JP7293070B2 - 散布支援システム - Google Patents
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Description
特許文献1の施肥量設定方法は、圃場内の今期生育中の作物の葉色および茎数に関する情報を取得し、取得した葉色および茎数に関する情報から作物の吸収窒素量を求める段階と、吸収窒素量から今期投入済み窒素施用量を減算することで、現在の地力窒素量を求める段階と、地力窒素量と作物を生育させるための適正窒素量から次期の作物を生育させるために必要な次期生育用窒素施用量を求める段階とを有している。
散布支援システムは、圃場の土壌表面の基準高さからの高低差を取得する高低差取得部と、前記圃場に散布する散布物の予定散布量を取得する散布量取得部と、前記高低差取得部が取得した前記高低差と前記高低差に応じて変動する補正係数との関係を示す補正情報を記憶する記憶部と、前記高低差取得部が取得した前記高低差、及び、前記記憶部の記憶する前記補正情報より取得される前記補正係数に基づいて、前記散布量取得部が取得した前記予定散布量を補正する散布量補正部と、前記散布量補正部によって補正された補正後の予定散布量である補正散布量を出力する散布量出力部と、を備えている。前記記憶部の記憶する前記補正情報において、前記補正係数は、前記高低差取得部が取得した前記基準高さからの高低差が0である場合の数値を基準値とし、前記高低差が前記基準高さよりも高いことを示す数値である場合には、前記予定散布量を増加する数値であり、前記高低差が前記基準高さよりも低いことを示す数値である場合には、前記予定散布量を減少する数値である。
或いは、前記補正係数は、前記予定散布量に加える加数である。前記補正係数の前記基準値は0である。前記補正係数は、前記高低差が前記基準高さよりも高いことを示す数値である場合に正の値であり、前記高低差が前記基準高さよりも低いことを示す数値である場合に負の値である。
散布支援システムは、前記圃場を複数の区画に分割する分割設定部と、前記複数の区画毎の散布量を設定する散布量設定部と、を備え、前記散布量取得部は、前記散布量設定部で設定された前記区画毎の予定散布量を取得し、前記高低差取得部は、前記複数の区画毎の前記高低差を取得し、前記散布量補正部は、前記複数の区画毎の前記高低差に基づいて前記区画毎の前記予定散布量を補正する。
散布支援システムは、前記作物の収量と前記作物に含有される成分との関係に基づいて前記予定散布量を演算する散布量設定部を備えている。
図1は、散布支援システムを示している。散布支援システムは、例えば、散布物の散布に関する支援を行うシステムである。散布物は、例えば、肥料等である。散布支援システムは、コンピュータを備えている。
コンピュータは、例えば、農家、営農会社等に設置された管理コンピュータ1aと、管理コンピュータ1a等が接続可能なサーバ1bとを含んでいる。管理コンピュータ1aは、例えば、管理者や作業者等に割り当てられたパーソナルコンピュータ(PC)である。なお、管理コンピュータ1aは、スマートフォン、タブレット、PDA等の携帯端末であってもよい。
また、マルチコプター30は、撮像装置(測定装置)30eを有している。撮像装置30eは、赤外線カメラ等で構成され、圃場の作物を撮像可能な装置である。また、マルチコプター30は、位置検出装置30fを有している。位置検出装置30fは、マルチコプター30の位置を検出する装置であって、GPS等の測位衛星のデータに基づいて位置(緯度、経度)を検出する。マルチコプター30は、圃場および圃場周縁の上空を飛行して、圃場上の作物を空撮し、撮像装置30eで撮像した画像(撮像画像)に、位置検出装置30fで検出された位置を対応付けて撮像データとする。
なお、高低差データは、無人飛行体30以外の、トラクタ21等の農業機械によって測定してもよい。例えば、トラクタ21は、位置検出装置21aと、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)21bとを有している。位置検出装置21aは、位置検出装置20cと構成が同様であるため説明を省略する。慣性計測装置21bは、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。慣性計測装置21bは、トラクタ21の車体に設けられ、慣性計測装置21bによって、車体のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。トラクタ21が圃場内において作業を行った場合、慣性計測装置21bによって上下の高さ変動値を測定して、高さ変動値を高低差データとしてもよいし、位置検出装置21aによって、トラクタ21の高さ変動値を測定して、高さ変動値を高低差データとしてもよい。
