JP6782042B1 - 微細化餡状おからの製造方法及び微細化餡状おから製造装置 - Google Patents

微細化餡状おからの製造方法及び微細化餡状おから製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる餡状物の微細化方法の提供。【解決手段】餡状物に水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザー14に供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化する、餡状物の微細化方法。また、スラリーの調製にあたり、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを添加して、水の添加量を減らすことを特徴とする、該餡状物の微細化方法。【選択図】図1

Description

本発明は、微細化餡状おから製造方法及び微細化餡状おから製造装置に関する。
多くの日本人は、普段の食生活で様々な大豆食品を口にしている。中でも豆腐やこれを利用した厚揚げ、油揚げ等の食品は日常との関わりが非常に深く、本邦において相当量が消費されている。
ところで、豆腐は呉汁を固液分離手段に供しておからを除去し、得られた豆乳を凝固させたものである。従って、豆腐の大量生産に伴い、大量のおからが生じることとなる。
勿論、おからにも古くから様々な調理法が存在しており、卯の花としたりコロッケやハンバーグの具材とするほか、クッキーやパンに添加される場合もある(例えば、特許文献1参照。)。
実用新案登録第3130784号公報
また、おからには、その他肥料や飼料等としての用途も含め、実に様々な利用法が存在している。しかしながら、おからは元々食品であり、おからの処理コストに見合う高い付加価値を持たせるためにも、食品としてこれまで以上に大量に消費される工夫が必要と考えられるが、未だ飛躍的な消費拡大に結びついていないのが現状である。
おからの食品としての大量消費を妨げる原因の一つとして、利用の仕方によっては繊維分が舌に残り、食感が悪くなるという点が挙げられる。
勿論、この問題に対しては、繊維分を微細化することで解消されると考えられるが、おからを構成する繊維分はセルロースやリグニンなど強固な構造を有するものが多く、これらを効率よく簡便に微細化できる手法が望まれていた。
またこのような技術は、例えば和菓子の粒餡とこれに比して滑らかな食感を有する漉し餡との関係の如く、おから以外の餡状物にも適用が期待される。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる微細化餡状おから製造方法を提供する。
また本願では、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる微細化餡状おから製造装置についても提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る微細化餡状おから製造方法では、(1)呉汁から豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザーに供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化することとした。
また、(2)前記圧力式ホモゲナイザーへ供給するスラリーの調製にあたり、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを減水剤として添加して、前記水の添加量を減らすことにも特徴を有する。
また本発明に係る微細化餡状おから製造装置では、(3)呉汁由来豆乳分離残渣の餡状おからに水を添加して原料スラリーを調製する調合部と、調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化するプレ微細化部と、プレ微細化部を経て得られたプレ微細化スラリーを加圧噴射させて衝撃を付与し、不溶性成分の更なる微細化を行う圧力式ホモゲナイズ部と、圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、必要に応じて水分を調整し餡状おからを生成する乾燥・餡状物調製部と、を有することとした。
また本発明では、(4)呉汁より豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加してスラリーを調製し、同スラリーに含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化するにあたり、前記餡状おからに添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを使用することとした。
本発明に係る微細化餡状おから製造方法によれば、呉汁から豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザーに供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化することとしたため、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる餡状物の微細化方法を提供することができる。
また、前記圧力式ホモゲナイザーへ供給するスラリーの調製にあたり、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを減水剤として添加して、前記水の添加量を減らすこととすれば、再度の餡状化に当たって乾燥を行う際に、蒸発させる水の量を少なくすることができ、餡状物の微細化をより効率的に行うことができる。
また、本発明に係る微細化餡状おから製造装置によれば、呉汁由来豆乳分離残渣の餡状おからに水を添加して原料スラリーを調製する調合部と、調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化するプレ微細化部と、プレ微細化部を経て得られたプレ微細化スラリーを加圧噴射させて衝撃を付与し、不溶性成分の更なる微細化を行う圧力式ホモゲナイズ部と、圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、必要に応じて水分を調整し餡状おからを生成する乾燥・餡状物調製部と、を有することとしたため、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる餡状物微細化システムを提供することができる。
