JP6778113B2 - 生体成分用保存剤及び生体成分の回収方法 - Google Patents

生体成分用保存剤及び生体成分の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体成分用保存剤、及び生体成分の回収方法に関する。また、本発明は、保存剤として好適なハイドロゲル、保存剤に好適に利用可能な修飾ヒアルロン酸、保存剤を提供するためのキットに関する。さらに本発明は、生体成分及びハイドロゲルを含む混合物に関する。
一般に生体成分(例えば、動物細胞)の保存方法として、凍結保存液に細胞を分散させて、凍結保存用チューブに入れ、凍結保存する方法がある(例えば、非特許文献1)。主な凍結保存液には、培養液又は血清に10%のジメチルスルホキシドを添加したもの、市販品等が用いられている。また、凍結された培養細胞を培養容器内に保持して保存する技術も検討されている(特許文献1)。
また、冷蔵保存の技術も研究されている。例えば、従来から用いられている冷蔵用の細胞・組織保存液として、ユーロ−コリンズ液(Euro−Collins液)(非特許文献2)、UW液(University of Wisconsin液)(非特許文献3)、ET−kyoto液(特許文献2)等が知られている。また、特許文献3には、ヒアルロン酸又はその塩を含む角膜移植用眼球保存液が記載されている。
市販品の冷蔵保存液としては、セリオキープ、CPS−1等が販売されている。セリオキープは、カテキンを有効成分として含み、組織、特に上内皮膚や神経組織の保存に適用される(非特許文献4、特許文献4)。また、CPS−1は、塩類等の組成を適正化したものであるが、浮遊系の細胞に特化した試薬である(特許文献5)。
また、細胞膜を構成するリン脂質のホスホリルコリンに着目した細胞の保存方法も報告されている(非特許文献5)。
さらに、近年では、細胞を三次元的に包埋培養する修飾ヒアルロン酸であるHyStem(商標)が市販されている(非特許文献6、7、8)。
ところで、非特許文献9には、糖尿病の治療関連分野で、フェニルボロン酸で修飾したキトサンを用いたハイドロゲルの使用が開示されている。また、特許文献6には、薬物輸送システム(ドラックデリバリーシステム)の分野で、フェニルボロン酸で修飾したヒアルロン酸を用いたハイドロゲルを糖尿病治療薬と共に使用する技術が開示されている。
特開2002−218967号公報 特開平6−40801号公報 特開平6−107538号公報 特開2006−306821号公報 特開2006−230396号公報 欧州特許出願公開第2727597号明細書
「培養細胞実験ハンドブック」,羊土社,2004年,p.69−74 Transplant Proc.,13,693,1981 Transplantation,43,5,1987 Tissue Engineering:Part A 16(2010) 595−603 Biomaterials 28(2007) 1770−1777 PNAS(2007)vol.104 No.27 11298−11303 Macromol. Biosci. (2012)vol.12 1034−1042 Tissue Enginieering:Part C(2013) vol.19 No.4 288−297 Journal of Pharmaceutical Sciences(2011) vol.100 No.6 2278−2286
近年、再生医療の発展に伴い、医療機関、研究機関、細胞加工業等の各種施設間での生体成分の輸送技術の重要性が増している。生体成分の輸送時の保存方法としては、凍結保存、及び冷蔵保存が用いられている。
しかし、凍結保存では、生体成分の適切な凍結のために数日要することに加え、専用の冷凍設備で適切に運搬する必要がある。また、凍結保存では、厳密に温度管理して凍結しても、特に、初代細胞、生殖細胞、融合細胞、遺伝子導入細胞等の研究意義・臨床意義の高い細胞の保存が困難である。さらに、凍結保存では、ES細胞、iPS細胞等の肝細胞などの未分化細胞に対して分化誘導を促進してしまう、タンパク質の分解・変性の懸念がある、等の問題もある。
冷蔵保存には、培養皿に細胞が接着した状態で運搬する場合、保存液に細胞が分散した状態で運搬する場合がある。しかし、前者では、振動によるダメージが大きく、また培養皿の表面のみの細胞量しか運搬できないという課題がある。また、後者では、振動によるダメージを受けるだけでなく、沈降した細胞同士が接着して細胞塊が形成される場合があり、これによって細胞死、分化誘導の促進等が懸念される。
振動によるダメージを避けるため、非特許文献6〜8ではハイドロゲルで生体成分を包埋する方法が開示されている。しかし、非特許文献6〜8に記載のハイドロゲル(HyStem(商標))では、生体成分の回収のために、ヒアルロン酸分解酵素でハイドロゲルを溶解する必要があり、回収までに時間がかかること、分解酵素の生体成分への混入、分解酵素による生体成分へのダメージ等が懸念される。
本発明の目的の一つは、生体成分保存用の保存剤であって、保存時及び運搬時の安定性に優れるとともに、回収時に簡便な操作で容易に生体成分を回収可能な、保存剤を提供することにある。また、本発明の目的の一つは、上記保存剤として好適に使用可能なハイドロゲル、及び、上記保存剤に好適に利用可能な修飾ヒアルロン酸を提供することにある。また、本発明の目的の一つは、上記保存剤を利用するためのキットを提供することにある。さらに、本発明の目的の一つは、保存性良く生体成分が包含された、混合物を提供することにある。
すなわち、本発明の一側面は、ハイドロゲルを含む生体成分用保存剤に関する。当該保存剤において、上記ハイドロゲルは、複数の水酸基を有する化合物と、水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸と、から形成される架橋体を含む。このような保存剤によれば、生体成分保存時の安定性に優れるとともに、簡便な操作で容易に生体成分を回収することができる。
一態様において、上記置換基は、ジヒドロキシボリル基であってよい。
