JP6784861B1 - 窒化物半導体基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン基板を用いた窒化物半導体基板における結晶性を向上させる技術を提供する。【解決手段】シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、窒化物半導体層は、組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、第2層の下層部分の平均炭素濃度は、第2層の上層部分の平均炭素濃度より低い、窒化物半導体基板。【選択図】図2

Description

本発明は、窒化物半導体基板に関する。
半導体基板として、下地基板上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させた窒化物半導体基板がある。窒化物半導体は、ワイドバンドギャップ半導体であり、優れた絶縁破壊強度を有している。そのため、窒化物半導体を、高い耐圧が要求される半導体デバイスへ適用することが検討されている。例えば、特許文献1には、下地基板としてシリコン基板を用い、シリコン基板上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させた窒化物半導体基板が提案されている。
特開2018−88501号公報
本発明の目的は、シリコン基板を用いた窒化物半導体基板における結晶性を向上させる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
前記窒化物半導体層は、
組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低い、窒化物半導体基板が提供される。
本発明によれば、シリコン基板を用いた窒化物半導体基板における結晶性を向上させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る窒化物半導体基板100の概略断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る窒化物半導体基板100の不純物濃度プロファイルと、アルミニウム(Al)組成プロファイルとの一例である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る窒化物半導体基板100の製造方法に用いられる結晶成長装置300の概略構成図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る窒化物半導体基板100の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態に係る応力発生層形成工程S104、表面改質工程S105および高抵抗層形成工程S106における成長条件の制御の一例を概念的に示すタイミングチャートである。
<発明者の得た知見>
まず、発明者が得た知見について説明する。
パワーデバイス等に用いられる窒化物半導体基板としては、高耐圧であることが求められる。シリコン基板上に窒化物半導体を、例えば、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD)法によってエピタキシャル成長させる場合、有機金属原料中の炭素を取り込んでアクセプタとすることで、高耐圧化を実現している。
しかしながら、窒化物半導体結晶中の炭素濃度が高くなると、結晶性が悪化する可能性がある。結晶性の悪化は、半導体デバイスの性能や寿命を低下させるため、耐圧を確保しつつ、結晶性を向上させる技術が望まれている。
本願発明者は、上述のような事象に対して鋭意研究を行った。その結果、耐圧を確保するための高抵抗層を形成する前に、窒化物半導体結晶の表面を改質する工程を行うことで、耐圧を確保しつつ、結晶性を向上できることを見出した。
[本発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<本発明の第1実施形態>
(1)窒化物半導体基板100の構成
まず、本実施形態の窒化物半導体基板100の構成について説明する。
図1は、本実施形態の窒化物半導体基板100の概略断面図である。図1に示すように、本実施形態の窒化物半導体基板100は、例えば、シリコン基板110と、シリコン基板110上に積層された窒化物半導体層120と、を有している。
シリコン基板110は、窒化物半導体層120をヘテロエピタキシャル成長させるための下地基板である。シリコン基板110としては、例えば、直径が150mm以上の大口径のものを使用することができる。また、シリコン基板110としては、例えば、ホウ素がドープされたp型のものを用いることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の反りを制御しやすくなる。なお、シリコン基板110の厚さは、窒化物半導体基板100の用途に応じて任意に設計することができる。また、シリコン基板110の比抵抗は、例えば、0.02Ω・cm以上200Ω・cm以下である。
窒化物半導体層120は、例えば、図1に示すように、シリコン基板110側から順に、反応抑制層130と、中間層140と、第1層としての応力発生層150と、第2層としての高抵抗層160と、第3層としての低抵抗層170と、バリア層180と、を備えている。
反応抑制層130は、例えば、シリコン基板110上に形成され、AlN(窒化アルミニウム)を含む層(好ましくはAlNで構成される層)である。反応抑制層130は、シリコン基板110と中間層140との間に介在することで、シリコン基板110に含まれるシリコン(Si)と中間層140に含まれるガリウム(Ga)との反応(合金化)を抑制する。なお、反応抑制層130を構成する材料として、AlGa1−xN(0.9≦x≦1)を用いてもよい。また、反応抑制層130とシリコン基板110との間にSiN(1≦y≦2)からなる層を挟んでもよい。反応抑制層130は、反応抑制層130よりも上方に成長される窒化物半導体層120の初期核を形成する働きも有する。反応抑制層130の厚さは、例えば、30nm以上300nm以下である。
中間層140は、例えば、反応抑制層130上に形成され、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)を含む層(III族元素としてAlおよびGaを含むAlGaNで構成された層)である。中間層140は、反応抑制層130に形成された初期核を拡大し、反応抑制層130の上面よりも平坦な上面を有することで、中間層140の上方に成長される応力発生層150の下地面を構成する。中間層140のAl組成は、反応抑制層130のAl組成よりも小さい値に選択される。中間層140の厚さは、例えば、40nm以上1000nm以下である。中間層140は、反応抑制層130に対しコヒーレントに成長していることが好ましいが、反応抑制層130に対し完全にコヒーレント成長していることが必須ではなく、格子緩和が生じていてもよい。
応力発生層150は、組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される。応力発生層150は、例えば、中間層140上に形成され、窒化物半導体基板100全体の反りを低減するための圧縮応力を発生させる層である。AlGaN組成の異なる窒化物半導体結晶層が繰り返し積層されることにより、応力発生層150において上方に形成される層に圧縮応力を発生させることができ、窒化物半導体基板100全体での反りを低減させることができる。
