JP6786883B2 - 透湿防水フィルム - Google Patents
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Description
(1) 平均粒径が4μm以上40μm以下の充填剤(充填剤X)を含み、かつ層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含む層(A層)を有し、KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm 2 以上0.60W/cm 2 以下であり、無配向フィルムであることを特徴とする、フィルム。
(2) 少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、0.8μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることを特徴とする、(1)に記載のフィルム。
(3) 23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向の破断点伸度が100%以上であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のフィルム。
(4) 前記A層が、層中の樹脂全体を100質量部としたときに、前記充填剤Xを10質量部以上150質量部以下含むことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム。
(5) 前記A層よりも充填剤Xの含有量が少なく、かつ層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含む層(B層)を有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6) 前記充填剤Xが炭酸カルシウムであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルム。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のフィルムと不織布との積層体。
本発明のフィルムにおけるA層は、製膜安定性を損なわずにせん断変形性や透湿性を付与する観点から、層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含むことが重要である。なお、エラストマーとは、25℃でゴム弾性を有する高分子量体をいう。
本発明のフィルムにおけるA層は、後述する表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、及び接触冷温感(Qmax)を調整し、フィルムに透湿性や心地良い触感を付与する観点から、平均粒径が4μm以上40μm以下の充填剤(充填剤X)を含むことが重要である。
本発明のフィルムは、製造工程におけるフィルムのたるみやシワの発生を軽減し、布のようなせん断変形性をフィルムに付与する観点から、Kawabata Evaluation System法(KES法)に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上4.0gf/(cm・deg)以下であることが好ましい(KES法参照文献 川端季雄著、「風合い評価の標準化と解析」、日本繊維機械学会風合い計量と規格化研究委員会、1980年7月、第2版)。なお、KES法に従い測定されるせん断かたさのことを、以下、単に「せん断かたさ」ということがある。
式G1:G(+)=(HG2.5−HG0.5)/(2.5°−0.5°)
式G2:G(−)=(HG−2.5−HG−0.5)/(−2.5°−(−0.5°))。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、0.8μm以上16.0μm以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される摩擦係数の変動(MMD)が、0.003以上0.07以下であることが好ましい。
フィルムの触感の心地良さ、フィルムの生産性や製膜安定性を向上させる観点からは、
少なくとも一方の面において、表面粗さの変動(SMD)が0.8μm以上16.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることが好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.3μm以上10.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.06以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.4μm以上9.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.05以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.6μm以上7.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.04以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.8μm以上6.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.03以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.0μm以上5.5μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.025以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.2μm以上5.