JP6979409B2 - 細胞溶解及び核酸増幅のためのプロセス - Google Patents

細胞溶解及び核酸増幅のためのプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP6979409B2
JP6979409B2 JP2018552671A JP2018552671A JP6979409B2 JP 6979409 B2 JP6979409 B2 JP 6979409B2 JP 2018552671 A JP2018552671 A JP 2018552671A JP 2018552671 A JP2018552671 A JP 2018552671A JP 6979409 B2 JP6979409 B2 JP 6979409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous composition
volume
buffer
nucleic acid
acid amplification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018552671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019517778A5 (ja
JP2019517778A (ja
Inventor
ダブリュ. シットン,グレゴリー
パーシー,ニール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2019517778A publication Critical patent/JP2019517778A/ja
Publication of JP2019517778A5 publication Critical patent/JP2019517778A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6979409B2 publication Critical patent/JP6979409B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6806Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/06Lysis of microorganisms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/686Polymerase chain reaction [PCR]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年4月8日に出願された米国仮特許出願第62/319,876号の優先権を主張するものであり、この開示内容は、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2017年3月9日に作成された、ファイル名「Sequence_Listing_77512WO003.TXT」の配列表と関連付けられている。この配列表ファイルは722バイトで構成され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
病原体及び他の微生物の検出のための従来法は、培養法に基づくものであるが、これらは時間と労力がかかり、迅速に結果を提供するという品質管理試験室及び診断検査室の必要性をもはや満たしていない。
病原微生物の検出における困難(例えば、微生物の培養に伴う長時間の遅延)を克服する取り組みにより、DNAに基づく診断法又は核酸増幅法などの遺伝子試験が開発されてきた。DNAに基づく方法の使用は、病原体の各種が、その種を他の生物から区別する固有のDNA又はRNAシグネチャー(signature)を保有しているという前提に由来する。これらの手法は最も有望であり、微生物の迅速、高感度、かつ特異的な検出にますます用いられつつある。
バイオテクノロジーの進歩により、効率的な核酸増幅のための多種多様なアッセイが開発されている。
微生物/病原体を含む試料の効果的な遺伝子試験には、即時に又はリアルタイムで結果を提供する、迅速で高感度なアッセイ法が必要である。分析時間及び分析感度、並びに試料中の阻害物質によって引き起こされる核酸増幅の阻害が、遺伝子試験の有用性に関し、ある一定の制限となっている。
対象とする標的の核酸増幅阻害を効率的かつ迅速に低減又は排除する組成物及び方法を得ることが望ましい。
本開示は、試料中の阻害物質による核酸増幅反応の阻害を排除する、改善された核酸増幅プロセスを提供する。有利なことに、この改善された方法により、核酸増幅反応に用いる前に試料を希釈する必要がなくなり、これによって、核酸増幅プロセスの感度を高めることができる。
一態様において、本開示は、核酸増幅法を提供する。本方法は、試料を、水溶性リン酸イオン(水溶性ホスフェートイオン)を実質的に含まない、第1の緩衝液を含む栄養培地と接触させることによって、集積培養物を形成することと、集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持することと、集積培養物を維持した後に、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合し、第3の体積の水性組成物を形成することにより、水性組成物を形成することであって、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することが、無希釈の第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することを含む、水性組成物を形成することと、水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させることと、水性組成物を熱溶解プロセスに付すことと、水性組成物を熱溶解プロセスに付した後に、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことと、を含み得る。溶解緩衝液は、水溶性リン酸イオンを実質的に含まず、第2の緩衝液を含む。溶解緩衝液は、有機多価陽イオンキレート試薬を含み得、有機多価陽イオンキレート試薬は、三価鉄に対して104.2以上の第1の結合定数と、マグネシウムに対して103.8未満の第2の結合定数とを有し、第1の結合定数及び第2の結合定数は、20℃の脱イオン水中、pH8.45で測定されたものである。溶解緩衝液は、25℃でpHが8.6超であり得る。水性組成物は、25℃でpHが約8.45〜8.85であり得る。水性組成物中の第1の緩衝液と第2の緩衝液との合算した濃度は、少なくとも約15mMであり得る。第1の体積の第2の体積に対する比は3:1以上であり得、第2の体積の第3の体積に対する比は1:4以下である。
別の態様において、本開示は、核酸増幅法を提供する。本方法は、試料を、リン酸緩衝液構成成分を含まない配合を有し、第1の緩衝液を含む栄養培地と接触させることによって、集積培養物を形成することと、集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持することと、集積培養物を維持した後に、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合し、第3の体積の水性組成物を形成することにより、水性組成物を形成することであって、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することが、無希釈の第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することを含む、水性組成物を形成することと、水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させることと、水性組成物を熱溶解プロセスに付すことと、水性組成物を熱溶解プロセスに付した後に、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことと、を含み得る。溶解緩衝液は第2の緩衝液を含む。溶解緩衝液は、有機多価陽イオンキレート試薬を含み得、有機多価陽イオンキレート試薬は、三価鉄に対して104.2以上の第1の結合定数と、マグネシウムに対して103.8未満の第2の結合定数とを有し、第1の結合定数及び第2の結合定数は、20℃の脱イオン水中、pH8.45で測定されたものである。溶解緩衝液は、25℃でpHが8.6超であり得る。水性組成物は、25℃でpHが約8.45〜8.85であり得る。水性組成物中の第1の緩衝液と第2の緩衝液との合算した濃度は、少なくとも約15mMであり得る。第1の体積の第2の体積に対する比は3:1以上であり得、第2の体積の第3の体積に対する比は1:4以下である。
上記の実施形態のいずれかにおいて、水性組成物を熱溶解プロセスに付した後、かつ水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付す前に、本方法は、水性組成物の一部分を用い、核酸増幅用の脱水された試薬を再水和すること、を更に含み得る。
上記の実施形態のいずれかにおいて、水性組成物を形成することが、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することから本質的になっていてもよい。
更に別の態様において、本開示は溶解緩衝液を提供する。溶解緩衝液は、水と、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する水不溶性材料と、有機多価陽イオンキレート試薬と、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、三価鉄と、ポリメラーゼ活性を促進する試薬と、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸又はその塩を含む緩衝液とを含み得る。溶解緩衝液は、1mM未満のリン酸又はその塩を含み得る。溶解緩衝液は、25℃でpHが約9.8〜10.5(両端の値を含む)であり得る。
本明細書で用いる場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈から別途明確に判断されない限り、複数形の指示対象を含む。用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
用語「約」を値又は範囲の端点の記載に用いる場合、本開示は、言及した、特定の値及び端点の両方を含むものであると理解されたい。
本明細書で用いる場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴とする(characterized by)」、「有する(having)」又はこれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。
上記では、本開示のいくつかの関連する目的を概説した。これらの目的は、意図する本開示のより顕著な特徴及び用途のいくつかの単なる例示と解釈すべきである。本開示は、記載される、又は、以下のより詳細な実施形態の記載から明らかとなる、他の特徴及び利点を含む。
上記の本発明の概要は、本発明の、開示される各実施形態又は全ての実施の記載を意図したものではない。以下の記載は、例示的な実施形態をより詳細に例示する。本出願の全体を通していくつかの箇所において、例の列挙によって指針が示され、これらの例を様々な組み合わせで用いることができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈してはならない。
これら及び他の実施形態の更なる詳細については、添付の図面及び下記の説明において示す。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、かつ特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
本開示による方法の一実施形態のブロック図である。
本開示のいずれかの実施形態の詳細な説明に先立ち、本発明はその適用において、以下の説明に記載又は以下の図面に例示の構成の詳細及び構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行又は実施することができる。また、本明細書において用いられる語法及び用語は説明を目的とするものであり、限定とはみなされないものと理解されたい。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変化形の使用は、その後に列記される項目及びこれらの同等物、並びに追加的な項目を包含することを意味する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用すること、及び構造的又は論理的な変更を行うことが可能であることを理解されたい。本開示について、以降本明細書においてより詳細に説明する。以下の「発明を実施するための形態」において、本開示では、別途明記される場合を除き、様々な代替的変形形態及び工程順序を想定することができるものと理解されたい。したがって、本開示の詳細な説明に先立ち、本開示は、特に例示したシステム又は実施形態に限定されるものではなく、当然のことながら、これらのシステム又は実施形態は様々であり得るものと理解されたい。本明細書で説明する任意の用語の例を含め、本明細書のいずれの箇所における例の使用も例示のみを目的とし、本開示又は例示するいずれの用語の範囲及び意味も一切限定するものではない。同様に、本開示は、本明細書に記載の様々な実施形態に限定されるものではない。
