JP6775899B2 - 摺動部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも2つの部材からなる摺動部材を成形金型内で組み立てる工程を備える製造方法に関する。
プッシュスイッチなど、ケースとスライダとからなる摺動部材を有する部品は、摺動部材を構成する2つの部材の寸法誤差を少なくすることが摺動性能を適切に確保する観点から重要である。
この点に関し、特許文献1には、当接傾斜面を有するスライダが規制傾斜面を有する筒状ケースに往復動可能に支持されて押圧操作時に往動するとともに、前記スライダの復動時に前記当接傾斜面が前記規制傾斜面に対して当接することにより、該スライダが非操作位置へ自動復帰するようにしたプッシュスイッチの製造方法であって、第1のキャビティ内に第1樹脂を射出して冷却固化させることによって、互いの間隔を復動方向に沿って増大させて対をなす前記規制傾斜面を含む規制部が形成された前記筒状ケースを成形した後、前記筒状ケースを金型の一部となす第2のキャビティ内に、前記第1樹脂よりも熱収縮率が大きく溶融温度が低い第2樹脂を射出して冷却固化させることによって、前記規制部の相補形状の僅かに小なる相似形として前記当接部が形成された前記スライダを成形することを特徴とするプッシュスイッチの製造方法の発明が開示されている。
かかるプッシュスイッチの製造方法では、第1樹脂からなる筒状ケースを成形した後、この筒状ケースを金型の一部となすキャビティ内に第1樹脂よりも熱収縮率が大きく溶融温度が低い第2樹脂を射出して冷却固化させるという2色成形技術によってスライダを成形すれば、スライダの当接部の形状を筒状ケースの規制部の相補形状の僅かに小なる相似形として高精度に形成することができる。そのため、これら筒状ケースとスライダを組み合わせてなるプッシュスイッチは、非操作時における規制傾斜面と当接傾斜面の係合箇所がばらつかなくなり、成形寸法の誤差に起因するスライダの位置ずれやガタを効果的に抑制できるとされている。
特開平2010−009877号公報
しかしながら、特許文献1に記載される製造方法では、熱収縮率の大きく異なる材料によりケース(筒状ケース)およびスライダを成形するため、これらの2つの部材が独立した部材(別体)として製造される。それゆえ、これらの部材を金型から取り出したのち、あらためて2つの部材を組み立てて摺動部材とする必要がある。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、2色成形技術を用いて少なくとも2つの部材からなる摺動部材を製造する方法において、これらの部材の組み立てを金型内で行う工程を含む摺動部材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、中空部を有するケースと前記中空部内にその一部が位置するスライダとを備える摺動部材の製造方法であって、前記摺動部材は、前記ケースの中空部を囲む壁部の内面と、前記スライダの前記中空部内に位置する部分の外面とが、対向配置されて第1方向に摺動可能であって、前記ケースの前記壁部には、前記第1方向とは異なる第2方向に貫通する貫通部が設けられ、前記スライダの外面における前記貫通部に対向する部分には、前記貫通部の内部へと突出する突出部が設けられ、前記突出部の形状および前記貫通部の形状は、前記スライダの前記ケースに対する前記第1方向への摺動が前記突出部の前記ケースへの接触によって規制されるように形成され、前記製造方法は、入れ子を有する金型の第1キャビティ内に第1樹脂系材料を射出して冷却固化させて、前記ケースを前記金型内に形成するケース成形工程と、前記ケース成形工程により形成された前記ケースが前記金型内に存在している状態で、前記ケースの前記壁部の内面を含んで画成される第2キャビティ内に、前記第1樹脂系材料よりも熱膨張率が大きい第2樹脂系材料を射出して冷却固化させて、前記ケースとは別体の前記スライダを形成するスライダ成形工程と、を備え、前記入れ子は、前記第2方向に対応する方向に進退可能であって、前記入れ子の前進側に位置する第1入れ子面に前記突出部に対応する凹部を有し、前記ケース成形工程では、前記入れ子を前進させて前記第1入れ子面が前記第1キャビティ内に露出しない状態で前記第1樹脂系材料を射出して前記貫通部を形成し、前記スライダ成形工程では、前記第1入れ子面が前記第2キャビティ内に露出した状態で前記第2樹脂系材料を射出して、前記第2樹脂系材料を前記突出部内に充填し、前記スライダ成形工程の終了後、前記入れ子を後退させて、前記スライダが前記ケースに嵌め込まれた前記摺動部材を前記金型内に形成することを特徴とする摺動部材の製造方法である。