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.02以下であることがさらに好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.4μm以上4.5μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.015以下であることが特に好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.6μm以上4.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.013以下であることが最も好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.60W/cm2以下であることが重要である。
(フィルムの透湿度)
本発明のフィルムを、衛生材などの透湿性が要求される用途に使用する場合、その透湿度は、500g/(m2・day)以上であることが好ましく、700g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,000g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、2,000g/(m2・day)以上であることがより好ましく、2,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、3,000g/(m2・day)以上であることがさらに好ましく、3,500g/(m2・day)以上であることが特に好ましく、4,000g/(m2・day)以上であることが最も好ましい。また、フィルムの透湿度は大きいほど好ましく上限は特にないが、衛生材に適用するとの観点からすると、上限は8,000g/(m2・day)程度あれば十分である。
本発明のフィルムは、巻き取り性、取り扱い性、及び後加工適性の観点から、23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向の破断点伸度が100%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましく、200%以上であることがより好ましく、250%以上であることがより好ましく、300%以上であることがより好ましく、350%以上であることがより好ましく、400%以上であることがより好ましく、450%以上あることがさらに好ましく、500%以上であることが特に好ましく、600%以上であることが最も好ましい。なお、フィルム長手方向の破断点伸度の上限は特に制限されるものではないが、現実的な実現可能性から、1,000%程度あれば十分である。
本発明のフィルムを、衛生材などの防水性が要求される用途に使用する場合、その耐水圧は、500mm以上であることが好ましく、1,000mm以上であることがより好ましく、1,200mm以上であることがさらに好ましく、1,500mm以上であることが特に好ましい。また、フィルムの耐水圧は大きいほど好ましく上限は特にないが、衛生材に適用するとの観点からすると、2,000mmあれば十分である。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限り、単層構成でも積層構成でもよいが、フィルム長手方向の破断点伸度、せん断変形性、製膜安定性を改良する観点から、A層よりも充填剤Xの含有量が少なく、かつ層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含む層(B層)を有することが好ましい。
本発明のフィルムの厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、ハンドリング性、及び生産性の観点から、3μm以上200μm以下であることが好ましい。ここでいうフィルムの厚みとは、フィルムが単層構成であるか積層構成であるかにかかわらず、フィルム全体の厚みをいう。フィルムの厚みは、走査型電子顕微鏡でフィルム断面の写真を観察することにより測定することができる。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。例えば、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、着色顔料、染料などを含有してもよい。
本発明のフィルムは、フィルム長手方向の破断点伸度、耐水圧を前述の好ましい範囲とするために、無配向フィルムであることが重要である。ここで、無配向フィルムとは、意図的に特定方向の分子配向を持たすための処理がなされていないフィルムを意味し、無配向フィルムを得る方法としては、フィルムを延伸しない方法が挙げられる。
次に、本発明のフィルムを製造する方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
このようにして得られた本発明のフィルムは、フィルムとして用いるために必要な機械特性、布のような心地良い触感を有し、透湿性、防水性を兼ね備えるフィルムであり、衛生材用フィルムとして好適に用いることができる。さらに、本発明のフィルムを不織布との積層体とすることも好ましい。また、本発明のフィルムを含む衛生材は、優れた透湿性と心地よい触感を兼ね備えたものとなる。
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
