JP6783867B2 - 直流電源装置、モータ駆動装置、送風機、圧縮機および空気調和機 - Google Patents

直流電源装置、モータ駆動装置、送風機、圧縮機および空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して負荷に供給する直流電源装置、当該直流電源装置を備えたモータ駆動装置、当該モータ駆動装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、当該送風機または当該圧縮機を備えた空気調和機に関する。
電源電流に含まれる高調波成分による障害を抑制するため、高調波電流を発生する電子機器に対しては、国際的な規制が設けられている。当該規制をクリアするため、コンバータにて交流(AC:Alternate Current)または直流(DC:Direct Current)でのチョッピングにより交流電源から流れ出て交流電源に戻る電流路の短絡を行って、電源電流に含まれる高調波電流を抑制する施策がとられる。
ACでのチョッピング技術による損失低減技術として、整流回路をスイッチ素子にて構成したフルブリッジコンバータに関しては、従来から、多くの技術検討が為されている。一例として、下記特許文献1では、フルブリッジ回路のスイッチング制御をロジック回路にて実現し、電源電流を一方のアームにて制御し、他方のアームでは同期整流動作をさせることで、低損失化を実現する技術が開示されている。
特開2014−099946号公報
しかしながら、特許文献1では、ロジック回路を用いて制御系を構成しているため、部品点数増加に伴う基板面積および体積が増加し、装置が大型化するという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ロジック回路を用いない制御系を構成することで、部品点数を削減し、装置を小型化可能な直流電源装置、モータ駆動装置、送風機、圧縮機および空気調和機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、交流電源から印加される交流電圧を直流電圧に変換して負荷に印加する直流電源装置である。直流電源装置は、第一のスイッチング素子と第二のスイッチング素子とが直列接続された第一のアーム、および第三のスイッチング素子と第四のスイッチング素子とが直列接続された第二のアームとを有し、第一のアームと第二のアームとが並列に接続されたブリッジ回路を備える。また、直流電源装置は、交流電源とブリッジ回路との間に設けられるリアクトル、リアクトルを介し交流電源とブリッジ回路との間に流れる電流を検出する電流検出器、交流電源の出力電圧を検出する第一の電圧検出器、負荷への印加電圧を検出する第二の電圧検出器を備える。さらに、直流電源装置は、第一の電圧検出器、電流検出器、および第二の電圧検出器の検出値に基づいて第一のスイッチング素子、第二のスイッチング、第三のスイッチング素子および第四のスイッチング素子への駆動パルスを生成する演算器を備える。演算器は、駆動パルスを生成する際に、第一のアームへの駆動パルスと第二のアームへの駆動パルスを独立して生成する。
本発明によれば、ロジック回路を用いない制御系を構成できるので、部品点数を削減し、装置を小型化することができる、という効果を奏する。
実施の形態1に係る直流電源装置の構成例を示す図 平滑コンデンサを充電するときの電流経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) 平滑コンデンサを充電するときの電流経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) リアクトルを介した交流電源の短絡経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) リアクトルを介した交流電源の短絡経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) 実施の形態1の直流電源装置における制御部の構成例を示す図 電源電圧位相算出部の動作例を示す図 第一アームパルス生成部の構成例を示すブロック図 基準PWM信号の生成手法の説明に供する図 スイッチング素子の短絡を防止するために設定されるデッドタイムの説明に供する図 第一アームパルス生成部の動作を示すフローチャート 第二アームパルス生成部の動作を示すフローチャート 制御部によってブリッジ回路が制御されたときの動作波形の一例を示す図 電源電流にリプル成分が多く含まれる場合の波形例を示す図 電源短絡のスイッチングパターンにおいて短絡経路の向きが逆転する現象の説明に供する図 平滑コンデンサを充電するスイッチングパターンにおいて電源短絡と放電動作が生起する現象の説明に供する図 図11とは異なる第一アームパルス生成部の動作を示すフローチャート 図11の制御フローによる動作と図17の制御フローによる動作との差異の説明に供する図 一般的なスイッチング素子における電流−損失特性を模式的に示す図 MOSFETの概略構造を示す模式的断面図 平滑コンデンサを充電する場合において第四のスイッチング素子をONに制御しないときの電流経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) 平滑コンデンサを充電する場合において第四のスイッチング素子をONに制御したときの電流経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) 電源短絡の動作モードおいて第四のスイッチング素子をONに制御しないときの電流経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) 電源短絡の動作モードおいて第四のスイッチング素子をONに制御したときの電流経路を示す図(電源電圧が正極性のとき) 平滑コンデンサを充電する場合において第三のスイッチング素子をONに制御しないときの電流経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) 平滑コンデンサを充電する場合において第三のスイッチング素子をONに制御したときの電流経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) 電源短絡の動作モードおいて第三のスイッチング素子をONに制御しないときの電流経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) 電源短絡の動作モードおいて第三のスイッチング素子をONに制御したときの電流経路を示す図(電源電圧が負極性のとき) キャリアの周期と電源電圧の周期とが同期しない場合の駆動パルス波形の例を示す図 図1に示した直流電源装置の制御部に外部割込み機能を付加した構成を示す図 電源電圧極性検出部の動作説明に供する図 図31を用いて説明した制御手法によって制御したときの動作波形を示す図 実施の形態2に係る直流電源装置の構成例を示す図 実施の形態2に係る直流電源装置の図33とは異なる他の構成例を示す図 実施の形態1に示した直流電源装置をモータ駆動装置に適用した例を示す図 図35に示したモータ駆動装置を空気調和機に適用した例を示す図
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る直流電源装置、当該直流電源装置を備えたモータ駆動装置、当該モータ駆動装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、当該送風機または当該圧縮機を備えた空気調和機について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る直流電源装置の構成例を示す図である。実施の形態1に係る直流電源装置100は、交流電源1から印加される交流電圧を直流電圧に変換して負荷50に印加する交流直流変換機能を有する電源装置である。図1に示すように、実施の形態1に係る直流電源装置100は、交流電源1、リアクトル2、ブリッジ回路3、平滑コンデンサ4、電源電圧検出手段である第一の電圧検出器5、電源電流検出手段である電流検出器6、母線電圧検出手段である第二の電圧検出器7、および制御手段である制御部10を備えている。
