以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、実施形態に係る景品取得ゲーム装置1(以下、単に「ゲーム装置1」とも称する)の構成について説明する。図1は、実施形態に係るゲーム装置1の設置状態を示す斜視図である。
図1は、ゲーム装置1を幅方向及び奥行方向に2機ずつ並べて設置した状態を示している。ゲーム装置1は、アミューズメント施設Aの床面に載置される。ゲーム装置1は、稼働時は当該床面に固定されるものの、アミューズメント施設Aのレイアウト変更の際などには管理者によって適宜移動させることができるように構成されている。
ゲーム装置1の筐体10の一側部には、操作受付部21が設けられている。プレイヤは、ゲーム装置1において景品取得ゲームをプレイする際に、操作受付部21に対して入力操作を行う。
尚、本願では、操作受付部21が設けられる一側部と正対するように筐体10を見て、手前側を正面側と称し、奥側を背面側と称する。また、正面側から背面側に向かう方向を奥行方向と称し、奥行方向と直交する水平方向を幅方向と称する。
ゲーム装置1の筐体10は、機能部2及び収容部3を備えている。機能部2は、筐体10の下部に設けられ、ゲーム装置1を稼働させる種々の電子機器が収容されている部分である。
収容部3は、透明なアクリル樹脂によって形成されており、景品Gを収容する収容空間30を区画形成している。収容空間30は、略直体形状を呈する空間である。収容空間30の底面には、穴31が形成されている。穴31は、機能部2に開設されている取出口22と連通している。
尚、本願における「透明」の意味は、入射した光を損失無く透過させる媒体の性質に限定されるものではない。すなわち、本願における「透明」の意味には、入射した光の一部を吸収する媒体の性質である所謂「半透明(乳白色)」も含まれる。
収容空間30には、クレーン4が配置されている。クレーン4は不図示のアクチュエータを有しており、収容空間30において奥行方向、幅方向及び鉛直方向に移動することができる。クレーン4は、吊り下げられる本体41と、本体41から延びるアーム42,42と、を有している。本体41は、アーム42,42を、互いに接近及び離反するように移動させることにより、景品Gの把持及び解放を行うことができる。
このようなゲーム装置1がプレイヤに提供する景品取得ゲームは、操作受付部21に対するプレイヤの入力操作(以下「プレイヤ操作」とも称する。)に基づいてクレーン4を移動させ、収容空間30に収容されている景品Gを取得するものである。以下、本景品取得ゲームのシーケンスについて簡単に説明する。
ゲーム装置1は、不図示の硬貨投入口に所定枚数の硬貨が投入されたことをトリガとして、プレイヤ操作の待機を開始する。後述するように、操作受付部21には、第1ボタン211及び第2ボタン212が設けられている(図2参照)。ゲーム装置1は、硬貨投入口に硬貨が投入されると、まず第1ボタン211の押下を待機する。
プレイヤが手指で第1ボタン211を押下すると、クレーン4は、収容空間30で初期位置から幅方向に移動する。クレーン4は、第1ボタン211が押下されている間移動し、プレイヤが第1ボタン211から手指を離すと停止する。クレーン4が停止すると、ゲーム装置1は、次に第2ボタン212の押下を待機する。
プレイヤが手指で第2ボタン212を押下すると、クレーン4は、収容空間30で奥行方向に移動する。クレーン4は、第2ボタン212が押下されている間移動し、プレイヤが第2ボタン212から手指を離すと停止する。
次に、クレーン4は、アーム42,42を互いに離間させた状態で降下する。そして、クレーン4は、景品Gの近傍で停止すると、アーム42,42を互いに接近させる。アーム42,42が景品Gの適切な部位と当接していれば、クレーン4は景品Gを把持することができる。
次に、クレーン4は、上昇し、前述した初期位置まで戻る。当該初期位置においてクレーン4がアーム42,42を互いに離反させると、それまで把持していた景品Gが開放されて穴31に落下する。プレイヤは、機能部2に開設されている取出口22を介して当該景品を受け取ることができる。
図2を参照しながらゲーム装置1の構成について詳細に説明する。図2は、ゲーム装置1を示す斜視図である。
ゲーム装置1の筐体10は、その中央部を境として幅方向に略面対称となるように構成されている。このため、ゲーム装置1の筐体10は、最大で2人のプレイヤが同時にプレイすることができる。ゲーム装置1を構成する複数の部材のうち、同一の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
操作受付部21は、第1ボタン211、第2ボタン212及び設定用パネル213を有している。
第1ボタン211及び第2ボタン212は公知の入力機器であり、押下されることによって操作信号を送信する。プレイヤは、第1ボタン211を押下することにより、クレーン4を幅方向に移動させることができる。また、プレイヤは、第2ボタン212を押下することにより、クレーン4を奥行方向に移動させることができる。
設定用パネル213は、種々の情報を表示するとともに、アミューズメント施設Aの管理者やユーザからの入力操作を受け付ける機器である。例えば、設定用パネル213として、静電容量方式のタッチパネルを採用することができる。
