JP6776493B2 - アーク倣い溶接でのズレ量検出方法 - Google Patents

アーク倣い溶接でのズレ量検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、自動溶接装置または溶接ロボットを用いたアーク溶接技術に関するものであって、特に、アーク倣い溶接において、溶接線からのズレ量を検出可能とする技術に関する。
アーク溶接においては、溶接電流や溶接電圧などの電気的変化に基づいて、溶接すべき継手位置とワイヤ先端位置とのズレ量を検出し、これを補正することによって溶接線を自動追従する「アーク倣い」がよく用いられている。これは、ワークの設置誤差、加工誤差、加工中の変形等によって発生する溶接トーチの狙い位置のズレを検出して補正することにより、溶接欠陥を防止し、自動化率を向上させることを目的としている。
このようなアーク倣いの原理は、溶接ワイヤの突き出し長さ(正確に言えば、トーチ給電箇所〜母材間の距離)の変化に応じて、溶接電流あるいは溶接電圧が変化することを利用して、ウィービング動作時のアーク電流波形またはアーク電圧波形の非対称性から、トーチの狙い位置のズレを検出して、これを自動溶接装置あるいは溶接ロボットシステムにフィードバックして、トーチ先端位置の溶接線からのズレがなくなる方向に修正することにより、溶接線を自動追従するものである。
このようなアーク倣いにおいては、以下のような問題があることが知られている。
例えば、実際の溶接においては、溶接条件(電流、電圧、溶接速度、ウィービング幅、ウィービング周波数)と、倣いパラメータ(ゲインや左右電流差のオフセット)によって、溶接時のロボット動作軌跡(倣いの軌跡)が変わることがある。
つまり、実際の溶接時には、様々な要因により、溶接線からのズレが生じることとなる。
このような、アーク倣い溶接時に起こりうる問題を解決することを意図した技術として、以下の特許文献1、2に挙げるものがある。
特許文献1は、溶接トーチを左右にウィービングさせながら溶接線に倣って溶接を行なう消耗電極式アーク溶接において、左から右に至る右進ウィービング期間に、ウィービング左端部電流値を検出したのち、前記右進ウィービング期間における溶接電流最小値を検出し、かつ、右から左に至る左進ウィービング期間に、ウィービング右端都電流値を検出したのち、前記左進ウィービング期間における溶接電流最小値を検出し、その後、前記右進ウィービング期間中における各検出電流の差電流値と前記左進ウィービング期間中における各検出電流の差電流値とを演算して両差電流値を互に比較し、両差電流値の偏差に応じて溶接トーチのウィービング幅中心位置を移動制御する消耗電極式アーク溶接方法を開示する。
特許文献2は、溶接トーチを周期的にウィービングさせながら検出した電気的な時系列データに基づいて、前記溶接トーチの溶接線に対する位置を修正して前記溶接線に倣いながら溶接を行う溶接線倣い制御方法において、予め前記溶接線と前記溶接トーチとの位置に対応した前記電気的な時系列データを基準データとして記憶しておき、実際の溶接実行時には、現在の電気的な時系列データと前記基準データとの相関係数を求め、前記相関係数が大きくなるように前記溶接トーチの位置を修正する溶接線倣い制御方法を開示する。
特開昭58−53375号公報 特開2004−98162号公報
上記した特許文献1、2は様々な技術を開示しているものの、本願が意図する問題を解決するに足りるものではない。
例えば、特許文献1の技術は、ウィービング時の右端左端における最大電流値と最小電流値との差電流値により、ウィービングの中心位置を溶接線に正しく合わせることとしている。しかしながら、この技術は、ウィービングの1周期において4点の情報しか使っておらず、また、それを単純に加算減算するため、バラつきの影響を増大させる虞が大である。
特許文献2の技術は、予めズレ量ごとに溶接電流を取得しておいて、相関係数を算出することで、溶接線倣いを行うものである。しかしながら、この技術では、事前にズレ量ごとに溶接して、データの採取が必要であり、組み合わせ的に発生する溶接条件(溶接電流設定値、溶接電圧設定値、ウィービング幅、ウィービング周波数、溶接速度)に応じて、多大なデータの取得が必要である。また、事前に取得するズレ量の刻み幅によって、倣いの精度が変化するため、精度が必要な場合、ズレ量を細かく刻んで、何回も溶接電流を取得する必要があるといった難点が存在する。
すなわち、ウィービング動作における左端及び右端による溶接電流値の差異を見るだけでは、十分な情報を得ることができず、正確な制御(溶接線からのズレを防ぐ制御)は難しい。また、アーク倣いの精度と溶接条件とは密接な関係にあるため、何らかの手法により、アーク倣いの精度を向上することができれば、選択可能な溶接条件の幅(溶接条件の裕度)を広げることもできる。
なお、これらの制御を精度よく行うためには、CPU計算の能力の向上や通信速度や同期精度の向上が不可欠ではあるが、現状、これらの性能は非常に上がってきており、ロボット位置と溶接電流、電圧との同期がより高精度に取れるようになってきている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、アーク倣い溶接を行うに際し、溶接線からのズレ量を正確に検出することを可能とするアーク倣い溶接でのズレ量検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のアーク倣い溶接におけるズレ検出方法は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明かかるアーク倣い溶接におけるズレ検出方法は、溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング動作を行いながら、溶接線に沿って溶接を行うアーク倣い溶接において、前記溶接線と実際の溶接位置とのズレ量を検出するアーク倣い溶接でのズレ量検出方法であって、ウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした波形を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出することを特徴とする。