ブリッジ回路3は、第一のアーム31および第二のアーム32を備える。第一のアーム31および第二のアーム32は、並列に接続されている。第一のアーム31および第二のアーム32のそれぞれでは、二つのスイッチング素子が直列に接続されている。具体的に、第一のアーム31では、第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312とが直列に接続され、第二のアーム32では、第三のスイッチング素子321と第四のスイッチング素子322とが直列に接続されている。
なお、図1では、第一のスイッチング素子311、第二のスイッチング素子312、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322のそれぞれとしてMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)を例示しているが、MOSFETに限定されない。MOSFETは、ドレインとソースとの間で双方向に電流を流すことができるスイッチング素子であるが、ドレインに相当する第一端子とソースに相当する第二端子との間で双方向に電流を流すことができるスイッチング素子であれば、どのようなスイッチング素子でもよい。また、第一のスイッチング素子311、第二のスイッチング素子312、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322の素材としては、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、または窒化ガリウム(GaN)が例示されるが、どのような素材であってもよく、これらに限定されない。
リアクトル2は、交流電源1とブリッジ回路3との間に設けられている。交流電源1の一端は、リアクトル2を介し、第一のアーム31における第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312との接続点に接続されている。交流電源1の他端は、第三のスイッチング素子321と第四のスイッチング素子322との接続点に接続されている。
ブリッジ回路3の出力電圧は、平滑コンデンサ4の両端に印加される。平滑コンデンサ4は、ブリッジ回路3の出力電圧を平滑化する。なお、平滑コンデンサ4で平滑された電圧を「母線電圧」と呼ぶ。
制御部10は、第一の電圧検出器5、電流検出器6、および第二の電圧検出器7の検出値に基づいて、ブリッジ回路3の各スイッチング素子を駆動させる駆動パルスを生成する。第一の電圧検出器5は、交流電源1の出力電圧である電源電圧Vsを検出して制御部10に出力する。電流検出器6は、リアクトル2を介し交流電源1とブリッジ回路3との間に流れる電源電流Isを検出して制御部10に出力する。第二の電圧検出器7は、負荷50への印加電圧でもある母線電圧Vdcを検出して制御部10に出力する。
次に、実施の形態1に係る直流電源装置100の基本的な回路動作について、図1から図5の図面を参照して説明する。図2および図3のそれぞれは、平滑コンデンサ4を充電するときの電流経路を示す図である。両者の違いは、図2は電源電圧Vsの極性が正すなわち電源電圧Vsが正極性のときであり、図3は電源電圧Vsの極性が負すなわち電源電圧Vsが負極性のときである。また、図4および図5のそれぞれは、平滑コンデンサ4を充電せずに交流電源1の両端をリアクトル2を介して短絡させるとき、すなわちリアクトル2を介した交流電源1の短絡経路を示す図である。両者の違いは、図4は電源電圧Vsが正極性のときであり、図5は電源電圧Vsが負極性のときである。なお、図2および図4に示すように、交流電源1における上側の端子がプラス電位のときを電源電圧Vsの極性が正であると定義し、図3および図5に示すように、交流電源1における上側の端子がマイナス電位のときを電源電圧Vsの極性が負であると定義する。
第一のスイッチング素子311、第二のスイッチング素子312、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322をスイッチング動作させない場合、図2及び図3に示すように、電源電圧の極性に応じて平滑コンデンサ4を充電する電流が流れる。なお、このときの動作モードを「通常モード」と呼ぶ。
一方、電源電圧Vsが正極性のときに、第二のスイッチング素子312および第四のスイッチング素子322をON動作させると、図4に示すように、交流電源1、リアクトル2、第二のスイッチング素子312、第四のスイッチング素子322、交流電源1という経路で短絡経路を形成することができる。また、電源電圧極性が負のときに、第一のスイッチング素子311および第三のスイッチング素子321をON動作させると、図5に示すように、交流電源1、第三のスイッチング素子321、第一のスイッチング素子311、リアクトル2、交流電源1の経路で短絡経路を形成することができる。なお、短絡経路を形成することを「電源短絡」と呼び、電源短絡の制御を行う動作モードを「電源短絡モード」と呼ぶ。
実施の形態1に係る直流電源装置では、制御部10のスイッチング制御により、これらの動作モードを切替制御することで、電源電流Isおよび母線電圧Vdcを制御することが可能である。
図6は、実施の形態1の直流電源装置における制御部10の構成例を示す図である。図6に示すように、制御部10は、電源電流指令値制御部21、オンデューティ制御部22、電源電圧位相算出部23、第一アームパルス生成部24、および第二アームパルス生成部25を有する。制御部10は、演算手段である演算器を用いて構成される。演算器の一例は、マイクロコンピュータであるが、これ以外にも、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)といった呼び方をされる処理器または処理装置であってもよい。
電源電流指令値制御部21は、第二の電圧検出器7の出力信号である母線電圧Vdcと、予め設定された母線電圧指令値Vdc*とから、電源電流実効値指令値Is_rms*を演算する。電源電流実効値指令値Is_rms*の演算は、母線電圧Vdcと母線電圧指令値Vdc*との差分を比例積分制御することで実現する。なお、比例積分制御は一例であり、比例積分制御に代えて比例制御または比例微分積分制御を採用してもよい。
電源電圧位相算出部23は、第一の電圧検出器5により検出された電源電圧Vsを入力し、電源電圧位相推定値θsを生成すると共に、電源電圧位相推定値θsの正弦値sinθsを出力する。オンデューティ制御部22は、電源電流指令値制御部21が出力する電源電流実効値指令値Is_rms*、および電源電圧位相算出部23が出力する電源電圧位相推定値θsの正弦値sinθsにより演算された電源電流瞬時値指令値Is*と、電流検出器6により検出された電源電流Isとから、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312の基準オンデューティDTsを演算する。基準オンデューティDTsの演算は、電源電流実効値指指令値Is_rms*と電源電流Isとの差分を比例積分制御することで行う。なお、オンデューティ制御部22の制御も、比例積分制御に代えて比例制御または比例微分積分制御を採用してもよい。
図7は、電源電圧位相算出部23の動作例を示す図である。なお、図7では、制御による遅延または検出処理による遅延を考慮しない理想的な条件下での波形を示している。図7に示すように、電源電圧Vsが負極性から正極性に切り替わる点において、電源電圧位相推定値θsは360°となる。電源電圧位相算出部23は、電源電圧Vsが負極性から正極性に切り替わる点を検出し、この切り替わり点で電源電圧位相推定値θsをリセット、すなわち零に戻す。なお、マイコンの割込み機能を用いる場合には、電源電圧Vsのゼロクロスを検出する回路を、図6に追加する場合がある。何れの場合も、電源電圧Vsの位相が検出可能であれば、どのような手法を用いてもよい。
図8は、第一アームパルス生成部24の構成例を示すブロック図である。図9は、基準PWM信号Scomの生成手法の説明に供する図である。図10は、スイッチング素子の短絡を防止するために設定されるデッドタイムの説明に供する図である。
