JP6785698B2 - 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶インゴットの製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化珪素単結晶インゴットの製造方法に関するものであり、詳しくは、いわゆる昇華再結晶法により炭化珪素単結晶インゴットを製造する際に、黒鉛製坩堝の坩堝蓋体に種結晶基板を取り付ける方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、優れた半導体特性を有するため、近年、大電力制御用パワーデバイスを製造するための基板用材料として大きな注目を集めている。特に、SiC単結晶基板から作製されるSiCショットキーバリアダイオードやMOSFET(Metal Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)をはじめとするSiCパワーデバイスの開発が進められており、耐電圧が1000Vを超え、かつ、導通時のオン抵抗が小さくできる長所を発揮できることから、変換時の電力損失が少ない大電力制御用インバーターをはじめとする各種の電力制御装置が開発されている。
SiC単結晶は、目下のところ、改良レーリー法と呼ばれる昇華再結晶法、あるいは技術的には同義であるが、昇華法と呼ばれる製造方法によって、作製されることが一般的である(非特許文献1参照)。すなわち、坩堝本体と坩堝蓋体とからなる黒鉛製坩堝の坩堝本体側にSiC原料が装填され、坩堝蓋体側にSiC単結晶からなる種結晶基板が取り付けられて、SiC原料を加熱昇華させて種結晶基板の結晶成長面にSiC単結晶を成長させる。
大きな耐電圧特性やデバイス長期動作信頼性に優れるSiCパワーデバイスを安定的に実現するためには、SiC単結晶の大口径化と並行して、小口径SiC単結晶で実現されている結晶品質を大口径結晶においても維持すること、すなわち、欠陥密度を十分に小さくすることが必要である。例えばパワーデバイス特性に影響を与えるSiC単結晶基板の欠陥として、(0001)基底面上の刃状転位である基底面転位などが挙げられる。SiC単結晶基板にSiCのエピタキシャル膜を成長させた際に、基底面転位がこのSiCエピタキシャル層に存在すると、デバイス順方向動作時に部分転位に拡張して積層欠陥を形成するため、オン動作時のデバイス電気抵抗、すなわちオン抵抗値が経時的に漸次増加し、変換損失が増大してしまうことが知られている(非特許文献2参照)。このように、SiC単結晶基板においては、欠陥密度をできる限り低減化することがパワーデバイスとして応用する上で重要となっている。
上記のような欠陥の発生原因の一つとしては、SiC単結晶の内部応力が大きく増加することが挙げられる。高温で結晶内部の応力が大きくなると、結晶自体に塑性変形を誘起することになり、これが駆動力となって多量の転位欠陥を発生させる。例えば、昇華再結晶法で結晶成長を行う際に、種結晶基板を坩堝蓋体側に設けられた黒鉛製の台座に耐熱接着剤を用いて貼り付ける場合、種結晶基板の裏面、すなわち接着面からの熱分解によるボイド等の不要なマクロ欠陥の発生を抑制するために、できるだけ台座の表面に種結晶基板を密着させ、種結晶基板と台座の間に空隙を無くすことが必要であると考えられている(例えば特許文献1参照)。ところが、その結果、種結晶基板と台座が強固に固定されることになり、このような状況では、種結晶基板を構成するSiC単結晶と台座を構成する黒鉛とは、熱膨張率が一般的には異なるために成長温度では大きな熱膨張差が生じ、これが原因となって、かえって成長結晶に大きな応力を発生させてしまうことになる(非特許文献3参照)。
このような視点から、坩堝蓋体の基板取付け部となる台座と種結晶基板との熱膨張率差を起因とする応力の増加による欠陥発生を抑制するために、SiCとほぼ同じ熱膨張率を有する台座を用いることや(特許文献2参照)、あるいは接着剤からなる接着層を多層構造にする等の工夫を行うことにより熱膨張率差を小さくする(特許文献3参照)等の方法が行われている。
