JP5912827B2 - 施肥量設定方法、施肥量設定装置、施肥量設定プログラム、施肥量設定システム - Google Patents
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Description
特許文献1の穀粒施肥診断装置は、穀粒のタンパク含量を測定するタンパク含量測定手段と、該穀粒に対する施肥情報を入力する入力手段と、目標とするタンパク含量を入力する入力手段と、施肥改善情報を演算する演算手段とを備えている。
即ち、請求項1にかかる施肥量設定方法によれば、穀物の収量と該穀物の食味とに関連する施肥量を、前記穀物の収量についての目標収量と前記穀物の食味についての目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、前記施肥量設定ステップは、コンピュータが取得した前記目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した穀物の収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、前記コンピュータが取得した前記目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする。
請求項2にかかる施肥量設定方法によれば、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、前記施肥量設定ステップは、コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
請求項3にかかる施肥量設定方法によれば、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、前記施肥量設定ステップは、コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、前記収量差補正ステップで補正された収量差を、圃場特性によって補正するステップと、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、前記食味差補正ステップで補正された食味差を、圃場特性によって補正するステップと、を有し、前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )−β(Q P −Q O ) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
請求項5にかかる施肥量設定方法によれば、前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )×C−β(Q P −Q O )×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数
請求項7にかかる施肥量設定装置によれば、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備えたコンピュータから構成され、前記施肥量設定部は、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、を有し、前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
請求項8にかかる施肥量設定装置によれば、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備えたコンピュータから構成され、前記施肥量設定部は、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、前記補正された収量差及び前記補正された食味差を、圃場特性によって補正する窒素施肥量決定部と、を有し、前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )−β(Q P −Q O ) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
請求項10にかかる施肥量設定装置によれば、前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )×C−β(Q P −Q O )×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数
請求項12にかかる施肥量設定プログラムによれば、コンピュータに実行される施肥量設定プログラムであって、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを実行し、前記施肥量設定ステップは、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
請求項13にかかる施肥量設定プログラムによれば、コンピュータに実行される施肥量設定プログラムであって、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを実行し、前記施肥量設定ステップは、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、前記収量差補正ステップで補正された収量差を、圃場特性によって補正するステップと、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、前記食味差補正ステップで補正された食味差を、圃場特性によって補正するステップと、を有し、前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )−β(Q P −Q O ) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
請求項15にかかる施肥量設定プログラムによれば、前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする。
N=S+α(Y O −Y P )×C−β(Q P −Q O )×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
Y O :目標収量
Y P :実績収量
Q P :実績タンパク含有率
Q O :目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数