また本発明では、呉汁より豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加してスラリーを調製し、同スラリーに含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化するにあたり、前記餡状おからに添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを使用することとしたため、圧力式ホモゲナイザーに供することが可能な程度の流動性を持った餡状物のスラリーを少ない水で調製することができ、その後の乾燥において蒸発すべき水分を可及的少なくすることができる。
本実施形態に係るペースト製造プラントの構成を示したブロック図である。 デキストリンの添加による効果を示した説明図である。 カラギナン等の添加による効果を示した説明図である。 乳タンパク等の添加による効果を示した説明図である。 製パンテストの結果を示した説明図である。 製パンテストの結果を示した説明図である。 製パンテストの結果を示した説明図である。
本発明は、微細化餡状おから製造方法に関するものであり、特に、餡状おからの不溶性成分をより細かに微細化することのできる微細化餡状おから製造方法を提供するものである。また本発明は、微細化餡状おから製造装置についても提供する。
ここで餡状物とは、所謂粒餡やこし餡の如き餡、うぐいす餡の如き物性を有するものを意味しており、更なる例示をするならば、おからや味噌などが挙げられる。すなわち、餡状物は、例えば、茹でたり蒸煮された豆類のペースト(煮潰された豆類)であったり、所謂おからの如きぼそぼそとした性状のものを含む。
また餡状物は微細化の対象となる固形分や繊維分を含むものであり、同餡状物を構成する素材の代表例としては豆類が挙げられるが、その他野菜の搾汁残渣など必ずしも豆類に限定されるものではない。但し、本出願人が本願を権利化するにあたり餡状物の性状や素材等について限定することは妨げない。
本実施形態に係る餡状物の微細化方法の特徴としては、餡状物に水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザーに供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化する点が挙げられる。
また、本実施形態に係る餡状物微細化システムの特徴としては、餡状物に水を添加して原料スラリーを調製する調合部と、調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化するプレ微細化部と、プレ微細化部を経て得られたプレ微細化スラリーを加圧噴射させて衝撃を付与し、不溶性成分の更なる微細化を行う圧力式ホモゲナイズ部と、圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、必要に応じて水分を調整し餡状物を生成する乾燥・餡状物調製部と、を有することが挙げられる。
圧力式のホモゲナイザーは、古くから牛乳の均質化に広く用いられている装置であり、公知の物を使用することができる。圧力式ホモゲナイザーは、大別してノズル式とバルブ式のものが存在するが、本実施形態に係る餡状物の微細化方法の実施にあたっては、バルブ式の方が処理物が詰まりにくく好適である。
圧力式のホモゲナイザーは、牛乳など飲料の業界において広く使用されている装置であるが、その内部構造において狭隘な流路部分も多く、本発明者らはペースト程の高粘度素材に含まれる繊維固形分の微細化にあたって同装置を採用した例を知らない。
ましてや、餡状物ほど固体に近い物性の物の微細化処理を行うにあたり、同処理とホモゲナイザーとを結びつけること自体、これまでに発想されることはなかった。
そして、この点において本発明者らは、これら既成の概念を敢えて覆し、餡状物に水を添加してスラリー状とし、必要に応じて前処理を行った上で圧力式のホモゲナイザーに供することで、一時的にスラリー状に姿を変えた餡状物の効率的かつより細かな微細化を実現させることに成功したのである。
圧力式ホモゲナイザーの設定圧力は、特に限定されるものではなく、圧力式ホモゲナイザーより吐出された処理後のスラリー(以下、微細化スラリーと称する。)が使用目的にあった細かさとなる圧力を適宜選択することができる。
また、圧力式ホモゲナイザーに供給される処理前のスラリーの水分量や繊維固形分の微細化度合いについても特に限定されるものではない。すなわち、処理前のスラリーの水分量や微細化度合いをどの程度とするかは、使用する圧力式ホモゲナイザーの能力によるところが大きいためである。駆動力の小さな圧力式ホモゲナイザーを使用する場合は、処理可能となる程度に水を添加したり、予備的な微細化が行われたスラリー(以下、プレ微細化スラリーと称する。)を生成し、これを圧力式ホモゲナイザーに供給するのが望ましい。逆に、駆動力の大きな圧力式ホモゲナイザーを使用する場合は、流動性がやや低めとなるように水分量を調整したり、繊維固形分が多少大きめであっても、多少であれば力任せに処理しうるかもしれない。スラリー中の水分量が少ないことは、次の述べる乾燥処理において蒸発させるべき水分の量が少なく済むため有利である。
圧力式ホモゲナイザーにて処理を行うにあたり、餡状物は水が添加されることで原料スラリーとなる。本実施形態に係る餡状物微細化システムでは、原料スラリーを生成するセクションとして調合部が存在する。
調合部は、餡状物に水を添加してスラリー状とすることが可能であればインラインの連続式調合であっても良いし、バッチ式の調合であっても良い。
この調合部では、原料スラリーの調製に際し、水の他に更なる材料を添加することもできる。例えば、餡状物の繊維固形分を消化する酵素であったり、後述の減水剤等がそれに該当する。
更なる材料として消化酵素を添加する場合には、一定の反応時間と反応の場を確保すべく、調合部は調合タンクを備えるなどしてバッチ式に構成するのが望ましい。また減水剤の如く反応時間を確保する必要性に乏しい添加材料であれば、バッチ式でも良いし、インライン調合を採用することもできる。
また本実施形態に係る餡状物微細化システムでは、調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化し、前述のプレ微細化スラリーを生成するプレ微細化部を備えている。