本開示は、試料の核酸増幅反応において、微生物集積ブロス培養物による試料の阻害を排除するための方法を提供する。従来法とは対照的に、本発明は、細胞溶解工程及び/又は核酸増幅工程直前に、集積ブロスの実質的な希釈を必要としない(すなわち、>1:1の希釈を必要としない)。有利なことに、本方法のこの特徴により、試料中のより低濃度の標的核酸を検出することが可能となる。
本明細書で用いる場合、語句「核酸」及び「核酸配列」は同義であり、限定を意図したものではない。「核酸」は、当該技術分野において知られる意味を有するものとし、DNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA、又はプラスミドDNA)、RNA(例えば、mRNA、tRNA、又はrRNA)、及びPNAを指す。核酸は、二本鎖又は一本鎖構造、環状、プラスミド、比較的短鎖のオリゴヌクレオチド、及びPNAとも呼ばれるペプチド核酸などの、これらに限定されない、様々な形態であり得る。核酸はゲノムDNAであってもよく、染色体全体又は染色体の一部分を含む場合もある。DNAは、コード配列(例えば、mRNA、tRNA、及び/又はrRNAのコーディング)及び/又は非コード配列(例えば、セントロメア、テロメア、遺伝子間領域、イントロン、トランスポゾン、及び/又はマイクロサテライト配列)を含み得る。核酸は、天然に存在するヌクレオチド、及び人工的又は化学的に修飾されたヌクレオチド、変異したヌクレオチドなどのいずれも含み得る。核酸は、非核酸構成成分、例えば、ペプチド(PNA中のペプチドなど)、及び標識(放射性同位元素又は蛍光マーカー)などを含み得る。
本明細書で用いる場合、「増幅する」及び「増幅」は、ポリヌクレオチド配列を一次関数的又は指数関数的に増加させる様々な手法を指す。例示的な増幅法としては、これらに限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はプライマー伸長工程を用いる任意の他の方法が挙げられる。増幅の他の非限定的な例としては、これらに限定されるものではないが、リガーゼ検出反応(LDR)及びリガーゼ連鎖反応(LCR)が挙げられる。増幅法は温度サイクルを含む場合があり、又は、ループ媒介等温増幅(LAMP−BART)(Loop mediated isothermal amplification)などのように等温で実施され得る。様々な実施形態において、用語「増幅産物」又は「増幅された産物」は、任意のサイクル数の増幅反応に由来する産物を含む。
本明細書で用いる場合、「ポリメラーゼ連鎖反応」又はPCRは、二本鎖核酸試料の鎖を分離する初期変性工程と、これに続く、(i)増幅プライマーを標的配列の隣接する位置に特異的にアニールさせるアニール工程、(ii)プライマーを5’から3’方向に伸長させることにより、標的配列に相補的なアンプリコンポリヌクレオチドを形成する伸長工程、及び(iii)アンプリコンを標的配列から分離させる変性工程の繰り返しとからなる、核酸の増幅である。上記の工程のそれぞれは、異なる温度で、好ましくは自動サーモサイクラーを用いて、実施することができる。
本明細書で用いる場合、「等温で増幅された」又は「等温増幅」及び同様の用語は、従来のPCR反応とは異なり、高温と低温との循環を必要とする増幅法とは対照的に、一定温度で実施される核酸を増幅する方法を指す。等温増幅では、DNAポリメラーゼが、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼである必要がある。プライマーは置換されたDNA鎖に結合するため、等温増幅は、多くの場合、実質的に単一の温度で実施される。等温増幅において、核酸試料と、場合により全てのプライマーとを含む反応混合物は、増幅前、かつ、場合により、DNAポリメラーゼが変性温度で不活性化される場合には、DNAポリメラーゼの添加前に、反応混合物中の二本鎖核酸が一本鎖に変性する変性温度(例えば、少なくとも85℃〜90℃)に加熱することができる。
本明細書で用いる場合、用語「対象とする標的」、「標的核酸領域」、「標的特異的核酸」、「標的領域」、「標的シグネチャー配列」、「標的核酸」、「標的核酸配列」、「標的」又は「標的ポリヌクレオチド配列」は、対象の核酸を指す。
本明細書で用いる場合、「検出する」又は「検出」は、試料中の標的ポリヌクレオチド配列又は増幅された標的ポリヌクレオチド配列産物の存在又は非存在について開示すること又は明らかにすることを指す。検出は、終点、リアルタイム、酵素によるもの、及び、ゲル上で増幅産物を分離し、予想される増幅産物が存在するか否かを判定することによるもの、又は当業者に既知の他の方法とすることができる。
本明細書で用いる場合、用語「試料」は、核酸を含んでいると思われる出発材料を指す。試料中の核酸を検出することにより、例えば、標的微生物の存在を検出できる。試料の例としては、これらに限定されるものではないが、食品試料(これらに限定されるものではないが、ヒト又は動物による摂取を意図した食品由来の試料、例えば、加工食品、ローフードの素材、農産物(例えば、果物及び野菜)、豆類、肉類(家畜及び/又は狩猟動物)、魚、シーフード、ナッツ、飲料、酒類、発酵ブロス、及び/又は上記の食品のいずれかを含む選択的に集積した食品マトリックスなどが挙げられる)、水試料、環境試料(例えば、土壌試料、汚物試料、厨芥試料、下水試料、産業排水試料、大気試料、又は湖、河川、池などの様々な水圏由来の水試料)、大気試料(環境由来、又は屋内若しくは建物由来)、臨床試料、疾患又は病態を有すると思われるヒトから得られた試料、獣医学試料、法医学試料、農業試料、医薬品試料、バイオ医薬品試料、食品加工及び製造表面由来の試料、並びに/又は生体試料が挙げられる。本開示による非食品試料の例は、培養ブロスであり得る。「培養ブロス」は、本明細書で用いる場合、微生物を培養するための液体培地を指す。
「標的微生物」は、本明細書で用いる場合、あらかじめ選択された微生物又は微生物の群を指し、微生物の群の各メンバーは、群の他のメンバーと同一又は実質的に同一の、遺伝要素のポリヌクレオチド部分(例えば、ゲノム、又はプラスミドなどの更なるゲノムの核酸)を有する。任意の実施形態において、標的微生物は病原微生物であり得る。
特に対象となる標的微生物としては、原核微生物(特にグラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコプラズマ)、糸状菌、及び酵母が挙げられる。特に関連のある微生物としては、腸内細菌科、又はミクロコッカス科若しくはブドウ球菌属の種、連鎖球菌属の種、シュードモナス属の種、腸球菌属の種、サルモネラ菌属の種、レジオネラ属の種、赤痢菌属の種、エルシニア属の種、エンテロバクター属の種、大腸菌属の種、バチルス属の種、リステリア属の種、ビブリオ属の種、コリネバクテリア属の種、並びにアスペルギルス属の種、フザリウム属の種、及びカンジダ属の種が挙げられる。特に毒性の強い微生物としては、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む)、表皮ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクチア、化膿性連鎖球菌、大便連鎖球菌エンテロコッカス・フェカリス、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン中間耐性黄色ブドウ球菌(VISA)、炭疽菌、緑膿菌、大腸菌、クロコウジカビ、アスペルギルス・フミガタス(A. fumigatus)、アスペルギルス・クラバタス(A. clavatus)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・オキシスポラム(F. oxysporum)、フザリウム・クラミドスポラム(F. chlamydosporum)、リステリア・モノサイトゲネス、リステリア・イバノビ(Listeria ivanovii)、コレラ菌、ビブリオ・パラヘモリティカス(V. parahemolyticus)、サルモネラ・コレラスイス(Salmonella cholerasuis)、チフス菌、ネズミチフス菌、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・クルセイ(C. krusei)、エンテロバクター・サカザキ、大腸菌O157及び多剤耐性グラム陰性桿菌(MDR)が挙げられる。
本明細書で用いる場合、「阻害物質」は、直接又は間接的に作用し、アッセイの活性、精度、又は真度を、阻害物質が存在しない場合のアッセイの活性、精度、又は真度に比べて減少させる、任意の化合物、物質、若しくは組成物、又はこれらの組み合わせを意味する。阻害物質は、分子、原子、又は分子若しくは原子の組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、用語「阻害物質」は、例えば、増幅反応に用いられる酵素の阻害物質を指す。このような阻害物質の例としては、典型的には、これらに限定されるものではないが、タンパク質、ペプチド、脂質、炭水化物、ポリフェノール、ヘム及びその分解産物、尿素、胆汁酸、フミン酸、多糖、細胞膜、及び細胞質構成成分が挙げられる。PCRに影響を及ぼし得る血液中の主要な阻害物質は、ヘモグロビン、ラクトフェリン、及びIgGであり、これらはそれぞれ赤血球、白血球、及び血漿中に存在する。阻害物質の例としては、鉄イオン又はその塩、他の金属塩、例えば、アルカリ金属イオン、遷移金属イオンなど、並びに生育培地中に存在するいくつかの指示染料も挙げられる。
本明細書で用いる場合、「界面活性剤」の意味は、当業者により容易に認識される最も広い定義である。すなわち、界面活性剤は、液体の表面張力を低下させる、及び/又は2つの液体間の界面張力を低下させる湿潤剤である。水中で正電荷又は負電荷を持たないものの、水に可溶な界面活性剤は、「ノニオン性界面活性剤」である。
本明細書で用いる場合、「ノニオン性界面活性剤」は、極性基が帯電していない界面活性剤分子を指す。用語「ノニオン性界面活性剤」には、2種以上のノニオン性界面活性剤の組み合わせが包含される。ある特定の実施形態において、1種以上の界面活性剤が用いられ得る。
本明細書で用いる場合、ポリビニルピロリドン(PVP)は、モノマーのN−ビニルピロリドンから製造された水溶性ポリマーである。ポリビニルポリピロリドン(PVPP)は、高度に架橋したPVPの変性物である。本明細書に記載のように、ポリビニルピロリドン、又はその変性物は、阻害物質を低減又は排除するように増幅反応混合物に含ませることができる。変性PVPとしては、これに限定されるものではないが、高度に架橋したPVPの不溶性の変性物であるポリビニルポリピロリドン(PVPP)が挙げられる。PVPに関する本明細書の開示は、PVPPにも適合可能であることを理解されたい。
ある実施形態において、組成物は、熱処理の用途において用いられた場合に表面張力を低下させ、良好な熱安定性を呈するコーティング添加剤の一種であるノニオン性ポリマーフッ素系界面活性剤を含んでもよい。本開示のある特定の実施形態によるノニオン性ポリマーフッ素系界面活性剤は、3M(商標)Novec(商標)フッ素系界面活性剤であるFC−4430であってもよい。
本明細書で用いる場合、用語「エチレングリコール四酢酸」及び「EGTA」は、キレート試薬(キレート剤)であるエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸を指す。EGTAは、マグネシウムに対する結合性がより低いため、カルシウムイオンに対する選択性がより高い、無色の固体である。EGTAは、生細胞で見られるように、カルシウムイオン濃度がマグネシウム濃度よりも低い場合に、カルシウムイオンをキレートする緩衝液の調製に有用である。EGTAは、酵素アッセイにおいても有用である。
本明細書で用いる場合、用語「細胞溶解」は、核酸増幅反応の酵素及び他の構成成分が、細胞の核酸に到達するように、細胞膜を破壊し、かつ/又は細胞表層を透過性にすることによって、細胞中の物質を放出させるプロセス、特に、例えば、PCR法及びLAMP−BART法などのように、増幅前に細胞から細胞内物質を抽出し、DNA又はRNAを単離するプロセスを指す。
本開示の実施形態によると、細胞溶解は、熱的方法によって行うことができる。熱的方法は、細胞試料の形態及び反応容器の特性に応じ、当業者により適切に選択され得る。