前記した方法とは別に、接着剤を一切用いず、互いに平坦化処理した種結晶基板と坩堝蓋体とを黒鉛性ネジ等の保持部材を用いて、機械的に固定する方法が提案されている(特許文献4参照)。このような方法によれば、種結晶基板の裏面及び坩堝蓋体の両者の表面粗さ(Ra)を5μm以下にして密着させることにより、ボイド等の不要なマクロ欠陥が抑制できるというものである。すなわち、接着剤による接合も同時に避けることが可能になり、種結晶基板を構成するSiC単結晶と坩堝蓋体や台座を構成する黒鉛との熱膨張率差に起因する不要な応力の発生を回避できる。しかしながら、ネジ固定等で種結晶基板の外側周縁部を固定する方法では、種結晶基板の口径が大口径化した際に中央部分で自重等により高温で間隙が形成されてしまい、結果としてマクロ欠陥発生の問題が再燃してしまう。近年、昇華再結晶法によるSiC単結晶の成長技術開発が大きく進捗し、現在市場の主流は口径100mm基板となっており、趨勢としては口径が150mm以上に達すると同時に、更に大口径のSiC単結晶インゴットの開発も進められている。このような状況では、上記した問題はさらに顕現化することになる。
また、これら以外の方法として、口径150mmの大口径種結晶基板の周辺部に耐熱性の介設層をスパッタ法などにより形成することで、坩堝蓋体の基板取付け部となる台座と種結晶基板との固着を防ぎ、かつその状態で種結晶基板の中央部分のみを接着剤で固定する方法が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、この方法では耐熱性介設層の剥離を防ぐために介設層の厚さを約10μm以下に厳密に管理する必要があり、製造工数および管理負荷の増加を招いてしまうと同時に、高融点金属からなる介設層形成によって発生するコスト増等の製造上の課題が新たに発生する。また、中央部のみを接着固定した場合には、接着剤の厚みによりその外側周辺領域では種結晶基板と台座との間に隙間が生じてしまい、マクロ欠陥が発生する原因となってしまう。
特開2001-139394号公報 特開2012-46425号公報 特開2009-120419号公報 特表2002-308697号公報 特表2010-280547号公報
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, vol.52 (1981) p.146 M. Skowronski and S. Ha, Journal of Applied Physics, vol.99 (2006) p.011101. R. Ma, H. Zhang, V. Prasad, M. Dudley, Crystal Growth & Design vol.2 (2002) p.213.
本発明は、上記の課題を解決するものであり、口径が100mm以上の大口径SiC単結晶を成長させるような場合でも、成長結晶に大きな応力が掛かるのを防ぎながら、マクロ欠陥の発生を抑制して、欠陥の少ない高品質なSiC単結晶インゴットを製造することができる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上述した従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との取付け界面において、種結晶基板の中央部を接着剤で接合し、それ以外の外側周辺領域では、互いに所定の表面粗さを有する平滑面で接触させるようにして、しかも、種結晶基板の外側周縁部を保持部材によって機械的に固定することで、口径が100mm以上の大口径SiC単結晶を成長させる場合でも、成長結晶に大きな応力が発生するのを防ぐことができると共に、マクロ欠陥の発生を抑制して、欠陥密度が小さい高品質なSiC単結晶インゴットを製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)坩堝本体と坩堝蓋体とからなる黒鉛製坩堝の坩堝本体側に炭化珪素原料を装填し、坩堝蓋体側に炭化珪素単結晶からなる種結晶基板を取り付けて、炭化珪素原料を加熱昇華させて種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶インゴットの製造方法であって、
前記坩堝蓋体の基板取付け部と前記種結晶基板との取付け界面において、種結晶基板の中央部に相当する中央領域では、種結晶基板に対する面積比で0.1%以上5%以下の接合面積を有するように接着剤で互いに接合され、該中央領域以外の外側周辺領域は、それぞれ表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面で互いに接するようにして、かつ、種結晶基板の外側周縁部は、保持部材により前記坩堝蓋体に対して機械的に固定して、種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(2)前記坩堝蓋体の基板取付け部が円盤状の黒鉛製台座から形成され、該黒鉛製台座は、前記種結晶基板の中央部に相当する位置に貫通孔を備えると共に、表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