一態様において、上記修飾ヒアルロン酸は、下記式(1)で表される二糖単位を有するものであってよい。
Figure 0006778113
[式(1)中、Rは直接結合又は2価の基を示す。]
一態様において、上記ハイドロゲルは、未修飾のヒアルロン酸を更に含んでいてよい。
一態様において、上記ハイドロゲルは、細胞用培地及び生理的緩衝液から選ばれる少なくとも1種を更に含んでいてよい。
一態様において、上記生体成分は、細胞、細胞から構築された2次元又は3次元細胞凝集体、及び生体由来の組織又は臓器から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
また、本発明の一側面は、下記式(1)で表される二糖単位を有する修飾ヒアルロン酸と、前記二糖単位と反応して架橋構造を形成する、複数の水酸基を有する化合物とから形成される架橋体を含む、ハイドロゲルに関する。
Figure 0006778113
[式(1)中、Rは直接結合又は2価の基を示す。]
また、本発明の一側面は、ハイドロゲルと、ハイドロゲルに包埋された生体成分とを含む、混合物に関する。当該混合物において、上記ハイドロゲルは、複数の水酸基を有する化合物と、水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸とから形成される架橋体を含む。
また、本発明の一側面は、下記式(1)で表される二糖単位を有する修飾ヒアルロン酸に関する。
Figure 0006778113
[式(1)中、Rは直接結合又は2価の基を示す。]
また、本発明の一側面は、生体成分用保存剤を作製するためのキットに関する。当該キットは、複数の水酸基を有する化合物を含有する第1の剤と、水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸を含有する第2の剤と、を備える。
また、本発明の一側面は、上述した混合物を製造する製造方法に関する。当該製造方法は、上記化合物、上記修飾ヒアルロン酸及び生体成分を混合して、ハイドロゲルを形成しつつ、上記生体成分を上記ハイドロゲルに包埋させる工程を含む。
さらに、本発明の一側面は、上述した混合物から、生体成分を回収する回収方法に関する。当該回収方法は、上記架橋体の架橋構造の少なくとも一部を解離して、上記ハイドロゲルを水可溶化させる工程を含む。
本発明によれば、生体成分保存用の保存剤であって、保存時及び運搬時の安定性に優れるとともに、回収時に簡便な操作で容易に生体成分を回収可能な、保存剤を提供することができる。また、本発明によれば、上記保存剤として好適に使用可能なハイドロゲル、上記保存剤に好適に利用可能な修飾ヒアルロン酸、及び、上記保存剤を使用するためのキットを提供することができる。さらに、本発明によれば、保存性良く生体成分が包含された、混合物を提供することができる。
実施例2〜3及び比較例1〜7における冷蔵保存5日目の細胞(マウスES細胞)の生存率を示す図である。 ソルビトール溶液による混合ゲルの溶解を示す図である。 実施例6及び比較例8〜9における冷蔵保存5日目の細胞群(ヒトiPS細胞)の残存率を示す図である。 実施例7及び比較例10〜11における冷蔵保存5日目の細胞(マウスES細胞)の生存率を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る生体成分用保存剤は、生体成分を保存するための保存剤であって、生体成分を包埋するためのハイドロゲルを含む。
本実施形態のハイドロゲルは、複数の水酸基を有する化合物と、水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸と、から形成される架橋体を含む。すなわち、本実施形態のハイドロゲルは、上記化合物で上記修飾ヒアルロン酸を架橋した架橋物を含む。本実施形態に係る保存剤は、このようなハイドロゲルによって生体成分を包埋することで、優れた保存安定性を得ることができる。
ヒアルロン酸は、脊椎動物の関節液、硝子体の主成分等として、生体内に普遍的に存在している水溶性の高分子多糖類である。修飾ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸が上記置換基を有するように修飾したものであり、このような修飾ヒアルロン酸を用いて形成された架橋体を有することで、上記ハイドロゲルは生体適合性が高いものとなる。細胞表面には、ヒアルロン酸と結合する受容体のCD44があり、これによる細胞への刺激や、ヒアルロン酸の高い保水力によって、生体成分の安定化への寄与が期待される。
また、上記架橋体は、修飾ヒアルロン酸に由来する剛直な高分子鎖を有する。このため、上記架橋体を含むハイドロゲルは、生体成分の保持性能に優れるとともに、振動等の運搬時のダメージから生体成分を十分に保護することができる。
さらに、上記修飾ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸由来の高分子鎖を有するため、水系溶媒に容易に溶解させることができる。このため、上記保存剤では、上記架橋体の架橋構造を解離して修飾ヒアルロン酸を水可溶化させることで、上記架橋体内に保持された生体成分を容易に回収することができる。
(1)修飾ヒアルロン酸
修飾ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸由来の多糖類高分子鎖(以下、場合によりヒアルロン酸糖鎖という。)を有し、水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する。
修飾ヒアルロン酸は、例えば、ヒアルロン酸(原料ヒアルロン酸)に上記置換基を有する側鎖を付加することで得ることができる。ヒアルロン酸は、β−D−N−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互に結合した直鎖状の高分子多糖類である。ヒアルロン酸は、どのような製法・入手法で得られたものであってもよく、例えば、動物組織から抽出したものであっても、発酵法で製造したものであってもよい。