第一アームパルス生成部24は、キャリア生成部241、基準PWM信号生成部242、デッドタイム生成部243、およびパルスセレクタ部244を有する。キャリア生成部241は、基準PWM信号Scomを生成するためのキャリア(キャリア周波数)Csを生成する機能を果たす。
基準PWM信号生成部242は、図9に示すように、基準オンデューティDTsとキャリアCsとの大小関係を比較することで、基準PWM信号Scomを生成する。図9の場合では、DTs>Csの場合はScomをON信号とし、DTs<Csの場合はScomをOFF信号とすることで、基準PWM信号Scomを生成する。なお、図9の場合では、ON信号がOFF信号よりもレベルが高い、ハイアクティブとしているが、ON信号がOFF信号よりもレベルが低い、ローアクティブとしてもよい。
デッドタイム生成部243は、基準PWM信号Scomと、基準PWM信号Scomを反転した反転信号Scom’に対してデッドタイムtdを生成する機能を果たす。基準PWM信号Scomに基づき、第一のスイッチング素子311のON状態またはOFF状態、および、第二のスイッチング素子312のON状態またはOFF状態が制御される。また、基準PWM信号Scomおよび反転信号Scom’に基づき、第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312は互いに反転した動作を行う。
ただし、スイッチング素子は、一般的にON状態からOFF状態への遷移、および、OFF状態からON状態への遷移には遅延時間が発生する。これにより、基準PWM信号Scomおよび反転信号Scom’を用いるだけでは、遅延時間中に第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312との間が短絡してしまうことになる。デッドタイムtdは、このような短絡現象を防止するために必要である。図10には、ハイアクティブの場合におけるデッドタイムtdを考慮した信号波形の一例が示されている。
図10において、S1は基準PWM信号Scomと同一の信号とされている。また、S2はS1の反転信号とされ、且つ、デッドタイムtdの分だけ、ONとなる期間の両側において短く設定されている。デッドタイムtdの期間は、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312が共にOFFとなる期間である。以下、S1を「基準PWM第一信号」と呼び、S2を「基準PWM第二信号」と呼ぶ。なお、図10に示す以外の公知の手法も知られており、何れの手法を用いても問題はない。
パルスセレクタ部244は、基準PWM第一信号S1および基準PWM第二信号S2のそれぞれを、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312のどちらに伝送するかを選択する機能を果たす。図11は、パルスセレクタ部244の動作を示すフローチャートである。
図11において、電源電圧Vsが正の場合(ステップST11,Yes)、パルスセレクタ部244は、基準PWM第一信号S1を第二のスイッチング素子312への駆動パルスとして出力する(ステップST12)。“S1→pulse_312”の表記は、この制御を意味する。また、電源電圧Vsが正の場合(ステップST11、Yes)、パルスセレクタ部244は、基準PWM第二信号S2を第一のスイッチング素子311への駆動パルスとして出力する(ステップST12)。“S2→pulse_311”の表記は、この制御を意味する。これらの制御は、図4で述べたように、電源電圧Vsが正極性のとき、第二のスイッチング素子312のスイッチング動作により短絡経路を形成することができるためであり、また、母線電圧Vdcおよび電源電流Isの制御は第二のスイッチング素子312の操作により為されるためである。
また、電源電圧Vsが負または零の場合(ステップST11,No)、パルスセレクタ部244は、基準PWM第一信号S1を第一のスイッチング素子311への駆動パルスとして出力する(ステップST13)。“S1→pulse_311”の表記は、この制御を意味する。また、電源電圧Vsが負または零の場合(ステップST11,No)、基準PWM第二信号S2を第二のスイッチング素子312への駆動パルスとして出力する(ステップST13)。“S2→pulse_312”の表記は、この制御を意味する。これらの制御は、図5で述べたように、電源電圧Vsが負極性のとき、第一のスイッチング素子311のスイッチング動作により短絡経路を形成することができるためであり、また、母線電圧Vdcおよび電源電流Isの制御は第一のスイッチング素子311の操作により為されるためである。
なお、図11のフロー場合、電源電圧Vsの極性によって基準PWM第一信号S1および基準PWM第二信号S2の出力先を切り替えているが、電源電流Isによって切り替えることも可能である。この場合の動作に関しては後述する。
また、上記のステップST11の判定処理では、電源電圧Vsが零の場合を“No”と判定しているが、“Yes”と判定してもよい。すなわち、電源電圧Vsが零の場合を“Yes”または“No”の何れで判定してもよい。
以上により、第一アームパルス生成部24は、第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311と、第二のスイッチング素子312への駆動パルスpulse_312とを生成することができる。
次に、第二アームパルス生成部25の動作に関して説明する。図12は、第二アームパルス生成部25の動作を示すフローチャートである。
図12において、電源電圧Vsが正の場合(ステップST21,Yes)、第二アームパルス生成部25は、第三のスイッチング素子321への駆動パルスpulse_321をOFFレベルの信号とし、第四のスイッチング素子322への駆動パルスpulse_322をONレベルの信号とする(ステップST22)。また、電源電圧Vsが負または零の場合、第三のスイッチング素子321の駆動パルスpulse_321をONレベルの信号とし、第四のスイッチング素子322への駆動パルスpulse_322をOFFレベルの信号とする(ステップST23)。これらの制御は、双方向に電流を流すことができるMOSFETの特性を利用した同期整流による低損失化を狙ったものである。これらの制御の詳細に関しては、後述する。
なお、上記のステップST21の判定処理では、電源電圧Vsが零の場合を“No”と判定しているが、“Yes”と判定してもよい。すなわち、電源電圧Vsが零の場合を“Yes”または“No”の何れで判定してもよい。
以上に示した図11および図12のフローによる制御により、第一のスイッチング素子311、第二のスイッチング素子312、第三のスイッチング素子321、および第四のスイッチング素子322が動作し、母線電圧Vdcと電源電流Isとが制御されることとなる。
図13は、制御部10によってブリッジ回路3が制御されたときの動作波形の一例を示す図である。図13では、横軸に時間をとり、縦軸には上段側から、電源電圧Vs、電源電流Is、キャリア及び基準オンデューティ、ならびに、駆動パルスpulse_311,pulse_312,pulse_321,pulse_322を表している。図13において特筆すべきことは、電源電流Isは、キャリアの1周期ごとに小刻みな変動を繰り返すが、小刻みな変動を繰り返す波形のピーク値または平均値は正弦波状に制御されていることである。電源電流Isにおける波形のピーク値または平均値が正弦波状に制御されていることは、電源電流Isの高調波成分が抑制されていることを意味する。
次に、制御部10の制御によるブリッジ回路3の動作のうちで、考慮を要する動作について説明する。
まず、前述の通り、第一アームパルス生成部24のパルスセレクタ部244は、電源電圧Vsの極性に応じて、基準PWM第一信号S1を第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311に出力するか、第二のスイッチング素子312への駆動パルスpulse_312に出力するかを切り替え、基準PWM第二信号S2を第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311に出力するか、第二のスイッチング素子312への駆動パルスpulse_312に出力するかを切り替えている。また同様に、第二アームパルス生成部25は、電源電圧Vsの極性に応じて、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322の何れをONに制御するかを選択している。
