JP6777831B1 - 雨水貯留施設及び雨水貯留施設の施工方法 - Google Patents

雨水貯留施設及び雨水貯留施設の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、プラスチック製の単位部材(雨水貯留ユニット)からなる雨水貯留浸透施設の雨水による浮力対策が簡単で、貯留した雨水の荷重を保持可能な雨水貯留浸透施設を提供することである。【解決手段】複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体部と、当該ハニカム構造体部の上に構築され、プラスチックで成形された空隙を有する多数の雨水貯留ユニットを積み重ねて構成される雨水貯留ユニット集合体と、当該ハニカム構造体部と当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包むシートからなる雨水貯留施設。【選択図】図5

Description

本発明は、複数の単位部材を水平方向及び鉛直方向に地下に配置して雨水の貯留空間を形成する雨水貯留施設に関する。更に詳しくは、当該雨水貯留施設の基礎に関する。
雨水貯留施設は、道路、公園、駐車場などの地下に設置され、プラスチック等で成形された多数の単位部材を、水平方向、鉛直方向に多数積み重ねて構成される(特許文献1)。そして、その周囲を透水性及び/または遮水性のシートで覆い、雨水貯留施設の内部の空隙に雨水を貯留するとともに、鉛直方向の荷重を支える構造部材として種々の構造のものが開発されている。このような雨水貯留施設は、雨水貯留空間の空隙率が大きいものが、貯留する雨水の体積が大きくなるため好ましい。
プラスチック等で成形された多数の単位部材を積み重ね構成される雨水貯留施設(以下、単位部材を「雨水貯留ユニット」、単位部材の集合体を「雨水貯留ユニット集合体」という。)は、雨水を貯留するために雨水貯留ユニット集合体の周囲を遮水する貯留型と、雨水貯留ユニット集合体の周囲を遮水せずに雨水を貯留しながら浸透させる浸透型と、雨水貯留ユニット集合体の周囲を部分的に遮水シートで遮水する貯留型と浸透型の混合である貯留浸透型の3種類がある。雨水貯留施設は、主に雨水貯留ユニット集合体からなる貯留槽と付帯施設からなる。
貯留型施設は、雨水貯留機能を確保するため貯留槽(雨水貯留ユニット集合体)の外面と周辺地盤との間に遮水シートを設置する。貯留槽に流入した雨水は、いったん貯留された後、付帯施設の流出接続管から外部へ排出されるが、貯留槽内に貯留した雨水を利用することも可能である。
浸透型施設は、雨水浸透機能を確保するため貯留構造体の外面と周辺地盤との間に透水シートを設置する。貯留槽に流入した雨水は、透水シートを介して貯留槽の外部(土壌)へ浸透する。また、雨水流入量が浸透量より大きい場合には、流入した雨水の一部は付帯施設の流出接続管から外部へ排出される。
プラスチック等で成形された多数の単位部材を積み重ね構成される雨水貯留施設(雨水貯留ユニット集合体)は、プラスチックの比重が水よりも軽いため、雨水を受け入れた際に個々の雨水貯留ユニットに浮力が発生して施設を壊すという欠点があった。また遮水シートで覆われた貯留型施設に於いては、地下水位が上昇した場合に、雨水貯留ユニット集合体全体に浮力が発生して施設を壊すという欠点があった。このような浮力による問題を解決するため、特許文献2では、テーブル状単位部材において平板部に応力対策用柱状部材を取り付け、柱状単位部材を構成し、柱状部材の重量で浮力に打ち勝つことにより、雨水貯留浸透槽、柱状単位部材等に生じる浮力の低減を図るとしている。
一方で、雨水貯留施設に雨水を貯留する場合には、雨水貯留施設の下地盤は貯留水の重量を支えるため十分な支持力を有する必要がある。支持力の確保のために、特許文献3では、複数の樹脂製の充填部材を組立てることによって構成される上部貯留浸透槽と、その下方に設置される鉄筋コンクリート製の下部貯留浸透槽と、その下方の敷設された砕石層から構成される雨水貯留浸透施設を開示している。支持力対策で砕石層を設ける場合には、砕石層の置き換えの厚みを構造計算で算出する手間がかかる上、概して置き換え厚はかなりの厚みになる傾向があった。また、支持力対策で地盤のセメント安定化処理を行う方法もあるが、環境負荷が大きく、セメントの配合率を決めるためにあらかじめ室内試験で行う必要があるなど、手間がかかるというデメリットがあった。
特開2019−73855号公報 特開2019−138082号公報 特開2010−31541号公報
従来のプラスチック等で成形された多数の単位部材を積み重ね構成される雨水貯留施設では、浮力対策として単位部材(雨水貯留ユニット)と重りとして機能する重たい部材と連結する必要があり、施工の際に多くの手間が発生した。また、貯留した雨水の重さ対策としては、プラスチック製の雨水貯留施設(雨水貯留ユニット集合体)の下部に、雨水の重さを支持する構造として厚い砕石層を設置する必要があり、構造が複雑化した。本発明の目的は、プラスチック製の単位部材(雨水貯留ユニット)からなる雨水貯留施設の雨水による浮力対策が簡単で、貯留した雨水の荷重を保持可能な雨水貯留施設を提供することである。
本発明者は、プラスチックで成形された多数の単位部材(雨水貯留ユニット)を積み重ねた構成される雨水貯留施設のプラスチック構造体部分(雨水貯留ユニット集合体)と、
当該プラスチック構造体部の下部に構成される複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体を積層したハニカム構造体部から構成され、
