JP6785249B2 - 核酸増幅の阻害を低減するための組成物 - Google Patents

核酸増幅の阻害を低減するための組成物 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年5月11日に出願された米国特許仮出願第62/159,733号、及び2015年7月8日に出願された同第62/189,991号に基づく優先権を主張するものであり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本願は、2016年4月25日に作成された、ファイル名「Sequence_Listing_76042US003.TXT」を有する配列表と関連付けられている。この配列表ファイルは、1,885バイトで構成され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[背景]
病原体及びその他の微生物の検出のための従来法は、培養法をベースとしたものであるが、それらには時間と手間がかかり、迅速に結果を提供するという品質管理機関及び臨床検査機関のニーズをもはや満たしていない。
病原体検出における微生物の培養、偽陽性などの問題を克服する取り組みにより、DNAベースの診断法又は核酸増幅方法などといった遺伝子検査の開発が進められてきた。DNAベースの方法は、各病原体種が、他の生物とは異なる固有のDNA又はRNAシグネチャー(signature)を保有していることを前提として使用されている。これらの手法は最も見込みがあり、迅速、高感度、かつ特異的な微生物検出のための使用が増加している。
生物工学の進展により、効率的な核酸増幅のための多種多様なアッセイが開発されている。
微生物/病原体を含有するサンプルを効果的に遺伝子検査するには、即時に又はリアルタイムに結果を提供する、迅速で高感度なアッセイ法が必要とされる。分析時間及び分析感度、並びにサンプル中の阻害物質によりもたらされる核酸の増幅阻害が、遺伝子検査の有用性に関係するある種の制限事項である。
対象とする標的核酸の増幅阻害を効率的かつ迅速に低減又は排除する組成物及び方法を得ることは望ましい。
[概要]
本開示は、核酸増幅反応におけるサンプル阻害(sample inhibition)を排除するための組成物、及びこの組成物を使用する核酸増幅方法を提供する。
第1の態様において、核酸増幅反応におけるサンプル阻害を排除するための組成物が提供され、かかる組成物は、複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、有機鉄キレート剤と、を含有する。この組成物は、約8.45〜約8.85のpHを有し得る。有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有することができ、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される。
上記の実施形態のいずれかにおいて、組成物は、水を更に含んでよく、界面活性剤は、0.005%(質量/体積)以上の濃度で組成物中に存在する。上記の実施形態のいずれかにおいて、組成物は、第二鉄を更に含有し得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、酸化ジルコニウム粒子は、約1マイクロメートル未満のメジアン粒子径を有し得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、有機鉄キレート剤はEGTAを含んでよく、第二鉄のEGTAに対するモル比は、約0.04〜約0.28であり得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、組成物は、ポリビニルピロリドンを更に含有し得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、組成物は、ナノ粒子分散安定剤を更に含有し得る。
第2の態様では、本開示は核酸増幅方法を提供し、かかる方法は、a)複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、有機鉄キレート剤と、を含有する組成物を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程であって、組成物は、約8.45〜8.85のpHを有し、界面活性剤は、0.005%(質量/体積)以上の濃度で混合物中に存在し、有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される、工程と、b)工程a)の混合物を熱による溶菌にかける工程と、c)工程b)の後で混合物の一部を核酸増幅プロセスにかける工程と、を含む。
一実施形態において、本開示は等温増幅法を提供し、かかる方法は、a)複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、有機鉄キレート剤と、を含有する組成物を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程であって、組成物は約8.45〜8.85のpHを有し、界面活性剤は、0.005%(質量/体積)以上の濃度で混合物中に存在し、有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される、工程と、b)工程a)の混合物を熱による溶菌にかける工程と、c)工程b)の後で混合物の一部を等温核酸増幅にかける工程と、を含む。
第3の態様では、本開示は、複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、有機鉄キレート剤と、を含有するキットを提供する。有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有することができ、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される。
上記の実施形態のいずれかにおいて、キットは、第二鉄を更に含有し得る。上記のキットの実施形態のいずれかにおいて、第二鉄は、クエン酸第二鉄アンモニウムとしてキット中に存在し得る。上記のキットの実施形態のいずれかにおいて、酸化ジルコニウム粒子は、約1マイクロメートル未満のメジアン粒子径を有し得る。上記のキットの実施形態のいずれかにおいて、有機鉄キレート剤はEGTAを含み得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、キットは、有効量の無脂肪乳を更に含有し得る。
上記では、本開示に関係のある目的のいくつかを略述した。これらの目的は、意図される本開示のより顕著な特徴及び用途のいくつかの単なる例示と解釈されるべきである。本開示は、以下に記載する又は以下の「詳細な説明」から明らかになる他の特徴及び利点を含む。
本発明の上記の概要は、本発明において開示される実施形態のそれぞれ又は全ての実施を説明することを目的とするものではない。以下の明細書は、例示的な実施形態をより具体的に例示するものである。本出願を通していくつかの箇所において、実施例の一覧によって指針が提示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、掲載された一覧は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。
これら及び他の実施形態の更なる詳細については、添付図面及び以下の説明において述べる。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[詳細な説明]
本開示のいずれかの実施形態を詳しく説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載する又は以下の図面に例示する構成の細部及び構成成分の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される専門用語及び用語は、説明目的のためであり、限定するものとみなされるべきではないことが理解される。本明細書における「含む(including)」、「備える、含む、含有する(comprising)」又は「有する(having)」、及びこれらの変形の使用は、以下に挙げる品目及びその等価物、並びに付加的な品目を包含するものである。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用すること、及び構造的又は論理的な変更を行うことが可能であることを理解されたい。次に本開示について、本明細書で以下により詳細に説明する。以下の発明を実施するための形態の目的のため、本開示では、そうでないことが明示的に指示される場合を除いて、様々な代替的変形形態及び工程順序を想定することができることを理解されたい。したがって、本開示について詳細に説明する前に、本開示は、具体的に例示するシステム又は実施形態に限定されるものではなく、当然ながら、これらのシステム又は実施形態は様々であってよいことを理解されたい。本明細書に論じる任意の用語の例を含めて、本明細書のいずれの箇所における例の使用も例示のみを目的とし、本開示又は例示するあらゆる用語の範囲及び意味を一切限定しない。同様に、本開示は、本明細書に記載する様々な実施形態に限定されるものではない。
本明細書では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうでないことを明確に示さない限り、複数形の指示対象を含む。用語「及び/又は」は、記載の要素の1つ若しくは全て、又は記載の要素のうちいずれか2つ以上の組み合わせを意味する。
用語「約(about)」は、範囲の値又は端点について説明するときに使用され、本開示は、特定の値と、言及する端点との両方を含むと理解されるべきである。
本明細書では、「備える、含む、含有する(comprises)」、「備える、含む、含有する(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴とする(characterized by)」、「有する(having)」という用語、又はこれらの任意の他の変形は、排他的でない包含を含むことが意図される。
本明細書で使用するとき、語句「核酸」及び「核酸配列」は互換可能であり、制限されることを意図しない。「核酸」は、当該技術分野において認識されている意味を有してよく、DNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA、又はプラスミドDNA)、RNA(例えば、mRNA、tRNA、又はrRNA)、及びPNAを指す。核酸は制限なく、二本鎖又は一本鎖構造、環状、プラスミド、相対的に短鎖のオリゴヌクレオチド、並びにPNAとも呼称されるペプチド核酸などといった様々な形態であってよい。核酸は、染色体全体又は染色体の一部を含み得るゲノムDNAであってよい。DNAは、コーディング(例えば、mRNA、tRNA、及び/又はrRNAのコーディング)及び/又は非コード配列(例えば、セントロメア、テロメア、遺伝子間領域、イントロン、トランスポゾン、及び/又はマイクロサテライト配列)を含み得る。核酸は、天然に生じるヌクレオチド並びに人工的に又は化学的に変性したヌクレオチド、変異の生じたヌクレオチドなどの任意のものであってよい。核酸は、非核酸成分、例えば、ペプチド(PNAにおけるペプチドなど)、及び標識(放射性同位体又は蛍光標識)などを含み得る。