請求項16にかかる施肥量設定システムによれば、収穫機に搭載された収量センサと、前記収穫機に搭載された食味センサと、肥料散布装置と、実績データベースと、コンピュータから構成された施肥量設定装置とを備えた施肥量設定システムであって、前記施肥量設定装置は、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備え、前記実績データベースは、前記収量センサが出力した収量の実績値を格納する収量データベースと、前記食味センサが出力した食味の実績値を格納する食味データベースとを備え、前記施肥量設定部は、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と前記収量データベースに格納された収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記食味データベースに格納された食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、前記補正された収量差及び前記補正された食味差を、圃場特性によって補正する施肥量決定部と、を有し、前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、前記肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする。
請求項1〜16にかかる発明によれば、目標収量と穀物の収量の実績値との差である収量差を算出するとともに、目標食味値と食味値の実績値の差である食味差を算出して施肥量を設定することができるので、生産者が目標とする収量と食味を得るために適切な施肥量を設定することができる。
一般的に圃場に散布する肥料は、窒素、リン酸、カリウムが主成分(基本三要素)である。米や麦などの穀物のタンパク含有率は食味に影響を及ぼすことが知られているが、食味と肥料に含まれる成分との関係は未だ十分に解明されていない。また、収量と肥料に含まれる成分との関係についても未だ十分には解明されていない。
以下、本実施形態による施肥量設定システム1について、詳しく説明する。
コンバイン2は、グレンタンク内に貯まった籾の重量から実際に収穫した米粒の重量(収量)を取得して出力する収量センサ20と、籾内の米粒の食味を示すタンパク含有率(食味値)を、近赤外線などを用いて測定し出力する食味センサ21を備えている。
実績データベース(DB)4は、例えばコンピュータの記憶装置内に構成されるものであり、コンバイン2の収量センサ20が出力した収量を、収量センサ20から、直接又は後述する施肥量設定装置5を介して取得して、収量の実績値として格納し、食味センサ21が出力した食味値であるタンパク含有率を、食味センサ21から、直接又は施肥量設定装置5を介して取得して、食味の実績値として格納する。
図3(a)に示すように、実績データベース4は、収量の実績値を収量データベース(DB)として格納している。収量データベースは、収量センサ20が出力した収量を、圃場1反あたりの収量(俵/10a)に換算して、圃場ごとに単年分に限らず数年分格納している。
施肥量設定装置5は、実績データベース4が格納する収量データベース及び食味値データベースを参照し、圃場に散布する窒素量(窒素施肥量)を決定して施肥量を設定し、トラクタ3の施肥量制御部30に出力するものである。
次に、図1を参照して、施肥量設定装置5について詳しく説明する。
施肥量設定装置5は、収量差算出部51、食味差算出部52、収量差補正部53、食味差補正部54、及び窒素施肥量決定部55を備えている。これら収量差算出部51、食味差算出部52、収量差補正部53、食味差補正部54、及び窒素施肥量決定部55は、コンピュータプログラム等から構成されている。
食味差算出部52は、式(2)に基づいて、食味値データベースに格納された食味値の実績値(実績食味値)QP(%)と、施肥量設定部50に入力されたタンパク含有率(食味値)の目標値(目標食味値)QO(%)との差である食味差(%)を算出し出力するものである。
上述の収量差算出部51から出力された収量差(YO−YP)と、食味差算出部52から出力された食味差(QP−QO)とを、式(3)に適用することで、窒素施肥量N(kg/10a)を求めることができる。
本実施形態では、収量を1反あたりに収穫された俵数で表しているが、収量を1反あたりに収穫された重量(kg)で表してもよい。目標収量YOと実績収量YPを1反あたりの重量(kg/10a)を単位として表わす場合、目標収量YOと実績収量YPをそのままの単位で式(1)に適用し、得られた収量差を1俵当たりの重量である60kgで除せば、式(1)で得られた収量差の単位「kg/10a」を単位「俵/10a」に変換できる。
収量差補正部53は、収量差算出部51から出力された収量差(YO−YP)の重要度を決定する収量重み付け係数αを採用し、式(4)に示すように、収量重み付け係数αを収量差(YO−YP)に乗じて出力するものである。
食味差補正部54は、食味差算出部52から出力された食味差(QP−QO)の重要度を決定する食味重み付け係数βを採用し、式(5)に示すように、食味重み付け係数βを収量差(QP−QO)に乗じて出力するものである。
窒素施肥量決定部55は、収量差補正部53から出力された補正収量差α(YO−YP)と、食味差補正部54から出力された補正食味差β(QP−QO)とを式(6)に適用することで、窒素施肥量Nを決定するものである。
施肥量制御部30は、施肥量設定部50から出力された施肥量に従って、圃場へ肥料を散布する。
図4は、圃場特性データベースを示している。圃場特性データベースは、圃場中に発現する窒素の量に影響を及ぼす可能性のある特徴(圃場特性)を圃場毎に格納するとともに、格納された圃場特性が窒素量へ影響を及ぼす程度を評価した圃場特性係数Cを格納している。例えば、圃場特性が窒素の発現を促進する状態にあれば窒素施肥量は少なくてすむ可能性があるので、圃場特性係数Cを1未満の値に設定し、その反対に、圃場特性が窒素の発現を抑制する状態にあれば、圃場特性係数Cを1より大きな値に設定するといった評価をすればよい。
以下、図3、図5及び図6を参照しながら、施肥量設定装置5の動作(施肥量設定方法)について説明する。図6は、施肥量設定方法の各ステップの流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、施肥量設定ステップにおける最初の動作として、施肥量設定装置5の入力インターフェイス56に、例えば、圃場番号として「1」、目標収量YOとして「9.5俵/10a」、目標食味値(目標タンパク含有率)YPとして「6.00%」、圃場特性係数Cとして「1.1」、さらに、収量重み付け係数αとして「0.75」、食味重み付け係数βとして「0.25」が入力される。
収量差算出部51は、圃場番号に対応する実績収量YPを収量DBから取得し(例えば、圃場番号1で2011年の9.0俵/10a)、ステップS10で取得した目標収量YO(9.5俵/10a)と取得した実績収量YP(9.0俵/10a)との差である収量差(YO−YP=9.5−9.0=0.5)を算出し、算出した「0.5」を保持する(ステップS11:収量差算出ステップ)。