当該雨水貯留ユニット集合体と当該ハニカム構造体部との全体を包むシートで構成されてなる雨水貯留施設が、浮力問題と雨水の荷重問題を解決することを見いだした。
請求項1記載の発明は、
複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体部と、
当該ハニカム構造体部の上に構築され、プラスチックで成形された空隙を有する多数の雨水貯留ユニットを積み重ねて構成される雨水貯留ユニット集合体と、
当該ハニカム構造体部と当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包むシートからなる雨水貯留施設である。
すなわち本発明の雨水貯留施設は、展帳したハニカム状立体補強材に中詰材として砕石を入れ構築したハニカム構造体部と、その上に設置される樹脂製の雨水貯留ユニットを多数積み重ねて構築された雨水貯留ユニット集合体と、ハニカム構造体部と雨水ユニット集合体の全体を包むように設置されるシートからなる構造物を発明の要旨とする。
本発明のように砕石を充填したハニカム構造体部と樹脂製の雨水貯留ユニット集合体をシートで包み一体化させることで、雨水や地下水位の上昇により樹脂製の雨水貯留ユニット集合体が浮上することを抑止することができる。すなわち、砕石を充填したハニカム構造体部と樹脂製の雨水貯留ユニット集合体が一体化することで、雨水や地下水位により上部の比重が小さい樹脂製の雨水貯留ユニット集合体に浮力が発生しても、下部の砕石を充填したハニカム構造体部と一体化しているため、浮力を押さえ込むことができる。さらに、雨水を貯留した雨水ユニット集合体の荷重はハニカム構造体部が分散して地盤に伝えることで、地盤の不等沈下等を押さえることができる。さらに砕石を充填したハニカム構造体部は、セルによる拘束効果により従来の砕石層よりも置き換え厚を小さくすることができる。
また、浸透型雨水貯留施設の場合には、樹脂製の雨水貯留ユニット集合体と砕石を充填したハニカム構造体部は連通しているため、雨水貯留ユニット集合体に貯留した雨水は下のハニカム構造体部に移動し、ハニカム構造体部にも雨水を貯留することができ、ハニカム構造体部に溜まった雨水をハニカム構造体部の下部から徐々に地中に浸透させることができる。
請求項2記載の発明は、
前記シートが不織布である請求項1記載の雨水貯留施設である。
ハニカム構造体部と、雨水貯留ユニット集合体との全体を包むシートは不織布が好適である。不織布は、透水性があり、カーペットのようなクッション効果がある。貯留型雨水貯留施設の場合は不織布で雨水貯留施設全体を包むと、保護シートとして機能し、保護シートの内側に配置される遮水シートの周りの埋め戻し材などによる破損を防止することができる。また、透水型雨水貯留施設の場合には、当該不織布が周辺地盤への透水シートとして機能し、雨水貯留ユニット集合体及びハニカム構造体部に溜まった雨水を徐々に周辺地盤へ浸透させることができる。
請求項3記載の発明は、
前記ハニカム構造体部と雨水貯留ユニット集合体との間に透水シートを有する請求項1または2のいずれかに記載の浸透型雨水貯留施設である。
請求項4記載の発明は、
前記ハニカム構造体部と雨水貯留ユニット集合体との間にコンクリート基礎層を有する請求項1または2のいずれかに記載の貯留型雨水貯留施設である。
浸透型雨水貯留施設の場合は雨水貯留ユニット集合体とハニカム構造体部の境界面に透水シートを設けることで、雨水貯留ユニット集合体に溜まった雨水をハニカム構造体部にも貯留させ、当該ハニカム構造体部からも貯留した雨水を徐々に浸透させることができる。また、貯留型雨水貯留施設の場合は、雨水貯留ユニット集合体とハニカム構造体部の境界面にコンクリート基礎層を設けることで、雨水貯留ユニット集合体に溜まった雨水を漏らさず貯蔵でき、また底部からの漏水を防止することができる。
請求項5記載の発明は、
浸透型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を形成して当該床付け面に透水シートを展帳する工程と、
当該透水シートを展帳した床付け面の上にハニカム構造体部を設置する工程と、
当該ハニカム構造体部の上に透水シートを敷設し、当該透水シートの上にサンドマット層を設置し、当該サンドマット層の上に雨水貯留ユニット集合体を設置する工程と、
当該雨水貯留ユニット集合体の全体を透水シートで包む工程と、
当該雨水貯留ユニット集合体の全体を透水シートで包んだ後に前記雨水貯留ユニット集合体と前記ハニカム構造体部とを包む透水シートを接着して一体化させる工程とからなる浸透型雨水貯留施設の施工方法である。
請求項6記載の発明は、
貯留型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を形成して当該床付け面に透水シートを展帳する工程と、
当該床付け面の上に展帳した透水シートの上にハニカム構造体部を設置し、当該透水シートでハニカム構造体全体を包む工程と、
当該ハニカム構造体部の上にコンクリート基礎層を設置する工程と、
当該コンクリート基礎層の上に、内側から透水シート、遮水シート、透水シートの順に3層のシートで包まれた雨水貯留ユニット集合体を設置する工程と、
当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包む透水シートと前記ハニカム構造体部とを包む透水シートを接着して一体化させる工程とからなる貯留型雨水貯留施設の施工方法である。
本発明により、雨水貯留ユニット集合体とハニカム構造体部の全体を包むシートで構成されてなる雨水貯留施設が、樹脂製の雨水貯留ユニットの浮力問題と雨水の荷重問題の両方を解決することができる。