機能部2の内部には制御装置23、通信装置24、景品取得センサ25(図3参照)、及びエラー検知センサ26(図3参照)が配置されている。
制御装置23は、所謂ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)であり、不図示の電子素子を複数搭載している。制御装置23は、操作受付部21から受信する操作信号に基づいてクレーン4のアクチュエータ等に制御信号を送信し、それらの動作を制御する。また、後述するように、制御装置23は、電飾部8や発光ユニット9に制御信号を送信し、それらの動作を制御する。
通信装置24は、信号の送受信を行う機器である。通信装置24は、所定のプロトコルに従って、同一のアミューズメント施設Aに設置された他のゲーム装置1の通信装置24と無線通信を行う。尚、信号の送受信は、無線通信に限らず、CANバス等を用いた有線通信により行ってもよい。
景品取得センサ25は、景品Gが収容空間30から取出口22に排出されたことを検知する機器である。すなわち、景品取得センサ25は、前述した景品取得ゲームによって景品Gが取得されたことを検知する。景品取得センサ25は、景品Gが取得されたことに基づいて検知信号を送信する。
エラー検知センサ26は、ゲーム装置1に生じた異常の検知に用いられる機器である。エラー検知センサ26が検知可能な異常には、収容空間30の景品Gが尽きたことや、穴31における景品Gの詰まり、硬貨投入口における硬貨の詰まり等がある。すなわち、エラー検知センサ26は、ゲーム装置1において景品Gの取得が不能になったことを検知する。エラー検知センサ26は、景品Gの取得が不能になったことに基づいて検知信号を送信する。
収容部3の上方には、電飾部8が配置されている。電飾部8は、筐体10の外部に光を発する発光部である。電飾部8は、不図示の複数の発光ダイオードが、幅方向に直線状に並ぶように配置されている。当該発光ダイオードは、受信する信号に応じて、発光色が少なくとも赤/緑/青に変化する所謂フルカラーLEDである。当該発光ダイオードが発した光は、発光ダイオードの正面側に配置された導光部材の内部で反射しながら正面側に導かれ、導光部材の端部から出射する。尚、光源は発光ダイオードに限られず、冷陰極管など他の形態の光源を用いることも可能である。
収容部3は、正面板5と、側面板6とを有している。
正面板5は、正面側における収容空間30の端部を区画する部材である。正面板5は、第1正面板51及び第2正面板52を有している。第1正面板51及び第2正面板52は、いずれも、透明なアクリル樹脂によって形成されている。
第1正面板51及び第2正面板52は、いずれも幅方向にスライド移動可能に配置されている。また、第1正面板51は、第2正面板52よりも背面側に配置されている。すなわち、正面板5は、幅方向に開閉する引違い戸である。アミューズメント施設Aの管理者は、この正面板5を開くことによって収容空間30を開放し、景品Gの補充や、クレーン4のメンテナンスを行うことができる。
側面板6は、幅方向における収容空間30の端部を区画する部材である。側面板6は、透明なアクリル樹脂によって形成されている。側面板6の正面側の端部は、曲げ加工が施されており、平面視で略L字形状を呈している。すなわち、側面板6は、側面部61及び正面部63と、側面部61と正面部63とを連結するように屈曲する屈曲部62と、を有している。
側面板6の背面側端部には、発光ユニット9(図3参照)が配置されている。発光ユニット9は複数の発光ダイオードを有している。複数の発光ダイオードは、側面部61の背面側端部と対向するとともに、発した光が側面部61の内部に入射するように配置されている。側面部61の内部に入射した光は反射しながら正面側に導かれ、屈曲部62や正面部63から出射する。すなわち、屈曲部62及び正面部63は、筐体10の外部に光を発する発光部である。
図3を参照しながら制御装置23について詳述する。図3は、制御装置23の構成を示すブロック図である。制御装置23は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を送信する機能を果たすため、制御装置23には機能的な制御ブロックが構成される。
図3は、制御装置23を機能的な制御ブロック図として示している。尚、制御装置23を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図3に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、図3に示される複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、制御装置23の実際の構成は当業者が適宜変更できる。
制御装置23は、第1ボタン211、第2ボタン212、設定用パネル213、景品取得センサ25、及びエラー検知センサ26と接続され、それらから操作信号や検知信号を受信可能に構成されている。また、制御装置23は、クレーン4、電飾部8、発光ユニット9とも接続され、それぞれに制御信号を送信可能に構成されている。さらに、制御装置23は、通信装置24とも接続され、相互に信号を送受信可能に構成されている。