窒素施肥量決定部55は、ステップS12で得られた補正収量差α(YO−YP)の値である「0.375」に、入力インターフェイス56から入力された圃場特性係数C(1.1)を乗じて補正し、補正後の値である「0.4125」を求める(ステップS13)。
食味差算出部52は、図3(b)の収量DBから実績食味QP(例えば、圃場番号1で2011年の5.79%)を取得し、取得した実績食味QP(5.79%)とステップS20で取得した目標食味QO(6.00%)との差である食味差(QP−QO=5.79−6.00=−0.21)を算出し、算出した「−0.21」を保持する(ステップS21:食味差算出ステップ)。
窒素施肥量決定部55は、ステップS22で得られた補正食味差β(QP−QO)である「−0.0525」に、入力インターフェイス56から入力された圃場特性係数C(1.1)を乗じて補正し、補正後の値である「−0.05775」を求める(ステップS23)。
最後に施肥量設定部50は、ステップS31で決定された窒素施肥量(3.97025kg/10a)を、散布する肥料の窒素含有率(%)で除して圃場1反(10a)あたりに散布する肥料の量(施肥量)を算出し設定する(ステップS32)。
なお、圃場とは、現実に区画された農地だけでなく、農作業計画のために仮想的に区画された農地であってもよい。
2 コンバイン
3 トラクタ
4 実績データベース
5 施肥量設定装置
20 収量センサ
21 食味センサ
30 施肥量制御部
50 施肥量設定部
51 収量差算出部
52 食味差算出部
53 収量差補正部
54 食味差補正部
55 窒素施肥量決定部
Claims (16)
- 穀物の収量と該穀物の食味とに関連する施肥量を、前記穀物の収量についての目標収量と前記穀物の食味についての目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、
前記施肥量設定ステップは、
コンピュータが取得した前記目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した穀物の収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記コンピュータが取得した前記目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定方法。 - 穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、
前記施肥量設定ステップは、
コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定方法。 - 穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを備え、
前記施肥量設定ステップは、
コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記収量差補正ステップで補正された収量差を、圃場特性によって補正するステップと、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、
前記食味差補正ステップで補正された食味差を、圃場特性によって補正するステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定方法。 - 前記窒素施肥量は、下式(1)に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の施肥量設定方法。
N=S+α(YO−YP)−β(QP−QO) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数 - 前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の施肥量設定方法。
N=S+α(YO−YP)×C−β(QP−QO)×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数 - 穀物の収量と該穀物の食味とに関連する施肥量を、前記穀物の収量についての目標収量と前記穀物の食味についての目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備えたコンピュータから構成され、
前記施肥量設定部は、
前記コンピュータが取得した前記目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した穀物の収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、
前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、
前記コンピュータが取得した前記目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、
前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、を有し、
前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定装置。 - 穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備えたコンピュータから構成され、
前記施肥量設定部は、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、
前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、
前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、を有し、
前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定装置。 - 穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備えたコンピュータから構成され、
前記施肥量設定部は、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、
前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、
前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、
