JP6776031B2 - インクジェット装置およびミスト回収方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット装置におけるインクミスト回収の技術に関する。
特許文献1には、フラッシング時に発生したインク滴やインクミストを回収するためのミスト回収機構が開示されている。具体的には、プリントヘッドがフラッシング位置まで移動し、フラッシングボックスに向けてフラッシング動作を行う構成が開示されており、そのフラッシングボックスには、吸引ファンのほか集約メッシュや蛇行経路を形成する板部材などが配備されている。吐出された液滴やミストは、吸引ファンによる気流に導かれながら、フラッシングボックス内で互いに凝集したり板部材に衝突したりして液滴化が促され、最終的には重力下方の排出口から排出されるようになっている。
特開2009−291977号公報
インクミスト自体は、フラッシング動作だけでなく通常のプリント動作でも発生し、舞い上がるミストがプリント媒体へ再付着したり装置内を汚染したりすることもある。インク滴の小液滴化や吐出動作の高周波数化に伴ってこの課題はより顕著になる。
そのため、特許文献1のようなミスト吸引機構をプリントヘッドの脇に設けても、ミストを効果的に回収できない場合がある。特に直径が1μm〜5μm程度の微細なミストは、排気ファンの気流に追従しやすく、互いに凝集したり壁に衝突したりすること無く、その多くが集約メッシュや蛇行経路の間を抜けて排気ファンまで到達してしまう。結果、一度回収ボックスに収容されても、再び排気ファンからボックス外に排出され、装置内部を汚染してしまうおそれがある。
本発明は上記課題を解消するためになされたものである。その目的とするところは、インクジェット装置において発生する微細なインクミストを従来以上に効率的に回収することである。
そのために本発明は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドの吐出動作に伴って発生するインクミストを回収する回収機構と、を備えたインクジェット装置であって、前記回収機構は、前記インクミストを含む気体が導入される導入口と、気体を排出する排出口と、前記導入口から導入され前記排出口から排出される気体が流れる流路と、前記流路に、前記インクミストに結合させるための霧粒子を供給する霧供給手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、インクミストの粒子を霧粒子と結合させてその慣性力を増大させることにより、効率的にインクミストを回収することが可能となる。
本発明に適用可能なインクジェットプリント装置のプリント部の構成図 ミスト回収機構の外観斜視図 ミスト回収機構の内部構造を説明するための断面図 ミスト回収機構の側断面図 霧粒子との結合によってインクミストの粒子径が増加する割合を示す図 狭窄経路の別形状を示す図 ベンチュリー型スプレー機構を内蔵させた形態を示す図 実施例5におけるミスト回収機構の内部構造を説明するための断面図 実施例6におけるミスト回収機構の内部構造を説明するための断面図 霧供給機構の別形態を示す図 エア供給機能を更に備えたミスト回収機構を示す図
(実施例1)
図1は、実施形態にかかるインクジェット方式のプリント装置のプリント部の構成図である。なお、本発明はプリント装置に限らず、プリント以外の目的でインクジェットヘッドを用いるインクジェット装置に広く適用することが可能である。以下に説明する例はライン型のインクジェットプリント装置である。インクジェット方式のプリントヘッド(以下、単にプリントヘッドと言う)1K、1C、1M、1Yは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクをそれぞれ吐出する。プリントヘッド1の夫々には画像データに従ってインクをz方向に吐出するノズルが図のx方向に、シート幅に対応する距離だけ、複数配列されている。プリント媒体となるシートSは所定の速度で+y方向に搬送され、この搬送の最中、それぞれのプリントヘッド1より画像データに従ってインクが吐出される。これにより、シートS上には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順にインクが付与され、所定のカラー画像が形成される。