本明細書で用いる場合、用語「微生物(microorganism)」又は「微生物(microbe)」は、任意の微視的な生物を指し、単細胞生物又は多細胞生物であり得る。この用語は、概して、好適な培養培地で生育及び複製が可能な任意の原核又は真核の微視的な生物を指すために用いられ、限定することなく、1種以上の細菌を含む。本発明の範囲に包含される微生物としては、原核生物、すなわち、細菌及び古細菌、並びに原生動物、真菌、及び藻類などを含む様々な形態の真核生物が挙げられる。本明細書で用いる場合、用語、微生物の「培養」又は「生育」は、生育を促す条件下で、所定の培養培地中で微生物を複製させることにより、微生物を増殖させる方法を指す。より具体的には、この方法は、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進するのに好適な培養培地及び条件を提供する方法である。培養培地は、微生物の生育に必要な栄養素及び必要な生体の生育パラメータの全てを含む、固体培地、半固体培地又は液体培地であってもよい。用語「標的微生物」は、検出が望まれる、任意の微生物を指す。
本明細書で用いる場合、用語「集積(enrichment)」は、特定の微生物の生育に好ましい、特定かつ既知の特質を有する培地及び条件を提供することにより、特定の微生物の生育を集積する培養方法を指す。集積培養物の環境は、選択された微生物の生育を補助し、場合により、他の微生物の生育を阻害する。
従来のDNAに基づく方法の使用は、阻害物質の存在により、ある程度制限される。核酸増幅反応に対して悪影響がある全ての物質を含む、いわゆる阻害物質などの存在が、遺伝子試験の欠点の1つである。これらの阻害物質は、試料自体に由来する場合もあり、又は、試料の処理中若しくは核酸の抽出中に取り込まれる場合もある。核酸増幅反応の部分的な阻害又は全ての阻害の結果は、それぞれ、感度の低下又は偽陰性の結果となる。
多数の遺伝子に基づく方法が利用可能であるにも関わらず、対象とする標的の核酸増幅の阻害を効率的かつ迅速に低減又は排除する、迅速で、高感度で、安価で、労力がよりかからない方法は1つとしてない。標的とする試料中の病原体の存在を迅速に判定するため、より迅速で、正確で、かつ時間と労力とがよりかからないアッセイ法に対してますます高まる要求を満たすことができる、信頼性が高く、正確なアッセイ法を展開する必要がある。
ある特定のPCR系において、使いやすさの障害となるのが、プロテアーゼ工程の組み込みである。このプロテアーゼ工程は、食品タンパク質(特に赤肉)の消化及び/又は微生物の生育培地由来のペプトン、並びに細胞溶解によって、試料の阻害を低減するのに用いられる。驚くべきことに、本開示による方法によって形成された水性組成物により、試料のプロテアーゼ処理が不要となることが分かった。本開示の方法により、水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する水性組成物中の物質(例えば、試料由来及び/又は集積培地由来のポリペプチド)を封鎖する水不溶性材料(例えば、酸化ジルコニウム粒子)と、有機多価陽イオンキレート試薬と組み合わせて接触させ、阻害タンパク質を中和する。用語「封鎖する(sequester)」は、本明細書で用いる場合、阻害物質(すなわち、本来そのままであればポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質)を、この物質の阻害作用が低減又は排除されるように、水性組成物から機能的に隔離又は分離することを指す。有利なことに、本開示により、溶解した細胞から放出された核酸を単離/精製する工程がなくなり、本開示の方法はより迅速でより簡易なものとなる。
本開示は、試料由来のバックグラウンドタンパク質のプロテアーゼ処理又は低減(例えば、希釈による)が不要となる、核酸増幅の方法を記載する。これはまた、従来の核酸増幅法のアッセイ工程のうちの少なくとも1つがなくなることにもつながる。更に、本開示の方法は、従来法(すなわち、阻害物質を除去するためのプロテアーゼ処理又は希釈を必要とするもの)が検出できるよりも低濃度で存在する細胞(例えば、微生物)を検出する能力を提供する。
本開示は、概して、クロマトグラフィー、遠心分離、及びこれらと同様の方法などの単離/精製工程を間に伴わず、細胞溶解工程及び核酸増幅工程を含む、試料の核酸増幅法に関する。
本開示は、方法を提供する。本方法を用い、試料中に存在する核酸を増幅することができる。任意の実施形態において、本方法を用い、試料中に存在する標的微生物(例えば、病原性微生物)に関連した核酸を検出することができる。図1は、本開示によって、核酸を増幅する方法10の一実施形態を示すブロック図である。
方法10は、試料を栄養培地に接触させることにより集積培養物を形成する、工程110を含む。栄養培地は、実質的に水溶性リン酸イオンを含まない(すなわち、リン酸塩(ホスフェート)の無機塩が培地配合の構成成分ではない)。更に、栄養培地は第1の緩衝液を含む。第1の緩衝液は、標的微生物によって代謝され、バイオマス又はエネルギーを生成することができる栄養素ではない。
特に対象となる試料は、比較的少数の標的微生物を含み得る試料(例えば、加工食品試料)である。任意の実施形態において、試料(例えば、屠殺体洗浄液(carcass rinse)、プロセス水、環境(例えば、食品加工装置)の綿棒又はスポンジの拭き取り検体の残留物は、水性液体(例えば、標的微生物を生育するための水性栄養培地)中に懸濁される。
栄養培地は、標的微生物の生育を促進し、酵素媒介核酸増幅プロセスを阻害する可能性のある水溶性リン酸イオンを実質的に含まない。任意の実施形態において、栄養培地は、リン酸緩衝液構成成分を含まない配合を有する(例えば、栄養培地の配合の構成成分は、NaHPO、NaHPO、NaPO、KHPO、KHPO又はKPOを含まない)。用語「配合」は、本明細書で用いる場合、特定の配合に従って調製された材料又は混合物を指す。更に、栄養培地は第1の緩衝液を含む。第1の緩衝液は、水溶性リン酸イオンを含まないか、又は、実質的に含まない。第1の緩衝液は、栄養培地中に、第1の濃度(例えば、少なくとも約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、30mM超)で存在する。第1の緩衝液は、栄養培地を、標的微生物の生育を促進するpH(例えば、25℃で約7.0〜約7.6)に緩衝することができる。
培地が、リン酸イオンを、本方法の酵素媒介核酸増幅工程を阻害する濃度で含まない限りにおいて、栄養培地は、当該技術分野で既知の栄養素の組み合わせを含むことができる。例えば、市販のISO緩衝ペプトン水は、食品試料及び環境試料由来のサルモネラ菌及び他の腸内細菌種(例えば、大腸菌、クロノバクター種)を事前集積するための、当該技術分野で既知の、非選択的栄養培地である。ISO緩衝ペプトン水は、ペプトン、塩化ナトリウム、及びリン酸緩衝液を含む。市販のISO緩衝ペプトン水中のリン酸緩衝液は、例えば、ループ媒介等温核酸増幅を阻害する濃度(約35mM)で存在する。したがって、本開示によるサルモネラ菌の検出法では、例えば、当該技術分野で既知のISO緩衝ペプトン水配合に用いられるリン酸緩衝液の代わりに、リン酸塩を含まない第1の緩衝液(例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液(「トリス緩衝液」)又はN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸を含む緩衝液(「CAPS緩衝液」)を含む、改変された緩衝ペプトン水栄養培地を用いる場合がある。当業者であれば、標的微生物の生育の促進に好適なpHに栄養培地を緩衝するために用いることができる、他のリン酸塩を含まない緩衝液を認識するであろう(例えば、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、「MOPS緩衝液」;4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、「HEPES緩衝液」;2−[[1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル]アミノ]エタンスルホン酸、「TES緩衝液」;2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、「ビス−トリス緩衝液」;又は3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、「CAPSO緩衝液」)。
図1に戻って説明すると、試料を栄養培地に接触させることにより、試料が栄養培地と接触された時点で試料中に存在する標的微生物を増殖させるのに用いることができる、集積培養物が形成される。栄養培地中の標的微生物の増殖によって、栄養培地中の標的微生物(及び標的微生物に関連した核酸分子)の数(及び濃度)を増加させることにより、標的微生物の検出を容易にすることができる。
したがって、方法10は、集積培養物をインキュベートする(すなわち、集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持する)工程120を含む。当業者であれば、標的微生物の生育を促進するための集積培養物の維持に好適な温度を認識するであろう。任意の実施形態において、集積培養物は、25℃〜44.5℃(両端の値を含む)の温度でインキュベートされ得る。ヒトに対して病原性である多くの標的微生物は、35〜37℃(両端の値を含む)の温度で最適に生育する。
集積培養物をある時間維持することは、集積培養物中に標的微生物が存在する場合、標的微生物の1回以上の細胞分裂を可能とするのに好適な時間、集積培養物を維持することを含み得る。したがって、集積培養物をある時間維持することは、集積培養物を約30分間〜少なくとも24時間維持することを含み得る。任意の実施形態において、集積培養物をある時間維持することは、集積培養物を約2時間から、約18〜24時間まで維持することを含み得る。任意の実施形態において、集積培養物をある時間維持することは、集積培養物を約2時間〜約6時間維持することを含み得る。任意の実施形態において、集積培養物をある時間維持することは、集積培養物を約2時間〜約4時間維持することを含み得る。
方法10は、集積培養物をある時間維持した後、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液に混合して水性組成物(例えば、第3の体積の水性組成物)を形成することにより、水性組成物を形成する、工程130を含む。この工程において、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することは、無希釈の第1の体積の集積培養物を、第2の体積の溶解緩衝液と混合することを含む。したがって、集積培養物がポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害し得る物質を含む場合、これらの物質は、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合する前に希釈されない。有利なことに、本方法の特徴により、集積培養物中に存在する標的微生物の潜在的に不要な希釈が回避され、その結果、集積培養物中の少数の標的微生物を検出する、(集積培養物の追加の希釈を必要とする方法と比べて)より高い能力がもたらされる。
溶解緩衝液は、第1の緩衝液と共に作用し、水性組成物のpHを、酵素媒介核酸増幅プロセスに好適なpHに調整する第2の緩衝液を含む、水性緩衝液である。溶解緩衝液は、水溶性リン酸イオンを含まない、又は、実質的に含まない。任意の実施形態において、溶解緩衝液は、リン酸緩衝液構成成分を含まない配合を有し得る(例えば、溶解緩衝液の配合の構成成分は、NaHPO、NaHPO、NaPO、KHPO、KHPO又はKPOを含まない)。用語「配合」は、本明細書で用いる場合、特定の配合に従って調製された材料又は混合物を指す。溶解緩衝液は、第1の緩衝液と同一である緩衝液試薬を含み得る第2の緩衝液を含むか、又は、それは、第1の緩衝液とは異なる緩衝液試薬を含み得る。第2の緩衝液は、溶解緩衝液中に第2の濃度(例えば、少なくとも約10mM;約10mM、約20mM、約25mM、約30mM、約40mM、約50mM、50mM超、約10mM〜約50mM、約10mM〜約25mM、約25mM〜約50mM)で存在する。
任意の実施形態において、溶解緩衝液は、pHが、25℃で8.6以上、25℃で9.0以上、25℃で9.2以上、25℃で9.5以上、25℃で約8.8、25℃で約9.0、25℃で約9.2、25℃で約9.4、25℃で約9.6、25℃で約9.8、25℃で約8.6〜10.0、25℃で約8.6〜9.8、25℃で約9.0〜10.0、又は25℃で約9.2〜9.8である。したがって、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することによって水性組成物を形成する際、水性組成物は、pHが、25℃で約8.45〜約8.85(両端の値を含む)の範囲である。
第1の体積の集積培養物は、第2の体積の溶解緩衝液と混合され、水性組成物を形成する。したがって、栄養培地の第1の緩衝液と、溶解緩衝液の全ての構成成分(例えば、第2の緩衝液)とは、水性組成物が形成される際に、溶解工程(後述)及び核酸増幅工程(後述)に適切な濃度で存在するように選択された濃度で、それぞれの溶液中に存在する。