原料ヒアルロン酸の分子量等は特に制限されるものではない。原料ヒアルロン酸の重量平均分子量Mwは、例えば5000〜400万であってよく、2万〜80万であってもよく、5万〜40万であってもよい。重量平均分子量が上記の範囲内であれば、溶液粘度を低く抑えることができ、ゲル化のための撹拌時にシェアストレスで細胞にダメージを与えるおそれも少なく、結果として細胞の生存率をより効果的に上げることができる。原料ヒアルロン酸の多分散度(数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwの比Mw/Mn)は、例えば1〜10であってよく、1〜2であってもよく、1.4〜2であってもよい。
修飾ヒアルロン酸が有する置換基は、水酸基と反応して架橋構造を形成し得る基である。上記置換基としては、入手容易さ、安全性の高さ、生体成分回収の容易さの観点から、ジヒドロキシボリル基(−B(OH))が好ましい。
上記置換基としてジヒドロキシボリル基を有する修飾ヒアルロン酸は、複数の水酸基を有する化合物と容易に架橋してハイドロゲルを形成することができる。また、このような修飾ヒアルロン酸から形成された架橋体は、ジヒドロキシボリル基のホウ素原子と水酸基の酸素原子と間の共有結合又は配位結合により、架橋構造が形成されていると考えられ、当該架橋構造は、上記複数の水酸基を有する化合物由来の酸素原子の代わりにホウ素原子と結合し得る酸素原子を有する化合物(例えば、ソルビトール等の糖アルコール)を添加することで、容易に架橋構造を解離し、水可溶化することができる。すなわち、上記修飾ヒアルロン酸を用いることで、架橋体の解離による水可溶化が一層容易となり、生体成分の回収を一層容易に行うことができる。
上記置換基としては、例えば、ジヒドロキシボリルフェニル基、ジヒドロキシボリルナフチル基、ジヒドロキシボリルアントラセニル基及びこれらの誘導体を含む芳香族ボリル基、アルキルボリル基及びその誘導体を含む脂肪族ボリル基などが挙げられる。これらのうち、生体成分の保存安定性が一層向上する観点から、芳香族ボリル基が好ましく、ジヒドロキシフェニル基がより好ましい。
上記置換基は、ヒアルロン酸糖鎖に直接結合していてもよく、リンカーを介して結合していてもよい。
リンカーは特に制限されず、例えば、アミド結合、エステル結合、エーテル結合等を有するものであってよい。リンカーは、生体成分の保存時及び生体成分の回収時に解離され難い構造であることが望ましく、この観点からは、アミド結合を有するものであることが好ましい。また、リンカーは、炭素原子、水素原子、窒素原子及び酸素原子から構成されることが好ましく、アミド結合、エーテル結合、低級アルキル基(炭素数4以下のアルキル基)、低級アルキレン基(炭素数4以下のアルキレン基)及び水酸基からなる群より選択される一種又は2種以上の構成単位から構成されることが好ましい。
ヒアルロン酸糖鎖に上記置換基を導入する方法は、特に制限されない。
例えば、ビニル基、アリル基等の炭素−炭素二重結合を重合性基として有し、且つ上記置換基を有する化合物と、重合性基を導入したヒアルロン酸とを反応させることにより、置換基を導入することができる。
上記重合性基を有する化合物としては、例えば、p−ビニルフェニルボロン酸、m−ビニルフェニルボロン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシフェニルボロン酸、m−(メタ)アクリロイルオキシフェニルボロン酸、p−(メタ)アクリルアミドフェニルボロン酸、p−ビニルオキシフェニルボロン酸、m−ビニルオキシフェニルボロン酸、ビニルウレタンフェニルボロン酸等が挙げられ、これらのうち、p−ビニルフェニルボロン酸及びm−ビニルフェニルボロン酸を好適に用いることができる。
上記重合性基を導入したヒアルロン酸は、例えば、アミノ基及び重合性基を有する化合物と、ヒアルロン酸と、を反応させることにより得ることができる。ヒアルロン酸はカルボキシル基を有するため、上記化合物のアミノ基と反応してアミド結合を形成することで、容易に重合性基をヒアルロン酸に導入することができる。なお、上記化合物とヒアルロン酸との反応は、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及びN−ヒドロキシコハク酸イミドを反応試薬として用いて行うことができる。
アミノ基及び重合性基を有する化合物としては、例えば、アリルアミン、プロパルギルアミン等が挙げられる。
また、例えば、アミノ基及び上記置換基を有する化合物とヒアルロン酸とを反応させて、上記置換基をヒアルロン酸糖鎖に導入することもできる。このような反応は、上記と同様に、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及びN−ヒドロキシコハク酸イミドを反応試薬として用いて行うことができる。
アミノ基及び上記置換基を有する化合物としては、例えば、アミノフェニルボロン酸、2−アミノエチルカルバモイルフェニルボロン酸、3−アミノプロピルカルバモイルフェニルボロン酸等が挙げられる。
本実施形態の修飾ヒアルロン酸は、下記式(1)で表される二糖単位を有するものであることが好ましい。このような修飾ヒアルロン酸によれば、生体成分の保存安定性に一層優れる架橋体が得られる。また、このような修飾ヒアルロン酸から形成される架橋体は架橋構造を容易に解離できるため、生体成分の回収が一層容易となる。
Figure 0006778113
式中、Rは直接結合又は2価の基を示す。なお、「Rが直接結合を示す」とは、Rに結合する窒素原子が、Rに結合するベンゼン環中の炭素原子と、直接結合していることを示す。
は、フェニルボロン酸残基のメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。
における2価の基としては、例えば、アルキレン基、アミド基及びアルキレンオキシ基、並びに、これらの基を組み合わせて構成される基などが挙げられる。
における2価の基としては、例えば下記式(2)で表される基が挙げられる。
