JP6775462B2 - アンカーれんが - Google Patents

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Description

本発明は、加熱炉等の窯炉の天井構造において使用されるアンカーれんがに関する。
加熱炉等の窯炉の天井構造において、アンカーれんがは、ケーシングの内側面の一端に保持され、その内側面に積層形成される不定形耐火物層内に埋設して使用することで、不定形耐火物の脱落を防止する。
しかし、アンカーれんがはケーシングの内側に、例えばハンガー金物などで保持されているため、炉内からの熱応力や振動による応力などが加わると保持されている部分に亀裂が生じてついには折損する場合があり、その結果、天井の不定形耐火物を支えることができなくなり、天井の落下事故を起こすといった問題がある。
そこで、アンカーれんがの折損を防止するための技術が、従来から提案されている。
特許文献1(特開昭62-245082号)には、窯炉天井におけるアンカーれんがを支持するハンガー金物と吊用パイプとの間に、前記ハンガー金物の上下位置を調整するための部材を装入して、各アンカーれんがにかかる荷重を均一にして不定形耐火物を懸垂することによってアンカーれんがの折損及び脱落を防止する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示の方法は、アンカーれんがの下面が所定の水平位置で一緒に揃うようにアンカーれんが毎に部材で調整する必要があるため、施工が煩雑になるという問題がある。
特許文献2(特開平10-310478号)には、長さ10〜30 mmのステンレスファイバーを2〜5重量%含有し、ローセメントキャスタブルを用いて製造した、ゴミ焼却炉天井部に使用する不焼成アンカーれんがが開示されており、ステンレスファイバーを含有することにより、アンカーれんがの材質を改善し熱間強度が大巾に向上し、操業時の亀裂発生を抑制することができると記載されている。しかしながら、特許文献2に開示のアンカーれんがは、炉内温度が900〜1OO0℃のゴミ焼却炉で使用した場合には十分にその効果が発揮されるが、炉内温度が1300〜1400℃に達する加熱炉で使用した場合、かえってアンカーれんがの組織が脆弱化し熱間強度を低下させることがわかった。
特開昭62-245082号公報 特開平10-310478号公報
従って、本願発明の目的は、炉内温度が1300〜1400℃に達する加熱炉の天井構造で使用した場合であっても、十分な熱間強度を有し、折損が防止され、長時間の使用が可能なアンカーれんがを提供することである。
本発明者らは、特許文献2に開示されたような金属ファイバーを含有させたアンカーれんがを炉内温度が1300〜1400℃に達する加熱炉の天井部に使用した場合に発生するアンカーれんが組織の脆弱化の原因について以下のように考察した。
加熱炉等の天井構造において、加熱炉の稼働時には、稼動面側の環境温度(炉内温度)は1300〜1400℃程度であり、背面側の環境温度は60℃程度である。そのときのアンカーれんがの温度は、稼動面側では1000℃以上となり、背面側では600℃程度になる。稼動面側のアンカーれんがが1000℃以上に加熱され続けると、アンカーれんがに含まれる金属ファイバーの酸化が起こると考えられ、その結果、時間の経過とともにアンカーれんがの組織の脆弱化が進行し、熱間強度を低下させるのではないかと考えられる。
本発明者らは、稼動面側(炉内側)から背面側(吊下部側)に向って温度勾配が生じることに着目し、鋭意研究の結果、特許文献2に開示されたような金属ファイバーを均一に含有させたアンカーれんがの代わりに、背面側から稼動面側に向って連続的又は段階的に金属ファイバーの添加量が減少するようにアンカーれんがを構成し、稼動面側の1000℃以上に加熱される部分の金属ファイバー含有量をできるだけ減らすことにより、酸化による組織の脆弱化を回避することができるとともに、背面側のハンガー等によって応力がかかる部分において金属ファイバーの添加効果を最大限に発揮できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のアンカーれんがは、流し込み耐火物と、前記流し込み耐火物中に分散させた金属ファイバーとからなり、前記金属ファイバーの含有量が、前記アンカーれんがの背面側の端部から稼働面側の端部に向けて長さ方向に減少するように、連続的又は段階的に変化しており、前記背面側の端部における前記金属ファイバーの含有量は4〜8質量%であり、前記稼働面側の端部における前記金属ファイバーの含有量は1質量%以下であることを特徴とする。
