JP6783790B2 - 点灯回路、車両用灯具 - Google Patents
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Description
上記特許文献1には直列接続された複数のLEDのそれぞれに対してバイパス回路を設け、バイパス経路をオンすることで一部のLEDを消灯させる回路が開示されている。
この場合に、各発光素子の定常点灯電流が同じであれば、共通のコンバータで駆動するとともに、各発光素子に対して並列に設けたバイパススイッチのON/OFFにより、点灯させる発光素子数を変えたり、LEDとレーザのように光源種別を変化させることができる。
ところが直列に複数の発光素子を接続し、バイパススイッチで点灯させる発光素子を選択可能とした構成では、点灯させる発光素子数や発光素子の種類によって点灯回路の出力電圧が変化する。従って、異常検出のための閾値が、必ずしも異常検出のための適正値とはならない場合が生じ、異常検出機能が低下する場合がある。
この構成において異常検出部は、電圧変換部の光源部に対する出力電圧が閾値以下に低下した場合にショートやリーク等の異常が発生していると検出する。ここでバイパススイッチの制御により、駆動電流が供給される発光素子、即ち発光する発光素子の数や種類が変化する。すると光源部全体としての電圧変換部の負荷電圧も変化する。この場合に、常に一定値の閾値を用いていると、異常検出感度が、バイパススイッチの制御状態に応じて変化してしまう。そこでバイパススイッチの制御状態に応じて、異常検出部の閾値を変化させる。
第1,第2のバイパススイッチのON/OFF制御により、光源部の点灯状態はより多様とされる。従って第1,第2のバイパススイッチのON/OFF制御の組み合わせに応じて異常検出部の閾値を変化させる。
つまり異常検出部は、電圧変換部の出力電圧と閾値の比較という処理を、出力電圧の分圧電圧と基準電圧の比較という処理で実行するようにする。この場合に、基準電圧を閾値とすれば、分圧比を変化させることは、間接的に閾値を変化させることになる。
異常検出部は、電圧変換部の出力電圧と閾値の比較という処理を、出力電圧の分圧電圧と基準電圧の比較という処理で実行するようにする。この場合に、閾値として機能する基準電圧を閾値を変化させる。
以下、実施の形態の点灯回路2及び該点灯回路2を備えた車両用灯具1について図面を参照しながら説明する。図1は実施の形態の車両用灯具1及びその関連部位を示している。この車両用灯具1は、例えば車両の前照灯、ターンシグナルランプ、バックライトなど、各種の灯具に好適に適用できる。
前照灯の場合、LED30を拡散光の光源とするとともに、レーザ素子31を集光用の光源とし追加ハイビームとして機能させることが考えられる。
なお、光源部3をLEDとレーザ素子の直列構成とすることは一例であり、複数のLEDのみの直列構成としたり、レーザ素子のみの直列構成とするなど、他の例も考えられる。いずれにしても複数の光源素子が直列接続されるものであればよい。
バッテリBTの正極端子と点灯回路2の端子41との間にはスイッチSWbが挿入され、当該スイッチSWbのON/OFFにより車両用灯具1の点灯/消灯が制御される。車両用灯具1の端子42は接地点を介してバッテリBTの負極側に接続されている。
なお、バッテリBTからの電源電圧ライン及びグランドラインが、ECU52を介して端子41,42に接続されるようにし、ECU52が点灯回路2への電源供給を制御できるようにする構成も考えられる。
DC/DCコンバータ12は例えばスイッチングレギュレータとされる。光源部3の順方向降下電圧とバッテリBTによる電源電圧の関係にもよるが、昇圧型、降圧型、昇降圧型のいずれも考えられる。
DC/DCコンバータ12の出力側に現れる出力電圧Vdに基づく電流は、駆動電流Idとして光源部3のLED30やレーザ素子31に流れる。
例えばコンバータ駆動部13は、DC/DCコンバータ12の出力(駆動電流Id)の検出信号SIdに基づいて、駆動電流Idの電流値と目標電流値を比較し、その差分に応じたPWM制御信号Spwmを生成する。このPWM制御信号SpwmをDC/DCコンバータ12のスイッチング素子に供給して電圧変換動作を制御し、定電流出力を実現する。
点灯回路2には、端子44、45、46が設けられており、端子44、46がDC/DCコンバータ12の出力側の正極/負極端となる。この端子44、46の間に、バイパススイッチ15、16が直列接続されている。またバイパススイッチ15、16の接続点が端子45に導かれている。
端子32はLED30のアノードに接続され、端子34はレーザ素子31(レーザダイオード)のカソードに接続されている。またLED30とレーザ素子31の接続点が端子33に接続されている。