それぞれのプリントヘッド1の+y方向側には、吐出動作に伴って発生したインクミストを回収するためのミスト回収機構3が配備されている。プリントヘッド1には不図示のインクチューブが接続され、別の位置に固定されたインクタンクからインクが供給されるようになっている。但し、個々のプリントヘッド1に対し、対応するインクを貯蔵するインクタンクが装着可能な構成であってもよい。
なお、本実施形態で用いるようなライン型のプリントヘッドにおいては、シート幅に対応するような多数のノズルがx方向に配列するが、これらは必ずしも1列に配列していなくても良い。1ノズルずつ±y方向に交互にずれながらx方向に2列に配列しても良いし、3列以上で配列しても良い。さらに、所定数のノズルが配列して形成されるノズル基板を、ノズルがx方向に連続するように配列させた構成としてもよい。
インクを吐出させるための方式としては、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等、様々な方式を採用することができる。無論、図1で示したプリントヘッドの数やインク色の数は4つに限定されるものでなく、更に多い数であっても少ない数であってもよい。
図2は、ミスト回収機構3の外観斜視図である。ミスト回収機構3の外形は、図のようにほぼ直方体であり、x方向にはプリントヘッド1のプリント幅とほぼ同等の大きさwを有している。+z方向の底面にはノズル並び方向(x方向)に延在する導入口4が配備されており、プリントヘッド1とシートS表面の間を浮遊するミストをミスト回収機構3内に回収する。
排出ユニット6はファンやポンプのようなエア吸引機構である。排出ユニット6を駆動することにより、ミスト回収機構3内のエアは排出口5を介して排出ユニット6から排出される。すなわち、排出ユニット6はミスト回収機構3内における気流生成ユニットとなる。このような排出ユニット6と排出口5の組みは、ミスト回収機構3の天井面(+z方向の面)の±x方向の両端に配備されている。
一方、ミスト回収機構3の±y方向の両側面において、重力方向下方側(+z方向側)には、液滴化し廃液となったインクを回収するための廃液ドレイン10が配備されている。廃液ドレイン10には廃液タンク101が接続されており、収容した廃液は廃液タンク101内で貯留される。更に、ミスト回収機構3のx方向における中央付近の側面には霧供給口11が配備され、霧発生装置102において色材を含まない液体(水を主体とする液体、たとえばグリセリン水溶液)から生成された霧をミスト回収機構3の内部に供給する。なお、霧供給口11を設ける位置はこの限りでなく、霧がミスト回収機構3の空間内に効率的に拡散する位置であればよい。また、霧発生装置102における霧の生成方法は特に制限されるものではない。一般的に普及している霧発生方法、例えば、超音波方式、ベンチュリー方式、インクジェット方式、加圧スプレー方式などを採用することができる。
図3(a)〜(c)は、本実施例におけるミスト回収機構3の内部構造を説明するための断面図である。図3(a)は+y方向側から見た場合の透視図、図3(b)は−z方向から見た場合の透視図、図3(c)は同図(a)の断面図である。ミスト回収機構3の内部は、主に、導入口4から回収したインクミストを最初に収容するミスト収容室20と、霧供給口11より入ってきた霧粒子を収容する霧室30と、霧粒子やインクミストのような液体粒子を気流から分離する気液分離室40とに分室されている。
排出ユニット6を駆動すると、その吸引力(負圧力)は、気液分離室40およびミスト収容室20を介してミスト回収機構3の外部まで及び、これらを連結する気流の流れを形成する。このため、ミスト回収機構3の下方近傍に浮遊するミストは、この気流に乗って導入口4からミスト収容室20内部に収容される。
一方、排出ユニット6による吸引力は、スリット8を介して霧室30にも及ぶ。よって、霧供給口11より霧室30に供給された霧粒子も、スリット8を通過して気液分離室40に向う。