本開示の方法によると、組み合わせて第3の体積の水性組成物を形成するための、第1の体積の集積培養物の、第2の体積の溶解溶液に対する第1の比が存在する。更に、第1の体積の第3の体積に対する第2の比が存在する。任意の実施形態において、第1の比は3:1以上であり、第2の比は1:4以下である。任意の実施形態において、第1の比は4:1以上であり、第2の比は1:5以下である。任意の実施形態において、第1の比は5:1以上であり、第2の比は1:6以下である。任意の実施形態において、第1の比は6:1以上であり、第2の比は1:7以下である。任意の実施形態において、第1の比は7:1以上であり、第2の比は1:8以下である。任意の実施形態において、第1の比は8:1以上であり、第2の比は1:9以下である。任意の実施形態において、第1の比は9:1以上であり、第2の比は1:10以下である。任意の実施形態において、第1の比は10:1以上であり、第2の比は1:11以下である。任意の実施形態において、第1の比は14:1以上であり、第2の比は1:15以下である。任意の実施形態において、第1の比は19:1以上であり、第2の比は1:20以下である。任意の実施形態において、第1の比は24:1以上であり、第2の比は1:25以下である。
水性組成物を形成することは、上述の第1の緩衝液を含む集積培地と、上述の第2の緩衝液を含む溶解緩衝液とを、合わせることを含む。任意の実施形態において、水性組成物を形成することが、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することから本質的になる。
水性組成物が形成される際、水性組成物は、合算した緩衝液濃度が、第1及び第2の緩衝液のモルの合計を水性組成物の体積で除したものに等しい。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は15mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は20mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は25mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は30mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は40mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は50mM以上である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は約15mM〜約50mM(両端の値を含む)である。任意の実施形態において、水性組成物中の合算した緩衝液濃度は約15mM〜約25mM(両端の値を含む)である。
図1に戻ると、方法10は、水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させる、工程140を含む。有利なことに、この封鎖により、本方法の細胞溶解工程及び/又は核酸増幅の前の、希釈工程(すなわち、試料中の阻害物質の濃度を低下させること)が不要となる。任意の実施形態において、水不溶性材料は、粒子を含む場合がある。好適な粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子及びこれらの混合物が挙げられる。任意の実施形態において、水不溶性材料は、溶解緩衝液中に懸濁及び/又は分散させることができる。したがって、任意の実施形態において、水性組成物を形成することは、水不溶性材料を含む水性組成物を形成することを含む。
任意の実施形態において、水不溶性材料(例えば、酸化ジルコニウム粒子及び/又はヒドロキシアパタイト粒子)は、ナノ粒子を含み得る(例えば、酸化ジルコニウム粒子又はヒドロキシアパタイト粒子は、メジアン粒径が約100nm〜1.0μm未満である)。任意の実施形態において、酸化ジルコニウム粒子又はヒドロキシアパタイト粒子は、平均粒径が約100nm〜約200nmであり得る。任意の実施形態において、酸化ジルコニウム粒子又はヒドロキシアパタイト粒子は、平均粒径が約100nm〜約250nmであり得る。任意の実施形態において、酸化ジルコニウム粒子又はヒドロキシアパタイト粒子は、平均粒径が約100nm〜約500nmであり得る。これらのナノ粒子は、本明細書に開示のように、水性組成物中にクエン酸塩(シトレート)を含ませることにより、上記のpHにおいて、水性組成物中で安定な分散体として存在することができる。
ナノ粒子(例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子又はヒドロキシアパタイトナノ粒子)の分散は、その単位体積当たりの表面積によって特徴付けることができる。任意の実施形態において、本開示の組成物の形成後、水性組成物は、表面積が少なくとも10m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が約10m/L〜約600m/L(両端の値を含む)であるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約25m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約50m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約100m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約200m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約300m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が少なくとも約400m/L〜約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、表面積が約600m/Lであるナノ粒子を含み得る。
酸化ジルコニウムナノ粒子を含む本開示の水性組成物は、粒子が長期間にわたり(例えば、数ヶ月及び/又は数年間)実質的に懸濁状態を保ち、かつ/又は最小限の労力で再懸濁されるように、安定化することができる。このような安定化は、分散安定剤を組成物に加えることによって達成することができる。安定剤は、例えば、本明細書で説明したように、溶解緩衝液中に提供され得る。本開示の水性組成物に用いることができる特に好ましい分散安定剤としては、例えば、ポリカルボン酸化合物、例えば、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(クエン酸)又はその塩、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸鉄(III)アンモニウムなどが挙げられる。
したがって、本開示の方法の任意の実施形態において、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することによって水性組成物を形成することは、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する、水不溶性材料を有する水性組成物を形成することを含む。
本開示の方法によって形成される水性組成物は、有機多価陽イオンキレート試薬を更に含み得る。有機多価陽イオンキレート試薬は、集積培地に希釈して水性組成物を形成する際、本来そのままであれば核酸増幅反応を阻害し得る三価鉄イオンをキレートするのに有効である濃度で、溶解緩衝液中に提供され得る。
有機多価陽イオンキレート試薬は、三価鉄(Fe+3)イオンに対し、所定の結合定数を有する。pH8.45かつ20℃の脱イオン水中で、有機多価陽イオンキレート試薬は、三価鉄イオンに対する結合定数が104.2以上である。有機多価陽イオンキレート試薬は、マグネシウムイオン(Mg+2)イオンに対しても、所定の結合定数を有する。pH8.45かつ20℃の脱イオン水中で、有機多価陽イオンキレート試薬は、マグネシウムイオンに対する結合定数が103.8未満である。したがって、pH8.45の本開示の水性組成物中で、有機多価陽イオンキレート試薬は、結合定数が、マグネシウムイオンに対してよりも三価鉄イオンに対して高い。
好適な多価陽イオンキレート試薬としては、有機分子が挙げられる。任意の実施形態において、有機多価陽イオンキレート試薬は水溶性である。任意の実施形態において、有機多価陽イオンキレート試薬は、複数のカルボン酸基を含む。好適な有機多価陽イオンキレート試薬の非限定的な例としては、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エタン−1,2−ジアミン(TPEN)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(HEDTA)、及びこれらの塩が挙げられる。
本開示の方法によって形成される水性組成物は、三価鉄を更に含み得る。有機多価陽イオンキレート試薬は、溶解緩衝液中に提供され得る。したがって、本開示の水性組成物は、三価鉄イオンを含み得る。任意の実施形態において、三価鉄は、クエン酸鉄(III)アンモニウムによって、組成物中に提供され得る。したがって、組成物は、クエン酸イオンを更に含み得る。有利なことに、クエン酸イオンは、本開示の方法において形成される水性溶媒中の水不溶性材料(例えば、粒子)の分散を促進及び/又は安定化することができる。
任意の実施形態において、三価鉄は、本開示による方法における水性組成物中に、約55μM〜385μMの三価鉄イオン(すなわち、溶存三価鉄)の濃度で存在し得る。任意の実施形態において、三価鉄は、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。ある特定の実施形態において、三価鉄イオンの濃度は少なくとも110μMであり得、ある特定の他の実施形態では、少なくとも165μMであり得る。他の実施形態において、三価鉄イオンの濃度は少なくとも220μMであり得、他の実施形態では、少なくとも275μM又は少なくとも330μMであり得る。本開示によると、有機多価陽イオンキレート試薬がEGTAを含む水性組成物において、水性組成物は、溶存三価鉄/EGTAのモル比が約0.04〜約0.28である。ある特定の好ましい実施形態において、水性組成物は、溶存三価鉄/EGTAのモル比が約0.14〜約0.18である。
本開示による方法の任意の実施形態において、三価鉄(例えば、クエン酸鉄(III)アンモニウムとして提供される)は、水性組成物中に、約50μM〜350μMの三価鉄イオンの濃度で存在する。したがって、溶解緩衝液中の三価鉄の濃度は、集積培地と混合された際に、溶解緩衝液が、水性組成物中で、三価鉄イオンの前述の濃度をもたらすように、選択される。ある特定の実施形態において、水性組成物中の三価鉄イオンの濃度は少なくとも100μMであり得、ある特定の他の実施形態では、少なくとも150μMであり得る。他の実施形態において、三価鉄イオンの濃度は少なくとも200μMであり得、他の実施形態では、少なくとも250μM又は少なくとも300μMであり得る。本開示によると、有機多価陽イオンキレート試薬がEGTAを含む水性組成物において、水性組成物は、形成される際、Fe3+/EGTAのモル比が約0.04〜約0.28である。ある特定の好ましい実施形態において、水性組成物は、形成される際、Fe3+/EGTAのモル比が約0.14〜約0.18である。
本開示の方法によって形成される水性組成物は、ポリメラーゼ活性を促進する試薬、例えば、硫酸マグネシウム七水和物などを更に含む場合がある。ポリメラーゼ活性を促進する試薬は、集積培地に希釈して水性組成物を形成する際、核酸増幅反応におけるポリメラーゼ活性を促進するのに有効な濃度で、溶解緩衝液中に提供され得る。
本開示による方法の任意の実施形態において、水性組成物は、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤を含む。任意の実施形態において、ノニオン性界面活性剤は、溶解緩衝液中に提供され得る。したがって、水性組成物は、形成される際、任意のノニオン性界面活性剤の1種以上を含み得る。ノニオン性界面活性剤は、親水性親油性バランスが約11〜約16であることが好ましい。親水性親油性バランスがこの範囲である界面活性剤により、PCR及びLAMP核酸増幅反応におけるDNAポリメラーゼの活性は十分なものとなり、並びに、BARTレポーター法(BART reporter technology)におけるルシフェラーゼ及びATPスルフルリアーゼ(sulphurlyase)の活性は十分なものとなる。好適なノニオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、トリトン(商標)系の洗浄剤、例えば、これらに限定されるものではないが、トリトンX−100(t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)及びその誘導体、トリトンX−114、トリトンX−405、トリトンX−101、トリトンN−42、トリトンN−57、トリトンN−60、トリトンX−15、トリトンX−35、トリトンX−45、トリトンX−102、トリトンX−155、トリトンX−165、トリトンX−207、トリトンX−305、トリトンX−705−70及びトリトンB−1956など;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween)、POEアルキルエーテル(例えば、Brij)、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEアルキルアミン、及びPOE脂肪酸ビフェニルエーテル、並びにフッ素系界面活性剤、例えば、3M Novec(商標)改変(engineered)液体界面活性剤FC−4430及びFC4432、並びにDow chemical FS系のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