応力発生層150は、例えば、図1に示すように、AlGaN組成の異なる第1の窒化物半導体結晶層151および第2の窒化物半導体結晶層152が交互に積層された多重結晶層153が繰り返し積層された歪超格子(Strained−Layer Superlattice、SLS)構造を有する。第1の窒化物半導体結晶層151は、例えば、バルク結晶における格子定数がa1であるIII族窒化物結晶から形成される。第2の窒化物半導体結晶層152は、例えば、バルク結晶における格子定数が第1の窒化物半導体結晶層151の格子定数a1よりも大きなa2(a1<a2)であるIII族窒化物結晶から形成される。第1の窒化物半導体結晶層151および第2の窒化物半導体結晶層152のそれぞれのAlGaN組成は、格子定数の関係がa1<a2となれば特に限定されない。例えば、第1の窒化物半導体結晶層151のAlGaN組成は、AlGa1−pN(0.9≦p≦1)であることが好ましい。また、第2の窒化物半導体結晶層152は、格子定数a2を第1の窒化物半導体結晶層151の格子定数a1よりも大きくする観点からは第1の窒化物半導体結晶層151よりもGaの比率が高いことが好ましく、例えば、そのAlGaN組成は、AlGa1−qN(0≦q≦0.3)であることが好ましい。
応力発生層150において、第1の窒化物半導体結晶層151および第2の窒化物半導体結晶層152の各厚さと、多重結晶層153の繰り返し数とは、特に限定されず、窒化物半導体基板100の用途に応じて適宜変更するとよい。例えば、第1の窒化物半導体結晶層151の厚さは、1nm以上20nm以下とすることが好ましく、5nm以上20nm以下とすることがより好ましい。第2の窒化物半導体結晶層152の厚さは、5nm以上300nm以下とすることが好ましく、10nm以上300nm以下とすることがより好ましい。多重結晶層153の積層数は、例えば、2以上500以下である。なお、応力発生層150の最上層は、第1の窒化物半導体結晶層151であることが好ましい。これにより、応力発生層150の最上層の表面荒れを抑制することができる。
また例えば、応力発生層150は、第1の窒化物半導体結晶層151および第2の窒化物半導体結晶層152に加え、バルク結晶における格子定数がa3(a2<a3)である第3の窒化物半導体結晶層との3層の積層構造としてもよい。また例えば、応力発生層150は、バルク結晶における格子定数が、シリコン基板110から遠ざかるに従い(上方に行くに従い)連続的またはステップ的に大きくなるグレーディッド結晶層で構成されてもよい。
高抵抗層160は、例えば、応力発生層150上に形成され、炭素を含むことで主に耐圧を確保するための層であり、その比抵抗は低抵抗層170の比抵抗より高い。高抵抗層160は、例えば、AlGa1−aN(0≦a<1)層であり、好ましくはGaN層である。その厚さは、例えば、100nm以上2000nm以下(好ましくは、300nm以上1000nm以下)である。なお、本明細書において、耐圧とは、特に断りのない限りは窒化物半導体基板100の厚さ方向の耐圧を意味する。
低抵抗層170は、例えば、高抵抗層160上に形成され、電子が走行するためのキャリア層であり、その比抵抗は高抵抗層160の比抵抗より低い。低抵抗層170は、例えば、AlGa1−bN(0≦b<1)層であり、好ましくはGaN層である。その厚さは、例えば、100nm以上1000nm以下(好ましくは、500nm以下)である。
バリア層180は、例えば、低抵抗層170上に形成され、低抵抗層170に電子を供給するための層である。バリア層180は、例えば、AlGa1−cN(0<c≦1、b<c)層であり、好ましくはAlGa1−cN(0.1<c≦0.3)層である。その厚さは、例えば10nm以上100nm以下である。
(不純物濃度プロファイル)
図2は、本実施形態の窒化物半導体基板100の炭素(C)、水素(H)および酸素(O)の不純物濃度プロファイルと、アルミニウム(Al)組成プロファイルとの一例である。具体的には、図2は、応力発生層150の一部と、高抵抗層160と、低抵抗層170の一部とにおける、深さ方向のC、HおよびOの不純物濃度プロファイルと、Al組成プロファイルとの一例である。本実施形態の不純物濃度プロファイルおよびAl組成プロファイルは、2次イオン質量分析(SIMS)により測定した。図2において、C、HおよびOの不純物濃度については、左側の軸(Concentration(Atoms/cm))の表示により、各不純物濃度を示す。Al組成については、右側の軸(Secondary ion intensity(counts/sec))の表示により、Al組成を、Al組成に対応するSIMSのカウント数として示す。なお、図2は、ノイズ的な細かい凹凸を均したプロファイルを示す。SIMSの測定条件は、以下の通りである。
イオン源:セシウムイオン(Cs
イオンエネルギ:14.5keV
深さ方向分解能:10〜20nm
測定部面積:30μmφ
本明細書において、応力発生層150と高抵抗層160との界面200と、高抵抗層160と低抵抗層170との界面210は、SIMSの測定値を用いて、それぞれ以下のように定義される。界面200は、応力発生層150の上部201における、厚さ方向の平均Al組成に対して、Al組成が50%に減少する位置(すなわち、SIMSのカウント数が50%に減少する位置)とする。界面210は、高抵抗層160から低抵抗層170にかけて、炭素濃度が1×1018cm−3に減少する位置とする。なお、応力発生層150の上部201とは、界面200から応力発生層150側に、高抵抗層160の厚さの10%から50%までの範囲を示す。また、本明細書において、界面200から上下それぞれに、高抵抗層160の厚さの10%分の厚さ以内の領域を、界面近傍202と定義する。
図2は、高抵抗層160および低抵抗層170がGaN層である場合について、不純物濃度プロファイルおよびAl組成プロファイルを示している。なお、高抵抗層160および低抵抗層170がGaN層であるとは、これらの各層160、170におけるAl組成が0.001未満であることを意味する。
高抵抗層160中の炭素濃度プロファイルを制御しやすくするために、高抵抗層160中のAl組成は一定とすることが好ましい。高抵抗層160中のAl組成が一定であるとは、例えば、高抵抗層160の厚さ方向の中心に位置し、高抵抗層160の厚さの50%分の厚さを有する部分(中心から上下それぞれに25%分の厚さの部分、以下、高抵抗層160の中央部ともいう)において、Al組成の変動量が0.001未満であることを意味する。
(炭素濃度)
図2からわかるように、本実施形態の炭素濃度プロファイルにおいて、界面近傍202に特徴的な凹みが観察される。本実施形態の窒化物半導体基板100は、このような炭素濃度プロファイルを有するため、耐圧を確保しつつ、その結晶性を向上させることができる。以下、本実施形態の炭素濃度プロファイルの詳細について説明する。
応力発生層150の平均炭素濃度は、例えば、2×1019cm−3以上8×1019cm−3以下であることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させることができる。なお、応力発生層150の平均炭素濃度は、応力発生層150の上部201における、厚さ方向に平均された炭素濃度で規定される。つまり、応力発生層150の平均炭素濃度は、応力発生層150の上部201における平均炭素濃度と言い換えることもできる。
高抵抗層160の平均炭素濃度は、例えば、1×1018cm−3以上1×1020cm−3以下であることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させることができる。なお、高抵抗層160の平均炭素濃度は、高抵抗層160の中央部における、厚さ方向に平均された炭素濃度で規定される。
