<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る硬貨入金機を図面を参照して以下に説明する。以下の説明における「前」は硬貨入金機の操作者側、「後」は硬貨入金機の操作者とは反対側、「左」は硬貨入金機の操作者から見て左、「右」は硬貨入金機の操作者から見て右である。
図1に示す第1実施形態に係る硬貨入金機10は、主にバラの硬貨の入金処理を行うものである。硬貨入金機10は、入金機本体11と、何れも入金機本体11から前方に引き出し可能なリジェクト箱12、返却箱13(返却部)及び収納部14とを有している。
入金機本体11は、その上面に設けられて外部から硬貨が金種混合で投入される入金口21と、上面の入金口21よりも右側に設けられて操作入力が行われると共に表示を行う表示入力部22と、上面の表示入力部22よりも前側に設けられて操作入力が行われる操作ボタン23と、上面の入金口21よりも後方に設けられて主電源のオン及びオフ操作が行われる電源スイッチ24と、図示略のキーで収納部14の入金機本体11へのロックを解除する収納部鍵25と、図2に示す制御部27とを有している。図1に示す表示入力部22と操作ボタン23とが、操作入力が行われると共に表示を行う操作表示部28を構成している。
硬貨入金機10は、図2,図3に示すように、入金口21に投入された硬貨を受け入れる供給円盤31と、回転する供給円盤31から送り出される硬貨を受け入れる回転円盤32と、回転する回転円盤32から硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す分離繰出部33と、分離繰出部33で繰り出された硬貨を搬送する搬送部34と、入金口21に投入され搬送部34で搬送中の硬貨の真偽、金種及び正損を識別して計数する識別部35と、識別部35の識別結果に基づき識別部35で偽つまり受け入れ不可と識別された偽硬貨を搬送部34から落下案内するリジェクト案内部40とを有している。
リジェクト案内部40は、図4に示すように、搬送部34の硬貨を案内するガイド壁41に対し突出及び退避可能であって、図4(b)に示すように突出することで、ガイド壁41で案内されて移動する硬貨Cをガイド壁41から離す突出部42と、突出部42でガイド壁41から離された硬貨Cを落下させるリジェクト孔43と、ガイド壁41に案内されて移動する硬貨を検知しこの硬貨に対して突出部42をガイド壁41から突出させるタイミングを計るタイミングセンサ44とを有している。突出部42が図4(a)に示すように退避状態にあるとき、ガイド壁41で案内されて移動する硬貨Cをリジェクト孔43が落下させることはない。これにより、リジェクト案内部40は、搬送部34で搬送中の硬貨Cの中から選択したものを落下可能となっている。
リジェクト案内部40で搬送部34から案内された硬貨は、図1〜図3に示すリジェクト箱12に収納される。リジェクト箱12は、図1に示すように入金機本体11に対し押し込まれた装填状態で、図2〜図4に示すリジェクト案内部40で案内された硬貨を収納し、入金機本体11から取り外されることで、収納した硬貨Cが外部に取り出し可能となる。
硬貨入金機10は、図2,図3に示すように、識別部35の識別結果に基づき識別部35で受け入れ可能と識別された真硬貨を振り分けて搬送部34から落下案内する振分部51と、振分部51で搬送部34から案内された硬貨を一時貯留する一時貯留部52とを有している。一時貯留部52は、図3に示すように、汚損硬貨(特定種の硬貨)を金種混合で貯留する特定種硬貨用の貯留区分部52aと、単一金種の硬貨を貯留する金種別の貯留区分部52b〜52gとを有している。
振分部51は、搬送部34の前後方向に沿う直線状の部分に設けられており、最も識別部35側に、全金種の汚損硬貨を搬送部34から落下させて一時貯留部52に案内する汚損硬貨案内部51aが、その識別部35とは反対側に、常時開の選別孔式であって汚損のない正常硬貨を小径のものから順に搬送部34から落下させて一時貯留部52に案内する金種別の単金種案内部51b〜51gが、それぞれ設けられている。
汚損硬貨案内部51aは、リジェクト案内部40と同様の構造であり、搬送部34の硬貨を案内するガイド壁61に対し突出及び退避可能であって、突出することで、ガイド壁61で案内されて移動する硬貨をガイド壁61から離す突出部62と、突出部62でガイド壁61から離された硬貨を落下させる汚損硬貨落下孔63aと、ガイド壁61に案内されて移動する硬貨を検知しこの硬貨に対して突出部62をガイド壁61から突出させるタイミングを計るタイミングセンサ64aとを有している。突出部62が退避状態にあるとき、ガイド壁61で案内されて移動する硬貨を汚損硬貨落下孔63aが落下させることはない。これにより、汚損硬貨案内部51aは、搬送部34で搬送中の硬貨の中から選択したものを落下可能となっている。
単金種案内部51bは、搬送部34のガイド壁61で案内されて移動する1円の正常硬貨を搬送部34から落下させると共に50円、5円、100円、10円及び500円の各正常硬貨を搬送部34から落下させずに通過させる選別孔55bと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55bの直前位置で検知する計数センサ56bとを有している。単金種案内部51cは、ガイド壁61で案内されて移動する50円の正常硬貨を搬送部34から落下させると共に5円、100円、10円及び500円の各正常硬貨を搬送部34から落下させずに通過させる選別孔55cと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55b,55c間で検知する計数センサ56cとを有している。単金種案内部51dは、ガイド壁61で案内されて移動する5円の正常硬貨を搬送部34から落下させると共に100円、10円及び500円の各正常硬貨を搬送部34から落下させずに通過させる選別孔55dと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55c,55d間で検知する計数センサ56dとを有している。単金種案内部51eは、ガイド壁61で案内されて移動する100円の正常硬貨を搬送部34から落下させると共に10円及び500円の各正常硬貨を搬送部34から落下させずに通過させる選別孔55eと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55d,55e間で検知する計数センサ56eとを有している。単金種案内部51fは、ガイド壁61で案内されて移動する10円の正常硬貨を搬送部34から落下させると共に500円の正常硬貨を搬送部34から落下させずに通過させる選別孔55fと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55e,55f間で検知する計数センサ56fとを有している。単金種案内部51gは、ガイド壁61で案内されて移動する500円の正常硬貨を搬送部34から落下させる選別孔55gと、搬送部34で搬送される硬貨を選別孔55f,55g間で検知する計数センサ56gとを有している。計数センサ56b〜56gは、選別孔55b〜55gで落下する硬貨を計数する。
このように振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、受け入れ可能な真硬貨を各金種及び特定種の硬貨(汚損硬貨)に分類して振り分ける。
振分部51の上記の振り分けの順番に合わせて、一時貯留部52は、汚損硬貨案内部51aで案内されて汚損硬貨落下孔63aから落下する汚損硬貨を貯留する貯留区分部52a、単金種案内部51bで案内されて選別孔55bから落下する1円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52b、単金種案内部51cで案内されて選別孔55cから落下する50円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52c、単金種案内部51dで案内されて選別孔55dから落下する5円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52d、単金種案内部51eで案内されて選別孔55eから落下する100円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52e、単金種案内部51fで案内されて選別孔55fから落下する10円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52f、単金種案内部51gで案内されて選別孔55gから落下する500円の正常硬貨を貯留する貯留区分部52gが、前側から後側に向けて、この順に直線状に並べられている。このように一時貯留部52は、振分部51で各金種及び特定種の硬貨(汚損硬貨)に分類して振り分けられた硬貨をこの分類のまま一時貯留する。一時貯留部52は、金種別に分類して貯留する硬貨の金種数である6つよりも1つ多い7つの貯留区分部を有している。
