JP6781018B2 - カバー部材 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅等の建物を改装する際に既設枠等を覆うように設置したカバー部材に関する。
従来、サッシの改装を行う場合に、改装サッシの枠である新設枠を既設枠や躯体にネジなどの固定具で固定している。例えば特許文献1に記載された改装サッシでは、カバー部材で古い既設枠の屋外側の面を覆い隠して外観の意匠性を向上させていた。しかも、既設枠をカバー部材で覆い隠す際、カバー部材の一方の端部を建物の外壁にねじ固定し、他方の端部は既設枠と新設枠の間に延ばして止水材でシールしている。
また、既設枠の縦枠の見付け面が大きい場合等にはカバー部材の一方の端部を、建物の外壁に代えて既設枠の縦枠等にねじ固定することもあった。
特開2015−137532号公報
しかしながら、上述したカバー部材によって建物の外壁や既設枠等を覆い隠す際、改修対象となるサッシの既設枠や外壁の形状や大きさ等が種々異なっており、これに対応できるように種々の形状や大きさのカバー部材を用意しておくことが必要になり、コスト高であった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、既設枠や外壁の形状や大きさ等が相違していてもカバー本体以外の部分で覆い隠すことができるようにしたカバー部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るカバー部材は、建物の開口部に設けた既設枠と新設枠とを有する建具用の枠の屋外側を覆うカバー部材であって、既設枠および前記新設枠の屋外側部分を覆うカバー本体と、カバー本体の側部に取り付けた補助カバー部材とを備え、補助カバー部材はカバー本体の外側に位置する既設枠の部分、もしくは前記既設枠および該既設枠に接続された外壁を覆うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、カバー本体で建具用の枠の屋外側を覆うと共に、その外側に位置する建具用の枠の部分と外壁との少なくとも一方を補助カバー部材で覆うことで、既設枠等の建具用の枠や外壁の形状や大きさ等が相違していても覆い隠すことができる。そのため、カバー部材のカバー本体を変更することなく、大きさや形状の異なる補助カバー部材を交換装着することでカバー本体の外側に位置する建具用の枠や外壁等を適切に覆い隠すことができる。
また、補助カバー部材は建具用の枠とカバー本体との接続部を外側から封止するシール部材を覆っていることが好ましい。
補助カバー部材は、建具用の枠だけでなく枠とカバー本体との接続部を封止するシール部材を覆い隠すことで、より一層、意匠上の美観を向上させることができる。
また、本発明による改装サッシによれば、建物の開口部に設けられた既設枠と、既設枠の内側に取り付けられた新設枠と、既設枠の屋外側を覆うカバー本体を備えたカバー部材とを備えた改装サッシであって、カバー部材の受け部に取り付けられていて被固定部に固定する固定具と、固定具を覆う補助カバー部材とを備え、補助カバー部材はカバー本体の外側に位置する既設枠の部分と既設枠の部分に接続された外壁の少なくとも一方を覆うようにしたことを特徴とする。
本発明による改装サッシによれば、カバー部材のカバー本体で既設枠の屋外側部分を覆うと共に、その外側に位置する既設枠の部分と外壁の少なくとも一方を固定具を覆う補助カバー部材によって覆うため、既設枠や外壁の形状や大きさ等が種々相違していても補助カバー部材で覆うことができる。そのため、カバー部材ではなく補助カバー部材を交換等することで、カバー本体からはみ出る既設枠の部分や外壁を適切に覆い隠すことができて意匠上の美観を向上できる。
本発明によるカバー部材によれば、建具用の枠や外壁の形状や大きさ等が相違していても、既設枠の屋外側部分を覆うカバー本体の外側に位置する建具上の枠の部分と外壁の少なくとも一方を、固定具を覆う補助カバー部材によって覆い隠すことができる。そのため、建具用の枠における屋外側の意匠上の美観を向上できる。