図4(a)および(b)は、ミスト回収機構3の側断面図である。ミスト収容室20と気液分離室40とを隔てる壁90には、これら2つの部屋を連通する複数の狭窄経路9がx方向に配列している。狭窄経路9の開口面積は導入口4に比べて十分に小さいため、ミスト収容室20から狭窄経路9を通過して気液分離室40へ向かう際の流速は、外部からミスト収容室20へ流入する際の流速に比べて大きくなる。より詳しく説明すると、狭窄経路9を通過して気液分離室40へ向かう際の流速は個々の狭窄経路9の最小開口断面積の和Sが小さいほど大きくなる。
以上の構成のもと、導入口4より吸引導入されたインクミストと霧室30よりスリット8を経て進入した霧粒子は、ミスト収容室20で混合される。この際、スリット8は狭窄経路となっているため、ここを抜ける霧粒子の速度や慣性力はインクミストに比べて大きくなる。よって、気流はスリット8から狭窄経路9に向かうが、霧粒子はz方向への進行量が大きく、導入口4から流入されてきたミストと衝突しやすくなる。このように、ミスト収容室20では、インクミストの粒子と霧粒子とが互いに混在し衝突したり結合したりしながら、気流に従って狭窄経路9に進行する環境が形成されている。さらに、既に説明したように、狭窄経路9を通過する際に気流は加速される。結果、霧粒子と結合し狭窄経路9にて加速されたインクミストの−y方向へ向かおうとする慣性力は十分大きくなり、重力に逆らって−z方向に向かう気流の中でも−y方向への成分は保持され、気液分離壁7に衝突し、廃液として捕集される。さらにその後、衝突した液体が重力に従って下方(z方向)に垂れ下がり、廃液ドレイン10を介して廃液タンク101に収容される。一方、液体が分離された気体は排出口5から排出される。
なお、本実施例において、気液分離壁7の材質は特に限定されるものではない。吸収性のあるメッシュ状部材やスポンジ状部材であれば、液滴は衝突した位置で吸収される。また、静電気を生じる部材を配備すれば、インク滴を静電気で保持することもできる。
以上説明した本実施例によれば、霧粒子を生成しミスト収容室20の中に放出することにより、インクミストの粒子を霧粒子と結合させて、その慣性力を増大させることができる。結果、気液分離室40に導かれた液滴は進行方向と異なる方向に向かう気流の中でも、自身の進行方向を維持し、気液分離室40内で効率的に捕集することが可能となる。
以下、液滴の慣性力を高めるために、ミストと霧粒子を効果的に凝集させるための条件について説明する。まず、好適な霧粒子の大きさについて説明する。
図5は、霧粒子と結合することによってインクミストの粒子径が増加する割合を示す図である。横軸は霧粒子の直径(μm)を、縦軸は、平均的な大きさ(直径3μm)のインクミストが、各大きさの霧粒子と結合した場合の粒子径の増加率(%)を示している。図において、実線は計算値(関数値)、破線は霧粒子径を増大させた場合の漸近線を示している。図において、霧粒子径が3μm以上の領域ではインクミストの粒子径増加率は漸近線とほぼ一致している。一方、3μm以下の領域では、インク粒子径の増加率が小さく、霧粒子との結合によって慣性力を増大する効果が小さい。
すなわち、平均直径が3μmのインクミストに十分な慣性力を持たせるためには、その径が3μm以上の霧粒子を結合させることが好ましい。但し、霧発生装置102で霧を発生してから、ミスト収容室20でミストと迎合するまでの間に、霧粒子の揮発成分が気化することによって粒子径が小さくなってしまうことも考えられる。よって、霧発生装置102では、発生する霧の揮発成分や揮発率なども考慮に入れて、ミスト収容室20でミストと迎合する時点で3μm以上の大きさが確保される霧粒子を発生することが好ましい。一方で、結合後の粒子径があまり大きくなってしまうと、当該粒子が狭窄経路9を通過できず経路を塞いでしまうおそれも生じる。よって、本実施例では、結合後の粒子径の上限値をおおむね100μmとし、100μm以下の霧粒子を生成するようにする。
次に、ミスト収容室20の大きさについて考える。導入口から流入したミスト粒子が霧粒子と衝突するまでの移動距離Fは、ミスト収容室20におけるミスト粒子の平均自由工程と考えることができる。ここで、霧粒子の濃度をC、粒子径をDとしたとき、平均自由工程Fは以下の式で表すことができる。
本実施例の構成において、インクミストと霧粒子とが互いに結合可能に混在するy方向の距離Eは、スリット8の位置と気液分離壁7のy方向の距離に相当する。よって、この距離Eが上記平均移動距離Fよりも大きければ、インクミストが気液分離壁7に到達する前に、霧粒子と結合させてその慣性力を高めることができる。すなわち、本実施例において、距離Eは下記式を満足することが望まれる。