一時貯留部52は、貯留区分部52a〜52gの側壁部分を形成する一体の一時貯留部本体71と、貯留区分部52a〜52gの底部分を形成する底板72と、一時貯留部本体71を水平移動させる図5に示す本体駆動部73と、底板72を水平移動させる底板駆動部74とを有している。一時貯留部52は、図3に示す振分部51の鉛直下方が基本位置であり、図5に示すように、この基本位置に一時貯留部本体71及び底板72が位置する状態で、図3に示す振分部51で案内された硬貨を貯留区分部52a〜52gに分類して受け入れて貯留する。つまり、一時貯留部52は、入金口21に入金された正常硬貨を、金種別の貯留区分部52b〜52gに金種別に分けて貯留すると共に、汚損硬貨を貯留区分部52aに貯留する。
硬貨入金機10は、一時貯留部52が貯留区分部52a〜52gに分類して貯留している硬貨を収納する図5〜図9に示す収納部14を有している。収納部14は、図6に示すように、一時貯留部52が、底板72を基本位置に保持した状態のまま一時貯留部本体71を側方の収納位置に移動させることで、図7に示す貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納する。
収納部14は、貯留区分部52aから落下する汚損硬貨を収納する収納箱81a、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を収納する収納箱81b、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を収納する収納箱81c、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を収納する収納箱81d、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を収納する収納箱81e、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を収納する収納箱81f、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を収納する収納箱81gが、前側から後側に向けて、この順に直線状に並べられている。収納箱81a〜81gは、それぞれが箱状となっており、同じ形状及び大きさとなっている。収納部14は、一時貯留部52で分類して一時貯留している硬貨を、この分類のまま収納する。収納部14は、金種別に分類して収納する硬貨の金種数である6つよりも1つ多い7つの収納箱を有している。
収納部14は、図8に示すように、入金機本体11に対し前方に引き出し可能となるように連結された収納引出部82を有しており、この収納引出部82に収納箱81a〜81gが個別に着脱可能に装填されている。収納箱81a〜81gは、収納引出部82に装填された後、この収納引出部82が入金機本体11に押し込まれると、図7に示す一時貯留部52から落下する硬貨を収納可能となる。また、収納箱81a〜81gは、図8に示すように、収納部鍵25のロックが解除された状態で、入金機本体11から収納引出部82が引き出された後、この収納引出部82から上方又は側方に取り外されることで、収納した硬貨が外部に取り出し可能となる。ここで、収納箱81a〜81gは、収納引出部82に装填され、収納引出部82と共に入金機本体11に装填された状態、つまり硬貨入金機10の内部に装填された状態では、硬貨を繰り出すことはなく硬貨の収納のみを行う。つまり、収納部14は硬貨を繰り出し不可に収納する。
硬貨入金機10は、一時貯留部52が貯留区分部52a〜52gに分類して貯留している硬貨を外部に返却可能に収納する返却箱13を有している。返却箱13は、図9に示すように、一時貯留部52が、基本位置にある底板72及び一時貯留部本体71のうち底板72のみを側方の返却位置に移動させることで、図3に示す貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納する。
返却箱13は、貯留区分部52aから落下する汚損硬貨を収納する返却区分部91a、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を収納する返却区分部91b、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を収納する返却区分部91c、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を収納する返却区分部91d、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を収納する返却区分部91e、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を収納する返却区分部91f、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を収納する返却区分部91gが、前側から後側に向けて、この順に直線状に並べられている。返却箱13は、金種別に分類して収納する硬貨の金種数である6つよりも1つ多い7つの返却区分部を有している。
返却箱13は、返却区分部91a〜91gが一体に設けられている。返却箱13は、図1に示す入金機本体11から前方に引き出されて入金機本体11から取り外される。返却箱13は、入金機本体11に装填された状態で図3に示す一時貯留部52からの硬貨を収納し、入金機本体11から取り外されることで、収納した硬貨が外部に取り出し可能となる。ここで、返却箱13も、入金機本体11に装填された状態では硬貨を繰り出すことはなく収納のみを行う。なお、返却箱13は、硬貨を金種別に分類せずに、金種混合で一括して収納するものであっても良い。
硬貨入金機10は、銀行等の金融機関、流通、警備会社等の現金管理センター、ベンダーにおける現金処理業務で使用される硬貨入金機であって、通常の入金処理に加えて、従来、現送会社に準備してもらったり他の硬貨処理機によって作成したりしていた釣銭準備金を作成可能なものとなっている。
[通常モード]
通常モードは、以下の入金処理と、入金収納処理又は入金返却処理とを行うモードとなっている。
「入金処理」
操作表示部28への操作により硬貨入金機10が通常モードに設定された状態で、入金口21に硬貨が投入されて操作表示部28へ入金処理実行の操作入力がなされると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていることを図示略のセンサで検出していることを条件に、供給円盤31、回転円盤32及び搬送部34を駆動する。すると、回転円盤32から分離繰出部33が硬貨を一枚ずつに分離して繰り出すことになり、繰り出された硬貨を搬送部34が搬送し、識別部35が真偽、金種及び正損を識別して計数する。そして、識別部35で偽つまり受け入れ不可と識別された偽硬貨をリジェクト案内部40で搬送部34から案内してリジェクト箱12に収納する。他方、識別部35で受け入れ可能と識別された真硬貨を振分部51で搬送部34から案内して、一時貯留部本体71及び底板72の両方が図5に示すように基本位置に位置する状態の一時貯留部52に分類して貯留させる。振分部51は、一時貯留部52の貯留区分部52aに全金種の汚損硬貨を、貯留区分部52bに1円の汚損のない正常硬貨を、貯留区分部52cに50円の正常硬貨を、貯留区分部52dに5円の正常硬貨を、貯留区分部52eに100円の正常硬貨を、貯留区分部52fに10円の正常硬貨を、貯留区分部52gに500円の正常硬貨を、それぞれ貯留させることになる。
そして、入金口21内にあった全ての硬貨がリジェクト箱12或いは一時貯留部52に至ったと判定すると、制御部27は、識別部35の識別結果から、受け入れ可能な真硬貨の金種別の設定枚数データを操作表示部28に表示させると共に、操作表示部28に了解操作及びキャンセル操作の何れか一方の選択入力を受け付ける状態になって入金処理を終了する。
「入金収納処理」
入金処理後、操作表示部28に了解操作が入力されると、制御部27は、図6に示すように、底板72を基本位置に保持した状態のまま一時貯留部本体71を側方の収納位置に移動させることで貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納部14に収納する入金収納処理を行う。