本発明の第一実施形態によるカバー部材を備えた改装サッシの概略構成を示す要部分解斜視図である。 第一実施形態による改装サッシの縦断面図である。 第一実施形態による改装サッシの横断面図である。 図2に示す改装サッシの上枠部分の拡大図である。 図2に示す改装サッシの下枠部分の拡大図である。 図3に示す改装サッシの縦枠部分の拡大図である。 図6に示す縦枠カバー部材による既設縦枠の屋外側端部の被覆状態を示す要部断面斜視図である。 第二実施形態による縦枠カバー部材の断面図である。 第三実施形態による縦枠カバー部材の断面図である。
以下、本発明の第一実施形態によるカバー部材を備えた改装サッシ(建具)について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態による建物の改装サッシ1は屋内と屋外を仕切る外壁2の開口部3に設けられたサッシを改装する際に用いられている。改装サッシ1の改装は、既設サッシ5内に納めた既設の障子(不図示)が撤去され、既設サッシ5のサッシ枠6(以下、既設枠6とする)は撤去されずに残された状態で施工される。本実施形態では、既設枠6の屋内側に開口部3の縁部に沿って額縁27が設けられている。
既設枠6は、見付け方向(外壁2に沿った水平方向)に延在する既設上枠7及び既設下枠8と、縦方向に配設された左右の既設縦枠9,10と、からなる四角形枠状を有している。
新設された改装サッシ1は、新設のサッシ枠12(以下、新設枠12とする)と、サッシ枠12に納められる新設の外障子25及び内障子26(図2、図3参照)とを有している。新設枠12は既設枠6の内側に取り付けられている。見付け方向に延在する新設上枠15及び新設下枠16と、縦方向に配設された左右の新設縦枠17,18と、からなる四角形枠状を有している。なお、既設枠6と新設枠12との間には気密を行う気密材(図示せず)がそれぞれ設置されている。
また、新設枠12の外側には既設枠6の屋外側を覆うためのカバー部材13が設置されている。カバー部材13は見付け方向に延在する上枠カバー部材20及び下枠カバー部材21と、縦方向に配設された左右一対の縦枠カバー部材22,23と、からなる四角形枠状を有している。左右の縦枠カバー部材22,23は上枠カバー部材20及び下枠カバー部材21の両端部の外側に延びて四角形枠状を形成している。また、アングルカバーは、上枠アングルカバー29、下枠アングルカバー30、縦枠アングルカバー31、32が四方組みされた状態で、屋内側から差込まれてねじ固定されている。そして、各アングルカバーの屋内側端部は額縁27に当接されている。
本実施形態による改装サッシ1は、図2及び図3に示すように、既設枠6が外壁2と同等な屋外側位置に設置されていて半外付枠であるが、内付枠に構成してもよい。
次に実施形態による改装サッシ1の構造を具体的に説明する。
図2及び図3に示すように、四角形枠状をなす金属製の既設枠6の屋内側には額縁27が四角形枠状に設置されている。新設枠12は金属製の新設上枠15の屋内側に樹脂製の上枠アングルカバー29、新設下枠16の屋内側に樹脂製の下枠アングルカバー30、左右の新設縦枠17,18の屋内側に樹脂製の縦枠アングルカバー31、32を樹脂枠としてそれぞれ設置している。
外障子25と内障子26はそれぞれアルミ合金等の金属框とその屋内側に設置された樹脂框とで形成された複層障子であり、改装サッシ1は複層サッシである。外障子25と内障子26は二層ガラス等の複層ガラスをそれぞれ収納している。既設枠6内に収納された従来の外障子と内障子が例えば単層ガラスであったため、改装サッシ1に改修することで断熱性を向上できる。
次に上枠における既設上枠7と新設上枠15と上枠カバー部材20の設置構造について図2及び図4により説明する。
改装サッシ1の上枠において、既設上枠7は段付き形状で段付き部7aの屋内側に額縁27が設置されてねじ固定されており、屋外側端部は新設の外障子25側に向けて屈曲されて下方に延びる既設屋外側端部7bを形成している。既設上枠7の既設屋外側端部7bは最も屋外側に形成されており、この既設屋外側端部7bと段付き部7aとの間に取り外した既設障子用の既設外ガイドレール7c、既設内ガイドレール7dが所定間隔で下方に垂下している。