なお、好ましくは、前記関数で表される波形として、前記ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いるとよい。
なお、好ましくは、前記関数で表される波形として、前記ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いると共に、前記ウィービングの周期の1/2の周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いるとよい。
なお、好ましくは、前記関数で表される波形として、ウィービング波形を用いるとよい。
なお、好ましくは、前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを一定期間蓄えておき、前記蓄えられた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを用いてフィッティングを行うとよい。
なお好ましくは、前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータの各々を用いて、前記データが得られる都度に逐次フィッティングを行うとよい。
なお好ましくは、前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、データ取得が進むたびに、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータの各々の過去ウィービング1周期分を用いて、順次フィッティングを行うとよい。
なお好ましくは、前記順次フィッティングを行いながら、所定の時間毎に、前記順次フィッティングの結果の平均を取る計算を行うとよい。
本発明にかかるアーク倣い溶接でのズレ量検出方法のもっとも好ましい形態は、溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング動作を行いながら、溶接線に沿って溶接を行うアーク倣い溶接において、前記溶接線と実際の溶接位置とのズレ量を検出するアーク倣い溶接でのズレ量検出方法であって、ウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした波形を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出するものであり、前記関数で表される波形として、ウィービング波形を用いることを特徴とする。
本発明のアーク倣い溶接におけるズレ検出方法を用いることで、アーク倣い溶接を行うに際し、溶接線からのズレ量を正確に検出することが可能となる。
下向き溶接を模式的に示した図である。 図1の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレがない場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例1)。 図1の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが1mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例1)。 図1の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが2mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例1)。 図1の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが3mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例1)。 図1の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが4mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例1)。 溶接線からの溶接トーチのズレ量に対する溶接電流の振れ幅を示した図である(比較例)。 溶接線からの溶接トーチのズレ量に対する溶接電流の振れ幅(振幅p1)を示した図である(実施例1)。 水平すみ肉溶接を模式的に示した図である。 図4の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレがない場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例2)。 図4の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが2mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例2)。 図4の溶接において、溶接線に対する溶接トーチのズレが5mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例2)。 溶接線からの溶接トーチのズレ量に対する溶接電流の振れ幅を示した図である(比較例)。 