低抵抗層170は、炭素を実質的に含まないことが好ましく、その平均炭素濃度は、高抵抗層160の平均炭素濃度より低い。具体的には、低抵抗層170の平均炭素濃度は、例えば、1×1018cm−3未満(より好ましくは、1×1017cm−3未満、さらに好ましくは2×1016cm−3未満)であることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の電気特性を向上させることができる。なお、低抵抗層170の平均炭素濃度は、低抵抗層170の厚さ方向の中心に位置し、低抵抗層170の厚さの50%分の厚さを有する部分(中心から上下それぞれに25%分の厚さの部分、以下、低抵抗層170の中央部ともいう)における、厚さ方向に平均された炭素濃度で規定される。
高抵抗層160の下層部分220の平均炭素濃度は、高抵抗層160の上層部分230の平均炭素濃度より低い。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。なお、高抵抗層160の下層部分220は、例えば、高抵抗層160をその半分の厚さで上下に2分割した際の下側であり、高抵抗層160の上層部分230は、その上側である。また、下層部分220の平均炭素濃度および上層部分230の平均炭素濃度は、それぞれの部分の厚さ方向の中心に位置し、それぞれの部分の厚さの50%分の厚さを有する部分(中心から上下それぞれに25%分の厚さの部分)における、厚さ方向に平均された炭素濃度で規定される。
高抵抗層160の下層部分220の平均炭素濃度は、応力発生層150の平均炭素濃度より低い。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
本実施形態の窒化物半導体基板100において、炭素濃度が応力発生層150の平均炭素濃度の70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)となる低炭素領域240が、界面近傍202に存在する。これにより、窒化物半導体基板100の結晶性を向上させることができる。なお、図2のA−A線は、応力発生層150の平均炭素濃度の70%を示す線である。
低炭素領域240における炭素濃度の極小値は、例えば、3×1018cm−3以上(より好ましくは5×1018cm−3以上、さらに好ましくは1×1019cm−3以上)3×1019cm−3以下であることが好ましい。低炭素領域240における炭素濃度の極小値が3×1018cm−3未満では、例えば、高抵抗層160の上層部分230において充分に炭素濃度を高くすることが困難となり、窒化物半導体基板100の耐圧が低下する可能性がある。これに対し、低炭素領域240における炭素濃度の極小値を3×1018cm−3以上(より好ましくは5×1018cm−3以上、さらに好ましくは1×1019cm−3以上)とすることで、例えば、高抵抗層160の上層部分230において充分に炭素濃度を高くすることが可能となり、窒化物半導体基板100の耐圧の低下を抑制することができる。一方、低炭素領域240における炭素濃度の極小値が3×1019cm−3を超えると、結晶性を向上させる効果が得られ難い。これに対し、低炭素領域240における炭素濃度の極小値を3×1019cm−3以下とすることで、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
低炭素領域240の厚さは、例えば、高抵抗層160の厚さの2%以上50%以下であることが好ましい。低炭素領域240の厚さが高抵抗層160の厚さの2%未満では、結晶性を向上させる効果が得られ難い。これに対し、低炭素領域240の厚さを高抵抗層160の厚さの2%以上とすることで、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。一方、低炭素領域240の厚さが高抵抗層160の厚さの50%を超えると、例えば、高抵抗層160の上層部分230において充分に炭素濃度を高くすることが困難となり、窒化物半導体基板100の耐圧が低下する可能性がある。これに対し、低炭素領域240の厚さを高抵抗層160の厚さの50%以下とすることで、例えば、高抵抗層160の上層部分230において充分に炭素濃度を高くすることが可能となり、窒化物半導体基板100の耐圧の低下を抑制することができる。
低炭素領域240は、応力発生層150と高抵抗層160との界面200にまたがって存在することが好ましい。すなわち、界面200が低炭素領域240内に存在することが好ましい。これにより、高抵抗層160の成長開始時から、結晶性の良好な窒化物半導体結晶を成長させることができる。
本実施形態の窒化物半導体基板100において、炭素濃度が応力発生層150の平均炭素濃度の70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)となる高炭素領域250が、高抵抗層160の上層部分230に存在する。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させることができる。
高炭素領域250における炭素濃度の極大値は、応力発生層150の平均炭素濃度と同程度であることが好ましい。具体的には、高炭素領域250における炭素濃度の極大値は、例えば、応力発生層150の平均炭素濃度の95%以上120%以下であることが好ましい。高炭素領域250における炭素濃度の極大値が応力発生層150の平均炭素濃度の95%未満では、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させる効果が得られ難い。これに対し、高炭素領域250における炭素濃度の極大値を応力発生層150の平均炭素濃度の95%以上とすることで、窒化物半導体基板100の耐圧をさらに向上させることができる。一方、高炭素領域250における炭素濃度の極大値が応力発生層150の平均炭素濃度の120%を超えると、高抵抗層160と応力発生層150とのキャリア密度差が大きくなるため、窒化物半導体基板100の電気特性が低下する可能性がある。これに対し、高炭素領域250における炭素濃度の極大値を応力発生層150の平均炭素濃度の120%以下とすることで、高抵抗層160と応力発生層150とのキャリア密度差が小さくなるため、窒化物半導体基板100の電気特性を安定化することができる。
(水素濃度)
図2からわかるように、本実施形態の高抵抗層160の不純物濃度プロファイルにおいて、炭素濃度はその値が大きく変化しているのに対して、水素濃度はその変動量が小さい。本実施形態の窒化物半導体基板100は、このような水素濃度プロファイルを有するため、トラップとして働く欠陥の密度変動を抑制することができる。以下、本実施形態の水素濃度プロファイルの詳細について説明する。
高抵抗層160の平均水素濃度は、例えば、応力発生層150の平均水素濃度の15%以上100%以下である。なお、高抵抗層160の平均水素濃度は、高抵抗層160の中央部における、厚さ方向に平均された水素濃度で規定される。また、応力発生層150の平均水素濃度は、応力発生層150の上部201における、厚さ方向に平均された水素濃度で規定される。高抵抗層160の平均水素濃度が、応力発生層150の平均水素濃度の15%未満では、応力発生層150と高抵抗層160との間における、トラップとして働く欠陥の密度変動が大きくなり、窒化物半導体基板100の電気特性が低下する可能性がある。これに対し、高抵抗層160の平均水素濃度を、応力発生層150の平均水素濃度の15%以上とすることで、応力発生層150と高抵抗層160との間における、トラップとして働く欠陥の密度変動を抑制することができる。一方、高抵抗層160の平均水素濃度が、応力発生層150の平均水素濃度の100%を超えると、例えば、高抵抗層160より水素濃度が低い低抵抗層170に水素が拡散することで、窒化物半導体基板100の電気特性が低下する可能性がある。これに対し、高抵抗層160の平均水素濃度を、応力発生層150の平均水素濃度の100%以下とすることで、水素の拡散を低減し、窒化物半導体基板100の電気特性を安定化することができる。