この入金収納処理によって、図7に示す貯留区分部52aから落下する汚損硬貨を収納箱81aが収納し、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を収納箱81bが収納し、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を収納箱81cが収納し、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を収納箱81dが収納し、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を収納箱81eが収納し、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を収納箱81fが収納し、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を収納箱81gが収納する。その後、制御部27は、一時貯留部本体71を図5に示す基本位置に戻して入金収納処理を終了する。
「入金返却処理」
入金処理後、操作表示部28にキャンセル操作が入力されると、制御部27は、図9に示すように、一時貯留部本体71を基本位置に保持した状態のまま底板72を側方の返却位置に移動させることで貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで返却箱13に収納する。
すなわち、図3に示す貯留区分部52aから落下する汚損硬貨を返却区分部91aが収納し、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を返却区分部91bが収納し、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を返却区分部91cが収納し、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を返却区分部91dが収納し、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を返却区分部91eが収納し、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を返却区分部91fが収納し、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を返却区分部91gが収納する。その後、制御部27は、図3に示すように、底板72及び一時貯留部本体71を基本位置に戻して、返却処理を終了する。この状態で、返却箱13は、入金機本体11から引き外されて、収納していた硬貨が外部に取り出される。
[釣銭準備金作成第1モード]
操作表示部28への操作により硬貨入金機10が釣銭準備金作成第1モードに設定され、釣銭準備金を構成する金種別の設定枚数が入力されると、制御部27は、この金種別の設定枚数B1と、通常モードでの識別部35の計数結果から把握している金種別の収納箱81b〜81gの正常硬貨の硬貨量A1とを比較する。
収納箱81b〜81gの硬貨量A1が、何れか一金種でも、金種別の設定枚数B1よりも少ないと、制御部27は、硬貨量が不足しているとして操作表示部28へ警告表示を行わせる。収納箱81b〜81gの硬貨量A1が、各金種共に、金種別の設定枚数B1以上である場合、制御部27は、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、そのうちの収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入するように促す表示を操作表示部28に表示させる。これを見た作業者が、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81a〜81gの何れも硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、供給円盤31、回転円盤32及び搬送部34を駆動する。すると、回転円盤32から分離繰出部33が硬貨を一枚ずつに分離して繰り出すことになり、繰り出された硬貨を搬送部34が搬送し、識別部35が真偽、金種及び正損を識別して計数する。そして、偽硬貨と真硬貨のうちの汚損硬貨とをリジェクト案内部40で搬送部34から案内してリジェクト箱12に収納する。他方、真硬貨のうち汚損のない正常硬貨を振分部51で搬送部34から案内して、一時貯留部本体71及び底板72の両方が基本位置に位置する状態の一時貯留部52に分類して貯留させる。
すなわち、振分部51は、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数までの1円の正常硬貨を貯留区分部52bに、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数までの50円の正常硬貨を貯留区分部52cに、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数までの5円の正常硬貨を貯留区分部52dに、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数までの100円の正常硬貨を貯留区分部52eに、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数までの10円の正常硬貨を貯留区分部52fに、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数までの500円の正常硬貨を貯留区分部52gに、それぞれ貯留させることになる。
また、振分部51は、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数を超える1円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数を超える50円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数を超える5円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数を超える100円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数を超える10円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数を超える500円の正常硬貨とを、一時貯留部52の貯留区分部52aに金種混合で貯留させることになる。
そして、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数の1円の正常硬貨を貯留区分部52bに、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数の50円の正常硬貨を貯留区分部52cに、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数の5円の正常硬貨を貯留区分部52dに、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数の100円の正常硬貨を貯留区分部52eに、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数の正常硬貨を貯留区分部52fに、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数の正常硬貨を貯留区分部52gに、それぞれ貯留させると、制御部27は、供給円盤31及び回転円盤32を停止させると共に搬送部34に残っている硬貨のうち、偽硬貨と汚損硬貨とをリジェクト案内部40で搬送部34から案内してリジェクト箱12に収納し、全金種の正常硬貨を一時貯留部52の貯留区分部52aに貯留させることになる。前記金種別の設定枚数B1の硬貨すなわち貯留区分部52b〜52gに貯留させた硬貨と、貯留区分部52aに貯留させた硬貨とは、共に識別部35を通過しているので、制御部27は、上記硬貨量A1から、金種毎に、前記金種別の設定枚数B1と貯留区分部52aに貯留させた硬貨の枚数C1とを差し引いた値が未計数の硬貨量D1であることを把握する。
その後、制御部27は、底板72を基本位置に保持した状態のまま一時貯留部本体71を側方の収納位置に移動させることで貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納部14に収納する。