−CHCH−(CH−(OCHCH−(CH−NH−CO− (2)
なお、式(2)における左端には、ヒアルロン酸糖鎖中の窒素原子が結合し、右端にはベンゼン環の炭素原子が結合する。
式中、mは0又は1の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。
修飾ヒアルロン酸は、原料ヒアルロン酸のヒアルロン酸糖鎖中のカルボキシル基の一部が、上記置換基を有する基で修飾されたものであってよい。置換基の修飾率は、好ましくは2%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。修飾率が2%以上であると、架橋構造がより密に形成されるため、生体成分の保存安定性が一層良好になる傾向がある。
また、置換基の修飾率は、50%以下であってよく、好ましくは30%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは20%以下である。修飾率が50%を超えても生体成分の保存安定性の改善傾向は見られない。また修飾率を50%以下とすることで、架橋構造の解離により、生体成分の回収が一層容易になる傾向がある。
本明細書中、修飾ヒアルロン酸における置換基の修飾率は、下記式に従って算出される値を示す。
修飾率(%)=修飾ヒアルロン酸中の上記置換基の量(モル)/(修飾ヒアルロン酸中の上記置換基の量(モル)+修飾ヒアルロン酸中のヒアルロン酸由来のカルボキシル基の量(モル))
なお、修飾ヒアルロン酸中の上記カルボキシル基の量は、下記のカルバゾール硫酸法で測定することができる。
(カルバゾール硫酸法)
乾燥した修飾ヒアルロン酸粉末を、濃度0.03〜0.1%(w/v)となるように蒸留水で完全に溶解する。溶解した修飾ヒアルロン酸溶液をマイクロチューブに40μL入れ、ここにホウ酸硫酸試薬(四ホウ酸ナトリウム十水和物0.95gをはかりとり、硫酸100mLに加え4時間以上スターラー装置で攪拌し溶解)を200μL入れ、ボルテックスで攪拌した後、約100℃のヒートブロックで加熱する。30分後、直ちに取出し氷水中で冷却し、室温に戻す。カルバゾール試薬(1.25g/Lのカルバゾール濃度を有する95%エタノール溶液)を10μL添加し、ボルテックスで攪拌した後、約100℃のヒートブロックで加熱する。15分後、直ちに取出し氷水中で冷却し、室温に戻す。得られた試料を96ウェルプレートに100μLずつ入れ、マイクロプレートリーダー(VERSAmax、モレキュラーデバイスジャパン株式会社)を用いて、波長530nmの吸光度を測定する。
このとき、D−グルクロノラクトン水溶液を標準溶液とする。D−グルクロノラクトン0.500gを100mLメスフラスコに精密にはかりとり、水で溶解後メスアップし、標準原液を作製する。標準原液を蒸留水で希釈し、2.5μg/mL、10μg/mL、40μg/mLの溶液をそれぞれ調製する。これらを用いて吸光度の検量線データを取得し、未修飾部分のヒアルロン酸量(濃度)を算出する。なお、D−グルクロノラクトン量(濃度)をヒアルロン酸量(濃度)へ変換するための係数は2.279とした。ここで測定された未修飾部分のヒアルロン酸量から、下記式によって修飾ヒアルロン酸のヒアルロン酸由来のカルボキシル基の量(mol)を算出する。
修飾ヒアルロン酸のヒアルロン酸由来のカルボキシル基の量(mol)=測定された未修飾部分のヒアルロン酸量(g)/398(ヒアルロン酸の二糖単位の分子量)
また、修飾ヒアルロン酸中の上記置換基の量は、置換基の種類によって適宜変更することができる。例えば、上記置換基が、ジヒドロキシボリル基を有する基である場合は、下記の原子吸光法で測定することができる。
(原子吸光法)
乾燥した修飾ヒアルロン酸粉末を、蒸留水で溶解する。この修飾ヒアルロン酸溶液0.3mLと0.2N水酸化ナトリウム溶液0.3mLとを混合した溶液を測定試料とする。原子吸光測定装置(A−6800、島津製作所製)にパイロ化チューブを設置し、以下の表1に示すプログラムを設定する。測定試料を20μL、測定位置に入れ測定を行う。プログラムのRAMPは、目的温度まで設定時間をかけて、一定勾配で上昇することを意味し、STEPは直ちに目的温度まで上昇することを意味する。
この測定では、ホウ素標準液(1000ppm、和光純薬)を用いて、蒸留水で希釈し、濃度0.5μg/mL、1.0μg/mL、1.6μg/mL、2.0μg/L、2.5μg/mLに調整した溶液を標準液とする。濃度0μg/mLには蒸留水を用いる。これらの溶液も修飾ヒアルロン酸溶液と同様、等量の0.2N水酸化ナトリウム溶液と混合し、ホウ素量を原子吸光測定装置で測定する。測定結果から検量データを取得し、ホウ素原子量(すなわち、ジヒドロボリル基の量)(モル)を算出した。
Figure 0006778113
(2)複数の水酸基を有する化合物
複数の水酸基を有する化合物としては、修飾ヒアルロン酸と架橋構造を形成してハイドロゲルを形成し得る化合物であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、上記化合物の分子量、けん化度等は特に制限されない。
上記化合物は、水溶性高分子であることが好ましい。このような水溶性高分子から形成された架橋体は、架橋構造を解離することで容易に水可溶化することができ、水可溶化後の水溶性高分子及び修飾ヒアルロン酸を水系溶媒で容易に洗い流すことができる。このため、上記化合物が水溶性高分子であることで、生体成分の回収が一層容易となる。
また、上記化合物は、その水溶液のpHが6.0〜8.0の範囲内となるポリマーであることが好ましい。このようなポリマーであれば、生体成分の保存安定性が一層向上する。
また、上記化合物は、その主鎖に水酸基が直接結合したポリマーであってもよく、その主鎖に結合した側鎖上に水酸基を有するポリマーであってもよい。
上記化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール等の水酸基を有するオレフィン系ポリマー、水酸基を有するスチレン系ポリマー、及び水酸基を有するポリエステル系ポリマーが挙げられる。これらのうち、水酸基を有するオレフィン系ポリマーが好ましく、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