次に、狭窄流路9の開口面積について考える。狭窄流路9を通過する際の気流の流速Vは、個々の狭窄流路の最小開口面積の和Sに反比例し、排出口5から排出される気流の流速Tに比例し、以下の式で表すことができる。
ここで、霧粒子の重量密度をρ、径をD、気流の流速をV、狭窄流路の終端部13と気液分離壁7の距離をLとすると、インクミストの気流への追従性を示すストークス数Stは、以下の式で表すことができる。
一般に、ストークス数Stが1よりも大きい値である場合、気流に含まれる粒子は、気流の偏向に追従せず、その進行方向を維持する。つまり、本実施例のように、液粒子を気液分離壁7に衝突させるためには、その進行方向を維持するように、St>1を満足する必要がある。すなわち、狭窄流路9の終端部13と気液分離壁7の距離Lは下式を満足する必要がある。
ところで、インクミスト粒子が比較的小さく、インク回収機構3がストークス数St>1を満たす構成であれば、本実施例のような霧発生装置102を設けなくても、インクミスト粒子は気液分離壁7に衝突し、気流とインクミストを分離することはできる。例えば、インクジェットプリント装置で発生するインクミスト粒子の径が1μm程度であるとき、(式5)さえ満たされれば、1μm程度のインクミスト粒子は気流とともに排気口5から排出されることは無い。このような条件は、式5の粒子径D=1μmとすることにより、式6で表すことができる。
但し、(式6)を満たす状態は、終端部13と気液分離壁7の距離Lが非常に小さい値となったり、流速Tが非常に大きい値になったりするため、実用的ではない。すなわち、本実施例においては、上記(式5)が満たされる範囲で、且つ上記(式6)が満たされないような範囲、すなわち下記(式7)で示す範囲が、霧発生装置102を設ける本実施例の効果を発揮できる実用的な範囲と言える。
以下、有限体積法によるコンピュータシミュレーションを用い、霧発生装置を設けた場合の実施例と、実施例1から霧発生装置を除去した比較例1の、ミスト回収機構における気液分離効果について説明する。なお、いずれの実施例においても、グリセリン水溶液を材料として発生させた霧を想定している。
表1に、本実施例(実施例1)と比較例1における、数値条件とミスト回収機構での気液分離効果を示す。
実施例1は比較例に比べて、多くのインクミストが気液分離壁7に衝突し、気液分離室40で捕集することができた。そして、排出口5においては、インクミストや霧粒子のような液体は殆ど排出されなかった。すなわち、本実施例によれば、霧発生装置を設けることにより、ミスト収容室に収容されたインクミストと霧粒子を効果的に結合させ、その慣性力を高め、液体成分を効率的に捕集することが可能となる。
なお、以上では、図4(a)および(b)を用い、複数の狭窄経路9がx方向に配列する構成で説明したが、所望の流速Vを得ることが出来れば、狭窄経路9の形状は特に限定されるものではない。
図6(a)および(b)は、狭窄経路9の別形状を示す図である。本実施例では、これら図に示すようにx方向に延在するスリット状の狭窄経路9を用いることも出来る。この場合であっても、狭窄流路の開口面積Sが、図4(a)および(b)で示した複数の狭窄流路の開口面積の和Sと同等であれば、気液分離室40に流入する際の流速Vも同等になり、上記と同等の効果を得ることが出来る。
また、霧を発生したり供給したりするシステムも図3(a)〜(c)で示したように、ミスト回収機構の外部に設ける必要は無い。所望の大きさの霧粒子を所望の数だけミスト収容室20に供給することができれば、他の方法を採用することもできる。
図7(a)〜(c)は、霧供給方法の別例として、ミスト回収機構3にベンチュリー型スプレー機構15を内蔵させた形態を示す図である。霧室30の内部に霧材料となるグリセリン水溶液を供給する供給口12と、エア供給機構14を配備し、ベンチュリー型スプレー機構15がこれらを用いて所定の霧粒子を生成し霧室30に供給する。ここでは、霧発生機構としてベンチュリー型スプレー機構を挙げたが、超音波を用いるなど他の方式を採用することもできる。いずれの方式を採用するにせよ、所定の大きさの霧粒子を所定の数だけスリット8からミスト収容室に供給することができれば、上記実施例と同等の効果を得ることが出来る。