前記アンカーれんがの長さ方向に前記金属ファイバーの含有量が異なる少なくとも3つの領域を有しており、前記背面側の端部側の領域Aにおける前記金属ファイバーの含有量aが4〜8質量%であり、前記稼働面側の端部側の領域Bにおける前記金属ファイバーの含有量bが1質量%以下であり、前記領域Aと前記領域Bとの間の領域における前記金属ファイバーの含有量がb質量%超及びa質量%未満であるのが好ましい。
前記領域Aは使用時に600℃±100℃である領域を含み、前記領域Bは使用時に1000℃以上になる領域を含むのが好ましい。
前記金属ファイバーは、0.2〜1.5 mmの断面最大径及び20〜35 mmの長さを有するのが好ましい。
前記流し込み耐火物は、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなるのが好ましい。
本発明のアンカーれんがは、稼動面側(炉内側)での金属ファイパーの酸化によるれんが組織の脆弱化を防ぐことができるため、アンカーれんがの長さ方向に対して、どの部位においても熱間強度の低下がなく、金属ファイバーの添加効果を最大限発揮できる。そのため、炉内温度が1300〜1400℃に達する加熱炉の天井部の使用に好適である。
本発明のアンカーれんがを用いた加熱炉等の天井構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図1(a)に示す天井構造の断面図である。 本発明のアンカーれんがを模式的に示す斜視図である。 本発明のアンカーれんがを用いた加熱炉等の天井構造の他の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)に示す天井構造の断面図である。 本発明のアンカーれんがであって、金属ファイバーの含有量が(a)連続的及び(b)段階的に変化している様子を示す模式断面図である。 本発明のアンカーれんがで使用できる金属ファイバーの形状((a)山形、(b)波形、及び(c)ドッグボーン形)の例を示す断面図である。 実施例で作製した(a)2段及び(b)3段のアンカーれんがの模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[1]加熱炉等の天井構造
本発明のアンカーれんがは、加熱炉等の天井構造において不定形耐火物層内に埋設して使用され、前記不定形耐火物層を支持固定する。加熱炉等の天井構造10は、図1(a)及び図1(b)に示すように、アンカーれんが20と、前記アンカーれんがを囲繞する不定形耐火物30とからなり、前記アンカーれんが20の上端部21が、鉄皮等により形成されたケーシング40の天井部の内側面に設けられたアンカーメタル50によって保持されることにより、不定形耐火物30をケーシング40に支持固定する。アンカーれんが20は、図2に示すように、長さ方向に直交する方向に形成された溝22を有する柱状であり、前記不定形耐火物30の中に埋設させて使用したときに、前記不定形耐火物30が前記溝22に食い込むことにより前記不定形耐火物30を保持し、脱落を防止する。
図3(a)及び図3(b)は、鉄皮等によって形成されたケーシングを有さない加熱炉等の天井構造11の一例を示す。アンカーれんが20は、ケーシング40の天井部の内側面に設けられたアンカーメタル50によって保持される代わりに、加熱炉等の天井部に設けられた梁60にワイヤ70等で吊下支持される。
前述したように、加熱炉等の天井構造に使用したときに、アンカーれんがの温度は、稼動面側では1000℃以上となり、背面側では600℃程度になる。一般に、水硬性の結合材を使用した流し込み耐火物は、300℃以上から水硬性の結合材が分解して微細な気孔を形成し、1000℃以上の高温になるとマトリックス部は焼結し、微細な気孔を減少しつつその強度を発現する。そのため、600℃付近ではマトリックス中の水硬性の結合材が分解して微細な気孔を有するが焼結は進んでいない状態となる。従って、背面側の600℃付近の部位は、未焼結の状態であるため焼結している稼働面側に比べ低強度となる。
[2]アンカーれんが
(1)構成
本発明のアンカーれんがは、流し込み耐火物と、前記流し込み耐火物中に分散させた金属ファイバーとからなり、前記金属ファイバーの含有量が、前記アンカーれんがの背面側の端部から稼働面側の端部に向けて長さ方向に減少するように、連続的又は段階的に変化していることを特徴とする。
金属ファイバーは、1000℃以上の温度環境において、酸化が著しく促進されるため、稼動面側の1000℃以上の温度になる部分に含有する金属ファイバーの量はできるだけ少なくするのが好ましい。前述したように、稼動面側の1000℃以上の温度になる部分では、流し込み耐火物に含まれるマトリックスが焼結し、高い強度を発現しているので、金属ファイバーの添加量を少なくしても実用的な強度を保つことができる。稼動面側、特に稼働時の温度が1000℃以上になる部分の金属ファイバーの含有量は1質量%以下とする。含有量が1質量%を超えると金属ファイバーの酸化により熱間強度が低下し、アンカーれんがが折損する恐れがある。前記金属ファイバーの含有量は0.5質量%以下であるのがさらに好ましい。稼働時の温度が1000℃以上になる部分には金属ファイバーが含まれていなくても良い。