本明細書で使用するとき、「増幅する」及び「増幅」は、ポリヌクレオチド配列を一次関数的に又は指数関数的に増加させる様々な手法を指す。例示的な増幅法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はプライマーの伸長工程を含む任意の他の方法が挙げられるがこれらに限定されない。増幅の他の非限定的な例としては、リガーゼ検出反応(LDR)及びリガーゼ連鎖反応(LCR)が挙げられるがこれらに限定されない。増幅法は温度サイクルを含んでよく、又はループ介在等温増幅(Loop mediated isothermal amplification、LAMP−BART)などのように等温で実施され得る。様々な実施形態において、用語「増幅産物」又は「増幅された産物」は、任意のサイクル数の増幅反応に由来する生成物を含む。
本明細書で使用するとき、「ポリメラーゼ連鎖反応」又はPCRは、二本鎖の核酸サンプルの各鎖を解離させる最初の変性工程と、これに続く(i)増幅プライマーを標的配列に隣接した位置に特異的にアニールさせるアニーリング工程と、(ii)前述のプライマーを5’から3’の方向に伸長させて、それによって標的配列に相補的な増幅産物であるポリヌクレオチドを形成させる伸長工程と、(iii)標的配列から増幅産物を解離させる変性工程と、の繰り返しからなる核酸増幅である。上記の工程のそれぞれは、好ましくは自動サーマルサイクラーを使用して異なる温度で実施することができる。
本明細書で使用するとき、「等温増幅された」又は「等温増幅」及び同様の用語は、従来のPCR反応とは異なって、高温〜低温サイクルを必要する増幅法とは対照的に、一定温度下で実施される核酸増幅方法を指す。等温増幅では、DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼである必要がある。プライマーは置換の生じたDNA鎖に結合することから、等温増幅は、多くの場合、実質的に単一の温度で実施される。等温増幅において、核酸サンプルと、場合により全てのプライマーとを含む反応混合物は、増幅前、及びDNAポリメラーゼが変性温度で不活性化される場合には場合によりDNAポリメラーゼの添加前に、反応混合物中の二本鎖核酸が一本鎖に変性する変性温度(例えば、少なくとも85℃〜90℃)に加熱されてよい。
本明細書で使用するとき、用語「対象とする標的」、「標的核酸領域」、「標的特異的核酸」、「標的領域」、「標的シグネチャー配列(target signature sequence)」、「標的核酸(複数可)」、「標的核酸配列」、「標的」又は「標的ポリヌクレオチド配列」は、対象とする核酸を指す。
本明細書で使用するとき、「検出する」又は「検出」は、サンプル中の標的ポリヌクレオチド配列又は増幅された標的ポリヌクレオチド配列産物の存在又は非存在について開示すること又は明らかにすることを指す。検出は、エンドポイントのもの、リアルタイムのもの、酵素学的なものであってよく、ゲル上で増幅産物を分離し、期待される増幅産物が存在するかを判定するものであってよく、あるいは当業者に既知の他の方法であってよい。
本明細書で使用するとき、用語「サンプル」は、核酸を含有している疑いのある出発材料を指す。サンプル中の核酸を検出することにより、微生物の存在を検出できる。サンプルの例としては、食品サンプル(ヒト又は動物による摂取が意図される、例えば、加工食品、ローフードの素材、農産物(例えば、果物及び野菜)、豆類、肉類(家畜類及び/又は狩猟動物)、魚、シーフード、ナッツ類、飲料、酒類、発酵ブロス、及び/又は上掲の食品のいずれかを含む選択的に集積した食品マトリックスなどの、食品に由来するサンプルが挙げられるが、これらに限定されない)、水サンプル、環境サンプル(例えば、土壌サンプル、糞尿等汚物(dirt)サンプル、厨芥(garbage)サンプル、汚水サンプル、工業排水サンプル、大気サンプル、又は湖、河川、池などの水の塊に由来する水試料、(環境からの、又は屋内若しくは建造物からの)大気サンプル、臨床試料、疾患又は病態を有する疑いのある人から得た試料、獣医学試料、法医学試料、農業試料、医薬品試料、生物薬剤試料、食品加工及び製造表面由来の試料、及び/又は生物試料が挙げられるがこれらに限定されない。本開示による非食品サンプルの例は、培養ブロスであり得る。本明細書で使用するとき、「培養ブロス」は、微生物を培養するための液体培地を指す。
本明細書で使用するとき、「阻害物質」は、アッセイの活性、精度、又は正確度を、阻害物質が存在しない場合のアッセイの活性、精度、又は正確度と比較して減少させるよう、直接的又は間接的に働く、任意の化合物、物質、若しくは組成物、又はこれらの組み合わせを意味する。阻害物質は、限定なく分子、原子、又は分子若しくは原子の組み合わせであってよい。
本開示の一態様によると、本明細書で使用するとき、用語「阻害物質」は、例えば、増幅反応において使用される酵素に関する阻害物質を指す。かかる阻害物質の例としては、典型的には、タンパク質、ペプチド、脂質、炭水化物、ポリフェノール、ヘム及びその分解産物、尿素、胆汁酸、フミン酸、多糖、細胞膜、及び細胞質成分が挙げられるがこれらに限定されない。PCRの際の、ヒト血液における主要な阻害物質は、ヘモグロビン、ラクトフェリン、及びIgGであり、これらはそれぞれ赤血球、白血球、及び血漿中に存在する。阻害物質の例としては、鉄イオン又はその塩、他の金属塩、例えば、アルカリ金属イオン、遷移金属イオンなど、並びに生育培地中に存在する指示染料も挙げられる。
本開示の実施形態において、指示染料であるエスクリンが阻害物質として作用し得る。エスクリンは、ベニバナトチノキ(Aesculus hippocastanum)から得られたクマリングルコシド(6−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、CAS番号531−75−9)であり、わずかに青色の蛍光溶液を特徴とする。エスクリンは、一般的に、例えばリステリア菌(Listeria)の培養用の細菌培養ブロスに指示薬として添加される。デミフレーザー(demi−Fraser)(DF)、UVM、及びフレーザー(Fraser)ブロスベース(リステリア選択性集積ブロスベース)におけるエスクリン反応は、アッセイ阻害への可能性の高い原因の1つとして強調されている。この反応において、エスクリン:
Figure 0006785249

は、特定の細菌により6,7ジヒドロキシクマリン(エスクレチン)及びグルコースへと加水分解される。次に、エスクレチン:
Figure 0006785249

が第二鉄イオンと錯化して、黒色の複合体を形成する。エスクレチンは薬剤のクマリンファミリーに含まれ、クマリンはDNAと反応する酵素の活性を調節することが知られている。
本明細書で使用するとき、「界面活性剤」は、当業者により容易に認識される最も広い定義を意味する。すなわち、界面活性剤は、液体の表面張力を低下させる、及び/又は2種類の液体間の界面張力を低下させる湿潤剤である。水中で正電荷又は負電荷を有しないものの、水に可溶性である界面活性剤は、「非イオン性界面活性剤」である。
本明細書で使用するとき、「非イオン性界面活性剤」は、極性基が帯電していない界面活性剤分子を指す。用語「非イオン性界面活性剤」には、2種類以上の非イオン性界面活性剤の組み合わせが包含される。ある種の実施形態では、1種以上の界面活性剤が使用され得る。
本明細書で使用するとき、ポリビニルピロリドン(PVP)は、N−ビニルピロリドンモノマーから作製された水溶性ポリマーである。ポリビニルポリピロリドン(PVPP)は、PVPの高度に架橋された変性体である。本明細書に記載するとき、ポリビニルピロリドン、又はそれらの変性体は、阻害物質を低減又は排除するべく増幅反応混合物において含められ得る。変性PVPとしては、PVPの不溶性で高度に架橋された変性体である、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書におけるPVPに関する開示は、PVPPにも適用可能であることは認識されたい。
一実施形態において、組成物は、低表面張力を提供しかつ熱処理用途に使用したときに良好な熱安定性を呈するコーティング添加剤のクラスに属する、非イオン性高分子フッ素系界面活性剤を含み得る。本開示のある種の実施形態によると、非イオン性高分子フッ素系界面活性剤は、3M(商標)Novec(商標)フッ素系界面活性剤であるFC−4430であってよい。
本明細書で使用するとき、用語「エチレングリコール四酢酸」及び「EGTA」は、キレート剤の、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸を指す。EGTAは、マグネシウムに対するアフィニティの低さからカルシウムイオンに対する選択性が高い無色の固体である。EGTAは、生細胞において見られるとおり、カルシウムイオン濃度がマグネシウム濃度よりも低い場合にカルシウムイオンをキレートする緩衝液の作製に有用である。EGTAは酵素アッセイにも有用である。
本明細書で使用するとき、用語「細胞溶解」は、細胞膜を破壊して、細胞中の物質を放出させるプロセスを指し、特に、例えば、PCR及びLAMP BART法などの増幅前に、DNA又はRNAを単離するため細胞から細胞内物質を抽出するプロセスを指す。
本開示の実施形態によると、細胞溶解は熱を利用する方法により実施され得る。熱を利用する方法は、細胞サンプルの形態、及び反応容器の特性に準じ、当業者により適切に選択され得る。
本明細書で使用するとき、用語「微生物(microorganism)」又は「微生物(microbe)」は、任意の微視的生物(microscopic organism)を指し、単細胞生物又は多細胞生物であり得る。かかる用語は、概して、適した培養培地で生育及び複製し得る原核又は真核性の任意の微視的生物を指すのに使用され、制限なく1種以上の細菌を含む。本発明の範囲に包含される微生物としては、原核生物、すなわち、細菌及び古細菌、並びに原生生物、真菌、及び藻類などを含む様々な形態の真核生物が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語、微生物の「培養」又は「生育」は、生育を補助する条件下、所定の培養培地中で微生物の複製を促すことによって、微生物を増殖させる方法を指す。より具体的には、かかる方法は、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進するのに好適な培地及び条件を提供する方法である。培養培地は、微生物の生育に必要とされる栄養分と、必須な物理的生育パラメータとを全て含む、固体培地、半固体培地又は液体培地であってよい。用語「標的微生物」は、検出が所望される任意の微生物を指す。
本明細書で使用するとき、用語「集積」は、特定の微生物の生育に望ましい、固有の及び既知の性状を有する培地及び条件を提供することにより、特定の微生物の生育を選択的に集積する培養方法を指す。集積培養の環境は、選択された微生物の生育は補助しつつ、その他の微生物の生育は阻害し得る。