このように、サーバ1bは、収量データ、作物成分データ(タンパク含有率、水分含有率)、生育データ及び高低差データを取得してデータベースとして記憶部10に保存することができる。
さて、サーバ1bは、上述した収量データ等を参照しながら、圃場に散布する散布計画を作成することができる。散布計画とは、少なくとも所定の圃場において、圃場内のどの部分にどれだけの散布量の散布物(肥料等)を散布するかを設定する計画である。
例えば、管理コンピュータ1aがサーバ1bにログインすると、当該管理コンピュータ1aの表示部40にメニュー等を選択するメニュー画面が表示される。表示部40は、液晶モニタ等により構成されている。
設定画面T1は、収量マップM1を表示する収量マップ表示部51と、散布量マップM2を表示する散布量マップ表示部52と、メッシュ設定部53とを含んでいる。収量マップ表示部51は、サーバ1bの記憶部10に記憶されている収量データの収量を可視化した収量マップM1を表示する。散布量マップ表示部52は、収量データ等によって設定された散布量を可視化した散布量マップM2を表示する。
散布量設定部62は、複数の区画Qn毎の収量Dnに基づいて、区画Qn毎の予定散布量Fnを設定する。例えば、散布量設定部62は、「予定散布量Fn=基準散布量+(基準収量-実収量Dn)×定数」により、予定散布量Fnを設定する。なお、基準散布量及び基準収量は予めサーバ1bにより定められた値であり、定数は、収量を施肥量に換算する数値である。即ち、散布量設定部62は、実収量Dnが基準収量よりも少ない場合は予定散布量Fnが多くなるように設定し、実収量Dnが基準収量よりも多い場合は予定散布量Fnが少なくなるように設定する。なお、上述した予定散布量Fnの求め方は一例であり、例えば、基準収量を目標収量に置き換えてもよいし、実収量Dnの大きさに応じて複数段の収量ランクを設定して、収量ランクに応じて予定散布量Fnを設定してもよい。
さて、サーバ1bは、高低差ΔH1に応じて予定散布量Fnの補正を行うことが可能である。図1に示すように、サーバ1bは、高低差取得部65と、散布量取得部66と、散布量補正部67と、散布量出力部68とを含んでいる。高低差取得部65、散布量取得部66及び散布量補正部67は、サーバ1bに設けられた電気・電子部品、電気回路、当該サーバ1bに格納されたプログラム等から構成されている。
高低差取得部65が高低差データを取得すると、サーバ1b(分割設定部61)は、取得した高低差データを、収量マップM1及び散布量マップM2と同様に、複数の区画Qn(区画数n:n=1,2,3・・・n)に対応する区画高低差Knを作成する。分割設定部61は、例えば、1区画に複数の高低差を示すデータKnp(区画数:n=1,2,3・・・n、1区画当たりの高低差のデータ数:p=1,2,3・・・j)がある場合には、1区画のデータ数pの中で最も高低差が大きいデータpmaxを、区画高低差Knに設定する。例えば、1番目の区画Q1に対応する3つのデータK11、K12、K13が存在する場合、データK11、K12、K13の中で最も高低差が高い値を、1番目の区画Q1に対応する区画高低差K1に設定する。
散布量補正部67は、散布量取得部66によって予定散布量Fnを取得した後は、高低差取得部65が取得した高低差、即ち、区画高低差Knに基づいて、散布量取得部66が取得した予定散布量Fnを補正する。図4に示すように、サーバ1bの記憶部10は、高低差と、補正係数W1との対応関係を示す補正情報を記憶している。図4に示すように、高低差が基準内である場合は、補正係数W1は1.0、高低差がプラス側で大きくなるにつれて補正係数W1は1.0を超える値になり、高低差がマイナス側で小さくなるにつれて補正係数W1は1.0よりも小さくなる。散布量補正部67は、補正散布量Gn=予定散布量Fn×補正係数W1により、予定散布量Fnの補正を行う。