上記のように、摺動部材は、ケース側の摺動面(内面)を構成する部材(壁部)に設けられた貫通部内に位置するようにスライダ側の摺動面(外面)を構成する部材に突出部が設けられた構造を有し、その製造方法では、貫通部および突出部が共通の入れ子の転写形状として形成される。このため、入れ子が前進した状態で第1樹脂系材料によりケースを成形し、続いて第2樹脂系材料によりスライダを成形した後、入れ子を後退させることによって、ケースとスライダとの組み立てを金型内で完了させることができる。それゆえ、上記の製造方法によれば、摺動部材を効率的に製造することが可能である。また、貫通部内の突出部がケースに接触すればさらなる摺動が規制されるため、摺動部材を構成するケースおよびスライダの一方のみを持った場合であっても、他方の脱落は生じない。したがって、上記の製造方法により製造された摺動部材は、摺動部材を金型から取り出す作業が容易であり、その際にケースとスライダとが分離する不具合が生じにくい。
上記の摺動部材は、前記貫通部および前記突出部の組み合わせを複数備えることが好ましい。上記の摺動部材がこの組み合わせを複数備えることにより、摺動部材を金型から取り出す際に、摺動部材を構成するケースとスライダとが分離する不具合がより生じにくくなる。
上記の摺動部材において、前記貫通部は、前記突出部に対応した形状に貫通領域が拡大した受容部を有し、前記突出部における前記受容部の内部に位置する部分が前記ケースに接触することにより前記第1方向の摺動が規制されてもよい。第1方向の摺動が規制された状態では突出部の一部が受容部の内部に収まっているため、ケースとスライダとの相対位置のずれが生じにくくなる。したがって、摺動部材の動作において、突出部がケースに接触したことによって摺動が完了して動作停止である場合には、動作停止している摺動部材にガタが生じにくくなる。
本発明の製造方法では、2色成形技術を用いて少なくとも2つの部材からなる摺動部材を製造する際に、入れ子の外周形状を転写することにより貫通部を形成し、その入れ子の前進側の面(第1入れ子面)に設けられた凹部の形状を転写することにより突出部を形成する。したがって、入れ子を後退させることによって貫通部内に突出部が嵌め込まれた構造が得られ、ケースとスライダとの組み立てが完了する。このように、摺動部材を構成する部材の組み立てを金型内で行うため、摺動部材を効率的に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る摺動部材を説明するための外観図である。 (a)図1に示される摺動部材を構成するケースを示す外観図、および(b)図1に示される摺動部材を構成するスライダを示す外観図である。 (a)ケース成形工程を行う際の金型の構造を概念的に示す断面図、(b)入れ子の構造を説明するための部分外観図、および(c)ケース成形工程において第1樹脂系材料がキャビティ内に射出された状態を概念的に示す断面図である。 (a)ケース成形工程が終了した状態を概念的に示す断面図、(b)スライダ成形工程を行う際の金型の構造を概念的に示す断面図、および(c)スライダ成形工程において第2樹脂系材料がキャビティ内に射出された状態を概念的に示す断面図である。 (a)スライダ成形工程において第2樹脂系材料の冷却固化が終了した状態を概念的に示す断面図、(b)スライダ成形工程の終了後に入れ子を後退させた状態を概念的に示す断面図、および(c)金型から取り出された摺動部材の概略断面図である。
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る摺動部材を説明するための外観図である。図2(a)は、図1に示される摺動部材を構成するケースを示す外観図であり、図2(b)は、図1に示される摺動部材を構成するスライダを個別に示す外観図である。
図1および図2に示されるように、摺動部材100は、ケース10およびスライダ20から構成される。ケース10は、ほぼ矩形状の枠体がZ1−Z2方向に延びる筒型の形状を有するケース本体部(壁部)14と、ケース本体部(壁部)14のZ1−Z2方向Z2側端部に位置してX−Y面内方向に突出するケースフランジ部13とを備える。ケース10は、Z1−Z2方向に貫通する中空部10Hを有する。中空部10Hを囲むケース本体部(壁部)14の内面(X−Z面およびY−Z面)10Sがスライダ20との摺動面であり、中空部10Hの貫通方向であるZ1−Z2方向が摺動方向(第1方向)である。