制御装置23は、クレーン制御部231と、演出実行部232と、エラー報知実行部233と、記憶部234と、を有している。
クレーン制御部231は、クレーン4の動作を制御する機能部である。具体的には、クレーン制御部231は、第1ボタン211及び第2ボタン212から受信する操作信号に基づいて所定の演算を行い、制御信号を生成する。クレーン制御部231は、この制御信号をクレーン4のアクチュエータに送信するとともに、当該アクチュエータに所定の動作を行わせることによってクレーン4を制御する。
演出実行部232は、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを発光させる機能部である。また、演出実行部232は、景品取得センサ25から検知信号を受信した場合に、取得信号を生成するとともに、当該取得信号を通信装置24によって他のゲーム装置1に送信する。
演出実行部232は、景品取得センサ25から検知信号を受信した場合に、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパターンで発光させる演出を実行する。さらに、演出実行部232は、通信装置24が他のゲーム装置1から取得信号を受信した場合にも、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパターンで発光させる演出を実行する。
エラー報知実行部233は、電飾部8に制御信号を送信し、電飾部8を発光させる機能部である。また、エラー報知実行部233は、エラー検知センサ26から検知信号を受信した場合に、エラー信号を生成するとともに、当該エラー信号を通信装置24によって他のゲーム装置1に送信する。
エラー報知実行部233は、他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場合に、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパターンで発光させるエラー報知を実行する。
記憶部234は、種々の情報を記憶する部分であり、例えば不揮発性メモリによって構成される。記憶部234にはマップ等の情報が予め記憶されている。当該情報はクレーン制御部231等によって読み出され、所定の演算に用いられる。また、記憶部234は、設定用パネル213によって設定されるグループ番号を記憶することができる。グループ番号については後述する。
以上の説明のように構成されたゲーム装置1は、自機又は同一のアミューズメント施設Aに設置された他のゲーム装置1において景品Gが取得されたことに基づいて、演出を実行する。当該演出は、景品Gを取得したプレイヤの達成感を増幅させたり、景品取得ゲーム装置の周囲に居るプレイヤ候補のプレイ意欲を喚起したりすることを目的として行われる。
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1に設定されたグループ番号に基づいて、演出の実行を開始するタイミング(以下、当該タイミングを「演出開始タイミング」とも称する。)を決定する。グループ番号は、本発明における「装置ID」に相当し、ゲーム装置1の管理者が任意に設定できるものである。また、グループ番号は、同一のものを複数のゲーム装置1に設定することができるし、1機のゲーム装置のみに設定することもできる。
図4乃至図6を参照しながらグループ番号の設定について説明する。図4は、ゲーム装置1が設置されたアミューズメント施設Aの見取図である。図5は、ゲーム装置1にグループ番号を設定する際の設定用パネル213を示す模式図である。図6は、グループ番号が設定されたゲーム装置1が設置されたアミューズメント施設Aの見取図である。
図4に示されるように、アミューズメント施設Aには、管理者が待機する場所であるカウンターの他、28機のゲーム装置1が設置されている。図4は、所定の配列で設置されているゲーム装置1を、符号1A〜1Dによって示している。具体的には、カウンターから見てアミューズメント施設Aの最も奥側の位置において、一列に配列されている6機のゲーム装置1が、符号1Dによって示されている。また、2行×2列で配列されている20機のゲーム装置1が、アミューズメント施設Aの奥側のものから順に符号1B,1C,1Dによって示されている。また、背面を対向させるように配列され、カウンターの近傍に設置された2機のゲーム装置1が、符号1Eによって示されている。
図4は、各ゲーム装置1にグループ番号が設定されていない状態を示している。アミューズメント施設Aの管理者は、各ゲーム装置1に演出を実行させるにあたり、各ゲーム装置1にグループ番号を設定する。
管理者は、グループ番号の設定を開始するために、複数のゲーム装置1Aのうちの1機であるゲーム装置1A0において、アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装置1に実行させるモードの切替操作を行う。具体的には、管理者は、ゲーム装置1A0の設定用パネル213に対して所定の入力操作を行うことにより、全てのゲーム装置1に「グループ番号設定モード」の実行を開始させることができる。このグループ番号設定モードは、本発明における「ID設定モード」に相当するモードである。