プレ微細化部は、圧力式ホモゲナイザーでの円滑な処理が危ぶまれる大きさの繊維固形分や粗砕物を含む原料スラリーを、より細かに、圧力式ホモゲナイザーに供することが可能な程度に予備的に微細化してプレ微細化スラリーを生成することが可能な装置であれば特に限定されるものではない。このような装置の一例としては、例えばコロイドミルが挙げられる。なお、原料スラリーが既に圧力式ホモゲナイザーに供することが可能な程度の微細化度合いに達しているのであれば、プレ微細化処理やプレ微細化部は省略することも可能である。
プレ微細化部は、調合部と圧力式ホモゲナイザーとを接続する配管の中途にインラインで介設して処理を行わせることも可能であるが、例えば調合部に調合タンクを採用した場合、同調合タンクの下部と上部とを接続する循環配管の中途にプレ微細化部を介設し、調合タンク内にて調製された原料スラリーを循環させつつ繰り返しプレ微細化処理に供するよう構成しても良い。
そして、プレ微細化スラリーや原料スラリーは、圧力式ホモゲナイザーに供されて、微細化スラリーとなる。本実施形態に係る餡状物微細化システムでは、この圧力式ホモゲナイザーを有するセクションを圧力式ホモゲナイズ部とも称する。
圧力式ホモゲナイザーより得られた微細化スラリーは、再び餡状に戻すべく乾燥に供する。本実施形態に係る餡状物微細化システムにおいて本工程は、乾燥・餡状物調製部で行われる。
ここで行う乾燥は、水分含量が十数%を下回るような乾燥(からからの乾燥)でななく、スラリーが餡状に戻る程度の乾燥を行うことができる乾燥方式や乾燥機であれば、適宜、公知の技術を採用することができる。例えば、ドラムドライヤーは、乾燥後の水分含量の調整が比較的容易であるため好適である。
また、乾燥に供して得られた乾燥物は、餡状物となっているのが好ましいが、餡状物の目標水分含量を下回って乾燥させたとしても、追って水を添加すれば良いので、特に問題となるものではない。すなわち、乾燥・餡状物調製部では、圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、乾燥物に水分を添加して餡状物とする作業も必要に応じて行われる。
このように、乾燥・餡状物調製部にて得られた餡状物(以下、処理後餡状物ともいう。)は、当初の原料である餡状物(以下、原料餡状物ともいう。)に比して、含まれる繊維固形分が微細化されており、喫食時に繊維感が少なく比較的良好な食感を有することとなる。
なお別の態様について付言すると、乾燥機では水分含量が十数%を下回るような十分な乾燥を行うこととしても良い。このような処理を行うことで、微細化された乾燥おから粉末を得ることができる。すなわち本願は、微細化された乾燥おから粉末の製造方法や製造システムを提供するものでもあるとも言える。
説明を戻し、得られた処理後餡状物は、そのまま後工程にて食品原料とし使用することも可能であるが、必要に応じて殺菌や包装を施して、保存性を高めることも可能である。
本実施形態に係る餡状物の微細化方法や、餡状物微細化システムは、上述の構成を備えるものであるが、餡状物の微細化方法における更なる特徴について言及すれば、スラリーの調製、例えば調合部での原料スラリーの調製にあたり、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを添加して、前記水の添加量を減らすことが挙げられる。
おからの利用について長年に亘り鋭意研究を行っている本発明者らは、工場における生産技術的な観点からの効率化を追求し、今回提案する前述の餡状物の微細化方法に加え、同方法を実施するにあたり水の使用量を低減し、乾燥負担を小さくする技術の開発にも成功した。
この減水剤として使用できる材料は、現時点ではイヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクが挙げられる。実に驚くべきことに、原料スラリーやプレ微細化スラリーを調製する上で、これら材料を単独又は複合的に添加することで、無添加の場合に必要な水の量よりも少ない水の添加量で圧力式ホモゲナイザーに供することが可能な程度の流動性を付与することが可能となる。
上記減水剤のいずれについても粉体とした場合、これら減水剤の添加量は、原料餡状物の重量の70%以下、より好ましくは60%以下とするのが良い。圧力式ホモゲナイザーの駆動力にもよるが、70%を超える量を添加すると、微細化の処理が困難になる場合がある。
これに対し、下限については特に限定はない。すなわち、添加すれば、その量に応じた減水効果が得られるのである。なおこの減水の技術は、餡状物の流動性を向上させるにあたり、水の量を減らす一方で、餡状物の重量の数十%もの粉体を添加する点で極めて意外であり興味深い。
このように、本願は、餡状物に含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化するにあたり、前記餡状物に添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤としてのイヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つの使用を提案するものでもある。
以下、本実施形態に係る餡状物の微細化方法や、餡状物微細化システムについて、図面や試験等を参照しながら更に説明する。なお、以下において餡状物はおからであることを前提に説明するが、前述の通り餡状物はこれ以外でも良いのは言うまでもない。
〔1〕餡状物微細化システムを備えたおからペースト製造プラント
まず、本実施形態に係る餡状物微細化システムに関し、微細化餡状物をおからペーストとしたおからペースト製造プラントを例に説明する。図1は、おからペースト製造プラントAの構成概要を示したブロック図である。
おからペースト製造プラントAは、おから製造プラント11より供給される原料餡状物としてのおからを処理し、微細化餡状物としてのおからペースト、ここでは包装されたおからペースト(おからペースト包装体17)を製造するプラントであり、本実施形態に係る餡状物微細化システムBと、充填装置16とで構成している。
餡状物微細化システムBは、調合部の主要構成機材として機能する調合タンク12と、プレ微細化部の主要構成機材として機能するコロイドミル13と、圧力式ホモゲナイズ部の主要構成機材として機能する圧力式ホモゲナイザー14と、乾燥・餡状物調製部の主要構成機材として機能するドラムドライヤー15とを備えている。以下、上流側から順に説明する。
おから製造プラント11は、おからペーストの原料となる生おからが製造されるプラントであり、例えば、豆腐の製造にあたり豆乳の製造を行うプラントの一部と解することもできる。本実施形態において、この原料となる生おからは、以下の工程で製造された脱皮おからを使用している。
