるカテゴリに係る農作物の状態が「農作物の収量」であり、状態値が「タンパク質含有率」である場合、施肥量導出部10は、以下の処理を実行する。すなわち施肥量導出部10は、農作物の収量(あるカテゴリに係る農作物の状態)を目標収量(目標状態)とするための追肥時の施肥量を導出すると共に、タンパク質含有率(追肥時の施肥量に影響を受ける他のカテゴリに係る農作物の状態を表す状態値)の予測値を導出する。次いで施肥量導出部10は、導出した予測値が、予め定められた閾値を上回るか否かを判別する。閾値は、タンパク質含有率がこの閾値を上回っている場合、許容できない程度に食味が悪いような値とされている。
予測値が閾値を上回っていない場合、施肥量導出部10は、追肥時の施肥量を示す情報と、タンパク質含有率の予測値を示す情報とを表示装置2に表示する。一方、予測値が閾値を上回っている場合、施肥量導出部10は、追肥時の施肥量を示す情報およびタンパク質含有率の予測値を示す情報と共に、タンパク質含有率の予測値が閾値を上回っている旨の情報を表示装置2に表示(提供)する。この構成によれば、ユーザは、導出された追肥時の施肥量を実際に供給した場合の、状態値の予測値を認識できるだけでなく、更に、予測値が閾値を上回っているか否かを認識できる。これによりユーザは、最終的に追肥時の施肥量を決定する際に、仮に導出された追肥時の施肥量を供給したとしたら、予測値が閾値を上回ることを踏まえつつ、追肥時の施肥量を決定することができる。
なお、閾値は、以下の場合に設定される。すなわち、あるカテゴリに係る農作物の状態を対象として予測値を導出する場合において、予想値がある一定値を超える場合、農作物の状態の劣化が生じる可能性があり、ユーザに注意喚起した方がよいような場合に設定される。
また変形例について以下の構成としてもよい。すなわち施肥量導出部10が、予測値が閾値を上回る場合、状態値が閾値以下となるような追肥時の施肥量を導出し、導出した追肥時の施肥量を示す情報を提供する構成でもよい。例えば、あるカテゴリに係る農作物の状態が「農作物の収量」であり、状態値が「タンパク質含有率」である場合、施肥量導出部10は、以下の処理を実行する。すなわち施肥量導出部10は、農作物の収量(あるカテゴリに係る農作物の状態)を目標収量(目標状態)とするための追肥時の施肥量を導出すると共に、タンパク質含有率(追肥時の施肥量に影響を受ける他のカテゴリに係る農作物の状態を表す状態値)の予測値を導出する。次いで施肥量導出部10は、導出した予測値が、予め定められた閾値を上回るか否かを判別する。
予測値が閾値を上回っていない場合、施肥量導出部10は、追肥時の施肥量を示す情報を表示装置2に表示する。その際、施肥量導出部10が、タンパク質含有率の予測値を示す情報を併せて表示する構成でもよい。一方、予測値が閾値を上回っている場合、施肥量導出部10は、タンパク質含有率が閾値(閾値以下の一定の値としてもよい)となるような追肥時の施肥量を、事前に用意された計算式に基づいて導出する。計算式は、重回帰分析により導出されたものでもよく、また、所定の機械学習手法で学習されたモデルであってもよい。次いで施肥量導出部10は、導出した追肥時の施肥量を示す情報を表示装置2に表示(提供)する。その際、施肥量導出部10が、最初に導出した追肥時の施肥量と、タンパク質含有率の予測値を示す情報とを併せて表示する構成でもよい。この構成によればユーザは、状態値の予測値が閾値を超えないようにした追肥時の施肥量を認識することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば上記実施形態では、状態カテゴリは、収量<状態カテゴリ>、低外観品質割合<状態カテゴリ>およびタンパク質含有率<状態カテゴリ>の3つであったが、状態カテゴリの種類は当然、実施形態で例示されたものに限られない。また上記実施形態では、測定タイミングは出穂期から1、2、3、4週間前を基準とする4つのタイミングであったが、状態カテゴリの種類は当然、実施形態で例示したものに限られない。
すなわち、状態カテゴリと、測定タイミングとの組み合わせについて、NDVI値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、SPAD値を用いて追肥時施肥量を導出する場合と、NDVI値およびSPAD値を用いて追肥時施肥量を導出する場合とのどのケースが最も精度が高くなるかがテストやシミュレーションにより確認され、最も精度が高くなるような態様で指標値を用いて追肥時施肥量が導出されればよい。従って、図3の例では、状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせについて、NDVI値を用いたときに導出される値の精度が最も高くなるケースはないが、何らかの状態カテゴリと測定タイミングとの組み合わせについて、NDVI値を用いたときに導出される値の精度が最も高くなることが確認できれば当然、NDVI値を用いて追肥時の施肥量の導出が行われる。
また上述した施肥量導出式は非常に単純化したものである。施肥量導出式は、他の手法で導出されてもよく、また、他のパラメータが含まれていてもよい。また収量対応式および低外観品質割合対応式の内容はあくまで一例であり、収量対応式および低外観品質割合対応式はNDVI値、SPAD値、或いは、両方をパラメータとして含む式であってもよい。
また上記実施形態では、施肥量導出装置1は、稲を対象として、稲作の追肥時の施肥量を導出した。しかしながら、対象とする農作物は稲に限られない。すなわち、本発明は、栽培に際して追肥が行われる農作物に広く適用可能である。一例として小麦、大麦、大豆その他の穀物や、野菜、果物等に適用可能である。
また、追肥は、上記実施形態で例示したタイミングで行われるものに限られない。
また、上記実施形態では、低外観品質割合が特許請求の範囲の「外観品質」に相当した。しかしながら、外観品質は、低外観品質割合に限らず、収穫物の外観的に品質を示すものであればよい。