管理者による入力操作を受け付けたゲーム装置1A0の制御装置23は、通信装置24によって他のゲーム装置1にモード切替信号を送信する。これにより、ゲーム装置1A0、及び、モード切替信号を受信した他のゲーム装置1の制御装置23が実行するモードが、他のモードからグループ番号設定モードに切り替えられる。
グループ番号設定モード実行中の各ゲーム装置1の制御装置23は、設定用パネル213に、当該ゲーム装置1に設定可能なグループ番号を表示させる。図5に示される例では、アイコン状のグループ番号I〜VIIIが、管理者にグループ番号の設定を促すメッセージとともに設定用パネル213に表示されている。管理者は、アミューズメント施設Aを移動しながら、各ゲーム装置1の設定用パネル213に対して入力操作し、当該ゲーム装置1に設定するグループ番号を設定する。詳細には、管理者は、各ゲーム装置1に設定するグループ番号に対応するアイコンを手指で押すことにより、当該ゲーム装置1に設定するグループ番号を選択する。選択されたグループ番号は、各ゲーム装置1の記憶部234に記憶される。
以下、図6に示されるようにグループ番号が設定された場合を例にとって説明する。図6は、各ゲーム装置1に設定されたグループ番号を、各ゲーム装置1と重畳させて示している。すなわち、ゲーム装置1A〜1Dには、グループ番号I〜IVが順に設定されている。また、ゲーム装置1Eには、ゲーム装置1Dと同様にグループ番号IVが設定されている。
図7乃至図10を参照しながら、各ゲーム装置1が実行する演出について説明する。図7及び図8は、制御装置23が実行する処理を示すフローチャートである。図9は、演出を説明するタイムチャートである。図10は、演出を実行しているゲーム装置1が設置されたアミューズメント施設Aの見取図である。尚、簡便のため、詳細には制御装置23の演出実行部232等の各機能部において実行している処理も、総括して制御装置23が実行するものとして説明する。
制御装置23は、ゲーム装置1の稼働時、図7に示される処理を実行する。まず、制御装置23は、ステップS11で、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gが取得されたか否かを判定する。具体的には、制御装置23は、景品取得センサ25から検知信号を受信したか否かを判定する。当該ゲーム装置1において景品Gが取得されたと判定した場合(S11:YES)、制御装置23は、ステップS12の処理に進む。
次に、制御装置23は、ステップS12で、取得信号を生成して送信する。この取得信号には、当該制御装置23を備えるゲーム装置1に設定されているグループ番号に対応するデータが付加されている。制御装置23は、通信装置24により他のゲーム装置1に取得信号を送信する。
次に、制御装置23は、ステップS13で、演出の実行を開始する。具体的には、制御装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を開始し、両者を所定のパターンで発光させる。当該発光パターンとしては、所定周期の点滅や、発光色の変化等、種々の形態を採用することができる。これにより、電飾部8、屈曲部62及び正面部63が筐体10の外部に光を発する。
次に、制御装置23は、ステップS14で、演出の実行開始から時間Ttが経過したか否かを判定する。当該時間Ttは、予め定められた値である。制御装置23は、演出の実行開始から時間Ttが経過したと判定した場合、ステップS15の処理に進む。
次に、制御装置23は、ステップS15で、演出の実行を停止する。具体的には、制御装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を停止し、両者の発光を停止させる。
このように、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gが取得された場合、図7のステップS12以降の処理を実行する。一方、他のゲーム装置1において景品Gが取得された場合に制御装置23が実行する処理について、図8を参照しながら説明する。
まず、制御装置23は、ステップS21で、通信装置24が他のゲーム装置1から取得信号を受信したか否かを判定する。制御装置23は、通信装置24が他のゲーム装置1から取得信号を受信したと判定した場合(S21:YES)、ステップS22の処理に進む。
次に、制御装置23は、ステップS22で、当該制御装置23を備えるゲーム装置1による演出開始タイミングを決定する。ここでは、演出実行部232が、記憶部234に記憶されているグループ番号を読み出すとともに、当該グループ番号に基づいて所定の演算を行うことにより、演出開始タイミングを決定する。すなわち、演出開始タイミングは、グループ番号に対応したものになる。
次に、制御装置23は、ステップS23で、演出開始タイミングが到来したか否かを判定する。制御装置23は、演出開始タイミングが到来するまで、演出の実行を開始することなく待機する(S21:NO)。そして、制御装置23は、演出開始タイミングが到来したと判定した場合(S21:YES)、ステップS24の処理に進む。