これにより、貯留区分部52aから落下する前記金種別の設定枚数を超える硬貨を金種混合で収納箱81aが収納し、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を収納箱81bが収納し、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を収納箱81cが収納し、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を収納箱81dが収納し、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を収納箱81eが収納し、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を収納箱81fが収納し、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を収納箱81gが収納する。その後、制御部27は、一時貯留部本体71を基本位置に戻して釣銭準備金作成処理を終了する。
その結果、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数の1円の正常硬貨が収納箱81bに収納され、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数の50円の正常硬貨が収納箱81cに収納され、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数の5円の正常硬貨が収納箱81dに収納され、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数の100円の正常硬貨が収納箱81eに収納され、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数の10円の正常硬貨が収納箱81fに収納され、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数の500円の正常硬貨が収納箱81gに収納される。入金機本体11から収納部14を引き出し、収納部14の収納引出部82から収納箱81b〜81gを取り出して、各収納箱81b〜81gから硬貨を取り出すことで、前記金種別の設定枚数の硬貨を金種別に分けた状態で得ることができる。
すなわち、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類して一時貯留部52に貯留させることになり、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数の硬貨を一時貯留すると、一時貯留している硬貨を分類状態のまま収納部14に収納させることになる。より詳しくは、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類すると共に、前記金種別の設定枚数の硬貨を、各金種に分類して一時貯留部52に貯留させる。また、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数を超える硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aに収納させる。
継続して釣銭準備金作成処理を行う場合には、収納箱81b〜81gが入金機本体11にセットされると、同様に、次の釣銭準備金を収納箱81b〜81gに金種別に出金する。すなわち、次の釣銭準備金の金種別の設定枚数E1が入力されると、まず、金種毎に、上記硬貨量A1から、すでに釣銭準備金として収納箱81b〜81gに出金された硬貨量B1を減算し、この値が次の釣銭準備金の金種別の設定枚数E1以上であるか否かを判定する。各金種共に、硬貨量A1から硬貨量B1を減算した値が設定枚数E1以上である場合、金種毎に、未計数の硬貨量D1が設定枚数E1以上であるか否かを判定する。各金種共に、未計数の硬貨量D1が設定枚数E1以上であれば、継続して釣銭準備金作成処理を実行可能となる。すなわち、この状態で、操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力がされると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81b〜81gの何れも硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。すなわち、収納箱81aには、硬貨が収納されていても釣銭準備金作成処理を実行する。
これに対して、何れかの金種で、未計数の硬貨量D1が設定枚数E1より少なければ、金種別の設定枚数E1の釣銭準備金を準備できないため、操作表示部28へ収納箱81aの硬貨を全て回収して入金口21に投入するように促す表示を表示させる。これを見た作業者が、収納箱81aの硬貨を全て回収して、収納箱81aの硬貨を入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81a〜81gの何れも硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。その際に、この釣銭準備金作成処理開始時点での未計数の硬貨量D1を、金種毎に、硬貨量A1から前回の釣銭準備金作成処理での金種別の設定枚数B1を減算した値F1に更新する。以後、同様の制御を繰り返す。
なお、釣銭準備金作成処理中に収納箱81aがフルになったことを図示略のセンサで検知した場合には、収納箱81aからの硬貨の回収を促す表示を操作表示部28に表示させる。すると、作業者は、収納箱81aからの硬貨を回収して入金口21に投入して釣銭準備金の元とする。
以上において、入金口21に投入された硬貨が汚損硬貨の場合は、リジェクト箱12にリジェクトするようにしたが、汚損硬貨は、釣銭準備金に不向きであるため、釣銭準備金として出金されないように分離すれば良い。このため、投入された硬貨が汚損硬貨の場合、リジェクト箱12ではなく、収納箱81aに収納するようにしても良い。
[釣銭準備金作成第2モード]
操作表示部28への操作により硬貨入金機10が釣銭準備金作成第2モードに設定され、釣銭準備金を構成する金種別の設定枚数が入力されると、制御部27は、釣銭準備金作成第1モードと同様に、この金種別の設定枚数B2と、通常モードでの識別部35の計数結果から把握している収納箱81b〜81gの硬貨量A2とを比較する。
収納箱81b〜81gの硬貨量A2が、各金種共に、金種別の設定枚数B2以上であることを条件に、制御部27は、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、そのうちの収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入するように促す表示を操作表示部28に表示させる。これを見た作業者が、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81a〜81gの何れも硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、供給円盤31、回転円盤32及び搬送部34を駆動して、入金口21の硬貨を搬送部34で搬送し、識別部35で真偽、金種及び正損を識別して計数させる。そして、偽硬貨と汚損硬貨とをリジェクト案内部40でリジェクト箱12に収納する。他方、正常硬貨を振分部51で一時貯留部本体71及び底板72の両方が基本位置に位置する状態の一時貯留部52に分類して貯留させる。
すなわち、振分部51は、一時貯留部52の貯留区分部52aに、前記金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留させることになる。つまり、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数までの1円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数までの50円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数までの5円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数までの100円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数までの10円の正常硬貨と、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数までの500円の正常硬貨とを貯留区分部52aに貯留させる。