雨水貯留ユニットの三面図である。 雨水貯留ユニット集合体を設置した際の断面図である。 ハニカム状立体補強材の展張前の斜視図である。 ハニカム状立体補強材を展張した際の斜視図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設の断面図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設の床付け面に透水シートを設置する際の断面図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設のハニカム構造体部を設置する際の断面図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設のハニカム構造体部の上に雨水貯留ユニット集合体を設置する際の断面図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体に透水シートを被せる際の断面図である。 本発明の浸透型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体を透水シートで包んだ際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設の床付け面に透水シートを設置する際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設のハニカム構造体部を設置する際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設のハニカム構造体部の上にコンクリート基礎層及び3層のシートを設置する際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設の3層のシートの上に雨水貯留ユニット集合体を設置する際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体に3層のシートを被せる際の断面図である。 本発明の貯留型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体を3層のシートで包んだ際の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明は、プラスチックで成形された多数の単位部材(以下、「雨水貯留ユニット」という。)を積み重ねた構成される雨水貯留施設のプラスチック構造体部分(以下、「雨水貯留ユニット集合体」という。)と、当該プラスチック構造体部の下部に構成される、複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体部から構成され、当該雨水貯留ユニット集合体と当該ハニカム構造体部との全体を包むシートで構成されてなる雨水貯留施設が、浮力問題と雨水の荷重問題を解決することを見いだしたことを発明の要旨としているが、このような事例はこれまで知られていない。
すなわち本発明は、
複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体部と、
当該ハニカム構造体部の上に構築され、プラスチックで成形された空隙を有する多数の雨水貯留ユニットを積み重ねて構成される雨水貯留ユニット集合体と、
当該ハニカム構造体部と当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包むシートからなる雨水貯留施設である。
〔実施形態1〕
実施形態1に於いては、浸透型雨水貯留施設について説明する。
まず、プラスチックで成形された空隙を有する雨水貯留ユニットを用いて構築される雨水貯留施設(浸透型及び貯留型)について説明する。
図1は雨水貯留ユニットの三面図である。雨水貯留ユニット1は、平板部1Aに複数の突起部1Bが林立する構造をしている。平板部1A及び突起部1Bには多くの穴が付され、突起部1B内部は中空構造となっている。雨水貯留ユニット1は多数を組み合わせて積み上げ雨水貯留ユニット集合体2を構築する。
雨水貯留ユニット1の材質は、樹脂製であり、どのような樹脂でも利用可能である。具体的にはオレフィン樹脂製のものが一般的に利用され、とりわけポリエチレン製やポリプロピレン製のものが好適である。
図2は、雨水貯留ユニット集合体を設置した際の断面図である。本実施形態の雨水貯留ユニット1は、積み上げる際に格段の雨水貯留ユニットの平板部1A同士が接するように、上下互い違いにして積み重ねられ、突起部1Bが組まれるように、重ねられ雨水貯留ユニット集合体2が構築される。本実施形態で示した樹脂製の雨水貯留ユニット1は一例であり、樹脂製であり雨水貯留施設の施工体積の嵩を確保できればどのような形状のものでもよい。また、雨水貯留ユニットは多くの孔や隙間を有しているほうが、雨水を貯留する際により多くの雨水を貯めることができ、また雨水が流入する際に雨水貯留ユニット内の空気を早く排出することが可能となる。
図2の雨水貯留ユニット集合体2は、通常、地面の下に埋設される。そのため、雨水貯留ユニット集合体2の周囲は土砂等が内部に流入しないようにシート3で取り囲まれている。不織布などからなるシート3(透水シート3A)は、土砂などを通さない一方、水のみを通すので浸透型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体2の周囲に設置すると好適である。一方で、貯留型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体2の周囲には遮水シート3Bが設置される。