一方、ブリッジ回路3における、ある動作によって、電源電流Isにリプル成分が多く含まれる場合がある。図14は、電源電流Isにリプル成分が多く含まれる場合の波形例を示す図である。図14において、上段側には、下段側に示した電源電流Isの波形におけるA部の拡大波形が示されている。A部の波形を見ると、電流が小刻みに変動している。A部の波形に見られる振動成分は、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312のスイッチング周波数に依存した周波数成分である。次に、このような電源電流Isの波形が生じるときのブリッジ回路3の動作に関して、図15および図16の図面を参照して説明する。図15は、電源短絡のスイッチングパターンにおいて短絡経路の向きが逆転する現象の説明に供する図であり、図16は、平滑コンデンサ4を充電するスイッチングパターンにおいて電源短絡と放電動作が生起する現象の説明に供する図である。
電源電圧Vsが正極性であり、電源電流Isが負極性の場合に関して考えてみる。これは、リアクトル2のインダクタンス値が非常に大きい場合、または、過渡的な負荷変動により電源力率が極端に悪化する場合において生じる現象として想定される。図4で述べた通り、第二のスイッチング素子312をオンすることで短絡経路を形成することが可能となる。このスイッチングパターンの場合、図15に示すように、電源電圧Vsの極性と、電源電流Isの極性とが反転する状態においても、短絡経路が形成されてしまう場合がある。また、図2のように、平滑コンデンサ4の充電経路を形成するために第一のスイッチング素子311および第四のスイッチング素子322をON状態とした場合において、図16のように短絡経路が形成されてしまう場合がある。さらに、図16の場合、一点鎖線で示すように、平滑コンデンサ4からリアクトル2への放電経路が形成されてしまう場合がある。これにより、交流電源1に向けて放電電流が流れ、電源電流Isはさらに増加することとなる。その結果、図15のスイッチングパターンと図16のスイッチングパターンとが繰り返されることで、電源短絡と充電電荷の放電とが繰り返し実施され、電源電流Isが急成長することで、電源電流Isの高調波成分が増加することとなる。ここでは、電源電圧Vsが正極性であり、電源電流Isが負極性である場合について説明したが、電源電圧Vsが負極性であり、電源電流Isが正極性である場合においても、同様な現象が発生する可能性がある。
上記現象への対策として、電源電圧Vsおよび電源電流Isの両方の極性によりパルスセレクタ部244の動作を切り替える手法が考えられる。図17は、この手法を具現するフローチャートである。
図17において、電源電圧Vsが正であり(ステップST31,Yes)、且つ、電源電流Isが正の場合(ステップST32,Yes)、パルスセレクタ部244は、図11においてステップST12として示した処理αを実行する(ステップST34)。また、電源電圧Vsが正であり(ステップST31,Yes)、且つ、電源電流Isが負または零の場合(ステップST32,No)、パルスセレクタ部244は、図11においてステップST13として示した処理βを実行する(ステップST35)。一方、電源電圧Vsが負または零であり(ステップST31,No)、且つ、電源電流Isが負の場合(ステップST33,Yes)、パルスセレクタ部244は、処理βを実行する(ステップST36)。また、電源電圧Vsが負または零であり(ステップST31,No)、且つ、電源電流Isが正または零の場合(ステップST33,No)、パルスセレクタ部244は、処理αを実行する(ステップST37)。
上記の処理を纏めると、電源電圧Vsおよび電源電流Isの極性が共に正の場合には第一の処理である処理αを実行し、電源電圧Vsおよび電源電流Isの極性が共に負の場合には第二の処理である処理βを実行する。また、電源電圧Vsと電源電流Isの極性が異なる場合、電源電流Isが正極性であれば処理αを実行し、電源電流Isが負極性の場合には処理βを実行する。これにより、電源短絡となる経路が連続することを防止することができる。
なお、上記の処理において、電源電圧Vsと電源電流Isの極性が異なる場合、処理αも処理βも実行せずに、第一のアーム31および第二のアーム32への駆動パルスの生成を停止するようにしてもよい。この制御の場合、電源電流Isの極性に応じた制御は実施できないが、第一のアーム31および第二のアーム32への駆動パルスの生成を停止するので、電源電流Isが急成長する現象を抑止するができ、電源電流Isの高調波成分の抑制に寄与することができる。
図18は、図11の制御フローによる動作と図17の制御フローによる動作との差異の説明に供する図である。図18において、上段部には電源電圧Vsの波形を模式的に示し、中段部には電源電流Isの波形を模式的に示している。また、下段部には、図11の制御フローによる動作と図17の制御フローによる動作との差異を示している。ここで、図18の横軸は時間を表しているが、微小時間での波形を表すため、電源電圧Vsの波形は線形として近似している。また、電源電圧Vsと電源電流Isの波形における中央線との間に位相差をΔtだけ持たせている。位相差Δtは、電源電圧Vsに対して電源電流Isが遅れる関係である。
図11の制御フローによる動作の場合、電源電圧Vsの極性のみで判定しているため、電源電圧Vsの極性が正に転じた後は、処理βが継続している。処理βの部分において、電源電流Isが負極性である部分は、電源電流Isが正極性を想定したスイッチングパターンとなるため、電源短絡モードが連続することとなる。
一方、図17の制御フローによる動作の場合、電源電圧Vsの極性だけでなく、電源電流Isの極性に応じて処理αまたは処理βが適切に選択されている。すなわち、図17の制御フローによる動作の場合、電源短絡モードが連続することは無く、電源電流Isの歪みを抑制することができる。
ここまで述べたように、制御を構成する上で、スイッチング素子の駆動方法に対して詳細な制御を行う必要がある。これらの制御をアナログ回路またはロジック回路で構成した場合、制御方法が複雑であるが故に、制御装置が大型化することとなる。また、アナログ回路またはロジック回路で構成した場合、他のハードウェアによるノイズの影響を受け、誤動作するリクスがある。
これに対し、制御系を演算器を用いたソフトウェアで実装する場合には、演算器のみを用いるため、装置が大型化することはない。また、ここまでに述べた制御ロジックをソフトウェアで実装した場合には、ノイズの影響で誤動作することは極めて少なく、誤動作を防止する回路を省略できるので、システム構成を小型化することが可能となる。
ここまで制御部10におけるパルスセレクタ部244に関して説明したが、次に第二アームパルス生成部25における同期整流動作の詳細に関して説明する。図19は、一般的なスイッチング素子における電流−損失特性を模式的に示す図である。図19には、寄生ダイオードの損失特性と、スイッチング素子のオン時の損失特性とが示されている。ここで、寄生ダイオードの損失特性における損失値と、スイッチング素子の損失特性における損失値とが逆転するときの電流値を第1の電流値とする。第一の電流値よりも電流値が小さいときは、スイッチング素子の損失特性の方が小さく、この領域を「低電流領域A」とする。また、第1の電流値よりも電流値が大きいときは、寄生ダイオードの損失特性の方が小さく、この領域を「高電流領域B」とする。なお、第1の電流値は、演算器の内部に保持されるか、もしくは演算器が読み取り可能なメモリに保持される。
一般的に、スイッチング素子の寄生ダイオードは、図19に示すように、低電流領域Aでは損失が多く、スイッチング素子オン時の損失の方が小さいことが知られている。そこで、スイッチング素子の一つであるMOSFETの場合、スイッチング特性を利用した同期整流技術を用いる場合がある。ここで言うスイッチング特性とは、MOSFETのゲートにオン指令を与えたとき、ドレインからソースに向かう方向、およびソースからドレインに向かう方向の何れに対しても、ON状態となる特性、すなわちスイッチング素子の双方向に電流を流すことができる特性がある。この特性は、バイポーラトランジスタ、IGBTといったスイッチング素子では一方向しか電流を導通させることができない点と異なる特性である。この特性を利用した場合、図19に示す低電流領域Aでは、寄生ダイオードを使わず、スイッチング素子に電流を導通させることで、寄生ダイオードを用いるより高効率化を図ることができる。