そして図示のように、端子44,45,46のそれぞれが、端子32,33,34における対応する端子と接続されている。例えば基板間配線で結線されている。
従って、LED30に並列にバイパススイッチ15が接続され、レーザ素子31に並列にバイパススイッチ16が接続されていることになる。
バイパススイッチ16がONとされると、レーザ素子31に対するバイパス路BP2が形成される。この場合、駆動電流Idはバイパス路BP2を流れ、レーザ素子31は非点灯となる。バイパススイッチ16がOFFとなると駆動電流Idはレーザ素子31を流れ、レーザ素子31は点灯する。
各バイパススイッチ15、16は、制御部11からのバイパス制御信号SB1、SB2によってON/OFF制御される。
制御部11は、ECU52からの指示に応じて、光源部3の点灯/消灯のためのコンバータ駆動部13の動作制御を行う。また制御部11は、ECU52からの指示に基づいてバイパス制御信号SB1、SB2を生成し、バイパススイッチ15,16のそれぞれのON/OFF制御を行う。例えばこの構成の場合、LED30のみの点灯、レーザ素子31のみの点灯、LED30とレーザ素子31の両方の点灯というように、各点灯状態を切替制御することができる。
即ち、バイパス制御信号SB1によりバイパススイッチ15を継続的にオンすることでLED30を消灯させ、バイパススイッチ15を継続的にオフすることでLED30を点灯させるだけでなく、バイパススイッチ15を高周波(例えば数100Hz)でオン/オフすることでLED30を減光することができる。さらにはオン/オフ制御のオンデューティを変えることで調光することができる。レーザ素子31についても同様である。
抵抗R1,R2はDC/DCコンバータ12の出力端(正極)とグランド間において直列接続されている。また抵抗R1,R2の接続点とグランドの間に抵抗R3とスイッチT1のドレイン−ソースが直列接続されている。さらに抵抗R1,R2の接続点とグランドの間に抵抗R4とスイッチT2のドレイン−ソースが直列接続されている。
スイッチT1,T2は例えばMOSFETとされ、スイッチT1のゲートには制御部11からの信号St1が供給され、またスイッチT2のゲートには制御部11からの信号St2が供給される。制御部11は信号St1、St2によりスイッチT1,T2をON/OFF制御可能とされている。スイッチT1がONとされることで、抵抗R3が分圧抵抗として機能する。またスイッチT2がONとされることで、抵抗R4が分圧抵抗として機能する。従って、スイッチT1,T2のON/OFFの組み合わせにより分圧回路20の分圧比は4通りに変化する。
なおスイッチT1,T2はバイポーラトランジスタ等の他の素子で構成してもよい。
例えばフェールタイマ22は、図2に示すように、コンパレータ21のLレベル出力の期間が所定時間Tc未満であれば、異常とはせず、コンパレータ21のLレベル出力の期間が所定時間Tcを継続した時点で異常を通知する異常検出信号SFを出力する。
制御部11は、光源部3の点灯状態としては、LED30のみの点灯、レーザ素子31のみの点灯、LED30とレーザ素子31の両方の点灯を、バイパススイッチ15,16の制御により選択できる。
異常検出部14は、光源部3のショート(点灯回路出力の配線が光源ショートと等価となる故障(ハーネスのショート等)を含む)や、電流リーク、光源劣化等を検出する信号として、異常検出信号SFを出力する。
ところが、異常検知は、光源劣化や配線経路の電流リーク等により、光源素子が正常に点灯できない場合も検知することが適切である。これを考えた場合、上記のように閾値Vth=2Vとすると、LED30(2チップLED)の点灯時(出力電圧Vd=7Vのとき)や、両方の点灯時(出力電圧Vd=11Vのとき)には、低すぎることになる。これらの場合、光源素子の劣化や電流リーク等による電圧低下に対する検出感度が鈍くなってしまい、適切に異常検出がなされない場合が生ずる。
抵抗R1=15kΩ
抵抗R2=10kΩ
抵抗R3=8kΩ
抵抗R4=3.43kΩ
基準電圧Vref=0.8V
LED30のみの点灯時は、制御部11はスイッチT1をON,T2をOFFとする。すると、分圧電圧Vdvは、出力電圧Vdが抵抗R1と、抵抗R2、R3の並列抵抗で分圧された電圧となる。出力電圧Vd=7Vのとき分圧電圧Vdv=1.6Vとなる。
LED30とレーザ素子31の点灯時は、制御部11はスイッチT1をOFF,T2をONとする。すると、分圧電圧Vdvは、出力電圧Vdが抵抗R1と、抵抗R2、R4の並列抵抗で分圧された電圧となる。出力電圧Vd=11Vのとき分圧電圧Vdv=1.6Vとなる。
そして分圧電圧Vdvが0.8V以下となり、コンパレータ21の出力が異常を示すレベルとなるのは、