フィルムの幅方向のセンター部からサンプル片を切り出し、ウルトラミクロトームを用いて該サンプル片の長手方向−厚み方向断面(以下、フィルム断面ということがある。)を観察面とするように−100℃で超薄切片を採取した。走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて倍率500倍〜1,500倍でフィルム断面の写真を撮影し、顕微鏡の測長機能を用いてフィルムの厚みおよび積層フィルムの各層の厚みを測定した。測定は、観察箇所を変えて10回行い、得られた値の平均値をフィルムの厚み(μm)および積層フィルムの各層の厚み(μm)とし、これらの値より積層フィルムの各層の厚み比を算出した。なお、フィルムの厚みは、小数第1位を四捨五入して得られた値とした。
恒温槽を備えたオリエンテック社製“TENSILON”(登録商標) UCT−100を用いて、JIS K−7127(1999)に規定された方法にしたがって、温度23℃、相対湿度65%における応力−歪み測定を行い、温度23℃、相対湿度65%におけるフィルムの長手方向の破断点伸度(%)を測定した。具体的には、温度23℃、相対湿度65%に調整した恒温槽の中で、150mm(長手方向)×10mm(幅方向)の短冊状のフィルムサンプルを、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で行った。測定は10回行い、得られた値の平均値をフィルムの長手方向の破断点伸度(%)とした。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製のせん断試験機KES−FB1−Aを用いて、23℃、相対湿度65%の雰囲気下、強制荷重10gf、せん断ずり速度0.417mm/secの条件で、試料に−8°〜8°のせん断変形を与え、せん断変形が−2.5°、−0.5°、0.5°、及び2.5°である点におけるせん断応力を測定した(以下、各点におけるせん断応力をそれぞれHG−2.5、HG−0.5、HG0.5、HG2.5ということがある。)。HG0.5及びHG2.5より下記式G1を用いて正方向のせん断かたさ(G(+))を、HG−2.5及びHG−0.5より下記式G2を用いて負方向のせん断かたさ(G(−))をそれぞれ算出した。せん断応力の測定およびG(+)、G(−)の算出は、長手方向、幅方向ともに3回(合計6回)行い、そのすべてのG(+)、G(−)の値の平均値の小数第2位を四捨五入した値をそのフィルムのせん断かたさ(G)(gf/(cm・deg))とした。
式G1:G(+)=(HG2.5−HG0.5)/(2.5°−0.5°)
式G2:G(−)=(HG−2.5−HG−0.5)/(−2.5°−(−0.5°))
なお、長手方向のせん断かたさ(G)を測定する場合は、フィルムの長手方向がせん断変形方向と直交するように試料を取り付け、幅方向のせん断かたさ(G)を測定する場合は、フィルムの幅方向がせん断変形方向と直交するように試料を取り付けた。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重5gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の表面粗さの変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の表面粗さの変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の表面粗さの変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの表面粗さの変動(SMD)(μm)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線を使用した。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重25gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の摩擦係数の変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の摩擦係数の変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の摩擦係数の変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの摩擦係数の変動(MMD)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線20本を隙間なく平行に並べたものを使用した。
カトーテック社製サーモラボKES−F7IIを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、フィルムの接触冷温感(Qmax)を測定した。カトーテック社製サーモラボKES−F7IIは、フィルムを設置するための試料台と、検出器とを備えており、検出器の一面には銅薄板が貼られており、銅薄板の裏面には温度センサーが取り付けられている。試料台及び検出器にはヒーターが取り付けられており、それぞれ独立して制御装置によって温度を設定することが可能となっている。試料台にフィルムの巻外面が測定面となるように設置し、制御装置によって試料台の温度を20℃に設定し、検出器の銅薄板の温度を30℃に設定した。次いで、フィルムを設置した試料台と検出器を荷重6gf/cm2、接触面積50mm×50mmの条件で接触させると同時に、温度センサーからのセンサー出力を記録した。測定は10回行い、得られた値の平均値をフィルムの接触冷温感(Qmax)とした。
25℃、相対湿度90%に設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208(1976)に規定された方法に従って測定した。測定は3回行い、得られた値の平均値をフィルムの透湿度(g/(m2・day))とした。なお、フィルムの透湿度はフィルムの巻外面から測定した。
室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、JIS L 1092 (2009)に規定された方法に従って、耐水度試験(静水圧法;A法(低水圧法))を行った。このとき、水準装置の水位上昇速度は600mm/min±30mm/minとした。この耐水圧(mm)の測定を3回行い、その平均値をフィルムの耐水圧とした。なお、フィルムの耐水圧はフィルムの巻外面から測定した。