また、振分部51は、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数を超える1円の正常硬貨を貯留区分部52bに、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数を超える50円の正常硬貨を貯留区分部52cに、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数を超える5円の正常硬貨を貯留区分部52dに、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数を超える100円の正常硬貨を貯留区分部52eに、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数を超える10円の正常硬貨を貯留区分部52fに、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数を超える500円の正常硬貨を貯留区分部52gに、それぞれ貯留させることになる。
そして、貯留区分部52aに前記金種別の設定枚数の正常硬貨を全て貯留させると、制御部27は、供給円盤31及び回転円盤32を停止させると共に、搬送部34に残っている硬貨のうち、偽硬貨と汚損硬貨とをリジェクト案内部40でリジェクト箱12に収納し、正常硬貨を一時貯留部52の貯留区分部52b〜52gに金種別に貯留させることになる。前記金種別の設定枚数B2の硬貨すなわち貯留区分部52aに貯留させた硬貨と、貯留区分部52b〜52gに貯留させた硬貨とは、共に識別部35を通過しているので、制御部27は、収納箱81b〜81gから回収した上記硬貨量A2から、金種毎に、前記金種別の設定枚数B1と貯留区分部52b〜52gに貯留させた硬貨の枚数C2とを差し引いた値が未計数の硬貨量D2であることを把握する。
その後、制御部27は、底板72を基本位置に保持した状態のまま一時貯留部本体71を側方の収納位置に移動させることで貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納部14に収納する。
これにより、貯留区分部52aから落下する前記金種別の設定枚数の硬貨を収納箱81aが金種混合で収納し、貯留区分部52bから落下する1円の正常硬貨を収納箱81bが収納し、貯留区分部52cから落下する50円の正常硬貨を収納箱81cが収納し、貯留区分部52dから落下する5円の正常硬貨を収納箱81dが収納し、貯留区分部52eから落下する100円の正常硬貨を収納箱81eが収納し、貯留区分部52fから落下する10円の正常硬貨を収納箱81fが収納し、貯留区分部52gから落下する500円の正常硬貨を収納箱81gが収納する。その後、制御部27は、一時貯留部本体71を基本位置に戻して釣銭準備金作成処理を終了する。
その結果、前記金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81aに、前記金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数を超える1円の正常硬貨が収納箱81bに、前記金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数を超える50円の正常硬貨が収納箱81cに、前記金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数を超える5円の正常硬貨が収納箱81dに、前記金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数を超える100円の正常硬貨が収納箱81eに、前記金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数を超える10円の正常硬貨が収納箱81fに、前記金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数を超える500円の正常硬貨が収納箱81gに、それぞれ収納される。入金機本体11から収納部14を引き出し、収納部14の収納引出部82から収納箱81aを取り出して、収納箱81aから硬貨を取り出すことで、前記金種別の設定枚数の硬貨を金種混合の状態で得ることができる。
すなわち、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類して一時貯留部52に貯留させることになり、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数の硬貨を一時貯留すると、一時貯留している硬貨を分類状態のまま収納部14に収納させることになる。より詳しくは、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類すると共に、前記金種別の設定枚数を超える硬貨を各金種に分類して一時貯留部52に貯留させる。その際に、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数の硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aに収納させる。
継続して釣銭準備金作成処理を行う場合には、収納箱81aが入金機本体11にセットされると、同様に、次の釣銭準備金を収納箱81aに金種別に出金する。すなわち、次の釣銭準備金の金種別の設定枚数E2が入力されると、まず、金種毎に、上記硬貨量A2から、すでに釣銭準備金として収納箱81aに出金された硬貨量B2を減算し、この値が次の釣銭準備金の金種別の設定枚数E2以上であるか否かを判定する。各金種共に、硬貨量A2から硬貨量B2を減算した値が設定枚数E2以上である場合、金種毎に、未計数の硬貨量D2が設定枚数E2以上であるか否かを判定する。各金種共に、未計数の硬貨量D2が設定枚数E2以上であれば、継続して釣銭準備金作成処理を実行可能となる。すなわち、この状態で、操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力がされると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81aに硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。すなわち、収納箱81b〜81gには、硬貨が収納されていても釣銭準備金作成処理を実行する。
上記に対して、何れかの金種で、未計数の硬貨量D2が設定枚数E2より少なければ、金種別の設定枚数E2の釣銭準備金を準備できないため、操作表示部28へ、不足の金種を表示して、収納箱81b〜81gのうち少なくとも不足の金種の収納箱の硬貨を全て回収して入金口21に投入するように促す表示を表示させる。これを見た作業者が、収納箱81b〜81gのうち不足の金種の収納箱の硬貨を全て回収して入金口21に投入し、或いは全ての収納箱81b〜81gの硬貨を全て回収して入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81aと収納箱81b〜81gのうち不足の金種の収納箱とが硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。以後、同様の制御を繰り返す。
なお、釣銭準備金作成処理中に収納箱81b〜81gがフルになったことを図示略のセンサで検知した場合には、収納箱81b〜81gのうちのフルになった収納箱からの硬貨の回収を促す表示を操作表示部28に表示させる。すると、作業者は、収納箱81b〜81gのうちのフルになった収納箱から硬貨を回収して入金口21に投入して釣銭準備金の元とする。
以上において、入金口21に投入された硬貨が汚損硬貨の場合は、リジェクト箱12にリジェクトするようにしたが、汚損硬貨は、釣銭準備金に不向きであるため、釣銭準備金として出金されないように分離すれば良い。このため、投入された硬貨が汚損硬貨の場合、リジェクト箱12ではなく、金種毎に収納箱81b〜81gに収納するようにしても良い。
以上に述べた第1実施形態によれば、振分部51が、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち、受け入れ可能な硬貨を各金種の正常硬貨及び汚損硬貨に分類して振り分けると、一時貯留部52が振分部51で振り分けられた硬貨を前記分類のまま一時貯留する。そして、受け入れた硬貨を収納する際には、一時貯留部52で一時貯留している硬貨を前記分類のまま収納部14に収納する。このようにして、投入された硬貨を識別して収納する。また、受け入れた硬貨を返却する際には、一時貯留部52で一時貯留している硬貨を前記分類のまま返却箱13に収納する。