応力発生層150の平均水素濃度は、例えば、1×1018cm−3以上6×1018cm−3であり、高抵抗層160の平均水素濃度を上述の範囲(応力発生層150の平均水素濃度の15%以上100%以下)とする観点からは、高抵抗層160の平均水素濃度は、例えば、4×1017cm−3以上1×1018cm−3以下であることが好ましい。
本実施形態の窒化物半導体基板100は、高抵抗層160の水素濃度がほぼ一定の値となっている。具体的には、高抵抗層160の水素濃度の変動量は、例えば、±20%以下である。本明細書において、高抵抗層160の水素濃度の変動量とは、高抵抗層160の中央部における、高抵抗層160の平均水素濃度に対する水素濃度の変動の割合を意味する。高抵抗層160中の厚さ方向における水素濃度の変動量を小さくすることで、トラップとして働く欠陥の厚さ方向における密度変動を抑制することができる。このような窒化物半導体基板100を用いて半導体デバイスを製造した場合、その寿命および性能を向上させることができる。
(酸素濃度)
図2からわかるように、本実施形態の高抵抗層160の不純物濃度プロファイルにおいて、炭素濃度はその値が大きく変化しているのに対して、酸素濃度はその変動量が小さい。本実施形態の窒化物半導体基板100は、このような酸素濃度プロファイルを有するため、電気特性を安定化することができる。以下、本実施形態の水素濃度プロファイルの詳細について説明する。
高抵抗層160の平均酸素濃度は、例えば、1×1016cm−3未満である。なお、高抵抗層160の平均酸素濃度は、例えば、高抵抗層160の中央部における、厚さ方向に平均された酸素濃度で規定される。高抵抗層160中で酸素はドナーとして働くため、高抵抗層160の平均酸素濃度が1×1016cm−3以上では、窒化物半導体基板100の耐圧が低下する可能性がある。これに対し、高抵抗層160の平均酸素濃度を1×1016cm−3未満とすることで、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させることができる。なお、高抵抗層160の平均酸素濃度の下限は、特に限定されないが、1×1015cm−3以上であることが例示される。
本実施形態の窒化物半導体基板100は、高抵抗層160の酸素濃度がほぼ一定の値となっている。具体的には、高抵抗層160の酸素濃度の変動量は、例えば、±50%以下である。本明細書において、高抵抗層160の酸素濃度の変動量とは、高抵抗層160の中央部における、高抵抗層160の平均酸素濃度に対する酸素濃度の変動の割合を意味する。高抵抗層160中の厚さ方向における酸素濃度の変動量を小さくすることで、窒化物半導体基板100の電気特性を安定化することができる。
(2)窒化物半導体基板100の製造方法
次に、本実施形態の窒化物半導体基板100の製造方法について説明する。
(結晶成長装置300)
図3は、窒化物半導体基板100の製造方法に用いられる結晶成長装置300の概略構成図である。図3に示すように、結晶成長装置300は、反応炉310と、制御部370とを備えている。反応炉310内には、シリコン基板110を載置するためのサセプタ320が配置されている。サセプタ320の上方には、サセプタ320の上面と相互に間隔をあけて対向するように、石英(酸化シリコン)からなる天板342が支持固定されている。
サセプタ320と天板342との間に区画形成される空間350は、III族原料ガスGa1、V族原料ガスGa2およびキャリアガスGb1が供給される流路となる。III族原料ガスGa1とともに供給されるキャリアガスと、V族原料ガスGa2とともに供給されるキャリアガスと、をまとめて、キャリアガスGb1と表す。天板342のサセプタ320と反対側に配置される、天板342と反応炉310の内壁との間の空間351は、天板342を冷却する冷却ガスGb2が供給される流路となる。ガスGa1、Ga2、Gb1およびGb2のそれぞれの流量および組成は、制御部370に制御される流量調整機構(図示せず)により調整される。図3では、紙面の左から右へガスGa1、Ga2、Gb1およびGb2が流れる。
サセプタ320上に石英からなるサセプタカバー341が載置される。サセプタカバー341は、サセプタ320が原料ガスにより汚染されないようにサセプタ320を被覆保護する機能等を有する。サセプタカバー341には、開口部331が設けられており、開口部331内に、シリコン基板110が載置される。図3は、シリコン基板110が、回転機構330を介して載置される態様を例示する。回転機構330により、シリコン基板110を回転させながら、シリコン基板110上に、窒化物半導体層120を構成する各層を成長させることができる。
サセプタ320には、外周側ヒータ361と内周側ヒータ362とが設けられている。外周側ヒータ361により、サセプタ320上に載置されたサセプタカバー341を加熱することができる。内周側ヒータ362により、サセプタ320上に回転機構330を介して載置されたシリコン基板110を加熱することができる。外周側ヒータ361および内周側ヒータ362のそれぞれは、所定のタイミングで所定の成長温度となるように、制御部370により制御される。
図4は、本実施形態の窒化物半導体基板100の製造方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の窒化物半導体基板100の製造方法は、例えば、基板準備工程S101と、反応抑制層形成工程S102と、中間層形成工程S103と、応力発生層形成工程S104と、表面改質工程S105と、高抵抗層形成工程S106と、低抵抗層形成工程S107と、バリア層形成工程S108と、を有する。
(基板準備工程S101)
まず、基板準備工程S101では、シリコン基板110を準備する。シリコン基板110は、反応炉310内(開口部331内)に載置する。
(反応抑制層形成工程S102)
シリコン基板110を反応炉310内に載置したら、シリコン基板110上に、例えば、MOCVD法によりAlGaN(好ましくはAlN)を成長させることで反応抑制層130を形成する。III族原料ガスGa1のうちGa原料ガスとしては、例えば、トリメチルガリウム(Ga(CH、TMG)ガスおよびトリエチルガリウム(Ga(C、TEG)ガスの少なくとも一方を用いることができる。III族原料ガスGa1のうちAl原料ガスとしては、例えば、トリメチルアルミニウム(Al(CH、TMA)ガスを用いることができる。V族原料ガスGa2である窒素(N)原料ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)ガスを用いることができる。キャリアガスGb1としては、例えば、窒素(N)ガスおよび水素(H)ガスの少なくとも一方を用いることができる。冷却ガスGb2としては、例えば、NガスおよびHガスの少なくとも一方を用いることができる。なお、以降の工程においても、ガスGa1、Ga2、Gb1およびGb2としては、上述した各種ガスを用いることができる。
反応抑制層形成工程S102における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、III族原料ガスGa1に対するV族原料ガスGa2の流量比であるV/III比は、例えば、10以上10000以下の範囲で選択可能である。
(中間層形成工程S103)