上記化合物としては、多糖類高分子鎖を有するポリマーを用いることもできる。多糖類高分子は、主鎖上に複数の水酸基を有するが、その主鎖の剛直さからハイドロゲルを形成し難い。このため、上記化合物としては、上記修飾ヒアルロン酸とハイドロゲルを形成可能なように、水酸基を複数含む基で修飾された多糖類高分子を好適に用いることができる。水酸基を複数含む基としては、例えば、単糖類、二糖類、1,2−ジオール構造を有する多価アルコール、グリセリン、ポリビニルアルコール等に由来する構造を有する基が挙げられる。
(3)その他の成分
本実施形態に係る保存剤は、上記ハイドロゲル以外の成分を含んでいてもよく、上記ハイドロゲルが上記架橋体以外の成分を含んでいてもよい。
上記ハイドロゲルは、例えば、上記架橋体及び水系溶液を含んで構成される。水系溶液のpHは、生体成分の保存安定性をより確実に得る観点から、pHが6.0〜8.0の範囲内であることが好ましい。また、水系溶液の浸透圧は、200〜400mOsm/kgであることが好ましい。
上記ハイドロゲルは、水系溶液として、細胞培地、生理的緩衝液等を含んでいてもよい。細胞培地は、細胞を人工環境下で生育する場合に、十分量の栄養を与えるために用いられるものであり、このような細胞培地を含むハイドロゲルによれば、生体成分(特に各種細胞)の保存安定性が一層向上する。細胞培地の組成は、保存対象によって適宜変更することができるが、糖類及び無機塩類を含むことが好ましい。また、細胞培地は、アミノ酸、脂質、ビタミン、血清等を更に含んでいてもよい。
生理的緩衝液は、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、リン酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン等を含むものであってよい。生理的緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)を好適に用いることができる。
本実施形態に係る保存剤は、未修飾のヒアルロン酸を更に含んでいてもよい。上記ハイドロゲルは、修飾ヒアルロン酸のヒアルロン酸糖鎖によって生体適合性を有するものであるが、ハイドロゲルの一部分で架橋構造が過密に形成された場合、その部分ではヒアルロン酸糖鎖による生体適合性が十分に発揮されない場合がある。この点、保存剤に未修飾のヒアルロン酸を添加することで、過密に形成された架橋構造の近傍においても十分な生体適合性が得られ、生体成分の保存安定性を一層向上させることができる。
未修飾のヒアルロン酸は、例えば、水系溶媒に溶解する範囲内で適宜添加することができる。未修飾のヒアルロン酸の含有量は、例えば、保存剤の全量を基準として0.01質量%〜20質量%とすることができ、好ましくは0.01〜10質量%である。
本実施形態に係る保存剤は、上記以外に、例えば還元剤(グルタチオン、ビタミンC等)、細胞死抑制剤(c−AMP等)、成長因子(HGF、bFGF等)などを更に含有していてもよい。
本実施形態のハイドロゲルは、その貯蔵弾性率が0.001〜10000Paであることが好ましく、0.01〜1000Paであることがより好ましい。また、ハイドロゲルの損失弾性率は、0.001〜10000Paであることが好ましく、0.01〜1000Paであることがより好ましい。なお、本明細書中、ハイドロゲルの損失弾性率及び貯蔵弾性率は、実施例に記載の方法で測定される値を示す。
本実施形態に係る保存剤による保存対象は、生体成分であれば特に限定されない。保存対象の生体成分としては、例えば、細胞(ES細胞、iPS細胞等の幹細胞、前駆細胞、成熟細胞など)、生殖細胞、遺伝子改変細胞、又はそれらの単独若しくは複数種類の細胞により構築した2次元及び3次元細胞凝集体(組織様構造物)、生体組織、臓器等が挙げられる。
本実施形態に係るハイドロゲルは、例えば、上記複数の水酸基を有する化合物を含む水溶液(以下、場合により化合物溶液という。)と、上記修飾ヒアルロン酸を含む水溶液(以下、場合により修飾ヒアルロン酸溶液という。)とを混合することで形成することができる。
本実施形態に係る保存剤によれば、保存剤のハイドロゲル中に生体成分を包埋させることで、生体成分を安定的に保存することができる。生体成分を包埋する方法は特に制限されない。
本実施形態では、例えば、生体成分を含む水系溶液中で上記ハイドロゲルを形成することによって、生体成分をハイドロゲル中に包埋させる方法によって、保存剤で保存された生体成分を得ることもできる。このとき、ハイドロゲルを形成する際の温度は、生体成分への悪影響を避けるため、0〜37℃であることが好ましく、4〜37℃であることがより好ましい。
上記方法の一例として、修飾ヒアルロン酸溶液及び化合物溶液の一方に、予め生体成分を分散させておき、その分散液に他方を添加して、ハイドロゲルを形成する方法が挙げられる。
本実施形態において、保存剤で保存された生体成分は、架橋体の架橋構造の少なくとも一部を解離することで容易に回収することができる。すなわち、本実施形態に係る回収方法は、ハイドロゲルに包埋された生体成分を回収する方法であって、上記架橋体の架橋構造の少なくとも一部を解離して、ハイドロゲルを水可溶化させる工程を含む。
架橋体の架橋構造を解離する方法は、形成される架橋構造に応じて適宜選択することができる。例えば、修飾ヒアルロン酸が上記置換基としてジヒドロキシボリル基を有する場合、ジヒドロキシボリル基のホウ素原子と水酸基の酸素原子との間の共有結合又は配位結合によって架橋構造が形成される。この場合、上記ポリマー由来の酸素原子の代わりにホウ素原子と結合し得る酸素原子を有する化合物(以下、回収用化合物という。)を添加することによって、容易に架橋構造を解離することができる。
上記回収用化合物は、ホウ素原子と共有結合又は配位結合で結合可能な酸素原子を含む化合物であり、好ましくは水酸基を有する化合物である。上記回収用化合物は、生体成分の回収時に水系溶媒で容易に洗浄することができる観点から、水溶性化合物であることが好ましい。