次に、制御装置23は、ステップS24で、演出の実行を開始する。具体的には、制御装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を開始し、両者を所定のパターンで発光させる。当該発光パターンは、前述したステップS13における発光パターンと同一であってもよいし、異なるものであってもよい。これにより、電飾部8、屈曲部62及び正面部63が筐体10の外部に光を発する。
次に、制御装置23は、ステップS25で、演出の実行開始から時間Tpが経過したか否かを判定する。当該時間Tpは、予め定められた値である。制御装置23は、演出の実行開始から時間Tpが経過したと判定した場合(S25:YES)、ステップS26の処理に進む。
次に、制御装置23は、ステップS26で、演出の実行を停止する。具体的には、制御装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を停止し、両者の発光を停止させる。
図9は、I〜IVの各グループ番号が設定されたゲーム装置1における演出の実行状態を示すタイムチャートである。ここでは、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cのいずれかにおいて景品Gが取得された場合が示されている。
時刻t11で、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cのいずれかにおいて景品Gが取得されると、当該ゲーム装置1Cの制御装置23は、他のゲーム装置1に取得信号を送信する(以下、景品Gが取得されたゲーム装置1Cを「ゲーム装置1Cg」と称し、他のゲーム装置1Cを「ゲーム装置1Cn」と称する。)。ゲーム装置1Cgの制御装置23は、この時刻t11に演出の実行を開始する。
一方、ゲーム装置1Cnの制御装置23は、ゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて演出開始タイミングを決定する。ここでは、当該制御装置23は、同じグループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cgにおいて景品Gが取得されたことから、演出開始タイミングを時刻t11に設定する。すなわち、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cは、同一タイミングで演出の実行を開始する。
グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aの制御装置23は、時刻t11にゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t11に決定する。すなわち、グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aは、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cと同一タイミングで演出の実行を開始する。
グループ番号IIが設定されたゲーム装置1Bの制御装置23は、時刻t11にゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t11から時間Ti経過後の時刻t12に決定する。当該時間Tiは予め定められた値である。これにより、グループ番号IIが設定されたゲーム装置1Bでは、グループ番号I,IIIが設定されたゲーム装置1A,1Cから時間Tiだけ遅れたタイミングで演出の実行が開始される。
尚、グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aにおいて景品Gが取得された場合、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cの制御装置23は、演出開始タイミングを時刻t13に決定する。時刻t13は、時刻t12から時間Ti経過後の時刻である。図9に示される例では、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cは、時刻t13においても演出の実行を継続している。
グループ番号IVが設定されたゲーム装置1D,1Eの制御装置23は、時刻t11にゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t13から時間Ti経過後の時刻t14に決定する。これにより、グループ番号IVが設定されたゲーム装置1D,1Eでは、グループ番号I,IIIが設定されたゲーム装置1A,1Cから遅れたタイミングで演出の実行が開始される。
グループ番号I,II,IVが設定されたゲーム装置1A,1B,1D,1Eの制御装置23は、いずれも演出の実行開始から時間Tpが経過したことに基づいて、演出の実行を停止する。これに対し、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cの制御装置23は、演出の実行開始から時間Ttが経過したことに基づいて、演出の実行を停止する。時間Ttは、時間Tpよりも大きい値である。