面を有し、また、前記種結晶基板は、結晶成長面と反対側が表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面を有して、前記黒鉛製台座の貫通孔に充填された接着剤により、黒鉛製台座を介して種結晶基板と坩堝蓋体とが接合されて、かつ、種結晶基板の外側周縁部に取り付けられる前記保持部材により、黒鉛製台座と種結晶基板とを坩堝蓋体に対して一体的に固定する(1)に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(3)口径100mm以上を有する炭化珪素単結晶インゴットを製造する(1)又は(2)に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
本発明によれば、口径が100mm以上の大口径SiC単結晶を成長させるような場合でも、成長結晶に大きな応力が掛かるのを防ぎながら、マクロ欠陥の発生を抑制して、欠陥の少ない高品質なSiC単結晶インゴットをより簡便に製造することが可能になる。そのため、このような方法によって得られたSiC単結晶インゴットから切り出された大口径SiC単結晶基板を用いれば、極めて高性能かつ信頼性に優れた電力制御用パワーデバイスを高効率で作製することができる。
図1は、本発明において種結晶基板を坩堝蓋体側に取り付ける方法の手順の一例を説明する図である。 図2は、本発明において坩堝蓋体側に種結晶基板が取り付けられた様子の一例を説明する図である。 図3は、本発明において坩堝蓋体側に種結晶基板が取り付けられた様子の他の一例を説明する図である。 図4は、昇華再結晶法(改良レーリー法)成長装置の構成を説明する図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明においては、坩堝本体と坩堝蓋体とからなる黒鉛製坩堝の坩堝本体側に炭化珪素原料を装填し、坩堝蓋体側に炭化珪素単結晶からなる種結晶基板を取り付けて、炭化珪素原料を加熱昇華させて種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させる種結晶基板を用いた昇華再結晶法により、例えば口径が100mm以上のSiC単結晶ウエハが取り出し可能なSiC単結晶インゴットを製造するにあたり、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との取付け界面において、種結晶基板の中央部に相当する中央領域では、種結晶基板に対する面積比で0.1%以上5%以下の接合面積を有するように接着剤で互いに接合され、その中央領域以外の外側周辺領域では、それぞれ表面粗さ(Ra)が1μm以下の平滑面で互いに接するようにして、かつ、種結晶基板の外側周縁部は、保持部材により坩堝蓋体に対して機械的に固定して、種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させるようにする。ここで、中央領域における接着剤以外には、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との取付け界面に高融点金属やその炭化物等の耐熱性特殊材料等からなる介在層等が一切無く、両者が表面粗さ(Ra)が1μm以下の平滑面で互いに接した状態とすることが重要となる。
すなわち、本発明者等は、種結晶基板が取り付けられる坩堝蓋体の基板取付け部と種結晶基板の裏面(結晶成長面の反対側)との両方の表面粗さ(Ra)を1μm以下にして互いに接触させると、種結晶基板の裏面が全面に均一に熱分解し、非常に薄い炭化層(推定数十μm以下程度)が形成されて、坩堝蓋体の基板取付け部との接着が抑制できることを見出した。従って、Raを1μm以下とした状態でこれらを密着させることにより、マクロ欠陥の発生が回避できると同時に、両者の密着が薄い炭化層を介することで、外側周辺領域における互いの接合を回避でき、僅かな熱膨張率差による不要な応力の発生を著しく低減できる。ここで、両者の表面粗さ(Ra)の少なくとも一方が1μm超になると炭化層の形成が不均一になり、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との分離が不十分となって、基底面転位密度が大きく増加してしまう。なお、表面粗さRaは、JIS B0601:2013規定の算術平均粗さを表す。