ケース10のケース本体部(壁部)14の一部、具体的にはY−Z面の一部には、第1方向(Z1−Z2方向)とは異なる方向、具体的にはX1−X2方向(第2方向)に貫通部11が設けられている。図1および図2の視野には2つの貫通部11がY1−Y2方向に並んで位置し、それぞれの貫通部11についてX1−X2方向に対向するように、ケース10はさらに2つの貫通部11を有する。それぞれの貫通部11は、Z1−Z2方向Z2側の縁部において、後述する突出部21の形状に対応した形状にケース本体部(壁部)14が切り欠かれて貫通領域が拡大した部分からなる受容部12を有する。
スライダ20は、ほぼ矩形状の枠体がZ1−Z2方向に延びる筒型の形状を有するスライダ本体部24と、スライダ本体部24のZ1−Z2方向Z2側端部に位置してX−Y面内方向に突出するスライダフランジ部23とを備える。スライダ20の一部であるスライダ本体部24は、ケース10の中空部10Hの内部に位置し、スライダフランジ部23は、ケース10の中空部10Hの外部に位置する。摺動部材100をZ1−Z2方向Z2側を下にして置いた場合には、スライダフランジ部23のZ1−Z2方向Z2側の面がケースフランジ部13のZ1−Z2方向Z1側の面10Aに接触して、スライダ20はケース10に対して係止される。
スライダ本体部24の外面(X−Z面およびY−Z面)20Sは、ケース10の中空部10Hの内部でケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sに対向するように配置され、ケース10との摺動面となる。スライダ20のスライダ本体部24の外面20Sにおけるケース10の貫通部11に対向する部分には、貫通部11の内部へと、具体的にはX1−X2方向(第2方向)へと突出する突出部21が設けられている。ケース10は上記のように4つの貫通部11を有するため、これらに対応して、スライダ20は突出部21を4つ有する。
突出部21はZ1−Z2方向Z2側に凸部を有し、この凸部に対応して、受容部12はX1−X2方向から見たときの形状がほぼ三角形とされている。スライダ20をケース10に対して第1方向(Z1−Z2方向)Z2側に摺動させたときに、突出部21の一部が貫通部11の受容部12の内部に収まり、この突出部21の一部においてケース10のケース本体部(壁部)14に接触してさらなる摺動が規制されるように、突出部21の形状および貫通部11の形状は形成されている。
このように、摺動部材100では、Z1−Z2方向(第1方向)Z1側への摺動は、スライダフランジ部23がケースフランジ部13に対して係止することによって制限され、Z1−Z2方向(第1方向)Z2側への摺動は、ケース10のケース本体部(壁部)14に対して突出部21が係止することによって制限される。したがって、摺動部材100は、過度な負荷を加えない限りケース10とスライダ20とが分離しない構造となっている。
ケース10とスライダ20とが分離している場合にこのような構造を有する摺動部材100を組み立てるには、次のような作業が行われる。まず、Z1−Z2方向(第1方向)Z1側にケース10が位置し、Z1−Z2方向(第1方向)Z2側にスライダ20が位置するように、ケース10およびスライダ20を配置し、ケース10の中空部10HのZ1−Z2方向(第1方向)Z2側の開口からスライダ20をZ1−Z2方向(第1方向)Z1側に挿入する。この挿入の途中で突出部21がケース10に当接したら、スライダ本体部24をX1−X2方向に押し込んで弾性変形させ、スライダ本体部24のX1−X2方向の長さを一時的に短くして突出部21とケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sとを接触させ、その状態からさらにスライダ20をZ1−Z2方向(第1方向)Z1側に挿入する。突出部21がケース10のケース本体部(壁部)14の貫通部11に到達すると、スライダ本体部24の弾性回復力によって突出部21は、貫通部11内に位置するようになる。こうして、ケース10とスライダ20とが組み立てられて、摺動部材100が得られる。