溶接線からの溶接トーチのズレ量に対する溶接電流の振れ幅(振幅p1)を示した図である(実施例2)。 第2実施形態の方法で用いられる関数の一例を示した図である。 溶接線に対する溶接トーチのズレがない場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例3)。 溶接線に対する溶接トーチのズレが2mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例3)。 溶接線に対する溶接トーチのズレが5mmの場合の溶接電流の変化を示した図である(実施例3)。 溶接線からの溶接トーチのズレ量に対する溶接電流の振れ幅(振幅p1)を示した図である(実施例3)。 溶接システムの構成を示した図である。 溶接システムの構成を示した図である(トーチ部)。 ウィービング1周期毎に1回だけフィッティングを行うことを模式的に示した図である。 順次フィッティングを行いながら、ウィービング1周期毎に順次フィッティングの結果の平均を取ることを模式的に示した図である。 実施例1の手法によりフィッティングを行った結果を示した図である。 実施例4の手法によりフィッティングを行った結果を示した図である。 ウィービング1周期毎に2回の順次フィッティングを行うことを模式的に表した図である。 ウィービング1周期毎に4回の順次フィッティングを行うことを模式的に表した図である。 ウィービング1周期毎に8回の順次フィッティングを行うことを模式的に表した図である。 順次フィッティングの回数と平均pAveの標準偏差との関係を示した図である。
以下、本発明の実施の形態にかかるアーク倣い溶接におけるズレ量の検出方法について、図面に基づき詳しく説明する。
以下においては、溶接動作を行う機器を、溶接トーチを揺動動作(ウィービング動作)させる多関節の溶接ロボットとして説明するが、これは一例に過ぎず、専用の自動溶接装置であっても構わない。
本実施の形態に係るアーク倣い溶接方法は、例えば、垂直多関節型のロボットシステムに適用される。垂直多関節型のロボットシステムの概要は以下の通りである。
図9Aに示すように、例えば、垂直多関節型のロボットシステムは、溶接ロボット1と、教示ペンダント2を備えた制御装置3と、パーソナルコンピュータと、を含む。溶接ロボット1は垂直多関節型の6軸の産業用ロボットであり、
その先端に溶接トーチ5などから構成される溶接ツールが設けられている。この溶接ロボット1はそれ自体を移動させるスライダに搭載されていてもよい。
制御装置3は、溶接ロボット1を、予め教示したプログラムに従って制御する。このプログラムは、制御装置3に接続された教示ペンダント2を使用して作成する場合や、パーソナルコンピュータを利用したオフライン教示システムを使用して作成する場合がある。パーソナルコンピュータにより作成されたプログラムは、記憶媒体等を介して制御装置3に受渡しされたり、データ通信により制御装置3に転送されたりする。
パーソナルコンピュータ、すなわちオフライン教示システムは、グラフィック表示可能なディスプレイを備え、入力装置としてキーボードまたはマウスを備える。また、ワークのCAD情報を取込むために、記憶装置または通信装置が設けられている。
本実施の形態に係るアーク倣い溶接方法は、制御装置3内に設けられたプログラムとして実現されている。
以下、本実施の形態に係るアーク倣い溶接方法について、詳細に説明する。
まず、図9Bにアーク溶接の模式図を示す。
アーク溶接は、溶接トーチ5から供給される溶接ワイヤ6(消耗電極)と母材4の間に溶接電源7で電圧を印加し、溶接ワイヤ6と母材4の間でアークを発生させる。そのアーク熱で母材4と溶接ワイヤ6を溶融させながら溶接する。アーク溶接に伴い溶接ワイヤ6は溶け落ちてゆくため、溶接中は送給装置により溶接トーチ5内を経由して溶接ワイヤ6が供給され続ける。
母材4と溶接ワイヤ6が溶融した溶接金属が凝固し、溶接ビードが形成され、強固な溶接が実現される。厚鋼板の溶接に代表される中厚板溶接では溶接部の強度を維持するために溶接ビードの幅を広くし、溶着量や溶け込み深さを確保する必要がある。そのため中厚板溶接では、溶接トーチ5を左右に揺動させるウィービングという動作を行いながら溶接することで、溶接ビードを拡幅し溶接強度を確保している。
また、溶接トーチ5からはシールドガスも合わせて供給され、溶接トーチ5の先端に形成されるアーク柱を大気から保護している。さらに、溶融後の溶融金属も溶接ワイヤ6に含まれるフラックスの分解によって発生するガスにより大気から保護され、ブローホールなどの溶接欠陥を抑制している。
さて、例えば、中厚板の溶接分野では、溶接ワークの加工精度が悪い、溶接ワークの設置精度が悪い、溶接ワークが溶接中に熱ひずみで変形する等、溶接すべき位置である溶接線が常に決められた位置にあるとは限らない。溶接線のズレはおおむね数mmからcmオーダで発生する。
しかし、溶接品質の観点から厚板分野でアーク溶接ロボット1に許容される溶接線とのズレは一般に1mm未満であり、事前に決められた位置を動作するプレイバック方式のロボットでは溶接できない。すなわち中厚板向け溶接ロボット1では、予め教示された溶接位置と実ワークの溶接位置とのズレをリアルタイムに検出しながら、都度これに適応してサブmmオーダーの精度で溶接線を「倣う」ことが必須条件であり、欠くことができない非常に重要な機能の一つである。
[第1実施形態]
以上述べたアーク倣い溶接を行うに際し、本実施形態では、溶接線に対するトーチ先端位置のズレ量を検出する処理を制御部内で行っている。以下に示すようなズレ量検出処理を行えば、従来より精確にズレ量を検出できるため、アーク倣い溶接を行うに際し、可及的に溶接線からのズレを少なくするような制御を行うことが可能となる。