そして、既設上枠7の内側(下側)には新設枠12の新設上枠15が設置されている。新設上枠15は見込み方向に延びる板状の基部15aを有しており、その屋外側端部には下方に屈曲する新設網戸ガイドレール15bが形成されている。新設網戸ガイドレール15bの見込み方向屋内側には新設外ガイドレール15cと新設内ガイドレール15dが順次下方に延びて形成されている。
基部15aの見込み方向中間部分には上方に延びる連結ガイド15eが形成され、既設上枠7の下部に固定された下地材28に固定ねじn1によって連結されている。基部15aの基端部は固定ねじn2によって下地材28に連結されている。固定ねじn1はシール材でシールされている。
新設上枠15の屋内側端部には係止片15fが設けられている。樹脂製の上枠アングル29aは係止片15fに嵌合しており、しかも新設上枠15の屋内側端部から見込み方向屋外側に延びて新設内ガイドレール15dの屋内側の面と下端部とを覆っている。上枠アングル29aの屋内側端部には額縁27との隙間を覆う上枠アングルカバー29が設置されており、上枠アングル29aと上枠アングルカバー29とはねじで固定されている。
上枠アングルカバー29は、その屋内側端部が上方に延びて下地材28を覆って額縁27の下面に当接している。なお、上枠アングルカバー29の屋内側端部は、額縁27の下面に当接していなくてもよく、その際、上枠アングルカバー29の屋内側端部と額縁27との隙間を補助部材で屋内側から被覆していてもよい。
新設上枠15に設置された新設網戸ガイドレール15bは新設網戸33の上桟に形成した溝状のレール受け33a内に受け入れられている。同様に、新設上枠15の新設外ガイドレール15cを受け入れる外障子25のレール受け25aと、新設内ガイドレール15dを受け入れる内障子26のレール受け26aとが形成されている。
そして、既設上枠7の屋外側には、既設上枠7を覆うための断面略コの字状の上枠カバー部材20が設置されている。上枠カバー部材20は一方の長尺の側部20aが既設上枠7と新設上枠15との間で基部15a上に延びていて、基部15aとの間に例えばスポンジ等からなる止水材34が設置されている。上枠カバー部材20の一方の側部20aの先端側には所定間隔で切断可能な凹溝vが形成され、既設上枠7と新設上枠15の間への進入長さを調整可能とした。
上枠カバー部材20の他方の短尺の側部20bはその端部に上部開口20eを有するボックス部20cが形成され、ボックス部20cの底部20dとその屋内側の下地ブロック35とが固定ねじn3で連結されている。下地ブロック35は固定ねじn4によって外壁2に固定されている。なお、下地ブロック35はなくても良く、その場合にはボックス部20cの底部20dは外壁2に直接当接してねじ固定される。
ボックス部20cの上部開口20eにはねじカバー49が補助カバー部材として嵌合されている。ねじカバー49はボックス部20cの上部開口21eに嵌合する嵌合ヒレ部を有する蓋部49aを有している。この蓋部49aはボックス部20cの外側に延びていて屈曲して既設屋外側端部7bの外側の外壁2に着座する当接片49bを有する断面略L字形状を形成している。これによって、ねじカバー49は既設上枠7の既設屋外側端部7bの外側の外壁2を屋外側から被覆している。ねじカバー49はボックス部20cの上部開口20eで着脱交換可能であり、被覆する既設屋外側端部7bや外壁2等の大きさや形状に応じて異なる形状のものを選択的に装着できる。
ボックス部20cと下地ブロック35と外壁2との間をシール部材36で封止している。なお、上枠カバー部材20において、両側の側部20a、側部20bとその間に設けた頂部とでカバー本体20Aを形成する。カバー部材13の他の下枠カバー部材21、縦枠カバー部材22,23等でも同様な構成のカバー本体21A、22A、23Aを有している。
次に下枠における既設下枠8と新設下枠16と下枠カバー部材21の設置構造について図2及び図5に基づいて説明する。
既設下枠8は額縁27にねじn5等で固定された既設屋内側端部8aから既設屋外側端部8bに向けて下方に降下する階段部と傾斜面8cを形成している。既設屋外側端部8bは略鉛直な端面を形成している。既設下枠8の傾斜面8cには見込み方向に所定間隔で屋外側から既設外レール8dと既設内レール8eとが順次上方に起立して形成されている。