従来のDNAベースの方法の使用には、阻害物質の存在によりある程度の制限がある。核酸増幅反応に対し悪影響を有する全ての物質を包含するいわゆる阻害物質が存在することが、遺伝子検査の欠点の1つである。これらの阻害物質は、サンプルそのものに由来し得るものであり、又はサンプルの処理中若しくは核酸の抽出中に紛れ込んでしまう場合もある。核酸増幅反応の一部又は全てが阻害されることで、それぞれ感度の低下又は偽陰性の結果となる。
数多くの遺伝子ベースの方法が利用可能であるにも関わらず、対象とする標的核酸の増幅阻害を効率的及び迅速に低減又は排除するための、迅速で、高感度で、安価で、手間のかからない方法は1つとして存在しない。標的とするサンプル中の病原体の存在を迅速に判定するため、より迅速で、正確、かつ時間と手間のかからないアッセイ法に対するニーズの増大を満たすことができる、信頼性があり正確なアッセイ法を開発することが必要とされている。
競合PCR系では、プロテアーゼ工程の組み込みが使いやすさの点から課題である。このプロテアーゼ工程は、食品タンパク質(特に赤身肉)を消化すること、及び細胞を溶解することでサンプル阻害を低減するのに用いられる。驚くべきことに、本開示どおりの組成物及び方法は、酸化ジルコニウム粒子と有機鉄キレート剤と組み合わせて使用することで、阻害性のタンパク質を無効化し、サンプルをプロテアーゼ処理する必要性を排除することが判明している。有利に、本開示は、単離/精製工程を排除することにより、現行のアッセイ法を、より迅速で簡単なものにする。
本開示は、プロテアーゼの必要性を排除、あるいはサンプルからバックグラウンドタンパク質を低減する核酸増幅に関する組成物及び方法を記載する。これはまた、従来の核酸増幅方法のアッセイ工程のうち、1工程を排除することにもつながる。
本開示は、概して、クロマトグラフィー、遠心分離、及びこれらと同様の分離法などといった単離/精製工程を伴わない、細胞溶解工程と、核酸増幅工程とを含むサンプルの核酸増幅のための新規組成物及び方法に関する。
本開示の組成物又は方法は、食品材料又は飲料材料(例えば、原料、製造過程の組成物、及び最終製品)中に見られる様々な微生物を検出するために使用できる。組成物及び方法は、食品又は飲料材料中の、相対的に少数の病原性微生物を検出する際に特に有用であり得る。
本開示の組成物及び方法の使用により検出され得る病原性微生物の非限定例としては、サルモネラ(Salmonella)種(例えば、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonellaenteritidis)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium))、クロストリジウム(Clostridium)種(例えば、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridiumperfringens)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum))、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter)種(例えば、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni))、スタフィロコッカス種(例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus))、大腸菌(Escherichia coli)(例えば、大腸菌O157:H7)、リステリア種(例えば、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes))、ビブリオ(Vibrio)種(例えば、ビブリオ・コラリエ(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrioparahaemolyticus)、並びにエルシニア(Yersinia)種(例えば、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、エルシニア・シュードツベルクロシス(Yersiniapseudotuberculosis))が挙げられる。
本開示の組成物は、典型的には、各化学成分を含む水性溶液として使用される。したがって、任意の実施形態では、本開示の組成物は水を含む。所定の体積の水性組成物を所定量(例えば、体積)のサンプルと混合して混合物を形成し、この混合物に、サンプル中に存在し得る任意の微生物を溶菌させるべく処理(例えば、加熱)を行なうことができる。得られた溶菌液の一部は、元のサンプル中の1種以上の標的微生物の存在を示す核酸配列を検出するべく核酸増幅プロセスに使用できる。
典型的には、サンプル(例えば、牛挽肉、屠体洗浄液(carcass rinse)、プロセス水、環境(例えば、食品加工装置)に対し使用した綿棒又はスポンジから得た残留物(residue from an environmental))は、水性液体(例えば、水又は緩衝液)に懸濁される。したがって、第1の所定の体積の水性サンプルを、本開示の組成物を含む第2の所定の体積の水性溶液と混合して、溶菌処理がなされる混合物を形成する。したがって、本開示の組成物の各成分は、サンプルを組成物と混合したときに生じる希釈を考慮した濃度で水性組成物中に存在する。
本開示によると、第1の所定の体積の、第1及び第2の所定の体積を混合することにより形成される混合物の体積に対する比は、1:10以下である。任意の実施形態では、第1の所定の体積の、第1及び第2の所定の体積を混合することにより形成される混合物の体積に対する比は、約1:10〜約1:300である。任意の実施形態では、第1の所定の体積の、第1及び第2の所定の体積を混合することにより形成される混合物の体積に対する比は、約1:10、約1:20、約1:25、約1:30、約1:40、約1:50、約1:100、約1:200、約1:250、又は約1:300である。
したがって、本開示は、複数の酸化ジルコニウム粒子と、有機鉄キレート剤と、非イオン性界面活性剤と、を、0.005%(質量/体積)以上の濃度で含有する組成物(例えば、水性液体組成物)を提供する。組成物は、約8.45〜8.85のpHを有する。組成物は、核酸増幅反応のサンプル阻害を低減及び/又は排除するために核酸増幅方法において使用され得る。場合により、組成物は、本明細書で記載されるとおり、第二鉄イオン及び/又はポリビニルピロリドンを含有し得る。
任意の実施形態では、組成物に好適なpHは少なくとも8.45である。任意の実施形態では、pHは、8.45〜8.85の範囲内であり得る。ある種の実施形態では、pH8.65〜8.75が使用され得る。他の実施形態では、pH8.75〜8.85が使用され得る。
任意の実施形態では、酸化ジルコニウム粒子は、ナノ粒子を含み得る(例えば、酸化ジルコニウム粒子は、約100nmから1.0μm未満のメジアン粒子径を有する)。任意の実施形態では、酸化ジルコニウム粒子は、約100nm〜約200nmの平均粒子径を有し得る。任意の実施形態では、酸化ジルコニウム粒子は、約100nm〜約250nmの平均粒子径を有し得る。任意の実施形態では、酸化ジルコニウム粒子は、約100nm〜約500nmの平均粒子径を有し得る。これらの粒子は、安定剤であるクエン酸の添加により、上記に示すpHにて、安定な分散体として存在し得る。
酸化ジルコニウムナノ粒子の分散は、その単位体積当たりの表面積により特徴付けられ得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも10m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、包括的に、約10m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約25m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約50m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約100m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約200m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約300m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約400m/L〜約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。任意の実施形態では、本開示の組成物は、約600m/Lの表面積を有するナノ粒子を含み得る。
ZrOナノ粒子を含む本開示の組成物は、粒子が長期間にわたり(例えば、数ヶ月及び/又は数年)実質的に懸濁状態を保持するよう、及び/又は最小限の労力で再懸濁されるよう安定化することができる。このような安定化は、分散安定剤を組成物に添加することにより達成され得る。本開示の組成物に使用され得る特に好ましい分散安定剤としては、例えば、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(クエン酸)又はその塩、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸第二鉄アンモニウムなどといったポリカルボン酸化合物が挙げられる。
有機鉄キレート剤は、第二鉄(Fe+3)イオンに対し所定のアフィニティ定数を有する。pH8.45及び20℃の脱イオン水において、有機鉄キレート剤は、第二鉄イオンに対し、104.2以上のアフィニティ定数を有する。有機鉄キレート剤は、マグネシウム(Mg+2)イオンに対し所定のアフィニティ定数を有する。pH8.45及び20℃の脱イオン水において、有機鉄キレート剤は、マグネシウムイオンに対し、103.8未満のアフィニティ定数を有する。したがって、pH8.45の本開示の水性組成物において、有機鉄キレート剤は、マグネシウムイオンよりも第二鉄イオンに対し高いアフィニティを有する。
好適な有機鉄キレート剤としては、有機分子が挙げられる。任意の実施形態では、有機鉄キレート剤は水溶性である。任意の実施形態では、有機鉄キレート剤は、複数のカルボキシレート基を含む。好適な有機鉄キレート剤の非限定例としては、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エタン−1,2−ジアミン(TPEN)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(HEDTA)、及びこれらの塩が挙げられる。
任意の実施形態では、組成物は、場合により第二鉄を含有する。したがって、本開示の水性組成物は、第二鉄イオンを含有し得る。任意の実施形態では、第二鉄は、クエン酸第二鉄アンモニウムにより組成物に提供され得る。したがって、組成物は、クエン酸イオンを更に含有し得る。有利に、本開示の水性組成物において、クエン酸イオンは、酸化ジルコニウム粒子の分散を促進及び/又は安定化させ得る。