このように、種結晶基板と坩堝蓋体側との取付け界面において、中央領域以外の外側周辺領域がそれぞれ表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面で互いに接するようにするためには、中央領域での接着剤による接合状態がまた重要になる。つまり、両者を接合する接着剤からなる接着層がこれらの取付け界面で所定の厚みで存在すると、例えば、黒鉛製台座のような坩堝蓋体の基板取付け部と種結晶基板との間に隙間が形成されてしまい、外側周辺領域での平滑面での接触ができなくなる。そこで、本発明においては、例えば、以下のようにして坩堝蓋体側に種結晶基板を接着剤で接合するのがよい。
先ず、図1に示したように、SiC単結晶インゴットの成長に使用する種結晶基板1と、この種結晶基板1を坩堝蓋体3側に取り付ける際の基板取付け部となる黒鉛製の台座13を準備する。その際、両者が接する側の表面は、それぞれ面研削盤あるいは両面研磨装置等を用いた機械加工により、予め表面粗さRaが1μm以下に仕上げられていることが必要である。また、この台座13には種結晶基板1の中央部に相当する位置に上下方向に貫通する貫通孔14があけられている。そこで、両者を密着させ(図1(a))、その状態で有機溶媒にフェノール樹脂等が溶解した接着剤14を流し込み、貫通孔14を接着剤15で充填させる(図1(b))。そして、種結晶基板1と台座13との密着面に隙間が生じないように留意しながら、種結晶基板1を密着させた面とは反対側の台座13の上面に坩堝蓋体3を配置して、その状態で接着剤14を固化(硬化)させることで、台座13を介して(台座13の貫通孔14を介して)種結晶基板1を坩堝蓋体3に接合させる(図1(c))。このときに、接着剤の固化を効率的に行うために適宜加熱してもよい。
このようにして坩堝蓋体3側に種結晶基板1を取り付けることで、種結晶基板1と黒鉛製台座13との取付け界面では、台座13の貫通孔14に相当する中央領域のみが接着剤で接合され、それ以外の外側周辺領域では、種結晶基板1と黒鉛製台座13とがそれぞれの平滑面で物理的に密着した状態が実現されて、種結晶基板1が坩堝蓋体3側に取り付けられる。このような黒鉛製台座13を用いずに、例えば、坩堝蓋体3に黒鉛製台座13の場合と同様の貫通孔を設けて、坩堝蓋体3に対して種結晶基板1を密着した上で接着剤を充填したり、貫通孔のかわりに接着剤を充填する凹部を設けて種結晶基板1を密着させて接着剤を固化(硬化)させることで、坩堝蓋体3の基板取付け部に対して、直接、種結晶基板を取り付けるようにすることでも本発明の規定する取付け界面を実現することは可能である。ただし、坩堝蓋体3に直接貫通孔を設けて種結晶基板1を取り付けたりすると、接着剤の成長温度での材料特性によっては、結晶成長中にその貫通孔から抜熱が生じて成長結晶の品質に影響を及ぼすことも考えられる。また、黒鉛製台座13が介在することで、種結晶基板1の裏面側で熱流の不均一化を回避することが可能になることから、好ましくは、図1に示したように、黒鉛製台座13を介して種結晶基板1を坩堝蓋体3側に取り付けるようにするのがよい。
この黒鉛製台座13の形状については特に制限はないが、黒鉛製坩堝の加熱を高周波誘導により行う場合には、特にその厚さについて、坩堝蓋体3の厚さとの和が概ね高周波誘導電磁波の進入深さ以上となるようにすることが好ましい。例えば周波数10kHzで誘導加熱を行う場合には、厚さの和を少なくとも15mm以上となるようにすれば十分である。15mmを大きく下回って薄くなる場合、高周波誘導加熱が効果的に作用しなくなり、成長温度に必要な温度まで加熱することが困難になる。また、形状についても、円周方向の温度分布不均一化を避ける目的から、好適には円盤状のものであることが望ましい。
一方、種結晶基板と坩堝蓋体側との取付け界面において、接着剤で接合される中央領域については、接着剤による接合面積が種結晶基板の面積比で0.1%以上5%以下となるようにし、好ましくは0.1%以上2%以下、さらに好ましくは0.1%以上1%以下である。種結晶基板に対する面積比で0.1%未満では接着力が不十分となり、結晶成長時に接着が剥離してしまうおそれがある。その場合、種結晶基板1の外側周縁部が保持部材によって保持されてはいるものの、種結晶基板1と坩堝蓋体の基板取付け部との取付け界面に隙間が生じてしまうことから、種結晶基板1の熱分解が過度になり、マクロ欠陥が発生してしまう。反対に5%を超えると、黒鉛製台座のような坩堝蓋体側の基板取付け部との僅かな熱膨張率差の影響が顕現化し、応力が増加して基底面転位密度が増加する。なお、接着剤で接合される面積比の下限値であるが、応力の発生を回避する視点に限定するならば可能な限り小さいことが望ましいが、接着力確保を維持するためには0.1%以上とする必要がある。また、この中央領域は、種結晶基板と同心円の円形領域となるようにするのがよく、接合箇所はこの円形領域内で任意の形状に複数箇所以上に分割し、部分的に接着剤による接合を行ってもよい。ただし、実際に接着している接合部分の総面積が、上記のように種結晶基板の面積との面積比で0.1%以上5%以下となるようにする必要がある。
