JP6781868B2 - 放射線検出素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線を検出する放射線検出素子の製造方法に関する。
従来から、放射線を利用したイメージングデバイスとしてシンチレータと画像検出器とを組み合わせた装置が広く用いられている。X線等の放射線は物質を透過する透過力が高く、イメージング(シンチレーション)のためにX線光子をシンチレータ内で止めるためにはある程度の厚みのシンチレータが必要である。一方で、厚みの大きいシンチレータを用いてイメージングを行うと、X線光子により発生した可視光がシンチレータ中を拡散してから画像検出器に到達するため、原理的にイメージングされた画像に光学的なボケが生じやすい。その結果、画像検出器の解像度に応じた画像の解像度が得られない傾向にあった。例えば、画像検出器の解像度が10μmであっても、200μm程度の解像度の画像しか得られない。
このような解像度の問題を解決するためのイメージングデバイスの構造としては、例えば、下記非特許文献1に記載の放射線検出素子の構造が知られている。この放射線検出素子は、アルミニウムによってコーティングされた壁面に囲まれた井戸が複数格子状に形成されたシリコンウェハを含み、これらの井戸にシンチレータ材料が蒸着により埋め込まれた構造を有する。このような構造は、柱状構造のシンチレータを含む従来構造や光導波構造内にシンチレータを埋め込んだ従来構造に比較して、シンチレータ材料が限定されない、大面積構造を得ることが容易である、完全な全反射条件を得ることが容易で光の拡散を効率的に防止できる等の利点を有する。
J. G.Rocha and J. H. Correia, "A High-PerformanceScintillator-Silicon-Well X-Rays Microdetector Based on DRIE Techniques", EUROSENSORS XIV, The 14th EuropeanConference on Solid-State Transducers, August 27-30,2000, Copenhagen, Denmark, T1W4 Opto-mechanical sensors, p.329-332
しかしながら、上述した非特許文献1に記載の放射線検出素子においては、シリコンウェハに形成された格子状の井戸の開口幅に対する深さの比が比較的大きい場合には、製造時に蒸着により井戸の開口から底部にまで十分にシンチレータ材料を埋め込むことが困難である。その結果、製造した放射線検出素子によって得られる画像の感度が低下する傾向にあった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、高分解能かつ高感度のイメージングを実現することが可能な放射線検出素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態にかかる放射線検出素子の製造方法は、壁部で仕切られた複数の収容部にシンチレータ材料が埋め込まれた放射線検出素子の製造方法であって、シンチレータ材料を加熱により放出して蒸着させるための蒸着源と、壁部で仕切られた複数の収容部が表面に沿って配列して形成された基板と、冷却面を有する冷却装置とを、基板の複数の収容部の開口が蒸着源に対向し、基板の開口の反対側の面が冷却装置の冷却面に接するように、真空容器内に配置し、真空容器内において、蒸着源を加熱してシンチレータ材料を放出させると共に、基板の開口の反対側の面を冷却装置を用いて冷却する。
上記形態の放射線検出素子の製造方法によれば、真空容器内において、複数の収容部が表面に沿って配列して形成された基板を対象に、その収容部の開口に対向するように配置された蒸着源を用いてシンチレータ材料を蒸着させる際に、基板の収容部の開口の反対側の面が冷却装置を用いて冷却される。これにより、基板の収容部の壁面において開口側から底面側にかけて温度勾配が生じる結果、シンチレータ材料が収容部の壁面全体に吸着されやすくなる。その結果、収容部全体にシンチレータ材料が均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができ、高分解能かつ高感度のイメージングを可能にする放射線検出素子を実現できる。
ここで、収容部を開口の反対側の面において塞ぐ底面部を有する基板と、冷却装置とを、底面部の表面と冷却面とが接するように真空容器内に配置し、真空容器内において、シンチレータ材料を放出させる際に、底面部の表面を冷却装置を用いて冷却する、こととしてもよい。この場合、基板の収容部の壁面において開口側から底面側にかけて温度勾配をより大きくすることができるので、収容部全体にシンチレータ材料がより均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができる。