図5において、既設下枠8の内側(上側)には新設下枠16が設置されている。新設下枠16は、外障子25及び内障子26の下側に設置された板状の基部16aと、基部16aの端部から下側に突出する屋外側端部16bとを備えている。基部16aの屋内側で分岐されて既設下枠8側に延びる分岐基部16cを備えており、分岐基部16cは屋外側で屋外側端部16bに連結されている。
基部16aの屋外側端部16bの近傍から上側に突出する新設網戸レール16dと、新設網戸レール16dの屋内側で上側に突出する新設外レール16eと、その屋内側で上側に突出する新設内レール16fとを備えている。
分岐基部16cには更に分岐して下方に延びる固定片16gが形成され、この固定片16gは躯体または額縁27に固定された下地材37にねじn6で固定されている。ねじn6はシール材でシールされている。
新設下枠16の屋内側端部には上側に突出するカバー係止部16hが設置されている。樹脂製の下枠アングル30aは新設下枠16のカバー係止部16hに嵌合している。しかも、下枠アングル30aの屋内側端部には額縁27との隙間を覆う下枠アングルカバー30が設置され、下枠アングル30aと下枠アングルカバー30とはねじで固定されている。
下枠アングルカバー30は、その屋内側端部が下方に延びて下地材37を覆っている。下枠アングルカバー30の屋内側端部は、額縁27の上面に当接していてもよい。また、下枠アングルカバー30の屋内側端部と額縁27との隙間を補助部材で屋内側から被覆していてもよい。
新設下枠16に設置された新設網戸レール16dには、新設網戸33の下桟に形成した溝状の下部レール受け33b内に設けた網戸用戸車38が走行可能に載置されている。同様に、新設下枠16の新設外レール16eは、外障子25の下部レール受け25b内に延びて外戸車39が走行可能に載置され、新設内レール16fは内障子26の下部レール受け26b内に延びて内戸車40が走行可能に載置されている。
そして、既設下枠8の屋外側には、既設下枠8を覆うための断面略コの字状の下枠カバー部材21が設置されている。下枠カバー部材21は一方の長尺の側部21aが既設下枠8と新設下枠16との間で分岐基部16cの下側に延びていて、分岐基部16cとの間に例えばスポンジ等からなる止水材42が設置されている。一方の側部21aの先端側に所定間隔で切断可能な凹溝vを形成し、既設下枠8と新設下枠16の間への進入長さを調整可能とした。
下枠カバー部材21の他方の短尺の側部21bはその端部に上部開口21eを有するボックス部21cが形成され、ボックス部21cの底部21dとその屋内側の下地ブロック43とがねじn7で連結されている。更に下地ブロック43は固定ねじn8によって外壁2に固定されている。なお、下地ブロック43はなくても良く、その場合にはボックス部20cの底部20dは外壁2に直接当接して固定される。
ボックス部21cの上部開口21eにはねじカバー49が嵌合している。ねじカバー49はボックス部21cの上部開口21eに嵌合する嵌合ヒレ部を有する蓋部49aを有している。この蓋部49aはボックス部21cの外側に延びていて、更に屈曲して既設屋外側端部8bの外側の外壁2に着座する当接片49bを有する断面略L字形状を形成している。これによって、ねじカバー49は既設下枠8の既設屋外側端部8bと外壁2の一部を屋外側から被覆している。
図2及び図5で示すように、既設下枠8の既設屋外側端部8bは、後述する既設縦枠9,10の屋外側端部より屋外側に突出した形状を有している。下枠カバー部材21では、この既設屋外側端部8bを受け入れる凹部21fが形成されている。
なお、図2及び図5において、上枠カバー部材20及び下枠カバー部材21よりも屋外側に突出して縦枠カバー部材22,23が上下方向に設置されている。この縦枠カバー部材22,23には既設下枠8の既設屋外側端部8bを逃げるための後述する切り欠け部48aが形成されている。
次に図3及び図6に基づいて、既設縦枠9,10及び新設縦枠17,18に設置された縦枠カバー部材22、23の構造について説明する。なお、既設縦枠9,10と新設縦枠17,18と縦枠カバー部材22、23は構造が略左右対称に表れるため、図6に示す一方側の縦枠構造によって代表して説明する。