上記回収用化合物は、架橋構造を解離してハイドロゲルを水可溶化させる化合物であって、ホウ素原子と共有結合又は配位結合で結合可能な酸素原子を含む化合物であり、好ましくは水酸基を有する化合物である。上記回収用化合物は、生体成分の回収時に水系溶媒で容易に洗浄することができる観点から、水溶性化合物であることが好ましい。
上記回収用化合物としては、例えば、単糖、二糖、糖アルコール(例えばソルビトール)、オリゴ糖、グリセリン等の低分子多価アルコールなどが挙げられる。
本実施形態においては、上記保存剤は、そのまま保存剤として提供されてもよく、保存剤を形成するためのキットとして適用されてもよい。
本実施形態に係る保存剤キットは、上記複数の水酸基を有する化合物を含有する第1の剤と、上記修飾ヒアルロン酸を含有する第2の剤とを備えるものである。このようなキットによれば、第1の剤及び第2の剤からハイドロゲルを形成することで、上記保存剤を容易に得ることができる。
上記保存剤キットにおいて、第1の剤は、上記化合物を固体成分として含むものであってよく、上記化合物を含む水溶液であってもよい。また、第2の剤は、上記修飾ヒアルロン酸を固体成分として含むものであってよく、上記修飾ヒアルロン酸を含む水溶液であってもよい。さらに、第1の剤及び第2の剤は、上記化合物及び上記修飾ヒアルロン酸以外に、上述した各成分(例えば、未修飾のヒアルロン酸)を含むものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明は、その一側面において、上記ハイドロゲルと、上記ハイドロゲルに包埋された生体成分とを含む、混合物に関するものであってよい。また、本発明は、上記混合物の製造方法ということもでき、上記混合物から生体成分を回収する回収方法ということもできる。
また、本発明は、その一側面において、上記修飾ヒアルロン酸に関するものであってよく、上記修飾ヒアルロン酸の製造方法に関するものであってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[修飾ヒアルロン酸の作製]
(実施例1)
分子量5万のヒアルロン酸1.0gをフラスコに入れ、150mLの蒸留水を加え、完全に溶解した。75mLの1,4−ジオキサンを加えた後、0.54gのm−アミノフェニルボロン酸(和光純薬社製)を添加した。室温で2時間撹拌した後、1.2gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(ナカライテスク社製)と、0.7gのN−ヒドロキシコハク酸イミド(ナカライテスク社製)を添加した後、室温で12時間撹拌した。反応液のpHが8.5以上となるように、5M炭酸水素ナトリウム溶液を滴下し、一昼夜撹拌した。反応液に塩化ナトリウムを4.5g加え、溶解後にアセトン225mLを徐々に入れ、修飾ヒアルロン酸を析出した。デカンテーションで上清を除去し、蒸留水で希釈した80%アセトンを100mL入れ、1時間撹拌する操作を3回行った。続いて、アセトン100mLを加え、1時間撹拌する操作を3回行った。析出物を回収し、減圧条件下で風乾した。修飾ヒアルロン酸を蒸留水で溶解し、修飾率を測定したところ、修飾率11.4mol%であった。
[修飾ヒアルロン酸によるマウスES細胞の包埋、保存及び回収]
(実施例2)
細胞は、マウスES細胞(EB5)を用いた。ポリビニルアルコール(JF−17、日本酢ビ・ポバール株式会社製)と分子量5万の未修飾ヒアルロン酸を終濃度1.0%となるように、リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)に溶解した(溶液A)。培養用48ウェルプレートの各ウェルに溶液Aを0.2mL入れ、ウェル底面に液を均一にしておいた。培養2日目の細胞をトリプシンで処理することで、培養皿から細胞を回収し、導入率11.4mol%の実施例1で作製した修飾ヒアルロン酸をリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)で溶解し、終濃度1.0%溶液(溶液B)とし、0.2mLずつ、上記ウェル内に入れて撹拌し、ハイドロゲルを形成させた。ハイドロゲル形成後、冷蔵(約4℃)で5日間保存した。
5日間の保存後、ソルビトール入り生理食塩水(ソルビトール濃度10mg/ml、添加量1ml)を上記ウェル内に加え、ピペッティングすることで、ゲルを溶解した。溶解後の液をマイクロチューブに入れ、遠心分離で細胞を回収した。上清を除去した後、細胞の生存率を評価するため、細胞にトリパンブルー溶液を適量加え、染色性の差異で生死を判別した。
細胞の生存率は以下の式に従って算出した。
細胞の生存率(−)=(計測した全細胞中の生細胞数)/(計測した全細胞数)
(実施例3)
溶液Aから、未修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例1)
溶液Bから、修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例2)
溶液Aから、ポリビニルアルコールを除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例3)
溶液Aから、未修飾ヒアルロン酸を除き、溶液Bから修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例4)
溶液Aから、ポリビニルアルコールを除き、溶液Bから修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例5)
溶液Aからポリビニルアルコール及び未修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例6)
溶液Aからポリビニルアルコール及び未修飾ヒアルロン酸を除き、溶液Bから修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例2と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