また、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との間の接着に使用する接着剤については、昇華再結晶法による結晶成長のような高温で接着力が維持でき、かつ空隙等のマクロ欠陥発生要因を形成しないものであれば特に制約はない。例えば、市販されているカーボン接着剤を用いることができるほか、フェノール樹脂等の高分子材料をエチルアルコール等の有機溶媒に溶解した接着剤や、更に、これにカーボン粉末を混合させた接着剤等を用いることができる。また、接着力を増加するために、台座の貫通孔等に充填した状態で約200℃以上の加熱処理を行うようにしてもよい。
また、本発明においては、種結晶基板の外側周縁部は、保持部材により坩堝蓋体に対して機械的に固定するようにする。この種結晶基板の外側周縁部における機械的押さえ付け(固定)の方法については、種結晶基板に不要な応力が加わらないように留意すれば特にどのような方法でも構わない。例えば、図2に示したように、黒鉛製のネジ16からなる保持部材によって種結晶基板の外側周縁部を複数個所押さえ付けるようにして、坩堝蓋体に対して種結晶基板を固定するようにしてもよく、また、図3に示したように、種結晶基板の外周側面に凹溝を形成しておき、先端に爪状の突起部を有した黒鉛製の支持棒17のような保持部材の先端突起を挿入して種結晶基板1を係止すると共に、支持棒17の他端に雄ネジ部(図示外)を形成しておき、坩堝蓋体3に設けられた雌ネジ部(図示外)に螺合させるようにしてもよい。その際、黒鉛製台座等を介して種結晶基板を坩堝蓋体に取り付ける場合には、これら図2や図3で示したように、種結晶基板1の外側周縁部に取り付けられる保持部材(16、17)により、黒鉛製台座13と種結晶基板1とが一体的に坩堝蓋体3に対して固定されるようにすればよい。
本発明における炭化珪素単結晶インゴットの製造方法では、坩堝本体と坩堝蓋体とからなる黒鉛製坩堝の坩堝蓋体に対して、上記のようにして種結晶基板を取り付けるようにする以外は、公知の方法と同様にして炭化珪素単結晶インゴットを製造することができる。特に、本発明は、口径が100mm(4インチ)以上のSiC単結晶インゴットを昇華再結晶法によって成長する場合に有効であり、更には、口径が150mm(6インチ)以上のSiC単結晶インゴットを製造する場合に顕著な効果を発現する。
このような大口径のSiC単結晶インゴットを製造する場合には、種結晶基板の口径が大きくなることから種結晶基板の裏面でのマクロ欠陥の発生確率が増すことになり、また、当然のことながら、成長結晶自体が大きく(重く)なる。そのため、本発明のようにして黒鉛製坩堝の坩堝蓋体に種結晶基板を取り付ける方法は、大口径のSiC単結晶インゴットを製造する上で極めて重要であり、大口径SiC単結晶を成長させる場合でも、成長結晶に大きな応力が掛かるのを防ぎながら、マクロ欠陥の発生を抑制して、欠陥の少ない高品質なSiC単結晶インゴットをより簡便に製造することができるようになる。このようにして得られたSiC単結晶インゴットから切り出された100mm以上の直径を有する大口径SiC単結晶基板上には、例えば、化学気相蒸着法(CVD法)等によりSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることで、実質的に基板の全領域において、基底面転位のような欠陥が極めて少ないエピタキシャルウエハを作製することができるようになり、このようなエピタキシャルウエハを使用することで、電力変換特性に優れた各種のパワーデバイスを効率よく得ることが可能になる。
以下、実施例に基づきながら本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実施例1)
図4に示す昇華再結晶法単結晶成長装置を用いて、以下のようなSiC単結晶の成長を実施した。なお、図4は、種結晶基板1を用いた昇華再結晶法によってSiC単結晶を成長させる装置の一例であり、本発明の構成要件を限定するものではない。