反応抑制層130を形成したら、反応抑制層130上に、例えば、MOCVD法によりAlGaNを成長させることで中間層140を形成する。
中間層形成工程S103における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、V/III比は、例えば、10以上10000以下の範囲で選択可能である。
(応力発生層形成工程S104)
中間層140を形成したら、中間層140上に、例えば、MOCVD法により、第1の窒化物半導体結晶層151としてのAlNと、第2の窒化物半導体結晶層152としてのAlGaNを交互に積層させることで応力発生層150を形成する。第1の窒化物半導体結晶層151を形成する際は、例えば、III族原料ガスGa1としてTMAガスを空間350に供給し、第2の窒化物半導体結晶層152を形成する際は、例えば、III族原料ガスGa1としてTMAガスおよびTMGガスを空間350に供給する。
応力発生層形成工程S104における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、V/III比は、例えば、10以上10000以下の範囲で選択可能である。
図5は、応力発生層形成工程S104、表面改質工程S105および高抵抗層形成工程S106における成長条件の制御の一例を概念的に示すタイミングチャートである。図5の上のタイミングチャートは、各工程におけるIII族原料ガスGa1(TMAガス、TMGガス、TEGガス)、V族原料ガスGa2(NHガス)およびキャリアガスGb1(Hガス、Nガス)の供給量の増減を示す。図5の下のタイミングチャートは、各工程における外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度を示す。なお、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度は、応力発生層形成工程S104および高抵抗層形成工程S106においては、成長温度と言い換えることもできる。
図5に示すように、応力発生層形成工程S104では、例えば、TMGガスの供給量を増加させるタイミング、すなわち、第2の窒化物半導体結晶層152を形成するタイミングで、V族原料ガスGa2(NHガス)の供給量を増加させることが好ましい。これにより、第2の窒化物半導体結晶層152の結晶性を向上させることができる。第2の窒化物半導体結晶層152の結晶性を向上させることで、トラップとして働く欠陥が低減されるため、応力発生層150の水素濃度を低くすることができる。その結果、応力発生層150と高抵抗層160との水素濃度差が小さくなり、トラップとして働く欠陥の層間における密度変動を抑制することができる。
図5に示すように、応力発生層形成工程S104では、応力発生層150の最上層(例えば、第1の窒化物半導体結晶層151)を形成するタイミングで、V族原料ガスGa2(NHガス)の供給量を増加させることが好ましい。これにより、界面近傍202(特に、応力発生層150側)の炭素濃度を低くすることができる。また、低炭素領域240を、界面200にまたがって存在させることができる。その結果、高抵抗層160の成長開始時から、結晶性の良好な窒化物半導体結晶を成長させることができる。
(表面改質工程S105)
応力発生層150を形成したら、シリコン基板110と、表面改質工程S105を行う前(応力発生層形成工程S104を行った後)までに形成された窒化物半導体層120とを、NHガス雰囲気中で一定時間保持することで応力発生層150の表面を改質する。これにより、応力発生層150の表面が再配置され、表面を平坦化することができる。また、応力発生層150の表面から炭素を脱離させ、界面近傍202の炭素濃度を低くすることができる。すなわち、低炭素領域240を界面近傍202に存在させることが可能となる。その結果、後述する高抵抗層形成工程S106において、結晶性の良好な窒化物半導体結晶を成長させることができる。
図5に示すように、表面改質工程S105では、応力発生層形成工程S104において、応力発生層150の最上層を形成した際のV族原料ガスGa2(NHガス)の供給量を保つことが好ましい。すなわち、NHガスの供給量を増加させたまま表面改質工程S105を行うことが好ましい。これにより、応力発生層150の表面の改質を速やかに行うことができる。なお、表面改質工程S105では、NHガスの供給量をさらに増加させてもよい。
図5に示すように、表面改質工程S105では、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度を、応力発生層形成工程S104における成長温度より高くすることが好ましい。具体的には、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度は、例えば、1000℃以上1300℃以下とすることが好ましい。外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度が1000℃未満では、応力発生層150の表面の改質が進み難い可能性がある。これに対し、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度を1000℃以上とすることで、応力発生層150の表面の改質を速やかに行うことができる。一方、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度が1300℃を超えると、応力発生層150の表面のエッチングが進行し、応力発生層150が分解されてしまう可能性がある。これに対し、外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度を1300℃以下とすることで、応力発生層150の分解を抑制することができる。
表面改質工程S105を行う時間は、例えば、1分以上10分以下とすることが好ましい。表面改質工程S105を行う時間が1分未満では、応力発生層150の表面の改質が充分に行われない可能性がある。これに対し、表面改質工程S105を行う時間を1分以上とすることで、応力発生層150の表面の改質を充分に行うことができる。一方、表面改質工程S105を行う時間が10分を超えると、応力発生層150の表面のエッチングが進行し、応力発生層150が分解されてしまう可能性がある。これに対し、表面改質工程S105を行う時間を10分以下とすることで、応力発生層150の分解を抑制することができる。また、シリコン基板110へのダメージを抑制することができる。
(高抵抗層形成工程S106)
応力発生層150の表面を改質したら、応力発生層150上に、例えば、MOCVD法によりAlGaN(好ましくはGaN)を成長させることで高抵抗層160を形成する。表面改質工程S105にて応力発生層150の表面を改質しているため、高抵抗層形成工程S106では、結晶性の良好な窒化物半導体結晶を成長させることができる。
高抵抗層形成工程S106における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、V/III比は、例えば、10以上10000以下の範囲で選択可能である。
図5に示すように、高抵抗層形成工程S106では、V族原料ガスGa2(NHガス)の供給量を、表面改質工程S105におけるNHガスの供給量よりも減少させる。好ましくは、高抵抗層形成工程S106では、NHガスの供給量を、応力発生層形成工程S104におけるNHガスの供給量よりも減少させる。NHガスの供給量を減少させることで、結晶の表面が次第に荒れて炭素の取り込み量が増加するため、表面改質工程S105にて一度低くした炭素濃度を、結晶成長に伴って再び高くすることができる。つまり、本実施形態では、表面モフォロジーの制御によって、炭素の取り込み量を増加させ、炭素濃度を高くすることができる。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧を確保しつつ、その結晶性を向上させることができる。