任意の実施形態では、第二鉄は、本開示による水性液体組成物中に約55μM〜385μMの鉄イオン濃度(すなわち、溶存第二鉄)で存在し得る。ある種の実施形態では、第二鉄イオンの濃度は少なくとも110μMであってよく、その他のある種の実施形態では少なくとも165μMであり得る。他の実施形態では、第二鉄イオンの濃度は少なくとも220μMであってよく、その他の実施形態では少なくとも275μM又は少なくとも330μMであり得る。本開示によると、水性において(in an aqueous)、有機鉄キレート剤はEGTAを含み、組成物の有する溶存第二鉄/EGTAモル比は約0.04〜約0.28である。ある種の好ましい実施形態では、水性組成物は、約0.14〜約0.18の溶存第二鉄/EGTAモル比を有する。
本開示による液体(例えば、水性の液体)組成物の任意の実施形態において、第二鉄(クエン酸第二鉄アンモニウムとして提供)は、(組成物がサンプルと混合されるときに)約50μM〜350μMの第二鉄イオン濃度が得られるよう存在する。ある種の実施形態では、第二鉄イオンの濃度は少なくとも100μMであってよく、その他のある種の実施形態では、少なくとも150μMであってよい。他の実施形態では、第二鉄イオンの濃度は少なくとも200μMであってよく、その他の実施形態では少なくとも250μM又は少なくとも300μMであり得る。本開示によると、水性において(in an aqueous)、有機鉄キレート剤はEGTAを含み、組成物の有するFe3+/EGTAモル比は約0.04〜約0.28である。ある種の好ましい実施形態では、組成物は、約0.14〜約0.18のFe3+/EGTAモル比を有する。
一実施形態において、本開示の組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有する。したがって、組成物は、任意の非イオン性界面活性剤を1種以上含有し得る。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、約11〜約16の親水性−親油性バランスを有する。この範囲の親水性−親油性バランスを有する界面活性剤は、PCR及びLAMP核酸増幅反応においてDNAポリメラーゼの活性を十分なものにすることができるのに加え、BARTレポーター法においてルシフェラーゼ及びATPスルフリラーゼ(sulphurlyase)の活性を十分なものにすることができる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、TRITON(商標)シリーズの洗剤、例えば、これらに限定する必要はないが、TRITON X−100(t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)及びその派生品、TRITON X−114、TRITON X−405、TRITON X−101、TRITON N−42、TRITON N−57、TRITON N−60、TRITON X−15、TRITON X−35、TRITON X−45、TRITON X−102、TRITON X−155、TRITON X−165、TRITON X−207、TRITON X−305、TRITON X−705−70、及びTRITON B−1956といった洗剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween)、POEアルキルエーテル(例えば、Brij)、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEアルキルアミン、及びPOE脂肪酸ビスフェニルエーテル;並びにフッ素系界面活性剤、例えば、3M Novec(商標)で設計・開発された(engineered)液体界面活性剤FC−4430及びFC4432、及びDow chemicalのFSシリーズのフッ素系界面活性剤など、が挙げられるがこれらに限定されない。
本開示による液体(例えば、水性液体)組成物の任意の実施形態では、組成物中のかかる界面活性剤の濃度は、本発明の有益な効果(すなわち、核酸増幅を促進するという点)を達成できるのであれば特に制限されない。任意の実施形態では、本開示の組成物は、約0.005%(w/v)〜約0.3%(w/v)の界面活性剤を含む。したがって、任意の実施形態では、本開示の組成物は、最大で約0.3%(w/v)の界面活性剤を含む。ある種の実施形態では、界面活性剤の濃度は、少なくとも0.01%(w/v)であってよく、その他のある種の実施形態では、少なくとも0.025%(w/v)であってよく、別の実施形態では、0.032%(w/v)である。
場合により、本開示の任意の実施形態では、公称分子量が30KDa〜1.3MDaのPVPが使用され得る。本開示の一態様では、PVPの有する公称分子量は360KDaである。
本開示の一実施形態では、PVPは、少量の界面活性剤が使用される場合に組成物に含まれ得る。本開示による液体(例えば、水性液体)組成物の一実施形態において、組成物(サンプル添加前)は、0%w/v〜約0.0473%w/vのPVPを含み得る。非イオン性界面活性剤が0.0055%〜0.011%w/vの濃度で組成物中に存在するとき、組成物は、約0.011%w/v〜約0.0473%w/vのPVPを含み得る。上記の各濃度は変性PVPにも適用される。
本開示の一実施形態では、PVPは、少量の界面活性剤が使用される場合に組成物に含まれ得る。本開示による液体(例えば、水性液体)組成物の一実施形態において、組成物(サンプル添加後)は、0%w/v〜約0.043%w/vのPVPを含み得る。非イオン性界面活性剤が0.005%〜0.01%w/vの濃度で組成物中に存在するとき、組成物は、約0.01%w/v〜約0.043%w/vのPVPを含み得る。上記の各濃度は変性PVPにも適用される。
本開示のある種の実施形態では(例えば、非イオン性界面活性剤濃度が>0.01%w/vであるとき)、PVPは組成物には含まれない場合がある。
本開示の任意の実施形態では、有機鉄キレート剤はEGTAを含む。任意の実施形態では、有機鉄キレート剤は、塩形態で組成物に提供され得る。ある種の実施形態では、組成物は、例えば、EGTAのナトリウム塩を含み得る。本開示の別の実施形態では、組成物は、例えば、EGTAのカリウム塩を含み得る。
本開示による組成物は、Fe3+(例えば、クエン酸第二鉄アンモニウムにより提供される)と、エチレングリコール四酢酸(例えば、エチレングリコール四酢酸の塩(例えば、一価のカチオン塩)により提供される)とを含み得る。したがって、組成物中には、エチレングリコール四酢酸とFe3+とのモル比が存在し得る。任意の実施形態では、エチレングリコール四酢酸のFe3+に対するモル比は約0.04〜約0.28である。
本開示による液体(例えば、水性液体)組成物の任意の実施形態では、EGTAは、0.5mM〜5mMの濃度で存在し得る。
任意の実施形態では、本開示の組成物は、任意選択的に、所定のタンパク質源(例えば、無脂肪乳)を有効量で含有する。タンパク質源中のタンパク質は、有利に、そうでなければ核酸増幅プロセスに干渉し得る物質(例えば、香辛料若しくはその他の食品中に見られるポリフェノール又はその他の物質など)を除去し得る又はかかる物質に結合し得る。
任意の実施形態では、本開示による組成物は、任意選択的に、マグネシウム若しくはその塩、及び/又はカリウム若しくはその塩を含み得る。したがって、本開示の水性組成物は、任意選択的にマグネシウムイオン又はカリウムイオンを含み得る。これらは、サンプルの調製工程後の核酸増幅反応(例えば、PCR(例えば、qPCR)、LAMP)を促進するために組成物に存在させることができる。任意の実施形態では、本開示による水性組成物は、約1mM〜約15mMのマグネシウムイオン及び/又は約5mM〜約500mMのカリウムイオンを含み得る。任意の実施形態では、水性組成物は、約20mM〜約60mMのカリウムイオンを含み得る。
本開示の一実施形態によると、サンプルを直接試験することができ、又は試験前にいくつかの方法で調製又は処理することができる。例えば、サンプルは、何らかの汚染微生物を集積するよう処理されてよく、及びサンプル中に含まれる微生物細胞/ウイルス感染細胞/真菌細胞を分離及び/又は可溶化するため、更に処理されてもよい。サンプルから溶菌させた微生物細胞は、汚染微生物の検出及び/又は同定を目的とした分析のため微生物から遺伝材料を分離及び/又は抽出する際に、更に処理又は調製されてもよい。いくつかの実施形態は「サンプル中の核酸」又は「サンプルに由来する核酸」を指し、及びサンプル中に含まれる又はサンプルから得られた核酸を指す。このような核酸は、本明細書に記載の方法により、及び本明細書に記載の組成物を使用することにより試験することができる。
本開示のある種の実施形態では、サンプルには、他の微生物及び他のサンプル成分から対象とする微生物を最初に分離する分離が行われてもよい。例えば、複雑な成分を含む複雑な食品サンプルについては、食品から微生物を分離するための分離方法を使用することができる。サンプルから分離した微生物を分析前に集積してもよい。サンプルの分析は、1種以上の分子法(molecular method)を含み得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によると、サンプルを汚染している可能性のある微生物の核酸配列の1つ以上に特異的な適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、サンプルに対し核酸増幅(例えば、LAMP−BART)を行ってもよい。次に、増幅産物を、サンプルから増幅させた微生物の核酸配列を検出可能にする特異的プローブ(又はレポータープローブ)で更に検査することもできる。いくつかの実施形態において、微生物の核酸配列がサンプルから増幅された場合、検出した微生物の更なる同定、定量、及び分析のため、かかる増幅産物に対し更なる分析を実施することができる(例えば、限定するものではないが、微生物株、病原性、含量などのパラメータを決定する)。
本開示は、概して核酸増幅方法を提供し、かかる方法は、a)本開示によるいずれかの組成物(例えば、水性組成物)を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程であって、かかる混合物が約8.45〜8.85のpHを有する、工程と、b)工程a)の水性混合物を熱による溶菌にかける工程と、c)工程b)の後で水性混合物の一部を等温核酸増幅にかける工程と、を含む。
本開示の任意の実施形態では、核酸増幅方法は、a)本開示によるいずれかの組成物(例えば、水性組成物)を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程であって、かかる混合物が約8.45〜8.85のpHを有する、工程と、b)工程a)の水性混合物を熱による溶菌にかける工程と、c)工程b)の後で水性混合物を等温核酸増幅にかける工程と、を含み、かかる方法は、サンプル中に存在する成分に干渉することにより引き起こされる核酸増幅の阻害を排除する。