例えば右側に設置された既設縦枠9は、例えば板状の基部9aが額縁27にねじn9等で固定された既設屋内側端部9bから既設屋外側端部9cに向けて例えば階段状に拡幅する形状を有している。本実施形態では既設屋外側端部9cは既設縦枠9において最も屋外側に突出しており、既設下枠8の最も屋外側に突出する既設屋外側端部8bよりも若干屋内側に引っ込んだ位置に設置されている。既設屋外側端部9cの水平方向外側には屋外から引っ込んだ端面9dが形成され、端面9dはシール部材45による目地を介して外壁2に連結されている。
既設縦枠9の内側(外障子25及び内障子26側)に設置された新設縦枠17は、見込み方向に延びる板状の基部17aとその長手方向中間部分で既設縦枠9方向に延びる固定片部17bとを備えている。固定片部17bは躯体または額縁27に固定された下地材44にねじn10で固定されている。基部17aの固定片部17bより屋内側には内側に突出する突出片17cが突出形成され、この突出片17cに内障子26の戸先側框が進入して当接可能とされている。
新設縦枠17の屋内側端部には、内側に突出するカバー係止部17dが設置されている。樹脂製の縦枠アングル31aは新設縦枠17のカバー係止部17dに嵌合している。縦枠アングル31aの屋内側端部には、額縁27との隙間を覆う縦枠アングルカバー31が設置され、縦枠アングル31aと縦枠アングルカバー31とは、ねじで固定されている。
縦枠アングルカバー31は、その屋内側端部が水平方向に延びて下地材44を覆っている。縦枠アングルカバー31の屋内側端部は、額縁27の側面に当接していてもよい。また、縦枠アングルカバー31の屋内側端部と額縁27との隙間を補助部材で屋内側から被覆していてもよい。
また、既設縦枠9の屋外側には、既設縦枠9を覆うための断面略コの字状の縦枠カバー部材22が設置されている。縦枠カバー部材22は一方の長尺の側部22aが既設縦枠9と新設縦枠17との間で基部17aと所定長さ重なる位置まで延びていて、基部17aとの間に例えばスポンジ等からなる止水材46が設置されている。また、一方の側部22aの先端側に所定間隔で切断可能な凹溝vを形成し、既設縦枠9と新設縦枠17の間への進入長さを調整可能とした。
縦枠カバー部材22の他方の短尺の側部22bはその端部に上部開口22eを有するボックス部22cが形成されている。縦枠カバー部材22によって、既設縦枠9を屋外側から覆い隠すことができる。ボックス部22cの受け部をなす底部22dには既設縦枠9の既設屋外側端部9cに捩じ込まれる固定ねじn11が挿通して取り付けられている。底部22dにおいて、固定ねじn11の両側には例えば板状で樹脂からなる当接部材として当接リブ48、48が突出して取り付けられ、先端が既設屋外側端部9cに当接可能とされている。
縦枠カバー部材22の他方の側部22bに設けたボックス部22cとボックス部22cの底部22dに設けた固定ねじn11と当接リブ48とはカバー装着部52を構成する。このカバー装着部52におけるボックス部22cの上部開口22eにねじカバー49が装着される。
ねじカバー49はボックス部22cの上部開口22eに嵌合する嵌合ヒレ部を有する蓋部49aを有し、蓋部49aは更にボックス部22cの外側に延びていて屈曲して端面9dに着座する当接片49bを有する断面略L字形状を形成している。これによって、ねじカバー49は既設縦枠9の既設屋外側端部9cと端面9dの一部とシール部材53を屋外側から被覆している。
カバー装着部52の上下端部の開口には雨水等の浸入を防ぐための端部キャップ50が嵌合されている。縦枠カバー部材22とカバー装着部52は既設縦枠9に沿って上下方向に延びており、しかも一方の長尺の側部22aの下端部には既設下枠8の既設屋外側端部8bを挿入させる切欠部57が形成されている(図1参照)。そして、既設縦枠9の既設屋外側端部9cに対して既設下枠8の既設屋外側端部8bの方が突出している。
そのため、カバー装着部52の当接リブ48を既設屋外側端部9cの面に当接させて固定ねじn11で固定する際、既設下枠8の既設屋外側端部8bと干渉するので、干渉する部分の当接リブ48を図6に示すカット線Kで切除して切り欠け部48aを形成するようにした。これによって、カバー装着部52の当接リブ48が既設屋外側端部8bと切り欠け部48aによって装着されて配設されるため、縦枠カバー部材22を既設屋外側端部8bと干渉することなく取り付けることができる。