まず、大豆を水に8〜24時間浸漬(季節によって変動する。)した後、脱皮機により脱皮した。その後、脱皮した大豆を石臼状の機械ですり潰して、消泡剤を添加することなく煮た。更に、煮た後の大豆をろ過して、濾液を取り除いた物を脱皮おからとした。
上記工程で製造した脱皮おからは、大豆から種皮、胚軸が取り除かれ、大豆の胚のうち、主に子葉の部分のみが残ったものである。なお、この脱皮おからを乾燥させた「脱皮乾燥おから」を脱皮おからとして使用することもできる。
脱皮おからを使用することにより、おからペーストにおいて、大豆に由来するサポニンの量を低減することができる。この結果、おからペーストに苦みや渋みを生じにくくすることができる。また、サポニンに由来する発泡作用を軽減することができる。すなわち、おからペーストを形成する際や、おからペーストを他の食品の原料として混合する際に、消泡剤の量を低減したり使用せずに済むものとなる。また、おからペーストを混合した食品、例えば麺類を茹でる際に、泡立ちを低減することができる。
このように、おから製造プラント11にて製造された生おから(水分含量73〜76w/w%)は、調合タンク12へ供給される。
調合タンク12では、投入された餡状物としてのおから100重量部に対し、減水剤を用いない場合は170〜250重量部、減水剤を使用する場合は90〜170重量部の水を添加して、原料スラリーの調製が行われる。
また、本実施形態では更に、0.2〜0.6重量部の酵素と、0重量部を超え70重量部を下回る量の減水剤が添加される。水の量は、減水剤による効果を享受すべく、上記添加量の範囲内において減らされる。減少可能な水の量は、追って実験データと共に説明するが、減水剤を16重量部添加した場合は水の量が81.5%程度、すなわち、90×81.5%〜250×81.5%=73.3〜203.7重量部で済み、24重量部添加した場合は76.5%程度、50重量部添加した場合は63.0%程度、60重量部以上添加した場合は56.8%程度で済むといった減水効果が得られる。
なお、減水剤の添加・無添加に拘わらず、生おからに対して上述の量の水を添加することで、次に述べるコロイドミル13での処理や圧力式ホモゲナイザー14での処理において、機械的な処理に必要な流量を十分に確保して、円滑な製造を行うことができる。
また、植物組織崩壊酵素を添加することによって、おから中の繊維固形分などの粒子を微細化し、更には細胞外に大豆レシチンやオレオシンを溶出させることで、乳化作用の増強を図ることができる。
酵素は、おからの植物組織を消化できるものであれば特に限定されるものではなく、既知の酵素を使用することができる。消化温度や消化時間は、使用する酵素の至適温度等に合わせて、適宜調製することができる。
次に、このようにして調製した原料スラリーは、コロイドミル13に供給して予備的な微細化を行う。ここでは、回転数が3000〜4000rpmに設定されたコロイドミル13に原料スラリーを供給し、温度を20〜50℃に保ちながら調合タンク12との間で循環させつつプレ微細化処理を行う。この作業により、おからに対して酵素による消化を行いつつ、同時に機械的な粉砕処理を施すことができる。
なお、コロイドミル13はプレ微細化部の必須構成ではなく、例えば、ローラーミルやボールミル、プロペラミキサー等によりプレ微細化部を構築することも可能である。
調合タンク12とコロイドミル13との間の循環によって得られ、又は、調合タンク12からコロイドミル13をワンパスすることで得られたプレ微細化スラリー(プレ微細化部を備えない餡状物微細化システムBにあっては、調合タンク12にて調合され適宜処理されたスラリー)は、次に、圧力式ホモゲナイザー14に供給される。
圧力式ホモゲナイザー14では、プレ微細化スラリーに所定の圧力をかけて、繊維固形分を機械的に湿式微細化する。また、スラリーを更に乳化させ、おからペーストを構成する粒子をより一層微細化する。
ここで、圧力式ホモゲナイザー14にて設定する圧力は、本実施形態では一例として50〜80MPaとしている。
圧力を50〜80MPaの範囲に設定した場合には、おからペーストをより一層滑らかなものにすることができる。また、おかたと水をより均質化することができる。
これに対し、圧力が50MPa未満である場合には、機械的に湿式微細化する際の圧力が不十分となり、おからペーストを構成する粒子を十分に小さくすることができないおそれがある。
また、圧力が80MPaを超える場合には、おからペーストがべたついた物性となり、他の食品の原料と混合した際に不具合が生じやすくなる。
圧力を50〜80MPaの範囲に設定した圧力式ホモゲナイザー14にて処理を行うことで、繊維固形分を機械的に湿式微細化できると共に、おからの油性成分の水への分散性を高め、おからと水をより一層均質化することができる。更に、おからの粒子が微細化したことで、酵素を含む水と混ざりやすくなり、酵素反応がより一層促進されるものとなる。また、溶出したおから由来の大豆レシチンやオレオシンにより、別途の乳化剤を添加することなく、ペーストを十分に乳化させることができる。
しかしながら、圧力式ホモゲナイザー14において圧力を50〜80MPaの範囲に設定することは、あくまで一例であって必ずしも限定されるものではなく、所望の質感を有するおからペーストが得られれば良いことに留意されたい。更なる一例として、おからペーストを構成する粒子のメジアン径が20〜80μmの範囲内となる圧力を圧力式ホモゲナイザー14に設定するようにしても良い。
次に、圧力式ホモゲナイザー14により微細化の処理が行われて吐出された微細化スラリーは、次にドラムドライヤー15に供給される。
本実施形態においてドラムドライヤー15のドラム表面温度は80〜160℃程度に設定しており、10〜60秒で1回転する速度でドラムを回転させつつ、付着からスクレーパによる剥離まで凡そ5〜60秒に設定して、微細化スラリーに含まれる水分を蒸発させた。
ドラムドライヤー15より回収された乾燥物はまとめて混練し、微細化餡状物としてのおからペーストとなる。このように、本実施形態に係る餡状物微細化システムBは、微細化餡状物を生成する。
次に、餡状物微細化システムBにより得られたおからペーストは、必要に応じて例えば充填装置16により充填包装される。ここでは、充填装置16によりおからペーストを5kgづつ袋に小分け充填することで、最終製品であるおからペースト包装体17を得た。
〔2〕おからペーストの性状
