JP6777583B2 - 回路基板の製造方法、及び回路基板の製造装置 - Google Patents
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Description
[1.第1実施形態]
[1−1.回路基板の製造装置]
図1に示す回路基板の製造装置1(以下、単に「製造装置1」ともいう。)は、セラミック層と、セラミック層に配置された配線部とを備える回路基板を製造するための装置である。
パンチ金型2は、セラミックグリーンシートSに打ち抜きにより複数の貫通孔を形成するための金型である。パンチ金型2は、上型5と、下型6とを有する。
上型5は、図1に示すように、支持プレート5Aと、複数のピン5Bと、ノックアウト板5Cとを有する。
下型6は、図1に示すように、本体6Aと、本体6Aに形成された複数の抜き孔6Bとを有する。
移送部3は、セラミックグリーンシートSを移送する装置である。移送部3は、図1に示すように、パンチ金型2の上型5と下型6との間、具体的にはフィルムFと下型6との間に枠Pに保持されたセラミックグリーンシートSを設置する。
フィルム供給部4は、樹脂製のフィルムFを供給する装置である。フィルム供給部4は、図1に示すように、上型5と下型6との間で、セラミックグリーンシートSに対し上方に離間する位置にフィルムFを配する。
次に、製造装置1を用いた回路基板の製造方法について説明する。
本実施形態は、セラミック層と、セラミック層に配置された配線部とを備える回路基板の製造方法であり、第1の製造方法と第2の製造方法とを含む。
第1の製造方法は、図3に示すように、成形工程S10と、フィルム配置工程S20と、設置工程S30と、孔開け工程S40と、未焼結導体形成工程S50と、焼成工程S60とを備える。
本工程では、未焼結セラミックをセラミック基板状に成形する。具体的には、まず、セラミック粉末、有機バインダ、溶剤、及び可塑剤等の添加剤を混合して、スラリーを得る。次に、このスラリーを周知の方法によりシート状に成形することで、基板状の未焼結セラミックであるセラミックグリーンシートが得られる。
本工程では、フィルム供給部4により、上型5と下型6との間で、後の設置工程S30で配置されるセラミックグリーンシートSに対し上方に離間する位置に樹脂製のフィルムFを配する。
本工程では、図4Aに示すように、移送部3により、パンチ金型2の上型5と下型6との間に枠Pに保持されたセラミックグリーンシートSを設置する。具体的には、セラミックグリーンシートSは下型6の載置面6CにフィルムFと離間するように設置される。
本工程では、図4Bに示すように、パンチ金型2によりフィルムFと共にセラミックグリーンシートSに複数の孔を開ける。これにより、セラミックグリーンシートSの表面と裏面とを厚み方向に貫通する複数の孔が形成される。
本工程では、導電ペーストを用い、セラミックグリーンシートSに開けられた複数の孔に充填された未焼結ビアと、セラミックグリーンシートSに配置された未焼結配線部とを形成する。
未焼結導体の形成後、セラミックグリーンシートS、未焼結ビア、及び未焼結配線部を焼成する。この焼成は、セラミックグリーンシートSが焼結する温度に加熱することで行われる。これにより、セラミックグリーンシートSが焼結され、セラミック基板が形成される。また、未焼結ビア及び未焼結配線部が焼結し、電気的に接続されたビア導体及び配線部が形成される。
第2の製造方法は、図5に示すように、成形工程S10と、フィルム配置工程S20と、設置工程S30と、孔開け工程S40と、焼成工程S70と、導体充填工程S80と、配線部形成工程S90とを備える。これらの工程のうち、成形工程S10、フィルム配置工程S20、設置工程S30、及び孔開け工程S40は、第1の製造方法と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
本工程では、セラミックグリーンシートSの焼成によりセラミック基板を形成する。本工程は、第1の製造方法の焼成工程S60とは異なり、孔開けをしたセラミックグリーンシートSのみを焼成する。つまり、本工程では、未焼結の導体は焼成しない。これにより、複数の孔を有するセラミック基板が得られる。
本工程では、セラミック基板の複数の孔に導体を充填することで、ビア導体を形成する。ビア導体の形成方法としては、例えばメッキが挙げられる。