本開示による方法に使用される増幅法は、等温式に実施されてもよい。等温法としては、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)が挙げられるがこれらに限定されない。反応は、一般的な鎖置換反応を用い一定温度で進行する。増幅は、サンプルと、プライマーと、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼと、基質と、の混合物を一定温度下でインキュベートすることにより、一工程で完了させることができる。標的核酸配列のコピー数を増大させる工程又は反応に加え、増幅法は、増幅させた標的核酸配列を検出するための工程又は反応を更に包含し得る。このような検出工程又は反応は、当業者によく知られており、例えば、生物発光リアルタイムレポーター(BART)工程又は反応が挙げられる。
本開示の実施形態において、等温増幅反応は、ループ介在等温増幅(LAMP−BART)法である。LAMPは、等温条件下で、高特異的、高効率かつ迅速にDNAを増幅することができる。LAMP法は、Bst DNAポリメラーゼと、特異的に設計された4〜6種類のプライマーセットとを必要とし、かかるプライマーは、標的DNAの全部で6つの別個の配列を認識し、鎖置換活性を有する。ループ介在等温増幅(LAMP)において、標的特異的増幅は、それぞれ標的遺伝子上の別個の6〜8領域を認識するよう特異的に設計された、4〜6種の異なるプライマーを使用することにより達成される。かかる方法は、典型的には核酸コピーを15〜60分間で10〜1010倍に増幅する。更に、増幅反応において、例えば、ATP−スルフリラーゼ、アデノシン−5’−O−パースルフェート、ルシフェリン、及びルシフェラーゼを存在させることで、LAMPにより介在される増幅反応を生物発光(すなわち、BART反応)により検出することができる。
プライマーに加えて、LAMP−BART法は、酵素の機能を維持するため、トリス、スルフェート化合物(例えば、MgSO、NHSOなど)及び塩化カリウムを使用する。したがって、かかる化合物は、LAMP−BART連結反応を促進するエンハンサーとして作用する。トリスは有機化合物である(より公式的には、式(HOCHCNH)を有するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとして知られる)。鎖置換法、例えば、LAMPなどは、反応を至適pHに維持する緩衝剤としてトリスを使用する。
本開示の組成物は、任意選択的に、組成物を含む水性溶液のおよその温度をモニターするための指示染料を含み得る。有利に、指示染料は、組成物を含む水性混合物が、組成物との接触により微生物細胞を熱で溶菌するのに好適なおおよその温度域(例えば、約100℃)に到達したことを示す第1の視覚的指標(例えば、第1の観察可能な色)を提供し得る。更に、指示染料は、組成物を含む水性混合物が、混合物の一部を取り出し核酸増幅反応を行なうのに好適な温度(例えば、≦℃)に冷却されたことを表す、第2の視覚的指標(例えば、第2の色)を提供することができる。ある種のpH指示薬(例えば、少なくとも部分的に約8.8〜約7.2のpHにわたる遷移領域を有する)を、加熱及び冷却工程中に水性混合物のpHが変化する場合、容易にモニターできる。
好適な可視染料としては、例えば、pHが8.8よりも高いときに赤紫色となり、pHが7.2未満のときに黄色となる、クレゾールレッドが挙げられる。
本開示の任意の実施形態において、指示染料はクレゾールレッドであってよい。
LAMPを用いる場合、2対又は3対のプライマーと、複製活性に加えて鎖置換活性が高いポリメラーゼとを使用して、標的核酸配列を60℃〜65℃の一定温度で増幅させる。ループ介在等温増幅(LAMP)反応は、高特異的、高感度の等温核酸増幅反応である。LAMPは、4種類の必須プライマーセット、すなわちフォワードインナープライマー(FIP)、バックワードインナープライマー(BIP)、フォワードディスプレースメントプライマー(F3)、及びバックワードディスプレースメントプライマー(B3)を使用する。これらの異なる4種類のプライマーを使用して標的遺伝子上の6つの別個の領域を同定することで特異性を高める。これらのプライマーの挙動が特異的であることから、LAMPで産生されるDNA量はPCRベースの増幅よりも著しく多くなる。更に、反応を効率的に促進する2種類の任意選択的なプライマー、すなわちフォワードループプライマー(LF)及びバックワードループプライマー(LB)を含めることができる。インナープライマー(FIP及びBIP)は、標的DNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖の配列を含むのに対し、ディスプレースメントプライマー(F3及びB3)とループプライマー(LF及びLB)とはそれぞれ単一の標的配列を含有する。反応にループプライマー(LF及びLB)を含めると、合計して8つの標的配列が認識される。DNAポリメラーゼを使用して、対象とする標的配列を増幅する。天然では見られない人工DNAポリメラーゼを含む多くの様々なDNAポリメラーゼを使用することができ、最も一般的にはBst DNAポリメラーゼが使用されるのに対し、ゲオバチルス種(Geobacillus sp.)のラージフラグメント(GspSSD)DNAポリメラーゼはあまり使用されない。
LAMP反応は、インナープライマー(FIP及びBIP)により開始されるDNA合成により開始される。この合成には、ディスプレースメントプライマー(F3又はB3)により開始されるDNA合成が続き、この合成により一本鎖DNAが剥がされる。この一本鎖DNAは、標的の他端に結合する第2のインナー及びディスプレースメントプライマーによって開始されるDNA合成の鋳型として機能する。これにより、ステムループ構造のDNAが生成される。その後のLAMPサイクル中に、1つのインナープライマーが生成物のループに結合し、置換DNA合成を開始する。これにより、元のステムループDNAと、2倍の長さのステムを有する新しいステムループDNAとが産生される。反応サイクルを1時間未満継続することで、標的のおよそ10個のコピーを得る。1種又は2種のループプライマー(LF及び/又はLB)を含め、インナープライマーの結合しているループ以外のステムループに結合させることで、LAMP反応を促進し、鎖置換DNA合成を開始する。様々なLAMP増幅検出法が存在する。陽性LAMP反応では、ピロリン酸マグネシウム沈殿するので、サンプルの濁りが視覚的に識別され、非特異的な標的検出が得られる。陽性反応の視感度を良好にするため、ヒドロキシナフトールブルー又はカルセインなどの各種試薬を反応に加えることができる。あるいは、蛍光検出は、例えば、クレゾールレッド、SYBRグリーン、Picogreen又はヨウ化プロピジウムなどのDNAインターカレート染料を使用することにより達成してもよく、これらは、反応試薬に加えられる、又はエンドポイント分析のために反応完了後に加えられる。
一実施形態において、本開示は、本開示に記載のとおり組成物に懸濁したサンプルを、標的核酸種の等温核酸増幅反応の成分と接触させて、増幅反応混合物を提供することと、等温核酸増幅反応を進行させるのに十分な条件下で増幅反応混合物をインキュベートして生成物を得ることと、標的核酸種の指標が生成物中に存在するかを判定することと、を含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、増幅反応混合物の等温反応を実施して生成物を準備することと[かかる混合物は、本開示に記載のとおりの組成物と混合したサンプルを含む溶菌液と、標的核酸種の核酸増幅反応の構成成分とを含む]、標的核酸種の特徴(indicator)が生成物中に存在するかを判定することと、を含む方法を特徴とする。
本明細書に開示される方法の任意の実施形態では、水性混合物の一部を核酸増幅プロセスにかけることは、病原性微生物に関連する標的ポリヌクレオチドを増幅させることを含む。かかる方法により検出することができる病原性微生物の非限定例としては、サルモネラ(Salmonella)種、クロストリジウム(Clostridium)種、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア(Listeria)種、ビブリオ(Vibrio)種、及びエルシニア(Yersinia)種からなる群から選択される病原性微生物が挙げられる。
等温増幅反応の構成成分は、溶液状態及び/又は乾燥(例えば、凍結乾燥)状態で提供され得る。1つ以上の構成成分が乾燥状態で提供されるとき、再懸濁用緩衝剤又は再構成用緩衝剤も使用され得る。あるいは、サンプルと本開示の組成物とを含む水性混合物を調製した後、及び水性混合物を熱による溶菌手順にかけた後、かかる水性混合物を使用して等温反応の構成成分を再溶解させることができる。
増幅反応の具体的な種類に応じ、反応混合物は、緩衝剤、塩類、ヌクレオチド、並びに反応を進行させるのに必要とされる他の成分を含有し得る。反応混合物は、反応に適した特定の温度にてインキュベートされ得る。
標的核酸は、動物種(例えば、ヒト)、植物種、真菌種(例えば、酵母)、原生動物種、細菌種、又はウイルス種において存在する核酸であり得る。例えば、標的核酸は、対象とする生物のゲノム中(例えば、染色体上)又は染色体外の核酸中に存在し得る。いくつかの実施形態では、標的核酸はRNAであり、例えば、mRNAである。特定の実施形態では、標的核酸は、対象とする生物に特異的であり、すなわち、標的核酸は、その他の生物においてみられず、又は対象とする生物に類似した生物においてみられない。
本開示は、サンプル中の微生物を検出する方法を要する様々な分野において多様な用途を有し、かかる組成物は、熱による溶菌工程中にサンプルを加えて保持させる懸濁媒体として使用することができ、かつ組成物は、LAMP−BART核酸増幅試薬の凍結乾燥ペレットを溶解させ、反応させる水性媒体として使用することができる。
本開示は、ユーザーが、サンプルを、本明細書に記載のとおりの複数の酸化ジルコニウム粒子と、有機鉄キレート剤と、非イオン性界面活性剤と、任意選択的に第二鉄と、任意選択的にポリビニルピロリドンと、を約8.4〜8.85のpHにて含有する組成物と単に接触させて、水性混合物を形成することと、続いてかかる水性混合物を溶菌手順(例えば、熱による溶菌手順)にかけることと、かかる水性混合物を冷却した後、かかる水性混合物を微生物を検出するための核酸増幅反応(例えば、等温核酸増幅反応又は温度サイクル核酸増幅反応)にかけることと、を無理なく可能にする。
別の実施形態では、本開示は、キットを提供する。概して、キットは、本明細書において記載のとおりの複数の酸化ジルコニウム粒子(例えば、ナノ粒子)、本開示による有機鉄キレート剤、非イオン性界面活性剤、任意選択的に第二鉄、及び任意選択的にポリビニルピロリドンを含有する。
一実施形態において、キットは、本明細書において記載のとおりの複数の酸化ジルコニウム粒子、有機鉄キレート剤、及び非イオン性界面活性剤を含有する。有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される。
キットの任意の実施形態では、有機鉄キレート剤は、複数のカルボキシレート基を含み得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、キットは、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(クエン酸)、又はナトリウム塩若しくはカリウム塩などといったそれらの塩を更に含み得る。上記のキットの実施形態のいずれかにおいて、有機鉄キレート剤はEGTAを含んでよく、第二鉄のEGTAに対するモル比は、約0.04〜約0.28である。