このような作業では、スライダ本体部24を弾性変形させながらケース10にスライダ20を挿入するため、スライダ20やケース10が破損する可能性がある。しかしながら、本発明の一実施形態に係る摺動部材100の製造方法は、次に説明するように、このようなスライダ本体部24の弾性変形を伴う組み立て作業を必要とせず、2色成形技術を用いて金型内でケース10およびスライダ20を成形する際に、これらの組み立ても行う。それゆえ、金型からの成形品の取り出し段階でケース10およびスライダ20が組み立てられてなる摺動部材100を得ることができる。したがって、本実施形態に係る製造方法によれば、摺動部材100を効率的に製造することが実現される。
本実施形態に係る製造方法は、2色成形技術を用いることから、ケースを成形するケース成形工程とスライダを成形するスライダ成形工程とを備える。
図3から図5は、摺動部材100の製造方法を説明する図である。図3(a)は、ケース成形工程を行う際の金型の構造を概念的に示す断面図であり、図3(b)は、入れ子の構造を説明するための部分外観図であり、図3(c)は、ケース成形工程において第1樹脂系材料がキャビティ内に射出された状態を概念的に示す断面図である。図4(a)は、ケース成形工程が終了した状態を概念的に示す断面図であり、図4(b)は、スライダ成形工程を行う際の金型の構造を概念的に示す断面図であり、図4(c)は、スライダ成形工程において第2樹脂系材料がキャビティ内に射出された状態を概念的に示す断面図である。図3(a)など図3から図5に示される断面図は、いずれも、図1に示される摺動部材100のV1−V1断面またはこれに対応した位置における金型の断面の概略図である。
まず、図3(a)に示されるように、金型200では、第1金型210の凹部211のZ1−Z2方向Z1側の面に、第2金型220が当接して、第1キャビティ240が形成される。ここで、第1金型210はX1−X2方向(摺動部材100における第2方向に相当する方向である。)に進退可能な入れ子230を有する。図3(b)に示されるように、入れ子230は、摺動面230Sを有して第1金型210に対して摺動可能な部材であって、第1キャビティ240の内部へと前進させると、入れ子突出部231が第1キャビティ240の内部に位置し、入れ子230の前進側(図3(b)ではX1−X2方向X2側)の面である第1入れ子面232が第2金型220に当接して、第1入れ子面232は第1キャビティ240の内部には露出しない状態となる。したがって、この状態で、金型200の第1キャビティ240の内部にケース10を形成するための樹脂系材料である第1樹脂系材料RM1を射出すると、図3(c)に示されるように、入れ子突出部231の部分には第1樹脂系材料RM1が存在できない。このため、図3(b)に示されるように、入れ子230の第1入れ子面232には、X1−X2方向X1側に窪んだ入れ子凹部233が設けられていても、この入れ子凹部233に第1樹脂系材料RM1が充填されることはない。それゆえ、第1キャビティ240の内部に充填される第1樹脂系材料RM1を冷却固化させて得られるケース10のケース本体部(壁部)14には、図4(a)に示されるように、部分的に欠損部が形成され、これが貫通部11となる。
第1樹脂系材料RM1を構成する材料は、ケース10として求められる機械特性(強度、摺動性など)などを満たすことができるとともに、後述する第2樹脂系材料RM2よりも、溶融温度が高く、かつ熱膨張率が小さい材料が選ばれる。そのような材料として、ポリカーボネートなどが例示される。また、ケース10とスライダ20との摺動面を適切に形成する観点から、第1樹脂系材料RM1は、第2樹脂系材料RM2との相溶性が低い材料であることが好ましく、非相溶性の材料であることがより好ましい。なお、第1樹脂系材料RM1はフィラーを含有していてもよい。
こうしてケース成形工程が終了して第2金型220を第1金型210からZ1−Z2方向Z2側に離間させると、図4(a)に示されるように、第1金型210の凹部211の中にはケース10が位置している。そして、入れ子230は第1金型210の凹部211の内部へと前進しているため、第1金型210の凹部211の内部にて、ケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sおよび第1入れ子面232が露出している。また、第1入れ子面232が露出しているため、入れ子凹部233も第1金型210の凹部211の内部に露出している。
この状態で、次のスライダ成形工程が行われる。図5(a)は、スライダ成形工程において第2樹脂系材料の冷却固化が終了した状態を概念的に示す断面図であり、図5(b)は、スライダ成形工程の終了後に入れ子を後退させた状態を概念的に示す断面図であり、図5(c)は、金型から取り出された摺動部材の概略断面図である。