また、雨水貯留ユニット集合体2を設置する地盤には、浸透型雨水貯留施設についてはサンドマット層4Aを、貯留型雨水貯留施設においてはコンクリート基礎層を設けることが好適である。サンドマット層4Aは、雨水貯留ユニット集合体2の不陸を防止する機能を有し、また浸透型雨水貯留施設では雨水を貯めた雨水貯留ユニット集合体2から徐々に雨水を地面に浸透させる機能を有する。さらにサンドマット層の下には砕石5による層を設けることで、雨水貯留ユニット集合体2の支持力を担保する。
以上が従来の雨水貯留施設の説明である。次に本発明の浸透型雨水貯留施設について説明する。
本発明に使用するハニカム状立体補強材及びハニカム構造体について説明する。
図3は、本願発明に使用するハニカム状立体補強材(3セル)の展張前の斜視図である。図3では3セルのハニカム状立体補強材6を例示したが、ハニカム状立体補強材6のセル数は3セルに限らず何セルあってもよい。以下、当該ハニカム状立体補強材6を展帳し充填材を詰めて作製されるハニカム構造体についても同様である。ハニカム状立体補強材6は、複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材7を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に一定間隔の結合部位9にて結合したものである。このハニカム状立体補強材6は展張方向aに展張してハニカム状のセル構造を形成する。ハニカム状立体補強材に利用される素材は樹脂が好ましく、樹脂の中でも高密度ポリエチレンが好適である。
ストリップ材7にはセル10内に溜まる水を排出するために孔8を設ける場合がある。孔の大きさや形状はどのようなものでもよい。孔の数は多い方が良いが、多すぎるとストリップ材の強度が低下するため、ストリップ材の面積の40%を越えない程度の数がよい。また孔の配置は直列でも千鳥配置でもよい。
図4は、図3で示したハニカム状立体補強材(3セル)を展張した際の斜視図である。ハニカム状立体補強材6を展張すると、ハニカム状のセル10が形成される。一般的なハニカム状立体補強材6の使用方法としては、ハニカム状立体補強材6のセル10内にセルの高さまで充填材を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体を形成させる。充填材としては、砂や土砂、砕石などが利用可能であるが、とりわけ本発明の浸透型雨水貯留施設に於いては、ハニカム状立体補強材6に砕石を充填すると雨水をハニカム構造体のセル内に貯留することができ、好適である。
図5は、本発明の浸透型雨水貯留施設の断面図である。
実施形態1の浸透型雨水貯留施設は、主に、雨水貯留ユニット1を積み重ねて作製した雨水貯留ユニット集合体2と、ハニカム状立体補強材6に砕石5が充填されてなるハニカム構造体が単層または複数層積層されてなるハニカム構造体部11(図5に於いては、ハニカム構造体部11は2層積層されたハニカム構造体部11で構成されている)と、透水シート3Aより構成される。すなわち図5のように、雨水貯留施設は、上から雨水貯留ユニット集合体2、ハニカム構造体部11の順に構成され、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体を透水シート3Aが包み込んでいる。透水シート3Aが全体を包み込むことで、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体が一体化され、雨水貯留ユニット集合体2に雨水が流入し浮力が発生した場合に於いても、ハニカム構造体部11の重みにより雨水貯留ユニット集合体2の浮上を抑制できる。
透水シート3Aは、織布もしくは不織布のような繊維状のものからなるカーペット状のシートが好適であるが、水を通すシートであればどのようなシートでも利用可能である。また材質は天然繊維であっても合成樹脂製の繊維であってもよいが、好適なのはポリオレフィン製またはポリエステル製などといった熱可塑性樹脂製であり、中でもポリオレフィン製もしくはポリエステル製の不織布が好適である。さらに、ポリオレフィン製不織布の中でもポリプロピレン製不織布が、ポリエステル製不織布の中ではポリエチレンテレフタレート製不織布が好適である。また、熱可塑性樹脂製の透水シートであれば、シート同士を熱溶着して一体化できる。
雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体を包むなる透水シート3Aは、一枚のシートで全体を包んでもよいが施工手間の関係上、一般的ではない。そこで、通常は複数の透水シート3Aを熱溶着などで隙間無く接着する方法が用いられる。透水シート3Aは想定される雨水貯留ユニット集合体2の浮力に抵抗できる程度の強度を有するもの必要がある。また複数の透水シート3Aを熱溶着などで隙間無く接着した場合には、接着面も浮力に抵抗できる程度の強度を有する必要がある。また、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体を包む不織布は1層でもよいが、複数層にしてもよい。複数層にした場合には、シート全層の合計強度が想定される雨水貯留ユニット集合体2の浮力に抵抗できる程度の強度を有すればよい。
雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の境界面には、サンドマット層4や不織布からなる透水シート3Aを挟んでも良い。これはハニカム構造体部11の充填材が砕石の場合には、ハニカム構造体部11の上面に不陸が発生し、雨水貯留ユニット集合体2がうまく施工できないことを防止するためである。また、サンドマット層4や透水シート3Aを挟むことで、貯留施設の上の土被りの荷重によりハニカム構造体部11の砕石と直接接する雨水貯留ユニットが破損することを防止することができる。サンドマット層4を挟む場合には、サンドマット層4を構成する砂がハニカム構造体部11の砕石に移動することを防止するために、不織布からなる透水シート3Aをサンドマット層4とハニカム構造体部11の間に設置する。一方でサンドマット層4を省略することも可能である。また不織布からなる透水シート3Aを設置する際にはアンカーピン12で仮止めしながら行うとよい。
浸透型雨水貯留施設には必要に応じて、流入管13、流入槽14、流入接続管15、流出接続管16、排水槽17、排水管18などの付帯設備を設置することができる。浸透型雨水貯留施設において雨水は、雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体の周りから雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体内部に浸透する雨水の他、付帯設備の流入管13、流入槽14、流入接続管15を通って雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体に流入される。また雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体の中に溜まった雨水は、雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体の周りか雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体の外に浸透する他、付帯設備の流出接続管16、排水槽17、排水管18を通って雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11の複合体から排出される。
次に本発明の浸透型雨水貯留施設の施工手順について説明する。図6〜図10は本発明の浸透型雨水貯留施設の施工手順を示した図である。なお本施工手順は、透水シート3Aを1層設置する場合の例を示した。
第1工程は、浸透型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を作製し、シートを展帳する工程である。重機などを用いて地表面より浸透型雨水貯留施設を設置する箇所を掘削し、最深部分を平らになるように整地し、床付け面を形成する。床付け面に透水シート3Aを展帳する。展帳する透水シート3Aは1枚のものであるほうが良いが、複数のシート同士の端部を重ね合わせて熱溶着などで接続しても良い。後工程で透水シート3Aの端部から雨水貯留施設全体を包むように用いるため、図のように床付け面の面積よりもかなり大きめのシートで設置し、床付け面をはみ出し部分3A2は切土面等に仮置きする。図6には、浸透型雨水貯留施設の床付け面に透水シートを設置する際の断面図を示した。
第2工程は、シートを設置した床付け面の上にハニカム構造体部を設置する工程である。展帳した透水シート3Aの上にハニカム状立体補強材6を展帳しながら設置し、セル10に砕石5などの充填材を充填し、ハニカム構造体(ハニカム構造体部11)を形成する。形成するハニカム構造体は、単層でもよいし、複数層でもよい(ハニカム構造体部11)。ハニカム構造体部11を設置後に、ハニカム構造体部11の下に設置した透水シート3Aのはみ出し部分3A2をハニカム構造体部11の上部にくるように折りたたみ、ハニカム構造体部11全体を透水シート3Aで包むようにする。また別の方法としては、ハニカム構造体部11の上を覆う透水シート3Aに別の透水シート3Aを用い、床付け面の透水シートのはみ出し部分3A2をその上部に設置する雨水貯留ユニット構造体を包むのに使うことも可能である。図7には、浸透型雨水貯留施設のハニカム構造体部を設置する際の断面図を示した。
第3工程は、ハニカム構造体部11の上に設置した透水シート3Aの上にサンドマット層4Aを設置し、当該サンドマット層4の上に雨水貯留ユニット集合体2を設置する工程である。ハニカム構造体部11の上に設置した透水シート3Aの上に3cm厚程度のサンドマット層4Aを設置することが望ましい。雨水貯留ユニット集合体2は、多数の雨水貯留ユニット1を積み上げて構築する。図8には、浸透型雨水貯留施設のハニカム構造体部の上に雨水貯留ユニット集合体を設置する際の断面図を示した。
第4工程は、雨水貯留ユニット集合体2の全体を透水シート3Aで包む工程である。雨水貯留ユニット集合体2を設置後、雨水貯留ユニット集合体2の全体を包み込むように透水シート3Aを設置する。透水シート3Aは床付け面の透水シートのはみ出し部分3A2で包み込んでもよいし、図10で図示したように新たな透水シート3A(透水シート(不織布)覆い被せ部分3A3)を雨水貯留ユニット集合体2の上から覆い被せてもよい。新たな透水シート3A(透水シート(不織布)覆い被せ部分3A3)を覆い被せた場合には、床付け面の透水シートのはみ出し部分3A2と熱溶着等で接着する必要がある。図9には、浸透型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体に透水シートを被せる際の断面図を示した。