前記補正された収量差及び前記補正された食味差を、圃場特性によって補正する窒素施肥量決定部と、を有し、
前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定装置。 - 前記窒素施肥量は、下式(1)に基づいて設定されることを特徴とする請求項7に記載の施肥量設定装置。
N=S+α(YO−YP)−β(QP−QO) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数 - 前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする請求項8に記載の施肥量設定装置。
N=S+α(YO−YP)×C−β(QP−QO)×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数 - コンピュータに実行される施肥量設定プログラムであって、
穀物の収量と該穀物の食味とに関連する施肥量を、前記穀物の収量についての目標収量と前記穀物の食味についての目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを実行し、
前記施肥量設定ステップは、
前記コンピュータが取得した前記目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した穀物の収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記コンピュータが取得した前記目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定プログラム。 - コンピュータに実行される施肥量設定プログラムであって、
穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを実行し、
前記施肥量設定ステップは、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記補正された収量差と前記補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定プログラム。 - コンピュータに実行される施肥量設定プログラムであって、
穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる窒素施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と、前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定ステップを実行し、
前記施肥量設定ステップは、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と収穫機に搭載された収量センサが取得した収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出ステップと、
前記収量差算出ステップで算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正ステップと、
前記収量差補正ステップで補正された収量差を、圃場特性によって補正するステップと、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記収穫機に搭載された食味センサが測定した食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出ステップと、
前記食味差算出ステップで算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正ステップと、
前記食味差補正ステップで補正された食味差を、圃場特性によって補正するステップと、を有し、
前記収量差補正ステップの重み付けと、前記食味差補正ステップの重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、肥料散布装置が散布する窒素施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定プログラム。 - 前記窒素施肥量は、下式(1)に基づいて設定されることを特徴とする請求項12に記載の施肥量設定プログラム。
N=S+α(YO−YP)−β(QP−QO) (式1)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数 - 前記窒素施肥量は、下式(2)に基づいて設定されることを特徴とする請求項13に記載の施肥量設定プログラム。
N=S+α(YO−YP)×C−β(QP−QO)×C (式2)
但し、α+β=1
N:窒素施肥量
S:施肥基準量
YO:目標収量
YP:実績収量
QP:実績タンパク含有率
QO:目標タンパク含有率
α:収量重み付け係数
β:食味重み付け係数
C:圃場特性係数 - 収穫機に搭載された収量センサと、前記収穫機に搭載された食味センサと、肥料散布装置と、実績データベースと、コンピュータから構成された施肥量設定装置とを備えた施肥量設定システムであって、
前記施肥量設定装置は、穀物の収量と該穀物の食味とを変化させる施肥量を、前記穀物の収量について収穫前の目標収量と前記穀物の食味について収穫前の目標食味値との両方に基づいて設定する施肥量設定部を備え、
前記実績データベースは、前記収量センサが出力した収量の実績値を格納する収量データベースと、前記食味センサが出力した食味の実績値を格納する食味データベースとを備え、
前記施肥量設定部は、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標収量と前記収量データベースに格納された収量の実績値との差である収量差を算出する収量差算出部と、
前記収量差算出部で算出された収量差を重み付けによって補正する収量差補正部と、
前記コンピュータが取得した前記収穫前の目標食味値と前記食味データベースに格納された食味値の実績値の差である食味差を算出する食味差算出部と、
前記食味差算出部で算出された食味差を重み付けによって補正する食味差補正部と、
前記補正された収量差及び前記補正された食味差を、圃場特性によって補正する施肥量決定部と、を有し、
前記収量差補正部の重み付けと、前記食味差補正部の重み付けは、一方の重み付けが大きくなると他方の重み付けは小さくなる関係にあり、
前記圃場特性によって補正された収量差と前記圃場特性によって補正された食味差との両方に基づいて、前記肥料散布装置が散布する施肥量を設定することを特徴とする施肥量設定システム。
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