本工程では、セラミック基板の両面に配線部を形成する。配線部の形成方法としては、例えばセミアディティブ法やサブトラクティブ法等が使用できる。なお、導体充填工程S80と、配線部形成工程S90とは、同時に行われてもよい。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)フィルムFをセラミックグリーンシートSに離間して配し、開孔後にセラミックグリーンシートSとフィルムFとを離間することで、セラミックグリーンシートSが接着されていないフィルムFの上から打ち抜かれ、打ち抜き後にはフィルムFがセラミックグリーンシートSから分離される。そのため、打ち抜き後にセラミックグリーンシートSからフィルムFを剥がす必要が無い。結果として、フィルムFの剥離作業に起因するセラミックグリーンシートSにおける不良発生を抑制しつつ、打ち抜き用のピン5Bの摩耗を抑制できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
図1の製造装置1を用いて、フィルムFをセラミックグリーンシートSの上方に供給しながらセラミックグリーンシートSのパンチングを行い、10,000回、20,000回、30,000回、40,000回及び50,000回のパンチング後におけるピン先の径を測定した。
図1の製造装置1を用いて、フィルムFを供給せずにセラミックグリーンシートSのパンチングを行い、実施例1と同様にピン先の径を測定した。なお、セラミックグリーンシートSとフィルムFとは実施例1と同じものを用いたが、ピン5Bの径は約0.06mmとした。結果を図6Bに示す。また、50,000回パンチング後のピン先の写真を図7Bに示す。
図6A,6B及び図7A,7Bに示されるように、実施例1は、比較例1に比べてピン先の径の減少が小さい。つまり、フィルムをセラミックグリーンシートに接着させずに供給しながらパンチングをすることで、ピン先の径の減少が著しく抑えられることが示された。
4A…送り出しロール、4B…巻き取りロール、4C…第1補助ロール、
4D…第2補助ロール、5…上型、5A…支持プレート、5B…ピン、
5C…ノックアウト板、5D…貫通孔、6…下型、6A…本体、6B…抜き孔、
6C…載置面。
Claims (6)
- セラミック層と、前記セラミック層に配置された配線部とを備える回路基板の製造方法であって、
パンチ金型の上型と下型との間にセラミックグリーンシートを設置する工程と、
前記上型と前記下型との間で、前記セラミックグリーンシートに対し上方に離間する位置に樹脂製のフィルムを配する工程と、
前記パンチ金型により前記フィルムと共に前記セラミックグリーンシートに少なくとも1つの孔を開ける工程と、
を備え、
前記孔を開ける工程では、開孔後に前記セラミックグリーンシート及び前記フィルムが離間される、回路基板の製造方法。 - 前記パンチ金型の前記上型は、
前記セラミックグリーンシートを打ち抜く少なくとも1つのピンと、
前記セラミックグリーンシート及び前記フィルムを押圧するノックアウト板と、
を有し、
前記少なくとも1つのピンは、前記ノックアウト板に設けられた少なくとも1つの貫通孔から出入り自在に設けられ、
前記孔を開ける工程では、前記ノックアウト板により前記フィルムが前記セラミックグリーンシートに密着される、請求項1に記載の回路基板の製造方法。 - 前記フィルムを配する工程では、ロール状の前記フィルムの送り出し及び巻き取りによって前記フィルムを供給する、請求項1又は請求項2に記載の回路基板の製造方法。
- 導電ペーストを用い、前記セラミックグリーンシートに開けられた前記少なくとも1つの孔に充填された未焼結ビアと、前記セラミックグリーンシートに配置された未焼結配線部とを形成する工程と、
前記セラミックグリーンシート、前記未焼結ビア、及び前記未焼結配線部を焼成する工程と、
をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。 - 前記セラミックグリーンシートの焼成によりセラミック基板を形成する工程と、
前記セラミック基板の前記少なくとも1つの孔に導体を充填する工程と、
前記セラミック基板に前記配線部を形成する工程と、
をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。 - セラミック層と、前記セラミック層に配置された配線部とを備える回路基板の製造装置であって、
上型と下型とを有するパンチ金型と、
セラミックグリーンシートを移送する移送部と、
樹脂製のフィルムを供給するフィルム供給部と、
を備え、
前記移送部は、前記パンチ金型の前記上型と前記下型との間に前記セラミックグリーンシートを設置し、
前記フィルム供給部は、前記上型と前記下型との間で、前記セラミックグリーンシートに対し上方に離間する位置に前記フィルムを配し、
前記パンチ金型は、前記フィルムと共に前記セラミックグリーンシートに少なくとも1つの孔を開け、
前記パンチ金型による開孔後に前記セラミックグリーンシート及び前記フィルムが離間されるように構成される、回路基板の製造装置。
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