なお、当接リブ48の切り欠け部48aと既設屋外側端部8bとの間は隙間なく嵌合してもよいし隙間が形成されていてもよい。隙間はシール部材等で封止できる。カバー装着部52の取り付け状態で、ボックス部22c及び当接リブ48の外側にシール部材53を設けてシールした。
なお、上述した説明では、既設下枠8の既設屋外側端部8bに対する縦枠カバー部材22の下端側での取付構造について説明したが、既設上枠7の既設屋外側端部7bが既設縦枠9,10より突出している場合には同様な干渉を生じるおそれがあり、縦枠カバー部材22の上端側に同様な当接リブ48と切り欠け部48aを構成してもよい。
改装サッシ1について、一方の既設縦枠9及び新設縦枠17に設けた縦枠カバー部材22の構造について説明したが、他方の既設縦枠10及び新設縦枠18に設けた縦枠カバー部材23においても同様な構造を有している。そのため、図3では新設縦枠18に設けた縦枠カバー部材23について同様な符号を付して説明を省略する。
本実施形態によるカバー部材13及び改装サッシ1は上述した構成を備えており、次に改装サッシ1におけるカバー部材13の施工方法について説明する。
まず、図2及び図3において、既設枠6から既設の外障子と内障子を取り外した状態で、既設上枠7の内側に新設上枠15を取り付ける。図4に示すように、この新設上枠15を固定ねじn1、n2等で下地材28に固定する。また、図5に示すように、既設下枠8の内側に新設下枠16を取り付け、新設下枠16を固定ねじn6等で下地材37に固定する。
図3、図6において、左右の既設縦枠9,10の内側にも同様に新設縦枠17,18を取り付けて基部17a,18aや固定片部17b、18bを固定ねじn10等で下地材44にそれぞれ固定する。
次に、上枠カバー部材20、下枠カバー部材21、左右の縦枠カバー部材22、23を四方組させたカバー部材13を屋外側から一体に装着する。
即ち、図4に示すように、上枠カバー部材20を、既設上枠7を覆うように屋外側から装着させ、長尺の一方の側部20aを既設上枠7と新設上枠15との間に挿入させる。短尺の他方の側部20bを既設上枠7の外側の外壁2に下地ブロック35を介してボックス部20cを着座させ、底部20dから固定ねじn3によって下地ブロック35に固定する。この状態で、一方の側部20aと新設上枠15の基部15aとの間に止水材34が設けられている。
他方の側部20bにおいて、ボックス部20c及び下地ブロック35の外側と外壁2との間をシール部材36で止水する。そして、ボックス部20cの上部開口20eにねじカバー49の蓋部49aの嵌合ヒレ部を嵌合させ、当接片49bを外壁2に着座させる。これにより、シール部材36とボックス部20c及び下地ブロック35と外壁2の一部をねじカバー49で被覆できるため、露出しない。
同様に、図5に示すように、下枠カバー部材21を、既設下枠8を覆うように屋外側から装着させ、長尺の一方の側部21aを既設下枠8と新設下枠16との間に挿入させる。短尺の他方の側部21bのボックス部20cを既設下枠8の外側の外壁2に下地ブロック43を介して着座させ、固定ねじn7によって下地ブロック43に固定する。既設下枠8のボックス部21c及び下地ブロック43ではシール部材36で封止しない。
他方の側部21bにおいて、ボックス部21cの上部開口21eにねじカバー49の蓋部49aの嵌合ヒレ部を嵌合させ、当接片49bを外壁2に着座させる。これにより、ボックス部20c及び下地ブロック43と外壁2をねじカバー49で被覆できるため、露出しない。
また、図6及び図7に示すように、縦枠カバー部材22を、既設縦枠9を覆うように屋外側から装着させ、長尺の一方の側部22aを既設縦枠9と新設縦枠17との間に挿入させ、他方の側部22bのカバー装着部52を既設縦枠9の既設屋外側端部9c上に着座させる。このとき、縦枠カバー部材22の長尺の側部22aの下端部内側に切欠部57が形成されているため、切欠部57に既設下枠8の既設屋外側端部8bが挿入され、干渉しない。
しかし、縦枠カバー部材22の短尺の側部22bの下端部外側に設けたカバー装着部52の当接リブ48が既設屋外側端部8bと干渉するため、当接リブ48の干渉する部分を図6で示すカット線Kに沿って切除し、切り欠け部48aを形成する。