図5に示すように、高抵抗層形成工程S106では、成長温度を、表面改質工程S105における外周側ヒータ361および内周側ヒータ362の制御温度より低くすることが好ましく、応力発生層形成工程S104における成長温度と同程度にすることがより好ましい。これにより、結晶成長に伴って炭素濃度を高くすることができる。その結果、高炭素領域250を高抵抗層160の上層部分230に存在させることが可能となる。なお、本明細書において、成長温度が同程度とは、例えば、温度差が±20℃以下(好ましくは±10℃以下、より好ましくは±5℃以下)であることを意味する。
図5に示すように、高抵抗層形成工程S106の開始時(高抵抗層160の成長開始時)では、Ga原料ガスとしてTEGガスを用い、結晶成長に伴ってTEGガスの供給量を次第に減少させ、TMGガスの供給量を次第に増加させることが好ましい。なお、III族原料ガスGa1の供給量全体としては、一定とすることができる。温度、圧力等の成長条件にもよるが、多くの場合TEGガスは、TMGガスに比べて原料ガス中の炭素が結晶中に取り込まれ難い。したがって、高抵抗層160の成長開始時にTEGガスを用いることで、界面近傍202の炭素濃度を低くすることができる。また、その後にTEGガスの供給量を減少させ、TMGガスの供給量を増加させることで、結晶成長に伴って炭素濃度を高くすることができる。その結果、高炭素領域250の炭素濃度の極大値を、応力発生層150の平均炭素濃度と同程度にすることが可能となる。
高抵抗層形成工程S106では、キャリアガスGb1としてのHガスの供給量を制御することで、高抵抗層160の水素濃度を選択的に制御してもよい。具体的には、図5に示すように、高抵抗層形成工程S106では、キャリアガスGb1として、Hガスの供給量を増加させ、Nガスの供給量を減少させることが好ましい。これにより、結晶成長装置300内の全圧を保ちつつ、高抵抗層160の水素濃度を選択的に高くすることができる。通常、高抵抗層160は、応力発生層150に比べて水素濃度が低くなりやすいため、高抵抗層160の水素濃度を選択的に高くすることで、応力発生層150と高抵抗層160との水素濃度差が小さくなり、トラップとして働く欠陥の層間における密度変動を抑制することができる。
高抵抗層形成工程S106では、III族原料ガスGa1の供給量全体を増加させてもよい。これにより、結晶成長レートが大きくなるため、水素濃度および酸素濃度をそれぞれ低くすることができる。また、本実施形態では、上述のように表面モフォロジーの制御によって炭素濃度を高くしているため、炭素濃度を高くしつつ、水素濃度および酸素濃度をそれぞれ低くすることができる。
高抵抗層形成工程S106では、高抵抗層160の成長中は、V/III比を一定とすることが好ましい。すなわち、本工程では、III族原料ガスGa1の供給量全体を一定とし、かつ、V族原料ガスGa2の供給量を一定とすることが好ましい。これにより、高抵抗層形成工程S106における結晶成長レートが一定となるため、高抵抗層160中の水素濃度および酸素濃度をほぼ一定に保つことができる。
(低抵抗層形成工程S107)
高抵抗層160を形成したら、高抵抗層160上に、例えば、MOCVD法によりAlGaN(好ましくはGaN)を成長させることで低抵抗層170を形成する。低抵抗層形成工程S107では、低抵抗層170の炭素濃度が、高抵抗層160の炭素濃度より低くなるような成長条件に制御する。これにより、窒化物半導体基板100の電気特性を向上させることができる。
低抵抗層形成工程S107における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、V/III比は、例えば、10以上10000以下の範囲で選択可能である。
(バリア層形成工程S108)
低抵抗層170を形成したら、低抵抗層170上に、例えば、MOCVD法によりAlGaNを成長させることでバリア層180を形成する。
バリア層形成工程S108における成長温度は、例えば、900℃以上1260℃以下の範囲で選択可能であり、V/III比は、例えば、10以上20000以下の範囲で選択可能である。
以上の工程により、図2に示したような不純物プロファイルを有する窒化物半導体基板100が得られる。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態の窒化物半導体基板100において、高抵抗層160の下層部分220の平均炭素濃度は、高抵抗層160の上層部分230の平均炭素濃度より低い。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
(b)本実施形態の窒化物半導体基板100において、高抵抗層160の下層部分220の平均炭素濃度は、応力発生層150の平均炭素濃度より低い。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
(c)本実施形態の窒化物半導体基板100において、炭素濃度が応力発生層150の平均炭素濃度の70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)となる低炭素領域240が、界面近傍202に存在する。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
(d)本実施形態の窒化物半導体基板100において、低炭素領域240における炭素濃度の極小値は、例えば、3×1018cm−3以上(より好ましくは5×1018cm−3以上、さらに好ましくは1×1019cm−3以上)3×1019cm−3以下であることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧の低下を抑制することができる。また、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。
(e)本実施形態の窒化物半導体基板100において、低炭素領域240の厚さは、例えば、高抵抗層160の厚さの2%以上50%以下であることが好ましい。これにより、例えば、高抵抗層160の上層部分230と、低抵抗層170と、バリア層180との結晶性を向上させることができる。また、窒化物半導体基板100の耐圧の低下を抑制することができる。
(f)本実施形態の窒化物半導体基板100において、低炭素領域240は、応力発生層150と高抵抗層160との界面200にまたがって存在することが好ましい。これにより、高抵抗層160の成長開始時から、結晶性の良好な窒化物半導体結晶を成長させることができる。
(g)本実施形態の窒化物半導体基板100において、炭素濃度が応力発生層150の平均炭素濃度の70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)となる高炭素領域250が、高抵抗層160の上層部分230に存在する。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧を向上させることができる。