一方、アンカーれんがの背面側の温度は600℃程度であり金属ファイバーの酸化は起こらないので、アンカーれんがの熱間強度を向上させるために、十分な量の金属ファイバーを含有させることができる。背面側、特に稼働時の温度が600℃±100℃の部分の金属ファイバーの含有量は4〜8質量%とする。含有量が4質量%未満では熱間強度が低いためにハンガー金物に保持されている部分から折損する恐れがあり、8質量%超では混練するために必要な水量が多くなり熱間強度が低下するためにハンガー金物に保持されている部分から折損する恐れがある。
さらにアンカーれんがは、図1(a)及び図3(a)で説明したように、背面側の部分でアンカーメタル50又はワイヤ70によって保持されるため、その保持部に応力が集中し、その部分から亀裂が発生しやすい。このように、流し込み耐火物の強度が低く、応力が集中する背面側の部分で特に金属ファイバーの効果が発揮される。
金属ファイバーの含有量は、図4(a)に示すように、背面側120aから稼動面側120bにかけて連続的に変化していても良いし、図4(b)に示すように、背面側220aから稼動面側220bにかけて領域A、領域M及び領域Bの順に段階的に変化していてもよい。なお、図4(b)では金属ファイバー223の含有量が3段階に変化しているアンカーれんが220を示したが、後述するように、2段階に変化していてもよいし、4段階以上に変化していてもよい。
金属ファイバーの含有量が連続的に変化している場合は、背面側の端部(使用時に背面側となる端部)から稼働面側の端部(使用時に稼動面側となる端部)へ向けて金属ファイバーの含有量が単調に(例えば、直線的に)減少するように構成するのが好ましい。
金属ファイバーの含有量が段階的に変化している場合は、高含有量と低含有量との2段であっても良いが、3段又はそれ以上の段数で変化しているのが好ましい。例えば金属ファイバーの含有量が3段で変化している場合、図4(b)に示すように、背面側220aの端部側の領域Aにおける金属ファイバーの含有量a、稼働面側220bの端部側の領域Bにおける金属ファイバーの含有量c、及び領域Aと領域Bとの間の領域Mにおける金属ファイバーの含有量bが、a>b>cの関係を満たすように構成するのが好ましい。4段以上の場合も同様に、背面側の端部側から稼働面側の端部側へ、金属ファイバーの含有量が段階的に減少するように構成するのが好ましい。
金属ファイバーの含有量が連続的に変化する場合も、段階的に変化する場合も、背面側の端部における金属ファイバーの含有量は4〜8質量%であり、稼働面側の端部における金属ファイバーの含有量は1質量%以下とする。ここで背面側又は稼動面側の端部における金属ファイバーの含有量とは、端面と端面から長さ方向に10%の位置との間の領域に含まれる量とする。
(2)流し込み耐火物
アンカーれんがを構成する流し込み耐火物は、炉内からの熱応力を軽減するためにアンカーれんがを囲繞する不定形耐火物と同材質が好ましい。一例として、アンカーれんがを囲繞する不定形耐火物がA1203-SiO2質のプラスチック耐火物の場合、同材質の流し込み耐火物を使用する。
流し込み耐火物に使用する耐火性配合物は、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなるのが好ましい。
耐火性骨材は、一般的な流し込み耐火物に使用される電融品及び焼結品のほぼ球状のものを使用することができ、その粒径は10 mm以下である。組成としては、アルミナ、ボーキサイト、カイアナイト、アンダリュサイト、ムライト、シャモット、ロー石、珪石、アルミナ-マグネシア系スピネル、マグネシア、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素、黒鉛、カーボン、ピッチ等からなる群から選ばれた1種であり、必要に応じて2種以上を併用することができる。
耐火性微粉も同様に、非晶質シリカ微粉、シリカ微粉、アルミナ微粉、マグネシア微粉、チタニア微粉、ムライト微粉、ジルコニア微粉、クロミア微粉、炭化珪素微粉、カーボン微粉等からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、必要に応じて2種以上を併用する。なお、ここでいう耐火性微粉とは、JIS標準ふるいで200メッシュ以下、即ち0.074 mm以下の粒子である。
アルミナセメントとしては、CaO含有量が30質量%未満であって、カルシウムアルミネートを主体鉱物とする高純度ハイアルミナセメントを使用する。