次に、実施の形態1におけるスイッチング素子の動作と同期整流との関係性に関して説明する。なお、本説明の前に、MOSFETの概略の構造について、図20を参照して説明する。図20は、MOSFETの概略構造を示す模式的断面図である。図20では、n型MOSFETを例示している。
n型MOSFETの場合、図20に示すように、p型の半導体基板が用いられる。p型の半導体基板には、ソース電極(S)、ドレイン電極(D)およびゲート電極(G)が形成される。ソース電極(S)およびドレイン電極(D)と接する部位には、高濃度の不純物がイオン注入されてn型の領域が形成される。また、p型の半導体基板において、n型の領域が形成されない部位とゲート電極(G)との間には、酸化絶縁膜が形成される。すなわち、ゲート電極(G)と、半導体基板におけるp型の領域との間には、酸化絶縁膜が介している。
ゲート電極(G)に正電圧が印加されると、半導体基板におけるp型の領域と酸化絶縁膜との間の境界面に電子が引き寄せられ、負に帯電する。電子が集まった所は、電子の密度がホールよりも多くなりn型化する。このn型化した部分は電流の通り道となりチャネル(図20の例ではn型チャネル)と呼ばれる。
同期整流を行う場合、MOSFETをONに制御するので、通流する電流は、寄生ダイオード側よりもチャネル側の方に多く流れるようになる。
次に、具体的な同期整流の動作について説明する。まず、電源電圧Vsの極性が正の場合について説明する。図21は、平滑コンデンサ4を充電する場合において第四のスイッチング素子322をONに制御しないときの電流経路を示す図であり、図22は、平滑コンデンサ4を充電する場合において第四のスイッチング素子322をONに制御したときの電流経路を示す図である。
図21のように第四のスイッチング素子322がOFF状態の場合、充電電流は第四のスイッチング素子322の寄生ダイオード側を流れることになる。一方、第四のスイッチング素子322をONに制御した場合、充電電流は、図22のように第四のスイッチング素子322のチャネル側を流れることになる。初期充電を除き、充電電流はあまり大きくならない。このため、第四のスイッチング素子322をONに制御してチャネル側に電流を流す図22の方が、寄生ダイオードに電流を流す図21よりも低損失となる。
また、図23は、電源短絡の動作モードおいて第四のスイッチング素子322をONに制御しないときの電流経路を示す図であり、図24は、電源短絡の動作モードおいて第四のスイッチング素子322をONに制御したときの電流経路を示す図である。なお、図23および図24の何れも電源電圧の極性は正である。
図23のように第四のスイッチング素子322がOFF状態の場合、短絡電流は第四のスイッチング素子322の寄生ダイオード側を流れることになる。一方、図24のように第四のスイッチング素子322をONに制御した場合、短絡電流は、図22と同様に第四のスイッチング素子322のチャネル側を流れることになる。短絡経路にはリアクトル2があるため、短絡電流の大きさはリアクトル2によって抑えられる。このため、第四のスイッチング素子322をONに制御してチャネル側に電流を流す図24の方が、寄生ダイオードに電流を流す図23よりも低損失となる。
次に、電源電圧Vsの極性が負の場合について説明する。図25は、平滑コンデンサ4を充電する場合において第三のスイッチング素子321をONに制御しないときの電流経路を示す図であり、図26は、平滑コンデンサ4を充電する場合において第三のスイッチング素子321をONに制御したときの電流経路を示す図である。
図25のように第三のスイッチング素子321がOFF状態の場合、充電電流は第三のスイッチング素子321の寄生ダイオード側を流れることになる。一方、第三のスイッチング素子321をONに制御した場合、充電電流は、図26のように第三のスイッチング素子321のチャネル側を流れることになる。ただし、初期充電を除き、充電電流はあまり大きくならない。このため、第三のスイッチング素子321をONに制御してチャネル側に電流を流す図26の方が、寄生ダイオードに電流を流す図25よりも低損失となる。
また、図27は、電源短絡の動作モードおいて第三のスイッチング素子321をONに制御しないときの電流経路を示す図であり、図28は、電源短絡の動作モードおいて第三のスイッチング素子321をONに制御したときの電流経路を示す図である。なお、図27および図28の何れも電源電圧の極性は負である。
図27のように第三のスイッチング素子321がOFF状態の場合、短絡電流は第三のスイッチング素子321の寄生ダイオード側を流れることになる。一方、図28のように第三のスイッチング素子321をONに制御した場合、短絡電流は、図26と同様に第三のスイッチング素子321のチャネル側を流れることになる。短絡経路にはリアクトル2があるため、短絡電流の大きさはリアクトル2によって抑えられる。このため、第三のスイッチング素子321をONに制御してチャネル側に電流を流す図28の方が、寄生ダイオードに電流を流す図27よりも低損失となる。
以上による同期整流技術により低損失化を図ることが可能となる。この同期整流技術は、ここまでに説明した制御部10の機能により実現することができる。
なお、図19に示すように、高電流領域Bの場合、スイッチング素子のON時の損失特性に対して、寄生ダイオードの損失の方が小さくなる。従って、高電流領域Bの場合、第二のアーム32のスイッチング動作を停止した方が低損失になる。このため、第二のアーム32の第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322に流れる電流の大きさに応じてスイッチング制御の制御方式を切り替えることが好ましい実施態様となる。なお、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322に流れる電流値は、電流検出器6の検出値を使用すれば、制御部10の演算器によって算出可能である。
このような処理を実現する場合においても、制御部10に演算器を用いたソフトウェア実装を行った方が、機能を集約することができ、装置全体を小型化することができる。
また、制御部10をハードウェアを用いて構成した場合、他のハードウェアによってノイズの影響を受け、誤動作するリスクがある。例えば、同期整流の際、ONすべきスイッチング素子が、ノイズの影響によってOFF状態となってしまった場合を考える。この場合、上記で説明したようにスイッチング素子での損失が増加し、スイッチング素子での発熱量が増加する。また、スイッチング素子のON状態およびOFF状態が連続して変化した場合、スイッチング素子の導通損だけでなくスイッチング損失が発生するため、スイッチング素子での発熱量がさらに増加する。スイッチング素子の発熱量の増加によって、スイッチング素子の破壊のリスクが高まる。これに対し、制御系を演算器を用いたソフトウェアで実装する場合には、ノイズの影響で誤動作することは極めて少ない。このため、制御系を演算器を用いて構成することは、スイッチング素子の破壊のリスクを低減させる効果がある。
上記の説明から理解できるように、第一のアーム31は、平滑コンデンサ4の充電電圧の昇圧と、電源電流Isの高調波成分抑制に寄与する。また、第二のアーム32は、同期整流による低損失化に寄与する。第一のアーム31は、キャリア周波数に依存した周期でスイッチング制御するのに対して、第二のアーム32は、電源電圧Vsもしくは電源電流Isの周期に依存するため、50〜60Hz周辺でスイッチング制御することとなる。従って、演算器で制御を実現する場合、第一のアーム31に対する制御と、第二のアーム32に対する制御とは、それぞれ独立した演算器の機能を用いることが望ましい。