以下、本発明にかかるアーク倣い溶接におけるズレ量の検出処理の詳細(処理(i)〜処理(iv))について述べる。具体的には、本実施形態のズレ量の検出処理は、以下に示す処理(i)〜処理(iv)を行うものとなっている。
処理(i):ウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした関数の波形を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出する。例えば、フィッティングした関数の波形の最大値と最小値との差をズレ量に対応する電流差乃至は電圧差とみなして、関数の波形の最大値と最小値との差からズレ量を求める。
関数としては、ウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数であれば、複数の波形が重畳されたもので良いが、必ず極大値と極小値が1つ含まれる波形を、少なくとも1つ用いる。そのような関数を用いて、その極大値と極小値との差からズレ量を求めても良い。
この処理(i)を行うことで、ウィービング動作の左端点や右端点の情報(溶接トーチ5がウィービング波形の左端点や右端点に位置する際の溶接電流もしくは溶接電圧の値)だけでなく、溶接中における各点の情報(左端点と右端点との間に溶接トーチ5が位置する場合の溶接電流もしくは溶接電圧の値)を用いてズレ量を推定することができ、検出精度を向上させることが可能となる。また、ウィービング波形は既知なので、特許文献2のようにフィッティングする波形を求める必要がない。つまり、ウィービング波形は規定であり、そのウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数を用意すればよいため、予備実験などを行ってフィッティングするための波形を求めたり、そのためのデータを取得したりする必要もない。
また、前述した如く、ウィービング波形の特性は既知であり、どのようなウィービング波形の形状であっても、左右の振り成分も予め把握することができるため、その左右振り波形の形状に基づいてフィッティングを行うことができる。それ故、特許文献1などに開示されていたような従来手法、すなわち、ウィービング動作の左端点乃至は右端点における電流の最大値や最小値を用いる場合のように、連続的に変化する非線形な電流波形、もしくは電圧波形に対して、どこからどこまでの範囲の中から最大値、最小値を取るかを実験により定める必要がない。
つまり、特許文献1などでは、この最大値、最小値を取る範囲によって大きくフィッティングの性能が左右されるが、溶接条件は組み合わせ的に膨大な数あり、その全てに対応できる範囲を適切に選ぶことは困難である。それに対して、本発明の技術では、ウィービング1周期毎にフィッティング作業を行うだけでよく、膨大な溶接条件を予備的に検討して最大値、最小値を取る範囲の選択をする必要も無い。
ところで、一般的なMIG、MAGアーク溶接は、定電圧電源を用いており、溶接線の中心からのズレが電流に現れる。一方、TIG溶接は、定電流電源を用いており、溶接線の中心からのズレが電圧に現れる。そのため、関数をフィッティングさせる対象としては、電流と電圧との両方が好ましい。
また、溶接電流・溶接電圧は高周波ノイズを多分に含むものであり、平均化フィルタや、ローパスフィルタによる処理後の波形に、関数をフィッティングさせる事が好ましいが、関数によるフィッティングにもフィルタ効果があるため、溶接電流や溶接電圧から直接、関数をフィッティングさせてもよい。
処理(ii):処理(i)を行うのに際しては、用いる関数として、ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いるとよい。中でも、正弦波と余弦波の両方を重畳させた関数でフィッティングを行った場合、特に三角関数の合成の公式により、フィッティングの際の位相差、すなわち、溶接電流波形と溶接ロボット1位置との位相差を考える必要がなくなるといった利点が生じることとなる。
処理(iii):処理(i)を行うのに際しては、用いる関数の波形として、ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いると共に、ウィービングの周期の1/2の周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いる。
このようにウィービングの周期と同じ周期の三角関数のみならず、ウィービングの周期の1/2の周期を有する三角関数からなる関数を用いることで、1/2の周期の波形を重畳してフィッティングを行うことができ、溶接電流もしくは溶接電圧の波形を全体としてフィッティングすることが可能となり、ズレ量の検出精度を向上させることが可能となる。
処理(iv):処理(i)〜(iii)において、関数の波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータの各々を用いて、順次、または、逐次フィッティングを行うとよい。また、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを一定期間蓄えておき、蓄えられた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを用いてフィッティングを行ってもよい。
実施例1の前半部で述べるように、関数の波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、ウィービング1周期分の溶接電流もしくは溶接電圧の波形を蓄えておき、得られた波形に対して、関数の波形をフィッティングさせることが考えられるが、処理として、ウィービング2周期分、3周期分、4周期分をずらしながらフィッティングを行ってもよい。