尚 、ゲーム装置1Cgにおいて景品Gが取得された場合に、ゲーム装置1Cgのみ、その演出開始タイミングを、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置1Cとは異ならせてもよい。すなわち、景品Gが取得されたゲーム装置1Cgのみ、演出開始タイミングを時刻t11に設定するとともに、演出の実行開始から時間Ttが経過したことに基づいて、演出の実行を停止する。一方、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置1Cの制御装置23は、時刻t11にゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t11から時間Ti経過後の時刻t13に決定する。これにより、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置1Cでは、グループ番号IIが設定されたゲーム装置1Bから時間Tiだけ遅れたタイミングで演出の実行が開始される。
ゲーム装置1Cの制御装置23が演出の実行を停止する時刻t16は、ゲーム装置1A,1B,1D,1Eの制御装置23が演出の実行を停止するタイミングよりも後である。すなわち、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cでは、他のグループ番号が設定されたゲーム装置1A,1B,1D,1Eよりも長時間にわたって演出が実行される。
このように演出開始タイミングを決定することにより、図10に矢印で示されるように、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cにおける演出実行中に、アミューズメント施設Aの奥側に設置されているゲーム装置1Aから、カウンター側に設置されているゲーム装置1D,1Eにかけて、順に景品獲得演出の実行を開始する。これにより、アミューズメント施設Aにおいて光が移動するかのような演出を実行することができる。すなわち、アミューズメント施設Aに設置された複数のゲーム装置1を用いて、一体感や規則性に富んだ演出を実行することができる。
尚、制御装置23が演出の実行を開始するタイミングは、景品Gの取得時に限られない。例えば、景品取得ゲームの開始時(つまり、ゲーム装置1への所定の料金の支払い時)や、プレイヤからのボタン操作の受付時、予め設定された回数プレイされても景品Gが取得されなかった場合、設定時間の到来を含む所定の時間条件の成立時等、種々のタイミングで演出の実行を開始してもよい。この場合、景品取得ゲームの開始やボタン操作受付等については、各ゲーム装置1の制御装置23が、そのタイミングの到来を判定する。また、所定の時間条件の成立については、各ゲーム装置1のうちいずれか1機のゲーム装置1の制御装置23がそのタイミングの到来を判定し、他のゲーム装置1に信号を送信する。
また、各ゲーム装置1は、アミューズメント施設Aに設置されたいずれかのゲーム装置1において異常が発生した場合に、当該異常を管理者に報知するためのインジケータ機能を有している。ここで、ゲーム装置1において異常が発生した場合とは、各ゲーム装置1のクレーン4等の機構に異常が発生して景品取得ゲームをプレイできない場合や、収容空間30内に景品Gが無くなったために景品取得ゲームを提供できない場合等が挙げられる。
例えば、図11に示されるように、1機のゲーム装置1Aにおいて景品Gの取得が不能になった場合について説明する。カウンターに最も近いゲーム装置1E0の制御装置23のみ、管理者によって予めインジケータ機能が有効とされている。
この場合、1機のゲーム装置1Aにおいて景品Gの取得が不能になると、当該ゲーム装置1Aの制御装置23は、当該ゲーム装置1Aの電飾部8によってエラー報知を実行するとともに、ゲーム装置1E0にエラー信号を送信する。ゲーム装置1E0の制御装置23は、ゲーム装置1Aから受信したエラー信号に基づいてエラー報知を実行する。
アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装置1でエラー報知を実行すると、演出の美観を損なうおそれがある。この点、本形態では、管理者が予めインジケータ機能を有効にしているゲーム装置1E0のみでエラー報知を実行することにより、演出の美観を保護することが可能になる。
ゲーム装置1E0の制御装置23は、エラー報知として、演出の実行時とは異なるパターンで、電飾部8を発光させる。図11に示される例では、制御装置23は、電飾部8に配置されている複数の発光ダイオードのうち、幅方向両端部に配置された一部の発光ダイオードのみを発光させている。また、当該発光ダイオードの発光色も、演出の実行時のものとは異なる。
さらに、ゲーム装置1E0の制御装置23は、ゲーム装置1E0の設定用パネル213に、異常が発生したゲーム装置1Aを特定する情報を表示する。管理者が異常に気付き、異常が発生したゲーム装置1Aのメンテナンス等が行われると、ゲーム装置1Aの制御装置23は、ゲーム装置1E0にメンテナンス完了信号を送信する。ゲーム装置1E0の制御装置23は、ゲーム装置1E0から受信したメンテナンス完了信号に基づいて、エラー報知の実行を停止する。なお、異常が発生したゲーム装置1Aを特定する情報の報知は、設定用パネル213による報知に限らず、電飾部8に配置されている複数の発光ダイオードの発光パターンや発光色で報知してもよい。