・レーザ素子31のみの点灯時は出力電圧Vdが2V以下の場合
・LED30のみの点灯時は出力電圧Vdが3.5V以下の場合
・LED30とレーザ素子31の点灯時は出力電圧Vdが5.5V以下の場合
となる。
結局、出力電圧Vdが正常時の50%以下となると異常と判断されるように、光源部3の点灯状態に応じて閾値Vthが変化されることと等価となっている。
これによって光源部3の点灯状態に関わらず、ショート異常や電流リーク等の検出を適切に検出できるようになる。
なお、光源部3の点灯状態、つまりLED30とレーザ素子31の点灯/消灯は、制御部11がバイパス制御信号SB1、SB2によってバイパススイッチ15,16をON/OFF制御することで設定される。従って制御部11は、バイパススイッチ15,16の制御に応じて、スイッチT1,T2のON/OFFを行えばよいことになる。
第2の実施の形態の車両用灯具1を図3に示す。なお図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。この例は、異常検出部14Aの構成が第1の実施の形態と異なる。
異常検出部14Aは、分圧回路20Aとして抵抗R1,R2を備える。抵抗R1,R2はDC/DCコンバータ12の出力端(正極)とグランド間において直列接続されている。この場合、DC/DCコンバータ12の出力電圧Vdは、常に抵抗R1,R2によって分圧され、分圧電圧Vdvがコンパレータ21に供給される。
今、仮にR1=R2とし、分圧電圧Vdv=Vd/2とする。
制御部11は光源部3の点灯状態に応じて、基準電圧可変回路23Aで発生させる基準電圧Vrefを、Vref=Vd/4となるように制御する。
例えばレーザ素子31のみの点灯時(Vd=4V)は、基準電圧Vref=1Vとする。
LED30のみの点灯時(Vd=7V)は、基準電圧Vref=1.75Vとする。
LED30とレーザ素子31の点灯時(Vd=11V)は、基準電圧Vref=2.75Vとする。
この場合も、出力電圧Vdが正常時の50%以下となると異常と判断されるように、光源部3の点灯状態に応じて閾値Vthが変化されることになる。
これによって光源部3の点灯状態に関わらず、ショート異常や電流リーク等の検出を適切に検出できるようになる。
なお、制御部11は、バイパススイッチ15,16の制御とともに、基準電圧可変回路23Aの基準電圧Vref値の可変制御を行えば良い。
第3の実施の形態の車両用灯具1を図4に示す。なお図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。この例は、図1の構成からバイパススイッチ15を無くした例である。バイパススイッチ16が設けられており、制御部11がバイパス制御信号SB2によりバイパススイッチ16のON/OFFを行うことにより、レーザ素子31の消灯/点灯が制御される。つまりこの構成では、光源部3の点灯状態としては、LED30のみの点灯とLED30とレーザ素子31の点灯が切替可能となっている。
分圧回路20Bは、抵抗R10〜R12、スイッチT3を有し、DC/DCコンバータ12の出力電圧Vdを分圧する。
抵抗R10,R11はDC/DCコンバータ12の出力端(正極)とグランド間において直列接続されている。また抵抗R10,R11の接続点とグランドの間に抵抗R12と例えばMOSFETによるスイッチT3のドレイン−ソースが直列接続されている。スイッチT3のゲートには制御部11からの信号St3が供給される。制御部11は信号St3によりスイッチT3をON/OFF制御可能とされている。
第4の実施の形態の車両用灯具1を図5に示す。なお図3と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。この例は、図3の構成からバイパススイッチ15を無くした例である。従って図4の第3の実施の形態と同様、光源部3の点灯状態としては、LED30のみの点灯とLED30とレーザ素子31の点灯が切替可能となっている。
制御部11は光源部3の点灯状態に応じて、基準電圧可変回路23Aで発生させる基準電圧Vrefを可変制御する。これによって光源部3の点灯状態に応じて、異常判定のための閾値Vthを変化させる。つまり第2の実施の形態と同様の考え方で適切な異常検出を実現する。
以上の実施の形態では、次のような効果が得られる。
第1〜第4の実施の形態の点灯回路2は、直流電圧を受けて電圧変換を行い、直列接続された第1及び第2の発光素子(30,31)を有する光源部3に駆動電流Idを供給する電圧変換部(DC/DCコンバータ12)と、駆動電流Idが第1の発光素子(例えばレーザ素子31)をバイパスするバイパス路BP2を形成する第1のバイパススイッチ16と、電圧変換部の出力電圧Vdが閾値Vthより低くなることにより光源部3の異常を検出する異常検出部(14又は14A)と、第1のバイパススイッチ16を制御するとともに、第1のバイパススイッチ16の制御状態に応じて、異常検出部(14又は14A)の閾値Vthを変化させる制御部11とを備える。