散布量補正部67は、全ての区画Qnに対応した予定散布量Fnの補正、即ち、補正散布量Gnを求めると、求めた補正散布量Gnを記憶部10に記憶する。なお、補正散布量Gnには、区画Qnの位置情報が紐付けられていて、補正散布量Gnは、どの位置における散布量であるかは把握することが可能である。
散布量設定部62は、複数の区画Qn毎の収量Dnと、複数の区画Qn毎のタンパク含有率Xn(n=1,2,3・・・・)に基づいて、区画Qn毎の予定散布量Fnを設定する。散布量設定部62は、サーバ1bに設けられた収量タンパクの評価データベース13を参照する。図5に示すように、評価データベース13は、収量Dnとタンパク含有率Xnとの関係と、散布量G1~G9との関係を示している。例えば、散布量設定部62は、収量Dnが収量>Aで且つ、タンパク含有率Xnがタンパク<Dである場合、散布量G3を予定散布量Fnに設定する。予定散布量Fnの設定後は、上述した方法と同様に、散布量補正部67が予定散布量Fnの補正を行う。
散布量取得部66は、無人飛行体又は農業機械によって測定された高低差を取得する。これによれば、無人飛行体又は農業機械によって農作業を行った際の高低差を用いて、予定散布量Fnを補正することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
61 :分割設定部
62 :散布量設定部
65 :高低差取得部
66 :散布量取得部
67 :散布量補正部
68 :散布量出力部
Dn :収量
Dn1 :収量
Dn2 :収量
F1 :圃場
Fn :予定散布量
G1~G9 :散布量
Gn :補正散布量
Qn :区画
W1 :補正係数
ΔH1 :高低差
Claims (6)
- 圃場の土壌表面の基準高さからの高低差を取得する高低差取得部と、
前記圃場に散布する散布物の予定散布量を取得する散布量取得部と、
前記高低差取得部が取得した前記高低差と前記高低差に応じて変動する補正係数との関係を示す補正情報を記憶する記憶部と、
前記高低差取得部が取得した前記高低差、及び、前記記憶部の記憶する前記補正情報より取得される前記補正係数に基づいて、前記散布量取得部が取得した前記予定散布量を補正する散布量補正部と、
前記散布量補正部によって補正された補正後の予定散布量である補正散布量を出力する散布量出力部と、
を備え、
前記記憶部の記憶する前記補正情報において、前記補正係数は、前記高低差取得部が取得した前記基準高さからの高低差が0である場合の数値を基準値とし、前記高低差が前記基準高さよりも高いことを示す数値である場合には、前記予定散布量を増加する数値であり、前記高低差が前記基準高さよりも低いことを示す数値である場合には、前記予定散布量を減少する数値である散布支援システム。 - 前記補正係数は、前記予定散布量に乗ずる乗数であり、
前記補正係数の前記基準値は1であり、
前記補正係数は、前記高低差が前記基準高さよりも高いことを示す数値である場合に1より大きい数値であり、前記高低差が前記基準高さよりも低いことを示す数値である場合に1より小さい数値である請求項1に記載の散布支援システム。 - 前記補正係数は、前記予定散布量に加える加数であり、
前記補正係数の前記基準値は0であり、
前記補正係数は、前記高低差が前記基準高さよりも高いことを示す数値である場合に正の値であり、前記高低差が前記基準高さよりも低いことを示す数値である場合に負の値である請求項1に記載の散布支援システム。 - 前記圃場を複数の区画に分割する分割設定部と、
前記複数の区画毎の散布量を設定する散布量設定部と、
を備え、
前記散布量取得部は、前記散布量設定部で設定された前記区画毎の予定散布量を取得し、
前記高低差取得部は、前記複数の区画毎の前記高低差を取得し、
前記散布量補正部は、前記複数の区画毎の前記高低差に基づいて前記区画毎の前記予定散布量を補正する請求項1~3のいずれかに記載の散布支援システム。 - 前記散布量取得部は、無人飛行体又は農業機械のいずれかで測定された前記高低差を取得する請求項1~4のいずれかに記載の散布支援システム。
- 前記圃場における作物の収量と前記作物に含有される成分との関係に基づいて前記予定散布量を演算する散布量設定部を備えている請求項1~5のいずれかに記載の散布支援システム。
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