実施例2〜3、及び比較例1〜6に係る溶液A及び溶液Bの組成を表2に示す。なお、表中、+はその成分を含むことを示し、−はその成分を含まないことを示す。
Figure 0006778113
(比較例7)
10mgのチオール修飾ヒアルロン酸(HyStem;Glycosan BioSystems)を、1.0mLのリン酸緩衝生理食塩水に溶解した。2.5mgの架橋開始剤(Extralink;Glycosan Biosystems)を、0.25mLの蒸留水で溶解した。培養2日目のマウスES細胞(EB5)を終濃度が1.0×10cells/mLとなるように、1.0mLのチオール修飾ヒアルロン酸溶液に懸濁した後、0.25mLの架橋開始剤溶液を混合し、すぐに48ウェルプレートに0.4mLずつ小分けし、室温で30分間静置することでゲルを得た。このゲルを冷蔵(約4℃)で5日間保存した。
保存後、ヒアルロン酸分解酵素(Hyaluronidase from bovin testes(TypeIV)、Sigma)を10mM 酢酸−酢酸ナトリウム溶液(pH5.7)に溶解し、2000unit/mLとなるように調製した溶液を、1.0mL加え、37℃で約30分間保温した。溶解した液を、マイクロチューブに回収し、遠心分離によって細胞を回収し、上清を除去後、リン酸緩衝生理食塩水を1.0mL添加し、軽く撹拌後、再度遠心分離を行い、上清のみ丁寧に除去し、細胞を回収した。この細胞の生存率を評価した。
実施例2〜3、及び比較例1〜7における細胞の生存率を図1に示す。
[ハイドロゲルの溶解性試験]
(実施例4)
修飾率11mol%、分子量約200万のアミノフェニルボロン酸修飾ヒアルロン酸を、生理的リン酸緩衝液に溶解し、0.5、1.0、2.0%(w/v)となるよう濃度を調整した。各濃度の修飾ヒアルロン酸溶液0.2mLと、ポリビニルアルコール0.2mLとを混合し、ハイドロゲルを作製した。このハイドロゲルを、生理食塩水、又は10mg/mLソルビトール含有生理食塩水9.6mLに入れ、室温でスターラー攪拌しながら溶解した。経時的に数回、上清を0.2mLずつ回収した。回収液中のヒアルロン酸量を上述したカルバゾール硫酸法で測定し、上清中のヒアルロン酸濃度を算出した。ゲルの溶解度を以下の式で算出した。
ゲルの溶解度=上清中のヒアルロン酸濃度(%)/完全溶解後のヒアルロン酸濃度(%)
各ゲルの溶解挙動から、溶解度が50%となる時間(HL50)を求め、ハイドロゲル内の修飾ヒアルロン酸の濃度とHL50との関係を図2に示した。
(参考例1)
ソルビトール含有生理食塩水の代わりに、ソルビトールを含まない生理食塩水を用いた以外は、実施例4と同様の方法によって、HL50を求めた。ハイドロゲル内の修飾ヒアルロン酸の濃度とHL50との関係は、図2に示すとおりとなった。
図2に示す結果から、本発明に係るハイドロゲルは、保存時の生理食塩水等による水可溶化を十分に抑制しつつ、適切な回収用化合物の添加によって容易に溶解させることができることが確認された。
[ハイドロゲルの粘弾性測定]
(実施例5)
修飾率が11mol%のアミノフェニルボロン酸修飾ヒアルロン酸を作製し、濃度が1%(w/v)となるようにリン酸緩衝生理食塩水に溶解して、測定サンプルとした。また、ポリビニルアルコールを濃度1%(w/v)となるようにリン酸緩衝生理食塩水で調製し、測定サンプルとした。また、1%(w/v)修飾ヒアルロン酸溶液と、1%(w/v)ポリビニルアルコール溶液とを等量混合し、ハイドロゲルの濃度1%(w/v)の測定サンプルを作製した。
粘弾性測定は、レオメーター(MCR300 Rheometer Anton Paar)に、治具(CP50−1)を取り付けて行った。測定サンプルを約1.0mL、ステージに載せ、振幅3%、周波数0.01〜10Hz、37℃で測定を行った。測定結果のうち、周波数が10Hzにおける貯蔵弾性率は、修飾ヒアルロン酸が1.3×10−6Pa、ポリビニルアルコールが0.7Pa、ハイドロゲルが28.1Paであり、損失弾性率は、修飾ヒアルロン酸が1.4Pa、ポリビニルアルコールが0.1Pa、ハイドロゲルが7.4Paであった。
[修飾ヒアルロン酸によるヒトiPS細胞の包埋、保存及び回収]
(実施例6)
細胞は、ヒトiPS細胞(253G1)を用いた。ポリビニルアルコール(JF−17、日本酢ビ・ポバール株式会社製)を終濃度1.0%、分子量5万の未修飾ヒアルロン酸を終濃度3.0%となるように、リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)に溶解した(溶液A)。修飾率11.4mol%の実施例1で作製した修飾ヒアルロン酸をリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)で溶解し、終濃度3.0%溶液(溶液B)とした。培養用6ウェルプレートにMEF細胞を播種し、一晩培養後、ヒトiPS細胞を播種した。そのまま3日間培養し、溶液Bを1.0mLずつ入れてなじませた。ついで溶液Aを1.0mLずつ入れ、揺することで撹拌し、ハイドロゲルを形成させ、包埋した。ハイドロゲル形成後、冷蔵(約4℃)で5日間保存した。
5日間の保存後、ハイドロゲルをアスピレータで軽く除去後、ソルビトール入り生理食塩水(ソルビトール濃度10mg/ml、添加量2ml)を上記ウェル内に加え、2分ほど静置することで、ゲルを溶解した。溶解液をアスピレータで除去し、再度生理食塩水を2ml添加し、アスピレータで除去する操作を二回繰り返した。上清を除去した後、細胞の生存性を評価するため、Stemgent Alkaline Phosphatase Staining Kitを用いて残存している細胞群を染色し、保存後の細胞群数を計測し、残存率として評価した。
細胞群の残存率は以下の式に従って算出した。
細胞群の残存率(−)=(保存5日目の細胞群数)/(保存前の細胞群数)
(比較例8)