(実施例2)
インクジェットプリント装置においては、使用状況によって、排出口5からの排出流量があまり大きいと問題が発生する場合がある。このため、実施例2では、実施例1に対し、排出口5から排出される空気の流速Tを半減させる。表2に、実施例1、2と比較例1における、数値条件とミスト回収機構での気液分離効果を示す。
実施例2では、実施例1に対し、排出口5における流量TをT=0.5L/秒に半減させている。このため、実施例2は上記(式5)を満たさなくなっており、その効果は実施例1よりも劣る。しかしながら、霧発生機構を備えていない比較例1に比べると、より多くのインクミストを気液分離壁7に衝突させ、気液分離室40で捕集することができた。すなわち、実施例2においても、霧発生機構を設けることにより、ミスト収容室20に収容されたインクミストと霧を結合させ、その慣性力を高め、液体成分を効率的に捕集することが可能となる。
(実施例3)
インクジェットプリント装置においては、使用状況によって、廃液ドレイン10からの廃液量をなるべく減らしたい場合がある。このため、実施例3では、実施例1に対し、霧粒子の濃度Cを下げて全液体量を低減する。表3に、実施例1、3と比較例1における、数値条件とミスト回収機構での気液分離効果を示す。
実施例3では、実施例1に対し、霧粒子の濃度CをC=20万個/cm3に減らしている。このため、実施例3は上記(式2)を満たさなくなっており、気液分離効果は実施例1よりも劣ってしまう。しかしながら、霧発生機構を備えていない比較例1に比べると、より多くのインクミストを気液分離壁7に衝突させ、気液分離室40で捕集することができる。すなわち、実施例3においても、霧発生機構を設けることにより、ミスト収容室に収容されたインクミストと霧を結合させ、その慣性力を高め、液体成分を効率的に捕集することが可能となる。
(実施例4)
実施例4では、排出口における流速Tを実施例2と同程度に下げつつ、霧粒子の濃度Cを実施例3と同程度に下げて全液体量を低減する。表4に、実施例1、4と比較例1における、数値条件とミスト回収機構での気液分離効果を示す。
実施例4では、実施例1に対し、排出口における流量TをT=0.5L/秒に半減させ、更に霧粒子の濃度CをC=20万個/cm3に減らしている。このため、実施例4は上記(式5)と(式2)を満たさなくなっており、気液分離効果は実施例1に比べて実施例2や3よりも更に劣ってしまう。しかしながら、霧発生機構を備えていない比較例1に比べると、より多くのインクミストを気液分離壁7に衝突させ、気液分離室40で捕集することができる。すなわち、実施例4においても、霧発生機構を設けることにより、ミスト収容室に収容されたインクミストと霧を結合させ、その慣性力を高め、液体成分を効率的に捕集することが可能となる。
(実施例5)
図8(a)〜(c)は、本実施例で用いるミスト回収機構3の内部構造を説明するための断面図である。上記実施例で説明した図3(a)〜(c)と異なる点は、ミスト収容室20と気液分離室40とを隔てる壁90や、これら2つの部屋を連通する複数の狭窄経路9が存在しないことである。狭窄経路9が存在しないため、上記実施例のように、気液分離壁7に向かう気流の流速Vを大きく増加させることはないが、霧発生機構を設けているため、上記実施例と同様に、インクミストの慣性力を増大させることはできる。その一方で、本実施例の構成であれば、排出口5に接続された排出ユニット6で生成された負圧の圧力損失を抑えることができる。すなわち、本実施例は、排出ユニット6の出力をなるべく低減したい場合に有効である。
このような本実施例では、排出口5や排出ユニット6においても簡便なフィルターを設けておくことが好ましい。このようにすれば、インクミストを用意に捕集できるとともに、インクミスト回収機構3の内部や排出手段6におけるインクミストの固着を抑制することができる。
(実施例6)
図9(a)〜(c)は、本実施例で用いるミスト回収機構3の内部構造を説明するための断面図である。上記実施例で説明した図3(a)〜(c)と異なる点は、霧粒子を収容ための霧室30を設けず、溶液導入路12から供給されたグリセリン溶液を用い、狭窄流路9の途中に配置された霧生成口21から霧粒子を発生させることである。