先ず、この単結晶成長装置について簡単に説明する。結晶成長は、種結晶基板1として用いたSiC単結晶1の上に、原料であるSiC粉末(SiC原料)2を昇華再結晶化させ、更に種結晶上へ再結晶化させることにより行われる。種結晶基板1であるSiC単結晶1は、坩堝5を形成する黒鉛製の坩堝蓋体3の内壁面に取り付けられる。原料のSiC粉末2は、同じく坩堝5を形成する黒鉛製の坩堝本体4に充填されている。このような黒鉛製坩堝5は、二重石英管6の内部に設置され、円周方向の温度不均一性を解消するために、1rpm未満の回転速度で黒鉛製坩堝5を回転可能な機構になっており、結晶成長中はほぼ一定速度で常に回転できるようになっている。黒鉛製坩堝5の周囲には、熱シールドのための断熱保温材7が設置されている。二重石英管6は、真空排気装置8により高真空排気(10-3Pa以下)することができ、かつ内部雰囲気をアルゴンガスにより圧力制御することができる。また、二重石英管6の外周には、ワークコイル9が設置されており、高周波電流を流すことにより黒鉛製坩堝5を加熱し、SiC原料2及び種結晶基板1を所望の温度に加熱することができる。坩堝温度の計測は、成長装置の上部方向の中央部に直径2〜4mmの光路10を設け、坩堝蓋体3の外側表面に設けられた断熱材抜熱穴12から輻射光を取り出し、二色温度計11を用いて行う。
後述するようにして種結晶基板1を固定した黒鉛製坩堝5に断熱保温材7等を配置した後、二重石英管6内に静置した。二重石英管6内を真空排気した後、ワークコイル9に電流を流し、坩堝蓋体3の表面温度を1700℃まで上げた。その後、雰囲気ガスとして高純度アルゴンガス(純度99.9995%)と高純度窒素ガス(純度99.9995%)の混合ガスを流入させ、二重石英管6内の圧力を約80kPaに保ちながら、坩堝蓋体表面温度を目標温度である2250℃まで上昇させた。雰囲気ガス中の窒素濃度は7%とした。その後、成長圧力である1.3kPaに約30分かけて減圧した。この際の黒鉛製坩堝5内のSiC粉末2と種結晶基板1との間の温度勾配は約20℃/cmである。
この実施例1においては、種結晶基板1として、口径152mm、厚さ2mmの{0001}基板からなる4H−SiC単結晶を準備した。(000−1)面(C面)が結晶成長面となるように坩堝蓋体3に取り付けた。その際、図1(a)〜(c)に示した手順に従い、先ずは、直径が160mm、厚さ20mmの円盤形状の黒鉛製台座13を準備し、その上下面を貫通するように、台座13の中心に直径が5mmの貫通孔14を形成した。そして、種結晶基板1が固定される(取り付けられる)台座13の基板取付け面と、種結晶基板1の裏面(結晶成長面とは反対側の(0001)Si面)とを、それぞれ面研削盤を用いて鏡面加工した。加工後の種結晶基板1の裏面及び台座13の基板取付け面の表面粗さRaを、接触式表面粗さ計を持いて計測したところ、種結晶基板1の裏面の表面粗さRaが0.5μmであり、台座13の基板取付け面の表面粗さRaが0.9μmであった。
そして、種結晶基板1の裏面と台座13の基板取付け面とを密着させた状態で、エチルアルコール溶媒にフェノール樹脂およびカーボン粉末を混合させた接着剤15を台座13の上面側から流し込み、台座13の上面側まで到達するように、貫通孔14に接着剤15を充填させた。次いで、台座13の上面側(種結晶基板1とは反対側)に黒鉛製の坩堝蓋体3を静置した状態で約250℃に加熱し、貫通孔14に充填された接着剤15を固化(硬化)させた。接着剤15が固化した後、図2に示したように、保持部材として黒鉛製のネジ16を用いて、それぞれのネジ16の頭部で種結晶基板1の外側周縁部を4箇所押さえ付けるようにしながら、黒鉛製台座13のネジ穴にネジ16を挿通し、その先端を坩堝蓋体3に設けられた雌ネジ部(図示外)に螺合させて、黒鉛製台座13と種結晶基板1とを坩堝蓋体3に対して一体的に固定した。このときの黒鉛製台座13の貫通孔14に充填された接着剤15による種結晶基板1との接合面積は、種結晶基板1に対する面積比で0.11%になる。
上記のようにして準備した単結晶成長装置を用いて、成長時間を約100時間として、結晶成長を行った。成長終了後、室温まで冷却してSiC単結晶インゴットを回収した。得られた試験SiC単結晶インゴットの口径は約150.2mm、インゴット先端である成長面形状は緩やかな凸形状をしており、その結晶中心近傍の高さは約30mmであった。また、得られたインゴットの外周側面や、結晶成長端面及び種結晶基板1の裏面(結晶成長端面の反対側)を目視と実体顕微鏡で観察したところ、種結晶基板1の熱分解消失や亜粒界等のマクロ欠陥の発生は一切なく、成長結晶はほぼ種結晶基板と同等の良好な結晶品質が実現されていることを確認した。