また、シンチレータ材料として、CsIを含む材料を用いる、こととしてもよい。この場合には、放射線検出素子に組み合わせて用いられる画像検出器の感度が高い波長領域の可視光を用いたイメージングが可能となり、より高感度のイメージングを可能にする放射線検出素子を実現できる。
また、基板における開口の温度と開口の反対側の面の温度との差が300°C以上1000°C以下の温度に設定されるように、冷却装置を用いて基板を冷却する、こととしてもよい。この場合には、収容部全体にシンチレータ材料がより均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができる。
また、真空容器内での基板の開口と蒸着源との距離が1cm以上10cm以下となるように、基板と蒸着源とを配置する、こととしてもよい。この場合にも、収容部全体にシンチレータ材料が均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができる。なお、基板の開口と蒸着源との距離とは、基板の開口と蒸着源におけるシンチレータ材料の搭載面の距離であってもよいし、基板の開口と蒸着源の加熱面との間の距離であってもよい。
本発明によれば、高分解能かつ高感度のイメージングを実現することが可能な放射線検出素子を製造することができる。
実施形態に係る放射線検出素子の製造装置1の側面図である。 図1の製造装置1の加工対象の基板Sの一部破断側面図である。 図1の製造装置1の加工対象の基板Sの一部破断平面図である。 本実施形態にかかる放射線検出素子の製造方法によって放射線検出素子として加工された基板Sの断面図である。 本実施形態によって加工された基板Sの主面13a側にX線を照射した際の発光状態を撮影した写真である。 本実施形態によって加工された基板Sの主面13aの顕微鏡写真である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る放射線検出素子の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面は説明用のために作成されたものであり、説明の対象部位を特に強調するように描かれている。そのため、図面における各部材の寸法比率は、必ずしも実際のものとは一致しない。
まず、図1を参照しながら、実施形態に係る放射線検出素子の製造装置1の構成を説明する。図1は、製造装置1の側面図である。製造装置1は、真空容器3と、真空容器3内で加工対象物である基板Sを支持する支持部材5と、真空容器3の内部に配置される蒸着源7、冷却装置9、及び熱電対11とを含んで構成される。
ここで、製造装置1は、図2および図3に示す構造の基板Sを加工対象とする。図2には、製造装置1の加工対象の基板Sの一部破断側面図を示し、図3には、基板Sの一部破断平面図を示す。基板Sは、例えば、シリコン製の矩形平板状部材であり、一方の主面13aから他方の主面13bに向けて窪む四角柱状の複数の収容部15が、主面13aに沿って2次元的に配列されて形成されている。このような収容部15は、エッチングにより予め形成される。詳細には、複数の収容部15は、同一サイズで互いに等間隔で形成され、隣り合う2つの収容部15は、基板Sの一部をなす壁部17によって仕切られ、主面13aの縁部寄りに形成された最端部の収容部15は、基板Sの縁の壁部19によってその外側を仕切られている。また、それぞれの収容部15は、主面13b側で底面部13cによって塞がれている。例えば、加工対象の基板Sとしては、主面13aに沿った辺の長さが5mm〜12inchのサイズのものが選択される。また、収容部15は、例えば、その底面15a及び開口15bの幅を90μm、その主面13aの垂直方向の深さを800μmとし、壁部17の厚さを10μmとして、主面13aに沿った配列周期が100μmに設定される。ただし、収容部15のサイズ及び配列周期は、特定の値には限定されず、最小値として、底面15a及び開口15bの幅5μm、壁部17の厚さ1μm、配列周期6μmに設定されてもよい。さらに、この基板Sには、それぞれの収容部15の底面15aと主面13bの間の底面部13cにイオン注入によって形成された複数のフォトダイオード部(受光部)21と、それぞれのフォトダイオード部21を主面13b側から覆う金属膜23とが予め設けられている。このフォトダイオード部21は、収容部15内に埋め込まれたシンチレータ材料によって生じた光を光電変換する機能を有する部分であり、金属膜23はフォトダイオード部21によって光電変換により生成された電荷を出力するための電極として設けられるものである。