一方で、実施例1の後半部で述べるように、制御周期毎に得られる溶接電流又は溶接電圧のデータを基に、フィッティング処理(逐次フィッティング処理)を行うようにしてもよい。ウィービング周期は、せいぜい2〜10Hzであり、すなわち、500msecから100msecごとにしか、アーク倣いの補正が掛けられないのに対して、逐次でフィッティング作業を行うと、溶接電源7の電流もしくは電圧取得の周期毎に、アーク倣いの補正がかけられることになる。すなわち、1msec〜10msec毎に倣いの補正が掛けられるようになり、アーク倣いの際に、より滑らかなロボット動作軌跡が得られる。なお、処理(iv)に関しては、実施例1で精説する。
上記した処理(i)〜処理(iv)を行ったとしても、フィッティングできない場合には、溶接線からのズレが大きすぎるなどの異常状況が発生したと判断し、異常信号を出力する。[第2実施形態]
次に、第2実施形態のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法について説明する。
第2実施形態のズレ量検出方法は、第1実施形態の処理(ii)と(iii)がウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方、あるいはウィービングの周期の1/2の周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を、フィッティング作業の関数として用いているのに対し、第2実施形態は、三角関数以外の関数(非三角関数)を用いてフィッティング作業を行うものとなっている。
このような非三角関数の関数としては、図7に例示するようなものを用いることができる。
例えば、図7の左側に示す関数は、正弦波のピークをカットしたような波形であり、図中に「Sin+両端停止」と表記されるものである。この「Sin+両端停止」の関数は、例えばある振幅の正弦波や余弦波に対して、三角関数の値が所定の値を超える場合には、超えた分をカットした波形となっている。
また、図7の中央側に示す関数は、正弦波や余弦波のピークのうち、最大側または最小側の一方だけを除いたような波形であり、図中に「Sin+片端停止」と表記されるものである。この関数も、正弦波や余弦波に対して、最大側または最小側の一方の成分をカットしたものとなっている。
さらに、図7の右側に示す関数は、三角波である。つまり、この三角波は、最大値から最小値に向かって一定の減少率で値が減少し、最小値に達してからは最大値に向かって一定の増加率で値が増加するという変化を、繰り返し行うものとなっている。このような三角波を関数として採用することも可能である。非三角関数として、矩形波を採用することも可能である。
以上述べたように、三角関数乃至は非三角関数からなる関数を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした波形を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出することにより、溶接線からのズレ量を求めることが可能である。
特に、ウィービング波形が非三角関数の波形である場合、そのウィービング波形と同周期の三角関数にフィッティングさせてズレ量を検出することは可能であるし、ウィービング波形と同様の波形であり且つ同周期の波形にフィッティングさせることにより、ズレ量を検出することも可能である。
次に、本発明の技術を適用した例として、以下の実施例1〜実施例3を挙げて説明する。
(実施例1)
実施例1は、ウィービング1周期毎に得られる溶接電流の波形に対して、正弦波を用いてフィッティング(溶接電流と正弦波とのマッチング)を行い、言い換えれば、ウィービング1周期毎に最小二乗法で処理してフィッティングを行い、溶接線からのズレ量を検出したものである。
具体的には、ウィービング1周期毎の関数y(t)は、正弦波形の振幅をp1、溶接電流の波形と正弦波形との位相差をφとすると、式(1)のように示すことができる。
つまり、n周期分のウィービングについて上述した式(1)を適用すれば、係数p1及びp2を含むn個の式が得られ、最小二乗法を用いれば振幅p1を求めることができる。
となる。
なお、式(1)では位相のズレをφとして正弦波を関数として用いたが、位相のズレφの替わりに式(2)に示すように正弦波と余弦波とを重畳した関数を用いても良い。
この式(2)の正弦波成分の振幅qs及び余弦波成分の振幅qcは、最小二乗法を用いて求めることができる。その後、三角関数の合成を用いて、式(3)より、合成振幅が求められる。
つまり、正弦波と余弦波とを重畳した三角関数を関数としてフィッティングを行うと、位相差を求めることなく溶接線からのズレのみを求めることができる。
そのため、従来の技術で溶接線からのズレを求める際に精度を大きく変えてしまうものとして問題となっていた「溶接電流波形とロボット位置との位相合わせ」を行う必要がなく、位相合わせが不十分であるためズレの精度が悪くなるといった問題も発生しないといった利点を、本技術は有することとなる。
なお、上述した式(1)〜式(3)式でウィービング1周期分の関数の振幅p1が求められたら、求められた振幅p1が0になるように制御をしてやればよい。このような制御としては、具体的には、振幅p1や、過去の振幅p1の積算にゲインを乗じたものに基づいてPI制御などを行うような制御を考えることができる。