溶液Aからポリビニルアルコール及び未修飾ヒアルロン酸を除き、溶液Bから修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例6と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例9)
溶液AとBの代わりに、セリオキープ(バイオベルデ)を2.0mL添加した以外は、実施例6と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
実施例6、及び比較例8〜9における細胞群の残存率を図3に示す。
[修飾ヒアルロン酸ハイドロゲルによる振動ダメージの軽減]
(実施例7)
細胞は、マウスES細胞(EB5)を用いた。ポリビニルアルコール(JF−17、日本酢ビ・ポバール株式会社製)を終濃度1.0%、分子量5万の未修飾ヒアルロン酸を終濃度3.0%となるように、リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)に溶解した(溶液A)。修飾率11.4mol%の実施例1で作製した修飾ヒアルロン酸をリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)で溶解し、終濃度3.0%溶液(溶液B)とした。培養2日目の細胞をトリプシンで処理し、培養皿から細胞を15mLのコニカルチューブに回収した。遠心後に上清を除去し、細胞濃度が1×10/mLとなるように溶液Bを添加して懸濁した。この懸濁液0.5mLを15mLコニカルチューブに入れ、溶液Aを0.5mL添加して上下に反転撹拌し、ハイドロゲルを形成させた。ハイドロゲル形成後、冷蔵庫内(約4℃)で回転培養装置にセットした。この時、回転培養装置の回転軸方向は水平に、チューブの芯軸方向を回転軸方向に対して垂直となるようにし、30rpmで回転させながら5日間保存した。
5日間の保存後、ソルビトール入り生理食塩水(ソルビトール濃度10mg/ml、添加量5.0ml)を上記ウェル内に加え、ピペッティングすることで、ゲルを溶解した。溶解後の液をマイクロチューブに入れ、遠心分離で細胞を回収した。上清を除去した後、細胞の生存率を評価するため、細胞にトリパンブルー溶液を適量加え、染色性の差異で生死を判別した。
細胞の生存率は、実施例2と同様の方法で評価した。
(比較例10)
溶液Aからポリビニルアルコール及び未修飾ヒアルロン酸を除き、溶液Bから修飾ヒアルロン酸を除いた以外は、実施例7と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
(比較例11)
溶液AとBの代わりに、セリオキープ(バイオベルデ)を1.0mL添加した以外は、実施例7と同様の方法で細胞の包埋、保存及び回収を行った。
実施例7、及び比較例10〜11における細胞の生存率を図4に示す。

Claims (8)

  1. ハイドロゲルを含む生体成分用保存剤であって、
    前記ハイドロゲルが、複数の水酸基を有する化合物と、前記水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸と、から形成される架橋体と、未修飾のヒアルロン酸と、を含み、
    前記複数の水酸基を有する化合物が、ポリビニルアルコールであり、
    前記修飾ヒアルロン酸が、下記式(1)で表される二糖単位を有する、保存剤。
    Figure 0006778113

    [式(1)中、R は直接結合又は2価の基を示す。]
  2. 前記ハイドロゲルが、細胞用培地及び生理緩衝液から選ばれる少なくとも1種を更に含む、請求項1に記載の保存剤。
  3. 前記生体成分が、細胞、細胞から構築された2次元又は3次元細胞凝集体、及び生体由来の組織又は臓器から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の保存剤。
  4. 下記式(1)で表される二糖単位を有する修飾ヒアルロン酸と、前記二糖単位と反応して架橋構造を形成する、複数の水酸基を有する化合物とから形成される架橋体と、未修飾のヒアルロン酸と、を含み、
    前記複数の水酸基を有する化合物が、ポリビニルアルコールである、ハイドロゲル。
    Figure 0006778113

    [式(1)中、Rは直接結合又は2価の基を示す。]
  5. ハイドロゲルと、前記ハイドロゲルに包埋された生体成分とを含む、混合物であって、
    前記ハイドロゲルが、複数の水酸基を有する化合物と、前記水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸とから形成される架橋体と、未修飾のヒアルロン酸と、を含み、
    前記複数の水酸基を有する化合物が、ポリビニルアルコールであり、
    前記修飾ヒアルロン酸が、下記式(1)で表される二糖単位を有する、混合物。
    Figure 0006778113

    [式(1)中、Rは直接結合又は2価の基を示す。]
  6. 複数の水酸基を有する化合物を含有する第1の剤と、前記水酸基と反応して架橋構造を形成する置換基を有する修飾ヒアルロン酸を含有する第2の剤と、を備え、
    前記第1の剤又は前記第2の剤は、未修飾のヒアルロン酸を更に含み、
    前記複数の水酸基を有する化合物が、ポリビニルアルコールであり、
    前記修飾ヒアルロン酸が、下記式(1)で表される二糖単位を有する、生体成分用保存剤を作製するためのキット。
    Figure 0006778113

    [式(1)中、R は直接結合又は2価の基を示す。]
  7. 請求項に記載の混合物を製造する方法であって、
    前記化合物、前記修飾ヒアルロン酸及び前記生体成分を混合して、前記ハイドロゲルを形成しつつ前記生体成分を前記ハイドロゲルに包埋させる工程を含む、製造方法。
  8. 請求項に記載の混合物から、生体成分を回収する方法であって、
    前記架橋体の架橋構造の少なくとも一部を解離して、前記ハイドロゲルを水可溶化させる工程を含む、回収方法。
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