(h)本実施形態の窒化物半導体基板100において、高炭素領域250における炭素濃度の極大値は、例えば、応力発生層150の平均炭素濃度の95%以上120%以下であることが好ましい。これにより、窒化物半導体基板100の耐圧をさらに向上させることができる。また、高抵抗層160と応力発生層150とのキャリア密度差が小さくなるため、窒化物半導体基板100の電気特性を安定化することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、窒化物半導体層120は、シリコン基板110側から順に、反応抑制層130と、中間層140と、第1層としての応力発生層150と、第2層としての高抵抗層160と、第3層としての低抵抗層170と、バリア層180と、を備えている場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、窒化物半導体層120を構成する各層の間に本発明の効果に悪影響を及ぼさない程度の遷移層等を挿入してもよい。
また、バリア層180の上に、例えば、GaNからなるキャップ層を設けることもできる。キャップ層には、p型電気伝導を得るためにマグネシウムを添加してもよい。このようなキャップ層を設けることで、閾値電圧を正側にでき、ノーマリオフ動作が容易となる。
また、本発明は、窒化物半導体基板100を材料として形成された半導体装置の態様であってもよい。より具体的には、例えば、窒化物半導体層120上に、ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極等が設けられた高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor、HEMT)の態様であってもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
前記窒化物半導体層は、
組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低い、窒化物半導体基板が提供される。
好ましくは、前記第1層は、第1の窒化物半導体結晶層と、前記第1の窒化物半導体結晶層より格子定数が大きい第2の窒化物半導体結晶層とが交互に積層された歪超格子構造を有する。
好ましくは、前記窒化物半導体層は、前記第2層上に形成され、平均炭素濃度が前記第2層の平均炭素濃度より低い第3層をさらに備える。
(付記2)
付記1に記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の前記下層部分の平均炭素濃度は、前記第1層の平均炭素濃度より低い。
好ましくは、前記第1層の平均炭素濃度は、2×1019cm−3以上8×1019cm−3以下である。
(付記3)
付記1または付記2に記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面近傍に存在する。
(付記4)
付記3に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域における炭素濃度の極小値は、3×1018cm−3以上(好ましくは5×1018cm−3以上、より好ましくは1×1019cm−3以上)3×1019cm−3以下である。
(付記5)
付記3または付記4に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域の厚さが、前記第2層の厚さの2%以上50%以下である。
(付記6)
付記3から付記5のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面にまたがって存在する。
(付記7)
付記1から付記6のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)となる高炭素領域が、前記第2層の前記上層部分に存在する。
(付記8)
付記7に記載の窒化物半導体基板であって、
前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である。
(付記9)
本発明の他の態様によれば、
シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
前記窒化物半導体層は、
組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
前記第2層の平均水素濃度は、前記第1層の平均水素濃度の15%以上100%以下である、窒化物半導体基板が提供される。
好ましくは、前記第1層は、第1の窒化物半導体結晶層と、前記第1の窒化物半導体結晶層より格子定数が大きい第2の窒化物半導体結晶層とが交互に積層された歪超格子構造を有する。
好ましくは、前記窒化物半導体層は、前記第2層上に形成され、平均炭素濃度が前記第2層の平均炭素濃度より低い第3層をさらに備える。
好ましくは、前記第2層の平均水素濃度は、4×1017cm−3以上1×1018cm−3以下である。
(付記10)
付記9に記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の水素濃度の変動量は、±20%以下である。
(付記11)
付記9または付記10に記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低い。
(付記12)
付記9から付記11のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第1層の平均炭素濃度より低い。
好ましくは、前記第1層の平均炭素濃度は、2×1019cm−3以上8×1019cm−3以下である。
(付記13)
付記9から付記12のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面近傍に存在する。
(付記14)
付記13に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域における炭素濃度の極小値は、3×1018cm−3以上(好ましくは5×1018cm−3以上、より好ましくは1×1019cm−3以上)3×1019cm−3以下である。
(付記15)
付記13または付記14に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域の厚さが、前記第2層の厚さの2%以上50%以下である。
(付記16)
付記13から付記15のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面にまたがって存在する。
(付記17)
付記9から付記16のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)となる高炭素領域が、前記第2層の上層部分に存在する。
(付記18)
付記17に記載の窒化物半導体基板であって、
前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である。
(付記19)
本発明の他の態様によれば、
シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
前記窒化物半導体層は、
組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
前記第2層の平均酸素濃度は1×1016cm−3未満である、窒化物半導体基板が提供される。
好ましくは、前記第1層は、第1の窒化物半導体結晶層と、前記第1の窒化物半導体結晶層より格子定数が大きい第2の窒化物半導体結晶層とが交互に積層された歪超格子構造を有する。
好ましくは、前記窒化物半導体層は、前記第2層上に形成され、平均炭素濃度が前記第2層の平均炭素濃度より低い第3層をさらに備える。
好ましくは、前記第2層の平均酸素濃度は、1×1015cm−3以上である。
(付記20)
付記19に記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の酸素濃度の変動量は、±50%以下である。