このようにバイパススイッチ16の制御状態に応じて閾値を変化させることで、光源部3の異常判定のための閾値Vthを発光している発光素子の数や種類に応じて適応的に変化させることができる。従って、バイパススイッチ16の制御状態に関わらず、ほぼ一定の感度で異常検出を行うことができ、検出精度を向上させることができる。例えばリーク異常について、常に同等の感度で検出できる。従って異常検出精度を向上させることができる。
即ち複数のバイパススイッチ15,16のON/OFF制御により、光源部3の点灯状態はより多様とされる。従ってバイパススイッチ15,16のON/OFF制御の組み合わせに応じて異常検出部14,14Aの閾値Vthを変化させるようにしている。
これにより、光源部3の異常判定のための閾値Vthを発光している発光素子の数や種類に応じて適応的に変化させることができる。
また、複数のバイパス路毎に電圧をモニタする、つまり発光素子毎の両端電圧をモニタするような構成を取らなくてもよいため、点灯回路構成を簡略化でき、小型化、低コスト化に有利である。さらに、各発光素子の異常検出のために、フローティングノード基準ではない固定電圧(例えばグランド電位)基準で電圧検出ができるため、電圧検出精度を向上でき、この点でも異常検出精度向上を促進できる。
つまり異常検出部14は、電圧変換部の出力電圧Vdと閾値Vthの比較という処理を、出力電圧Vdの分圧電圧Vdvと基準電圧Vrefの比較という処理で実行する。この場合に、分圧比を変化させることは、間接的に閾値Vthを変化させることに相当する。そして分圧比の変化によって、閾値変化を容易に行うことができる。
つまり異常検出部14Aは、電圧変換部の出力電圧Vdと閾値Vthの比較という処理を、出力電圧Vdの分圧電圧Vdvと基準電圧Vrefの比較という処理で実行する。この場合に基準電圧Vrefを変化させるという手法を採ることで、閾値変化を容易に実現することができる。
閾値Vthを、正常時の出力電圧Vdの60%、70%などの電圧値とすれば、検出感度が高くなるが、逆に誤検出の可能性も高まる。閾値Vthを、正常時の出力電圧Vdの40%、30%などの電圧値とすれば、検出感度は低下するが、逆に誤検出の可能性も低くなる。
従って点灯回路構成や灯具種別、検出目的などに応じて決められれば良い。
また、さらに多数の発光素子が直列接続され、それらの全部又は一部にバイパススイッチが設けられる構成も考えられる。それらの場合も制御部11は、1又は複数のバイパススイッチの制御と合わせて異常検出部14における閾値Vthを可変すればよい。
Claims (4)
- 直流電圧を受けて電圧変換を行い、直列接続された第1及び第2の発光素子を有する光源部に駆動電流を供給する電圧変換部と、
前記駆動電流が前記第1の発光素子をバイパスするバイパス路を形成する第1のバイパススイッチと、
前記電圧変換部の出力電圧が閾値より低くなることにより前記光源部の異常を検出する異常検出部と、
前記第1のバイパススイッチを制御するとともに、前記第1のバイパススイッチの制御状態に応じて、前記異常検出部の前記閾値を変化させる制御部と、を備え、
前記異常検出部は、
前記電圧変換部の出力電圧を分圧する分圧回路と、
前記分圧回路で分圧された第1電圧を基準電圧である第2電圧と比較する比較回路を有し、
前記電圧変換部は、前記第1電圧が前記第2電圧より低くなったことに基づいて異常が検出されることに応じて前記電圧変換を停止するものとされ、
前記制御部は、前記閾値を変化させるために前記分圧回路の分圧比を変更する
点灯回路。 - 前記駆動電流が前記第2の発光素子をバイパスするバイパス路を形成する第2のバイパススイッチを備え、
前記制御部は、前記第1及び第2のバイパススイッチを制御するとともに、前記第1及び第2のバイパススイッチの制御状態に応じて、前記異常検出部の前記閾値を変化させる
請求項1に記載の点灯回路。 - 前記異常検出部は、
基準電圧を可変して前記第2電圧を生成する基準電圧可変回路を有し、
前記制御部は、前記閾値を変化させるために前記基準電圧可変回路に前記第2電圧の生成を指示する
請求項1又は請求項2に記載の点灯回路。 - 直列接続された第1及び第2の発光素子を有する光源部と、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の点灯回路と、を備えた
車両用灯具。
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