任意に選定した30人を対象に触手試験を実施し、肌着に用いる布のような心地良い触感を有していると回答した人数により、以下のように判定を行った。触感は6が最も優れている。
6:布のような心地良い触感を有していると回答した人が18人以上30人以下
5:布のような心地良い触感を有していると回答した人が16人以上17人以下
4:布のような心地良い触感を有していると回答した人が14人以上15人以下
3:布のような心地良い触感を有していると回答した人が12人以上13人以下
2:布のような心地良い触感を有していると回答した人が10人以上11人以下
1:布のような心地良い触感を有していると回答した人が9人以下
(10)製膜安定性
インフレーション法によりブロー比2.0、フィルム厚み20μmの条件で製膜を行い、5時間のうちに起こった製膜破れの回数をカウントし、回数に応じて、下記の6段階で評価した。製膜安定性は6が最も優れている。なお、積層フィルム(実施例5〜実施例8、実施例10、比較例3、比較例4、比較例6、比較例10)は、表に記載の積層厚み比となるように製膜した。
6:製膜破れの回数 0回
5:製膜破れの回数 1回
4:製膜破れの回数 2回
3:製膜破れの回数 3回
2:製膜破れの回数 4回
1:製膜破れの回数 5回以上
また、製膜破れが起こった時点から、フィルムのつなぎ合わせを行って製膜を再開するまでの時間は、5時間の評価時間から除外した。
放射温度計(シロ産業社製、品番:MB8R−4110C)を用いて、フィルムから50cm離れた位置より測定した。
(A1)
ポリエステル系エラストマー(商品名:“ハイトレル”(登録商標) G3548LN 、東レ・デュポン(株)製)使用前には回転式真空乾燥機にて90℃で5時間乾燥した。
(B1)
熱可塑性エチレン樹脂(商品名:NUC8506、日本ユニカー(株)製)
[充填剤X(C)]
(C1)
炭酸カルシウム(商品名:ライトンA−5、平均粒径14.8μm、比表面積6,000cm2/g、備北粉化製)
(C2)
炭酸カルシウム(商品名:BF−200、平均粒径17.5μm、比表面積4,000cm2/g、備北粉化製)
[充填剤X以外の充填剤(D)]
(D1)
炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2600、平均粒径1.3μm、備北粉化製)
(D2)
炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1800、平均粒径2.8μm、比表面積15,000cm2/g、備北粉化製)
(D3)
炭酸カルシウム(商品名:S−50、平均粒径87.0μm、比表面積1,300cm2/g、備北粉化製)
充填剤Xと充填剤X以外の充填剤の平均粒径は日機装(株)製マイクロトラックMT3300を用いて、JIS Z8825(2013)に規定された方法に従ってレーザー回折散乱法により測定した。
(実施例1)
A1、C1を表1に記載の配合比となるようにシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。この組成物のペレットを、回転式ドラム型真空乾燥機を用いて、温度100℃で5時間真空乾燥した。真空乾燥した組成物のペレットをインフレーション法により、シリンダー温度200℃で、スクリュー径60mmの単軸押出機に供給し、直径250mm、リップクリアランス1.0mm、温度を190℃に設定した環状ダイスにより、ブロー比2.0にてバブル状に上向きに押出し、冷却リングにより空冷し、ダイス上方のニップロールで折りたたみながら、引き取りしてロール状に巻き取った。引き取り速度の調整により、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示す。
表1〜3に記載の通りに、樹脂及び充填剤の種類や配合比を変更した以外は実施例1と同様にしてインフレーション法により、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1〜3に示す。比較例7はインフレーション法により製膜することが困難であり、フィルムサンプルを採取することができなかった。
表1、2に記載の通りに、樹脂及び充填剤の種類や配合比を変更し、実施例1と同様にして、A層およびB層に用いる組成物のペレットを得た。この組成物のペレットを、シリンダー温度200℃、スクリュー径60mmのそれぞれ独立した単軸押出機に供給した。そして、表1、2に記載の積層厚み比となるように、溶融したペレットを温度190℃の環状ダイスより吐出させ、実施例1と同様にインフレーション法により厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1、2に示す。
樹脂及び充填剤の種類や配合比を表3に記載の通りとし、インフレーション法にてフィルムを作製する際のシリンダー温度を220℃、環状ダイスの温度を210℃に変更した以外は実施例1と同様にして、インフレーション法により、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表3に示す。
樹脂及び充填剤の種類や配合比を表2に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして、インフレーション法により、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムをロール式延伸機にて、フィルム温度85℃で長手方向に3倍に延伸した。続いて定長下、加熱ロール上で、フィルム温度110℃で1秒間熱処理後、冷却ロール上で冷却し、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表2に示す。なお、ここでいうフィルム温度とは、放射温度計を用いて、フィルムから50cm離れた位置より測定したフィルム温度をいう(以下、実施例10、及び比較例6、9、10においても同じ。)。また、比較例5についてはインフレーション法により、厚さ60μmのフィルムを得ることはできたものの、延伸することが困難であり、フィルムサンプルを採取することができなかった。