前述した図13では、電源電圧Vs、電源電流Is、キャリアの各波形、および、各スイッチング素子への駆動パルスの波形を示している。図13を参照すると、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312に比して、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322の方が低周波駆動であることが分かる。従って、制御部10を演算器を用いて構成する場合、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312の制御は、タイマを用いた制御系で実装し、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322の制御は、汎用出力ポートまたは外部割込み機能といった当該タイマと異なる機能を用いて実装する。これにより、演算器の少ないリソースを使用することができ、より安価な演算器で実現することができる。
また、第一のアーム31のスイッチング速度を決めるキャリアの周期と、電源電圧Vsおよび電源電流Isの各周期が必ずしも同期するとは限らない。図29は、キャリアの周期と電源電圧Vsの周期とが同期しない場合の駆動パルス波形の例を示す図である。なお、図29でも、図18と同様に、微小時間での波形を表すため、電源電圧Vsは線形近似した波形で表している。図29の例によれば、第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311および第二のスイッチング素子312への駆動パルスpulse_312は、キャリアに基づいて生成され、また、第三のスイッチング素子321への駆動パルスpulse_321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスpulse_322も、キャリアに同期して生成されている。
ロジック回路を用いた一般的なPWM制御の観点によれば、スイッチング素子の駆動パルスの更新は、キャリアの山か、もしくはキャリアの谷でしか変更することができないというのが普通の考え方である。現に、図29の例では、キャリアの山および谷でデューティ指令値を更新している。そのため、図29のΔtの区間では、実際の電源電圧が正極性となっているのに対して、制御系は電源電圧Vsが負極性の場合の制御を行ってしまい、制御性が悪化してしまう。これは、各スイッチング素子への駆動パルスの生成タイミングと、電源電圧Vsに対する駆動パルスの生成タイミングとが、キャリアの分解能により決定されてしまい、電源電圧Vsのゼロクロス点との間で遅延時間が発生していることに起因する。従って、演算器を用いた場合には、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312への駆動パルスの生成と、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスの生成とは、それぞれに独立した演算機能を用いた方が望ましいと言うことができる。これにより、演算器を用いた場合には、第一のアーム31のデューティ指令値の更新は、キャリアの山、もしくはキャリアの谷以外のキャリア周波数(スイッチング周波数)に依存した周期タイミングであっても変更できる。
図30は、図1に示した直流電源装置の制御部10に外部割込み機能を付加した構成を示す図である。すなわち、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312への駆動パルスの生成、および第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスの生成のそれぞれを独立した演算機能を用いて構成した例である。
図30の構成では、電源電圧Vsを検出する第一の電圧検出器5と制御部10との間に電源電圧極性検出部20が設けられている。電源電圧極性検出部20は、電源電圧Vsの極性を検出し、検出した極性を表す電源電圧極性信号pulse_Vsを生成して制御部10の外部割込みポート10aへ出力する。
図31は、電源電圧極性検出部20の動作説明に供する図である。図31において、上段部には電源電圧Vsの波形を示し、中段部には制御部10の外部割込みポート10aに入力される電源電圧極性信号pulse_Vsを示し、下段部には制御部10の内部で使用される制御演算のトリガ信号を示している。電源電圧Vsの極性が正の場合、電源電圧極性信号pulse_VsはHighレベルとなり、電源電圧Vsの極性が負の場合、電源電圧極性信号pulse_VsはLowレベルとなっている。ただし、これらの信号極性はあくまで一例であり、逆転していても構わない。また、電源電圧極性信号pulse_Vsは制御部10に対する外部割込み信号であり、電源電圧Vsの極性の変化を表す信号であれば、どのような信号形式でもよい。制御部10は、電源電圧極性信号pulse_Vsのエッジに反応して、トリガ信号を生成する。制御部10は、トリガ信号が生成されると、第二のアーム32の第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスを生成する。
図32は、図31を用いて説明した制御手法によって制御したときの動作波形を示す図である。図32において、上段部には、電源電圧Vsの波形を示し、中段部にはキャリアの波形を示し、下段部には4つのスイッチング素子への駆動パルスpulse_311,pulse_312,pulse_321,pulse_322、および電源電圧極性信号pulse_Vsを示している。なお、図32でも、図18および図29と同様に、微小時間での波形を表すため、電源電圧Vsは線形近似した波形で表している。
図32において、第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311および第二のスイッチング素子312への駆動パルスpulse_312は、キャリアに基づいて生成される。一方、第三のスイッチング素子321への駆動パルスpulse_321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスpulse_322は、キャリアには同期せず、電源電圧極性信号pulse_Vsに基づいて生成される。これにより、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322の駆動状態は、キャリア(スイッチング)周波数以外の周波数に依存し、第一のスイッチング素子311への駆動パルスpulse_311および第二のスイッチング素子312の制御状態に依存しない。図29の場合では、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスpulse_322の切り替わりが電源電圧Vsのゼロクロスに対してΔtだけ遅延が生じていたが、図32の場合では、遅延は生じていない。遅延が生じない理由は、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322に対する制御が、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312に対する制御に依存しないからである。
なお、図32では、電源電圧極性信号pulse_Vsに応じた外部割込みを演算器における最優先処理としているが、電源高調波抑制制御に重点を置く場合には、第一のアーム31の第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312の制御を行うための搬送波割込みを最優先処理とすることも可能である。いずれにしても、演算器を用いることで柔軟な対応を行うことができる。
以上説明したように、実施の形態1では、第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312への駆動パルスの生成と、第三のスイッチング素子321および第四のスイッチング素子322への駆動パルスの生成とを、それぞれに独立した演算機能を用いることとしたので、制御性の改善効果および損失低減の効果を創出することができる。なお、ここまでに説明した制御構成はあくまでも一例であり、駆動パルスの生成に関して演算機能の独立性があれば、何れの手法で実現してもよい。また第一のアームにおけるデューティ指令値の更新はキャリア2周期に1回等の間引きを行った場合においても問題ない。
実施の形態2.