また、得られたSiC単結晶インゴットについて、研削、切断、及び研磨加工を行い、直径150mm、厚さ350μmの形状を有し、かつ結晶c軸(<0001>軸)が<11−20>方向へ4度傾いた4度オフSiC単結晶ウエハを作製した。なお、ウエハの取り出し位置はインゴットの最上部、すなわち成長端から採取した。作製したウエハを500℃に加熱して溶融したKOH(水酸化カリウム)に約3分間浸漬してエッチングを行い、転位ピットを形成させた。現れたピットの中で、基底面転位に対応する貝殻状のエッチピット(例えば、P. Wu, Journal of Crystal Growth 312(2010)p.1193参照)の個数を全面計測し、ウエハの面積で割ることで単位面積当たりの基底面転位密度を求めた。その結果、150mmウエハの全面で、98個/cmという極めて小さい密度値が実現されていることが判明した。
(比較例1)
種結晶基板1の裏面及び黒鉛製台座13の基板取付け面を実施例1と同様に鏡面加工した後、黒鉛製台座13に貫通孔は形成せずに、基板取付け面全体に実施例1で使用したものと同じフェノール系接着剤を塗布して、固化後の接着剤層の厚みがおよそ200μmとなるようにして、種結晶基板1と黒鉛製台座13とを接合し、更に、実施例1と同様に種結晶基板1の外側周縁部を黒鉛製のネジ16を用いて4箇所固定するようにして、坩堝蓋体3に対する種結晶基板1の固定を完成させた。このようにして準備した単結晶成長装置を用いて、実施例1と同様にして結晶成長を行った。
成長後に取り出したSiC単結晶インゴットは、口径約150.1mm、インゴット先端である成長面形状は緩やかな凸形状をしており、その結晶中心近傍の高さは約31mmであった。但し、実施例1とは異なり、得られたSiC単結晶インゴットは、黒鉛製坩堝5から取り出し後も台座13に強く貼り付いており、そのため、台座13ごと実施例1と同様にしてウエハ化加工を行い、インゴットの最上部から直径150mm、厚さ350μmの4度オフSiC単結晶ウエハを作製し、取り出した。そして、実施例1と同様に溶融KOHエッチング法により基底面転位密度を評価したところ、ウエハ全面で32680個/cmの値が得られた。
(実施例2〜4、比較例2〜4)
黒鉛製坩堝5に設ける貫通孔14の直径を表1に示したように変えた以外は実施例1と同様にして種結晶基板1を坩堝蓋体3側に取り付けて、単結晶成長装置を準備した。そして、実施例1と同様にして結晶成長を行い、得られたSiC単結晶インゴットについて、実施例1と同様にして、目視と実体顕微鏡による観察を行うと共に、ウエハ化加工を行って4度オフSiC単結晶ウエハを作製して、溶融KOHエッチング法により基底面転位密度を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1には実施例1の結果も合わせて示した。
Figure 0006785698
表1より判るように、黒鉛製台座13の貫通孔14の直径を6mm、10mm、及び30mmにして接合させた場合には(実施例2〜4)、小さい基底面転位密度のSiC単結晶インゴットが得られており、本発明が効果的である結果が示されている。これに対して、貫通孔の直径が3mmの場合では(比較例2)、成長中のインゴットの自重で接着剤による接合部分が剥離したと考えられ、成長終了後に確認したところでは、種結晶基板1と黒鉛製台座13との間で密着されておらずに隙間が形成されていた。このため、種結晶基板1の熱分解が発生し、マクロ欠陥が多量に生成して、基底面転位密度は評価不能であった。また、貫通孔の直径が50mm以上になると(比較例3、4)、種結晶基板1と黒鉛製台座13との間での接着剤による接合面積が過剰になるために、成長インゴット内の応力が増加したと考えられ、基底面転位密度が非常に大きくなっていた。
(実施例5)
黒鉛製台座13の貫通孔14に充填する接着剤15として、市販のカーボン接着材(日清紡績社製ST-201)を使用し、固化時には接着度を向上するために200℃まで20時間で昇温し、その温度で1時間保持する硬化処理を行うようにした以外は実施例1と同様にして、種結晶基板1を坩堝蓋体3に接合させた。また、種結晶基板1の外側周縁部の固定としては、図3に示すように、先ず、厚さ2mmの種結晶基板1の外周側面において、周方向に沿って、厚さ方向の中心部に基板厚み方向での高さが約0.5mm、基板中心側への深さが約1mmの凹溝を形成し、これに対して、先端に厚さ約0.4mm、長さ約5mmの爪状の突起部を有した黒鉛製の支持棒17を挿入した。一方、この支持棒17の他端には雄ネジ部(図示外)が形成されており、坩堝蓋体3に設けられた雌ネジ部(図示外)に螺合させて、黒鉛製台座13と種結晶基板1とを坩堝蓋体3に対して一体的に固定した。このようにした以外は実施例1と同様にして単結晶成長装置を準備し、実施例1と同様に結晶成長を行った。