別の実施形態では、キットは、フッ素系界面活性剤、指示染料、保存料、緩衝剤及びLAMP−BART反応のエンハンサー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を更に含み得る。キットの任意の実施形態では、前述の成分のうちのいずれか1つ以上が、キットにおいて組成物中に存在し得る。キットは、標的核酸の増幅のため、例えば2種のプライマーなど、少なくとも1種のプライマーを含み得る。標的核酸の増幅用に少なくとも1種の他のプライマーを含んでもよく、かかる標的核酸は、必須ではないがキット中の他の1種以上のプライマー(複数可)の標的と同じ核酸(及び更には同じ核酸を有する同じ配列)であってよい。いくつかの実施形態では、キットは、固有の1種以上のゲノム配列の増幅のため、2種以上のプライマーを含む。
別の実施形態では、キットは、単一のパッケージ中、又は同じキットに含まれる1つ以上のパッケージ中に、構成成分(すなわち、組成物、その構成成分、フッ素系界面活性剤、指示染料、保存料、緩衝剤、及び/又はLAMP−BART反応のエンハンサー)を含む。キット中に2つ以上のパッケージが含まれる場合、各パッケージは、独立して、単一の構成成分又は複数の構成成分を、任意の好適な組み合わせで含有し得る。本明細書で使用するとき、単一のキットにおいて2つ以上のパッケージ又は容器を組み合わせたものは、「パッケージ化された組み合わせ(in packaged combination)」として呼称される。
キットの任意の実施形態では、複数のジルコニウム粒子、有機鉄キレート剤、第二鉄、ポリビニルピロリドン、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、指示染料、保存料、緩衝剤、又はエンハンサーのうちいずれか1種以上が水性溶液に分散される。任意の実施形態では、水性溶液は約8.45〜8.85のpHを有し得る。
キット、及びかかるキットに包含される容器は、任意の既知の材料により製造され得る。例えば、キットそのものは樹脂製材料又は厚紙から作製され得る。内容物を保持する容器は、例えば、樹脂材又はガラス材であってよい。1つのキット内の別個の容器は異なる材料から製造されてよい。一実施形態では、キットはキット内に別のキットを含有することができる。
本開示のキットは、標的配列を増幅させるのに有用な1種以上の構成要素を含み得る。実施形態では、LAMP−BART法を実施するための試薬及び用品の一部又は全てが、キットに含まれる。試薬の非限定例は、緩衝剤(例えば、トリス及びHEPESなどを含む緩衝剤)、塩類、及び鋳型依存型核酸を伸長する酵素(Taqポリメラーゼなどの熱安定性酵素)、酵素の活性に好適な緩衝剤、並びに酵素により必要とされる追加の試薬、例えばdNTP、dUTP、及び/又はUDG酵素などである。実施形態では、キットは、酵素反応の促進のため、塩化カリウム及び硫酸アンモニウムなどのエンハンサーを含む。用品の非限定例は反応容器(例えば、マイクロチューブ)である。
任意の実施形態では、本開示のキットは、標的ポリヌクレオチドを増幅するための試薬(例えば、プライマー)を更に含む。任意の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、病原性微生物に関連付けられる(例えば、特異的に関連付けられる)ものである。任意の実施形態では、病原性微生物は、サルモネラ(Salmonella)種、クロストリジウム(Clostridium)種、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア(Listeria)種、ビブリオ(Vibrio)種、及びエルシニア(Yersinia)種からなる群から選択される。
キットは、高感度、高特異性、操作し易い、肉眼で結果を診断できる性能などの利点を有する。
例示的な実施形態
実施形態Aは組成物であり、かかる組成物は、複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、有機鉄キレート剤と、を含有し、組成物は約8.45〜8.85のpHを有し、有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される。
実施形態Bは、水を更に含み、非イオン性界面活性剤が0.005%(質量/体積)以上の濃度で組成物中に存在する、実施形態Aの組成物である。
実施形態Cは、複数の粒子が約1μm未満の平均粒子径を有する、実施形態A又はBの組成物である。
実施形態Dは、複数の酸化ジルコニウム粒子が約10m/L〜約600m/Lの表面積を有する、実施形態A〜Cのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Eは、有機鉄キレート剤が複数のカルボキシレート基を含む、実施形態A〜Dのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Fは、有機鉄キレート剤が、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エタン−1,2−ジアミン、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、及びこれらの塩からなる群から選択される、実施形態A〜Eのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Gは、第二鉄を更に含有する、実施形態A〜Fのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Hは、第二鉄が溶存第二鉄イオンを含む、実施形態Gに記載の組成物である。
実施形態Iは、第二鉄が約50μM〜約350μMの濃度で存在する、実施形態G又はHに記載の組成物である。
実施形態Jは、有機鉄キレート剤がEGTAを含み、第二鉄のEGTAに対するモル比が約0.04〜約0.28である、実施形態G〜Iのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Kは、ナノ粒子分散安定剤を更に含有する、実施形態A〜Jのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Lは、ナノ粒子分散安定剤が2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸又はそれらの塩を含む、実施形態Kに記載の組成物である。
実施形態Mは、有機鉄キレート剤及びナノ粒子分散安定剤が別個の分子である、実施形態K又はLに記載の組成物である。
実施形態Nは、非イオン性界面活性剤が、約11〜約16の親水性−親油性バランスを有する、実施形態A〜Mのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Oは、非イオン性界面活性剤が、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテルからなる群から選択される、実施形態A〜Nのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Pは、非イオン性界面活性剤が、最大約0.3%(質量/体積)の濃度で存在する、実施形態B〜Mのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Qは、非イオン性界面活性剤が、0.005%〜0.05% w/vの濃度で存在する、実施形態Nに記載の組成物である。
実施形態Rは、ポリビニルピロリドンを更に含有する、実施形態A〜Qのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Sは、ポリビニルピロリドンが、最大0.043% w/vの濃度で存在する、実施形態Rに記載の組成物である。
実施形態Tは、組成物がフッ素系界面活性剤を更に含む、実施形態A〜Sのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Uは、フッ素系界面活性剤がFC−4430(商標)である、実施形態Tに記載の組成物である。
実施形態Vは、組成物が指示染料を更に含有する、実施形態A〜Uのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Wは、指示染料がクレゾールレッドである、実施形態Vに記載の組成物である。
実施形態Xは、組成物が有効量の保存料を更に含有する、実施形態A〜Wのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態Yは、保存料がメチルイソチアゾリノンである、実施形態Xに記載の組成物である。
実施形態Zは、有効量の無脂肪乳を更に含有する、実施形態A〜Yのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態AAは、サンプル中の微生物を検出するのに使用するための、実施形態A〜Zのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態ABは、サンプルが、食品サンプル、臨床サンプル、又は培養ブロスである、実施形態A〜AAのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態ACは、食品サンプルがタンパク質を含む、実施形態ABに記載の組成物である。
実施形態ADは、タンパク質がフェリチンである、実施形態ACに記載の組成物である。
実施形態AEは、サンプルが培養ブロスを含む、実施形態A〜ADのいずれか一形態に記載の組成物である。
実施形態AFは、サンプルがエスクリンを含む、実施形態AEに記載の組成物である。
実施形態AGは核酸増幅方法であり、
a) 複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、エチレングリコール四酢酸(EGTA)の一価の塩と、を含む組成物を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程であって、組成物が約8.45〜8.85のpHを有する工程と、
b) 工程a)の水性混合物を熱による溶菌プロセスにかける工程と、
c) 工程b)の後で、水性混合物の一部を核酸増幅プロセスにかける工程と、を含む。
実施形態AHは、複数の酸化ジルコニウム粒子が、約10m/L〜約600m/Lの表面積を有する、実施形態AGに記載の方法である。
実施形態AIは、サンプル中に存在する成分に対する干渉による核酸増幅の阻害を排除するための、実施形態AG又はAHに記載の方法である。
実施形態AJは、核酸増幅方法が、ループ介在等温増幅を含む、実施形態AG〜AIのいずれか一形態に記載の方法。