図33は、実施の形態2に係る直流電源装置の構成例を示す図である。実施の形態1,2では、ブリッジ回路3を構成する第一のアーム31を上下アームの一対のスイッチング素子からなる一つの素子対を用いて構成していたが、素子対の数を複数にしてもよい。図33では、第1のアーム31を二つの素子対を用いて構成している。具体的に説明すると、第1のアーム31は、直列接続された第一のスイッチング素子311および第二のスイッチング素子312に加え、直列接続された第五のスイッチング素子313および第六のスイッチング素子314を備える。さらに、第一のスイッチング素子311と第五のスイッチング素子313とは並列に接続され、第二のスイッチング素子312と第六のスイッチング素子314とは並列に接続されて構成されている。
二つのスイッチング素子対が並列に接続された第一のアーム31を駆動する際には、上アームを構成する二つのスイッチング素子のそれぞれを同時に駆動し、また、下アームを構成する二つのスイッチング素子のそれぞれを同時に駆動する。図33の構成であれば、第一のスイッチング素子311と第五のスイッチング素子313のそれぞれを同時に駆動し、第二のスイッチング素子312と第六のスイッチング素子314のそれぞれを同時に駆動する。なお、並列に接続された二つのスイッチング素子のそれぞれを同時に駆動することを「並列駆動」と呼ぶ。
並列に接続された二つのスイッチング素子を並列駆動することにより、二つのスイッチング素子に流れる電流は、一つのときの二分の一となる。図19の特性から明らかなように、電流が小さくなれば、スイッチング素子の損失は小さくなるので、第一のアーム31で発生する損失が低減され、ブリッジ回路3における第一のアーム31と第二のアーム32との間の損失の偏りを小さくすることができ、その結果、第一のアーム31と第二のアーム32との間の発熱の偏りを小さくすることができる。
なお、図33では、二つの素子対を並列に接続する構成を例示しているが、二つに限定されるものではなく、三つ以上の素子対のそれぞれを並列接続して構成してもよい。すなわち、第五のスイッチング素子313および第六のスイッチング素子314のそれぞれは、並列接続される複数のスイッチング素子を備えていてもよい。なお、n個(nは自然数)の素子対を用いて構成した場合、一つの素子対に流れる電流はn分の1となるので、第一のアーム31における損失をさらに小さくすることができる。なお、アームごとの損失の偏りを完全に抑制する必要はなく、損失の偏りが許容される範囲において、並列に接続する素子対の数を選定すればよい。
また、上述の例では、第一のアーム31における並列接続された二つのスイッチング素子を同時に駆動することを説明したが、並列接続された二つのスイッチング素子の位相を180°ずらして制御する、いわゆるインタリーブ制御を行ってもよい。図34は、実施の形態2に係る直流電源装置の他の構成例を示す図である。
図34において、交流電源1と第一のアーム31との間には第一のリアクトル2aおよび第二のリアクトル2bが設けられている。第一のリアクトル2aは、一端が交流電源1における一方側の出力端に接続され、他端が第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312との接続点との間に接続され、第二のリアクトル2bは、一端が交流電源1における一方側の出力端に接続され、他端が第一のスイッチング素子311と第二のスイッチング素子312との接続点に接続されている。
図34のように構成された直流電源装置100では、並列接続された第一のスイッチング素子311と第五のスイッチング素子313をONにする際の位相を180°ずらして制御し、また、並列接続された第二のスイッチング素子312と第六のスイッチング素子314をONにする際の位相を180°ずらして制御することでインタリーブ駆動させることが可能である。第一のアーム31をインタリーブ駆動することにより、高周波化が容易となり、リアクトルの小型化、およびリアクトル損失の低減が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2で説明した直流電源装置は、直流電力を交流電力に変換してモータを駆動するインバータに直流電圧を供給する装置として用いることができる。
図35は、実施の形態1に示した直流電源装置をモータ駆動装置に適用した例を示す図である。図35に示す実施の形態3に係るモータ駆動装置101は、実施の形態1に係る直流電源装置100の出力側にインバータ50aが負荷として接続されている。そして、インバータ50aの出力側には、モータ50bが接続されている。インバータ50aは、直流電源装置100の出力電圧を交流電圧に変換してモータ50bに印加することでモータ50bを駆動する。なお、図35では、モータ駆動装置101を構成する直流電源装置100として、実施の形態1の直流電源装置100を適用する例を示しているが、実施の形態2に係る直流電源装置100を適用してもよい。
また、図35に示すモータ駆動装置101は、送風機、圧縮機および空気調和機といった製品に適用することが可能である。
図36は、図35に示したモータ駆動装置101を空気調和機に適用した例を示す図である。モータ駆動装置101の出力側にはモータ50bが接続されており、モータ50bは、圧縮要素54に連結されている。圧縮機55は、モータ50bと圧縮要素54を備える。冷凍サイクル部56は、四方弁56a、室内熱交換器56b、膨張弁56cおよび室外熱交換器56dを含む態様で構成されている。空気調和機の内部を循環する冷媒の流路は、圧縮要素54から、四方弁56a、室内熱交換器56b、膨張弁56c、室外熱交換器56dを経由し、再び四方弁56aを経由して、圧縮要素54へ戻る態様で構成されている。モータ駆動装置101は、交流電源1より交流電圧の供給を受け、モータ50bを回転させる。圧縮要素54は、モータ50bが回転することによって、冷媒の圧縮動作を実行し、冷媒を冷凍サイクル部56の内部で循環させる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 交流電源、2 リアクトル、2a 第一のリアクトル、2b 第二のリアクトル、3 ブリッジ回路、4 平滑コンデンサ、5 第一の電圧検出器、6 電流検出器、7 第二の電圧検出器、10 制御部、10a 外部割込みポート、20 電源電圧極性検出部、21 電源電流指令値制御部、22 オンデューティ制御部、23 電源電圧位相算出部、24 第一アームパルス生成部、25 第二アームパルス生成部、31 第一のアーム、32 第二のアーム、50 負荷、50a インバータ、50b モータ、54 圧縮要素、55 圧縮機、56 冷凍サイクル部、56a 四方弁、56b 室内熱交換器、56c 膨張弁、56d 室外熱交換器、100 直流電源装置、101 モータ駆動装置、241 キャリア生成部、242 基準PWM信号生成部、243 デッドタイム生成部、244 パルスセレクタ部、311 第一のスイッチング素子、312 第二のスイッチング素子、313 第五のスイッチング素子、314 第六のスイッチング素子、321 第三のスイッチング素子、322 第四のスイッチング素子。

Claims (14)

  1. 交流電源から印加される交流電圧を直流電圧に変換して負荷に印加する直流電源装置であって、