得られたSiC単結晶インゴットについて、実施例1と同様にして、目視と実体顕微鏡による観察を行ったところ、種結晶基板1の熱分解消失や亜粒界等のマクロ欠陥の発生は一切なく、成長結晶はほぼ種結晶基板と同等の良好な結晶品質が実現されていることを確認した。また、実施例1と同様にしてウエハ化加工を行い、インゴットの最上部から直径150mm、厚さ350μmの4度オフSiC単結晶ウエハを作製した。そして、実施例1と同様にして溶融KOHエッチング法により基底面転位密度を評価したところ、ウエハ全面で56個/cmの値が得られた。
(比較例5)
黒鉛製の支持棒17による固定を行わないようにした以外は実施例4と同様にして、単結晶成長装置を準備して結晶成長を行った。成長後に冷却(放冷)して取り出したSiC単結晶インゴットを目視と実体顕微鏡により観察したところ、種結晶基板1の外周側面のほぼ全面が熱分解しており、それを起点にして成長結晶内ではマクロ欠陥が多量に発生していることが観察された。また、実施例1と同様にしてウエハ化加工を行い、インゴットの最上部から直径150mm、厚さ350μmの4度オフSiC単結晶ウエハを作製し、実施例1と同様に溶融KOHエッチング法により基底面転位密度を評価したところ、ウエハ中心近傍は基底面転位密度が約340個/cmと比較的良好な値が得られていたものの、外周部近傍はマクロ欠陥の影響で約29300個/cmとなっており、全面で転位密度の小さい良好なウエハは得られなかった。
以上の結果から判るように、種結晶基板と坩堝蓋体の基板取付け部との取付け界面において、i)種結晶基板の中央部を所定の接合面積となるように接着剤で接合すること、ii)それ以外の外側周辺領域では、互いに所定の表面粗さを有する平滑面で接触させること、及びiii)種結晶基板の外側周縁部を保持部材によって機械的に固定することで、口径150mmの大口径SiC単結晶を成長させる場合でも、成長結晶に大きな応力が発生するのを防ぐことができると共に、マクロ欠陥の発生を抑制して、欠陥密度が小さい高品質なSiC単結晶インゴットを製造することができるようになる。
1 種結晶基板
2 SiC粉末(SiC原料)
3 坩堝蓋体
4 坩堝本体4
5 黒鉛製坩堝
6 二重石英管
7 断熱保温材
8 真空排気装置
9 ワークコイル
10 光路(測温用窓)
11 二色温度計(放射温度計)
12 断熱材抜熱穴(測温用断熱材穴)
13 黒鉛製台座
14 貫通孔
15 接着剤
16 黒鉛製ネジ(保持部材)
17 黒鉛製支持棒(保持部材)

Claims (3)

  1. 坩堝本体と坩堝蓋体とからなる黒鉛製坩堝の坩堝本体側に炭化珪素原料を装填し、坩堝蓋体側に炭化珪素単結晶からなる種結晶基板を取り付けて、炭化珪素原料を加熱昇華させて種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶インゴットの製造方法であって、
    前記坩堝蓋体の基板取付け部と前記種結晶基板との取付け界面において、種結晶基板の中央部に相当する中央領域では、種結晶基板に対する面積比で0.1%以上5%以下の接合面積を有するように接着剤で互いに接合され、該中央領域以外の外側周辺領域は、それぞれ表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面で互いに接するようにして、かつ、種結晶基板の外側周縁部は、保持部材により前記坩堝蓋体に対して機械的に固定して、種結晶基板の結晶成長面に炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  2. 前記坩堝蓋体の基板取付け部が円盤状の黒鉛製台座から形成され、該黒鉛製台座は、前記種結晶基板の中央部に相当する位置に貫通孔を備えると共に、表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面を有し、また、前記種結晶基板は、結晶成長面と反対側が表面粗さ(Ra)1μm以下の平滑面を有して、前記黒鉛製台座の貫通孔に充填された接着剤により、黒鉛製台座を介して種結晶基板と坩堝蓋体とが接合されて、かつ、種結晶基板の外側周縁部に取り付けられる前記保持部材により、黒鉛製台座と種結晶基板とを坩堝蓋体に対して一体的に固定する請求項1に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  3. 口径100mm以上を有する炭化珪素単結晶インゴットを製造する請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
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