実施形態AKは、核酸増幅方法が、温度サイクルポリメラーゼ連鎖反応プロセスを含む、実施形態AG〜AIのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態ALは、組成物が水を含む、実施形態AG〜AIのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態AMは、サンプルが食品サンプル、臨床サンプル、又は培養ブロスである、実施形態AG〜ALのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態ANは、食品サンプルがタンパク質を含む、実施形態AG〜AMのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態AOは、タンパク質がフェリチンである、実施形態ANに記載の方法である。
実施形態APは、サンプルが培養ブロスである、実施形態AG〜AOのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態AQは、前述のサンプルがエスクリンを含む、実施形態APに記載の方法である。
実施形態ARは、サンプルが、工程a)の前に、約41.5℃にて培養ブロス中でインキュベートされる、実施形態AG〜AQのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態ASは、組成物が、緩衝剤、LAMP−BART核酸増幅反応を促進するためのエンハンサー、又はqPCR反応を促進するためのエンハンサーを更に含む、実施形態AG〜ARのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態ATは、エンハンサーが、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム七水和物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態ASに記載の方法である。
実施形態AUは、緩衝剤がトリス塩基を含む、実施形態ASに記載の方法である。
実施形態AVは、混合物を熱による溶菌プロセスにかけることが、混合物を約100℃まで約15分間加熱した後、かかる混合物を約5分間約40℃に下げることを含む、実施形態AG〜AUのいずれか一態様に記載の方法である。
実施形態AWは、混合物を約40℃に冷却した後、方法が、かかる混合物をLAMP−BART等温増幅用の試薬と接触させることを更に含む、実施形態AVに記載の方法である。
実施形態AXは、水性混合物の一部を核酸増幅プロセスにかけることが、病原性微生物に関連する標的ポリヌクレオチドを増幅させることを含む、実施形態AG〜AWのいずれか一形態に記載の方法である。
実施形態AYは、病原性微生物に関連する標的ポリヌクレオチドを増幅させることが、サルモネラ(Salmonella)種、クロストリジウム(Clostridium)種、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア(Listeria)種、ビブリオ(Vibrio)種、及びエルシニア(Yersinia)種からなる群から選択された病原性微生物と関連する標的ポリヌクレオチドを増幅させることを含む、実施形態AXに記載の方法である。
実施形態AZは、
複数の酸化ジルコニウム粒子と、
非イオン性界面活性剤と、
有機鉄キレート剤と、を含有する、キットであり、
有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、第1のアフィニティ定数及び第2のアフィニティ定数は、20℃にてpH8.45の脱イオン水中で測定される。
実施形態BAは、複数の粒子が約1μm未満の平均粒子径を有する、実施形態AZに記載のキットである。
実施形態BBは、有機鉄キレート剤が複数のカルボキシレート基を含む、実施形態AZ又はBAに記載のキットである。
実施形態BCは、有機鉄キレート剤が、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エタン−1,2−ジアミン、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、及びこれらの塩からなる群から選択される、実施形態AZ〜実施形態BBに記載のキットである。
実施形態BDは、第二鉄を更に含有する、実施形態AZ〜BCのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BEは、第二鉄がクエン酸第二鉄アンモニウムとしてキット中に存在する、実施形態BDに記載のキットである。
実施形態BFは、ナノ粒子分散安定剤を更に含有する、実施形態AZ〜BEのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BGは、ナノ粒子分散安定剤が2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸又はそれらの塩を含む、実施形態BFに記載のキットである。
実施形態BHは、有機鉄キレート剤及びナノ粒子分散安定剤が別個の分子である、実施形態BF又はBGに記載のキットである。
実施形態BIは、非イオン性界面活性剤が、約11〜約16の親水性−親油性バランスを有する、実施形態AZ〜BHのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BJは、非イオン性界面活性剤が、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテルからなる群から選択される、実施形態AZ〜BIのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BKは、ポリビニルピロリドンを更に含有する、実施形態AZ〜BJのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BLは、キットがフッ素系界面活性剤を更に含む、実施形態AZ〜BKのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BMは、フッ素系界面活性剤がFC−4430(商標)である、実施形態BLに記載のキットである。
実施形態BNは、キットが指示染料を更に含有する、実施形態AZ〜BMのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BOは、指示染料がクレゾールレッドである、実施形態BNに記載のキットである。
実施形態BPは、キットが保存料を更に含有する、実施形態AZ〜BOのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BQは、保存料がメチルイソチアゾリノンである、実施形態BPに記載のキットである。
実施形態BRは、キットが緩衝剤を更に含有する、実施形態AZ〜BQのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BSは、キットが、緩衝剤、LAMP−BART反応又はqPCR反応を促進するためのエンハンサー、及び前述の成分のうちのいずれか2種以上の組み合わせを更に含む、実施形態AZ〜BRのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BTは、エンハンサーが、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム七水和物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態BSに記載のキットである。
実施形態BUは、緩衝剤がトリス塩基を含む、実施形態BSに記載のキットである。
実施形態BVは、有効量の無脂肪乳を更に含有する、実施形態AZ〜BUのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BWは、クエン酸第二鉄アンモニウム、ポリビニルピロリドン、非イオン性界面活性剤、及びエチレングリコール四酢酸の一価の塩のうちの少なくとも1種が水性媒体中に配置される、実施形態AZ〜BVのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BXは、水性媒体が約8.45〜8.85のpHを有する、実施形態BWに記載のキットである。
実施形態BYは、キットが、標的ポリヌクレオチドを増幅するための試薬を更に含む、実施形態AZ〜BXのいずれか一形態に記載のキットである。
実施形態BZは、標的ポリヌクレオチドが病原性微生物に関連するものである、実施形態BYに記載のキットである。
実施形態CAは、病原性微生物が、サルモネラ(Salmonella)種、クロストリジウム(Clostridium)種、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア(Listeria)種、ビブリオ種(Vibrio)種、及びエルシニア(Yersinia)種からなる群から選択される、実施形態BZに記載のキットである。
実施形態CBは、キットが使用説明書を更に含む、実施形態AZ〜CAのいずれか一形態に記載のキットである。
本発明の目的及び利点を、以下の実施例によって更に説明するが、これらの実施例に記載する具体的な材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。別途記載のない限り、部及び百分率は全て重量を基準としたものであり、水は全て蒸留水であり、分子量は全て重量平均分子量である。
実施例1〜8第二鉄イオンと様々な量の酸化ジルコニウム粒子とを含む組成物
酸化ジルコニウムナノ粒子分散体(水中10% w/w;平均粒子径≦100nm(BET);表面積11m/mL;品番643025)をSigma Chemical Co.から得た。表1に掲載している順に各成分を脱イオン水に加え、被験組成物を調製した。比較例1は、酸化ジルコニウム粒子もクエン酸カリウムも組成物に加えなかったことを除き、実施例1に記載のとおりに調製した。実施例1〜8及び比較例1の各組成物には、200mg/Lのクエン酸第二鉄アンモニウム及び320mg/LのTRITON X−100を含める。各実施例及び比較例1に使用したクエン酸カリウム及び酸化ジルコニウム分散体の量を表2に示す。
Figure 0006785249
Figure 0006785249
核酸増幅反応からの阻害物質の除去に対する、第二鉄イオンを含む組成物中酸化ジルコニウム粒子表面積の効果
リゾチームは、LAMP−BART核酸増幅及び/又は検出反応を阻害することが知られるタンパク質(酵素)である。リゾチーム(品番L3790)は、Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO)から得た。リゾチーム濃度2.5mg/mLでリゾチームを緩衝ペプトン水に溶解し、サンプルを調製した。Neptune(2600.X)溶菌チューブ(Biotix,Inc.San Diego,品番92121)内で、リゾチーム溶液の20μLアリコートを580μLの上記の被験組成物(表2)に加えた。