次に、上述した本実施形態に係る餡状物微細化システムBにて得たおからペーストの各種性状について確認を行った。
まず、おからペーストを構成する粒子のメジアン径について、レーザー回折式粒子径分布測定装置(株式会社島津製作所製SALD-2300)を用いて確認したところ、メジアン径は約40μm(37.356μm)であり、粒子径範囲は0.68〜205μmであった。粒度分布曲線は、単一ピークを示していた。
また、本実施形態に係る餡状物の微細化方法や餡状物微細化システムBにより、微細化餡状物としてのおからペーストが、原料餡状物としての生おからに比して微細化されていることについて、実際に双方を試食して食感の評価を行った。
その結果、おからペーストは、明らかに生おからに比して微細化されており、繊維分が舌の上に残るような悪い食感が改善されているのが確認された。なお、目視的にも微細化が確認された。
またプレ微細化スラリーのメジアン径は、44.695μmであり、粒子径範囲は2.51〜161μmであったことから、圧力式ホモゲナイザー14により更なる微細化が行われていることが示された。
このような性状を踏まえると、餡状物の微細化方法や餡状物微細化システムBにより得られたおからペーストの如き微細化餡状物は、パン類や麺類、菓子類、コロッケ、餃子など、種々の食品の副原料として利用可能であることが示唆された。
また、微細化餡状物を構成する粒子が十分に小さく、かつ、粒径の範囲が揃っているため、滑らかな食感を有し、他の食品に混合させやすいものと考えられた。
また、原料に由来する独特な風味、例えばおからに由来する独特の風味が少なく、他の食品の風味を損ないにくくすることができる。また上述のおからペーストの場合、生おからとして脱皮おからを使用することで、苦みや渋みを低減することができる。
〔3〕減水効果確認試験
次に、減水剤の効果について確認を行った。具体的には、減水剤を添加しない場合にて本実施形態に係る餡状物の微細化方法を実施するための基本処方に対し、減水剤をどの程度添加したら水をどの程度減らしても、基本処方と同等の高圧ホモゲナイザーでの処理が可能であるかについて確認した。
(3−1)大豆タンパク、豆乳
まず、大豆タンパク質と豆乳について、原料スラリーの調製のための基本処方に対する減水効果の確認を行った。基本処方は、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、180重量部の水を添加し、原料スラリーの調製行うものである。以下、この処方を第1基本処方と称する。なお、原料スラリーの調製にあたり生おからに対する水の添加量は、先の説明によれば減水剤を使用しない場合170〜250重量部としたが、水の添加量が170重量部でも高圧ホモゲナイザーに供することは可能であるものの、より処理安定性に富み且つできるだけ少ない水の量との観点から、第1基本処方の水の量は180重量部としている。
これに対し、大豆タンパク質と豆乳についての減水効果確認のための処方は、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、減水剤として0.4重量部の粉末状大豆タンパク質又は8重量部の豆乳(大豆タンパク質5%含有)とを添加し、高圧ホモゲナイザーでの処理が第1基本処方と同等に可能となる水の添加量を求めた。
Figure 0006782042
その結果、表1に示すように、減水剤として大豆タンパクを使用した場合、水の必要量は170重量部であり、1-(170/180)≒5.6%の水の量の削減が実現された。
また減水剤として豆乳を使用した場合、水の必要量は162重量部であった。但し豆乳も殆ど水分であるため、5%ほど含まれている大豆タンパク質の量を差し引いて、実質的には1-[{162+(8*0.95)}/180]≒5.8%の水の量の削減が確認された。
これらのことから、大豆タンパク質や豆乳は、餡状物に含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化するにあたり、餡状物に添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として使用可能であることが示された。
(3−2)イヌリン
次に、イヌリンについて、原料スラリーの調製のための基本処方に対する減水効果の確認を行った。なお、先の「(3−1)大豆タンパク、豆乳」の試験において、豆乳による減水効果が認められたため、本試験以降、基本処方には豆乳を使用することとした。すなわち基本処方は、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、162重量部の水と、8重量部の豆乳(大豆タンパク質5%含有)とを添加し、原料スラリーの調製行うものである。以下、この処方を第2基本処方と称する。但し、豆乳を使用しない場合であっても、おからには大豆タンパク質が残存していることを踏まえると、以下に言及する検証対象となる物質の減水効果の有無についての結果には影響しない。
これに対し、イヌリンについての減水効果確認のための処方は、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、8重量部の豆乳(大豆タンパク質5%含有)と、減水剤として16重量部、24重量部、50重量部、60重量部、70重量部のイヌリンとを添加し、高圧ホモゲナイザーでの処理が第2基本処方と同等に可能となる水の添加量を求めた。
Figure 0006782042
その結果、表2に示すように、減水剤としてイヌリンを使用した場合の水の必要量は、イヌリン16重量部添加の場合132重量部であり、1-[{132+(8*0.95)}/162]≒18.5%の水の量の削減が実現された。
また同様に、イヌリン24重量部の場合124重量部(23.5%削減)、イヌリン50重量部の場合102重量部(37.0%削減)、イヌリン60重量部や70重量部の場合92重量部(43.2%削減)となることが確認された。
これらのことから、イヌリンは、餡状物に含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化するにあたり、餡状物に添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として使用可能であることが示された。
(3−3)デキストリン
次に、大豆タンパクやイヌリン以外の他の高分子、あるいは多糖類による減水効果を模索すべく、デキストリンを被験物質として減水効果の確認を行った。