図1に戻って、製造装置1の詳細構成を説明する。
蒸着源7は、シンチレータ材料25が搭載された蒸発皿27と、その蒸発皿27のシンチレータ材料25の搭載面27bとは反対側の底面27aに接触するように設けられたヒータ29とによって構成されている。シンチレータ材料としては、例えば、ヨウ化セシウム結晶(CsI)を含む材料であるCsI:Tlが用いられる。ヒータ29としては、例えば、電熱線等を内蔵して外部からの電力供給により加熱面29a近傍を加熱する装置が用いられる。このような蒸着源7には、蒸発皿27に搭載されたシンチレータ材料の近傍の温度を検出して外部に検出温度を出力するための熱電対11が取り付けられる。蒸着源7は、熱電対11から出力された検出温度に応じた外部からの電力供給によって、シンチレータ材料25を所定温度(例えば、600°C)に維持するように加熱することにより、シンチレータ材料25を真空容器3内の蒸発皿27の搭載面27bの上方に向けて蒸発(放出)させることができる。
冷却装置9は、冷却面9a近傍を冷却する装置であり、例えば、外部から供給された冷却水を循環させる循環機構とヒータとを内蔵し、外部からの制御により冷却面9aの近傍を所定温度(例えば、50°C)となるように冷却する機能を有する。冷却装置9としては、ペルチェ素子等の温調素子が用いられてもよい。この冷却装置9は、真空容器3内でその冷却面9aを基板Sの主面13b(底面部13cの表面)に面接触させるように設けられる。
支持部材5は、蒸着源7、冷却装置9、及び基板Sを、蒸発皿27のシンチレータ材料25の搭載面27bと基板Sの主面13aとが所定距離を空けて向かい合うように支持する柱状部材5a及び円板部材5bを含む部材である。この円板部材5bには、基板Sの主面13aを蒸着源7に対して露出させるための開口5dが設けられている。すなわち、この支持部材5は、基板Sの主面13a上の複数の収容部15の開口が蒸着源7の搭載面27bに対向するように、蒸着源7、冷却装置9、及び基板Sを支持する。さらに、支持部材5には、ねじ部材等を含む調整機構5cが設けられており、基板Sの主面13aと蒸着源7との距離を所定範囲(例えば、1cm〜10cmの範囲)で調整可能に支持する。ここで、基板Sの主面13aと蒸着源7との距離とは、主面13aと搭載面27bとの距離を言うが、主面13aと加熱面29aとの間の距離でも良い。
次に、上記の製造装置1を用いた放射線検出素子の製造方法について説明する。
まず、基板S、蒸着源7、及び冷却装置9を、支持部材5を用いて、基板Sの複数の収容部15の開口が蒸着源7の搭載面27bに対向し、基板Sの主面13bが冷却装置9の冷却面9aに接するように、内部の真空度が1.0〜2.0x10-4Paに維持された真空容器3内に配置させる。このとき、支持部材5の調整機構5cを用いて、基板Sの主面13a(開口15b)と蒸着源7(搭載面27bあるいは加熱面29a)との距離が所定距離となるように調整される。この距離は、用いるシンチレータ材料、基板Sの大きさ、基板Sの厚さ、収容部15のサイズ及び配列周期等に応じて1cm〜10cmの範囲で適切な値が選択される。
その後、ヒータ29の動作制御を開始することにより、蒸着源7に含まれるシンチレータ材料25を所定温度(例えば、600°C)に維持するように加熱して、シンチレータ材料25を基板Sの主面13aに向けて蒸発(放出)させる。これにより、基板Sの複数の収容部15におけるシンチレータ材料25の蒸着が始まる。それと共に、冷却装置9の動作制御を開始することにより、基板Sの主面13bを所定温度(例えば、50°C)に維持されるように冷却する。このようなヒータ29及び冷却装置9の動作制御は、基板Sの収容部15の内部にシンチレータ材料25が十分に埋め込まれるまで継続される。ここで、シンチレータ材料25の蒸着が始まるタイミングから所定時間経過前又は経過後に冷却装置9の動作制御を開始しても良く、同時でも良い。このような動作制御により、基板Sの主面13a側は蒸着源7からの輻射熱によって加熱され、基板Sの主面13b側は冷却装置9によって冷却されるので、基板Sの収容部15の内壁において、開口15b側端部と底面15a側端部との間で温度差(温度勾配)が生じる。この温度差は、ヒータ29によって設定される蒸着源7の温度と、冷却装置9によって設定される基板Sの主面13bの温度によって決まる。冷却装置9の設定温度は、収容部15の開口15bと基板Sの主面13bとの間の温度差が300°C〜1000°Cの範囲から選択された温度となるように設定されることが好適である。