本開示による方法によって形成される水性組成物の任意の実施形態において、水性組成物中のこのようなノニオン性界面活性剤の濃度は、本発明の有益な効果(すなわち、核酸増幅の促進に関する)を実現できる限り、特に限定されない。任意の実施形態において、本開示の方法によって形成される水性組成物は、約0.005%(w/v)(重量/体積%)〜約0.3%(w/v)の界面活性剤を含む。したがって、任意の実施形態において、本開示の水性組成物は、最大約0.3%(w/v)の界面活性剤を含む。ある特定の実施形態において、界面活性剤の濃度は、少なくとも0.01%(w/v)であり得、ある特定の他の実施形態では、少なくとも0.025%(w/v)であり得、別の実施形態では、0.032%(w/v)であり得る。
場合により、本開示の方法の任意の実施形態において、水性組成物は、形成される際、名目上の(nominal)分子量が30KDa〜1.3MDaであるPVPを含む。PVPは、溶解緩衝液中に提供され得る。本開示の一態様において、PVPは、名目上の分子量が360KDaである。
本開示の方法のある実施形態において、PVPは、少量のノニオン性界面活性剤が用いられる場合に、水性組成物に含まれ得る。任意の実施形態において、PVPは、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。有利なことに、PVPは阻害物質(例えば、ポリフェノール)を封鎖することができ、これによって、阻害物質が核酸増幅アッセイを阻害するのを防止する。ある実施形態において、水性組成物は、形成される際、0%w/v〜最大約0.043%w/vのPVPを含む。ノニオン性界面活性剤が0.005%〜0.01%w/vの濃度で組成物中に存在する場合、組成物は、約0.01%w/v〜約0.043%w/vのPVPを含み得る。上記の濃度のそれぞれは、変性PVPにも適用される。
本開示のある特定の実施形態において(例えば、ノニオン性界面活性剤濃度が水性組成物中で>0.01%w/vである場合)、PVPは水性組成物には含まれない場合がある。PVPは、溶解緩衝液中に提供され得ることを、確認されたい。
本開示による方法の任意の実施形態において、有機多価陽イオンキレート試薬は、水性組成物中に存在する場合、EGTAを含む。任意の実施形態において、有機多価陽イオンキレート試薬は、組成物に塩の形態で提供され得る。ある特定の実施形態において、組成物は、例えば、EGTAのナトリウム塩を含む場合がある。本開示の別の実施形態において、水性組成物は、例えば、EGTAのカリウム塩を含む場合がある。
本開示の方法の任意の実施形態において、水性組成物は、形成される際、Fe3+(例えば、溶解緩衝液中にクエン酸鉄(III)アンモニウムとして提供される)及びエチレングリコール四酢酸(例えば、溶解緩衝液中にエチレングリコール四酢酸の塩(例えば、一価の陽イオンの塩)として提供される)を含み得る。したがって、水性組成物中には、エチレングリコール四酢酸とFe3+とのモル比が存在し得る。任意の実施形態において、エチレングリコール四酢酸のFe3+に対するモル比は、約0.04〜約0.28である。
本開示による方法の任意の実施形態において、水性組成物は、EGTAを0.5mM〜5mMの濃度で含み得る。任意の実施形態において、EGTAは、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。
本開示による方法の任意の実施形態において、水性組成物は、形成される際、場合により、マグネシウム若しくはその塩、及び/又はカリウム若しくはその塩を含み得る。したがって、水性組成物は、マグネシウムイオン又はカリウムイオンを含み得る。これらは、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。これらは水性組成物に存在し得、試料の調製工程後の核酸増幅反応(例えば、PCR(例えば、qPCR)、LAMP)を促進する。任意の実施形態において、本開示による水性組成物は、約1mM〜約15mMのマグネシウムイオン及び/又は約5mM〜約500mMのカリウムイオンを含み得る。任意の実施形態において、水性組成物は、約20mM〜約60mMのカリウムイオンを含み得る。マグネシウムイオン又はカリウムイオンは、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。
本開示による方法の任意の実施形態において、水性組成物は、形成される際、場合により、組成物を含む水溶液のおおよその温度をモニターするための指示染料を含み得る。指示染料は、例えば、溶解緩衝液中に提供され得る。有利なことに、指示染料は、組成物を含む水性混合物が、組成物と接触している微生物細胞の熱溶解に好適なおおよその範囲の温度(例えば、約100℃)に達したことを示す、第1の視覚的表示(例えば、第1の観察可能な色)を提供することができる。更に、指示染料は、組成物を含む水性混合物が、混合物の一部分を取り出し核酸増幅反応を行なうのに好適な温度(例えば、≦45℃)に冷却されたことを示す、第2の視覚的表示(例えば、第2の色)を提供することができる。ある特定のpH指示薬(例えば、少なくとも部分的にpH約8.8〜約7.2にわたる変化範囲を有するもの)は、加熱工程及び冷却工程中に水性混合物のpHが変化するのを、容易にモニターすることができる。
好適な可視染料としては、例えば、pHが8.8超で赤紫色となり、pHが7.2未満で黄色となる、クレゾールレッドが挙げられる。したがって、本開示の方法の任意の実施形態において、指示染料はクレゾールレッドであってもよい。
図1に戻ると、方法10は、水性組成物を熱溶解プロセスに付す、工程150を含む。熱溶解プロセスは当該技術分野で公知であり、核酸増幅法で用いられ、細胞が試料中に存在する場合、細胞内に存在する核酸が、増幅反応の構成成分(例えば、ポリメラーゼ、プライマー、dNTP)に到達可能となるように、細胞を破壊する。概して、本開示の方法の水性組成物は、容器(例えば、反応管、マルチウェルプレート)内に配置される。この容器は、容器の内容物(すなわち、水性組成物)を、ある時間(例えば、約5分間〜約30分間(両端の値を含む))、約95℃〜約102℃(両端の値を含む)の所定の温度に加熱する熱源(例えば、ヒートブロック、水浴、油浴)に接触されている。この一定時間の後、容器を熱源との接触から取り出し、放冷する(例えば、45℃以下の温度まで)。
水性組成物を熱溶解プロセスに付した後、方法10は、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付する、工程160を含む。核酸増幅プロセスは、場合により、増幅反応のリアルタイム検出を含む。例えば、水性組成物の一部分を、試料中に標的微生物が存在することを示す1つ以上の微生物の核酸配列(例えば、固有の核酸配列)に特異的な、適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いる、LAMP−BARTによる核酸増幅に付してもよい。更に又はあるいは、次いで、増幅産物を、特異的プローブ(又はレポータープローブ)による試験に更に付し、試料から増幅された微生物の核酸配列を検出することができる。いくつかの実施形態において、微生物の核酸配列が試料から増幅された場合、増幅産物について更に分析を行い、検出された微生物を更に同定、定量、かつ分析する場合がある(例えば、これらに限定されるものではないが、微生物種又は微生物株、病原性、量などのパラメータを測定する)。
本開示による方法で用いられる核酸増幅法は、等温的に、又は熱サイクリングプロセス(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を用いて行ってもよい。等温法としては、これらに限定されるわけではないが、ループ媒介等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)が挙げられる。反応は、鎖置換反応を用い、一定温度で進行する。増幅は、例えば、水性組成物の一部分を、プライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸と、一定温度でインキュベートすることにより、単一工程で完了させることができる。標的核酸配列のコピー数を増加させる工程又は反応に加え、増幅法は、場合により、増幅させた標的核酸配列を検出するための工程又は反応を更に含む場合がある。このような検出工程又は反応は、当業者には公知であり、例えば、生物発光リアルタイムレポーター(BART)工程又は反応が挙げられる。
本開示のある実施形態において、等温増幅反応は、ループ媒介等温増幅(LAMP−BART)法である。LAMPは、等温条件下において、高い特異性、効率及び迅速性でDNAを増幅することができる。LAMP法は、Bst DNAポリメラーゼと、標的DNAの全部で6つの別個の配列を認識し、鎖置換活性を有する、特異的な、設計された4〜6種類のプライマーの一組との使用を含み得る。ループ媒介等温増幅(LAMP)において、標的特異的増幅は、それぞれ標的遺伝子上の6〜8個の別個の領域を認識するよう特異的に設計された、4〜6種の異なるプライマーの使用により、実現される。このような方法は、典型的には、核酸コピーを15〜60分間で10〜1010倍に増幅する。更に、増幅反応において、例えば、ATPスルフリラーゼ、アデノシン−5’−O−パーサルフェート、ルシフェリン、及びルシフェラーゼが存在することにより、生物発光によるLAMP媒介増幅反応(すなわち、BART反応)を検出することができる。
プライマーに加え、LAMP−BART法は、トリス、硫酸化合物(サルフェート化合物)(MgSO、NHSOなど)及び塩化カリウムを用い、酵素の機能性を維持する。したがって、このような化合物は、LAMP−BART共役反応を促進するエンハンサーとして作用する。トリスは有機化合物である(より正式には、式(HOCHCNHを有するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとして知られる)。LAMPなどの鎖置換法では、反応が起こるのに最適なpHに反応を維持する緩衝液として、トリスを用いる。
LAMPを用い、2対又は3対のいずれかのプライマーと、複製活性に加えて鎖置換活性が高いポリメラーゼとを用い、標的核酸配列を60℃〜65℃の一定温度で増幅させる。ループ媒介等温増幅(LAMP)反応は、高特異性、高感度の等温核酸増幅反応である。LAMPは、フォワードインナープライマー(FIP)、バックワードインナープライマー(BIP)、フォワードディスプレースメントプライマー(F3)、及びバックワードディスプレースメントプライマー(B3)と呼ばれる4つのプライマーの一組を用いる。これらの4つの異なるプライマーを用い、標的遺伝子上の6つの別個の領域を同定し、特異性を高める。これらのプライマーの作用の特異的な性質により、LAMPで産生されるDNAの量は、PCRに基づく増幅よりも著しく多くなる。更に、反応を効果的に加速する2つの場合により含まれるプライマーを含むことがあり、これらはフォワードループプライマー(LF)及びバックワードループプライマー(LB)と呼ばれる。インナープライマー(FIP及びBIP)は、標的DNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖の配列を含むのに対し、ディスプレースメントプライマー(F3及びB3)及びループプライマー(LF及びLB)はそれぞれ、単一の標的配列を含む。反応にループプライマー(LF及びLB)を含めると、合計で8つの標的配列が認識される。DNAポリメラーゼを用い、対象の標的配列を増幅する。天然では見られない改変されたDNAポリメラーゼを含む多くの異なるDNAポリメラーゼを用いることができ、最も一般的にはBst DNAポリメラーゼが用いられるのに対し、ゲオバチルス種の大断片(GspSSD)DNAポリメラーゼはあまり用いられない。