第5工程は、雨水貯留ユニット集合体2の全体を透水シート3Aで包んだ後に、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11とを包む透水シート3Aを一体化させる工程である。雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11は、一体化した透水シート3Aで包まれていることが本発明の要部であるが、現実的には1枚の透水シート3Aで雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部を継ぎ目無く覆うことは現実的ではない。そこで多数の透水シート3Aを接着することで、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11を包む透水シート3Aの一体化を行う。接着には、熱溶着による方法が好適である。図10には、浸透型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体を透水シートで包んだ際の断面図を示した。
〔実施形態2〕
実施形態2に於いては、貯留型雨水貯留施設について説明する。
実施形態2に於いて使用する雨水貯留ユニット1、雨水貯留ユニット集合体2、ハニカム状立体補強材6、ハニカム構造体(ハニカム構造体部11)、透水シート3Aは、実施形態1と共通であるため、説明は省略する。
図11は、本発明の貯留型雨水貯留施設の断面図である。
実施形態2の貯留型雨水貯留施設は、主に、
雨水貯留ユニット1を積み重ねて作製した雨水貯留ユニット集合体2と、当該雨水貯留ユニット集合体2を包む保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシート、ハニカム状立体補強材6に砕石5が充填されてなるハニカム構造体が単層または複数層積層されてなるハニカム構造体部11(図11に於いては、ハニカム構造体部11は2層積層されたハニカム構造体で構成されている)と、雨水貯留ユニット構造体とハニカム構造体部全体を包む透水シート3A及び保護シート3Cより構成される。すなわち図11のように、雨水貯留施設は、上から雨水貯留ユニット集合体2、ハニカム構造体部11の順に構成され、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体11の複合体全体を透水シート3A(ハニカム構造体部11)及び保護シート3C(雨水貯留ユニット構造体部2)が包み込んでいる。透水シート3A(ハニカム構造体部11)及び保護シート3C(雨水貯留ユニット構造体部2)が全体を包み込むことで、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体が一体化され、地下水位が上昇した場合においても、ハニカム構造体部11の重みにより雨水貯留ユニット集合体2の浮上を抑制できる。
遮水シート3Bは、シート状で水を通さないシートであればどのようなシートでも利用可能である。また材質は天然素材でも合成樹脂製のものがよく、好適なのは軟質ポリ塩化ビニル製または加硫ゴム、非加硫ゴム製、オレフィン樹脂製などが挙げられる。特にポリオレフィン製シートであれば、シート同士を熱溶着できる。
雨水貯留ユニット集合体2全体を包む遮水シート3Bは、一枚のシートで全体を包んでもよいが施工手間の関係上、一般的ではない。そこで通常は複数の遮水シート3Bを熱溶着などで隙間無く接着する方法が用いられる。遮水シート3Bは、漏水が起きないように隙間無く接着することはもちろんである。
保護シート3Cは、実施形態1で使用した透水シート3Aと同じようなシートでよく、織布もしくは不織布のような繊維状のものからなるカーペット状のシートが好適であるが、遮水シートを保護できるシートであればどのようなシートでも利用可能である。また材質は天然繊維であっても合成樹脂製の繊維であってもよいが、好適なのはポリオレフィン製またはポリエステル製などといった熱可塑性樹脂製であり、中でもポリオレフィン製もしくはポリエステル製の不織布が好適である。さらに、ポリオレフィン製不織布の中でもポリプロピレン製不織布が、ポリエステル製不織布の中ではポリエチレンテレフタレート製不織布が好適である。また、熱可塑性樹脂製の保護シートであれば、シート同士を熱溶着して一体化できる。また、透水シート3Aと同じ素材のものを利用した場合には、保護シート3Cと透水シート3Aを熱溶着し一体化できて好適である。
雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体を包む透水シート3A及び保護シート3Cは、一枚のシートで全体を包んでもよいが施工手間の関係上、一般的ではない。通常は複数の透水シート3A及び保護シート3Cを熱溶着などで隙間無く接着する方法が用いられる。透水シート3A及び保護シート3Cは、想定される雨水貯留ユニット集合体2の浮力に抵抗できる程度の強度を有するもの必要がある。また複数の透水シート3A及び保護シート3Cを接着剤や熱溶着などで隙間無く接着した場合には、接着面も雨水貯留ユニット集合体2の浮力に抵抗できる程度の強度を有する必要がある。また、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の複合体全体を包む透水シート3A及び保護シート3Cは1層でもよいが、複数層にしてもよい。透水シート3A及び保護シート3Cを複数層にした場合には、シート全層の合計強度が想定される雨水貯留ユニット集合体2の浮力に抵抗できる程度の強度を有すればよい。
また、本実施形態2のように、2枚の保護シート3C(不織布)で遮水シート3Bを挟むような構造で、雨水貯留ユニット集合体2を複合体全体で包んだほうがよい。当該構造を採用した場合には、遮水シート3Bが2枚の保護シート3C(不織布)により物理的に保護され、遮水シート3Bに穴が空くことによる漏水を防ぐことができる。すなわち、遮水シート3Bより内側(雨水貯留ユニット集合体2及びハニカム構造体部11と接する側)に配置される保護シート3C(不織布)は、雨水貯留ユニット集合体2とのハニカム構造体部11との摩擦による破損から遮水シート3Bを守る。また、遮水シート3Bより外側(土砂と接する側)に配置される保護シート3C(不織布)は、土砂との摩擦による破損から遮水シート3Bを守る。
雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11の境界面には、コンクリート基礎層4Bを挟む。これは雨水貯留ユニット構造体2からの漏水を阻止するためである。またコンクリート基礎層4Bと遮水シート3Bの間にも保護シート3Cを挟むことが遮水シート3Bの破損抑止にとっては望ましい。
貯留型雨水貯留施設には必要に応じて、流入管13、流入槽14、流入接続管15、流出接続管16、排水槽17、排水管18、オーバーフロー管19、オリフィス20などの付帯設備を設置することができる。貯留型雨水貯留施設において雨水は、付帯設備の流入管13、流入槽14、流入接続管15を通って雨水貯留ユニット集合体2に流入される。また雨水貯留ユニット集合体2の中に溜まった雨水は、付帯設備の流出接続管16、排水槽17、排水管18を通って雨水貯留ユニット集合体2から排出される。
次に本発明の貯留型雨水貯留施設の施工手順について説明する。図12〜図17は本発明の貯留型雨水貯留施設の施工手順を示した図である。なお本施工手順は、雨水貯留ユニット集合体を保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの順に3層のシートで包み込むように設置する例を示した。
第1工程は、貯留型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を形成し、シートを展帳する工程である。重機などを用いて地表面より貯留型雨水貯留施設を設置する箇所を掘削し、最深部分を平らになるように整地し、床付け面を形成する。床付け面に透水シート3Aを展帳する。展帳する透水シート3Aは1枚のものであるほうが良いが、複数のシート同士の端部を重ね合わせて接着剤による接着や熱溶着などで接続しても良い。後工程で透水シート3Aの端部からハニカム構造体部11を包むように用いるため、図12のように床付け面の面積よりもかなり大きめのシートで設置し、床付け面の透水シートのはみ出し部分3A2は切土面等に仮置きする。図12には、貯留型雨水貯留施設の床付け面に透水シートを設置する際の断面図を示した。
第2工程は、透水シート3Aを設置した床付け面の上にハニカム構造体部を設置する工程である。床付け面に展帳した透水シート3A1の上にハニカム状立体補強材6を展帳しながら設置し、セル10に砕石5などの充填材を充填し、ハニカム構造体(ハニカム構造体部11)を形成する。形成するハニカム構造体は、単層でもよいし、複数層でもよい(ハニカム構造体部11)。ハニカム構造体部11を設置後に、ハニカム構造体部11の下に設置した透水シート3Aのはみ出し部分3A2をハニカム構造体部11の上部にくるように折りたたみ、ハニカム構造体部11全体を透水シート3Aで包むようにする。また別の方法としては、ハニカム構造体部11の上を覆う透水シート3Aに別の透水シート3Aを用い、床付け面の透水シートのはみ出し部分3A2をその上部に設置する雨水貯留ユニット構造体を包むのに使うことも可能である。図13には、貯留型雨水貯留施設のハニカム構造体部を設置する際の断面図を示した。
第3工程は、ハニカム構造体部11上の透水シート3Aの上にコンクリート基礎層4Bを設置し、当該コンクリート基礎層4Bの上に保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの順に3層のシートを設置する工程である。まず、ハニカム構造体部11の上に設置した透水シート3Aの上に3cm厚程度のコンクリート基礎層4Bを設置する。そして当該コンクリート基礎層の上に、保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの順に3層のシートを設置する。この際、前記3層のシートのうち、一番下の保護シート3C(コンクリート基礎層4Bに直接接する保護シート3C)はコンクリート基礎層4Bの上面部の外側にはみ出るように設置し、当該保護シート3Cの端部がハニカム構造体部11を包む透水シート3Aと重なるようする。そして、保護シート3Cの端部と透水シート3A接着し、保護シート3Cと透水シート3Aを一体化させる。なお、前記一番下の保護シート3C(コンクリート基礎層4Bに直接接する保護シート3C)以外の保護シート3C及び遮水シート3Bは、雨水貯留ユニット集合体2の設置範囲よりも大きく余白部分(3B2、3C2)を設けておくと、後工程にてシートと接着する際に便利である。図14には、貯留型雨水貯留施設のハニカム構造体部の上にコンクリート基礎層及び3層のシートを設置する際の断面図を示した。
第4工程は、当該コンクリート基礎層の上に設置した保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cからなる3層のシートの上に、多数の雨水貯留ユニット1を積み上げて雨水貯留ユニット集合体2を構築する工程である。図15には、貯留型雨水貯留施設の3層のシートの上に雨水貯留ユニット集合体を設置する際の断面図を示した。
第5工程は、雨水貯留ユニット集合体2の全体に保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシートを被せる工程である。図16には、貯貯留型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体に3層のシートをかける際の断面図を示した。