図4には、本実施形態にかかる放射線検出素子の製造方法によって放射線検出素子として加工された基板Sにおけるシンチレータ材料25の蒸着状態のイメージを示している。図4に示すように、基板Sの主面13bと収容部15の開口15bとの間で温度差ΔTが生じた状態で、蒸着源7から基板Sの主面13aに向けてシンチレータ材料が放出されることにより、収容部15の内部全体に効率的にシンチレータ材料25を埋め込むことができる。すなわち、収容部15の内壁の開口15b側は温度が比較的高いために、シンチレータ材料25の吸着率よりも脱着率のほうが高くなるため、加工処理中にいったん吸着してから脱着しやすくなる。一方、収容部15の内壁の底面15a側は温度が比較的低いために、シンチレータ材料25の吸着率よりも脱着率のほうが低くなるため、加工処理中にいったん吸着すると脱着しにくくなる。その結果、蒸着処理を始めてから、収容部15の底面15aから開口15bにかけてシンチレータ材料25を効率的に埋め込むことができる。
このようにして加工された基板Sは、放射線検出素子として機能することができる。詳細には、基板Sの主面13a側からX線を入射させた場合に、それぞれの収容部15内のシンチレータ材料25によってX線が可視光に変換される。さらに、X線から変換された可視光は、それぞれの収容部15内に閉じ込められながらその収容部15の底面15a近傍のフォトダイオード部21に到達し、フォトダイオード部21によって光電変換される。その結果、それぞれのフォトダイオード部21で検出された電荷信号が、イメージング画像を構成する画素信号として出力される。このような基板Sは、光学的なボケの少なく解像度の高いイメージングデバイスを実現する。
以上説明した放射線検出素子の製造方法によれば、真空容器3内において、複数の収容部15が主面13aに沿って配列して形成された基板Sを対象に、その収容部15の開口15bに対向するように配置された蒸着源7を用いてシンチレータ材料25を蒸着させる際に、基板Sの収容部15の開口15bの反対側の主面13bが冷却装置9を用いて冷却される。これにより、基板Sの収容部15の壁面において開口15b側から底面15a側にかけて温度差が生じる結果、シンチレータ材料25が収容部15の壁面全体に吸着されやすくなる。その結果、収容部15の内部全体にシンチレータ材料25が均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができ、高分解能かつ高感度のイメージングを可能にする放射線検出素子を実現できる。一方で、基板Sへのシンチレータ材料の埋め込み方法としてはシンチレータ材料の溶解によって収容部15内に封入固化する方法も考えられる。しかし、フォトダイオード部21と一体化された構造においては金属膜23等の金属部分の耐熱の問題があるため、数百°Cから千°C以上までの溶解温度が必要なシンチレータ材料を埋め込む方法としては、この方法は適用できない。
加えて、本実施形態では、現在主流となっている30cmのサイズのシリコンウェハを用いて20cm幅を超える放射線検出素子を製造することが可能である。また、基板Sとしてシリコン基板を加工対象とすることで、様々なサイズ、配列周期の収容部の加工が容易であり、フォトダイオード部の作りこみも容易となる。その結果、様々なサイズ及び様々な解像度の放射線検出素子の製造効率も高めることができる。
図5(a)には、本実施形態の製造方法によって加工された基板Sの主面13a側にX線を照射した際の発光状態を撮影した写真を示し、図5(b)には、基板Sに温度差を生じさせないで加工された基板Sの主面13a側にX線を照射した際の発光状態を撮影した写真を示している。これらの写真に示すように、本実施形態によれば、基板Sの収容部15に埋め込まれたシンチレータ材料からの広範囲での発光が観察されており、本実施形態によれば複数の収容部15全体にシンチレータ材料が埋め込まれた放射線検出素子が実現可能であることが分かる。これに対して、温度差が生じていない状態で加工された基板Sからは、収容部15を仕切る壁部17の端部からの発光が主に観察されている。このことから、温度差を発生させないで加工すると、シンチレータ材料が壁部17の主面13a側の端部に主に蒸着され収容部15の内部には行き渡りにくいことが分かる。
また、図6においては、本実施形態によって加工された一辺が10mmのサイズの基板Sの主面13aの顕微鏡写真を示し、写真Gが全体写真、写真Gが写真Gの一部を拡大した写真、写真Gが写真Gに示す基板Sのうちシンチレータ材料の埋め込みが完了した部分Pの写真、写真Gが写真Gに示す基板Sのうちシンチレータ材料の埋め込みが完了していない部分Pの写真をそれぞれ示す。これらの写真に示すように、本実施形態によれば、基板Sの収容部15の開口付近まで十分にシンチレータ材料を埋め込むことが可能であることが分かる。