当接リブ48の切り欠け部48aを既設下枠8の既設屋外側端部8bに装着させることで不陸を吸収する。これにより、縦枠カバー部材22の他方の側部22bのカバー装着部52を、既設縦枠9の既設屋外側端部9cと既設下枠8の既設屋外側端部8bとに当接できる。
その後、ねじn11を既設屋外側端部9cに締め込み、他方の側部22bのカバー装着部52におけるボックス部22c及び当接リブ48の外側をシール部材53によって水密に封止する。
左側の縦枠カバー部材23についても同様にカバー装着部52を既設屋外側端部10cに装着し、固定ねじn11を締め込むことでボックス部23c及び当接リブ48の切り欠け部48aを既設屋外側端部10c及び既設屋外側端部8bに当接する。そして、側部23bのボックス部23c及び当接リブ48と既設縦枠10の既設屋外側端部10cの外側をシール部材53によって水密に封止する。
次いで、左右の縦枠カバー部材22、23において、短尺の側部22b、23bのボックス部22c、23cの上部開口22e、23eにねじカバー49の蓋部49aの嵌合ヒレ部をそれぞれ嵌合させる。これにより、当接片49bを既設縦枠9,10の端面9d、10dに着座させる。各ねじカバー49によってカバー装着部52、シール部材53及び既設屋外側端部9c、10cを被覆できる。
次に、上枠アングルカバー29、下枠アングルカバー30、縦枠アングルカバー31、32が四方組みされた状態で屋内側から差込み、ねじで固定する。
上述したように、本実施形態による改装サッシ1に取り付けた各カバー部材20、21、22,23によれば、改装サッシ1の既設枠6や外壁2の形状や大きさ等が相違していても、既設枠6の屋外側部分を覆うカバー本体20A,21A,22A,23Aの外側に位置する既設枠6や外壁2の一部をねじカバー49によって覆い隠すことができる。
しかも、各カバー部材20、21、22,23は、カバー本体20A,21A,22A,23Aを大きくすることなくボックス部20c〜23cの上部開口20e〜23eにそれぞれ嵌合するねじカバー49の延長部分で既設枠6や外壁2を被覆することができる。しかも、各カバー部材20、21、22,23はシール部材36、53を覆うこともできるため意匠性が向上する。
以上、本発明の実施形態による改装サッシ1に用いる各カバー部材20、21、22,23について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の他の実施形態等について説明するが、上述の実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
例えば、図8は本発明の第二実施形態によるカバー部材13を示すものであり、既設縦枠9を被覆する縦枠カバー部材60によって代表して説明する。
図8に示す縦枠カバー部材60において、既設縦枠9の端面9dと外壁2とがシール部材45の目地を介して連結されている。本実施形態による縦枠カバー部材60は、基本構成を第一実施形態による縦枠カバー部材22と同じくしている。縦枠カバー部材60のボックス部22cの上部開口22eに嵌合ヒレ部を嵌合させたねじカバー61は蓋部61aが第一当接片61bの外側に延びており、既設縦枠9の端面9dとシール部材45との接続部近傍まで延びて端面9dに垂下する第二当接片61cが設置されている。
本第二実施形態による縦枠カバー部材60によれば、縦枠カバー部材60のボックス部22cに嵌合するねじカバー61が屋外側の既設縦枠9の端面9dをほぼ覆う構成を備えたため、一層意匠性が向上する。しかも、蓋部61aの長手方向途中部分には蓋部61aを支持する第一当接片61bを設けたため、強度を補強できる。
次に、本発明の第三実施形態によるカバー部材13を図9により説明する。本実施形態では、既設縦枠9を被覆する縦枠カバー部材64によって代表して説明する。
図9に示す縦枠カバー部材64は、ボックス部22cの上部開口22eに嵌合ヒレ部を嵌合させたねじカバー65を備えており、ねじカバー65は蓋部65aが第一当接片65bの外側に延びており、既設縦枠9の端面9d及びシール部材45を超えて外壁2まで延びて外壁2に垂下する第二当接片65cが設置されている。