このような構成のもと、霧生成口21に到達したグリセリン溶液は、−y方向に向かう気流に促されて霧粒子となり、気液分離室40に向かう。一方、吸入口4から吸入されたインクミストも同じ気流に導かれて狭窄流路9に進入する。そして、霧生成口21から気液分離壁7に向かう途中でインクミストと霧粒子は結合し、その質量および慣性力が増大する。結果、−z方向に上昇する気流の中でも、液粒子の−y方向への進行は維持され液粒子は気液分離壁に衝突しやすくなる。
表5に、実施例6と実施例6と同型のミスト回収機構で溶液導入路12や霧生成口21のような霧供給機構を除去した比較例2における、数値条件とミスト回収機構での気液分離効果を示す。
実施例6は比較例2に比べて、多くのインクミストが気液分離壁7に衝突し、気液分離室40で捕集することができた。そして、排出口5においては、インクミストや霧粒子は殆ど排出されなかった。すなわち、本実施例によれば、溶液導入路12や霧生成口21のような霧供給機構を設けることにより、導入口に収容されたインクミストと霧を結合させ、その慣性力を高め、液体成分を効率的に捕集することが可能となる。
なお、狭窄流路9の途中に配置された霧生成口21から霧粒子を生成するための構成は、図9(a)〜(c)に示す形態に限定されるものではない。例えば図10のように、霧生成口21よりも下方に、気液分離室40で気体と分離された液体を貯留するための廃液溜まり16を配備しても良い。この場合、溶液導入路12は一度廃液となった液体を霧生成口21まで導き、霧生成口21はその液体から霧を生成する。すなわち、本実施例によれば、廃液溜まり16に、最初ある程度の溶液を貯留しておけば、当該液体を何度も再利用することができる。
更に、上記すべての実施例に共通する変形例として、浮遊するインクミストをミスト回収機構3の導入口4へ導くための機能を用意することもできる。図11(a)〜(c)は、インクミストを導入口4へ導くためのエア供給機能を更に備えたミスト回収機構3を示す図である。
ミスト回収機構3の+y方向端部にはz方向に貫通する中空のエア流路19が形成されている。エア流路19の上端部に位置するエア供給口17はポンプユニットなどに接続されており、エア流路19内には、エア供給口17より流入しエア噴出し口18から+z方向に流出するようなエアの流れが生じる。
一般にプリントヘッド1の吐出動作に伴って発生するインクミストは、シートSの搬送とともに+y方向に移動する傾向がある。ただし、図1に示すように個々のプリントヘッド1の下流の隣接する位置にミスト回収機構3を配備しておけば、エア噴出し口18から噴出されるエアが、ミストの+y方向への進行を抑え、これらミストをより積極的に導入口4に導くことができるようになる。
なお、以上では、図1を参照しライン型のインクジェットプリント装置を例に説明してきたが、本発明はシリアル型のインクジェットプリント装置にも適用することができる。シリアル型のインクジェットプリント装置の場合は、プリントヘッドが移動する方向にインクミストが舞い上がる傾向があるので、プリントヘッドの移動方向に対し、プリントヘッドと隣接する位置にミスト回収機構を配置することが好ましい。
S シート
1 インクジェットプリントヘッド
3 ミスト回収機構
4 導入口
5 排出口
8 スリット
11 霧供給口

Claims (14)

  1. インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドの吐出動作に伴って発生するインクミストを回収する回収機構と、を備えたインクジェット装置であって、
    前記回収機構は、
    前記インクミストを含む気体が導入される導入口と、
    気体を排出する排出口と、
    前記導入口から導入され前記排出口から排出される気体が流れる流路と、
    前記流路に、前記インクミストに結合させるための霧粒子を供給する霧供給手段と
    を有することを特徴とするインクジェット装置。
  2. 前記霧供給手段から供給される霧粒子の径は前記インクミストの粒子の平均直径よりも大きく、100μm以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット装置。