ここで、本実施形態では、シンチレータ材料25として、CsIを含む材料が用いられているので、放射線検出素子に組み合わせて用いられるフォトダイオード部21の感度が高い波長領域の可視光を用いたイメージングが可能となり、より高感度のイメージングを可能にする放射線検出素子を実現できる。
また、基板Sにおける開口15bの温度と主面13bの温度との差が300°C以上1000°C以下の温度に設定されるので、収容部15全体にシンチレータ材料25がより均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができる。また、真空容器3内での基板Sの開口15bと蒸着源7(搭載面27bあるいは加熱面29a)との距離が1cm以上10cm以下となるように設定されるので、収容部15全体にシンチレータ材料25が均等に埋め込まれた放射線検出素子を製造することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上記実施形態においては下記の構成に変更されてもよい。
例えば、本実施形態の製造方法の対象としては、シリコン製の基板以外に、ガラス製の基板、アルミニウム等の金属製の基板が用いられてもよい。また、基板Sの収容部15の内壁は、光反射材料でコーティングされていてもよい。
また、例えば、本実施形態の製造方法は、主面13b側の底面部13cによって収容部15が塞がれた基板S以外に、主面13aから主面13bに向けて貫通した収容部が形成された基板を対象としてもよい。このような基板を対象とした場合であっても、基板と冷却装置9との接触面を確保して収容部の内壁に温度差を生じさせることによって、収容部の内部に均等にシンチレータ材料を埋め込むことが可能となる。
また、本実施形態の製造方法に使用されるシンチレータ材料としては、ヨウ化ナトリウムを含む材料NaI:Tl、ヨウ化セシウムを含む材料CsI:Na、ヨウ化ストロンチウムを含む材料SrI:Eu、ライカフLiCAF:Eu、LiCAF:Ce、ヨウ化鉛PbI、テルル化カドミウムCdTe、Cd&nTe等が用いられてもよい。
また、本実施形態にかかる製造方法においては、基板Sの収容部15にシンチレータ材料25を埋め込んだ後に、基板Sの主面13a側に蒸着された余計なシンチレータ材料25を除去するために、基板Sの主面13aを研磨する工程が追加されてもよい。
1…製造装置、3…真空容器、5…支持部材、7…蒸着源、9…冷却装置、9a…冷却面、13a,13b…主面、13c…底面部、15…収容部、15a…底面、15b…開口、17,19…壁部、21…フォトダイオード部(受光部)、23…金属膜、25…シンチレータ材料、S…基板。

Claims (5)

  1. 壁部で仕切られた複数の収容部にシンチレータ材料が埋め込まれた放射線検出素子の製造方法であって、
    シンチレータ材料を加熱により放出して蒸着させるための蒸着源と、壁部で仕切られた複数の収容部が表面に沿って配列して形成された基板と、冷却面を有する冷却装置とを、前記基板の前記複数の収容部の開口が前記蒸着源に対向し、前記基板の前記開口の反対側の面が前記冷却装置の前記冷却面に接するように、真空容器内に配置し、
    前記真空容器内において、前記蒸着源を加熱して前記シンチレータ材料を放出させると共に、前記基板の前記開口の反対側の面を前記冷却装置を用いて冷却する、
    放射線検出素子の製造方法。
  2. 前記収容部を前記開口の反対側の面において塞ぐ底面部を有する基板と、前記冷却装置とを、前記底面部の表面と前記冷却面とが接するように前記真空容器内に配置し、
    前記真空容器内において、前記シンチレータ材料を放出させる際に、前記底面部の表面を前記冷却装置を用いて冷却する、
    請求項1記載の放射線検出素子の製造方法。
  3. 前記シンチレータ材料として、CsIを含む材料を用いる、
    請求項1又は2記載の放射線検出素子の製造方法。
  4. 前記基板における前記開口の端部の温度と前記開口の反対側の面の温度との差が300°C以上1000°C以下の温度に設定されるように、前記冷却装置を用いて前記基板を冷却する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出素子の製造方法。
  5. 前記真空容器内での前記基板の前記開口の端部と前記蒸着源との距離が1cm以上10cm以下となるように、前記基板と前記蒸着源とを配置する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線検出素子の製造方法。
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