LAMP反応は、インナープライマー(FIP及びBIP)によってプライミングされるDNA合成によって開始される。これに、ディスプレースメントプライマー(F3又はB3)によってプライミングされるDNA合成が続き、一本鎖DNAを放出する。この一本鎖DNAは、標的の他端にハイブリダイズする第2のインナープライマー及びディスプレースメントプライマーによってプライミングされる、DNA合成の鋳型として機能する。これにより、ステムループDNA構造が生成される。これに続くLAMPサイクリングにおいて、1つのインナープライマーが産物上のループにハイブリダイズし、置換DNA合成を開始する。これによって、元のステムループDNAと、2倍の長さのステムを有する新たなステムループDNAとが産生される。サイクリング反応を継続し、1時間未満で標的の約10個のコピーが蓄積される。1種又は2種のループプライマー(LF及び/又はLB)を含ませると、インナープライマーによってハイブリダイズされて鎖置換DNA合成をプライミングするループ以外のステムループにハイブリダイズし、これによって、LAMP反応が加速される。様々なLAMP増幅検出法が存在する。陽性LAMP反応ではピロリン酸マグネシウムが沈殿するため、混濁した試料を視覚的に識別することにより、非特異的に標的を検出することができる。陽性反応の視感度を向上するため、ヒドロキシナフトールブルー又はカルセインなどの様々な試薬を反応に加える場合がある。あるいは、クレゾールレッド、SYBRグリーン、ピコグリーン又はヨウ化プロピジウムなどのDNAインターカレート染料を用いて蛍光検出を行ってもよく、染料は反応試薬に加えられるか、又は、終点の分析のため、反応の完了後に加えられる。
任意の実施形態において、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことは、水性組成物の一部分を標的核酸種(例えば、標的微生物に関連する標的核酸種)の等温核酸増幅反応の構成成分と接触させ、これによって増幅反応混合物を得ることと、増幅反応混合物を、核酸増幅反応が進行するのに十分な条件下でインキュベートし、これによって産物を得ることと、標的核酸種の指示薬が産物中に存在するか否かを判定することとを含む。
増幅反応の構成成分は、溶液形態及び/又は乾燥(例えば、凍結乾燥)形態で提供され得る。1つ以上の構成成分が乾燥形態で提供される場合、再懸濁用緩衝液又は再構成用緩衝液もまた用いられ得る。あるいは、試料を含む水性混合物を形成した後、また、水性混合物を熱溶解手順に付した後、水性混合物を用い、等温反応の構成成分を再構成することができる。
増幅反応の特定の種類に基づき、反応混合物は、反応を進行させるのに必要な、緩衝液、塩、ヌクレオチド、及び他の構成成分を含み得る。反応混合物は、反応に適した特定の温度でインキュベートされ得る。
別の態様において、本開示は、水性溶解緩衝液を提供する。溶解緩衝液は、所定の体積の水性試料と組み合わせた場合に、微生物細胞の溶解を促進する構成成分と、本来そのままであれば核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する構成成分と、核酸増幅反応を促進する構成成分とを提供する。したがって、別の態様において、本開示は溶解緩衝液を提供する。
水性溶解緩衝液(例えば、分散及び/又は懸濁)中には、本明細書に記載のような、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する水不溶性材料(例えば、酸化ジルコニウム粒子又はヒドロキシアパタイト粒子)と、本明細書に記載のような有機多価陽イオンキレート試薬(例えば、EGTA)と、本明細書に記載のような少なくとも1種のノニオン性界面活性剤(例えば、トリトン(商標)X−100洗浄剤)と、本明細書に記載のような三価鉄(例えば、クエン酸鉄(III)アンモニウム)と、上記のようなポリメラーゼ活性を促進する試薬(例えば、硫酸マグネシウム七水和物)と、上記のような、リン酸塩を実質的に含まない緩衝液(例えば、CAPS緩衝液)とが含まれる。溶解緩衝液は、リン酸塩を実質的に含まないことが好ましい。しかしながら、溶解緩衝液は希釈(例えば、1:3、1:4、1:5、1:10、1:20、1:25、1:30)して水性試料とすることを意図した濃縮液として提供されるため、溶解緩衝液は、検出可能な量のリン酸塩を含み得る(例えば、組成物の≦10mM、≦5mM、≦2mM、≦1mM、≦0.5mM、≦0.2mM、≦0.1mM、又は≦0.01mMはリン酸の塩から構成される)。溶解緩衝液は、上記のように、20°でpHが8.6以上、25℃で9.0以上、25℃で9.2以上、25℃で9.5以上、25℃で約9.8以上、25℃で約9.9以上、25℃で約8.8、25℃で約9.0、25℃で約9.2、25℃で約9.3、25℃で約9.4、25℃で約9.6、25℃で約9.8、25℃で約9.9、25℃で約10.0、25℃で約10.1、25℃で約10.2、25℃で約10.3、25℃で約10.5、25℃で約8.6〜10.0、25℃で約8.6〜9.8、25℃で約9.0〜10.5、25℃で約9.3〜10.5、25℃で約9.8〜10.5、25℃で約9.9〜10.5、又は25℃で約9.2〜9.8である。
場合により、溶解緩衝液は、本明細書に記載のようなポリビニルピロリドン(PVP)又はポリビニルポリピロリドン(PVPP)と、本明細書に記載のような、ポリメラーゼ媒介核酸増幅を促進する試薬(例えば、硫酸アンモニウム、塩化カリウム)と、本明細書に記載のような、ナノ粒子の分散を促進する試薬(例えば、クエン酸又はその塩)と、本明細書に記載のような指示染料(例えば、クレゾールレッド)と、本明細書に記載のような防腐剤(例えば、PROCLIN(登録商標)950殺生物剤)と、又は前述の場合により含まれる構成成分の任意の2つ以上の組み合わせと、を含み得る。
実施例の項の表1に、本開示による溶解緩衝液の組成物の一実施形態の配合を示す。表1に示した濃度は、溶解緩衝液の1部を水性試料の10部と混合する方法で用いるために選択され(実施例1に記載のとおり)、熱溶解及び核酸増幅(例えば、LAMP−BART増幅法を用いる)を促進するために、各構成成分の適切な最終濃度を有する混合物が得られる。当業者であれば、溶解緩衝液の各構成成分の濃度は、任意の所与のプロトコルにおける各構成成分の適切な最終濃度を得るため、溶解緩衝液:試料の所望の比に応じて変化し得ることを理解するであろう。
例示的な実施形態
実施形態Aは核酸増幅法であって、
試料を、水溶性リン酸イオンを実質的に含まず第1の緩衝液を含む栄養培地と接触させることによって、集積培養物を形成することと、
集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持することと、
集積培養物を維持した後に、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合し、第3の体積の水性組成物を形成することにより、水性組成物を形成することであって、
第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することが、無希釈の第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することを含み、
溶解緩衝液が水溶性リン酸イオンを実質的に含まず、第2の緩衝液を含み、
溶解緩衝液が有機多価陽イオンキレート試薬を含み、有機多価陽イオンキレート試薬が、三価鉄に対して104.2以上の第1の結合定数と、マグネシウムに対して103.8未満の第2の結合定数とを有し、第1の結合定数及び第2の結合定数が、20℃の脱イオン水中、pH8.45で測定されたものであり、
溶解緩衝液は、25℃でpHが8.6超であり、
水性組成物は、25℃でpHが約8.45〜8.85であり、
水性組成物中の第1の緩衝液と第2の緩衝液との合算した濃度が、少なくとも約15mMであり、
第1の体積の第2の体積に対する比が3:1以上であり、第2の体積の第3の体積に対する比が1:4以下である、水性組成物を形成することと、
水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させることと、
水性組成物を熱溶解プロセスに付すことと、
水性組成物を熱溶解プロセスに付した後に、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことと、
を含む、方法である。
実施形態Bは核酸増幅法であって、
試料を、リン酸緩衝液構成成分を含まない配合を有し、第1の緩衝液を含む栄養培地と接触させることによって、集積培養物を形成することと、
集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持することと、
集積培養物を維持した後に、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合し、第3の体積の水性組成物を形成することにより、水性組成物を形成することであって、
第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することが、無希釈の第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することを含み、
溶解緩衝液が第2の緩衝液を含み、
溶解緩衝液が有機多価陽イオンキレート試薬を含み、有機多価陽イオンキレート試薬が、三価鉄に対して104.2以上の第1の結合定数と、マグネシウムに対して103.8未満の第2の結合定数とを有し、第1の結合定数及び第2の結合定数が、20℃の脱イオン水中、pH8.45で測定されたものであり、
溶解緩衝液は、25℃でpHが8.6超であり、
水性組成物は、25℃でpHが約8.45〜8.85であり、
水性組成物中の第1の緩衝液と第2の緩衝液との合算した濃度が、少なくとも約15mMであり、
第1の体積の第2の体積に対する比が3:1以上であり、第2の体積の第3の体積に対する比が1:4以下である、水性組成物を形成することと、
水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させることと、
水性組成物を熱溶解プロセスに付すことと、
水性組成物を熱溶解プロセスに付した後に、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことと、
を含む、方法である。
実施形態Cは、栄養培地の配合の構成成分が、NaHPO、NaHPO、NaPO、KHPO、KHPO又はKPOを含まない、実施形態A又は実施形態Bに記載の方法である。
実施形態Dは、栄養培地の配合の構成成分が、NaHPO、NaHPO、NaPO、KHPO、KHPO又はKPOを含まない、実施形態A〜Cのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Eは、溶解緩衝液が三価鉄を更に含む、実施形態A〜Dのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Fは、溶解緩衝液が、ナノ粒子分散安定剤、親水性親油性バランスが約11〜約16であるノニオン性界面活性剤、ポリビニルピロリドン、硫酸マグネシウム七水和物、フッ素系界面活性剤、指示染料、及び前述の試薬のうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される試薬を更に含む、実施形態A〜Eのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Gは、集積培養物をある時間維持することが、集積培養物を約4時間〜約24時間の間維持すること、を含む、実施形態A〜Fのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Hは、第1の体積の第2の体積に対する比が5:1以上であり、第2の体積の第3の体積に対する比が1:6以下である、実施形態A〜Gのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Iは、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することによって水性組成物を形成することが、複数の酸化ジルコニウム粒子が配置された水性組成物を形成することを含む、実施形態A〜Hのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Jは、水不溶性材料が、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する水不溶性材料を含む、実施形態A〜Iのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Kは、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する水不溶性材料が、複数の酸化ジルコニウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子、又はこれらの混合物を含む、実施形態Jに記載の方法である。
実施形態Lは、複数の粒子が、平均粒径が100nm以下である複数の酸化ジルコニウムを含む、実施形態Kに記載の方法である。
実施形態Mは、複数の酸化ジルコニウム粒子が、第3の体積中、約10m/L〜約600m/Lの表面積を有する、実施形態Lに記載の方法である。