実験は、第2基本処方で調製した原料スラリーに対し、検討対象の物質としてデキストロース当量(DE)が5以下で30重量部の長鎖デキストリン、DE>5で30重量部の中鎖デキストリン、DE>5で30重量部の短鎖デキストリン、30重量部のイヌリンのいずれかを添加し、粘度の変化について確認した。その結果を図2に示す。
図2からも分かるように、DEが5以下の長鎖デキストリンは、添加後に著しい粘度上昇を示した。これに対し、DEが5を超える中鎖デキストリンや短鎖デキストリンは、いずれも添加後に粘度の低下が確認され、これはイヌリンと同じ粘度変化の傾向であった。
また、各デキストリンの減水効果確認のため原料スラリーの調製、すなわち、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、8重量部の豆乳(大豆タンパク質5%含有)と、減水剤として30重量部でDE≦5の長鎖デキストリン、DE>5で30重量部の中鎖デキストリン、DE>5で30重量部の短鎖デキストリンのいずれかを添加し、高圧ホモゲナイザーでの処理が第2基本処方と同等に可能となる水の添加量を求めた。
Figure 0006782042
その結果、表3に示すように、DE≦5の長鎖デキストリンを16重量部添加した場合は、水の量が205重量部必要となり、減水効果は認められなかった。
これに対し、減水剤としてDE>5で30重量部の中鎖デキストリンを使用した場合の水の必要量は119重量部であり、1-[{119+(8*0.95)}/162]≒26.6%の水の量の削減となった。また、DE>5で30重量部の短鎖デキストリンを使用した場合も同様に、水の必要量は119重量部であり、1-[{119+(8*0.95)}/162]≒26.6%の水の量の削減となった。
これらのことから、DE>5のデキストリンは、餡状物に含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化するにあたり、餡状物に添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として使用可能であることが示された。
(3−4)カラギナン、キサンタンガム
次に、減水効果を発揮する物質を更に模索すべく、カラギナンやキサンタンガムを被験物質として減水効果の確認を行った。
実験は、第2基本処方で調製した原料スラリーに対し、検討対象の物質として30重量部のカラギナン、30重量部のキサンタンガムのいずれかを添加し、粘度の変化について確認した。その結果を図3に示す。
図3からも分かるように、添加前の粘度を100%とした場合、カラギナンを添加したものは151%、キサンタンガムを添加したものは622%と、カラギナンとキサンタンガムのいずれも添加後に著しい粘度上昇を示した。これは、先の「(3−3)デキストリン」にて言及した、DE≦5の長鎖デキストリンと同じ粘度変化の傾向であった。
また詳細は割愛するが、カラギナンとキサンタンガムについても他の試験と同様に、減水効果確認のための原料スラリーの調製を行って、高圧ホモゲナイザーでの処理が第2基本処方と同等に可能となる水の添加量を求めたが、減水効果は確認されなかった。
これらの結果、また先のDE≦5の長鎖デキストリンの結果を踏まえると、多糖類を添加しても、減水剤として機能しない場合もあることが示された。
(3−5)レシチン、乳タンパク
次に、減水効果を発揮する物質を更に模索すべく、レシチンや乳タンパクに着目して減水効果の確認を行った。
実験は、第1基本処方で調製した原料スラリーに対し、検討対象の物質として8重量部の牛乳(乳タンパク質3.4w/w%含有)、30重量部の粉末状乳タンパク質、8重量部の市販の飲むヨーグルト(乳タンパク質3.3w/w%含有)、28重量部の卵黄レシチンのいずれかを添加し、粘度の変化について確認した。その結果を図4に示す。
図4からも分かるように、牛乳(乳タンパク質3.4w/w%含有)、粉末状乳タンパク質、飲むヨーグルト(乳タンパク質3.3w/w%含有)、粉末状大豆レシチンのいずれも、添加後に粘度の低下傾向を示した。これは、減水効果が確認された先述のイヌリンやDE>5の中鎖デキストリン、DE>5の短鎖デキストリンと同様の粘度変化の傾向であった。
また、各物質の減水効果確認のため原料スラリーの調製を行い、高圧ホモゲナイザーでの処理が第2基本処方と同等に可能となる水の添加量を求めた。原料スラリーは、水分含量が75w/w%の生おから100重量部に対し、0.26重量部の酵素と、減水剤として8重量部の牛乳(乳タンパク質3.4w/w%含有)、30重量部の粉末状乳タンパク質、8重量部の市販の飲むヨーグルト(乳タンパク質3.3w/w%含有)、28重量部の卵黄レシチンのいずれかを添加して調製した。
Figure 0006782042
その結果、表4に示すように、減水剤として8重量部の牛乳(乳タンパク質3.4w/w%含有)を使用した場合の水の必要量は162重量部であり、1-[{162+(8*0.966)}/180]≒5.7%の水の量の削減となった。
また同様に、30重量部の粉末状乳タンパク質の場合162重量部(1-(162/180)=10%削減)、8重量部の市販の飲むヨーグルトの場合162重量部(1-[{162+(8*0.967)}/180]≒5.7%削減)、28重量部の卵黄レシチンの場合162重量部(1-(162/180)=10%削減)となることが確認された。
これらのことから、牛乳や粉末状の乳タンパク質、飲むヨーグルト、大豆レシチンは、餡状物に含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化するにあたり、餡状物に添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤として使用可能であることが示された。
〔4〕保存性確認試験
食品中の水分含量は、その食品の保存性、特に微生物との関係において重要であることが知られている。そこで、処理後餡状物に相当するおからペーストを一例に数ヶ月に亘り保存して、減水剤の有無による微生物的な保存性の違いについて検討を行った。
試験は、第1基本処方、第2基本処方、及び表2に示したイヌリン16重量部添加処方、イヌリン50重量部添加処方、イヌリン60重量部添加処方に基づき、図1にて示したおからペースト製造プラントAにておからペースト包装体17を製造し、これを数ヶ月に亘り10℃で保存した。
また、製造当日、製造後10日目、21日目、30日目、45日目、65日目、85日目、110日目、130日目、150日目に、各おからペースト包装体17から少量を無菌的に採取してサンプルとし、微生物検査に供した。その結果を表5に示す。