分散剤は、特に限定されるものではないが、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ウルトラポリリン酸塩、酸性ヘキサメタリン酸塩などの無機系分散剤や、ポリアクリル酸塩、スルホン酸塩、ポリカルボン酸系などの有機系分散剤などを使用する。
流し込み耐火物には、前記構成の他に、発明の効果を阻害しない範囲において、さらに、前記耐火性配合物に対して、増粘剤、硬化調整剤、爆裂防止剤などを添加することもできる。
(3)金属ファイバー
金属ファイパーは、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に流し込み耐火物に使用されているものであればいずれのものも使用できる。特に、高耐酸化性金属ファイバーを使用すれば、本発明のアンカーれんがは、焼成れんが又は不焼成れんがのいずれも可能である。流し込み耐火物に金属ファイバーを含有させることにより、アンカーれんがの熱間強度を著しく向上させ、操業時の亀裂発生を抑制することができる
金属ファイバーは、断面最大径が0.2〜1.5 mmである。断面最大径が0.2 mm未満ではアンカーれんがの熱間強度を向上させる効果が得られず、1.5 mmを超えて大きくなると流し込み耐火物の流動性が低下するため、施工時の充填性が悪くなる。金属ファイバーの長さは20〜35 mmがさらに好ましい。長さが20 mm未満では、1000℃未満での亀裂を分散又は抑制する効果が得られず、長さが35 mm超では、金属ファイバーが混練時に絡み合いやすくなり、流し込み耐火物の流動性が低下するため、得られる組織が脆弱になってしまい好ましくない。
金属ファイバーの種類は特に限定されず、一般的に流し込み耐火物に使用されているものであればいずれのものも使用できる。例えば、耐熱合金、耐熱鋼、ステンレス鋼、高張力鋼、炭素鋼が挙げられ、それらにCu、Al、Mo、Ti、Nb、Be、N、B等の元素を1種又は2種以上含んだ特殊合金鋼等も挙げられる。比較的入手しやすいものとしては、JISに規格されるSUS310S、SUS304、SUH446、SUS430などが挙げられる。
金属ファイバーの形状としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、直線状及び例えば図5に示すような曲線状(山形、波形、ドッグボーン形等)のいずれのものも使用できる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(1)実験例
耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント、金属ファイバーを配合し、化学組成で65質量%のAl2O3及び35質量%のSiO2からなる流し込み耐火物を調整した。金属ファイバーは、SUS304からなり、断面最大径0.5 mm及び長さ15 mmの直線状のものを使用した。
流し込み耐火物を表1に示す量の水で混練し、40×40×160 mmの形枠に流し込み成形し、常温で24時間養生した後、脱枠して110℃で24 hr乾燥した。得られた成形体について、乾燥後、600℃及び1000℃で3 hr加熱した後、物性の測定を行った。各試験の試験方法について以下に説明する。
(1-1)残存線変化率
JIS R2654に準拠して測定した。
(1-2)かさ比重
JIS R2655に準拠して測定した。
(1-3)熱伝導率
JIS R2251-1(熱線法:直交法)に準拠して測定した。
(1-4)熱間曲げ強度
JIS R2553に準拠して測定した。
Figure 0006775462
※ 耐火性原料100質量%に対する外割添加水量
(2)実施例及び比較例
実施例1
実験例で作製した実験例3及び実験例6の流し込み耐火物を用いて、図6(a)に示すように、稼働面側300bから100 mmの領域Aの金属ファイバー量が1質量%(実験例3の流し込み耐火物)であり、100 mm〜350 mmの領域Bの金属ファイバー量が8質量%(実験例6の流し込み耐火物)である図2に示す形状のアンカーれんが300(幅125 mm、長さ350 mm)を作製し、図1(a)に示すように加熱炉の天井部に設置した。
実施例2
実験例で作製した実験例2、実験例4及び実験例6の流し込み耐火物を用いて、図6(b)に示すように、稼働面側400bから50 mmの領域aの金属ファイバー量が0.5質量%(実験例2の流し込み耐火物)であり、50 mm〜200 mmの領域bの金属ファイバー量が3質量%(実験例4の流し込み耐火物)であり、200 mm〜350 mmの領域cの金属ファイバー量が8質量%(実験例6の流し込み耐火物)である図2に示す形状のアンカーれんが400(幅125 mm、長さ350 mm)を作製し、図1(a)に示すように加熱炉の天井部に設置した。
比較例1