つまり、特許文献1では、計測されたウィービング電流の左端側の最大値を「IL1」、最小値を「IL2」、右端側の最大値を「IR1」、最小値を「IR2」とすれば、左右の電流差は(IL1−IL2)−(IR1−IR2)であるが、振幅p1は、この左右電流差と、同様のものとして扱うことができる。
詳しくは、図1に模式的に示すように、下向き溶接において、溶接トーチ5の位置を溶接線からズレ量0mm、1mm、2mm、3mm、4mmと変化させつつ式(1)を適用した。式(1)を適用した結果を、図2A〜図2Eに示す。
なお、図2A〜図2Eにおける破線は、50ウィービング分(50周期分)の波形のうち、代表的なものを選択し破線にて示したものである。また、実線は、式(1)の正弦波を関数として用いてフィッティングした結果を示している。
また、図2A〜図2Eにおける50ウィービング分の溶接電流(1周期分の溶接電流)に対して、上述した左右の電流差を求め、溶接線からのズレ量の設定値ごとに整理した結果を、図3Aに示した。言い換えれば、この図3Aは、溶接線からのズレ量を従来の方法で計測した結果を示したものであり、各ズレ量において縦軸方向に広がる左右の電流差の分布幅は、従来の方法で計測される左右の電流差、言い換えれば振幅のばらつきを示している。
図3Bは、式(1)を用いてフィッティングし、関数の振幅p1を求め、同じく溶接線からズレ量の設定値ごとに整理した結果を示している。図3Bにおける縦軸方向に広がる関数の振幅p1の分布幅は、実施例1の方法で計測される振幅のばらつきを示している。
上述した従来の方法で計測された左右の電流差を示す図3Aと、実施例1の方法で計測される振幅のばらつきを示す図3Bとを比較する。例えば、ズレ量が0mmの値及び4mmの値に着目する。そうすると、実施例1の方法で算出される振幅p1の方が、従来の方法で算出される左右の電流差(従来の方法により求められる振幅)よりもばらつきの上下幅が小さくなっていることが分かり、振幅p1、つまり溶接線からのズレ量を精確に検出できていると判断される。
以上の結果から、実施例1の方法で溶接線からのズレ量を検出しつつアーク倣い溶接を行えば、大幅な倣い溶接の精度向上が得られることがわかる。また、実施例1のやり方をズレ量の検出に用いる場合には、単純に検出されるズレ量の精度を上げることが可能となる。
なお、上記した実施例1は、ウィービング波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、得られた1周期分の溶接電流もしくは溶接電圧のデータを用いて、1周期分のデータ取得毎にフィッティングを行う手法であった。
この実施例1に対して、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータに対して、その都度、その時点から過去のウィービング1周期分のデータを用いて、順次、フィッティングを行うことも可能である。
このように、データ取得が進むたびに、過去1周期分のデータを用いて、順次、p1とp2を求めることが可能である。この手法により、データ取得毎にズレ量が求められ、ウィービング1周期を待たずに、より早くズレ量を得ることが出来る。また、連続的なズレ量が得られるメリットがある。
さらに、この実施例1に対して、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータに対して、その都度フィッティング操作を行うことも可能である(逐次フィッティング)。
この逐次フィッティングの手法、言い換えれば、逐次最小二乗法は過去の影響を若干引きずるが、計算量が非常に小さくて済むといったメリットがある。
逐次フィッティングによる推定を行う場合には、式(4)を用いるとよい。
ここで、P’iがi回目の逐次計算における[p1 p2]Tの推定値である。またA(i,:)はA行列のi行目のベクトル、同様にB(i,:)はB行列のi行目のベクトルである。またλは忘却係数である。
逐次フィッティングの手法を採用しても、図2A〜図2E、図3Bと略同様の結果を得ることができる。
(実施例2)
実施例2は、図4に模式的に示すような水平すみ肉に対して、三角関数を関数として用いて最小二乗法を利用したフィッティングを行い、溶接線からのズレを検出したものである。
この実施例2の関数は、ウィービングの周期と同じ周期の正弦波形(Sin波形)と、1/2の周期の正弦波形とを、組み合わせて用いたものとなっている。
具体的には、実施例2は、ウィービング1周期毎に得られるy(t)を元にフィッティングを行って、式(5)の振幅p1およびp2、p3を求めるものである。この式(5)で示される実施例2の関数は、正弦波形の位相差は0とされているが、1/2の周期の正弦波形は位相差π/2とされている。このようにπ/2の位相差を設けているのは、1/2の周期の正弦波ピークがウィービングの端信号の位置に合致するようにするためである。
つまり、実施例2では、実施例1と同様に各ウィービング周期ごとに求められた振幅p1およびp2、p3を最小二乗法で処理すれば、フィッティング後の振幅p1を求めることができる。
図4に示すような水平すみ溶接での溶接電流にフィッティングを行っても、ズレ無しにおける関数の係数p1は完全に0にはならない。これは、重力の影響や、トーチの角度によるものであり、従来から行われてきた左右の電流差を用いた振幅計算でも同様の結果となる。このような場合は、従来手法では、オフセット電流Aを倣いのパラメータに加えたものを関数として制御を行う。つまり、左右の電流差=(IL1−IL2)−(IR1−IR2)+Aが「0」となるような制御が、上述の場合には行われている。そこで、実施例2においても、同様なオフセットパラメータを設けて倣い溶接の制御を行っている。
この方法で溶接線からのズレ量を求めたものが、図5A〜図5Dであり、求められたズレ量を従来の方法と比較したものが、図6A、図6Bである。