  3. 前記回収機構は気液分離壁を有し、
    液粒子が前記気液分離壁に衝突する方向に移動し、前記気液分離壁に衝突した前記液粒子と分離された気流は前記液粒子が前記気液分離壁に衝突する方向と交差する方向にある前記排出口に向かい、前記排出口から気体が排出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット装置。
  4. 前記回収機構は、
    前記流路において、前記霧供給手段によって霧粒子が供給される位置と前記気液分離壁の間に狭窄経路を有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット装置。
  5. 前記流路において、前記狭窄経路と前記気液分離壁の距離をL、前記霧粒子の径をD、前記霧粒子の重量密度をρ、前記狭窄経路の断面積の和をS、前記排出口における気流の流速をTとしたとき、
    3×(T/S)×ρ×10-9<L<3×(T/S)×ρ×D2×103が満足されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット装置。
  6. 前記霧粒子の径をD、前記霧供給手段によって霧粒子が供給される位置と前記気液分離壁の間における前記流路の前記霧粒子の濃度をC、前記霧供給手段によって前記霧粒子が供給される位置と前記気液分離壁の距離をE、としたとき
    E>0.9/(C×D2
    が満足されることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  7. 前記回収機構は、前記ヘッドに隣接して配置されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  8. 複数の前記回収機構と、複数の前記ヘッドを有し、
    前記複数の前記回収機構は、複数の前記ヘッドのそれぞれに隣接して配置されることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット装置。
  9. 前記ヘッドは、搬送手段によって搬送されている記録媒体に対してインクを吐出することによって前記記録媒体に画像の記録を行い、
    前記回収機構は、前記ヘッドに対して前記搬送手段による前記記録媒体の搬送方向下流側に配置されることを特徴とする請求項7または8に記載のインクジェット装置
  10. 前記ヘッドは、前記ヘッドを走査させる走査手段によって記録媒体上を走査しながら前記記録媒体にインクを吐出することによって前記記録媒体に画像の記録を行い、
    前記回収機構は、前記ヘッドに対して、前記ヘッドの走査方向に隣接して配置されることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット装置
  11. 前記霧供給手段は、色材を含まず且つ水を主体とする液体から霧粒子を生成して前記流路に供給することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  12. 前記回収機構は、
    エアを供給する供給手段と、
    前記導入口と隣接し、前記供給手段が供給したエアを前記ヘッドのインクを吐出する方向に噴き出す噴出し口と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  13. インクを吐出するヘッドから発生するインクミストを回収する方法であって、
    色材を含まず且つ水を主体とする液体から霧粒子を生成して空間に供給し、
    前記ヘッドから発生したインクミストを含む気体を前記空間に導入
    前記空間において、導入された前記インクミストの粒子と前記霧粒子を結合させ、
    前記結合させた粒子を気体の流れから分離して液体として捕集することを特徴とするミスト回収方法。
  14. 供給される霧粒子の径は前記インクミストの粒子の平均直径以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット装置。
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