JP6782870B1 - 苦味が強化された緑茶飲料 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 0.02〜2.1mg/100mLの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを含有する、緑茶飲料。
(2) カフェインの含有量が30mg/100mL以下である、(1)に記載の緑茶飲料。
(3) 緑茶飲料100mLあたり0.02〜2.1mgの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することによる、緑茶飲料の苦味付与方法。
(4) 緑茶飲料100mLあたり0.02〜2.1mgの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することを含む、緑茶飲料の製造方法。
本発明の一態様は、0.02〜2.1mg/100mLの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを含有する緑茶飲料である。ここで本発明でいう緑茶飲料とは、緑茶葉の抽出物を配合して調製した飲料を意味し、具体的には、Camellia sinensisなどのCamellia属及びそれらの雑種から選択される茶葉で、不発酵茶に分類される茶葉(例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等)から水や熱水、抽出助剤を添加した水溶液で抽出した緑茶抽出物を配合した飲料の総称をいう。Camellia sinensisとしては、例えば、C. sinensis var. sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var. assamicaなどが挙げられる。なお、抽出方法としては、例えば、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法により適宜選択することができる。
本発明は、苦味付与剤として2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、緑茶飲料に良質な苦味を付与するものである。ここで、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン(GAL-DNJ)とは、桑の葉などから単離されるアルカロイドであって、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−マンニトール(2-O-α-D-Galactopyranosyl-1,5-dideoxy-1,5-imino-D-mannitol)とも称される(CAS登録番号:155168−05−1)。
本発明に係る緑茶飲料は、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、玉露のようなカフェインを高濃度に含む緑茶飲料に類似した苦味を付与することができる。本発明の緑茶飲料では、カフェインを含有しなくてもよいが、カフェインが含まれる緑茶飲料では、カフェインの苦味を2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンが高めることから、より玉露の苦味に近い苦味となる。本発明の作用効果が顕著に発揮される観点から、カフェイン含有量は0.1mg/100mL以上が好ましく、1mg/100mL以上がより好ましく、3mg/100mL以上がさらに好ましい。カフェインは、通常、緑茶抽出物に含まれている。したがって、本発明で用いられる緑茶抽出物のカフェインを低減処理する必要はない。カフェインの低減処理とは、緑茶抽出物に活性白土や酸性白土を接触させることによる処理などを例示できる。ただし、カフェイン含有量が高すぎると2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの苦味と相俟って、良質な苦味の付与効果が損なわれることがある。また、容器詰緑茶飲料のように長期保存する場合には、カフェイン含有量が高すぎるとクリームダウンの発生原因ともなり得る。これより、本発明の緑茶飲料中のカフェイン含有量は、30mg/100mL以下であることが好ましく、25mg/100mL以下であることがより好ましく、20mg/100mL以下であることがさらに好ましい。飲料中のカフェイン含有量は、高速液体クロマトグラム法(HPLC法)を用いて測定することが出来る。
本発明の緑茶飲料には、上記成分に加え、酸化防止剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合することができる。緑茶抽出液、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン、酸化防止剤及びpH調整剤を含む容器詰緑茶飲料は、玉露のような香味を有する容器詰緑茶飲料であり、本発明の好適な態様の一つである。容器詰緑茶飲料のpHは、pHが5.5〜7.0であることが好ましく、pHが5.8〜6.5であることがより好ましい。ここで、本明細書におけるpHとは、液状飲料100mLを300mLのビーカーに量り取り、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定する値をいう。
本発明によると、クリームダウンの発生を抑制しながら、緑茶飲料に良質な苦味を付与することができるので、室温以下で長期保存される容器詰緑茶飲料は、本発明の緑茶飲料の好適な態様の一つである。容器詰緑茶飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様に公知の容器を使用することができ、例えば、樹脂製容器、金属製容器、紙製容器、ガラス製容器などを好適に使用できる。一つの態様において、容器詰緑茶飲料は、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などに充填して密閉した形態で提供することができる。本発明の緑茶飲料の容量は、特に限定されないが、例えば100mL〜3000mLであり、好ましくは350mL〜2000mLであり、500〜1000mLとしてもよい。
各サンプルにおける2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン、カフェイン、カテキン類は、以下の方法にて定量した。
緑茶飲料中の2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの分析は、液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法(LC−MS/MS)を用いて行った。必要に応じて、緑茶飲料を減圧濃縮し、分析に供した。
・カラム:TSKgel Amide-80, φ4.6mm×250mm, 粒径5μm
・移動相:水、アセトニトリル及び酢酸の混液
・流量:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・イオン化法:エレクトロスプレー(正イオン検出モード)
・設定質量数(m/z):326.0→163.8
(2)カフェインおよびカテキン類
緑茶飲料をフィルター(0.45μm)でろ過してから、HPLC(高速液体クロマトグラフ)により標準物質(標品)を用いて定量した。カフェインの定量には標準物質として、カフェイン(富士フイルム和光純薬)、カテキン類の定量には標準物質として、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレート(クリタ高純度試薬)を使用した。
・HPLC装置:TOSOH HPLCシステム LC8020 model II
・カラム:TSKgel ODS80T sQA(4.6mm×150mm)
・カラム温度:40℃
・移動相A:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(90:10:0.05)
・移動相B:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(20:80:0.05)
・検出:UV275nm
・注入量:20μL
・流速:1mL/min.