(付記21)
付記19または付記20に記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低い。
好ましくは、前記第2層の平均炭素濃度は、1×1018cm−3以上1×1020cm−3以下である。
(付記22)
付記19から付記21のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第1層の平均炭素濃度より低い。
好ましくは、前記第1層の平均炭素濃度は、2×1019cm−3以上8×1019cm−3以下である。
(付記23)
付記19から付記22のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面近傍に存在する。
(付記24)
付記23に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域における炭素濃度の極小値は、3×1018cm−3以上(好ましくは5×1018cm−3以上、より好ましくは1×1019cm−3以上)3×1019cm−3以下である。
(付記25)
付記23または付記24に記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域の厚さが、前記第2層の厚さの2%以上50%以下である。
(付記26)
付記23から付記25のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
前記低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面にまたがって存在する。
(付記27)
付記19から付記26のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板であって、
炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)となる高炭素領域が、前記第2層の上層部分に存在する。
(付記28)
付記27に記載の窒化物半導体基板であって、
前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である。
100 窒化物半導体基板
110 シリコン基板
120 窒化物半導体層
130 反応抑制層
140 中間層
150 応力発生層
151 第1の窒化物半導体結晶層
152 第2の窒化物半導体結晶層
153 多重結晶層
160 高抵抗層
170 低抵抗層
180 バリア層
200 界面
201 上部
202 界面近傍
210 界面
220 下層部分
230 上層部分
240 低炭素領域
250 高炭素領域
300 結晶成長装置
310 反応炉
320 サセプタ
330 回転機構
331 開口部
341 サセプタカバー
342 天板
350 空間
351 空間
361 外周側ヒータ
362 内周側ヒータ
370 制御部
S101 基板準備工程
S102 反応抑制層形成工程
S103 中間層形成工程
S104 応力発生層形成工程
S105 表面改質工程
S106 高抵抗層形成工程
S107 低抵抗層形成工程
S108 バリア層形成工程

Claims (8)

  1. シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
    前記窒化物半導体層は、
    組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
    前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
    前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低く、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面近傍に存在し、
    前記低炭素領域における炭素濃度の極小値は、3×10 18 cm −3 以上3×10 19 cm −3 以下であり、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上となる高炭素領域が、前記第2層の前記上層部分に存在し、
    前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である、窒化物半導体基板。
  2. シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
    前記窒化物半導体層は、
    組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
    前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
    前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低く、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面にまたがって存在し、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上となる高炭素領域が、前記第2層の前記上層部分に存在し、
    前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である、窒化物半導体基板。
  3. シリコン基板上に窒化物半導体層が積層された窒化物半導体基板であって、
    前記窒化物半導体層は、
    組成の異なる複数の窒化物半導体結晶層が積層されて形成される第1層と、
    前記第1層上に形成され、炭素を含む第2層と、を備え、
    前記第2層の下層部分の平均炭素濃度は、前記第2層の上層部分の平均炭素濃度より低く、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以下となる低炭素領域が、前記第1層と前記第2層との界面にまたがって存在し、
    前記低炭素領域における炭素濃度の極小値は、3×10 18 cm −3 以上3×10 19 cm −3 以下であり、
    炭素濃度が前記第1層の平均炭素濃度の70%以上となる高炭素領域が、前記第2層の前記上層部分に存在し、
    前記高炭素領域における炭素濃度の極大値は、前記第1層の平均炭素濃度の95%以上120%以下である、窒化物半導体基板。
  4. 前記第1層の平均炭素濃度は、2×1019cm−3以上8×1019cm−3以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  5. 前記第2層の平均水素濃度は、前記第1層の平均水素濃度の15%以上100%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  6. 前記第2層の平均酸素濃度は、1×1016cm−3未満である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  7. 前記第2層の前記下層部分の平均炭素濃度は、前記第1層の平均炭素濃度より低い請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  8. 前記低炭素領域の厚さが、前記第2層の厚さの2%以上50%以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
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