    第一のスイッチング素子と第二のスイッチング素子とが直列接続された第一のアームと、第三のスイッチング素子と第四のスイッチング素子とが直列接続された第二のアームとを有し、前記第一のアームと前記第二のアームとが並列に接続されたブリッジ回路と、
    前記交流電源と前記ブリッジ回路との間に設けられるリアクトルと、
    前記リアクトルを介し前記交流電源と前記ブリッジ回路との間に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記交流電源の出力電圧を検出する第一の電圧検出器と、
    前記負荷への印加電圧を検出する第二の電圧検出器と、
    前記交流電圧の極性を検出し、検出した極性を表す極性信号を生成する電源電圧極性検出部と、
    前記第一の電圧検出器、前記電流検出器、前記第二の電圧検出器、および前記電源電圧極性検出部と接続され、前記第一から第四のスイッチング素子への駆動パルスを生成する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、アナログ回路及びロジック回路を有さない演算器で構成され
    前記演算器において、前記第一のアームの制御は、タイマを用いた制御系で実装され、前記第二のアームの制御は、汎用出力ポートまたは外部割り込み機能を用いて実装される
    直流電源装置。
  2. 前記制御部は、前記第一のアームおよび前記第二のアームへの駆動パルスを生成する際に、
    前記第一の電圧検出器が検出した電圧の極性と前記電流検出器が検出した電流の極性が共に正の場合には第一の処理を実行し、
    前記電圧の極性と前記電流の極性が共に負の場合には第二の処理を実行し、
    前記電圧の極性と前記電流の極性が異なる場合、前記第一の処理および前記第二の処理の実行を停止する
    請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 交流電源から印加される交流電圧を直流電圧に変換して負荷に印加する直流電源装置であって、
    第一のスイッチング素子と第二のスイッチング素子とが直列接続された第一のアームと、第三のスイッチング素子と第四のスイッチング素子とが直列接続された第二のアームとを有し、前記第一のアームと前記第二のアームとが並列に接続されたブリッジ回路と、
    前記交流電源と前記ブリッジ回路との間に設けられるリアクトルと、
    前記リアクトルを介し前記交流電源と前記ブリッジ回路との間に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記交流電源の出力電圧を検出する第一の電圧検出器と、
    前記負荷への印加電圧を検出する第二の電圧検出器と、
    前記交流電圧の極性を検出し、検出した極性を表す極性信号を生成する電源電圧極性検出部と、
    前記第一の電圧検出器、前記電流検出器、前記第二の電圧検出器、および前記電源電圧極性検出部と接続され、前記第一から第四のスイッチング素子への駆動パルスを生成し、前記第一の電圧検出器が検出した電圧の極性、および前記電流検出器が検出した電流の極性に応じて前記第一のアームおよび前記第二のアームの駆動状態を制御する駆動パルスを出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第一のアームおよび前記第二のアームへの駆動パルスを生成する際に、
    前記電圧の極性と前記電流の極性が共に正の場合には第一の処理を実行し、
    前記電圧の極性と前記電流の極性が共に負の場合には第二の処理を実行し、
    前記電圧の極性と前記電流の極性が異なる場合、前記電流が正極性であれば前記第一の処理を実行し、前記電流が負極性の場合には前記第二の処理を実行する
    直流電源装置。
  4. 前記制御部は、
    前記電源電圧極性検出部が生成した極性信号に基づいて前記第三のスイッチング素子および前記第四のスイッチング素子への駆動パルスを生成する
    請求項1から3の何れか1項に記載の直流電源装置。
  5. 前記制御部は、スイッチング周波数に依存した周期でデューティが変更される駆動パルスを第一のアームに出力し、前記スイッチング周波数以外の周波数に依存した周期の駆動パルスを第二のアームに出力する
    請求項1から4の何れか1項に記載の直流電源装置。
  6. 前記制御部は、前記第三のスイッチング素子に流れる電流の大きさに応じて、当該第三のスイッチング素子のスイッチング動作を停止し、前記第四のスイッチング素子に流れる電流の大きさに応じて、当該第四のスイッチング素子のスイッチング動作を停止する
    請求項1から5の何れか1項に記載の直流電源装置。
  7. 前記制御部は、前記第一のアームをキャリア周波数に依存した周期で制御する駆動パルスを出力し、前記第二のアームを電源電圧もしくは電源電流の周期で制御する駆動パルスを出力する
    請求項1から6の何れか1項に記載の直流電源装置。
  8. 前記第一のアームは、直列接続された第五のスイッチング素子および第六のスイッチング素子をさらに備え、
    前記第一のスイッチング素子と前記第五のスイッチング素子とは並列に接続され、前記第二のスイッチング素子と前記第六のスイッチング素子は並列に接続されて構成される
    請求項1からの何れか1項に記載の直流電源装置。
  9. 前記第五のスイッチング素子および前記第六のスイッチング素子のそれぞれは、並列接続される複数のスイッチング素子を備えて構成される
    請求項に記載の直流電源装置。
  10. 前記第一のアームは、直列接続された第五のスイッチング素子および第六のスイッチング素子を備え、
    前記第一のアームでは、前記第五のスイッチング素子と前記第六のスイッチング素子による素子対と、前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子による素子対とが並列に接続され、
    一端が前記交流電源における一方側の出力端に接続され、他端が前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子との接続点との間に接続される第一のリアクトルと、
    一端が前記交流電源における一方側の出力端に接続され、他端が前記第五のスイッチング素子と前記第六のスイッチング素子との接続点に接続される第二のリアクトルと、を備え、
    前記第二のスイッチング素子と前記第六のスイッチング素子とはインタリーブ駆動される
    請求項1からの何れか1項に記載の直流電源装置。
  11. モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    請求項1から10の何れか1項に記載の直流電源装置と、
    前記直流電源装置の出力電圧を交流電圧に変換して前記モータに印加するインバータと、
    を備えたモータ駆動装置。
  12. 請求項11に記載のモータ駆動装置を備えた送風機。
  13. 請求項11に記載のモータ駆動装置を備えた圧縮機。
  14. 請求項11に記載のモータ駆動装置を備えた空気調和機。
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