実験例3及び実験例6の流し込み耐火物の代わりに、それぞれ実験例2及び実験例4の流し込み耐火を使用して、領域Aの金属ファイバー量を0.5質量%(実験例2の流し込み耐火物)及び領域Bの金属ファイバー量を3質量%(実験例4の流し込み耐火物)とした以外実施例1と同様にしてアンカーれんがを作製し、図1(a)に示すように加熱炉の天井部に設置した。
比較例2
実験例3及び実験例6の流し込み耐火物の代わりに、それぞれ実験例2及び実験例7の流し込み耐火を使用して、領域Aの金属ファイバー量を0.5質量%(実験例2の流し込み耐火物)及び領域Bの金属ファイバー量を10質量%(実験例7の流し込み耐火物)とした以外実施例1と同様にしてアンカーれんがを作製し、図1(a)に示すように加熱炉の天井部に設置した。
比較例3
実験例3の流し込み耐火物の代わりに、実験例4の流し込み耐火を使用して、領域Aの金属ファイバー量を3質量%(実験例4の流し込み耐火物)及び領域Bの金属ファイバー量を8質量%(実験例6の流し込み耐火物)とした以外実施例1と同様にしてアンカーれんがを作製し、図1(a)に示すように加熱炉の天井部に設置した。
実施例1、2及び比較例1〜3のアンカーれんがの各領域に使用した流し込み耐火物、及び各アンカーれんがを天井部に設置した加熱炉を約1年間稼働させた後、当該天井部の部分解体により各アンカーれんがの側面を露出させ、目視点検を行い、折損していなかったものを○、折損が認められたものを×として評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006775462
注(1):金属ファイバー量の数値の下に記載した実験例は、流し込み耐火物の実験例番号を示す。
注(2):2段のアンカーれんがは稼動面側から領域A及びBの構成であり、3段のアンカーれんがは稼動面側から領域a、b及びcの構成である。
表2から明らかなように、本発明品である実施例1及び実施例2のアンカーれんがは、各部位に適正な量の金属ファイバーを使用しているため、どの部位においても折損が認められず、金属ファイバーの添加効果を最大限発揮できた。
これらに対して、背面側の金属ファイバーが4質量%より少ない比較例1は、熱間強度が低いためにハンガー金物に保持されている部分から折損した。背面側の金属ファイバーが8質量%より多い比較例2は、混練水量が多く熱間強度が低下するためにハンガー金物に保持されている部分から折損した。稼働面側の金属ファイバーが1質量%より多い比較例3は、使用中に金属ファイバーが酸化して熱間強度が低下したために稼働面側が折損した。
1・・・天井構造
2・・・天井構造
20・・・アンカーれんが
21・・・上端部
22・・・溝
23・・・金属ファイバー
30・・・不定形耐火物
40・・・ケーシング
50・・・アンカーメタル
60・・・吊パイプ
70・・・ハンガー金物
120、220・・・アンカーれんが
120a、220a・・・背面側
120b、220b・・・稼動面側
122、222・・・溝
123、223・・・金属ファイバー
300、400・・・アンカーれんが
300a、400a・・・背面側
300b、400b・・・稼動面側

Claims (5)

  1. 流し込み耐火物と、前記流し込み耐火物中に分散させた金属ファイバーとからなるアンカーれんがであって、前記金属ファイバーの含有量が、前記アンカーれんがの背面側の端部から稼働面側の端部に向けて長さ方向に減少するように、連続的又は段階的に変化しており、前記背面側の端部における前記金属ファイバーの含有量が4〜8質量%であり、前記稼働面側の端部における前記金属ファイバーの含有量が1質量%以下であることを特徴とするアンカーれんが。
  2. 請求項1に記載のアンカーれんがにおいて、前記アンカーれんがの長さ方向に前記金属ファイバーの含有量が異なる少なくとも3つの領域を有しており、前記背面側の端部側の領域Aにおける前記金属ファイバーの含有量aが4〜8質量%であり、前記稼働面側の端部側の領域Bにおける前記金属ファイバーの含有量bが1質量%以下であり、前記領域Aと前記領域Bとの間の領域における前記金属ファイバーの含有量がb質量%超及びa質量%未満であることを特徴とするアンカーれんが。
  3. 請求項2に記載のアンカーれんがにおいて、前記領域Aは使用時に600℃±100℃である領域を含み、前記領域Bは使用時に1000℃以上になる領域を含むことを特徴とするアンカーれんが。
  4. 請求項1〜3に記載のアンカーれんがにおいて、前記金属ファイバーが、0.2〜1.5 mmの断面最大径及び20〜35 mmの長さを有することを特徴とするアンカーれんが。
  5. 請求項1〜4に記載のアンカーれんがにおいて、前記流し込み耐火物が、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなることを特徴とするアンカーれんが。
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