スライダ成形工程では、金型200の内部(具体的には、第1金型210の凹部211の内部)にケース10が存在している状態で、ケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sを含んで画成される空間(第2キャビティ241)内に、第1樹脂系材料RM1よりも熱膨張率が大きい第2樹脂系材料RM2を射出して冷却固化させる。具体的には、まず、図4(a)に示される状態から、第2金型220に代えて、第3金型221を、第2金型220の場合と同様に、第1金型210の凹部211のZ1−Z2方向Z1側の面に当接させる。その結果、図4(b)に示されるように、ケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sおよび入れ子凹部233を露出させた第1入れ子面232ならびに第1金型210の面および第3金型221の面からなる空間である第2キャビティ241が形成される。
そして、この第2キャビティ241内に、第2樹脂系材料RM2を射出して充填する。その結果、図4(c)に示されるように、入れ子凹部233の内部も第2樹脂系材料RM2によって充填される。
第2樹脂系材料RM2を構成する材料は、スライダ20として求められる機械特性(強度、摺動性など)などを満たすことができるとともに、上記の第1樹脂系材料RM1よりも、溶融温度が低く、かつ熱膨張率が大きい材料が選ばれる。そのような材料として、ポリアセタールなどが例示される。また、ケース10とスライダ20との摺動面を適切に形成する観点から、第1樹脂系材料RM1は、第2樹脂系材料RM2との相溶性が低い材料であることが好ましく、非相溶性の材料であることがより好ましい。なお、第1樹脂系材料RM1として例示したポリカーボネートは溶融温度が260℃程度であって熱膨張率が1%程度である。これに対し、第2樹脂系材料RM2として例示したポリアセタールは溶融温度が200℃程度であって熱膨張率が2%程度である。第2樹脂系材料RM2はフィラーを含有していてもよい。
第1樹脂系材料RM1および第2樹脂系材料RM2として、上記の条件を満たす材料を選ぶことにより、ケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sが第2キャビティ241の一部を構成していても、その面がスライダ成形工程において溶解して第2樹脂系材料RM2と溶け合うことがない。このため、第2キャビティ241に充填された第2樹脂系材料RM2を冷却固化すると、スライダ20がケース10とは別体で形成される。このため、スライダ成形工程が終了して第3金型221を第1金型210からZ1−Z2方向Z2側に離間させると、図5(a)に示されるように、第1金型210の凹部211の内部には、ケース10のケース本体部(壁部)14の内面10Sに外面20Sが離間して対向するように、スライダ20は配置される。このとき、間に入れ子230が位置するものの、ケース10の貫通部11内へと突出するように突出部21は配置されている。
そこで、図5(b)に示されるように、入れ子230を後退させると(後退した向きは図5(b)において白い矢印で示されている。)、ケース10とスライダ20とからなる摺動部材100が、ケース10の貫通部11内にスライダ20の突出部21が嵌め込まれた状態で第1金型210の凹部211の内部に形成される。したがって、第1金型210の凹部211の内部に位置するケース10およびスライダ20のいずれか一方を持ち上げたとしても、図5(c)に示される摺動部材100を第1金型210から取り出すことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る製造方法によれば、ケース10とスライダ20との組み立て作業を別に実施することなく、2色成形技術によって金型内でケース10およびスライダ20を成形することによって、スライダ20がケース10に嵌め込まれた摺動部材100を製造することができる。
上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
上記の摺動部材100は貫通部11および突出部21の組み合わせを複数備えるが、これに限定されない。貫通部11および突出部21の組み合わせは1つであってもよいが、この組み合わせが複数存在している場合には、摺動部材100を構成するケース10とスライダ20とが分離する可能性が低減するため、好ましい。