一方、釣銭準備金を作成する際には、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類して一時貯留部52に貯留させ、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数の硬貨を一時貯留すると、一時貯留している硬貨を分類状態のまま収納部14に収納させる。これにより、入力された前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分離して、収納部14に収納させることができ、収納部14から前記金種別の設定枚数の硬貨を取り出して釣銭準備金とすることができる。このように、通常モードでは汚損硬貨が収納される収納箱81aを含む収納部14を有効利用して、釣銭準備専用の機構を設けること無しに、釣銭準備金を作成することができる。従って、釣銭準備専用の機構を設けた場合と比較して、部品点数を低減し、コストの増加及び装置の大型化を抑制することができ、釣銭準備金の準備のための負担を低減することができる。
また、釣銭準備金作成第1モードで、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類すると共に、前記金種別の設定枚数の硬貨を各金種に分類して一時貯留部52に貯留させる。これにより、入力された金種別の設定枚数の硬貨を各金種に分類して収納部14に収納することができる。従って、釣銭準備金を金種別に準備することができる。
また、釣銭準備金作成第1モードで、一時貯留部52は、金種別の設定枚数を超える硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aに収納させるため、通常モードにおいて汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aを有効利用することができる。
また、釣銭準備金作成第2モードで、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類すると共に、前記金種別の設定枚数を超える硬貨を各金種に分類して一時貯留部52に貯留させる。これにより、入力された金種別の設定枚数を超える硬貨を各金種に分類して収納部14に収納することができる。よって、続けて行われる釣銭準備金作成処理において、入金口21に硬貨の不足が生じた場合でも必要な金種の硬貨を効率良く入金口21に投入することができる。
また、釣銭準備金作成第2モードで、一時貯留部52は、金種別の設定枚数の硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aに収納させるため、通常モードにおいて汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81aを有効利用することができる。
以上の第1実施形態を以下の変形例1〜4のように変更することができる。
[変形例1]
通常モード時において、収納箱81aに汚損硬貨を収納することに限定されるものではなく、汚損硬貨の代わりに、1円、5円、10円、50円、100円、500円の中から指定された何れかの硬貨を収納箱81aに収納するようにしても良い。例えば、汚損硬貨の代わりに、使用頻度が多い、10円や100円を収納箱81aに収納したり、旧500円又は新500円を収納箱81aに収納したりする。つまり、この収納箱81aには、使用頻度が多い、10円や100円の補助収納箱として使用されたり、新旧の500円を選別するための500円の補助収納箱として使用されたりする。
[変形例2]
釣銭準備金(金種別の枚数データ)は、1回ごとに、入力しても良いし、最初に、必要な複数回分のデータを入力しても良い。複数回分を一度に入力した場合、釣銭準備金を作成し始める前に、釣銭準備金として回収される収納箱81b〜81gの硬貨量A1,A2だけで、複数回分の釣銭作成が可能か否かの判断が可能となる。不足が予測されるときは、その旨を操作表示部28に報知することで、手持ちからの事前出金を行って入金口21に投入してからの釣銭作成が可能となる。
[変形例3]
釣銭準備金を構成する金種別の設定枚数のデータは、事前にパターン登録しておき、登録された複数パターンの中から操作表示部28への操作で選択するようにしても良い。また、登録パターンの選択と、都度入力とを組み合わせても良い。
[変形例4]
収納箱81a〜81gは、同じ形状及び大きさであることが好ましいが、汚損硬貨及び6金種のうちの何れかが収納される収納箱を他の収納箱よりも大きく又は小さく設ける等、使用頻度に応じて大きさを異ならせるようにしても良い。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る硬貨入金機を第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態の振分部51の単金種案内部51b〜51gが、リジェクト案内部40及び汚損硬貨案内部51aと同様の構造であり、全金種の硬貨の落下及び通過を制御可能となっている。
第2実施形態においては、第1実施形態の通常モード、釣銭準備金作成第1モード及び釣銭準備金作成第2モードに加えて、以下の釣銭準備金作成第3モードが実行可能となっている。
[釣銭準備金作成第3モード]
操作表示部28への操作により硬貨入金機10が釣銭準備金作成第3モードに設定され、釣銭準備金を構成する金種別の設定枚数が複数組み分入力される。ここでは、第1組〜第6組の6組みが入力された場合を例にとり説明するが、1組みを含む5組み以下の金種別の設定枚数が入力される場合も勿論ある。また、始めに7組み以上の金種別の設定枚数が設定された場合、複数回に分けて処理を行う。
第1組〜第6組の金種別の設定枚数が入力されると、制御部27は、第1組〜第6組の金種別の設定枚数の合計値B3と、通常モードでの識別部35の計数結果から把握している収納箱81b〜81gの硬貨量A3とを比較する。収納箱81b〜81gの硬貨量A3が、何れか一金種でも、第1組〜第6組の金種別の設定枚数の合計値B3よりも少ないと、制御部27は、硬貨量が不足しているとして操作表示部28へ警告表示を行わせる。収納箱81b〜81gの硬貨量A3が、各金種共に、第1組〜第6組の金種別の設定枚数の合計値B3以上である場合、制御部27は、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、これらのうち収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入するように促す表示を操作表示部28に表示させる。これを見た作業者が、収納箱81a〜81gの硬貨を全て回収して、収納箱81b〜81gの硬貨を入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81a〜81gに硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、供給円盤31、回転円盤32及び搬送部34を駆動して、入金口21の硬貨を搬送部34で搬送し、識別部35で真偽、金種及び正損を識別して計数させる。そして、偽硬貨と汚損硬貨とをリジェクト案内部40でリジェクト箱12に収納する。他方、正常硬貨を振分部51で一時貯留部本体71及び底板72の両方が基本位置に位置する状態の一時貯留部52に分類して貯留させる。
その際に、振分部51は、第1組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52bに貯留させることになる。すなわち、第1組の金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数までの1円の正常硬貨と、第1組の金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数までの50円の正常硬貨と、第1組の金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数までの5円の正常硬貨と、第1組の金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数までの100円の正常硬貨と、第1組の金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数までの10円の正常硬貨と、第1組の金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数までの500円の正常硬貨とを貯留区分部52bに貯留させる。同様にして、第2組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52cに、第3組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52dに、第4組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52eに、第5組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52fに、第6組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52gに、それぞれ貯留させることになる。