すなわち、図5A〜図5Dにおける破線は、50ウィービング分(50周期分)の波形のうち、代表的なものを選択し破線にて示したものである。また、実線は、式(1)の正弦波を関数として用いてフィッティングを行った結果を示している。
また、図5A〜図5Dにおける50ウィービング分の溶接電流(1周期分の溶接電流)に対して、上述した左右の電流差を求め、溶接線からのズレ量の設定値ごとに整理した結果を、図6Aに示した(従来法)。
図6Bは、式(1)に用いてフィッティングを行った関数の振幅p1を求め、同じく溶接線からズレ量の設定値ごとに整理した結果を示している。図3Bと同じく、図6Bにおける縦軸方向に広がる関数の振幅p1の分布幅は、実施例1の方法で計測される振幅のばらつきを示している。
図6A及び図6Bの結果を比較すると、ズレ量が2mmの結果を見ると、実施例2の方法で求められる振幅p1の方が、左右の電流差(従来の方法により求められる振幅)よりもバラつきの大きさが減少していることが分かる。
また、元の溶接電流の波形に対して、ウィービング周期と同周期の正弦波形と、ウィービング周期の1/2の周期の正弦波形とを関数として用い、最小二乗法で振幅などを求めてフィッティングを行えば、ほぼ元の溶接電流波形が再現できることが分かる。これを用いれば、近年行われているような、制御装置やパーソナルコンピュータに、電流波形や電圧波形を蓄積しておき、後から波形を確認したり、トレーサビリティを取るといった際の、データ蓄積メモリ低減にも応用できることは明らかである。つまり、電流波形や、電圧波形をそのままサンプリングデータとして、蓄積するのではなく、式(5)を用いて、一旦フィッティングして、p1、p2、p3として、保存すると、波形の振幅情報を失わずに、大幅にハードディスク等のメモリ量が低減でき、コスト削減が可能である。
特に、図6Bから明らかなように、バラつきの低減により、大幅な精度向上が得られている。
(実施例3)
実施例3は、関数として正弦波形や余弦波形といった三角関数ではなく、非三角関数の関数をフィッティングに用いたものである。具体的には、この実施例3のウィービング波形は、図7の左側に示す「Sin+両端停止」であり、フィッティングに用いる関数は、図7の左側に示す「Sin+両端停止」を用いたものとなっている。
図8A〜図8Cに示すように、実施例1や実施例2と同様に、溶接線からのズレ量を0mm、2mm、5mmとした場合に、元の溶接電流の波形に対して、非三角関数を関数としてフィッティングさせると、ほぼ元の溶接電流波形が再現できることが分かる。
また、図8Dから明らかなように、実施例3のフィッティングを行ったものは実施例1や実施例2と同様に、従来のやり方で求められる振幅よりもバラつきが大きく低減され、溶接線からのズレ量の算出において大きな精度向上が得られていると判断される。
以上の実施例1〜実施例3で述べたように、三角関数乃至は非三角関数からなる関数で表されるウィービング波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした波形の振幅を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出することにより、溶接線からのズレ量を正確に検出することが可能となる。
(実施例4)
実施例4では、上記した実施例(実施例1〜3)の手法を踏襲しつつ、順次、フィッティングを行う場合において、ウィービング1周期毎に、その順次フィッティングの結果の平均を取ることで、ウィービング1周期毎に単にフィッティングする場合より、更に精度をあげることができるという技術を開示する。
図10は、ウィービング1周期毎に単にフィッティングする場合を模式的に示したものである。これに比して、図11は、順次フィッティングを行いながら、ウィービング1周期毎に、その順次フィッティングの結果の平均を取る技術(実施例4の技術)を模式的に示したものである。
すなわち、実施例4の技術においては、順次フィッティングを行いながら、ウィービング1周期毎に、その順次フィッティングの結果の平均を取る計算を行う。その計算の具体的なやり方は以下の通りである。
順次フィッティングを行う際の区間が、1からnの場合には、p1(tn)は次のように求められる。
順次フィッティングを行う際の区間が、2からn+1の場合には、p1(tn+1)は次のように求められる。
このように、データ取得が進むたびに、過去1周期分のデータを用いて、窓(区間)をスライドさせながらフィッティングを行い、順次、p1(tn)、p1(tn+1)と求めておく。
時刻tnから、ウィービング1周期後の時刻をtn+n-1として、順次フィッティングの結果の平均は、
pAve = ( p1(tn) + p1(tn+1) + ・・・ + p1(tn+n-1) ) / n (7)
で求めることができる。
図12Aは、式(1)を用いてフィッティングし、関数の振幅p1を求め、溶接線からズレ量の設定値ごとに整理した結果を示している。図12Bは、式(6)を用いてフィッティングし、関数の振幅p1(tn)〜p1(tn+n-1)を求め、式(7)でその平均振幅pAveを求め、溶接線からズレ量の設定値ごとに整理した結果を示している。
図12Aと、実施例4の方法で計測される振幅のばらつきを示す図12Bとを比較する。
例えば、ズレ量が0mmの値、ズレ量が2mmの値、ズレ量が5mmの値に着目する。そうすると、実施例4の方法で算出される振幅pAveの方が、単にウィービング1周期毎にp1を計算したものより、上下幅が小さくなっていることがわかり、振幅pAve、つまり溶接線からのズレ量を精確に検出できていると判断される。ここでは順次フィッティングについて述べたが、逐次フィッティングの手法についても同様に平均を取る事が可能であることは言うまでも無い。