上記の摺動部材100の貫通部11は受容部12を有するが、これに限定されない。受容部12を有する場合には、第1方向(Z1−Z2方向)の摺動が規制された状態では、突出部21の一部が受容部12の内部に収まる。このため、ケース10とスライダ20との相対位置のずれが生じにくくなる。したがって、摺動部材100の動作において、突出部21がケース10(ケース本体部(壁部)14)に接触したことによって摺動が完了して動作停止となる場合には、動作停止している摺動部材100にガタが生じにくくなり、好ましい。
第3金型221は第2金型220の入れ子が移動することによって構成されるものであってもよい。この場合には、図4(a)のステップを経ることなく、入れ子を移動させることによって、図4(b)の状態に至ることができる。
摺動部材100を構成する部材は3つ以上であってもよい。例えば、1つのケースに対して複数のスライダが嵌め込まれていてもよい。そのような場合であっても、上記の製造方法のように貫通部およびその内部に位置する突出部を1つの入れ子が前進した状態で形成し、その入れ子を後退させることによって、貫通部内に突出部が嵌め込まれた構造を得ることができる。
100 摺動部材
10 ケース
10H 中空部
10S ケース本体部(壁部)14の内面
10A ケースフランジ部13のZ1−Z2方向Z1側の面
11 貫通部
12 受容部
13 ケースフランジ部
14 ケース本体部(壁部)
20 スライダ
20S スライダ本体部24の外面
21 突出部
23 スライダフランジ部
24 スライダ本体部
200 金型
210 第1金型
211 第1金型210の凹部
220 第2金型
221 第3金型
230 入れ子
230S 入れ子の摺動面
231 入れ子突出部
232 第1入れ子面
233 入れ子凹部
240 第1キャビティ
241 第2キャビティ
RM1 第1樹脂系材料
RM2 第2樹脂系材料

Claims (3)

  1. 中空部を有するケースと前記中空部内にその一部が位置するスライダとを備える摺動部材の製造方法であって、
    前記摺動部材は、
    前記ケースの中空部を囲む壁部の内面と、前記スライダの前記中空部内に位置する部分の外面とが、対向配置されて第1方向に摺動可能であって、
    前記ケースの前記壁部には、前記第1方向とは異なる第2方向に貫通する貫通部が設けられ、
    前記スライダの外面における前記貫通部に対向する部分には、前記貫通部の内部へと突出する突出部が設けられ、
    前記突出部の形状および前記貫通部の形状は、前記スライダの前記ケースに対する前記第1方向への摺動が前記突出部の前記ケースへの接触によって規制されるように形成され、
    前記製造方法は、
    入れ子を有する金型の第1キャビティ内に第1樹脂系材料を射出して冷却固化させて、前記ケースを前記金型内に形成するケース成形工程と、
    前記ケース成形工程により形成された前記ケースが前記金型内に存在している状態で、前記ケースの前記壁部の内面を含んで画成される第2キャビティ内に、前記第1樹脂系材料よりも熱膨張率が大きい第2樹脂系材料を射出して冷却固化させて、前記ケースとは別体の前記スライダを形成するスライダ成形工程と、を備え、
    前記入れ子は、前記第2方向に対応する方向に進退可能であって、前記入れ子の前進側に位置する第1入れ子面に前記突出部に対応する凹部を有し、
    前記ケース成形工程では、前記入れ子を前進させて前記第1入れ子面が前記第1キャビティ内に露出しない状態で前記第1樹脂系材料を射出して前記貫通部を形成し、
    前記スライダ成形工程では、前記第1入れ子面が前記第2キャビティ内に露出した状態で前記第2樹脂系材料を射出して、前記第2樹脂系材料を前記突出部内に充填し、
    前記スライダ成形工程の終了後、前記入れ子を後退させて、前記スライダが前記ケースに嵌め込まれた前記摺動部材を前記金型内に形成すること
    を特徴とする摺動部材の製造方法。
  2. 前記貫通部および前記突出部の組み合わせを複数備える、請求項1に記載の摺動部材の製造方法。
  3. 前記貫通部は、前記突出部に対応した形状に貫通領域が拡大した受容部を有し、前記突出部における前記受容部の内部に位置する部分が前記ケースに接触することにより前記第1方向の摺動が規制される、請求項1に記載の摺動部材の製造方法。
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