実施形態Nは、水性組成物を熱溶解プロセスに付すことが、水性組成物を約95℃〜約102℃の温度に暴露することを含む、実施形態A〜Mのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Oは、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことが、水性組成物の一部分を、ループ媒介等温増幅プロセスに付すこと、を含む、実施形態A〜Nのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Pは、水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことが、水性組成物の一部分を、熱サイクリングポリメラーゼ連鎖反応プロセスに付すこと、を含む、実施形態A〜Nのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Qは、水性組成物を形成することが、第1の体積の集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合することから本質的になる、実施形態A〜Pのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Rは、
水性組成物を熱溶解プロセスに付した後、かつ水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付す前に、水性組成物の一部分を用い、核酸増幅用の脱水された試薬を再水和すること、を更に含む、請求項A〜Qのいずれか1つに記載の方法である。
実施形態Sは、
ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する水不溶性材料と、
有機多価陽イオンキレート試薬と、
少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、
三価鉄と、
ポリメラーゼ活性を促進する試薬と、
緩衝液と、
水と、
を含み、
1mM未満のリン酸又はその塩を含み、
25℃でpHが約9.8〜10.5(両端の値を含む)である、溶解緩衝液である。
実施形態Tは、溶解緩衝液がN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸又はその塩を含む、実施形態Sに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Uは、水不溶性材料が、複数の酸化ジルコニウム粒子、複数のヒドロキシアパタイト粒子、又はこれらの混合物を含む、実施形態S又は実施形態Tに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Vは、有機多価陽イオンキレート試薬が、三価鉄イオンに対して104.2以上の結合定数と、マグネシウムイオンに対して103.8未満の結合定数とを有し、第1の結合定数及び第2の結合定数が、20℃の脱イオン水中、pH8.45で測定されたものである、実施形態S又は実施形態Tに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Wは、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤が、約11〜約16の親水性親油性バランスを有する、実施形態S〜Vのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Xは、緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−[[1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル]アミノ]エタンスルホン酸、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態S及びU〜Wのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Yは、ポリビニルピロリドン又はポリビニルポリピロリドンを更に含む、実施形態S〜Xのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態Zは、塩化カリウムを更に含む、実施形態S〜Yのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態AAは、硫酸アンモニウムを更に含む、実施形態S〜Zのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態ABは、ナノ粒子の分散を促進する試薬を更に含む、実施形態S〜AAのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態ACは、指示染料を更に含む、実施形態S〜ABのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
実施形態ADは、指示染料が、溶解緩衝液の温度をモニターするために選択される、実施形態ACに記載の溶解緩衝液である。
実施形態AEは、溶解緩衝液が、25℃でpHが約10.0〜10.2(両端の値を含む)である、実施形態S〜ADのいずれか1つに記載の溶解緩衝液である。
本発明の目的及び利点を、以下の実施例により更に例示するが、これらの実施例で記載する特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈してはならない。別途記載しない限り、部及び百分率は全て重量を基準としたものであり、水は全て蒸留水であり、分子量は全て重量平均分子量である。
材料及び試薬。
酸化ジルコニウムナノ粒子(水中10%w/w(重量/重量%)、粒径<100nm(BET)、パーツ番号643025)は、Sigma Chemical Coより入手した。TRITON(商標)X−100洗浄剤及びProclin(登録商標)950殺生物剤は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)より入手した。各構成成分を、表1に明記した順番で脱イオン水に加え、試験組成物を調製した。
Figure 0006979409
Figure 0006979409
Figure 0006979409
実施例1.非希釈試料調製法を用いたサルモネラ菌の検出。
大腸菌(ATCC25922)及びサルモネラ菌(ATCC6962)を、各微生物の孤立コロニーを血液寒天培地から採取し、これらのコロニーを、表2に記載の集積培地10mLを含む別々の管内で懸濁し、管のそれぞれを37℃で18時間インキュベートすることにより、それぞれ終夜培養して生育した。インキュベーション期間後に、サルモネラ菌の培養物を計数し、大腸菌の培養物中に段階希釈して、約5×10CFU/mLの大腸菌を、サルモネラ菌の部分母集団として、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、約5×10CFU/mLのサルモネラ菌、及び約5×10−1CFU/mLのサルモネラ菌とそれぞれの管中で混合した、混合培養物を得た。
溶解緩衝液(表1)のアリコート55μLを、ピペットで溶解管(Axygen Minitube1.1mL Fisherカタログ番号:14−222−202)に取った。各個々の溶解管に、大腸菌とサルモネラ菌との混合培養物(上記)のそれぞれの1種の500μLを加えた。次いで、溶解管を100℃に設定したヒートブロックに15分間接触させてセットすることにより、処理した。次いで、管を室温の金属ブロックに5分間接触させてセットすることにより、5分間冷却した。
熱溶解工程及び冷却工程後、各溶解管から溶解物の20μLのアリコートを5つ取り出し、各アリコートを用い、個々の反応管中で3M MDSサルモネラ試薬ペレット(カタログ番号:MDA2SAL96;3M Company(St.Paul,MN))を再構築した。こうして、各溶解管からの溶解物約100μL(混合培養物の約90μL)を、サルモネラ菌の存在について分析した。サルモネラ菌のDNAの増幅を検出するため、反応管を3M分子検出システム装置(Molecular Detection System)(カタログ番号MDS100;3M Company(St.Paul,MN))中にセットし、製造業者の使用説明書に従って操作した。結果を表4に報告する。
比較例1.従来法を用いたサルモネラ菌の検出。
実施例1で調製した大腸菌とサルモネラ菌との混合培養物のそれぞれを、3M分子検出システムキット(カタログ番号:MDA2SAL96)によってサルモネラ菌を検出する従来法(製造業者の使用説明書に記載)を用いて試験した。簡潔に説明すると、各試料20μLを、代替溶解緩衝液(表3)580μLを含む個々の溶解管に加えた。次いで、実施例1で記載したように、溶解管を15分間加熱し、5分間冷却した。
熱溶解工程及び冷却工程後、各溶解管から溶解物の20μLのアリコートを5つ取り出し、各アリコートを用い、個々の反応管中で3M MDSサルモネラ試薬ペレット(カタログ番号:MDA2SAL96;3M Company(St.Paul,MN))を再構築した。こうして、各溶解管からの溶解物約100μL(混合培養物の約3μL)を、サルモネラ菌の存在について分析した。サルモネラ菌のDNAの増幅を検出するため、反応管を3M分子検出システム装置(カタログ番号MDS100;3M Company(St.Paul,MN))中にセットし、製造業者の使用説明書に従って操作した。結果を表4に報告する。
Figure 0006979409
実施例2.非希釈試料調製法を用いたカンピロバクター菌の検出。
大腸菌(ATCC 25932)及びカンピロバクター・ジェジュニ菌(ATCC33291)を、各微生物の孤立コロニーを血液寒天培地から採取し、これらのコロニーを、表2に記載の集積培地10mLを含む別々の管内で懸濁し、管のそれぞれを37℃(大腸菌)又は41.5℃(カンピロバクター・ジェジュニ菌)でそれぞれ18時間インキュベートすることにより、それぞれ終夜培養して生育した。インキュベーション期間後に、カンピロバクター菌の培養物を計数し、大腸菌の培養物中に段階希釈して、約5×10CFU/mLの大腸菌を、カンピロバクター菌の部分母集団として、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、約5×10CFU/mLのカンピロバクター菌、及び約5×10−1CFU/mLのカンピロバクター菌とそれぞれの管中で混合した、混合培養物を得た。
大腸菌とカンピロバクター菌との各混合培養物のアリコート(500μL)を、実施例1に記載のように溶解した。各溶解物の5μLのアリコートを、PCR緩衝液と、以下の構成成分、すなわち、0.2mMのdNTP、3mMのMgCl、2.5UのTaq DNAポリメラーゼ、0.625μMのフォワードプライマー[SEQ ID NO:1(CTGCTTAACACAAGTTGAGTAGG)]、0.625μMのリバースプライマー[SEQ ID NO:2(TTCCTTAGGTACCGTCAGAA)]、Brilliant IIIマスターミックス(パーツ番号600880,Agilent Technologies)、及び0.156μMのカンピロバクタープローブ[SEQ ID NO:3(FAM−TGTCATCCTCCACGCGGCGTTGCTGC−TAMRA)]のそれぞれとからなるqPCRマスター混合物をそれぞれ含む個々の反応管に加えた。前述の濃度のそれぞれは、溶解物を加えた後の混合物中の濃度(すなわち、「最終」濃度)として報告する。核反応管は、Applied Biosystems 7500サーマルサイクラー中で処理した。
熱サイクリング反応を、以下のプロトコル、すなわち、(1)変性(95℃で30秒間)、(2)アニーリング(58℃で30秒間)、及び(3)伸長(72℃で60秒間)を用い、40サイクル実施した。
比較例2.従来法を用いたカンピロバクター菌の検出。
実施例1で調製した大腸菌とカンピロバクター菌との混合培養物の各々を、従来のPCR法を用いて試験した。PCR反応用の溶解物を調製するため、各試料20μLを、3M分子検出システムキット(カタログ番号:MDA2SAL96)の溶解緩衝液580μLを含む個々の溶解管に加えた。次いで、実施例1で記載したように、溶解管を15分間加熱し、5分間冷却した。
各溶解物の5μLのアリコートを、実施例2に記載のように、DNA増幅に付した。
Figure 0006979409
データは、本開示の方法(例えば、実施例2で実施したように)は、従来法(例えば、比較例2)よりも、試料中のより低濃度の微生物を容易に検出可能であることを示している。
本明細書で言及した全ての特許、特許出願、及び公報、並びに電子的に入手可能な資料の全開示内容が、参照により組み込まれる。本出願の開示内容と参照により本明細書に組み込まれたいずれかの文書の開示内容との間に何らかの矛盾が存在する場合には、本出願の開示内容が優先するものとする。前述の「発明を実施するための形態」及び「実施例」は、理解を明確にするために示したものにすぎない。これによって不必要な限定がなされるものではないことを理解されたい。本発明は図示及び記載された細部そのものに限定されず、当業者に明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
全ての見出しは読者の便宜のためのものであり、明記しない限り、見出しに続く文言の意味を限定するために用いられるものではない。
本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。これら及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. 核酸増幅法であって、
    試料を、リン酸緩衝液構成成分を含まない配合を有し、第1の緩衝液を含む栄養培地と接触させることによって、集積培養物を形成することと、