・グラジエントプログラム:
時間(分) %A %B
0 100 0
5 92 8
11 90 10
21 90 10
22 0 100
29 0 100
30 100 0
実験1:緑茶飲料の製造と評価
玉露茶葉10gを60℃の湯60mLを用いて2.5分間抽出を行い、茶葉を分離して緑茶(玉露)飲料を得た(サンプル1−1)。
・5点:良質な苦味を非常に感じる(サンプル1−1と同等)
・4点:良質な苦味をとても感じる
・3点:良質な苦味を感じる
・2点:良質な苦味を僅かに感じる
・1点:良質な苦味を感じない(サンプル1−2と同等)
官能評価結果を表1に示す。緑茶飲料に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。なお、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン含有量が2.2mg/100mlであるサンプル1−16は、苦味付与の効果はあるが、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの雑味が感じられ、緑茶飲料としての嗜好性が損なわれた。また、サンプル1−14、1−15は後味の評価は同じ5点ではあるが、1−15の方に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの雑味がわずかに感じたパネルもいた。
火入れ強めの煎茶を主体としたベースとなる緑茶飲料(サンプル2−1)に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン(機能性植物研究所製、純度98%)を添加し、下表に示す量でカフェイン、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン、カテキンを含有する容器詰緑茶飲料を得た(pH:約6.0)。
官能評価結果を表2に示す。実験1と同様に、緑茶飲料に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。また、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン含有量が2.2mg/100mlであるサンプル2−9は、苦味付与の効果はあるが、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの雑味が感じられ、緑茶飲料としての嗜好性が損なわれた。
ベースとなる緑茶飲料(原料茶葉:煎茶)として、カフェインを除去した市販の緑茶飲料を使用した(サンプル3−1)。本実験では、ベースとなる緑茶飲料に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン(機能性植物研究所製、純度98%)を添加し、下表に示す量でカフェイン、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシン、カテキンを含有する容器詰緑茶飲料を得た(pH:約6.0)。
官能評価結果を表3に示す。緑茶飲料に2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。しかし、同量の2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加した、実験1のサンプル1−11、実験2のサンプル2−6と比較すると、カフェインが含まれていない為、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンによる後味の苦味付与効果が弱いことが分かった。このことから、2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンの添加によれば、緑茶飲料に含まれるカフェインの苦味と相俟って、緑茶飲料により一層良好な苦味を付与することができると考えられる。
Claims (4)
- 0.02〜2.1mg/100mLの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを含有し、カフェイン含有量が30mg/100mL以下である緑茶飲料。
- カフェインの含有量が20mg/100mL以下である、請求項1に記載の緑茶飲料。
- 緑茶飲料100mLあたり0.02〜2.1mgの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することによる、カフェイン含有量が30mg/100mL以下である緑茶飲料の苦味付与方法。
- 緑茶飲料100mLあたり0.02〜2.1mgの2−O−α−D−ガラクトピラノシル−1−デオキシノジリマイシンを添加することを含む、カフェイン含有量が30mg/100mL以下である緑茶飲料の製造方法。
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