また記憶部11は、施肥量導出装置1とは異なる外部記憶装置が有する構成でもよい。また、施肥量導出装置1を、インターネット上のサーバとして構成し、インターネットを介してクライアントから追肥時施肥量を示す情報の提供の要請があったときに、上述した手法で追肥時施肥量を導出し、クライアントに提供する構成としてもよい。また、施肥量導出装置1は、単体のコンピュータである必要はなく、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。例えばインターネットを介して接続された端末とクラウドサーバとが協働して施肥量導出装置1として機能し、端末が適宜クラウドサーバと協働して処理を実行する構成でもよい。
また上記実施形態においてNDVIの値とした部分について、NDVIに類する植生指数や、植被率等の他の「圃場の農作物の群について測定された植生指標」の値としてもよい。例えば、対象となる複数の農作物の葉面積の平均値をこの値としてもよい。また上記実施形態においてSPADの値とした部分について、葉色板の値等の他の「農作物の葉について測定された葉緑素に関する指標」の値としてもよい。
また上記実施形態において、NDVI値およびSPAD値をユーザが入力する構成であってもよく、施肥量導出部10が元データを分析して導出する構成でもよい。
また上記実施形態では、目標状態を入力するユーザインタフェイスと、測定タイミングを入力するユーザインタフェイスは共通する1つのユーザインタフェイスであった。この点に関し施肥量導出部10が、異なるユーザインタフェイスを提供する構成でもよい。
1 施肥量導出装置(情報処理装置)
10 施肥量導出部

Claims (14)

  1. 圃場の農作物への追肥時の施肥量を導出する情報処理装置であって、
    農作物の状態が分類された複数のカテゴリのうち、あるカテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を、NDVI値と、葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値との何れか一方、或いは、両方を用いて追肥時の施肥量を導出する施肥量導出部を備え、
    前記施肥量導出部は、追肥時の施肥量の導出に際して、指標値が測定されたタイミングである測定タイミングと前記カテゴリとの組み合わせによって、前記NDVI値を用いるか、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いるか、或いは、前記NDVI値および前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値の両方を用いるかを変更する
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記施肥量導出部は、
    前記NDVI値を用いる場合には、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記NDVI値と、農作物の状態との関係について、農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量および前記測定タイミングにおける前記NDVI値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出し、
    前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いる場合には、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値と、農作物の状態との関係について、農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量および前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出し、
    前記NDVI値および前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いる場合には、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記NDVI値と、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値と、農作物の状態との関係について、農作物の状態を目的変数とし、追肥時の施肥量、前記測定タイミングにおける前記NDVI値、および、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物の収量であり、前記測定タイミングが出穂3週間前を基準とする時点以前の場合、前記NDVI値および前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値の両方を用いて、収穫物の収量を目標収量とするための追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物の収量であり、前記測定タイミングが出穂3週間前を基準とする時点以前の場合、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記NDVI値と、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値と、収穫物の収量との関係について、収穫物の収量を目的変数とし、追肥時の施肥量、前記測定タイミングにおける前記NDVI値、および、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物の低外観品質割合であり、前記測定タイミングが出穂2週間前を基準とする時点以前の場合、