また、貯留区分部52aに、前記第1〜第6組の金種別の設定枚数の合計値を超える硬貨を貯留することになる。すなわち、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの1円の設定枚数の合計値を超える1円の正常硬貨と、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの50円の設定枚数の合計値を超える50円の正常硬貨と、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの5円の設定枚数の合計値を超える5円の正常硬貨と、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの100円の設定枚数の合計値を超える100円の正常硬貨と、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの10円の設定枚数の合計値を超える10円の正常硬貨と、第1〜第6組の金種別の設定枚数のうちの500円の設定枚数の合計値を超える500円の正常硬貨とを、貯留区分部52aに貯留させることになる。
その際に、何れの金種の正常硬貨においても貯留区分部52b、貯留区分部52c、貯留区分部52d、貯留区分部52e、貯留区分部52f、貯留区分部52g、貯留区分部52aの順に貯留されることになる。金種混合で搬送部34により搬送される硬貨について、例えば1円だけに着目すると、先ず、貯留区分部52bに第1組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、次に、貯留区分部52cに第2組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、次に、貯留区分部52dに第3組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、次に、貯留区分部52eに第4組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、次に、貯留区分部52fに第5組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、次に、貯留区分部52gに第6組の1円硬貨の設定枚数分の1円硬貨の正常硬貨が貯留され、その後は、貯留区分部52aに1円硬貨の正常硬貨が貯留される。このような処理を、各金種それぞれについて行う。
そして、第1組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52bに、第2組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52cに、第3組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52dに、第4組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52eに、第5組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52fに、第6組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で貯留区分部52gに、それぞれ貯留させると、制御部27は、供給円盤31及び回転円盤32を停止させると共に、搬送部34に残っている硬貨のうち、偽硬貨と汚損硬貨とをリジェクト案内部40でリジェクト箱12に収納し、正常硬貨を一時貯留部52の貯留区分部52aに貯留させることになる。前記第1〜第6組の金種別の設定枚数の合計値B3の硬貨すなわち貯留区分部52b〜52gに貯留させた硬貨と、貯留区分部52aに貯留させた硬貨とは、共に識別部35を通過しているので、制御部27は、収納箱81b〜81gから回収した硬貨量A3から、金種毎に、前記第1〜第6組の金種別の設定枚数の合計値B3と貯留区分部52b〜52gに貯留させた硬貨の枚数C3とを差し引いた値が未計数の硬貨量D3であることを把握する。
その後、制御部27は、底板72を基本位置に保持した状態のまま一時貯留部本体71を側方の収納位置に移動させることで貯留区分部52a〜52gから落下する硬貨を、その分類状態のままで収納部14に収納する。
これにより、貯留区分部52aから落下する第1〜第6組の金種別の設定枚数を超える硬貨を金種混合で収納箱81aが収納し、貯留区分部52bから落下する第1組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81bが収納し、貯留区分部52cから落下する第2組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81cが収納し、貯留区分部52bから落下する第3組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81dが収納し、貯留区分部52eから落下する第4組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81eが収納し、貯留区分部52fから落下する第5組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81fが収納し、貯留区分部52gから落下する第6組の金種別の設定枚数の正常硬貨を金種混合で収納箱81gが収納する。その後、制御部27は、一時貯留部本体71を基本位置に戻して釣銭準備金作成処理を終了する。
その結果、第1組の金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81bに収納され、第2組の金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81cに収納され、第3組の金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81dに収納され、第4組の金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81eに収納され、第5組の金種別の設定枚数の正常硬貨が金種混合で収納箱81fに収納され、第6組の金種別の設定枚数の正常硬貨が収納箱81gに金種混合で収納される。入金機本体11から収納部14を引き出し、収納部14の収納引出部82から収納箱81b〜81gを取り出して、収納箱81b〜81gから硬貨を取り出すことで、第1〜第6組の金種別の設定枚数の硬貨を、各組み毎に分けた状態で得ることができる。
すなわち、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち複数組みの金種別の設定枚数の硬貨を、複数組みの金種別の設定枚数を超える硬貨と分類して一時貯留部52に貯留させることになり、一時貯留部52は、複数組みの金種別の設定枚数の硬貨を一時貯留すると、一時貯留している硬貨を分類状態のまま収納部14に収納させることになる。より詳しくは、金種別の設定枚数が複数組み入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記複数組みの金種別の設定枚数の硬貨を各組み別に分類すると共に、前記複数組みの金種別の設定枚数を超える硬貨を、前記複数組みの金種別の設定枚数の硬貨とは分類して一時貯留部52に貯留させる。