第6工程は、雨水貯留ユニット集合体2の全体を保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシートで包んだ後に、雨水貯留ユニット集合体2を包む最外層の保護シート3Cと、ハニカム構造体部11とを包む透水シート3Aを一体化させる工程である。第5工程で保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシートを雨水貯留ユニット集合体2の上からかぶせた後、保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシートの余白部分(おのおの保護シート3C2、遮水シート3B2、保護シート3C2)をコンクリート基礎層の上に設置した保護シート3C、遮水シート3B、保護シート3Cの3層のシートの余白部分(おのおの保護シート3C3、遮水シート3B3、保護シート3C3)と接着して一体化させる。おのおののシートの接着には接着剤や熱溶着などの方法が用いられるが、おのおののシートが隙間無く接着することが重要である。雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11は、一体化した保護シート3Cと透水シート3Aで包まれていることが本発明の要部であるが、現実的には1枚の保護シート3Cと透水シート3Aで雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部を継ぎ目無く覆うことは不可能である。そこで多数の保護シート3Cと透水シート3Aを接着することで、雨水貯留ユニット集合体2とハニカム構造体部11を包む保護シート3Cと透水シート3Aの一体化を行う。図17には、貯留型雨水貯留施設の雨水貯留ユニット集合体を3層のシートで包んだ際の断面図を示した。
本発明を利用することで、雨水貯留ユニット集合体とハニカム構造体部との全体を包むようにシートで構成されて一体化されてなる雨水貯留施設が、樹脂製の雨水貯留ユニットの浮力問題と雨水による荷重問題の両方を解決することができる。
1 雨水貯留ユニット
1A 平板部
1B 突起部
2 雨水貯留ユニット集合体
3 シート
3A 透水シート
3A1 透水シート床付け部分
3A2 透水シートはみ出し部分
3A3 透水シート覆い被せ部分
3B 遮水シート
3B1 遮水シート床付け部分
3B2 遮水シートはみ出し部分
3B3 遮水シート覆い被せ部分
3C 保護シート
3C1 保護シート床付け部分
3C2 保護シートはみ出し部分
3C3 保護シート覆い被せ部分
4A サンドマット層
4B コンクリート基礎層
5 砕石
6 ハニカム状立体補強材
7 ストリップ材
8 孔
9 結合部位
10 セル
11 ハニカム構造体部
12 アンカーピン
13 流入管
14 流入槽
15 流入接続管
16 流出接続管
17 排水槽
18 排水管
19 オーバーフロー管
20 オリフィス
50 土かぶり
51 地表面
a 展張方向

Claims (6)

  1. 複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に砕石を充填してなるハニカム構造体部と、
    当該ハニカム構造体部の上に構築され、プラスチックで成形された空隙を有する多数の雨水貯留ユニットを積み重ねて構成される雨水貯留ユニット集合体と、
    当該ハニカム構造体部と当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包むシートからなる雨水貯留施設。
  2. 前記シートが不織布である請求項1記載の雨水貯留施設。
  3. 前記ハニカム構造体部と雨水貯留ユニット集合体との間に透水シートを有する請求項1または2のいずれかに記載の浸透型雨水貯留施設。
  4. 前記ハニカム構造体部と雨水貯留ユニット集合体との間にコンクリート基礎層を有する請求項1または2のいずれかに記載の貯留型雨水貯留施設。
  5. 浸透型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を形成して当該床付け面に透水シートを展帳する工程と、
    当該透水シートを展帳した床付け面の上にハニカム構造体部を設置する工程と、
    当該ハニカム構造体部の上に透水シートを敷設し、当該透水シートの上にサンドマット層4を設置し、当該サンドマット層の上に雨水貯留ユニット集合体を設置する工程と、
    当該雨水貯留ユニット集合体の全体を透水シートで包む工程と、
    当該雨水貯留ユニット集合体の全体を透水シートで包んだ後に前記雨水貯留ユニット集合体と前記ハニカム構造体部とを包む透水シートを接着して一体化させる工程とからなる浸透型雨水貯留施設の施工方法。
  6. 貯留型雨水貯留施設を設置する場所に床付け面を形成して当該床付け面に透水シートを展帳する工程と、
    当該床付け面の上に展帳した透水シートの上にハニカム構造体部を設置し、当該透水シートでハニカム構造体全体を包む工程と、
    当該ハニカム構造体部の上にコンクリート基礎層を設置する工程と、
    当該コンクリート基礎層の上に、内側から透水シート、遮水シート、透水シートの順に3層のシートで包まれた雨水貯留ユニット集合体を設置する工程と、
    当該雨水貯留ユニット集合体の全体を包む透水シートと前記ハニカム構造体部とを包む透水シートを接着して一体化させる工程とからなる貯留型雨水貯留施設の施工方法。
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