リゾチームと各被験組成物との混合物を入れた各チューブを100℃のヒートブロックで15分間加熱した後、約40℃に冷却し、かかる混合物の20μLアリコートを、遺伝子マトリクス(generic matrix)対照LAMP−BARTペレット(品番MDMC96NA、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)を入れた反応チューブに加えた。ペレットを溶解させた後、反応チューブをMDS装置(品番MDS100;3M Companyから入手可能;St.Paul,Mn)に配置し、生物発光(すなわち、BART反応)を75分間記録した。BART反応により陽性となるまでの時間(Time−To−Positive;TTP)を記録し、表3に示す(n=3)。
Figure 0006785249
表3中のデータは、酸化ジルコニウム粒子が存在することで、リゾチームのもつ既知の阻害効果が低減されることにより、TTP(すなわち、核酸の増幅が検出されるまでに要される最短時間)が短縮されることを示す。データは、粒子の見掛けの表面積を最大約50m/Lまで増大させることでTTPが短縮されるという、粒子のもつ用量依存性の効果を更に示す。光強度を、核酸増幅に対し直接的に比例する相対発光量(Relative Light Units、RLU)の観点で測定した。
実施例9〜14酸化ジルコニウム粒子と、各種濃度の界面活性剤及び第二鉄イオンとを含む組成物
表4に示す成分及び脱イオン水へのそれぞれの添加順で、被験組成物を調製した。これらの実施例において、第二鉄イオン及び非イオン性界面活性剤濃度は、表5に記載のとおりに変更した。酸化ジルコニウムの表面積は、20m/Lで一定とした。サンプル(600μL)を実施例1及び比較例2〜7に記載のとおりに調製した。Neptune(2600.X)溶菌チューブ内でリゾチーム溶液のアリコート(20μL)を580μLの被験組成物に添加した。
Figure 0006785249
Figure 0006785249
実施例 15.酸化ジルコニウム粒子を含む組成物において、界面活性剤及び第二鉄イオンの濃度が、等温核酸増幅反応からの阻害物質の除去に対し与える効果
天然にカンピロバクター(Camplyobacter)株に汚染されている鶏肉の生の断片と部位を、ウマ溶血血液を添加した9mLのBoltonブロスに対し1gの集積比で、Whirl−Pak stomacher(登録商標)バッグ(品番:B01195WA)で230rpmで2分間消化した。このようにして消化したサンプルを41.5℃で24時間インキュベートした。陽性サンプルについては、これらの集積サンプルのうち20μLを、表5に記載の580μLの溶菌組成物に加えた(Neptune(2600.X)溶菌チューブを使用)。各チューブを100℃のヒートブロックで15分間加熱し、約40℃に冷却した後、混合物の20μLアリコートを、表6に示す原料を含むトレハロースで安定化された凍結乾燥カンピロバクターLAMP−BARTペレットを入れた、反応チューブに添加した。
Figure 0006785249
ペレットの溶解後、反応チューブを実施例1に記載のとおりMDS装置に配置し、生物発光(すなわち、BART反応)を75分間記録した。実施例9〜14及び比較例2〜7に関し、BART反応により陽性となるまでの時間(TTP)を記録し、表7に示す(n=3)。
実施例16.酸化ジルコニウム粒子を含む組成物において、界面活性剤及び第二鉄イオンの濃度が、温度サイクル核酸増幅反応からの阻害物質の除去に対し与える効果
実施例15に記載の各混合物の5μLのアリコートを、PCR緩衝剤、0.2mMのdNTP、3mMのMgCl2、2.5UのTaq DNAポリメラーゼ、0.625μMのフォワードプライマー[配列番号7(CTGCTTAACACAAGTTGAGTAGG)]、0.625μMのリバースプライマー[配列番号8(TTCCTTAGGTACCGTCAGAA)]、Brilliant IIIマスターミックス(Agilent Technologies)、及び0.156μMのカンピロバクタープローブ[配列番号9(FAM−TGTCATCCTCCACGCGGCGTTGCTGC−TAMRA)]からなるqPCRマスター混合物に加えた。注−前述の各濃度は、溶菌混合物の添加後の最終濃度を記載している。
温度サイクル反応は、次のプロトコル:(1)変性(95℃で30秒間)、(2)アニーリング(58℃で30秒間)、及び(3)伸長(72℃で60秒間)を用い40サイクル実施した。全ての温度サイクル反応は、Agilent Stratagene 3005P thermocyclerで実施した。実施例9〜14及び比較例2〜7のCt値を表7に示す(n=3)。
Figure 0006785249
データは、第二鉄イオン又は非イオン性界面活性剤の組成物への添加により、第二鉄イオン又は非イオン性界面活性剤を含まない対照反応と比較して増幅反応が改良されることを示す。更にデータは、ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、第二鉄イオンとを組み合わせることで、LAMP−BARTによる陽性となるまでの時間の結果と、qPCR Ct値とにより評価されるとおり増幅反応が顕著に改良されることを示す。
LAMP−BART核酸増幅方法にかける香辛料サンプルの阻害物質を除去する際の酸化ジルコニウム粒子の使用
5種の異なる香辛料サンプルを2種の異なる集積スキームにより調製した。第1のスキームでは、whirl−pak stomacher bag内で、5gの香辛料を95mLの緩衝ペプトン水に加え、230rpmで2分間消化した。第2のスキームでは、whirl−pak stomacher bag内で、50g/Lの濃度で無脂肪乾燥乳を添加した95mLの緩衝ペプトン水に、5gの香辛料を加え、230rpmで2分間処理した。サンプルを37℃で24時間インキュベートした。インキュベート期間後、20μLの各サンプルを、実施例14に記載の溶菌組成物580μLを入れた各チューブに添加した。得られた混合物を100℃のヒートブロックで15分間加熱し、約40℃に冷却した後、各混合物の20μLのアリコートを、3M MDs Matrix Control Pellet(品番MDMC96NA)を入れた各反応チューブに添加した。各チューブに対し、実施例1〜8に記載のとおりLAMP−BART増幅を行った。各反応のTTPを表8に掲載する。
Figure 0006785249
本開示は、概して、研究及び診断/検査の両方で使用するのに好適である。すなわち、本開示の組成物、方法、及びキットは、様々な核酸又は発現遺伝子を特定する目的で、あるいはその他の研究目的で使用できる。同様にして、組成物、方法、及びキットを使用して、ヒト及び動物の数多くの疾患又は障害を診断/検査できる。更に、それらを使用して、不健全な又は汚染された食品製品(例えば、1種以上の病原生物/病原微生物に感染している食品)、あるいはサンプル中の毒性物質又は毒素産生生物の存在を特定することができる。したがって、組成物及び方法は、ヒトの健康用途及び獣医学的用途、並びに食品検査及び国土安全保障用途を有する。
本明細書に引用する全ての特許、特許出願及び公開公報、並びに電子的に入手可能な資料の開示内容の全体を、参照により援用する。本出願の開示内容と本明細書に援用されたいずれかの文書の開示内容との間になんらかの矛盾が存在する場合には、本出願の開示内容が優先するものとする。上記の詳細な説明及び実施例は、理解しやすいように示したものにすぎない。したがってこれらによって不要な限定がなされることはないことは理解されたい。本発明は図示及び記載された細部そのものに限定されず、当業者に明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
全ての見出しは読み手の便宜のためのものであり、明記しない限り、見出しに続く文の意味を限定するために使用されるものではない。
本明細書に例示的に記載する本発明は、本明細書に具体的に開示しない何らかの要素がなくても好適に実行することができる。したがって、例えば、本明細書のそれぞれの例では、用語「含む、含有する」、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consistingof)」のいずれも、他の2つの用語のどちらかと置換され得る。用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の何らかの均等物を除外する意図はなく、クレームされる本発明の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明について具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であるとみなされることを理解されたい。

Claims (10)

  1. 核酸増幅反応におけるサンプル阻害を排除するための水性組成物であって、
    複数の酸化ジルコニウム粒子と、
    0.005%(質量/体積)以上の濃度の非イオン性界面活性剤と、
    有機鉄キレート剤と、を含有し、
    前記組成物は、8.45〜8.85のpHを有し、
    前記有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、前記第1のアフィニティ定数及び前記第2のアフィニティ定数は、20°CにてpH8.45の脱イオン水中で測定される、水性組成物。
  2. 前記複数の粒子が、100nm以下の平均粒子径を有する、請求項1に記載の水性組成物。
  3. 前記有機鉄キレート剤が複数のカルボキシレート基を含む、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  4. 第二鉄を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  5. ナノ粒子分散安定剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. 前記非イオン性界面活性剤が、11〜16の親水性親油性バランスを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物。
  7. ポリビニルピロリドンを更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性組成物。
  8. 指示染料を更に含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性組成物。
  9. a)複数の酸化ジルコニウム粒子と、非イオン性界面活性剤と、エチレングリコール四酢酸(EGTA)の一価の塩と、を含み、8.45〜8.85のpHを有する組成物を、対象とするサンプルと接触させて、水性混合物を形成する工程と、
    b)工程a)の水性混合物を熱による溶菌プロセスにかける工程と、
    c)工程b)の後で、前記水性混合物の一部を核酸増幅プロセスにかける工程と、を含む、核酸増幅方法。
  10. 複数の酸化ジルコニウム粒子と、
    非イオン性界面活性剤と、
    有機鉄キレート剤と、を含有する、キットであって、
    前記有機鉄キレート剤は、第二鉄に対し104.2以上の第1のアフィニティ定数と、マグネシウムに対し103.8未満の第2のアフィニティ定数と、を有し、前記第1のアフィニティ定数及び前記第2のアフィニティ定数は、20°CにてpH8.45の脱イオン水中で測定される、キット。
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