Figure 0006782042
表5中において、「○」は菌が検出されなかった場合、「×」は菌が検出された場合を示している。表5からも分かるように、減水剤として機能する豆乳(大豆タンパク)や、イヌリンを添加したペースト包装体17は、製造から150日目に至るまで菌の繁殖は確認されなかった。
その一方、減水剤として機能する材料を添加していない第1基本処方品のペースト包装体17は、製造後110日目にて菌が検出された。
このことから、減水剤を添加することにより、添加しない場合に比して、微生物による変敗を可及的抑制できることが示された。なお、この作用については今後更なる研究が待たれるところではあるが、本発明者らは、添加する水の量が減り、微生物の活動が抑制されたためと考えている。
〔5〕製パンテスト
次に、本実施形態に係る餡状物の微細化方法や餡状物微細化装置に供して得られた微細化餡状物、ここでは一例としておからペーストを使用し、各種条件を違えて製造したおからペーストを使用することにより、パンにどのような影響が見られるかについて検討を行った。
(5−1)圧力式ホモゲナイザーによる処理の有無
前述のおからペースト製造プラントAを使用して、圧力式ホモゲナイザーに供して製造したおからペースト(以下、ホモありペーストという。)と、圧力式ホモゲナイザーに供することなく製造したおからペースト(以下、ホモなしペーストという。)とのいずれかを使用して製パンし、レオメータ値と水分値にどのような影響が見られるかについて検討を行った。
ホモありペーストは、前述のおからペースト製造プラントAにて、第2基本処方に従い、本実施形態に係る餡状物の微細化方法を適用することで圧力式ホモゲナイザーに供して製造したおからペーストである。ホモありペーストのメジアン径は、37.356μm(粒子径範囲:0.68〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)であった。
またホモなしペーストは、ホモありペーストと基本的には同じ作り方であるが、プレ微細化スラリーを圧力式ホモゲナイズ部に供することなく、乾燥・餡状物調製部にて再び餡状化させた点で相違している。ホモなしペーストのメジアン径は、63.808μm(粒子径範囲:2.51〜472μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)であった。
パン生地は、100重量部の小麦粉に対し、14重量部のおからペーストを添加して混練することで作製した。なお、その他の製パン手順は、既知の内容であるため、詳細な説明は省略する。
図5は、焼成1日目と焼成4日目におけるパンの状態を示すグラフであり、図5(a)はレオメータ値、図5(b)は水分値を示している。
ホモありペーストを用いたパン(以下、ホモありパンという。)は、焼成4日目におけるレオメータ値が、ホモなしペーストを用いたパン(以下、ホモなしパンという。)と比較して大きな値となった。
また、ホモありパンでは、焼成1日目から焼成4日目にかけて水分値が2.52%減少していた。また、ホモなしパンでは、焼成1日目から焼成4日目にかけて水分値が2.19%減少していた。水分値の変動は同程度であった。焼成4日目でホモありパンは、ホモなしパンよりも柔らかくなっており、ホモありパンの方が老化(固化)しにくくなっていることが明らかとなった。
ホモありパンの高さは60.0mmであった。一方、ホモなしパンの高さは、57.0mmであった。すなわち、ホモありパンはホモなしパンに比べて、ボリュームのあるパンとなっていることが明らかとなった。
ホモありパンでは、仕込み時(生地の作製時)に、生地が軟らかくならず、成形が容易で、張りのある生地となった。一方、ホモなしパンでは、生地が軟らかくべたついたものとなった。
また焼成時には、ホモありパンでは、窯伸び(生地の膨らみ)が見られたが、ホモなしパンでは窯伸びしにくいものとなっていた。
また、ホモありパンに比べてホモなしパンは、焼成後のパンがやや縮んでいる状態が確認された。また、ホモありパンを試食すると、滑らかで食感が良く、パン本来の風味を感じることができた。一方、ホモなしパンを試食すると、ややざらついた食感であった。
ホモなしパンでは、使用したホモなしペーストが圧力式ホモゲナイザーでの処理を経ていないため、メジアン径の結果からも明らかなように、おからペーストを構成する粒子がホモありペーストよりも大きなものとなっている。そのため、大きな粒子が生地の中でグルテンの形成を阻害することが考えられる。グルテンの形成が阻害されると、グルテン組織が不安定になり、生地が緩んでしまう。この結果、焼成時にパンが膨らみにくくなり、ボリュームが不十分になってしまう。また、食べたときの食感が悪く、老化が早くなる。
ホモありパンでは、おからペーストを構成する粒子が小さく、グルテンの形成を阻害しにくくなることが考えられる。この結果、おからペーストが満遍なくパンの組織内に浸透し、おからを構成する油分でグルテン組織がコーティングされ、老化を遅らせることが可能になると推測される。
(5−2)圧力式ホモゲナイザーでの圧力の違い
次に、前述のホモありペーストであるが、圧力式ホモゲナイザーに供する際の圧力を異ならせて得たホモありペーストを使用して製パンし、レオメータ値と水分値にどのような影響が見られるかについて検討を行った。
圧力式ホモゲナイザーの圧力は、40MPa、50MPa、65MPa、80MPa、90MPaの5段階とした。以下、各圧力にて調製されたホモありペーストとそのペーストを用いてい製造したパンを、それぞれ、40Mペーストと40Mパン、50Mペーストと50Mパン、65Mペーストと65Mパン、80Mペーストと80Mパン、90Mペーストと90Mパンと称する。
各ホモありペーストのメジアン径は、40Mペーストが43.381μm(粒子径範囲:0.604〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)、50Mペーストが43.385μm(粒子径範囲:0.97〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)、65Mペーストが44.538μm(粒子径範囲:0.68〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)、80Mペーストが35.507μm(粒子径範囲:0.86〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)、90Mペーストが36.970μm(粒子径範囲:1.09〜205μm。粒度分布曲線は単一のピークを持つ)、であった。また、パン生地の調製など製パン方法は、先の試験方法と同様とした。