    前記集積培養物を、ある時間、標的微生物の生育を促進する温度に維持することと、
    前記集積培養物を維持した後に、第1の体積の前記集積培養物を第2の体積の溶解緩衝液と混合し、第3の体積の水性組成物を形成することにより、前記水性組成物を形成することであって、
    前記第1の体積の前記集積培養物を前記第2の体積の前記溶解緩衝液と混合することが、無希釈の第1の体積の前記集積培養物を前記第2の体積の前記溶解緩衝液と混合することを含み、
    前記溶解緩衝液が第2の緩衝液を含み、
    前記溶解緩衝液が有機多価陽イオンキレート試薬を含み、前記有機多価陽イオンキレート試薬が、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エタン−1,2−ジアミン(TPEN)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(HEDTA)、及びこれらの塩から選択されたものであり、
    前記溶解緩衝液は、25℃でpHが8.6超であり、
    前記水性組成物は、25℃でpHが約8.45〜8.85であり、
    前記水性組成物中の前記第1の緩衝液と前記第2の緩衝液との合算した濃度が、少なくとも約15mMであり、
    前記第1の体積の前記第2の体積に対する比が3:1以上であり、前記第2の体積の前記第3の体積に対する比が1:4以下である、前記水性組成物を形成することと、
    前記水性組成物を、ポリメラーゼ媒介核酸増幅反応を阻害する物質を封鎖する有効量の水不溶性材料と接触させることであって、
    前記水不溶性材料が、酸化ジルコニウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子、及びこれらの混合物から選択される、前記水性組成物を前記水不溶性材料と接触させることと、
    前記水性組成物を熱溶解プロセスに付すことと、
    前記水性組成物を前記熱溶解プロセスに付した後に、前記水性組成物の一部分を核酸増幅プロセスに付すことと、
    を含む、方法。
  2. 前記溶解緩衝液が三価鉄を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の体積の前記第2の体積に対する前記比が5:1以上であり、前記第2の体積の前記第3の体積に対する前記比が1:6以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記水不溶性材料が、前記第3の体積中、約10m/L〜約600m/Lの表面積を有する、複数の酸化ジルコニウム粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記水性組成物を前記熱溶解プロセスに付した後、かつ前記水性組成物の前記一部分を前記核酸増幅プロセスに付す前に、前記水性組成物の前記一部分を用い、核酸増幅用の脱水された試薬を再水和すること、を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
JP2018552671A 2016-04-08 2017-03-24 細胞溶解及び核酸増幅のためのプロセス Active JP6979409B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662319876P 2016-04-08 2016-04-08
US62/319,876 2016-04-08
PCT/US2017/023951 WO2017176469A1 (en) 2016-04-08 2017-03-24 Process for cell lysis and nucleic acid amplification

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019517778A JP2019517778A (ja) 2019-06-27
JP2019517778A5 JP2019517778A5 (ja) 2020-04-30
JP6979409B2 true JP6979409B2 (ja) 2021-12-15

Family

ID=58633077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018552671A Active JP6979409B2 (ja) 2016-04-08 2017-03-24 細胞溶解及び核酸増幅のためのプロセス

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11168352B2 (ja)
EP (1) EP3440223B1 (ja)
JP (1) JP6979409B2 (ja)
CN (1) CN109072286B (ja)
BR (1) BR112018069624A2 (ja)
WO (1) WO2017176469A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024501497A (ja) * 2020-12-16 2024-01-12 バイオファイア・ダイアグノスティクス,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 血液からの微生物の濃縮及び同定のためのシステム、方法、及び装置
CN118019860A (zh) 2021-09-01 2024-05-10 3M创新有限公司 检测分析物的组合物和方法
EP4163369A1 (en) * 2021-10-08 2023-04-12 AXAGARIUS GmbH & Co. KG Use of mixtures of polyvinylpyrrolidone and ammonium sulfate in the isolation of nucleic acids

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH056607A (ja) 1991-06-28 1993-01-14 Sony Corp デイスクプレーヤ
US5712095A (en) * 1994-06-16 1998-01-27 Becton Dickinson And Company Rapid and sensitive detection of antibiotic-resistant mycobacteria using oligonucleotide probes specific for ribosomal RNA precursors
JPH08149974A (ja) * 1994-11-30 1996-06-11 Q P Corp Pcr用増菌培地
US5620869A (en) * 1995-09-28 1997-04-15 Becton, Dickinson And Company Methods for reducing inhibition of nucleic acid amplification reactions
US6218107B1 (en) * 1996-05-22 2001-04-17 Gen-Probe Incorporated Compositions and methods for detecting the presence of Mycobacterium kansassii
JP5006607B2 (ja) 2006-09-19 2012-08-22 栄研化学株式会社 核酸増幅反応における阻害を回避する方法
US20140038174A1 (en) * 2011-04-26 2014-02-06 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Compositions and Methods for Detecting and Identifying Nucleic Acid Sequences in Biological Samples
KR101039521B1 (ko) * 2008-02-01 2011-06-08 주식회사 인트론바이오테크놀로지 금속 이온에 의해 발생하는 pcr 저해 및 비특이 증폭을완화시키거나 막을 수 있는 에틸렌글리콜테트라아세틱 산을킬레이트제로 포함하는 pcr 반응용 조성물
JP2011097828A (ja) 2008-07-09 2011-05-19 Beckman Coulter Inc 全血試料の前処理方法及び核酸増幅方法
EP2536855A4 (en) 2010-02-19 2013-07-31 Argylla Technologies ISOLATION OF BIOMOLECULES FROM BIOLOGICAL SAMPLES
EP2634254A1 (en) * 2012-02-29 2013-09-04 QIAGEN GmbH Method for isolating nucleic acids from a food sample
JP6402347B2 (ja) 2012-03-29 2018-10-10 株式会社シノテスト 核酸の検出又は定量方法及び検出又は定量用試薬キット
EP2888363B1 (en) 2012-08-21 2018-06-06 Qiagen GmbH Method for isolating nucleic acids from a formaldehyde releaser stabilized sample
EP2730653A1 (en) 2012-11-07 2014-05-14 QIAGEN GmbH Method for lysing a fixed biological sample
WO2016036877A1 (en) 2014-09-02 2016-03-10 Pharmozyme, Inc. Genetic detection platform
CN105462957A (zh) * 2014-09-30 2016-04-06 鸿慧(上海)生物科技有限公司 一种裂解组合物及其用途、试剂盒、利用该裂解组合物制备核酸的方法、核酸分析的方法
KR102603420B1 (ko) * 2014-12-23 2023-11-16 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 핵산 증폭의 저해를 감소시키는 조성물
CN107980065B (zh) * 2015-05-11 2021-09-07 3M创新有限公司 用于减少核酸扩增抑制的组合物

Also Published As

Publication number Publication date
CN109072286B (zh) 2023-08-11
EP3440223A1 (en) 2019-02-13
BR112018069624A2 (pt) 2019-10-01
US20190112637A1 (en) 2019-04-18
WO2017176469A1 (en) 2017-10-12
EP3440223B1 (en) 2020-12-23
US11168352B2 (en) 2021-11-09
JP2019517778A (ja) 2019-06-27
CN109072286A (zh) 2018-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6650944B2 (ja) 核酸増幅の阻害を低減するための組成物
CN107980065B (zh) 用于减少核酸扩增抑制的组合物
AU2006209416B2 (en) Method of quantitatively analysing microorganism targeting rRNA
US10876173B2 (en) Methods for measuring enzyme activity useful in determining cell viability in non-purified samples
US20210024877A1 (en) Microorganism separation and detection
JP6979409B2 (ja) 細胞溶解及び核酸増幅のためのプロセス
AU2017201390A1 (en) Improved methods for determining cell viability using molecular nucleic acid-based techniques
Papanicolas et al. Optimisation of a propidium monoazide based method to determine the viability of microbes in faecal slurries for transplantation
JP2014502510A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200319

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6979409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350