また、異常が発生したゲーム装置1Aの制御装置23は、エラー報知よりも演出を優先的に実行する。そして、ゲーム装置1E0の制御装置23は、演出よりもエラー報知を優先的に実行する。具体的には、ゲーム装置1E0の制御装置23は、演出実行中にゲーム装置1Aからエラー信号を受信した場合は、当該演出を中断してエラー報知の実行を開始する。以上の処理により、ゲーム装置1E0でエラー報知がなされることで、カウンターから離れたゲーム装置1Aにおいて異常が発生した場合であっても、カウンターに常駐する管理者が容易に異常に気付くことができ、稼働不能による機会損失を少なくすることができる。
続いて、本実施形態のゲーム装置1が奏する効果について説明する。
ゲーム装置1は、自身に設定されたグループ番号(装置IDに相当)に基づいて、演出開始タイミングを決定する。したがって、アミューズメント施設Aの管理者は、各ゲーム装置1に設定するグループ番号を適宜選択するという簡便な作業によって、各ゲーム装置1の演出開始タイミングを設定することができる。この結果、アミューズメント施設Aにおけるゲーム装置1の種々の設置態様に対応して、容易に適切なタイミングで演出を実行させることが可能になる。
また、制御装置23は、演出開始タイミングを、グループ番号毎に異ならせる。この構成によれば、アミューズメント施設Aにおいて光が移動するかのような演出を実行し、その効果を高めることが可能になる。
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gが取得されたことに基づいて演出を実行するものである。制御装置23は、当該ゲーム装置1において景品Gが取得された場合は、他のゲーム装置1から取得信号を受信した場合よりも演出開始タイミングを早める。この構成によれば、景品Gを取得したプレイヤの達成感を迅速かつ効果的に増幅させることが可能になる。
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gの取得が不能になった場合に、通信装置24により他のゲーム装置1にエラー信号を送信するエラー報知実行部233(エラー信号送信部に相当)を有する。制御装置23は、通信装置24が他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場合に、演出の実行時とは異なるパターンで電飾部8、屈曲部62及び正面部63(発光部に相当)を発光させるエラー報知を実行する。この構成によれば、景品Gの取得が不能になった場合に、演出の実行時とは異なるパターンで電飾部8、屈曲部62及び正面部63を発光させることにより、アミューズメント施設Aの管理者に、点検や修理等の必要性を確実に認識させることが可能になる。
また、制御装置23は、通信装置24が他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場合に、演出よりもエラー報知を優先的に実行する。この構成によれば、アミューズメント施設Aの管理者に、点検や修理等を迅速に促すことが可能になる。
また、制御装置23は、グループ番号の設定を受け付けるグループ番号設定モード(「ID設定モード」に相当)と、他のモードと、を実行する。制御装置23は、他のゲーム装置1からモード切替信号を受信した場合に、他のモードからグループ設定モードに切り替える。この構成によれば、アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装置1のグループ番号の設定を開始する際に、1機のゲーム装置1から他のゲーム装置1にモード切替信号を送信させることにより、全てのゲーム装置1をグループ番号設定モードに切り替えることが可能になる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
図5を参照しながら説明したように、上記実施形態に係るゲーム装置1は、設定用パネル213に表示されたアイコン状のグループ番号I〜VIIIを管理者が手指で触れてグループ番号を設定するように構成されている。しかしながら、本発明はこの形態に限定されない。
例えば、グループ番号設定モードにおいて、各ゲーム装置1の設定用パネル213に図12に示されるアイコンを表示させてもよい。当該表示は、グループ番号を追加しながら各ゲーム装置1にグループ番号を設定することを管理者に促すものである。具体的には、管理者は、同一のグループ番号を設定したいゲーム装置1において、「前と同じグループ番号」アイコンを押す。例えば、管理者が6機のゲーム装置1Aにグループ番号Iを設定したい場合は、移動しながらゲーム装置1Aにおいて「前と同じグループ番号」アイコンを押す。次に、管理者が8機のゲーム装置1Bにグループ番号IIを設定したい場合は、まず1機のゲーム装置1Bにおいて「新規グループ番号」を押す。次に、管理者は移動しながら残り7基のゲーム装置1Bにおいて「前と同じグループ番号」を押す。