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物の低外観品質割合であり、前記測定タイミングが出穂2週間前を基準とする時点以前の場合、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値と、収穫物の低外観品質割合との関係について、収穫物の低外観品質割合を目的変数とし、追肥時の施肥量および前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物のタンパク質含有率であり、前記測定タイミングが出穂1週間前を基準とする時点以前の場合、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いて、収穫物のタンパク質含有率を目標タンパク質含有率とするための追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. 前記施肥量導出部は、農作物が稲であり、前記カテゴリが収穫物のタンパク質含有率であり、前記測定タイミングが出穂1週間前を基準とする時点以前の場合、過去の実際の追肥時の施肥量と、前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値と、収穫物のタンパク質含有率との関係について、収穫物のタンパク質含有率を目的変数とし、追肥時の施肥量および前記測定タイミングにおける前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を説明変数とする回帰分析により導出された式を用いて追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 農作物は稲であり、
    前記施肥量導出部は、
    前記カテゴリの1つである収穫物の収量についての目標を示す目標収量、前記カテゴリの1つである収穫物の低外観品質割合についての目標を示す目標低外観品質割合、または、前記カテゴリの1つである収穫物のタンパク質含有率についての目標を示す目標タンパク質含有率を入力すると共に、前記測定タイミングを入力するためのユーザインタフェイスを提供し、
    前記ユーザインタフェイスに前記目標収量が入力された場合において、前記測定タイミングとして出穂3週間前を基準とする時点以前のタイミングが入力された場合、前記NDVI値および前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値の両方を用いて、収穫物の収量を目標収量とするための追肥時の施肥量を導出し、
    前記ユーザインタフェイスに前記目標低外観品質割合が入力された場合において、前記測定タイミングとして出穂2週間前を基準とする時点以前のタイミングが入力された場合、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いて、収穫物の低外観品質割合を目標低外観品質割合とするための追肥時の施肥量を導出し、
    前記ユーザインタフェイスに前記目標タンパク質含有率が入力された場合において、前記測定タイミングとして出穂1週間前を基準とする時点以前のタイミングが入力された場合、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いて、収穫物のタンパク質含有率を目標タンパク質含有率とするための追肥時の施肥量を導出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  10. 前記施肥量導出部は、あるカテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出すると共に、導出した施肥量を供給したとした場合に、追肥時の施肥量に影響を受ける他のカテゴリについての農作物の状態を表す状態値がどのようになるかを示す予測値を導出する
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記施肥量導出部は、導出した追肥時の施肥量を示す情報を提供すると共に、導出した前記予測値を示す情報を提供する
    ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記施肥量導出部は、前記予測値が閾値を上回る場合、前記予測値が閾値を上回る旨の情報を提供する
    ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  13. 前記施肥量導出部は、前記予測値が閾値を上回る場合、前記状態値が前記閾値以下となるような追肥時の施肥量を導出し、導出した追肥時の施肥量を示す情報を提供する
    ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  14. 圃場の農作物への追肥時の施肥量を導出する情報処理装置による追肥時の施肥量の導出方法であって、
    農作物の状態が分類された複数のカテゴリのうちの1つのカテゴリと、NDVI値、或いは、葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値が測定された測定タイミングとを認識するステップと、
    前記カテゴリと前記測定タイミングとの組み合わせによって、前記NDVI値を用いるか、前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値を用いるか、或いは、前記NDVI値および前記葉緑素計による測定結果に基づいて導出されるSPAD値の両方を用いるかを変更して、前記カテゴリについての農作物の状態を目標状態とするための追肥時の施肥量を導出するステップとを含む
    ことを特徴とする追肥時の施肥量の導出方法。
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