表2、3に記載の通りに、樹脂及び充填剤の種類や配合比を変更し、実施例1と同様にして、A層およびB層に用いる組成物のペレットを得た。この組成物のペレットをシリンダー温度200℃、スクリュー径60mmのそれぞれ独立した単軸押出機に供給した。そして、表2、3に記載の積層厚み比となるように、溶融したペレットを温度190℃の環状ダイスより吐出させ、実施例1と同様にインフレーション法により厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムをロール式延伸機にて、フィルム温度85℃で長手方向に3倍に延伸した。続いて定長下、加熱ロール上で、フィルム温度110℃で1秒間熱処理後、冷却ロール上で冷却し、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表2、3に示す。また、比較例6についてはインフレーション法により、厚さ60μmのフィルムを得ることはできたものの、延伸することが困難であり、フィルムサンプルを採取することができなかった。
樹脂及び充填剤の種類や配合比を表3に記載の通りとし、インフレーション法にてフィルムを作製する際のシリンダー温度を220℃、環状ダイスの温度を210℃に変更した以外は実施例1と同様にして、インフレーション法により、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムをロール式延伸機にて、フィルム温度85℃で長手方向に3倍に延伸した。続いて定長下、加熱ロール上で、フィルム温度110℃で1秒間熱処理後、冷却ロール上で冷却し、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表3に示す。
樹脂及び充填剤の種類や配合比を表3に記載の通りとし、インフレーション法にてフィルムを作製する際のシリンダー温度を220℃、環状ダイスの温度を210℃に変更した以外は実施例10と同様にして、インフレーション法により、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムをロール式延伸機にて、フィルム温度85℃で長手方向に3倍に延伸した。続いて定長下、加熱ロール上で、フィルム温度110℃で1秒間熱処理後、冷却ロール上で冷却し、厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表3に示す。
前述の方法により、以下の布及び不織布について、厚み、せん断かたさ(G)、表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、及び接触冷温感(Qmax)を測定した。その結果を表4に示す。
参考例1
布を構成する全成分を100%としたときに、精製セルロース繊維(“テンセル”(登録商標))を95%、ポリウレタン繊維を5%含む布 ((株)ユニクロ製 ボクサーブリーフ(黒) レギュラー)
参考例2
商品名:絹調ポリエステル繊維(“シルックデュエット”(登録商標)、東レ(株)製)
参考例3
商品名:ポリプロピレン不織布(“エルタス”(登録商標))、旭化成せんい(株)製 目付け20g/m2
表1〜3における「充填剤X」及び「充填剤X以外の充填剤」の項目の「質量部」は、各層の樹脂全体を100質量部として算出した。
a2:表面粗さの変動(SMD)と摩擦係数の変動(MMD)(参考例2)
a3:表面粗さの変動(SMD)と摩擦係数の変動(MMD)(参考例3)
a4:表面粗さの変動(SMD)と摩擦係数の変動(MMD)(比較例8)
b1:Y=5.5
b2:X=0.003
b3:X=0.025
b4:Y=3,000X2+2.0
b5:Y=9,000X2+4.0
Claims (7)
- 平均粒径が4μm以上40μm以下の充填剤(充填剤X)を含み、かつ層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含む層(A層)を有し、KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm 2 以上0.60W/cm 2 以下であり、無配向フィルムであることを特徴とする、フィルム。
- 少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、0.8μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
- 23℃、相対湿度65%の雰囲気下における、フィルム長手方向の破断点伸度が100%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルム。
- 前記A層が、層中の樹脂全体を100質量部としたときに、前記充填剤Xを10質量部以上150質量部以下含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- 前記A層よりも充填剤Xの含有量が少なく、かつ層中の樹脂全体100質量%に対し、ポリエステル系エラストマーを50質量%以上100質量%以下含む層(B層)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- 前記充填剤Xが炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムと不織布との積層体。
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