本第三実施形態による縦枠カバー部材64によれば、縦枠カバー部材64のボックス部22cに嵌合するねじカバー65が屋外側の既設縦枠9の端面9dとシール部材45を覆う構成を備えたため、既設縦枠9だけでなく、シール部材45も被覆できる。そのため、一層意匠性が向上する。
上述した第二、第三実施形態による縦枠カバー部材60、64の構成は既設縦枠9を被覆する縦枠カバー部材だけでなく、既設縦枠10を被覆する縦枠カバー部材23、上枠カバー部材20、下枠カバー部材21にも適用されている。
なお、上述した各実施形態では、既設枠6の既設下枠8が他の部分より突出して不陸を形成する例について説明したが、既設上枠7が他の部分より突出していても同様に縦枠カバー部材22,23、60、64における各一対の当接リブ48の一部を切除することで、不陸を吸収して装着することができる。
また、既設縦枠9,10が既設上枠7や既設下枠8(既設横枠)より突出して不陸を形成する場合には、上記カバー装着部52の構造を縦枠カバー部材22、23に代えて上枠カバー部材20及び/または下枠カバー部材21の他方の側部20b、21bの端部に形成してもよい。
また、既設枠6における既設上枠7及び既設下枠8と既設縦枠9,10の何れかが他より突出する構成を有していなくてもよく、これらの既設屋外側端部が同一平面状に形成されていてもよい。この場合には、カバー部材13に当接リブ48を省略してもよく、各カバー部材における他方の側部に設けたボックス部20c〜23cとねじカバー49、61、65で構成されていてもよい。或いはボックス部20c〜23cとねじカバー49、61、65と下地ブロック35、43等で構成されていてもよい。
上述の各実施形態では、各カバー部材20〜23について蓋部と1または2と以上の当接片とで断面略L字状に形成し、各ボックス部20c〜23cの上部開口にねじカバー49、61、65の嵌合ヒレ部を嵌合して着脱交換可能に固定した。しかしながら、各カバー部材20〜23にボックス部20c〜23cを設けずに、蓋部を固定ねじn11で既設枠6の各既設屋外側端部に固定してもよい。なお、本発明において、ねじカバー49、61、65は補助カバー部材に含まれる。
上述した各実施形態では、カバー部材を既設枠6の既設屋外側端部に固定した固定ねじn11を覆うねじカバー49,61,65を補助カバー部材としたが、本発明の補助カバー部材は必ずしも固定ねじn11を被覆する構成でなくてもよい。例えばカバー部材の一方の側部に固定して既設上枠7、既設下枠8、既設縦枠9,10の既設屋外側端部や外壁2の一部や目地のシール部材45等を被覆するものでもよい。
また、本発明によるカバー部材20〜23は、改装サッシ1における既設枠6の既設上枠7及び既設下枠8と既設縦枠9,10を屋外側から被覆する部材に限定されない。これらを含めて建物の開口部3に設けた建具用の枠の屋外側を覆う適宜のカバー部材に採用できる。
1 改装サッシ
2 外壁
3 開口部
6 既設枠
7 既設上枠
8 既設下枠
9、10 既設縦枠
12 新設枠
13 カバー部材
15 新設上枠
16 新設下枠
17、18 新設縦枠
20 上枠カバー部材
20A、21A、22A、23A カバー本体
20a、20b、21a、21b、22a、22b、23a、23b 側部
21 下枠カバー部材
22,23、60、64 縦枠カバー部材
22c ボックス部
22d 底部(受け部)
49,61、65 ねじカバー(補助カバー部材)

Claims (2)

  1. 建物の開口部に設けた既設枠と新設枠とを有する建具用の枠の屋外側を覆うカバー部材であって、
    前記既設枠および前記新設枠の屋外側部分を覆うカバー本体と、
    前記カバー本体の側部に取り付けた補助カバー部材とを備え、
    前記補助カバー部材は前記カバー本体の外側に位置する前記既設枠の部分、もしくは前記既設枠および該既設枠に接続された外壁を覆うようにしたことを特徴とするカバー部材。
  2. 前記補助カバー部材は、前記建具用の枠と前記カバー本体との接続部を外側から覆っている請求項1に記載されたカバー部材。
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