図6は、焼成1日目と焼成4日目におけるパンの状態を示すグラフであり、図6(a)はレオメータ値、図6(b)は水分値を示している。
50Mパン、65Mパン及び80Mパンでは、焼成4日目におけるレオメータ値が、90Mパンのレオメータ値よりも大きな値となった。また、50Mパン、65Mパン及び80Mパンでは、焼成1日目から4日目にかけて水分値が約1.8〜2.6%の範囲で減少していた。
40Mパンの高さは60.0mm、50Mパンの高さは63.0mm、65Mパンの高さは64mm、80Mパンの高さは60.0mm、90Mパンの高さは59.0mmであった。
50Mパン及び65Mパンでは、仕込み時(生地の作製時)に、生地が軟らかくならず、成形が容易で、張りのある生地となった。また、50Mパン及び65Mパンでは、焼成の際にボリュームのあるパンとなった。
80Mパンでは、仕込み時(生地の作製時)に、生地がやや軟らかくべたついたものとなった。また、80Mパンでは、焼成の際に、50Mパンや65Mパンと比較して、パンに十分なボリュームが出なかった。
一方、40Mパンでは、仕込み時(生地の作製時)の油脂入れ前のグルテンの結合が弱くなり、緩みやすい生地となった。また、90Mパンでは、成形時に生地がだれてしまい、成形性が良くなかった。更に、90Mパンでは、焼成時に窯伸びしにくいものとなっていた。また、90Mパンでは、パンのボリュームが不十分なものとなった。
(5−3)減水剤(イヌリン)の影響
次に、65Mペーストの処方及び製造過程を基準とし、減水剤としてイヌリンを添加して製パンした際に、レオメータ値と水分値にどのような影響が見られるかについて検討を行った。
イヌリンの添加量は、使用した生おから100重量部に対して16重量部、50重量部、60重量部の3種類であり、これは先に示した表2の中のイヌリン16重量部、イヌリン50重量部、イヌリン60重量部に相当する処方である。なお、それぞれのイヌリンの添加量で調製されたペーストとそのペーストを用いてい製造したパンを、それぞれ、16%ペーストと16%パン、50%ペーストと50%パン、60%ペーストと60%パンと称する。
また本試験では、第1基本処方及び第2基本処方にて得たペーストにて製パンし、同様に試験を行った。第1基本処方にて調製したペーストとそのペーストを用いてい製造したパンを第1処方ペーストと第1処方パン、第2基本処方に基づくものを第2処方ペーストと第2処方パンと称する。
図7は、焼成1日目と焼成4日目におけるパンの状態を示すグラフであり、図7(a)はレオメータ値、図7(b)は水分値を示している。
図7(a)及び図7(b)からも分かるように、第1処方パンと比較して、イヌリンを添加した16%〜60%パンの方が、4日目の値に関し、レオメータ値と水分値の両方が高くなった。このことから、老化抑制効果が確認された。
上述してきたように、本実施形態に係る餡状物の微細化方法によれば、餡状物に水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザーに供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化することとしたため、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる餡状物の微細化方法を提供することができる。
また、本実施形態に係る餡状物微細化システムによれば、餡状物に水を添加して原料スラリーを調製する調合部と、調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化するプレ微細化部と、プレ微細化部を経て得られたプレ微細化スラリーを加圧噴射させて衝撃を付与し、不溶性成分の更なる微細化を行う圧力式ホモゲナイズ部と、圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、必要に応じて水分を調整し餡状物を生成する乾燥・餡状物調製部と、を有することとしたため、餡状物の不溶性成分をより細かに微細化することのできる餡状物微細化システムを提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
12 調合タンク
13 コロイドミル
14 圧力式ホモゲナイザー
15 ドラムドライヤー
16 充填装置
17 おからペースト包装体
A おからペースト製造プラント
B 餡状物微細化システム

Claims (4)

  1. 呉汁から豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加して調製したスラリーを圧力式ホモゲナイザーに供し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化する微細化餡状おから製造方法。
  2. 前記圧力式ホモゲナイザーへ供給するスラリーの調製にあたり、イヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つを減水剤として添加して、前記水の添加量を減らすことを特徴とする請求項1に記載の微細化餡状おから製造方法。
  3. 呉汁由来豆乳分離残渣の餡状おからに水を添加して原料スラリーを調製する調合部と、
    調合部にて調製した原料スラリー中の不溶性成分を予備的に微細化するプレ微細化部と、
    プレ微細化部を経て得られたプレ微細化スラリーを加圧噴射させて衝撃を付与し、不溶性成分の更なる微細化を行う圧力式ホモゲナイズ部と、
    圧力式ホモゲナイズ部にて得られた微細化スラリー中に含まれる水分を蒸発させると共に、必要に応じて水分を調整し餡状おからを生成する乾燥・餡状物調製部と、を有することを特徴とする微細化餡状おから製造装置。
  4. 呉汁より豆乳を分離させた後の餡状おからに水を添加してスラリーを調製し、同スラリーに含まれる不溶性成分を圧力式ホモゲナイザーに供して微細化し、得られた微細化スラリーを乾燥に供して再び餡状化するにあたり、前記餡状おからに添加してスラリー化するために必要な水の量を減らす減水剤としてのイヌリン、デキストロース当量が5を超えるデキストリン、レシチン、大豆タンパク、乳タンパクから選ばれる少なくともいずれか一つの使用。
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