継続して釣銭準備金作成処理を行う場合には、収納箱81b〜81gが入金機本体11にセットされると、同様に、次の釣銭準備金を収納箱81b〜81gに金種別に出金する。すなわち、次の釣銭準備金の第1〜第6組の金種別の設定枚数が入力されると、まず、金種毎に、上記硬貨量A3から、すでに釣銭準備金として収納箱81b〜81gに出金された硬貨量B3を減算し、この値が次の釣銭準備金の第1〜第6組の金種別の設定枚数の合計値E3以上であるか否かを判定する。各金種共に、硬貨量A3から硬貨量B3を減算した値が設定枚数E3以上である場合、金種毎に、未計数の硬貨量D3が設定枚数の合計値E3以上であるか否かを判定する。各金種共に、未計数の硬貨量D3が設定枚数の合計値E3以上であれば、継続して釣銭準備金作成処理を実行可能となる。すなわち、この状態で、操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力がされると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81b〜81gに硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。すなわち、収納箱81aには、硬貨が収納されていても釣銭準備金作成処理を実行する。
上記に対して、何れかの金種で、未計数の硬貨量D3が設定枚数の合計値E3より少なければ、金種別の設定枚数の合計値E3の釣銭準備金を準備できないため、操作表示部28へ、不足の金種を表示して、収納箱81aの硬貨を全て回収して入金口21に投入するように促す表示を表示させる。これを見た作業者が、収納箱81aの硬貨を全て回収して入金口21に投入して操作表示部28へ釣銭準備金作成処理実行の操作入力をする。すると、制御部27は、入金口21内に硬貨が投入されていること及び収納箱81a〜81gが硬貨を収納していないことを図示略のセンサで検出していることを条件に、釣銭準備金作成処理を実行する。以後、同様の制御を繰り返す。
なお、釣銭準備金作成処理中に収納箱81aがフルになったことを図示略のセンサで検知した場合には、収納箱81aからの硬貨の回収を促す表示を操作表示部28に表示させる。すると、作業者は、収納箱81aから硬貨を回収して入金口21に投入して釣銭準備金の元とする。
第2実施形態においても、入金口21に投入された硬貨が汚損硬貨の場合は、リジェクト箱12にリジェクトするようにしたが、汚損硬貨は、釣銭準備金に不向きであるため、釣銭準備金として出金されないように分離すれば良い。このため、投入された硬貨が汚損硬貨の場合、リジェクト箱12ではなく、収納箱81aに収納するようにしても良い。
以上に述べた第2実施形態によれば、金種別の設定枚数が複数組み入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記複数組みの金種別の設定枚数の硬貨を各組み別に分類すると共に前記複数組みの金種別の設定枚数を超える硬貨を分類して、一時貯留部52に貯留させる。これにより、入力された複数組みの金種別の設定枚数を、各組み別に分類して出金することができる。従って、複数組みの釣銭準備金を、各組み別に準備することができる。また、始めに、釣銭準備金データを最低6組み分入力しておけば、硬貨枚数に不足がなければ、一度に同時に最大6組み分の釣銭を準備できる。
以上の第2実施形態を以下の変形例5〜9のように変更することができる。
[変形例5]
操作表示部28への操作により入力される釣銭準備金を構成する金種別の設定枚数の複数組みを、事前にパターン登録しておいて、複数組みのパターンの選択で入力するようにしても良い。また、登録パターンの選択と、都度入力とを組み合わせても良い。
[変形例6]
通常モード時において、汚損硬貨が最も識別部35とは反対側の収納箱81gに収納され、正常硬貨が収納箱81a〜81fに収納されるようにしても良い。
[変形例7]
第1実施形態と同様に、汚損硬貨の代わりに、1円、5円、10円、50円、100円、500円の中から指定された何れかの硬貨が特定種の硬貨として収納されるようにしても良い。
[変形例8]
釣銭準備金作成第3モードにおいて、識別部35側(機体前側)の収納箱81bから順に釣銭準備金が作成されることに限定されるものではなく、例えば識別部35とは反対側(機体後側)の収納箱81gから順に釣銭準備金が作成されるようにしても良い。
[変形例9]
収納箱81a〜81gの入金機本体11からの取り出し構造が、収納部14の入金機本体11からの引き出し後に、収納引出部82から収納箱81a〜81gを上方又は側方へ取り出すものではなく、収納箱81a〜81gの配列方向とは直交する側方すなわち左方又は右方に取り出す構造としても良い(特公昭62−52354号公報、実公平3−5965号公報のようなタイプの装置)。この場合、釣銭準備金作成第3モードにおいて、収納箱81b〜81gに釣銭準備金が全て収納されるのを待つことなく、例えば、ランプ等で指示することで、釣銭準備金を収納し終わった収納箱を入金機本体11から取り出すことが可能となる。すなわち、上記制御例であれば、時間の経過と共に、収納箱81bから順番に、釣銭準備金が収納されるので、該当する収納箱の取り出し可能なランプが点灯することで、釣銭準備金の作成毎に、収納箱を取り出すことができる。これが可能となることで、例えば、12回分の釣銭準備金データを入力し、元となる硬貨の枚数に余裕があれば、収納箱81bに収納、収納箱81cに収納、・・・、収納箱81gに収納し、収納箱81bの収納硬貨がなくなっていること、或いは収納箱81bの取り出し及び装填が確認されて、収納箱81bの釣銭準備金が既に回収されていれば、収納箱81bに2回目を収納し、同様に、収納箱81cの釣銭準備金が既に回収されていれば収納箱81cに2回目を収納、・・・、収納箱81gに2回目を収納する。
第1,第2実施形態を以下の変形例10のように変更することができる。
[変形例10]
釣銭準備金作成処理における一時貯留部52からの硬貨の収納先を返却箱13とする。その場合、釣銭準備金作成処理時には、返却箱13の返却区分部91a〜91gが必ず必要になる。更に、釣銭準備金を、収納部14に収納するのか、返却箱13に収納するのかを、使用者が設定できるようにしても良く、制御部27が釣銭準備金の量に応じて自動的に設定するようにしても良い。返却箱13の返却区分部91a〜91gを区画する壁を取り外し可能とし、釣銭準備金作成処理時に返却箱13に取り付けて返却区分部91a〜91gを形成するようにしても良い。
釣銭準備金作成処理における一時貯留部52からの硬貨の収納先を返却箱13とすれば、釣銭準備金を作成する際には、金種別の設定枚数が入力されると、振分部51は、識別部35の識別結果に基づいて、入金口21に投入された硬貨のうち前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分類して一時貯留部52に貯留させ、一時貯留部52は、前記金種別の設定枚数の硬貨を一時貯留すると、一時貯留している硬貨を分類状態のまま返却箱13に収納させる。これにより、入力された前記金種別の設定枚数の硬貨を、前記金種別の設定枚数を超える硬貨と分離して、返却箱13に収納させることができ、返却箱13から前記金種別の設定枚数の硬貨を取り出して釣銭準備金とすることができる。このように、通常モードでは汚損硬貨が収納される返却区分部91aを含む返却箱13を有効利用して、釣銭準備専用の機構を設けること無しに、釣銭準備金を作成することができる。従って、釣銭準備専用の機構を設けた場合と比較して、部品点数を低減し、コストの増加及び装置の大型化を抑制することができ、釣銭準備金の準備のための負担を低減することができる。釣銭準備金作成第1モードでは、一時貯留部52が、前記金種別の設定枚数を超える硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される返却箱13の返却区分部91aに収納させるため、通常モードにおいて汚損硬貨が収納される返却箱13の返却区分部91aを有効利用することができる。また、釣銭準備金作成第2モードでは、一時貯留部52が、前記金種別の設定枚数の硬貨を、通常モードにおいては汚損硬貨が収納される返却箱13の返却区分部91aに収納させるため、通常モードにおいて汚損硬貨が収納される返却箱13の返却区分部91aを有効利用することができる。
[変形例11]
釣銭準備金作成第2モード及び前記変形例10のように、金種別の設定枚数の硬貨を通常モードにおいては汚損硬貨が収納される収納部14の収納箱81a又は返却部13の返却区分部91aに収納させて釣銭準備金を作成する場合において、1円、50円、5円、100円、10円、500円等の6金種を収納部14の収納箱81a又は返却部13の返却区分部91aに収納させて、釣銭準備金を1回で作成することに加え、1又は複数金種ずつ収納部14の収納箱81a又は返却部13の返却区分部91aに収納させて、釣銭準備金を複数回に分けて作成するようにしてもよい。これにより、釣銭準備金を金種別に分けた状態で得ることができる。