なお、ウィービング1周期における、順次フィッティングの回数が多いと、処理時間がその分かかってしまうことから、ウィービング1周期毎に、何回の順次フィッティングが必要かの目安を示す。
図13A〜図13Cは、ウィービング1周期毎に何回の順次フィッティングを行うかを模式的に表したものである。図13Aは、スライド窓が2個の場合、言い換えれば、区間を一回だけスライドして計算を進めた例を示している。同様に、図13Bは、スライド窓が4個の場合、言い換えれば、区間を3回スライドして計算を進めた例を示している。図13Cは、スライド窓が8個の場合、言い換えれば、区間を7回スライドして計算を進めた例を示している。
このように、ウィービング1周期毎の順次フィッティングの回数を変えて、その平均を取ることで、倣い溶接時における溶接精度は向上するようになる。その一方で、処理時間は増大する。
図14は、図13A〜図13Cの如く、順次フィッティングの回数を変化させた場合において、ウィービング1周期毎の順次フィッティングの回数と、ウィービング1周期毎の順次フィッティング結果の平均pAveの標準偏差との関係を示したものである。
図14から明らかなように、ウィービング1周期毎の順次フィッティングの回数が2〜8回程度で、pAveの標準偏差が大きく下がることが分かる。したがって、実施例4の処理(順次フィッティングの回数が8回程度まで)によって、処理時間を大幅に増やすことなく振幅のばらつきを低減することができ、つまり溶接線からのズレ量を、さらに精確に検出できていると判断される。
以上述べたように、実施例4においては、ウィービング1周期毎に、順次フィッティングの結果の平均を取ることで、より精度の高い倣い溶接を実現可能となっている。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。例えば、溶接方向に対して斜めに振るウィービングの場合でも、そのウィービング周期と同じ周期の関数とフィッティングさせることにより、同様にズレ量を検出することが可能である。
1 溶接ロボット
2 教示ペンダント
3 制御装置
4 母材
5 溶接トーチ
6 溶接ワイヤ
7 溶接電源
8 表示装置

Claims (7)

  1. 溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング動作を行いながら、溶接線に沿って溶接を行うアーク倣い溶接において、前記溶接線と実際の溶接位置とのズレ量を検出するアーク倣い溶接でのズレ量検出方法であって、
    ウィービング周期と同じ周期で周期的に繰り返す関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせ、フィッティングした波形を基に、アーク倣い溶接でのズレ量を検出するものであり、
    前記関数で表される波形として、ウィービング波形を用いる
    ことを特徴とするアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  2. 前記関数で表される波形として、前記ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項1に記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  3. 前記関数で表される波形として、前記ウィービングの周期と同じ周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いると共に、前記ウィービングの周期の1/2の周期を有する正弦波と余弦波との少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項1に記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  4. 前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、
    得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを一定期間蓄えておき、前記蓄えられた溶接電流もしくは溶接電圧のデータを用いてフィッティングを行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  5. 前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、
    得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータの各々を用いて、前記データが得られる都度に逐次フィッティングを行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  6. 前記関数で表される波形を、溶接電流もしくは溶接電圧の波形にフィッティングさせるに際しては、
    データ取得が進むたびに、得られた溶接電流もしくは溶接電圧のデータの各々の過去ウィービング1周期分を用いて、順次フィッティングを行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
  7. 前記順次フィッティングを行いながら、所定の時間毎に、前記順次フィッティングの結果の平均を取る計算を行うことを特徴とする請求項に記載のアーク倣い溶接でのズレ量検出方法。
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